JP4674030B2 - 適応型スマート・アンテナの処理法および装置 - Google Patents
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Description
(発明の属する技術分野)
本発明は、無線通信システムに関し、より詳細には、アンテナ素子のアレイと適応型スマート・アンテナの処理手段とを備える無線通信受信機における適応型スマート・アンテナの処理に対する重みの決定に関する。
【0002】
(背景)
アンテナ・アレイと適応型スマート・アンテナの処理手段とを備える通信局を有する無線通信システムが周知である。このような通信局を、スマート・アンテナ通信局と呼ぶことがある。加入者ユニットから信号を受信した場合、アンテナ・アレイ素子のそれぞれが受信した信号は、適応型スマート・アンテナ処理手段と結合して、特定の加入者ユニットが受信した信号の推定値を供給する。線形空間処理を有するスマート・アンテナ処理により、アンテナ素子が受信した、複素数値(すなわち、同相Iと直交Q成分とを含む)信号のそれぞれが、重み係数により振幅および位相の点で重み付けされ、次いで、その重み付けされた信号を合計して推定値を得る。したがって、適応型スマート・アンテナ処理手段を、それぞれのアンテナ素子に対して1つずつ、1組の複素数値重みによって記述することができる。これらの複素数値重みは、m素子の単一複素数値ベクトルとして記述することができる。ここで、mは、アンテナ素子の数である。これは、さらに時空処理も含むことができる。ここで、それぞれのアンテナ素子の信号は、振幅および位相で単に重み付けされるのではなく、通常は時間等化用に、いくつかの複素数値フィルタによってフィルタリングされる。それぞれのフィルタは、複素数値伝達関数または畳み込み関数によって記述することができる。次いで、すべての素子の適応型スマート・アンテナ処理は、m複素数値畳み込み関数の複素数値mベクトルによって記述することができる。
【0003】
受信信号の重みベクトルを決定するためのいくつかの方法が周知である。これらの中には、加入者ユニットからの信号の到着方向を決定する方法と、加入者ユニットの空間特性、たとえば、空間シグネチャを使用する方法とが含まれる。たとえば、到着方向を使用する方法については、Royらによる、米国特許第5,515,378号および第5,642,353号、「SPATIAL DIVISION MULTIPLE ACCESS WIRELESS COMMUNICATION SYSTEMS」と、空間シグネチャを使用する方法については、Barrattらによる、米国特許第5,592,490号、「SPECTRALLY EFFICIENT HIGH CAPACITY WIRELESS COMMUNICATION SYSTEMS」、およびOtterstenらによる、米国特許第5,828,658号、「SPECTRALLY EFFICIENT HIGH CAPACITY WIRELESS COMMUNICATION SYSTEMS WITH SPATIO−TEMPORAL PROCESSING」を参照されたい。いわゆる「ブラインド」法では、信号自体からの重みを決定するが、トレーニング信号には頼らない。つまり、どの重みが周知のシンボル・シーケンスを最も的確に推定できるかを決定しない。このような方法は、通常、加入者ユニットから送信される信号のいくつかの周知の特性を使用して、このプロパティを有するよう推定値に制約を加えることにより使用すべき最適の重みを決定する。したがって、プロパティ復元法と呼ばれる。プロパティ復元法は2つのグループに分類できる。「部分」プロパティ復元法は、変調受信信号を完全に再構築しないで、たとえば、復調した後に再変調することにより、信号の、通常単純な1つまたは複数のプロパティを復元する。「決定に基づく(decision directed)」(DD)方法では、受信信号をシンボル決定(たとえば、復調)することにより信号の正確なコピーを構築する。
【0004】
第1のグループ、つまり部分復元法の一例に、コンスタント・モジュラス(CM:Constant Modulus)法がある。これは、たとえば、位相変調(PM)、周波数変調(FM)、位相シフト・キーイング(PSK)、周波数シフト・キーイング(FSK)を含む、CMを有する変調方式を使用する通信システムに適用できる。たとえば、J.R.Treichler、M.L.Larimoreによる、1985年4月、「New Processing Techniques Based on the Constant Modulus Algorithm」IEEE Transactions on Acoustics,Speech,and Signal Processing、vol.ASSP−33、No.2、pp.420〜431を参照されたい。その他の部分プロパティ復元技術には、スペクトル自己コヒーレンスなどの、信号のスペクトル・プロパティを復元する技術が含まれる。スペクトル・コヒーレンス復元技術は、アンテナ・アレイで受信した信号の、周知のスペクトル・コヒーレンス・プロパティを使用する。たとえば、特定の状況下において、信号が周期定常性である、すなわち、周期的自己相関関数を有すると想定される。その他の方法には、たとえば、モーメントやキュミュラントなどの、高順序統計量を復元する方法が含まれる。たとえば、B.Agee、S.Schell、W.Gardnerによる、「Spectral Self−Coherence Restoral:A New Approach to Blind Adaptive Signal Extraction Using Antenna Arrays」、IEEE議事録、vol.78、No.4、1990年4月、およびGardnerらによる米国特許第5,260,968号、「METHOD AND APPARATUS FOR MULTIPLEXING COMMUNICATIONS SIGNALS THROUGH BLIND ADAPTIVE SPATIAL FILTERING」、およびGardnerらによる、米国特許第5,255,210号、「SELF−COHERENCE RESTORING SIGNAL EXTRACTION APPARATUS AND METOHD」を参照されたい。
【0005】
決定に基づく方法(decision directed method)は、送信された加入者ユニット信号の変調方式が周知であるという事実を利用し、必要な変調方式を有する信号(「基準信号」)を生成する重みを決定し、そして遠隔ユーザから送信された場合は、実際に受信した信号に「近い」アレイのアンテナ素子で信号を生成する。その基準信号を生成することには、シンボル決定が含まれる。決定に基づく重み決定を使用したシステムの説明については、たとえば、Barrattらによる米国特許出願第08/729,390号、「METHOD & APPARATUS FOR DECISION DIRECTED DEMODULATION USING ANTENNA ARRAYS & SPATIAL PROCESSING」(1996年10月11日出願)、およびPetrusらによる、第09/153,110号、「METHOD FOR REFERENCE SIGNAL GENERATION IN THE PRESENCE OF FREQUENCY OFFSETS IN A COMMUNICATIONS STATION WITH SPATIAL PROCESSIBG」(1998年9月15日出願)を参照されたい。
【0006】
