JP4364946B2 - アンテナアレーと空間処理を使用したデシジョン有向復調のための方法及び装置 - Google Patents

アンテナアレーと空間処理を使用したデシジョン有向復調のための方法及び装置 Download PDF

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Description

関連出願についての説明
本出願は、ここで参考資料として取り上げる「アンテナアレーと空間処理を使用した通信システムのパラメータを見積もるための方法及び装置」と題する、同時出願、共同所有、同時係属特許出願に関係しており、これより以下、「我々のパラメータ見積もり発明」として言及するものとする。
I.発明の背景
A.発明の属する技術的分野
本発明の分野はワイヤレス(無線)通信である。厳密には、本分野では、同一チャンネル干渉が存在する状況において、周波数オフセットの修正と整列を始めとする復調を行うために、ワイヤレス通信システムにおいてアンテナアレーと空間信号処理を使用する。
B.背景
空間処理
ワイヤレス通信システムのユーザーは通常、無線トランシーバーを装備したセルラー電話やデータモデムのような遠隔ターミナルを使用してシステムにアクセスする。このようなシステムは、一般的には1つ又はそれ以上の無線基地局を有し、各局は「セル」として知られる地理的な区域を対象範囲としている。遠隔ターミナル及び基地局は、通話の開始、通話の受信、及び情報の一般伝送のためのプロトコルを有している。
このようなシステムでは、スペクトルの割り当てられた部分は周波数、時間、コード、又はそれらの組み合わせによって区別することのできる通信チャンネルに分割される。これら通信チャンネルの各々を、本願では「従来型チャンネル」と呼ぶことにする。完全2重化通信リンクを提供するためには、通常、いくつかの通信チャンネルを基地局からユーザーの遠隔ターミナルへの通信(ダウンリンク)用に使用し、他のチャンネルをユーザーの遠隔ターミナルから基地局への通信(アップリンク)用に使用する。そのセル内では、無線基地局は、各遠隔ターミナル毎に異なる従来型チャンネルを使用することにより、多数の遠隔ターミナルと同時に通信することができる。
我々は、先に、このようなシステムのスペクトル効率性を上げるためにアンテナアレーを伴う空間処理について開示している。1991年12月12日出願の「多数アクセスワイヤレス通信システム」と題する米国特許出願番号第07/806,695号(1996年5月7日発行の米国特許第5,515,378号)、1994年4月28日出願の「アンテナアレーを校正するための方法及び装置」と題する米国特許出願番号第08/234,747号(1996年8月13日発行の米国特許5,546,909号)、1994年8月1日出願の「高スペクトル効率高容量アクノレジメント無線ページングシステム」と題する米国特許出願番号第08/283,470号、1995年1月20日出願の「高スペクトル効率高容量のワイヤレス通信システム」と題する米国特許出願番号第08/375,848号(ひとまとめにして「我々の審査中の特許出願」)を参照されたい。ここでの概念は、単一のアンテナではなくてアンテナアレーを使用し、その上でアンテナで受信する信号を処理することにより通信の質を上げることである。アンテナレーはまた、従来型チャンネルに対して空間的な多重化を加えることによりスペクトル効率を上げるあげるために使用することができ、これにより数人のユーザーが同時に同じ従来型チャンネル上で通信を行うことが可能となる。我々は、これを空間分割多数アクセスという意味でSDMAと呼んでいる。このように、周波数分割多重化(FDMA)を例にとれば、SDMAを用いれば、数カ所の遠隔ターミナルが同一周波数のチャンネルすなわち同じ従来型のチャンネル上で、単一セルの1カ所以上の基地局と交信可能となる。同様に、時分割多重化(TDMA)とSDMAでは、数カ所の遠隔ターミナルが、同一周波数のチャンネルでしかも同一タイムスロットすなわち同じ従来型のチャンネル上で、単一セルの1カ所以上の基地局と交信可能となる。SDMAは同様にコード分割多重化アクセス(CDMA)とも併用することができる。
本発明が取り扱う普遍的な問題点は、1カ所以上の干渉源からの干渉がある状況において、特定源からの特定信号若しくは複数信号を首尾良く受信して復調することのできるワイヤレス通信システムを設計することである。多くの場合、特にセルラー通信システムの場合には、干渉信号は実際には同じ通信システムの他のソースから出ており、従って「同一の」変調フォーマットを有している。このような干渉は、同一チャンネル上における他の信号からの予想できる様々な干渉の内の一つであり、「同一チャンネル」干渉と呼ばれる。本発明では、他の干渉やノイズはもとより、このような同一チャンネル干渉が存在する状況下で信号を復調することについて提示している。このようなシステムが評価される根拠となる長所は、干渉源の強度に比較して所要信号をどれほど良好に拾うことができるかという点である。
我々の審査中の特許にあるように、本発明は1つのワイヤレス通信システムに対しアンテナを多数に増やし、これにより、各バージョンが同一チャンネル信号の全てに干渉とノイズを合わせた複合構成から成る、各信号の多数のバージョンを導入することである。アンテナを多数にすると、対象の信号の干渉する同一チャンネル信号に対する振幅と位相両方における関係は、アンテナは互いにある距離分だけ離れており、しかも場合によっては種々のソースも又離れている、というこの2つの地理的な理由により、各アンテナ信号(m機のアンテナシステムにおけるm個の信号のそれぞれ)毎に異なる。セルラー通信システムへのアプリケーションにおいて、受信用に多数のアンテナを使用することは、種々の基地局のアンテナは一緒には配置されておらずソースもまたそうであるという事実の上に成り立っている。
m機のアンテナにおける(複素数値の)m個の信号を空間処理することには、対象の各信号毎に、アンテナ信号の重み付けした合計を求めることが含まれる。複素数値の重みは、ここで「重みベクトル」と呼ぶベクトルにより表される。より一般的な場合として、受信アンテナ信号を一時的に等化することが必要となることもあるが、その場合には対象の各信号毎の重み付き合計よりもむしろアンテナ信号のコンボリューションの合計を求める。すなわち、重み付きベクトルは、線形時間不変等化状態に対し、複素数値のインパルス応答のベクトルに一般化される。本発明の目的に合わせて、「重み付きベクトル」という用語は、一時的な等化を含んでいるかどうかによって、複素重みのベクトル又はインパルス応答のベクトルの何れかに対して用いる。
我々の審査中の特許に説明されている技術の内のいくつかを始めとして、いくつかの技術が、アンテナアレーを使用し、入手可能な若しくは見積もられた空間情報を使用しながら、同一チャンネル干渉の存在する状況下で信号を受信するために提示されてきた。本発明の方法は、事前の空間情報を必要とせず、一時的情報、特に入ってくる信号の変調フォーマットを利用する。「他の」変調フォーマットの干渉信号がある状況下でその変調フォーマットを利用することは比較的容易で、これを行うための方法は数多く知られている。本発明の方法は、対象の信号が特定の変調フォーマットを持っていることを利用し、このような干渉がある場合のみならず、「同一の」変調フォーマットを有する干渉信号がある場合においても作動するものである。即ち、同一チャンネル干渉が存在する場合にもということである。
先行技術では、同一チャンネル干渉がある場合に信号を分離させて復調するということと、特定の変調フォーマットを有することを利用するということを行っている。それらは、出版された論文、例えば、SPIE会誌「信号処理アルゴリズム、アーキテクチャ、及びインプリメンテーションの進歩、第5回」(F・ラック他)、2296巻(カリフォルニア州サンディエゴ)、230−241ページ、1994年7月、にあるA・バン・ダー・ヴィーンとA・ボールライによる「移動体通信における優れたアンテナアプリケーションのための定係数因数分解技術」、第5回IEEEデュアルユーステクノロジーとアプリケーションについての年次会議会誌、1995年5月、にある、S・タルワーとA・ポールライによる「アンテナアレーに受信される多数の同一チャンネルデジタル信号を見積もるための再帰アルゴリズム」、信号、システム及びコンピュータに関する第27回アジロマー会議の会誌、第1巻349−342ページ、1993年、にある、S・タルワー,M・ヴィバーグ、A・ポールライによる「アンテナアレーに着信する多数の同一チャンネルデジタル信号のブラインド見積もり」、信号処理に関するIEEE会報、第43巻12番2920−2927ページ、1995年12月、にある、A・L・スインドルハースト、S・ダース、J・ヤンによる「デシジョン有向ビームフォーマーの分析」に提示されている。以下により詳細に説明するが、出版されている技術は、実装に問題があるため実用に適していない。即ち、信号の「現実の」特性を考慮に入れていないということである。
これらの先行技術は、それらが、対象の信号のあらゆる見積もりが実際の信号が持っていることが知られているある変調フォーマット或いは他の構造的特性を持つように強制するという理由から、「特性復元技術」と呼ばることもある。例えば、「定係数」技術は、定振幅を有する変調体系を用い、その特性を利用するものであるということが知られている。上記の実装問題に加えて、定係数技術は横軸振幅変調(QAM)のような定係数でない一般的な変調体系に対しては応用できない。
本発明の方法と装置も又特性復元性のものであるが、「有限アルファベット」を有するような体系等、変調体系の分類上広範にわたって応用できる。これらは、ある特定の期間中の信号の振幅と位相がいくつかの有限なオプションのセットの内の1つを占める変調フォーマットである。多くのデジタル変調技術にはこの特性がある。このような信号値にある不確定さは全ていつも、唯一同期性と有限アルファベットの内のどの記号が送信されたかに依る。好適実施例では、π/4差分横軸位相偏移キーイング(π/4DQPSK)を使用しているが、本発明は何れの有限アルファベット変調に対しても応用できる。
既知のデジタル変調体系で送信されるp通りの元の信号からm通りの受信アンテナ信号を与えるためにm機のアンテナのアレーを使用している先行技術の特性復元技術は、以下の段階、即ち、
a)信号に対するいくつかの多重分離重みベクトルから出発して、着信アンテナデータから対象の信号の新しい見積もりを形成し、
b)送信された記号の見積もりを得るため信号の新しい見積もりを復調し、
c)送信された記号の見積もりから、実際に送信された信号(即ち、既知の変調フォーマットを有する信号)の最も近い見積もりである基準信号を形成し、そして、
d)基準信号が入手できたら、信号に対する必要な空間多重分離重みベクトルを求める、即ち、基準信号に最も類似する、アンテナに受信される信号の組み合わせに対する解を求める(再びステップ1)、
という段階を再帰的に実行して、対象の特定信号を分離させ復調させる。
この手法では、ある始点から開始して、送信された記号の「非常に良好な」セットと、空間多重分離重みの「非上に良好な」セットとを入手し、それをアンテナ出力に適用して基準信号の「非常に良好な」見積もりを生成するまで、反復することになる。