たとえば、CM法などの、部分復元法を含むいくつかの反復法は、通信システム内で遭遇する可能性のある、低信号対雑音比(SNR)、低SINR(Signal-to-interference-plus-noise-ratio)、高フェージング状況に対しても収束することが周知である。この場合、加入者ユニットの流動性が高い。本明細書では、このような方法を、「良い収束プロパティを有する反復重み決定法」と呼ぶ。しかし、良い収束プロパティを有する方法は収束するため何度も反復を行う。CM法は、たとえば、収束するため何度も反復を行うため、実際のシステムにおいては収束するのが遅くなる。たとえば、高流動性システムにおいては、電流バーストのデータから導出される電流バースト上の重みベクトルを使用することが望ましい。このことは、重みの計算が速いことを意味し、これはCM法では不可能であろう。他方、決定に基づく方法は、初期の状態が、たとえば、初期の信号対雑音比(SNR)、およびSINRが高いか、または初期の重みベクトルが正しい値に十分に近い場合、急速に収束する部類の方法の一例である。初期の重みベクトルが正しい値に十分に近い場合に急速に収束する方法を、本明細書では、「急速収束反復重み決定法」と呼ぶ。DD法などの急速収束法は、スマート・アンテナをベースとした通信局において、ますます広範囲に使用されるようになってきている。このような方法が故障した場合、たとえば、低SINRまたは高フェージング状況では、この方法では収束しない。この問題は、高い共チャネル干渉の存在下で多くのユーザを有する通信システムにおいて、つまり、特定の加入者ユニットから信号を受信した時に、他の加入者ユニットからの従来型チャネル内の信号からの干渉が高い場合に、ますます深刻になってきている。このような他の加入者ユニットは、いくつかの受信通信局を含み、それぞれが、そのセル内にある1組の加入者ユニットと通信している、セルラ・システムの場合、同じセルまたは近接セルからのものである。
【0007】
理論上は、同じ従来型チャネルを共有する加入者ユニットが空間的に(または空間および時間的に)分解できる限り、適応型スマート・アンテナ処理により、1を超える通信リンクが単一の「従来型」通信チャネル内に存在することができる。従来型チャネルには、周波数分割多元接続(FDMA)システム内の周波数チャネルと、時分割多元接続(TDMA)システム内のタイムスロット(これは通常、FDMAも含み、正確には、従来型チャネルは時間および周波数スロットである)と、符号分割多元接続(CDMA)システム内の符号とが含まれる。次いで、従来型チャネルは1つまたは複数の「空間」チャネルに分割され、従来型チャネル毎に1を超える空間チャネルが存在する場合は、多重方式を、空間分割多元接続(SDMA)と呼ぶ。本明細書では、SDMAは、従来型チャネル毎に1つおよび1を超える空間チャネルの両方を有する適応型スマート・アンテナ処理を含むことを意味する。
【0008】
従来型チャネル毎に1を超える空間チャネルを有するSDMAシステム内に高い共チャネル干渉が存在する場合、決定に基づく方法などの急速収束法は故障する。
【0009】
したがって、当技術分野では、従来型チャネル毎に1つの空間チャネルを有するSDMAシステムについて、また従来型チャネル毎に複数の空間チャネルを有するSDMAシステムについて、低いSIN環境(low signal-to-interference plus noise environment)または高いフェージング環境下で、適応型スマート・アンテナ処理の重みを効率的に決定する適応型スマート・アンテナの処理方法が必要とされている。
【0010】
したがって、当技術分野では、低SINRおよび高フェージング状況下でうまく実施され、また急速に収束する、すなわち、反復回数の少ない重み決定法が必要とされている。
【0011】
したがって、当技術分野では、良い収束プロパティと急速な収束プロパティとを結合した方法が必要とされている。
【0012】
したがって、当技術分野では、良い収束プロパティ(SINRが低い場合に収束)と急速な収束とを結合した「ブラインド」法(すなわち、トレーニング・データを使用しない方法)が必要とされている。
【0013】
【特許文献1】
米国特許第5,515,378号
【特許文献2】
米国特許第5,642,353号
【特許文献3】
米国特許第5,592,490号
【特許文献4】
米国特許第5,828,658号
【特許文献5】
米国特許出願第08/729,390号
【特許文献6】
米国特許出願第09/153,110号
【非特許文献1】
J.R.Treichler、M.L.Larimoreによる、1985年4月、「New Processing Techniques Based on the Constant Modulus Algorithm」IEEE Transactions on Acoustics,Speech,and Signal Processing、vol.ASSP−33、No.2、pp.420〜431
【非特許文献2】
1988年、J.LundellおよびB.Widrowによる「application of constant modulus adaptive beamformer to constant and non−constant modulus signals」1988年のAsilomar Conference on Signals,Systems and Computers(ACSSC−1988)、pp.432〜436の議事録
【0014】
(要旨)
本発明の一目的は、良い収束プロパティを有する方法の利点と急速に収束する方法の利点とを結合した重み決定法を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、低SINRおよび高フェージング状況下でうまく実施され、また急速に収束する、すなわち、反復回数の少ない「ブラインド」重み決定法および装置を提供することである。
【0016】
他の目的は、従来型チャネル毎に1つの空間チャネルを有するSDMAシステムについて、低SINR環境または高フェージング環境下で、適応型スマート・アンテナ処理の重みを効率的に決定する適応型スマート・アンテナ処理法および装置を提供することである。
【0017】
他の目的は、従来型チャネル毎に複数の空間チャネルを有するSDMAシステムについて、低SIN環境または高フェージング環境下で、適応型スマート・アンテナ処理の重みを効率的に決定する適応型スマート・アンテナの処理法および装置を提供することである。
【0018】
本発明の他の目的は、データの電流バーストで使用する適応型スマート・アンテナ処理の重みを決定する適応型スマート・アンテナ処理法および装置を提供することであり、その重みは電流バーストからのデータにより決定されることによりデータの電流バーストに適合する。
【0019】
本発明は、本発明の詳細な好ましい実施形態からより十分に理解されるであろうが、本発明を特定の実施形態に限定するものととらえてはならず、これらは単に説明のため、また理解を容易にするためのものである。実施形態については、以下の図を参照して説明する。
【0020】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
基地局アーキテクチャ
好ましい実施形態の方法および装置は、アンテナ・アレイ内にmアンテナ素子を有する通信受信機、特に、図1に示すようなPHSベースのアンテナ・アレイ通信局(トランシーバ)内に実装される。特定の実施形態ではm=4である。図1に示したものと似たシステムが先行技術にあるであろうが、本発明の態様を実施するプログラミングまたはハードワイヤードされた素子を備えた図1に示すシステムは先行技術にはない。また、本発明は、決してPHSエア・インターフェイスまたはTDMAシステムの使用に限るものではなく、適応型スマート・アンテナ処理手段を備えるどの通信受信機でも使用できる。図1では、アンテナ・アレイ103の1つまたは複数の素子を、送信モードの場合には送信電子機器113に、そして受信モードの場合には受信電子機器121に選択的に接続するため、送信/受信(「TR」)スイッチ107が、mアンテナ・アレイ103と、送信電子機器113(1つまたは複数の送信信号プロセッサ119とm送信機120とを含む)および受信電子機器121(m受信機122と1つまたは複数の受信信号プロセッサ123とを含む)の両方との間に接続される。スイッチ107の可能な実装形態の2つは、周波数分割多重(FDD:frequency division duplex)システム内の周波数デュプレクサとして、また時分割多重(TDD:time division duplex)システム内のタイム・スイッチである。本発明によるPHSの好ましい実施形態では、TDDを使用している。送信機120および受信機122は、アナログ電子機器、ディジタル電子機器、またはこれら2つの組み合わせを使用して実装できる。好ましい実施形態の受信機122は、1つまたは複数の信号プロセッサ123に送られるディジタル化した信号を発生させる。信号プロセッサ119および123は、静的(常に同じ)、動的(所望の方向性によって変化する)、またはスマート(受信信号によって変化する)であり、好ましい実施形態では適応型である。信号プロセッサ119および123は、受信用と送信用に異なるようにプログムした1つまたは複数の同じDSPデバイス、または異なるDSPデバイス、またはいくつかの機能については異なるデバイスで、その他の機能については同じデバイスである。
【0021】
図1は、受信用と送信用に同じアンテナ素子が使用されているトランシーバを示しているが、受信用と送信用に別々のアンテナを備えることもでき、また受信用だけや送信用だけでも可能であり、また受信と送信の両方が適応型スマート・アンテナ処理を有することもできることが明らかであることに留意されたい。
【0022】
たとえば、電波産業会(ARIB日本)仮標準、バージョン2、RCR STD28に記述されているPHS(Personal HandyPhone System)、およびPHS覚書(Memorandum of Understanging)グループ(PHS MoU、http://www.phsmou.or.jpを参照)の技術標準に記述されている変形形態は、真の時分割多重(TDD)を有する8スロット時分割多元接続(TDMA)システムである。したがって、8タイムスロットは、4つの送信(TX)タイムスロットと4つの受信(RX)タイムスロットとに分割される。このことは、どの特定チャネルについても、受信周波数が送信周波数と同じであることを意味する。また、受信タイムスロットと送信タイムスロット間の加入者ユニットの動きが最小であることを想定した場合、ダウンリンク(基地局からユーザの遠隔端末へ)とアップリンク(ユーザの遠隔端末から基地局へ)の両方の交互作用、すなわち、伝搬経路が同じであることも意味する。好ましい実施形態で使用されるPHSシステムの周波数帯域は、1895〜1918.1MHzである。8タイムスロットのそれぞれの長さは625マイクロ秒である。PHSシステムは、呼の開始を行う制御チャネルのための専用周波数およびタイムスロットを有する。いったんリンクが確立されると、その呼は、通常の通信のためサービス・チャネルに引き渡される。フルレートと呼ぶ32キロビット毎秒(kbps)のいずれのチャネルでも通信が起きる。フルレート未満の通信も可能であり、本明細書に記述した実施形態をフルレート未満の通信に修正する方法の詳細については、当業者には明らかであろう。
【0023】
好ましい実施形態で使用されるPHSにおいて、バーストは、単一タイムスロット中に電波にのって送信または受信される有限時間のRF信号と定義される。グループは、1組の4TXおよび4RXタイムスロットと定義される。グループは、常に最初のTXタイムスロットから開始し、その持続時間は、8×0.625=5msecである。
【0024】
PHSシステムは、ベースバンド信号用に、π/4差動クォタナリ(または直角(クワッドラチャ))位相シフト・キーイング(/4DQPSK)変調を使用する。ボー・レートは、192キロボーである、つまり、毎秒192,000シンボルがある。
【0025】
図2は、適応型スマート・アンテナ処理を有し、本発明による一実施形態が実装されるPHS基地局を示す、より詳細ではあるがまだ単純化したブロック図である。繰り返すが、図2に示すものと似たアーキテクチャを備えるシステムが先行技術にあるであろうが、本発明の態様を実施するようにプログラムされまたはハードワイヤードされた素子を備えた図2に示すシステムは先行技術にはない。図2では、複数のmアンテナ103が使用されており、ここで、m=4である。これより少ないまたは多い数のアンテナ素子を使用することも可能である。アンテナの出力部はデュプレクサ・スイッチ107に接続されている。このTDDシステムのスイッチ107はタイム・スイッチである。受信する場合は、アンテナ出力部はスイッチ107を介して受信機205に接続され、RF受信機係数205により、搬送波周波数(およそ1.9GHz)から中間周波数(「IF」)へアナログでミックスダウンされる。次いで、この信号は、アナログ/ディジタル・コンバータ(「ADC」)209によってディジタル化(サンプリング)される。次いで、これは、ディジタル・ダウンコンバータ213によってディジタル的にダウンコンバートされて、4倍オーバーサンプリングされた複素数値(同相Iおよび直角位相Q)にサンプリングされた信号を生成する。したがって、素子205、209、213は、図1の受信機122に対応する。m受信タイムスロットのそれぞれについては、mアンテナからのmダウンコンバートされた出力は、ディジタル信号プロセッサ(DSP)デバイス217(以後、「タイムスロット・プロセッサ」と呼ぶ)に送られて、さらなる処理が行われる。好ましい実施形態では、商用のDSPデバイスが、受信タイムスロット毎に1つずつ、タイムスロット・プロセッサとして使用されている。
【0026】
タイムスロット・プロセッサ217は、以下のものを含むいくつかの機能を実行する。すなわち、受信信号電力監視、周波数オフセット推定/訂正およびタイミング・オフセット推定/訂正、本発明による一態様に従った方法を使用する特定の遠隔ユーザからの信号を決定するためのそれぞれのアンテナ素子に対する重み決定を含むスマート・アンテナ処理、決定した信号の復調である。
【0027】
タイムスロット・プロセッサ217の出力は、m(=4)受信タイムスロットのそれぞれに対する復調データ・バーストである。このデータはホストDSPプロセッサ231に送信される。このプロセッサの主要機能は、システムのすべての素子を制御し、かつより高レベルの処理とのインターフェイスをとることである。この高レベル処理は、PHS通信プロトコルで定義された、すべての異なる制御チャネルおよびサービス通信チャネル内の通信にはどの信号が必要であるかを取り扱う処理である。好ましい実施形態では、ホストDSP231も、商用のDSPデバイスである。さらに、タイムスロット・プロセッサが、決定された受信重みをホストDSP231に送信する。
【0028】
RF制御手段233が、RFシステムとインターフェイスをとることが、ブロック245として示してあり、これもまた、RFシステムおよびモデムによって使用されるいくつかのタイミング信号を生成する。RF制御手段233が、ホストDSP231からそれぞれのバーストに対して、そのタイミング・パラメータおよびその他の設定を受信する。
【0029】
送信制御手段/変調器237は、ホストDSP231から送信データを受信する。送信制御手段はこのデータを使用して、RF送信機(TX)モジュール245に送信されるアナログIF出力を生成する。送信制御手段/変調器237が実施する特定オペレーションには、複素数値π/4DQPSK変調信号へのデータ・ビットの変換、IF周波数へのアップコンバート、ホストDSP231から得られた複素数値送信重みによる重み付け、送信モジュール245に送信されるアナログ送信波形へディジタル/アナログ・コンバータ(「DAC」)を使用しての信号の変換が含まれる。送信モジュール245が、送信周波数に信号をアップコンバートし、その信号を増幅する。増幅された送信信号出力は、デュプレクサ/タイム・スイッチ107を介してmアンテナ103に連結する。
【0030】
表記法
以下の表記法を使用する。mアンテナ素子(好ましい実施形態では、m=4)があり、ダウンコンバージョン後の、つまり、ベースバンドの、そしてサンプリング(好ましい実施形態では、4倍のオーバーサンプリング)後の、第1、第2・・・m番目のアンテナ素子の複素数値応答(つまり、同相Iおよび直交Q成分を有する)を、それぞれ、z1(t)、z2(t)・・・zm(t)とする。上述の表記法では、本発明では必ずしもその必要はないが、tは計数値である。これらのm回のサンプリング量は、単一のmベクトルz(t)で表され、z(t)のi番目の行はzi(t)で表すことができる。それぞれのバーストについては、サンプルの有限数、たとえばNを収集して、z1(t)、z2(t)・・・zm(t)を、それぞれ、N行ベクトルで表し、z(t)を、N行列Zによるmで表すことができる。以降、発明の詳細な説明では、サンプルの有限数を組み込みむことの詳細の大部分については省くこととするが、それらの詳細は当業者には明らかであろう。
【0031】
いくつかの信号が、いくつかの、たとえばNsの遠隔ユーザから基地局に送信されるとする。具体的には、当該加入者ユニットが信号s(t)を送信するとする。適応型スマート・アンテナ処理には、送信信号s(t)の推定値を抽出するため、受信信号z1(t)、z2(t)・・・zm(t)のI値およびQ値の特定の組み合わせが含まれる。このような重みは、i番目の素子wriを含む複素数値重みベクトルwrによって表示される、この特定加入者ユニットに対する受信重みベクトルによって表すことができる。次いで、送信された信号の推定値は、