これらの段階を行う先行技術には、上に挙げた参考事項が含まれる。多重分離重みのセットを複素ベクトルwrとしてとらえた場合に、その再帰は、wrについての見積もりで開始して、これを基準信号空間に投影して基準信号のより良好な見積もりを得て、更に基準信号のそのより良好な見積もりをwr空間に射影してwrのより良好な見積もりを得、基準信号の「非常に良好な」見積もりを生成する「非常に良好な」wrが入手できるまで、wr空間と基準信号空間の間を行きつ戻りつするのというところから、その再帰は文字通り「交互射影」と呼ばれることもある。
wr空間であろうと基準信号空間であろうと、開始値をまず最初に求めることが必要である。当業者にとっては自明のことだが、基準信号が正しく見積もられれば次のwrも正しく見積もることができ、またその逆に、wrが正しく見積もられれば基準信号も正しく見積もることができるので何れの値でも十分用を足すわけである。交互射影方法に関しての先行技術文献は、ESPRITやMUSIC等の先行技術的方法を用いてのある見積もり値で開始して、この見積もり値を全体的な再帰に対する開始点として用いることを提案している。開始用のwrを得るための方法は他にも知られているものがある。例えば、よく知られた最大比を開始用のwrと組み合わせる方法や、開始用wrを得るためのよく知られた主要コンポーネントコピー手法を使うこともできる。このような手法を用いると、大抵、最も強い信号に収斂してしまうような開始wrが得られる。このように、最終目的がいつも干渉のセットの中から最も強い信号を拾い出すことであるのならば、このような手法も役に立つ。しかしながら、このような先行技術的手法では、強度の同一チャンネル干渉を有する場合がそうであるように、搬送波対干渉(C/I)比が低い場合には、概して効果を発揮しない。
我々のパラメータ見積もり発明は、必ずしも最も強い信号ではない信号を抽出し、しかも強い同一チャンネル干渉がある状況で効果を発揮する、開始用wr見積もりを見つけるための手法を開示している。
更に、開始用のwrを使用し、次に交互射影を実行するための先行技術による手法では、適切に作動するためには、まず何れかの周波数オフセットを修正することと、まず時間内に整列(同期化)することが必要である。
周波数オフセットの問題については以下のように説明できる。一般的な無線周波数(RF)受信機では、元のRF信号は、通常クリスタル発振器及び/又は周波数シンセサイダーにより生成されるローカル周波数基準を使用して混ぜ合わされ、その位相と振幅が変調フォーマットにより設定されている予測可能なパターン周りに変化する基本帯域信号を生成する。信号には周波数オフセット要素が残留しないことが理想的であり、このようなオフセットは、例えば、ローカル発振器の周波数が信号を発信するのに使用される発振器の周波数と微妙に異なることに起因するものである。ハンドセットから基地局へ送信する移動体通信においては、無線信号の周波数はハンドセットのローカル発振器により生成され、一方信号をダウンコンバートするために使用される周波数基準は基地局の別のローカル発振器により生成される。基地局のローカル発振器は通常、性能が非常に良好ではあるが、残留信号の中には依然周波数オフセットがあるのが常である。
整列問題は、基地局において送信される信号及び受信される信号の記号の開始時刻を厳密に一致させることである。整列を実行するための手法は先行技術にも数多くある。このような手法では、しばしば、対象のバーストに組み入れられた既知のトレーニングシーケンスを使用することもある。これらのトレーニングシーケンスは、特定の相関(又はコンボリューション)特性を持つように選定される。その技術分野においてはよく知られているように、相関(又はコンボリューション)作用を使用して、タイムオフセットを求めることができる。このような手法に伴う問題点は、高い同一チャンネル干渉がある場合には、うまく働かないということである。
我々のパラメータ見積もり発明では、強い同一チャンネル干渉が存在する状況でも作動する、開始時整列と開始周波数オフセットを見つけるための手法を開示している。
開始用重みベクトルを求める問題と、開始整列と周波数オフセット問題とに加えて、先行技術の交互射影方法はまた、進行中の時整列(同期化)問題と周波数オフセット問題に苦しんでいる。第1に、基準信号から次のwrの見積もりに行く段階が、基準信号とアンテナで受信される信号を時間内に正しく整列させることに非常に敏感である。仮にそれらが誤った並び方をすると、評価されるwrは役に立たないものとなる。その上、基準信号から次のwrベクトルでのより良好な見積もりへの射影を行う段階では、射影に使用する基準信号と解釈しようとしている実際の信号の周波数との間に小さな周波数差が存在するのが普通である。このようなオフセットはwr見積もりを完全に狂わせてしまう。位相空間においては、このような小さな周波数の差が時間経過と共に累積され、数個の記号が送信されただけでもその後にサイクルの大部分が累積されることになる。このように、どんな位相を特定信号に対して用いるべきかということに関しては、複素数値の解決方法では全く関係が断たれてしまう。このように、実行中の基準信号から新しいwrを生成するというストレートな解決策は小さな周波数オフセットに対して非常に敏感である。
このように、当該技術については、周波数オフセットと時整列問題に鈍感で、しかも同一チャンネル干渉が高レベルな状況においても正常に作動する、変調及び信号分離手法が必要とされている。また当該技術では、時整列と、同一チャンネル干渉が高レベルな状況においても正常に作動する、そのような進行時を基本とした周波数オフセット推定を含むことによって、交互射影手法を改良させることも必要とされている。このように、当該技術では、このような交互射影方法において基準信号を生成(して信号基準空間に投影)する段階を改良することが必要とされており、このように改良することによって、このような基準信号の周波数オフセットや整列問題が低減される。
周波数オフセットは、基本的に、アルファベットの記号間で異なる位相を含んでいる有限アルファベット変調フォーマットにおける問題である。これには、全ての位相偏移キーイング(PSK)システム並びに多数のQAMシステムが含まれる。またAMとQAMシステムを始めとして、振幅エラーに敏感な変調フォーマットも存在する。このようなシステムに対しての交互射影システム段階では、振幅エラークリープが問題となるであろう。即ち、基準信号と実際の信号の間の振幅エラーを考慮にいれないと誤った結果が生じかねないということである。従って、当該技術では、このような交互射影方法において基準信号を生成(して信号基準空間に射影)する段階を改良することが必要とされているわけであって、このように改良することによって、このような基準信号の周波数オフセットや整列問題が低減する。
本発明の方法及び装置はこれらの問題に悩まされることはない。我々の方法には、上述の問題的状況において、概念的信号ではなくて実際の信号に近い信号を射影することが含まれる。この方法は、全ての有限アルファベット変調フォーマットに対して応用できる。
周波数オフセット、時整列、及び/又は振幅オフセットエラーに鈍感な、より良好な信号を創造することは、変調時に用いられる交互射影方法に対してのみならず、多くの適合ろ過処理やデシジョンフィードバック等化システム等のような基準信号の創造が必要とされる全ての信号処理に対して適用することができる。
II.発明の概要
A.発明の目的
本発明の目的は、符号間干渉が存在する状況において、周波数オフセットと時整列問題に対して比較的鈍感な、変調のための方法及び装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、時整列と、同一チャンネル干渉が存在する状況においても正常に作動する、そのような進行時ベースの周波数オフセット見積もりを含む改良された交互射影手法を提供することにある。
本発明のまた別の目的は、周波数オフセットと整列問題を低減させた、基準信号を生成するための改良された方法を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、振幅オフセットを低減させた、基準信号を生成するための改良された方法を提供することにある。
発明の概観
本発明の上記及び他の目的は、基準信号を生成するために基地局で実行される方法に対して提供されるものであるが、この基地局は、アンテナのアレーを含んでいる少なくとも1カ所の基地局と、少なくとも1カ所の遠隔ターミナルを含んでいるワイヤレス通信システムの一部である。基準信号は、有限記号アルファベットを有する変調体系により記号ポイントで変調される。アレーの各アンテナは対応する受信信号を受信するが、受信信号は全て受信信号ベクトルを形成しており、各受信信号は送信を行っている全遠隔ターミナルからの信号を含んでいる。この方法は、空間重みベクトルを使用して、受信信号ベクトルから遠隔ターミナルコピー信号を分離させる信号コピー操作を含んでおり、各サンプルポイント毎に、(a)遠隔ターミナルコピー信号から変調体系を有する架空信号をし、開始記号ポイントに架空信号があると開始記号ポイントにおいて遠隔ターミナルコピー信号と等化されるようになっている、そして(b)この架空基準信号を前記ターミナルコピー信号に向けて緩和して、基準隔ターミナル転送信号を生成する。ある1つの実施例では、前記変調体系のアルファベットには、異なる振幅を有する記号が含まれており、緩和段階では、架空信号の振幅を遠隔ターミナルコピー信号の振幅に向けて緩和する。別の実施例では、変調体系には位相偏移キーイングが含まれており、緩和段階では、架空信号の位相を遠隔ターミナルコピー信号の位相に向けて緩和する。
アンテナのアレーを含んだ少なくとも1つの基地局と少なくとも1つの遠隔ターミナルを含むワイヤレス通信システムにおいて、特定の遠隔局により送信される変調信号を復調させるための、基地局が実行する方法についても開示されている。変調信号は、有限記号アルファベット変調体系により変調されているものと仮定する。アンテナのアレーの各々別個のアンテナは、対応する受信信号を受信するが、全受信信号は受信信号ベクトルを形成している。各受信信号には、送信中の全遠隔ターミナルからの信号が含まれる。この方法には、受信信号をダウンコンバートする段階、即ち、受信信号ベクトルの時整列と周波数オフセットを見積もることと、受信信号ベクトルから遠隔ターミナルコピー信号を分離するために初期空間重みベクトルを使用することであって、分離には見積もられた時整列と周波数オフセットを使用して時整列と周波数オフセットを修正し訂正されたターミナルコピー信号を形成することが含まれている、そのような初期空間重みベクトルを使用することと、復調信号を生成するために修正されたターミナルコピー信号を復調することとが含まれ、更にそれから(a)復調された信号から基準信号を合成すること、基準信号に依存する指定された費用関数を最小化することにより新しい空間重みベクトルを計算すること、そして(b)分離用の初期空間重みベクトルの代わりに最後に求められた新しい空間重みベクトルを使用して、上記の分離と復調の段階を繰り返すことという段階を少なくとも1回は行うことが含まれる。復調された信号は次に出力される。