【数1】
上式で、w’riはwriの複素共役であり、wr Hは受信重みベクトルwrのエルミート転置(つまり、転置および複素共役)である。時空処理を含む実施形態では、受信重みベクトル内のそれぞれの素子は時間の関数であり、そのため重みベクトルは、i番目の素子wri(t)を有するwr(t)として表示される。次いで、その信号の推定値は、以下のように表現される。
【数2】
上式で、オペレータ「*」は畳み込みオペレーションである。時空処理(spatio-temporal processing)は、たとえば、時間等化と空間処理とを結合し、特に広帯域信号に有用である。時空処理を使用する信号の推定値の形成は、同様に、周波数(フーリエ変換)領域内で行うことができる。S^(k)(注:本明細書に置いて「^」はその前の文字に付くことを表している)、Zi(k)、Wi(k)と、それぞれ、s^(t)、zi(t)、wri(t)との周波数領域の表示は、
【数3】
で表され、上式で、kは計数周波数値である。
【0032】
時空処理について、数式(2)の畳み込みオペレーションは、通常、有限であり、サンプリングしたデータに行われ、等化器タップの有限数を有する時間領域等化器を使用して、空間処理を時間等化に結合したものに等しい。つまり、wri(t)のそれぞれが、tの値の有限数を有し、同様に、周波数領域内で、wi(k)のそれぞれがk値の有限数を有する。次いで、畳み込み関数wri(t)の長さがnの場合、複素数値m重みベクトルwrを決定するのではなく、列がwr(t)のn値である、複素数値m×n行列wrを決定する。
【0033】
残りの説明部分では、複素数値受信重みベクトルwrまたはその素子について記述する場合は必ず、重み行列wrの決定について上述したように、空間処理、または時空処理を組み込むよう一般化するものと理解されたい。したがって、空間処理と、時空処理は、本明細書では、適応型スマート・アンテナ処理を指すものとする。
【0034】
空間重みの決定
適応型スマート・アンテナ処理に対する重みを決定するための「ブラインド」法は、再構築すべきトレーニング・データを必要としない方法である。本発明による方法は、殆どのブラインド法と同様に、元々の送信信号の形式についての知識を使用しており、出力信号に1つまたは複数の周知の入力信号プロパティを持たせる。そのプロパティは、振幅特性の場合もあり、また、エントロピまたは周期定常性(cycro-stationaryity)、正しい変調方式、または正確なレプリカの再構築などの統計特性などである。このような方法を、「プロパティ復元」と呼ぶ場合がある。
【0035】
良い収束プロパティを有する方法
良い収束プロパティを有する方法には、部分プロパティ復元法が含まれる。すなわち、ビット・ストリームを決定し、信号を再構築することにより、正確なレプリカを再生しようと試みることなく、1つまたは複数のプロパティを再生する方法である。この種類には、信号の振幅(係数)、エントロピ、スペクトル・コヒーレンス(たとえば、周期定常性)を保存する方法が含まれる。
【0036】
コンスタント・モジュラス(CM)法は、結果として一定の振幅信号を生じる方式により変調された信号に適用できる非常に簡単で効果的な技術である。これらの中には、好ましい実施形態で使用されるPHSシステムの差動位相シフト・キーイング変調を含むすべての形式の位相および周波数変調が含まれる。以下に記述するように、CM法はまた、非CM信号にも適用可能である。CM法では、a)信号の一定振幅(CM)プロパティを復元し、b)遠隔ユーザにより送信された場合には、実際に受信した信号に「近い」アレイのアンテナ素子に信号を生成する信号を生成して、重みを決定する。振幅の変動が、これらの変調方式での干渉、フェージング、タイミング・オフセットによって導入され、CMプロパティは、たとえば、好ましい実施形態のDQPSK変調方式を含む、正確なタイミング・オフセット訂正に依存し、CMプロパティは、ボー・ポイントでのみ保持する。共チャネル干渉者の存在下では、CM法は、所望の信号または共チャネル干渉者のいずれかの強力な方の信号を選び取る傾向がある。所望の信号強度がどの干渉者の強度より0.5dBより大きければ、CM法は、強力な方の信号、すなわち、所望の信号を正しく選び取る。つまり、CM法は、非常に良い収束プロパティを有する。
【0037】
CM法には、多くの変形形態がある。これらは、通常、一般式のコスト関数を最小化する。すなわち、
【数4】
上式で、E(.)は、統計的期待値オペレーションを表示し、pおよびqは、正の整数、通常1または2である。実際には、統計的オペレーションは、いくつかの形式のサンプル平均化または累算(たとえば、1組のサンプルの合計により、これは、好ましい実施形態では、バースト内のすべてのサンプルの部分集合であるが)に置き換わることが、当業者には明らかであろう。また、数式(4)のコスト関数内にさらに項を追加することも、明らかであり、また本発明の範囲内に入る。たとえば、重みベクトルの大きさを制限する項が追加できる。このような追加項を含むコスト関数(CMコスト関数ではない)の例については、上述の米国出願第08/729,390号を参照されたい。信号sref(t)は、コスト関数で使用される正規化コピー信号(「基準信号」と呼ぶ)である。つまり、重みを決定する基準信号は、次いで正規化される受信アンテナ信号の重み付け合計である。重み決定は、数式(4)内のコスト関数を最小化する1組の重みを決定する。
【0038】
CM法はまた、非CM信号にも適用可能である。たとえば、1988年、J.LundellおよびB.Widrowによる「application of constant modulus adaptive beamformer to constant and non−constant modulus signals」1988年のAsilomar Conference on Signals,Systems and Computers(ACSSC−1988)、pp.432〜436の議事録、を参照されたい。LundellとWidrowは、p=q=2を有する(これは、2−2CM法と呼ばれる)数式(4)と同様のコスト関数を使用し、いずれのCMおよび非CM信号も、第2のモーメントの2乗に対する第4のモーメントの割合(この割合を尖度と呼ぶ)が2未満である限り、このような2−2CM法を用いて回復できることを示している。たとえば、M直角位相振幅変調信号(M−QAM)は、おおよそ1.4〜1.2/(M−1)の尖度を有することが周知であり、したがって、いずれのQAM信号の尖度も常に1.4より小さい。したがって、CM法は、このような信号に適用可能である。
【0039】
良い収束プロパティを有する特定の方法、CM方法、の少なくとも1回の反復が、好ましい実施形態で使用されている。CM法の実施では、数式(4)内のpには1、qには2の値を使用している。本発明を非CM信号に適用し、そしてCM法を使用した場合、pおよびqに対する他の値、たとえば、p=q=2を使用することができる。好ましい実装形態も、ブロックをベースとした方法である。つまり、アンテナ受信信号のブロックを重み付けし、その重みを、データのこのブロックを使用して決定する。ブロックは、バースト内のサンプルの部分集合である。特に、120PHSバースト・シンボルの75サンプルを使用することが好ましい。ここで、この75シンボルは、PHSバーストの中央のペイロード内にある。ペイロードからのデータを使用すると、好都合なことに、いずれかの1人の遠隔ユーザに対する重み計算に使用するデータが、別の加入者ユニットに対するデータと同じではないことを確認することができる。PHSバースト内には最大88のこのようなペイロードのサンプルがある。
【0040】
p=1およびq=2を有する、この方法を、最小二乗CM法と呼び、以下のステップが含まれる。
1.重みベクトルを開始する。たとえば、wr,initial=[100・・・0]’を使用する。ここで、x’は、xの転置を表示する。改良した実施形態では、Zの最大特異値に対応するRzz=ZZHの最大固有ベクトルを使用する。さらに他の実施形態では、前のバーストからの重みベクトルを使用する。
2.当該サンプルについては、コピー信号を実施し、正規化する。
【数5】
3.最小二乗手順を使用して重みベクトルwrを計算する。つまり、
【数6】
上式で、Nは、計算で使用したサンプル数である。数式(6)の解は、
【数7】
である。上式で、Rzz=ZZH、
【数8】
そして、Nは、使用したサンプル数である。
4.収束に達するまでステップ2と3を繰り返す。
【0041】
ステップ3の計算において、実際には、全体のスケール・ファクタは重要ではないことに留意されたい。重みのためのすべてのスケール・ファクタが、システム内の利得として組み合わせて適用されるのが好ましい。
【0042】
CM法を時空処理に拡張できることに留意されたい。1つの周知の方法では、2−2CM法を使用し、実際に通常起きる特定の仮定における空間および時間重み決定(すなわち、重み行列決定)のためのCM法は、必ず収束することを示している。1996年、IEEE第46回車両技術会議(Vehicular Technology Conference)議事録の86〜90ページの、C.B.PapadiasおよびA.Paulrajによる、「A space−time constant modulus algorithm for SDMA systems」を参照されたい。しかし、Papadiasらによる方法は、ブロック・データがベースではない。しかし、空間重み決定法は、異なるサイズの行列およびベクトルで問題を再表示することにより、重み行列に従って容易に時空処理に修正できる。この説明全体にわたり、mはアンテナ素子の数、Nはサンプルの数とする。nは、アンテナ素子毎の時間等化器タップの数とする。(m×N)受信信号行列ZのNサンプルのそれぞれの行ベクトルは、第1の行のシフトしたバージョンのn行として書き換えて、サイズ(mn×N)の受信信号行列Zを生成し、サイズ(mn×1)の重みベクトルのエルミート転置により予め乗算されていた場合、Nサンプルの推定受信信号行ベクトルを生成する。したがって、空間および時間的な問題は、重みベクトル決定の問題として再表現されている。CM法については、数式(7)で、たとえば、重みベクトルは、サイズ(mn×1)の「長い」重みベクトルで、RZZは、サイズ(mn×mn)の行列で、rzsは、サイズ(mn×1)の長いベクトルである。項を再配置することにより、必要な(m×n)重み行列が得られる。
【0043】
好ましい実施形態では、CMプロパティを保持するため、サンプリングしたデータは、おおよそオン・ボー(on-baud)である必要があるので、ステップ2を行う場合、タイミング・オフセット推定と訂正を実施するが、この場合、アンテナ・アレイ103のそれぞれのアンテナ素子からの受信信号のサンプルがオーバーサンプリングされ、いくつかのタイミング・オフセットを含む可能性があるため、時間でのデシメーションおよび補間を含むことがある。したがって、数式(5)および(7)の変数tは、そのサンプルに対しておおよそオン・ボー時間を表す。明らかなことであり、また上述の米国特許出願第09/153,110号にも記述してあるように、タイミング・オフセット推定/訂正(デシメーション/補間を含むことができる)は、信号コピー・オペレーションの前にm信号で、または信号コピー・オペレーションの後にその信号上で実行される。
【0044】
シミュレーションを実行して、タイミング・オフセット/ボー・ポイント推定の精度レベルを決定する。図8は、その結果を示す図である。シミュレーションでは、正確にはボー・ポイントでなく、1/8ボーの段階毎に−1/2から+1/2ボーまで変化するタイミング・オフセットによる理想的なボー・ポイントからのオフセットで、信号がサンプリングされた時、CM重みを使用して得られた出力SINRが計算される。その結果が、1ボーの±1/8分オフセットされた信号についてさえも、出力SINRは、0.6dB分だけ低下することを示す。この数は、示したテストケースに特有のものであるが、その結論は、CM法に対するタイミング・オフセット訂正の精度は、高い必要がないというものである。したがって、オフセット訂正/デシメーション/補間には簡単な方法を使用して、近似ボー整列したサンプルを生成することができる。
【0045】
また、オーバーサンプリングした信号のタイミング・オフセット訂正(デシメーション/補間を含む)は、CMプロパティを有するすべての変調方式に必ずしも必要ではないことに留意されたい。たとえば、DECT(the Digital European Cordless Telecommunications)標準およびGSM(Global System for Mobile Communications)標準は、ガウス最小シフトキー(GMSK)信号を使用しているが、これは常にCMを有し、したがって、これらの場合には、CM法に対してタイミング・オフセット訂正は必要ではない。
【0046】
最小二乗CM重み決定法の実行はかなり簡単である。復調が起きないため、周波数オフセット推定および訂正、そして復調が必要ではない。本発明による一実施形態では、CM法を実施する場合、必要ではないが、周波数オフセット訂正を行う。CM法などの簡単なプロパティ復元法のさらなる特徴としては、非常に低いSINR値の下でも収束が起きることである。
【0047】
簡単なプロパティ復元法などの、良い収束プロパティを有する方法の主な欠点は、収束するための反復回数が多いことである。代表的なシステムにおいては、DSP処理電力などの処理電力が、非常に制限されており、したがって、CM法を使用した場合の収束が、たとえば、電流バースト内で重みベクトルを使用するための、一定時間中に起きない可能性がある。
【0048】
急速収束法
部分プロパティ復元方法とは異なり、決定に基づく方法などの急速収束法は非常に素早く収束する。決定に基づく方法では、復元されるプロパティは、正しい変調方式を有する元の送信信号の完全なレプリカである。つまり、数式(1)などの信号コピー・オペレーションが受信信号を推定し、その信号が復調され、正しいビット・ストリームを有する基準信号が構築される。うまく機能させるためには、基準信号を構築する時に、周波数とタイミング・オフセットを訂正する必要がある。正しい重みは、送信信号に近い基準信号を生成する重みである。この方式では、「最適の」重みを得るため1回または複数回の反復を行う。タイミング・オフセット訂正(いずれかのデシメーションを含む)および周波数オフセット訂正が、信号コピー・オペレーションの後に起きるものとして以下に示してあるが、信号コピー・オペレーションの前に、これらを1回または複数回行うことができることは明らかである。信号コピーの前後に起きるこれらのオペレーションの例、および決定に基づく方法の詳細な説明については、上述した共同所有の米国特許出願第08/729,390号および第09/153,110号を参照されたい。最小二乗基準を使用した場合、一般的な方法として、以下のステップが含まれる。
【0049】
1.重みベクトルを開始する。たとえば、wr,initial=[100・・・0]’を使用する。ここで、x’はxの転置を表示する。改良した実施形態では、最大特異値に対応するRzz=ZZHの特異ベクトルを使用する。さらに他の実施形態では、前のバーストからの重みベクトルを使用する。以下に記述するように、本発明による一態様は、部分プロパティ法を使用した後に決定に基づく方法を使用することを含む。このような場合、本発明によるいずれかの実施形態を実施する場合に、最後に得られた重みベクトル(すなわち、部分プロパティ復元法を使用する)を使用する。
【0050】
2.信号コピーを実施する。
【数9】
サンプルが元々オーバーサンプリングされていた場合、デシメーション/補間が後に続く(代替形態では、デシメーション/補間は、コピー信号オペレーションの前に起きる可能性がある)。
【0051】
3.タイミングおよび周波数オフセットを推定して、正しいタイミングと周波数オフセットを有する信号を生成する。
【0052】
4.シンボル決定(すなわち、復調)をすることによって基準信号sref(t)を決定し、sref(t)が、正しいビット・ストリームと同じ変調方式、および特定のユーザから受信機に送信された信号と同じタイミングと周波数オフセットを有するようにする。
【0053】
5.wrを超える最小二乗最小化によって重みベクトルを計算する。つまり、
【数10】
これには、解があり、
【数11】
上式で、Rzz=ZZH、および
【数12】
【0054】