ある変更例では、分離する段階には、訂正された信号ベクトルを形成するために受信信号ベクトルへの修正として見積もられた時整列と周波数オフセットを用いることと、特定の遠隔ターミナルに対応する初期空間重みベクトルを使用して修正済みの信号ベクトルから修正されたターミナルコピー信号を分離することとが含まれている。
別の変更例では、分離する段階には、特定の遠隔ターミナルに対応する初期空間重みベクトルを使用して、受信信号ベクトルから特定の遠隔ターミナルに対応するターミナルコピー信号を分離することと、訂正されたターミナルコピー信号を形成するために前記特定のターミナルコピー信号への修正として見積もられた時整列と周波数オフセットを適用することとが含まれる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の装置の好適な実施例のアーキテクチャを示す。
図2は、本発明の好適実施例において同期化を行うために使用されるバーストの図解を示す。
図3は、本発明の好適実施例で使われるSYNCHバーストの振幅(大きさ)を示す。
図4は、本発明の好適実施例による整列方法のフローチャートを示す。
図5は、初期整列及び周波数オフセット見積もり装置の好適実施例で勘案される整列ウインドウとSYNCHバーストのサブセットである。
図6は、復調方法のフローチャートである。
図7は、図6のステップ629の詳細なフロー線図である。
IV.好適実施例の説明
A.システムのアーキテクチャ
本発明の様々な好適及び代替実施例は、「パーソナル携帯電話システム」(PHS)、ARIB標準、バージョン2(RCR STD−28)を使用するセルラーシステムに組み込むためのものである。厳密には、本発明の様々な好適及び代替実施例は、「我々の復調発明」の好適実施例と組み合わせて取り入れられるものである。
PHSシステムは、真時分割2重化(TDD)を伴う8スロット時分割多元アクセスシステム(TDMA)である。このように、8タイムスロットは、4送信(TX)タイムスロットと4受信(RX)タイムスロットに分けられている。好適実施例で使用されるPHSシステムの周波数帯は1985−1918.1MHzである。8タイムスロットの各々は625マイクロ秒の長さである。PHSシステムは、呼び出し開始が起こる制御チャンネル用に専用の周波数とタイムスロットを持っている。一旦リンクが確立されると、呼び出しは標準通信用のサービスチャンネルに渡される。通信は、フルレートと呼ばれる毎秒32kビット(kbps)の速さで何れのチャンネルでも発生する。PHSは、またハーフレート(16kbps)及びクォーターレート(8kbps)通信もサポートする。
好適実施例におけるPHSでは、「バースト」は単一のタイムスロット期間中に空中を越えて送受信される有限持続時間RF信号と定義される。「グループ」は4TXと4RXタイムスロットの1セットと定義される。グループは、常に第1TXタイムスロットで始まり、その持続時間は8x0.625=5マイクロ秒である。ハーフレートやクォーターレート通信をサポートするために、PHS規格は「PHSフレーム」を4グループとして定義しており、それは即ち、8タイムスロットの4完全周期である。ここに述べる実施例では、フルレート通信のみがサポートされており、従ってこの説明中では、「フレーム」という語はPHS用語のグループと同じである。即ち、フレームとは4TX及び4RXタイムスロットで5マイクロ秒長ということである。フルレート未満の通信を組み込むために本願で述べる実施例をどのように変更するのかについての詳細は、当業者には明らかであろう。
論理チャンネルは、遠隔ターミナルと基地局との間で、それを通してメッセージが交換される概念的なパイプである。2タイプの論理チャンネル、即ち通信リンクの開始を担当する論理制御チャンネル(LCCH)と進行中の通信を担当するサービスチャンネル(SCH)が存在する。本発明の好適実施例は、サービスチャンネルの通信に適用される。ここでは、何れであっても特定遠隔ターミナルと基地局は別個のフレームであるタイムスロットのバーストで通信を行う。
フレームタイミングとはフレームの開始と停止タイミングである。呼び出し開始中に、遠隔ターミナルは、基地局の同報通信制御チャンネル(BCCH)と呼ばれる制御チャンネルを聴いて、基地局のフレームタイミングに自身を同調させる。通話を開始するに当たって、基地局と遠隔ターミナルは、制御チャンネル上で通信して、サービスチャンネル用のタイムスロットと周波数を確立する。一旦特定のサービスチャンネルが承認を得ると、基地局と遠隔ターミナルはそのサービスチャンネルにつき同期作動(“SYNCH”)モードに入り、その間に各々は相手に既知の同期作動バースト(“SYNCH”バースト)を送る。
本発明の方法及び装置の好適実施例は、このSYNCHバーストを使用して、時整列の初期見積もりとこの周波数オフセットの初期見積もりを求める。これは実際問題として、遠隔ターミナルのRF周波数は、基地局搬送波に対して±5kHz以上程度のオフセットとなるかもしれないから必要なのである。初期空間処理重みベクトルもまたSYNCHモード中に求められる。
一旦整列と周波数オフセットが見積もられると、通信用の「ノーマル」モードに入る。ノーマルモードの間は、本発明の方法と装置は周波数オフセットと整列につき補償を継続し、引き続き周波数オフセット、整列及び重みベクトルの見積もりを更新する。
PHSシステムは、基本帯域信号に対してπ/4差分横軸位相偏移キーイング(π/4DQPSK)変調を使用する。ボーレートは192キロボーである。即ち、毎秒192,000の記号がある。
配置空間は、複素数値(同相成分Iと直角位相成分Q)の基本帯域信号によってスウィープアウトされた複素配置である。π/4DQPSKについては、信号配置空間は、便宜上、(1、0)として示されるI=1(正規化済み)及びQ=0で開始して単位円の周り45度毎の配座点から成る。実際には、配座点は、周波数オフセットに起因する干渉、多重経路、追加ノイズ、遅い回転によって、またシステムの無線受信機や送信機の周波数応答や非線形度により、理想のものから偏移している。差分空間は記号から記号への位相の変化を示す複素空間である。即ちそれは、先の配置空間点により各配置空間点を割ることにより形成される差分信号によってスウィープアウトされた複素空間である。π/4DQPSKについて、理論上の差分空間信号は、+π/4、−π/4、+3π/4、−3π/4の位相の4点のみから成る。実のところ、実際の差分空間信号は干渉、ノイズ、チャンネルのひずみ、周波数オフセット、時整列の問題のせいで歪んでいる。
好適実施例で使用されるPHSシステムにおいては、RF信号はスペクトル形状をとり、普通は累乗平方根や累乗余弦ろ過の形をとる。合成基本帯域信号は、各記号持続時間中の瞬時の間に架空配座点のみを通過する。好適実施例では、基本帯域信号は、ボーレートの8倍の速さでサンプリングされる。即ち、サンプリングレートは、記号毎に8サンプルにつき1.536MHzとなる。正しい復調のために、本発明の方法と装置は、各記号毎の8サンプルの内どれが、瞬時の架空配座点に対して時間内に最も接近するかを見積もる。架空配座点に対して最も接近するサンプルを見つける処理を「サンプル整列」と呼ぶ。
本発明の装置の好適実施例のアーキテクチャを図1に示す。複数のm機のアンテナ、101.1、...、101.mを使用するが、ここにmは4である。これらアンテナの出力は、搬送波周波数(約1.9GHz)から最終的な中間周波数(IF)384kHzまで3段階で、RXブロック105.1、...、105.mによりアナログで混ぜ合わされて下げられる。この信号は、次にアナログ対デジタル変換器109.0、...、109.mにより1.536MHzでデジタル化(サンプル採取)される。信号の実数部分のみがサンプリングされる。このように、複素フェーザー表記法では、ディジタル信号は、−384kHzでの写像と共に384kHzで複素数値のIF信号を保有するものとして視認化される。最終的な基本帯域までのダウンコンバートは、毎秒1.536メガサンプルの実数のみの信号に384kHz複素フェーザーを掛けることによりデジタル的に行われる。これは、複素数シーケンス1、j、−1、−jを掛けるのと同じことで、こちらは符号変更とリバイニングを使用して簡単に実行される。その結果は、複素数値の基本帯域信号プラス−2x384=−768kHzでの写像を有する複素数信号となる。この不本意な負の周波数写像はデジタル的にろ過され、1.536MHzでサンプリングされた複素数値の基本帯域信号を生成する。好適な実施例では、グレイチップインコーポレーション社のGC2011Aデジタルフィルター113.1、...、113.mデバイスを各アンテナ出力毎に1つ使用しており、ダウンコンバートとデジタルろ過を実行するが、デジタルろ過は有限インパルス応答(FIR)ろ過手法を使用している。適切なFIRろ過係数を求めるのは、当業者には自明の標準的手法を用いて行われる。
各アンテナGC2011Aデジタルろ過装置113からは、タイムスロット毎に1つの、4つのダウンコンバートされた出力が出される。4タイムスロットの各々毎に、4機のアンテナからの4つのダウンコンバートされた出力が、本発明による、更に処理するためのデジタル信号プロセッサ(DSP)装置117に送られる。好適実施例では、4機のモトローラDSP56301DSPを受信タイムスロット毎に1機使用している。
本願では以下の表記法を使用する。
1(t)、z2(t)、....、zm(t)はそれぞれ、ダウンコンバート後の、即ち基本帯域の、第1、第2、...、第mアンテナ要素の複素数応答とする。これらは、z(t)のi番目の行がzi(t)であるm個のベクトルz(t)で表される。z(t)のN個のデジタルサンプルはz(T)、z(2T)、...、z(NT)で示され、ここでTはサンプリング周期である。簡略化及び便宜上、サンプル周期は1に正規化され、z(t)(及び他の信号)は、継続時間tの関数若しくはサンプリングされた信号の何れかを示し、この場合については当業者の一般技術内容から明らかであろう。z(t)のN通りのサンプルは、マトリックスZ=[z(1)|z(2)|、...、|z(N)]として表される。p個の個別ソース(遠隔ターミナル)からのp通りの複素数値の同一チャンネル信号s1(t)、s2(t)、..、sp(t)がアンテナアレーに送信されるものと仮定する。この場合、m個のアンテナアレー要素におけるzi(t)、i=1、...、mは、それぞれ、ノイズや他の干渉を含めたこれらp個の信号のある組み合わせである。特定の組み合わせは幾何学形状と伝播によって決まる。同一チャンネル信号はp個のベクトルs(t)で表され、そのk番目の要素は複素数sk(t)となる。
信号sk(t)を模範に採ると、
k(t)=Σnk(n)g(t−nTs)となり、