6.収束に達するまでステップ2、3、4、5を繰り返す。
【0055】
ステップ2、3、4では、信号を周波数とタイミング・オフセットの訂正をして、正しい復調決定がステップ4でなされるようにし、ステップ5では、一般に、正しい周波数とタイミング・オフセットを再導入して、コスト関数の基準信号とコピー信号が同じタイミングと周波数オフセットを有するようにする必要があることに留意されたい。また、CMについて上述したように、また上述の米国出願第08/729,390号に記述したように、数式(9)の最小化には、重みベクトルのノルムに制約を課すための重みベクトル項の重みノルムなど、その他の項も含まれることにも留意されたい。また、基準信号(ステップ(4))の決定方法の詳細な説明については、上述の共同所有の米国特許出願第08/729,390号および第09/153、110号も参照されたい。このことについては、また図4を参照しながら、以下に説明する。
【0056】
決定に従う方法は、たとえば、CM法について本明細書に上述したように項を再配置することにより、そして当業者には明らかなその他の方法により、時空処理のための重み行列を決定するため、容易に拡張できることに留意されたい。したがって、本発明は、時空処理のための重みベクトルおよび重み行列を決定する方法をも包含する。
【0057】
したがって、決定に基づく方法は、受信機に送信されたと想定される信号の正確なレプリカを再生し、部分プロパティ復元法は、正しい振幅などの、1つまたは複数の簡単なプロパティを再生する。決定に基づくシステムは、非常に上手く機能し、適度に高いSINR環境下で非常に少ない反復回数で収束する。しかし、これらの方法は、初期状態に対して過敏であり、初期のSINRが低い場合には収束しない可能性がある。この状況は、流動性の高いセルラ・システムおよびフェージングを呈するその他のシステムで一般的なことである。
【0058】
CM法の反復は、一般に、決定に基づく方法の反復に比べ、計算上コストがかからず、周波数オフセット訂正や復調も必要としないことに留意されたい。
【0059】
好ましい方法:単一ユーザ
本発明による一態様は、部分プロパティ復元法、好ましくはCM法などの、良い収束プロパティを有する反復重み決定法の反復回数N1を、決定に基づく方法などの、急速収束法の反復の第2の回数N2とを両方結合し、そしてこの順序で行って、急速収束を有する良い収束プロパティの利点を得ることを含む重み決定法である。N1CM反復は、決定に基づく方法のN2反復のための開始条件を、決定に基づく方法の急速な収束が最も確実である領域にもたらす。好ましい実施形態では、決定に基づく方法の1回の反復(N2=1)を使用し、代替形態では、2回の反復(N2=2)を使用する。この方法は、切り換え基準に合致するまで良い収束プロパティを有する反復重み決定法の反復を行い、次いで、良い収束プロパティを有する方法で得られた重みから開始し、急速収束法のいくつかの反復を行うことと、言いかえることができる。ある場合には、切り換え基準は、反復の明示的定義数N1である。他の、好ましい実施形態では、N1は、明示的に指定されていない。むしろ、切り換え基準は、コピー信号のSINR閾値であり、決定に基づく方法に対する切り換えは、SINR推定値が閾値と同じかまたはそれを超える場合に起きる。この方式で、さらにN2の反復のみで、決定に基づく方法の収束を確実にするのに十分なSINRを得るため、CM反復の十分な回数N1が使用される。
【0060】
SINR推定値を決定するため多くの方法を使用することができる。好ましい実施形態では、使用方法が、Yunによる米国特許出願第09/020,049号、「POWER CONTROL WITH SIGNAL QUALITY ESTIMATION FOR SMART ANTENNA COMMUNICATION SYSTEMS(1998年2月6日出願)に記述されている。信号品質の推定方法の実装形態について、以下に記述する。
【0061】
推定値に使用するバーストのサンプル数をNで表示する。サンプリングした係数情報は、最初に、同相の二乗と直角位相信号の合計(信号s(t)の実数部分と虚数部分)を形成することによって抽出される。次いで、期待オペレーションのためのサンプルの数の平均を使用して、平均電力および平均二乗電力を決定する。
【数13】
【数14】
【0062】
いったん瞬時電力R2(t)=I2(t)+Q2(t)が決定すると、二乗電力R4(t)=[R2(t)]2の決定には、サンプル毎に単一の追加乗算のみが必要となり、好ましくは、
【数15】
を使用するせいぜい1つの平方根オペレーションで、推定SINRが決定する。割合、
【数16】
と、数量Aの両方を尖度と呼ぶことがある。信号品質推定の、この好ましい方法は、周波数オフセットに対して過敏でなく、したがって、これも周波数オフセットに過敏でないCM法とともに使用するのに特に魅力的な方法である。
【0063】
事後コピー・オペレーション信号の品質を決定するその他の方法はまた、本発明による代替形態で使用可能である。
【0064】
単一ユーザのための重み決定法が、図3のフローチャートで示してある。初期の重みベクトルが、303で形成される。これは、[100・・・0]’、または改良した実施形態では、最大特異値に対応するRzz=ZZHの特異ベクトルが使用される。さらに他の実施形態では、前のバーストからの重みベクトルが使用される。ここで、コピー・オペレーション305を数式(1)に従って実施するが、好ましい実施形態では、バーストの中央部分のみを使用し、好ましくは、バーストの中央にあるペイロード部分から75シンボル(300サンプル)だけを使用する。タイミング・オフセット307に対して出力を訂正する。どのようなタイミング・オフセット訂正方法も使用可能である。本明細書で上述したように、タイミング・オフセット訂正は、それ程正確である必要はない。好ましい方法は、上述の米国特許出願第09/153,110号に記述した通りである。コピー・オペレーションおよびタイミング・オフセット訂正オペレーションは結合することができる。タイミング・オフセット訂正オペレーションには固有であるが、図3で明示的に示していないものに、必要なデシメーションおよび補間があり、したがって、ステップ307の後、データには、電流バーストの中央からおおよそ75シンボルのボー・ポイントに75複素数値(IおよびQ)サンプルが含まれる。コピー信号のSINRは、本明細書で上述したように、好ましくは尖度を使用して309と推定される。ステップ311で、SINRが閾値SNRを超えているかどうか判断される。超えていない場合は、上述の数式(6)および(7)で記述したように最小二乗コスト関数基準を使用して、ステップ313で、CM法の反復が実施される。次いで、この方法では、別の反復のため、ステップ305のコピー・オペレーションに戻る。他方、ステップ311でSINR閾値を超えていると判断された場合は、ステップ315および317で、周波数オフセット訂正315を含み、決定に基づく方法のN2反復が実施される。どのような周波数オフセット訂正法でも使用可能であり、その好ましい方法が、上述の米国特許出願第09/153,110号に記述されている。同様に、基準信号の発生を含む決定に基づく適応については、どのような方法も使用可能であり、好ましい実施形態では、上述の米国特許出願第09/153,110号に記述されている方法を使用している。好ましい実施形態では、重みが決定すると、それぞれのバースト内のサンプルの部分集合のみが使用される。したがって、最後に決定された重みベクトルが、全バースト上でコピー・オペレーションおよび復調ステップ318で使用される。この実施形態では、好ましくは、図4を参照しながら以下に記述するアーキテクチャを使用して、ステップ318が、タイミングおよび周波数オフセット決定および訂正、復調を含む。決定に基づく適応の出力は信号319である。
【0065】
決定に基づく適応ステップ317(バースト・データの一部を使用する)の一部であり、ステップ318ですべてのバースト・データを復調するため使用される基準信号生成のための好ましい実施形態は、基準信号生成アーキテクチャを使用し、かつ、前の基準信号サンプルから同じサンプル・ポイントのコピー信号の位相に向かって理想的に進む信号の位相を緩和することにより、サンプル・ポイントで基準信号の位相を形成する、好ましくは、サンプル毎の追跡メカニズムを含む方法とを使用することが好ましい。そのコピー信号は、受信アンテナ信号から成形される。基準信号は、同じサンプル・ポイントのコピー信号から理想的な信号サンプルを構築することにより、それぞれのサンプル・ポイントで構築され、その理想的な信号サンプルが、サンプル・ポイントのコピー信号から決定される位相を有し、初期のシンボル・ポイントでの理想的な信号サンプルの位相が、初期の理想的な信号位相に設定され、コピー信号サンプル位相に向かう理想的な信号サンプルの位相を緩和して、基準信号の位相を生成する。理想的な信号の位相は、その位相を決定するための前のサンプル・ポイントの基準信号の位相から、そしてコピー信号に基づく決定から決定される。一実装形態では、基準信号は順時間方向で決定され、他の実装形態では、基準信号サンプルは逆時間方向で決定される。あるバージョンでは、コピー信号bN(n)の位相に向かう理想的な信号サンプルの位相を緩和するステップは、コピー信号位相と理想的な信号位相との間の差のフィルタリングしたバージョンを追加することに対応する。他のバージョンでは、コピー信号の位相に向かう理想的な信号サンプルの位相を緩和するステップは、コピー信号と理想的な信号との間の差のフィルタリングしたバージョンを理想的な信号サンプルに追加することにより基準信号サンプルを形成することに対応する。
【0066】
図4を参照しながら、一例として/4DQPSK PHS信号を使用して、詳細に説明していくこととする。その他の変調方式の修正は当業者には明らかであろう。位相検出器ユニット403が、コピー信号401(タイミングおよび周波数オフセット用に訂正済み)と前の基準信号417の間の位相差405を検出する。位相差信号405は、スライサ407に送られて、決定位相差419を発生させる。/4DQPSKのための正しい位相差は、(2i−1)/4、i=1、2、3または4であり、前の基準信号サンプルと理想的な信号の間の位相差である。これは、ブロック409で実際の位相差405から減算されて、誤差信号411を発生させる。この誤差信号は、フィルタ413でフィルタリングされて、フィルタリングされた誤差信号415を発生させる。これが、実際の位相差405に近くなるよう位相差419を調節するために使用されるフィルタリングされた誤差信号である。次いで、訂正された位相差421が、周波数合成器/位相アキュムレータ423内で使用されて、基準信号429を発生させる。これが、位相検出器403により使用される基準信号429の前のサンプル値417であり、したがって、単位時間遅延425がこれらの信号間に示される。信号430(N2反復後の信号319)のシンボルがブロック427で決定される。数学上、bR(t)がボー・ポイントtの基準信号複素サンプル値を表示し、そして位相を表示する場合、位相アキュムレータ423に対する入力、bR(t)−bR(t−1)、は、
filter[dideal(n)-decide[dideal(n)]]+decide[dideal(n)]
上式で、decide{dideal(n)}は、スライサ407の出力であり、(2i−1)/4に等しく、/4 DQPSKに対し、i=1、2、3または4である。ここで、「理想的な」複素数値サンプル・ポイントbideal(t)は、以下のように定義される。
bideal(0)=bR(0)=b(0)
上式で、b(t)は入力信号401のサンプルであり、dideal(t)は、現在の入力サンプルと前の基準信号サンプルの間の位相差である。
【数17】
上式で、*は複素共役を表す。「理想的な」信号は、理想的な量だけ進められた位相を有する基準信号であり、その量は、dideal(t)に従った決定に依存する。つまり、
bideal(t)=bR(t-1)+(2i-1)/4、 i=1、2、3、または4
基準信号を得るためには、bideal(t)の位相を、数量[b(t)−bideal(t)]、(b(t)とbideal(t)の位相誤差)をフィルタリングし、そのフィルタリングした数量をbideal(t)の位相に加算することによって、b(t)の位相の方に緩和する。代替実施形態では、位相誤差ではなく、数量(b(t)−bideal(t))をフィルタリングする。フィルタは、好ましくは、比例定数である。高次フィルタが求められる場合がある。数学上、一実施形態では、
bR(t)=bideal(t)+filter[b(t)-bideal(t)]
そして、他の実施形態では、図4のアーキテクチャが、
bR(t)=bideal(t)+filter[b(t)-bideal(t)]
を使用するため、やや修正される場合がある。
【0067】
追跡基準信号発生器を含む好ましい実施形態では、図3のフローチャートに示す方法が、信号プロセッサ(DSP)デバイスであるタイムスロット・プロセッサ217のための1組の命令として実行される。
【0068】
図3に示す方法のシミュレーションを記述したシステムについて行うが、初期の重みベクトルを最大固有値に対応するRzz=ZZHの固有ベクトルとして行う。4つのアンテナ素子を有し、図2に示すPHS基地局について、シミュレーションを行った。それぞれのアンテナの入力信号は、11.9dBの信号対雑音比(SNR)を有していた。入力搬送波対干渉波比(CIR)は、1.1dBで、0.8dBの初期コピー信号SINRに対応する。通常のPHSバーストは120シンボルを有するが、中心の75シンボルのみが重み計算に使用された。MATLAB環境(The Mathworks,Inc.、Natick、MA)を使用し、オフラインですべての計算を行った。その結果が、図5A、5B、5Cに示してあり、これらの図では、決定に基づく方法、最小二乗CM法、低SINR条件下での本発明による混合方法(この場合、初期の重みベクトルで最初のコピー・オペレーション後に約0.8dBの事後コピーSINR)の収束特性を比較している。それぞれの反復後の出力SINR(dB)を、SINR推定法を使用して測定しプロットする。示してある最初のSINR値は、初期の重みベクトル(Rzzの第1の特異ベクトル)でコピー・オペレーションを行った後にSINRを推定した時のものである。このことは、3方法のすべてについて同じである。図5Aに示すように、決定に基づく方法は、10回の反復後でさえも収束しない。図5Bは、CM法が、ゆっくりと収束し、出力(推定)SINRが、反復が進むにつれて、確実に上昇していくことを示す。最適SINRは18dBで、CM法では、この最適値に収束するまで10回以上の反復をする。図5Cは、7.5dBの切り換え出力SINR閾値で動作する本発明による方法を示す図である。その結果は、図5Bに示すものと同様に開始するが、次いで、決定に基づく方法に切り換え後発散することに留意されたい(図5Bに示す結果が、切り換え後の破線で示してある)。決定に基づく方法が開始した後、この方法は、決定に基づく方法の反復を2回だけ行うことで最適なSINRに達するが、決定に基づく方法の反復を1回だけ行ったときに既に最適値に非常に近くなる。全般的にみて、図3のフローチャートに示す方法は、5回以内の反復で収束し、それに対して、CM法のみを使用した場合は10回を超える反復を行う。
【0069】
マルチポート・アーキテクチャ
同じ従来のチャネル内の、セル内およびセル外の両方に、いくつかの、たとえばNsの加入者ユニット(すなわち、共チャネル・ユーザ)がある場合、本発明による好ましい実施形態では、マルチポート・アーキテクチャを使用する。それぞれの「ポート」は、別個にコピー信号を形成し、Ns加入者ユニットのただ1つを追跡する。したがって、どのポートの加入者ユニットも、他のNs加入者ユニットおよびそれに対応するポートに対する共チャネル干渉者である。ある雑音下限以上であるアンテナ素子で受信された信号成分を有する共チャネル・ユーザのみが、このような追跡を受ける。このようなユーザの数が推定できる。いずれかのバースト(行列Z)がある場合、Rzz=ZZHの固有値を調べて、順序推定を実施できる。どの順序推定法も使用可能である。たとえば、RissanenのMDL(Rissanen minimum descriptive length)基準、または赤池の情報理論(Akaike information theoretic)基準が周知である。有効共チャネル・ユーザの数を決定するための技術の調査については、1996年1月、バージニア科学技術機関(Virginia Polytechnic Institute)、ブラッドリー電気工学部(Bradley Department of Electrical engineering)、移動および携帯無線研究グループ(Mobile and Portable Radio Research Group)、技術報告書MPRG−TR−96−03、Rias MuhamedおよびT.S.Rappaportによる「Direction of arrival estimation using antenna arrays」の第3.8項(また、Rias Muhamedによる、米国、バージニア州24061、ブラックスバーグ(Blacksburg)、バージニア科学技術州立大学(Virginia Polytechnic Institute and State University)、ブラッドリー電気工学部、修士論文、「Direction of arrival estimation using antenna arrays」)を参照されたい。好ましい実施形態では、MDL基準を使用している。