ここに、合計Σnは、データバッチ又はバーストの全n値に対するインデクスnに亘り、{bk(n)}はk番mの遠隔ターミナルより送信される記号シーケンスであり、Tsは記号周期、そしてg(t)は使用される全ての送信フィルタ(複数の場合もある)、伝播チャンネル、全ての受信フィルタ(複数の場合もある)の効果を組み合わせたインパルス応答を表す。g(t)は便宜上単位エネルギーとされる。好適実施例では、記号周期Tsは、サンプリング周期Tの整数倍数Lとされ、ここに、L=8である。Tは1に対して正規化されるので、Ts=L=8である。複素数値の記号bk(n)はある有限アルファベットΩに属する。PHS実施例のπ/4DQPSK変調に対しては、
Ω={1、exp±jπ/4、exp±jπ/2、expjπ、exp±j3π/4}であり、何れのk又はnについても、差分信号dk(n)=bk(n)/bk(n−1)の位相は有限アルファベット{±π/4、±3π/4}に属する。
マトリックスSがZにおけるs(t)の同一のN個のサンプルに対応する列を有するものとして表すと、多重分離の目的はある見積もりSを生成することである。線形見積もりが行われる。即ち、
Figure 0004364946
となり、ここにWrは「重みマトリックス」と呼ばれるmxpのマトリックスであり、Wr Hは複素共役転置行列、即ちWrのエルミート転置行列である。Wrにおける添え字rは「受信機」を意味し、送信ではなくて受信を扱っていることを表す。Wrのk番目の列、m個のベクトルwrkはk番目の信号sk(t)に対する「重みベクトル」と呼ばれる。このように、sk(t)の見積もりは、
Figure 0004364946
となる。
この発明では、j≠kとして、遠隔ターミナルjからの他の信号が存在する、即ち同一チャンネル干渉が存在する状況において、ある特定の遠隔ターミナルkから送信される信号をどのように復調するかについて説明している。便宜上、表記法は簡略化しており、記号kは暗示的である。当業者には、この1つの信号についての演算を、上記のマトリックス方程式に示す一式の演算を使用して、他の(p−1)信号からの信号に対して繰り返せることは自明であろう。
我々が言う「信号コピー」演算とは、
Figure 0004364946
を意味しており、重みベクトルwrを使用しながら、m個の受信信号z(t)の(t中の)サンプルからの特定の信号の特定サンプルを見積もるためのものである。
「基準信号」は、必要条件とされる変調構造を有する信号である。即ち、その信号構造とは、
R(t)=Σnb(n)g(t+ε−nTs
であり、ここにεはタイミングエラーである。好適実施例の場合には、sR(t)はπ/4DQPSK波形である。
B.SYNCHモード演算
SYNCHモードにおける目的は、対象の信号についての複素数値の重みベクトルwrの初期見積もりを入手することと、整列とオフセット周波数オフセットの初期見積もりを入手することである。本発明の方法(及び装置)は、信号の有限アルファベット特性を利用する整列及び周波数オフセット見積もり技法を使用する。ここでは対象の特定信号につき詳細に説明しており、受信される他の信号は同一チャンネル干渉である。同一チャンネル信号の何れを受信するのにもこの詳細は明らかに当てはまり、例えばマトリックス表記法を使用するなどして、同時に全ての同一チャンネル信号を受信するための方法をどのように説明するかは、当業者には明白であろう。
好適実施例で使用されるSYNCHバーストは既知のフォーマットを有する。図2は、同期化を行うために使用されるバーストの図解である。尚、SYNCHバーストはいくつかのフィールドを有しており、バーストの全フィールドでもその何れかのフィールドでも、或いはフィールドの一部でも自由に使用してよい。第1フィールドはプリアンブルと呼ばれ、特定周期のビットシーケンスである。この特定フィールドのフーリエ変換(FFT計算を用いて見積もられる)は、3つの強い正弦波成分があることを示しており、ある代わりの実施例ではこの事実を使用している。好適実施例は、費用関数特に二乗エラーを求め、最適化法、特に最小二乗最適化を使用して、費用関数を最小化するパラメータ値を求める。他の費用関数と最適化方法も本発明の範囲を逸脱することなく使用できる。このようにして求められる第1パラメータは時整列、即ち最小の費用関数を出す(サンプル数で表される)タイムシフトである。一旦時整列が見積もられると、それを用いて初期wrと周波数オフセットに関係する費用関数を求め、次に最適化方法を使用して初期wrと周波数オフセット見積もり値を求める。
時における位置は大凡知ることができる。第1好適実施例では、最初は、バーストの時における位置は±2記号(±16サンプル)内であることが知られていると仮定され、整列はバーストの位置をこの32サンプルのウインドウ内で見積もっている。単一のSYNCHが整列に使用され、第1に時における大まかな位置を見積もり、次に時におけるより正確な位置を見積もる。一旦整列が確定すると、同一のSYNCHバーストを使用して周波数オフセット及び初期重みベクトルwrを見積もる。代わりの実施例では、より遅いプロセッサが見積もりに使用され、従って計算の時間がより際どく、合わせて3つのバーストが使用される。2つのバーストが整列に関して使用され、第1に時における大まかな位置を見積もり、第2に時におけるより正確な位置を見積もる。一旦整列が確定すると、遅いプロセッサを用いた第3実施例では、第3のSYNCHバーストを使用して、周波数オフセトと初期の重みベクトルwrを見積もる。
時整列評価について、これより更に詳しく説明する。複素数値のデータではなくて、振幅のみをこのために使用する。図3は、SYNCHバーストの振幅(大きさ)を示している。予測されるように、異なる周波数オフセットを有するいくつかのこのようなSYNCHバーストを見ると、この振幅信号(振幅対時間)は異なる周波数オフセットを持つSYNCH信号バースト間で、著しく変わるわけではないことが観察される。広義においては、この実施例で用いられる既知の特性はSYNCHバーストの既知のビットシーケンスであるが、狭義においては、振幅信号が特定の実行における時整列を求める際に利用される周波数オフセットで著しく変化するものではないというのは既知の特性である。振幅特性が周波数オフセットと共に変わる場合に対して、他の方法の変形例は当業者にとっては明らかであろう。
図4は、第1好適実施例による方法のフローチャートを示している。この方法はダウンコンバートされたm個の信号のバーストz1(t)、...、zm(t)と共にステップ401で開始し、ここにm=4.960複素数値のサンプルが各アンテナでとられる。信号はボーレートの8倍でオーバーサンプリングされるので、ステヅプ403では、因数4でデシメートされ記号毎に2サンプルの周波数までに落とされる。
この方法ではバーストの一部分のみが使用される。好適実施例で、図3に示す典型的なバーストの振幅について述べると、SYNCHバーストのPREAMBLEフィールド(サンプル番号6−67)の中間当たりで始まる単一区域を使用して、バーストのサブセットを形成する。図4のフローチャートでは、ステップ405がサブセットの入手である。サブセット構造の他の変形例では、区域数は何れでもよく、実際にバースト全体を使用してもよい。
重みベクトルと整列を求めるためのループが、ここステップ407で開始されるが、ここでは時間オフセット以内であると仮定している。このループにおける重みベクトルは、ステップ409でウインドウ内の時間オフセットを求める目的で計算される。各アンテナ毎に1つとして、4コピーの入信信号(及びサブセット)がある。これら信号の「サブセット」を複素数値の行ベクトルで示すが、各行ベクトルは特定のアンテナにするサブセットの時間サンプルである。mxNマトリックス|Z|2が、m機のアンテナでの信号のそれぞれのサブセットに対応する時間サンプルの二乗振幅であるとしよう。即ち、|Z|2(t)はm個のベクトルであって、そのi番目の要素は|Zi(t)|2で、時間サンプルtでのi番目のアンテナでの信号サブセットの二乗振幅であると定義され、ここにtは考えられているサブセットより大きい。
そこで、
|Z|2=[|z|2(1)|z|2(2)...|z|2(N)]
と定義する。
これら|z(t)|2の線形組み合わせを「実数値の」重みw1、w2、...wmで考えて、この線形組み合わせを既知のSYNCHバーストにおける同一のサブセットの「既知の」二乗振幅に対して比較する費用関数を形成する。図5は、ウインドウ501内のSYNCHバースト503に対する区域511から成るサブセットと、基準SYNCHバースト505に対して対応する区域507のサブセットを示している。基準SYNCHバースト、即ち信号は、読み出し専用メモリ(ROM)に保存される。サブセット507における基準SYNCHバーストの二乗振幅を|sr2(t)で表し、行ベクトル|sr2を区域507の基準バースト505の二乗振幅のサンプルとする。即ち、
|sr2=[|sr(1)|2|sr(2)|2...|sr(N)|2
である。
m個の列ベクトルwrを、その要素として実数値の重みw1、w2、...wmを持つものとして定義する。|z|2(t)に関する「信号コピー」演算を「コピー信号」wr T|z|2(t)を確定するものと定義する。そうすると、ステップ409での最適化は、既知の|sr2(t)に対して(あるノルムにおいて)できる限り接近したコピー信号wr T|z|2(t)を生み出すwrを見つけることである。好適実施例においては、費用関数
J=‖|sr2−wr T|Z|22
は最小化される。このようなJを最小化するwrを見いだす最適化技法は、当業者にはよく知られている。例えば、G.H.ゴラブとC.F.バンローンによる「マトリックス計算」(バルチモア第2版、ジョン・ホプキンズ大学出版、1989年)、B.N.ダタによる「数値線形代数学及び応用例」(カリフォルニア州パシフィックグローブ、ブックス/コール1995年(6.10節))、或いはW.H.プレス他による「Cにおける数のレシピ」(第2版、イギリス、ケンブリッジのケンブリッジ大学出版、1992年(10章))を参照されたい。
このような方法に関する文献は、式J=(b−Ax)H(b−Ax)という費用関数を用いてマトリックス最適化の問題を解いている。本事例に対する適合化に当たっては、bT=|sr2、AT=|z|2、xT=wrの置換を行う。ここで「一般的」ベクトルという意味で用いられる表記法b(及びAとx)は、本願の他の箇所で使用される記号bk(n)、b(n),b0(n)等とは全く関係がない。
2通りの代わりの方法が、最適化の問題を解決するための2通りの異なる実行例で使用される。第1番目の方法は、共役傾斜法である。これは、f(x)=1/2xHAx−xHbを最小化する。その関数はx=inv(A)bに対し−1/2xHinv(A)b=inv(A)bという最小値を有し、ここにinv(A)はAの一般逆行列である。最小化はサーチ方向pkのセットを生成することにより行われる。インデクスkで示される各段階において、量akはf(x+akk)を最小化するものと分かり、xk+1はxk+akkに等しく設定される。ベクトルpkは、関数f(.)が{p1、p2、...pk}により範囲を定められるベクトル空間全体に亘り最小化されるように選定される。
以下は、共役傾斜を使用しながら一般逆行列を見いだすための手順である。
Figure 0004364946
一般逆行列を見いだすために使われる第2の方法は、方程式Ax−bのシステムのL2ノルムを最小化する、即ち
J=(b−Ax)H(b−Ax)
を最小化する一般逆行列を正式に計算することによるものである。
Jを最小化するxの値は、(AHA)-1Hbであり、Jの最小値はbHbb−bH(P−I)bであるが、ここにP=A(AHA)-1HはAの射影マトリックスと呼ばれ、(AHA)-1HはAの一般逆行列である。
共役傾斜法についてのこの手法の利点は、この最適化が、bの異なる値(この発明においてはsref)につき幾度も計算する必要が生じた場合でも、Aの一般逆行列(AHA)-1Hの計算はbに依存せず、従って何れのAについても1度だけ行えばよく、本発明の場合で言えば受信信号zにつき1度だけでよいということである。共役傾斜を使用する場合に、各最小化は、Aとb双方を含む同一の計算が必要になる。
好適実施例では、適合的正規化が計算の各段階で用いられる。これにつき、正規化された誤差項(bHbにより正規化)が使用される。これは費用関数を正規化し、J’を使って表すと、
J’=J/bHb=1−bH(P−I)b/bH
となるので、J’を最小化することは、bH(P−I)b/bHbを最大化することに等しい。数値的及び安定性の理由から、本発明の好適実施例では、一般逆行列の確定はスケールファクター内に対して実施される。Pと、ひいては(P−I)は、このようなスケールファクターに対しては不変である。このようなスケールファクターを計算する必要を回避するために、好適実施例では、比較の理由からJの計算の必要性が生じたならいつでも、J’の値を代わりに求めて比較する。例えば、以下のステップ411と421を参照されたい。
一般逆行列の計算においてこのようなスケールファクターが使用される結果として、ベクトルxとひいては重みベクトルがこのスケールファクターに対して定められる。このスケールファクターを明示的に計算する必要を回避するために、全基準信号、この場合には|sr|がこのスケールファクターに対し定義される。本発明の特定のアプリケーションは、信号コピー演算に使用するために求められる重みベクトル用であり、基準信号を確定し比較するために、全基準信号及び信号コピー演算は矛盾の無い結果を出すためにこのスケールファクターに対して正規化される。
フローチャートに戻るが、一旦重みが計算されると、J’の式での見積もり二乗エラーがステップ411で計算される。このエラーは、ステップ413でこのwrについてのタイミングオフセットと共に格納される。又ステップ415では、エラーがこのループの全オフセットにつき計算されたかどうかを判断するためにチェックが行われるが、これはデシメーションのせいで、4サンプル毎に行われる。結果が否なら、ステップ417で、決められたオフセットにデシメーションファクター4が加えられる。即ち、ウインドウ507が4でシフトされ、ステップ419及び409で新しい重みのセットが再度確定される。ステップ411では、新たなオフセットについての新たなエラーが求められる。このようにして、合計9回のトライアルが繰り返される。このように、4サンプルで分割される9個のオフセットの関数としてエラーが確定すると終了となる。ステップ421では、最小二乗J’を算出するオフセットwrが選択されコースオフセット見積もりが出される。
方法は次に、粗見積もりの4個のサンプル内での整列見積もりを求める第2ループに移る。好適実施例では、同じSYNCHバーストを使用する(ステップ423)。代わりのやり方では、第2のSYNCHバーストが、必要となる計算能力を抑制するために使用される。
求められた粗整列をステップ425で使用して、SYNCHバースト期間中にアンテナに受信されるデータを修正する。受信されたデータはステップ427で再びデシメートされて、区域511に対応してサブセットが求められる。これよりループが再び開始されるが、これは粗整列選択用に4サンプル毎に考えたのとは異なり、ここでは精密な整列を確定する4サンプル内を当たるということ以外は上記の粗整列確定ループと同様である。最終的な整列は、粗整列と精密整列見積もりを加えることによって、ステップ447で確定する。
この段階では、初期の時整列は既に見積もられている。今度はこれを使用して初期周波数オフセット及び重みベクトルパラメータを見積もる。再度、同じSYNCHバーストが使用される。利用できる計算能力が制限される代わりの実施例では、周波数オフセットと重みベクトルwrを見積もるために、追加のSYNCHバーストを使用することができる。
整列|zi(t)|2、i=1、...、mを求める際には、アンテナでの信号のサブセットの二乗振幅が使用され、wrは実数値要素を持っていた。周波数オフセット見積もり及びwr確定には、アンテナ信号のサブセットの完全複素数値のデータzi(t)、i=1、...、mが使用され、wrは複素数値となる。バーストはステップ449で受信され、ステップ447で確定した整列見積もりを使用して、ステップ451で整列タイミングオフセットに対し修正される。信号は4の因数でデシメートされ、サブセットはステップ453で抽出される。主要な見積もりループがこれより開始される。周波数オフセットにつき5つの値がループの初期に使用される。5つのポイントそれぞれの間の差がデルタと称され、開始時には2048Hzに設定される。5つのポイントは−4096Hz、−2048Hz、0、+2048Hz、+4096Hzである。異なるやり方では異なる値を使用してもよい。主要ループは、最小二乗エラーを与える周波数シフトが算出される点を除けば、時整列見積もりについての上記の説明と全く同じである。z(t)=[z1(t)z2(t)...zm(t)]Tと定義すると、
Z=[z(1)z(2)...z(N)]
となる。
これらzi(t)’と複素数重みw1、w2、...、wmの組み合わせを考えてみる。周波数オフセット修正後のサブセット507における基準SYNCHバーストをsr(t)と表し、行ベクトルsrを周波数オフセットにより修正された区域507における基準バースト505の大きさのサンプルとする。即ち、
r=[sr(1)sr(2)...sr(N)]
である。
周波数シフトは、各複素数値のサンプルを周波数オフセットに対応する位相シフトを掛けることにより適用される。m個の複素列ベクトルはwr=[w12...wm]と定義する。次のステップ457での最適化は、既知及び修正された周波数オフセットsr(t)に(あるノルムで)できる限り近いコピー信号wr Hz(t)を算出するwrを見い出すことである。好適実施例では、費用関数
J=‖sr−wr HZ‖2
は、最小化される。このようにして、5つの周波数オフセットのそれぞれにつきこの費用関数を最小化する重みwrが求められる。前のように、一般逆行列法が使用されるとき、重みwrは定数内で求められる。当業者には、この場合sr(t)も又一貫性の精神に則りそのスケーリングで定義されることは明らかであろう。これら重みベクトルwrのそれぞれに対し(J’として正規化された)二乗見積もりエラーがステップ461で求められ、次に最小エラーを出す周波数オフセットが選択される。これを、Coarse_Offset_Freqと呼ぶ。中央付近にあり、1024ヘルツのデルタでの最後の再帰において最小エラーを与えたCoarse_Offset_Freqを含んでいる3つの値につき2等分探索が行なわれる。即ち、重みとエラーは(Coarse_Offset_Freq−delta)と(Coarse_Offset_Freq+delta)、即ちCoarse_Offset_Freq周りの2つの追加的な周波数オフセット値に対し求められ、2等分探索を使用して、最小二乗エラーを与える周波数オフセットが、{(Coarse_Offset_Freq−delta)、Coarse_Offset_Freq、(Coarse_Offset_Freq+delta)}のセットから選択される。デルタはこれより2等分され、新たな2等分探索が開始される。デルタを2等分にするというこの2等分探索ループは、デルタが周波数オフセットに対して必要とされる精密度より小さくなるまで続けられる。好適実施例ではこれは16Hzである。
2通りの代わりの方法を用いて周波数オフセットを求めることもできる。これらの技法、傾斜法並びに補間法は、計算上より効率的であると言える。傾斜法では、エラー関数曲線対周波数オフセットがスムーズでしかも典型的に2つまたは場合によっては3つの極小値を表していることを利用する。従って、主要な極小値を見つけるのは、良く知られた傾斜最小化技法を使用すると非常に簡単で、1〜2回の反復しか必要としない。2等分探索法で使用されたものと同一の主要な見積もりループを使用して、傾斜探索ループを開始する前に最小値を概算する。補間法は4次多項式を使用する。最も小さい平方という意味で、主要な極小値の付近のエラー関数曲線に「最も」合う多項式を求めることにより周波数オフセットを求める。この方法には2つのループを含む。第1のループは大凡の最小値を確定する。この際、−4000Hz、−2000Hz、0Hz、2000Hz、4,000Hzに対応して5つのエラーポイントが計算され、最小エラーを出すオフセットとなる大凡の見積もりが出される。第2ループでは、大凡の見積もり値周りの4つの正確なエラー値が、大凡の見積もり値±1500Hz及び大凡の見積もり値±750Hzとして大凡の見積もり値の周りに確定される。これら4つの値は大凡の見積もり値と共に4次多項式に合うように使用される。導関数及び多項式に対する3つの根が次に求められる。周波数オフセットパラメータの見積もり値は、大凡の見積もり値に最も接近している非複素数根である。
このように初期周波数オフセット及び初期重みベクトルが求められる。こうして、単一のSYNCHバースト内で、初期整列、周波数オフセット、重みベクトルwrという3つのパラメータの全てが見積もられる。先に述べたように、十分な計算能力が無い場合の代わりの実施例では、これらのパラメータは2又は3個のSYNCHバーストにおいて求めることもできる。
これでSYNCHモードを終了する。遠隔ターミナルと基地局は合意し、これよりノーマルモードに入ることになる。SYNCHモードで確定された量は、本発明の方法と装置が周波数オフセットと整列に補償を続ける間のノーマルモードに対しての開始条件として用いられる。オフセットと整列についての値はノーマルモード中に更新される。
C.ノーマルモード処理
以下は、対象の特定信号に対して複素数値重みベクトルwrを見積もり、且つ進行中ベースで信号を復調するための、本発明の方法及び装置の好適実施例についての説明である。これがノーマルモードの最終目的であり、その方法はフレーム毎に繰り返される再帰的ループを含む。まずノーマルモードに入り、wr及びSYNCHモードから得た整列と周波数オフセットの初期見積もりで再帰的ループを開始する。進行ベースで、wr及び先行フレーム上での同一信号の処理から入手した整列と周波数オフセットの見積もりを始めることでループを開始する。
ノーマルモードについてはこれより図6のフローチャートを参照しながら説明する。ここでは対象の特定信号についてのみ詳しく説明しており、他の受信信号は同一チャンネル干渉である。同一チャンネル信号の何れを受信するのにもこの詳細は明らかに適用でき、例えばマトリックス表記法を使用するなどして、同時に同一チャンネル信号を受信するための方法をどのように説明するかは、当業者には明白であろう。
先行フレームから、或いは開始時にはSYNCHモード見積もりからの何れかからのwrの値(図6のステップ602)で開始する。wr0で示されるwrの開始値が与えられると、このwr0をダウンコンバートされた受信信号ベクトルz(t)(符号601で示す)と共に使用して、初期信号コピー演算により対象の信号の見積もりを生成し、初期コピー信号
Figure 0004364946
として表される信号の見積もり605を生成する。
ステップ607は最後のフレームからの周波数オフセット或いは、これが最初のフレームであればSYNCHモードからの周波数オフセットを使用して、周波数オフセットに対し初期のコピー信号605を修正する。周波数が修正された初期コピー信号609は、これよりステップ611において使用され、新たな周波数オフセット差異見積もり及び整列見積もりを算出する。その結果としての周波数オフセット差異及び整列見積もり613は、見積もりフィルター617において、先行するフレームからの見積もり615或いはこれが最初のフレームの場合にはSYNCHモード見積もりと組み合わせられて、更新された周波数オフセット及び整列見積もり619を生成する。代わりの実施例では、2つ以上の先行するフレームからの周波数オフセット及び整列見積もりを使用するフィルターを用いることができる。
本発明の好適実施例は、次のフィルター演算617、
Figure 0004364946
を使用しており、ここに定数ρは遠隔ターミナルの代表的な周波数オフセット及び整列ドリフトを観察することにより経験的に求められたものである。特定のやり方においてはρ=0.8が使用されている。フィルター演算617の目的は、フレームからフレームへの修正からの周波数オフセット及び整列において変化を抑制し、これにより強い干渉信号の存在でこれらの量の見積もりが混乱することの無いようにすることである。
ステップ621は、周波数オフセット及び整列の見積もりを使用して、入力信号データz(t)を修正して、z(t)の修正されデシメートされたバージョンを生成するが、これはzN(t)で表され、図6のフローチャート上で623の符号が付いている。デシメーションは、バースト毎に120サンプルとなる、記号毎に1つのzN(t)を与えるために8の因数により行われる。
デシメーションと周波数修正ステップ621のデシメーション部分は、正確な記号回数に対する整列において最も近いポイントのみを保存することから成る。周波数修正は時間に大凡の位相を掛けて見積もりの精度内で残りの周波数を調整することから成る。
これらzN(t)サンプルは、今度は、再帰ループ内で復調し、重みベクトルを見積もって、他のバーストに或いは次のフレーム用のwr0として使用するために使われる。
ステップ625では、中間コピー信号627が、開始時にはwr0であるwrの一番良い見積もり635によって、zN(t)から生成される。wrが更新される635と、wrNで示されるこのような更新値をステップ625で使用して、
Figure 0004364946
で表される、デシメートされ修正されたコピー信号627が生成される。
このようにステップ625の演算は、
Figure 0004364946
となり、開始時にはwrN=wr0である。この信号コピー演算625は、デシメーション後の今は、元の960信号サンプルの8分の1が各バーストに含まれるだけなので、初期のコピー演算603よりも更に効率良く行うことができる。
修正されたコピー信号627はステップ629で復調され、復調ビットストリーム630とsR(t)で示される基準信号を生成する。ステップ629では、修正済みのコピー信号及び既知の変調フォーマットの有限アルファベット特性を使用して、zN(t)に整合する周波数であるところの基準信号sR(t)を生成する。即ち、基準信号631の周波数オフセットはz信号の周波数オフセットに十分に近いので、それを使ってwrNで示すwrの新しい値の解を確実に求めることができる。定義により、sR(t)、即ち基準信号631は必要とされる有限アルファベット特性を有する。
基準信号sR(t)(図6の631)は不確定残留周波数オフセット及び不確定整列等の問題に悩まされることはないので、これよりzN(t)と共に使用して、wrのより良い見積もりであるwrNを求めることができる。これはステップ633で実行される。このようにwr面上への射影については、多くの方法が先行技術においても知られている。最終目的は、wrN HN(t)が基準信号sR(t)にできる限り近くなるようなWrNに対する解を求めることである。好適実施例では、最小二乗最適化法を使用し、wrのノルムに関する制約が加えられている。このように、解決される最適化の問題は、費用関数
J=‖sR(t)−wrN HN(t)‖2+δ‖wrN2
を最小化するwrNを確定することであり、ここにδはある定数である。好適実施例では凡そ0.2という値が使用されている。
ループはこれより繰り返され、wrNのこの新しい値635をステップ625用に使用し、次いで新しい基準信号を求めるために新しいコピー信号を求める。このループは「Num」回繰り返されるが、好適実施例ではNum=2である。Num回反復した後に、復調された信号630が、そのバーストに対する対象の特定信号用の受信記号ストリームとして使用され、wrN即ち重みベクトル635が次のバーストに対しステップ625で新しいコピー信号を計算するために使用されるか、又はフレームの終了時か若しくは以下に説明するバーストモードでの作動中である場合には、wrNは次のフレームに対してwr0に等しくセットされ、時間と周波数オフセットは先の見積もりでろ過され、ステップ607と次のフレーム用のフィルター617に送られる。
本発明の好適実施例では、代わりの射影ループは、処理中のバーストに対し重み見積もりと復調ループ625/629/633だけを繰り返す。周波数オフセットと整列はこのバーストに対し1回だけ見積もられる。本発明の別の実施例では、図6のフローチャートは、wrN(アイテム635)即ちステップ633において生成された新しい重みベクトルがステップ603に送られ、改良されたコピー信号を生成し、それが次に使用されて改良された周波数オフセットと整列の見積もりを生成するという点で変更が加えられているが、その処理は先に説明した実施例のように続く。
受信バースト中に生成された重み見積もりは、アンテナのアレーを使用して、送信用に使用することができる。ある1つの実施例では、受信重みベクトルwrは、その特定の論理チャネル上でのノーマルモード通信のための送信重みベクトルとして使用される。またある代わりの実施例では、受信重みベクトルwrの複素共役は送信重みベクトルとして使用される。
フレームが終了(又はバーストモードのバーストが終了)すると、本方法はステップ603に戻り、終了フレームのwrNは新規フレーム用のwr0になり、ループの全過程が繰り返される。先のフレームの周波数オフセット及び整列の見積もりが、ステップ617のようなろ過と共に、初期周波数オフセット修正ステップ607及び見積もりフィルター617のために使用される。
周波数オフセット見積もり及び整列
ステップ611は、整列及び周波数オフセットを見積もるステップである。本発明の方法と装置は、信号の有限アルファベット特性を利用し、しかも干渉が強い(搬送波対干渉比が低い)特に同一チャネル高干渉の状況にあっても正常に作動する、整列及び周波数オフセット見積もり技法611を使用する。
初期コピー演算603、そしてそれに引き続く初期周波数オフセット修正607により複素数値の信号の列609が生成され、信号609は
Figure 0004364946
として示されるものとして考える。複素数値のシーケンス{bC(n)}を等間隔のサンプルポイントにおける
Figure 0004364946
の複素数値とする。信号609は、因数L(L=好適実施例では8)によりオーバーサンプリングされる。
Figure 0004364946
とシーケンス{bN(n)}で表されるこのシーケンスと複素数値の信号の列627との間のサンプル期間の差に注意されたい。bN(n)は記号ポイントであり、オーバーサンプリングされた信号
Figure 0004364946
のLサンプル毎に発生するが、一方、bC(n)は等間隔のサンプルポイントにおける
Figure 0004364946
の複素数値である。サンプルと次のサンプルとの間の位相差信号について考える。bC(n)を仮定された先の配座点bC(n−L)におけるサンプルで割って形成される「差分」ストリームをdC(n)と表す。{dC(n)}は、その位相が1つの信号サンプルから1ボー記号(Lサンプル)離れた信号までの位相偏移であるところの信号シーケンスである。即ち、
dC(n)=bC(n)/bC(n-L)⇒∠dC(n)=∠bC(n)-∠bC(n-L)
である。
先行技術のπ/4DQPSK復調では、架空の差分配座点における複素数値dC(n)の4分円が復調デシジョンである。複素平面の4つの4分円を、第1、第2、第3、第4の4分円に対しそれぞれΦ1、Φ2、Φ3、Φ4とする。4分円は復調に十分用を足すことが、π/4DQPSK信号の有限アルファベット特性の主要な意義であり、架空の場合では、ある架空の差分配座点で∠dC(n)=±π/4又は±3π/4である。信号の有限アルファベット特性をこれより活用する。dC(n)が最も近い架空差分配座点に対して緩和されたものである架空の差分信号dcideal(n)が求められる。即ち、
C(n)?Φi⇒∠dcideal(n)=(2i−1)π/4、i=1,2,3又は4
である。
“fa”(有限アルファベットにつき)でdc(n)とdcideal(n)の間の関係を表す。即ちdcideal(n)=fa{dC(n)}である。復調ステップ629では、その後の点は通常、既に記号点に接近しており、従って差分信号サンプルは比較的架空のπ/4DQPSK配座点に近い。これは“fa”演算の場合に限ったことではない。整列二乗エラーeA2(n)=|dc(n)−dcideal(n)|2を差分点とその最も接近した架空差分配座点の間の(複素平面における)距離の二乗と定義する。データのデシメーションはまだ行われていないので、記号点に近くないサンプル点では、エラー「距離」は比較的大きいであろう。
本発明の実施例においては、{dc(n)}を明示的に決めるのではなく、むしろ各dc(n)の角度が、
∠dc(n))=∠[bc(n)bc *(n−L)]
であるという事実を使用する。
複素平面(j2=−1)上で[bc(n)bc *(n−L)]=χRe(n)+jχIm(n)とする。そうすると信号|χRe(n)|+j|χIm(n)|?Φ1即ち第1の4分円、はdcideal(n)の場合に、正規化されると、1/√2+j1/√2となる。好適実施例で使用される整列二乗エラーeA2(n)は、
eA2(n)=(|χRe(n)|−1/√2)2+(|χIm(n)|−1/√2)2
である。
これにより信号を復調する必要が回避される。これより、時整列パラメータに対応し且つ関連した費用関数が形成される。この実施例では、この費用関数は、
Figure 0004364946
となり、これは整列χの関数としての、バーストの全サンプルに対しての全エラー距離の合計である。本方法では、整列点χminとして最小のJχを有する点を選ぶ。中間絶対エラーのような他の費用関数を代わりに使用してもよい。
この実施例では、χminはボー点付近のLサンプル点内の整列であるが、SYNCHバーストを使用する第1の実施例では、整列全体が求められる。整列全体は、技術上良く知られている標準的な技法を使用してフレーミングビットを調べることによりχminから容易に求められる。
このように一旦χminが定まると、データを整列させるために整列パラメータ見積もりχminを使用して周波数オフセットパラメータの見積もりへと進む。d’c(n)とd’cideal(n)は、それぞれ、χminによる整列後の、差分点dc(n)とdcideal(n)を示す。即ちd’c(n)=dc(n+χmin)でd’cideal(n)=dcideal(n+χmin)である。先に述べ、且つ以下に説明するように、現実のやり方は、d’c(n)とd’cideal(n)を明示的に求めることを含んでいない。位相エラーを、
p(n)=∠d’c(n)−∠d’cideal(n)
と示す。
費用関数をサンプルに亘る位相エラーep(n)の平均として定義する。本発明の方法は、復調を明示的に必要とせずにこれを求める。
b’c(n)をbc(n)の整列バージョンと定義する。第1の段階は[b’c(n)b’c *(n−L)]を求めることである。これより、Φi即ち[b’c(n)b’c *(n−L)]が存する4分円を求める。次に[b’C(n)b’c *(n−L)]がどの4分円に存するかによって、Φ1、2、3、4それぞれにつき−π/4、−3π/4、3π/4、π/4だけ[b’c(n)b’c *(n−L)]を回転させる。これにより、∠[b’c(n)b’c *(n−L)]は移動して−π/4からπ/4の間の範囲内となる。この回転した[b’c(n)b’c *(n−L)]を複素平面ではP’(n)=PRe’(n)+jPIm’(n)と示す。
p(n)を計算するための方法は、フェーザーを掛け算すると位相角度が加わるという事実を用いる。合計位相を求めるためには、正位相寄与と負位相寄与とを分ける必要がある。これらの各々につき、もしそうしなければ結果は係数2πになってしまうので、フェーザーを掛け算してカウンター経由で2πの倍数がいくらあるかを記録する。最終的な合計位相は、正位相寄与合計引く負位相寄与合計である。これについての手順は以下の通りである。
Figure 0004364946
サンプリングレートの知識を使えば、この平均位相角度エラーは、周波数オフセットの必要な見積もりへと変換できる。これは位相(∠)計算の回数を最小限にするために行うのであり、なぜなら逆タンジェント演算は好適実施例で使用されるDSPでは費用がかかるからである。
この見積もりが、復調の間に、周波数オフセット用の信号を修正するために使用されるときには、周波数オフセット見積もりではなくて、むしろ平均位相角度自身が使用される。
復調段階
ステップ629は復調ステップである。π/4DQPSK信号を復調するための技法は当該技術分野ではよく知られている。このような先行技術の1つは、次に続くサンプル間に比率信号を生成して、次に続く記号間の位相差の4分円を識別することである。これらの位相差の4分円で送信記号が確定する。このような先行技術の技法には2つの大きな欠陥がある。第1には、引き続く記号間の比率をとるにも、比率をとるために使用されるこれら記号の両方にノイズと歪みがある状況においてであり、ひいてはその比率では元の信号よりもノイズと歪みがより大きくなってしまう。第2の欠陥は、送信される記号についての「ハードな」(即ち、取り消せない)デシジョンを形成することである。そのハードデシジョンに基づきπ/4DQPSK基準信号を生成すると、信号配置の(典型的に緩慢な)回転として視認化できる、残留周波数オフセットを含まない基準信号へと立ち至り、このような基準信号はステップ633においてwr空間への再射影に使用できなくなる場合もある。
本発明の復調方法はこれら2つの問題を同時に解決する。それは、必要とされる既知の有限アルファベット特性を有し、且つ残留周波数オフセットに起因する配置の(典型的に緩慢な)回転を追跡する基準信号631を生成する。次に、実際の信号の次のサンプルと先行技術の技法に付随して発生したノイズ振幅を低減する基準信号との間の位相差を調べることにより、復調デシジョンが下される。
この方法は、π/4DQPSKで決定された信号の架空の位相偏移により第1に進められた基準信号を生成するものとして概念化することができる。次に、概念的に進められたこの架空信号が、実際の信号に向けてゆっくりと緩和(即ち、ろ過)され、顕著な位相(即ち、周波数)オフセットの累積に影響されないようにする。
複素数値の信号の列627は
Figure 0004364946
で表されるものとし、複素数値のシーケンス{bN(n)}は等間隔の記号点において
Figure 0004364946
の複素数値であるとする。多くの従来からの復調方法同様に、本方法は、bN(n)を先のサンプルbN(n−1)で割ることにより得られる「差分」ストリームd(n)を形成することにより始まる。これにより、その位相が、1つの信号から次の信号までの位相シフトである信号シーケンスが生成される。即ち、
d(n)=bN(n)/bN(n-1)⇒∠d(n)=∠bN(n)-∠bN(n-1)
であり、ここに∠は位相である。先行技術のπ/4DQPSK復調においては、複素数値のd(n)の4分円がデシジョンである。即ち、再度、複素平面のi番目の4分円をΦiで示すと、
∠d(n)?Φi⇒∠d(n)=(2i−1)π/4
であり、ここに、i=1、2、3、又は4である。その4分円が復調に十分役立つことが、π/4DQPSK信号の有限アルファベット特性の主要な意義であり、理想的には∠d(n)=±π/4若しくは±3π/4である。
復調ステップ629の最終目的は、復調することと基準信号を生成することの両方である。基準信号はt=nTで記号bR(n)と表されるものとする。このような基準信号を生成する従来のやり方は、開始時においてその位相が信号627の記号bN(n)の位相と同じである基準信号で開始されるものであった。開始時は便宜上ゼロに設定される。即ち、
∠bR(0)=∠bN(0)
である。
次に、後続の各デシジョンに対し、∠bR(n)は、π/4DQPSK体系が要求するように、正確に±π/4若しくは±3π/4だけ進められる。便宜上|bR(0)|=1に設定すると、従来の手法では、∠d(n)?Φiの場合にはbR(1)=bR(0)exp[jπ/4]となる。これに伴う問題点は、d(n)が、
Figure 0004364946
における小さな周波数オフセットにより起こる緩慢な位相回転に比較的鈍感ということである。この単純なやり方でbR(n)(及びひいては基準信号631であるsR(t))を組み立てると、sR(t)の位相が
Figure 0004364946
に比べるとゆっくりと回転するようになり、いくつかの記号の後には、sR(t)と
Figure 0004364946
は完全に位相がずれる。このように、位相ワインダップとして周知されている累積エラー問題が発生する。一般的に、位相ワインダップ問題に苦しむ基準信号は、交代射影ループで重みベクトルを見積もるのにはふさわしくない。
本発明の方法及び装置は、上の「従来型」復調方法に修正を加えることによって、位相ワインダップを回避する。位相ワインダップは緩慢で、従ってこれまで順調に復調が行われてきたと仮定すると、どの特定時点(即ちnである特定値)においても、bR(n)とbN(n)の間の位相差は小さい。
図7は、図6の復調ステップ629を詳しく示すフロー線図である。必要な基準信号記号を得るに当たって、これよりフィルターを使ってbR(n)の位相をbN(n)の位相に向けて少しだけ移動させる。これにつき、理想化された基準信号記号を有する「理想化された」基準信号が求められる(図7のステップ629.1)。理想化された基準信号記号をbideal(n)で表す。
ideal(0)=bN(0)
として、dideal(n)をbN(n)/bR(n−1)と定義する。ステップ629.2は、dideal(n)に基づき従来通りの復調デシジョンを行うことによるbideal(n)の位相の計算を示している。次に、このデシジョンを使用して2つの段階を経てbideal(n)が確定する。第1の段階では、位相は次のように求められるが、即ち∠dideal(n)?Φiであるなら、
∠bideal(n)=∠bR(n−1)+(2i−1)π/4
と設定する。
次に、図7のステップ629.3に示すように、bideal(n)の位相がbN(n)の位相に向けて以下、
∠bR(n)=∠bideal(n)−γ(∠bideal(n)−∠bN(n))
のように緩和されるが、γは小さいパラメータとする。いくつかの操作を加えると、これは、
∠bR(n)=α∠bideal(n)+(1−α)∠bN(n)
と記すことができ、ここにα=1−γは通常1に近いパラメータである。好適実施例では、α=0.8(概値)である。ステップ629.3の出力は図6のステップ629の出力630に対応している。ステップ629.4は、ステップ629.3の∠bR(n)からの基準信号sR(n)の構成を示している。
上記の単純なフィルターは、好適実施例では、基準信号631の「架空の」位相をコピー信号627の位相に向けて少しだけ緩和するために使用される。パラメータαは、含むべき架空位相の数がいくつかを示している。普遍的な原理は、架空信号が実際の信号と架空信号との間の差の一部だけ修正されるということである。本発明の代替実施例では、他のより複雑なフィルターを使用することもできる。実際の信号と架空の信号との間の位相の差はゼロミーンノイズにより変造され、周波数オフセットに起因する部分はこのノイジーな差異信号に対するDCオフセットを表しており、しかも必要な差異信号である。本発明の実行する際の普遍的な原理は、この差異信号をローパスフィルターに掛けてDCオフセットを生成することである。ここに説明した好適実施例では、単純な線形フィルターを使用している。ノイズ成分を取り除くために、必要に応じより複雑なフィルターを構築する方法は、当業者には明らかであろう。
好適実施例のやり方では、基準信号生成時に明示的なデシジョンを行う必要はない。尚、再度∠dIdeal(n)=∠[bN(n)bR *(n−1)]である。bR(0)=bN(0)/|bN(0)|に成るように正規化を行い、n>0に対し[bN(n)bR *(n−1)]=χRe(n)+jχIm(n)とする。基準信号を生成するためのやり方は以下のプログラムに要約される。
Figure 0004364946
復調必要時、実際のデシジョンは、上で計算されたχRe(n)とχIm(n)から抽出できる。
重み確定段階
ステップ633でwrNを求めるに当たって、解決された最適化の問題は、費用関数、
J=‖sR(t)−wrN HN(t)‖2+δ‖wrN2
を最小化するwrNを求めることであり、ここにδはある定数である。この問題は下記費用関数を最小化する問題へと公式化することができる。
(b−Ax)H(b−Ax)
本事例に当てはめるために、bT=SR、AT=zN、xT=wrNのように代入を行う。表記法b(及びAとx)はここでは、本願のほかの箇所使用されているbk(n)、b(n)、b0(n)等と全く関係のない「一般的な」ベクトルの意味で使用される。尚、また、DT=[AT|diang(ζ2)]でg=[b|0]のように代入を行うと、
(g−Dx)H(g−Dx)=(b−Ax)H(b−Ax)+xdiang(ζ2)xHと表すことができる。
このように、費用関数Jを最小にするwrNを求めるという問題は、標準最小二乗最小化問題として述べることができる。好適実施例では、共役傾斜法がこの最小化のために使用されるが、ここではSYNCHモード中の開始時整列を求めるための共役傾斜法の説明を参照されたい。代替実施例では、wrNは一般逆行列を求めることにより確定される。直接的一般逆行列に関する詳細についても、SYNCHモード中の開始時整列を求めるための方法の説明を参照されたい。
他の変調体系及び追加的な時空処理
本発明の好適実施例はπ/4DQPSK変調を使用する。本発明にとって重要な特性は、変調体系の振幅と位相が有限アルファベットの一部であり、次の記号との間の位相差が有限アルファベットの1つであるということである。このような交代変調体系をカバーする詳細を修正することは当業者には自明のことであろう。
同様に、このような信号コピーのような演算の空間処理を時間等化を含むように修正するこには、重みベクトルの要素がインパルス応答である必要があり、それ故、信号コピー及び同様の演算における単純な掛け算はコンボルーションとなる。このような時空処理を含むように実施例を変更することは、当業者にとっては自明のことであろう。
D.復調用の装置
図1に示す本発明の装置の好適実施例の構造について、これよりより詳しく説明する。m機のアンテナ101.0、101.2、...101.mのm個の出力103.1、103.2、...、103.m(好適実施例ではm=4)が受信され、アナログで混ぜ合わされ、3段階で、搬送波周波数(約1.9GHz)から384kHzの最終中間周波数(IF)に下げられる。これは、m個のRXブロック105.1、105.2、...105.mで実行され、信号107.1、107.2、...107.mを生成するが、これらが次に1.536MHzでA/D変換器109.1、109.2、...109.mによりデジタル化(サンプリング)され実数値の信号111.1、111.2、...111.mを生成する。基本帯域への最終的なダウンコンバートは、グレイチッップ社製のGC2011Aデジタルフィルター装置であるブロック113.1、113.2、...113.mによりデジタルで実行される。ダウンコンバーターはまた時間多重分離を実行して、4つの出力を生成する。例を揚げると、第1のダウンコンバーター113.1は、その出力が115.1.0、115.1.1、115.1.2、115.1.4であるが、受信タイムスロット0、1、2、3のそれぞれにつき1つとなっている。タイムスロット信号のそれぞれは、それぞれのダウンコンバーターにより、以後の処理での必要に合わせてスケール調整される。信号処理のためこのようなスケール調整をどのように実行するかは当業者には自明であろう。このように、何れのタイムスロットについても、m個の信号が生成され、これらはz1(t)、z2(t)、...、zm(t)であって、即ちそれぞれ第1、第2、...、第m番目のアンテナの複素数値の応答である。0番目のタイムスロットについては、これらは信号115.1.0、115.2.0、115.3.0、115.4.0として示される。
このように、何れのタイムスロットについても、本装置はm機のアンテナのそれぞれに対し1つの受信機を含み、各受信機はデジタイザーを含んでおり、m機の受信機の出力は対応するアンテナ要素の応答である。RXブロック103、A/Dブロック109、そしてダウンコンバーターブロック113は共に、特定実施例においてm機の受信機となっているが、他の何れの受信用装置を代用してもよい。
何れのタイムスロットについても、初期重みマトリックス、周波数オフセット及び時整列パラメータを求めるSYNCHモード処理と、周波数オフセット及び時整列確定、周波数オフセット及び整列修正、信号コピー演算、重みベクトル確定、デシメーション、ろ過、復調を行うノーマルモード処理とは、タイムスロット毎に1つのDSPにより実行される。4つの受信タイムスロット0、1、2、3用の4つのDSPは、各々ブロック117.0、117.1、117.2、117.3として示されている。それぞれはモトローラ社のDSP56301である。結果として復調された信号は119.0、...、119.3として示されている。
このように本装置は、周波数オフセット確定、整列確定、周波数オフセット修正、整列修正、信号コピー演算、重みベクトル確定、デシメーション、ろ過、復調のための手段はもとより、他にも初期重みマトリックス、周波数オフセット及び時整列パラメータ確定用の装置を含んでいる。
本発明を好適実施例に関して説明してきたが、これらの実施例は説明のためのものに過ぎない。好適実施例に関してはいかなる制限を意図するものでも暗示するものでもない。数多くの変更や修正が、本発明の真の精神と際立ったコンセプトの範囲を逸脱することなく行われるであろうことは予測されることであり、本発明の範囲はここに添付する請求の範囲により定義づけられることを意図するものである。

Claims (8)

  1. 復調された遠隔ターミナル送信信号を生成するために遠隔局により送信される変調信号を復調する方法であって、前記方法は1又は複数の基地局と1又は複数の遠隔ターミナルとを含む無線システムの基地局において実行され、前記基地局はアレーアンテナを含み、前記変調信号は有限記号アルファベットを有する変調体系により変調され、前記アンテナのアレーの各個別のアンテナは対応する受信信号を受信し、全受信信号は受信信号ベクトルを形成し、各受信信号は前記遠隔ターミナルの組からの信号を含んでいる、そのような方法において、
    前記受信信号ベクトルをダウンコンバートしてダウンコンバートされた信号ベクトルを形成する段階と、
    前記ダウンコンバートされた信号ベクトルのベクトル積算としての初期コピー信号と先行するフレームを処理することにより得られた空間重みベクトルの初期見積りとを演算し、周波数オフセット及びアライメント修正とを決定する段階と、
    前記周波数オフセット及びアライメント修正を使用して前記ダウンコンバート信号の修正信号バージョンを生成する段階と、
    反復ループを実行して前記信号を復調し、最初の反復に対しては空間重みベクトルの開始としての空間重みベクトルの初期見積りを使用する段階とを含み、前記ループは、
    a)前記修正された信号バージョンに基づいた特定の遠隔ターミナルに依存しているターミナルコピー信号と空間重みベクトルとを決定する段階と、
    b)前記ターミナルコピー信号と、前記有限記号アルファベットにおける最近接のシンボルによって確認されたときに前記復調したターミナルコピー信号におけるシンボルに対する架空値を含むことを特徴とする前記復調したターミナルコピー信号の架空値と有限記号アルファベット属性とを使用して架空基準信号を決定し、かつ前記ターミナルコピー信号の位相又は振幅に対する架空基準信号の位相又は振幅を線形フィルタリングによる緩和制御によって基準信号を取得するという段階によって、前記ターミナルコピー信号を復調して基準信号を生成する段階と、
    c)前記基準信号に基づいた費用関数を最適化することによって新しい空間重みベクトルを決定する段階と
    を含み、
    段階a)、b)、及びc)を含む前記ループは少なくとも1回実行され、前記ループの2回目及び更なる反復において、段階a)は、段階c)にて決定された前記新しい空間重みベクトルを使用する
    ことを特徴とする方法。
  2. 前記変調体系は位相偏移キーイングであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記変調体系は異なる4要素からなる位相偏移キーイングであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記変調体系はQAMであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 1又は複数の基地局と1又は複数の遠隔ターミナルとを含む無線システムの基地局において使用される装置であって、前記基地局はアレーアンテナを含み、前記受信のためのアレーの各個別のアンテナは対応する受信信号を受信し、全受信信号は受信信号ベクトルを形成し、各受信信号は前記遠隔ターミナルの組からの信号を含んでおり、前記装置は、前記遠隔ターミナルの特定の一つによって送信された復調信号を変調し、復調遠隔ターミナル送信信号を生成し、前記復調信号は、有限記号アルファベットを有する復調体系によって復調されている、そのような装置において、
    前記受信信号ベクトルをダウンコンバートしてダウンコンバートされた信号ベクトルを形成するための手段と、
    前記ダウンコンバートされた信号ベクトルのベクトル積算としての初期コピー信号と先行するフレームを処理することにより得られた空間重みベクトルの初期見積りとを演算し、周波数オフセット及びアライメント修正とを決定するための手段と、
    前記周波数オフセット及びアライメント修正を使用して前記ダウンコンバート信号の修正信号バージョンを生成するための手段と、
    反復ループを実行して前記信号を復調し、最初の反復に対しては空間重みベクトルの開始としての空間重みベクトルの初期見積りを使用するための手段とを含み、
    前記ループは、
    a)前記修正された信号バージョンに基づいた特定の遠隔ターミナルに依存しているターミナルコピー信号と空間重みベクトルとを決定する段階と、
    b)前記ターミナルコピー信号と、前記有限記号アルファベットにおける最近接のシンボルによって確認されたときに前記復調したターミナルコピー信号におけるシンボルに対する架空値を含むことを特徴とする前記復調したターミナルコピー信号の架空値と有限記号アルファベット属性とを使用して架空基準信号を決定し、かつ前記ターミナルコピー信号の位相又は振幅に対する架空基準信号の位相又は振幅を線形フィルタリングによる緩和制御によって基準信号を取得するという段階によって、前記ターミナルコピー信号を復調して基準信号を生成する段階と、
    c)前記基準信号に基づいた費用関数を最適化することによって新しい空間重みベクトルを決定する段階と
    を含み、
    反復ループを実行するための前記手段は、段階a)、b)、及びc)を少なくとも1回実行し、段階c)にて決定された前記新しい空間重みベクトルを、2回目及び更なる反復に対する段階a)における空間重みベクトルの開始として使用する
    ことを特徴とする装置。
  6. 前記基地局は位相偏移キーイングによって変調された信号を復調するのに適合する請求項5に記載の装置。
  7. 前記基地局は異なる4要素からなる位相偏移キーイングによって変調された信号を復調するのに適合する請求項5に記載の装置。
  8. 前記基地局はQAMによって変調された信号を復調するのに適合する請求項5に記載の装置。
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