【0070】
好ましい実施形態には、すべての「有効」共チャネル・ユーザの推定、次いで、追跡が含まれる。他の実施形態では、「良い」無線設計環境が想定される。つまり、同じ基地局と通信していない共チャネル・ユーザは遠くにいると想定され、したがって、有効な共チャネル・ユーザのみが、同じ従来のチャネルを共有し基地局と通信するユーザである。つまり、従来のチャネル内の異なる空間チャネルである加入者ユニットである。このような場合、Nsは周知である。
【0071】
たとえば、環境内に(推定により、または認識しているため)2人の周知の共チャネル・ユーザ(すなわち、Ns=2)がいる場合を考えてみよう。加入者ユニットの1つを追跡する場合、他の加入者ユニットは干渉者である。したがって、このアーキテクチャでは、所望の信号および同じ従来の通信チャネル内で通信している有効干渉者が、同時に追跡される。遭遇するフェージング環境では、たとえば、加入者ユニットが急速に移動する場合、CIRは非常に低く、瞬時CIRは広い範囲にわたって変動する。したがって、いずれの時点においても、どのような所与のバーストでも、所望の信号は、その干渉者のどれよりも弱く、そして所望の信号のポートは、干渉波にロックされる可能性がある。つまり、これにより、所望の遠隔ユーザより干渉者の追跡を開始する可能性がある。
【0072】
図6は、好ましい実施形態のマルチポート適応型スマート・アンテナ処理装置を示すブロック図である。それぞれのポートにおいて、アンテナ素子103からの受信機122のオーバーサンプリングされた出力605は、それぞれ、第1・・・N番目のポートに対して、初期の重みベクトル631−i、i=1・・・Nsを最初に使用して、信号コピー・オペレーション607内で結合される。これらの初期の重みは重みイニシャライザ621によって供給される。その結果生じるコピー信号はタイミング・オフセット修正器ユニット609により修正されるタイミング・オフセットである。このユニットは、デシメーション/補間をして、1組のほぼボー整列したサンプル(CM法の反復のため)または実質的にボー整列したサンプル(決定に基づく方法の反復のため)を生成する。ボー整列したサンプルはSINR推定器613に送られ、その出力は、重み計算機および復号器615に送られる。ここで、ボー・ポイント整列したサンプルおよび/またはアンテナ信号605を使用して、本明細書に記述した本発明による方法に従って基準信号と1組の重みを決定する。決定に基づく方法の少なくとも1回の反復が重み計算機および復号器615内で使用されるため、その出力は復調信号617である。この方式で、Ns加入者ユニットに対するNs復調信号が決定される。多重ポートを備えることにより、いずれかの所望の加入者ユニット送信信号と、いずれかの共チャネル干渉者の両方が追跡できるようになる。以下にさらに記述する適応型方法は、フェージング環境下で所望のユーザと干渉者との間の切り換え機能を有する。したがって、Nsポートを使用することにより、Nsユーザが同時に追跡され、いずれかのユーザの信号が、あるポートから別のポートにジャンプした場合、これはフェージング環境で起きる可能性があるが、ポートの出力がユーザ分類機623で分類されて、所望のユーザを干渉波から分離し、そしてNs復調信号625を正しく出力する。
【0073】
他のマルチポート・アーキテクチャが知られているが、本明細書に記述した適応型方法では使用しない。CM法のためのマルチポート・アーキテクチャについては、たとえば、1989年、IEEE、ニューヨーク、B.G.Ageeによる、「Blind separation and capture of communication signals using a multitarget constant modulus beamformer」1989軍事通信会議(1989 IEEE Military Communications Conference)(「MILCOM 89」)、vol.2、pp.340〜346を参照されたい。Ageeの方法は、たとえば、1)重み開始方法、2)それぞれのポートでどのような計算が行われるかなど、いくつかの点で、本明細書に記述した方法とは異なっている。Ageeの方法は、反復のそれぞれの段階で、すべての重みベクトルを共同で直交化させるが、これはコンピュータ計算が多くかかり、一方、本発明による好ましい実施形態では、それぞれのポートを共同で開始した後に、それぞれのポートが、独自に、3)重みベクトルの決定法が異なることに適応できる。将来、計算電力がより容易に使用可能となることが予想されるため、代替実施形態では、それぞれのポートの重みベクトルは、直交にしてあることに留意されたい。
【0074】
好ましい重み決定法:マルチユーザ
図7は、重みおよび出力信号625を決定するための好ましい方法を示すフローチャートである。まず最初に、RZZ行列の固有ベクトルを使用して開始コピーを実施する。ステップ703で、最大特異値に対応する固有ベクトル631−1で、「#1」のラベルの付いたポートを、次ぎの固有ベクトル631−2で第2のポートを・・・Ns番目の固有ベクトル631−NsでNsポートを開始する。これらの固有ベクトルは、線形独立性のあることが保証されており、そして、一般に、最初の好ましい値でもある。あるいは、いずれかの実質的に独立性のある初期重みベクトルも使用可能である。たとえば、代替実施形態では、ポート#1がベクトル[100・・・0]’、ポート#2がベクトル[0100・・・0]’等々で開始される。それぞれのポートでは、開始後、この方法は、図3のフローチャートに示す単一ユーザの場合に対して、それぞれのポートで進む。つまり、ステップ305は、最初に、初期値で実施されるコピー・オペレーションである。その結果得られる信号は、ステップ307では、訂正されたタイミング・オフセット(最初にオーバーサンプリングされた場合デシメーション/補間を含む)であり、実質的にボー整列されたサンプルを生成し、これが信号品質推定器に送られ、ステップ309で実質的にボー・ポイントでSINRを推定する。ステップ311で、重み適応に対してCM法を選択するか決定に基づく方法を選択するかを決定する。SINRが予め定義したSINR閾値より低い場合は、部分プロパティ復元法(好ましくはCM法)に基づく最適化をステップ313で行い、この方法は、別の反復をするためステップ305に戻り、このポートについて最後に決定された重みベクトルで開始する。SINRが閾値より高い場合は、次いでステップ315で周波数オフセット訂正を行い、決定に基づく適応反復をステップ317で1回行う。ステップ307でタイミング・オフセット訂正が近似にすぎない場合は、決定に基づく方法に対してより正確な訂正が必要となるが、このような修正に関しては、当業者には明らかであろう。好ましい実施形態では、決定に基づく反復を1回のみ行う。あるいは、決定に基づく反復を1回を超える回数行うこともある。重みを決定すると、好ましい実施形態で、それぞれのバースト内のサンプルの部分集合のみを使用すると、それぞれのポートに対する最終決定された重みベクトルが、バースト全体にわたってコピー・オペレーションおよび復調ステップで使用される。好ましい実施形態では、このコピー・オペレーションには、タイミングおよび周波数オフセット決定および訂正、復調、好ましくは、図4に示すアーキテクチャを使用する復調が含まれる。それぞれのポートに対する結果が復調信号617である。
【0075】
単一ユーザおよびマルチユーザの両方の場合における本発明の一特徴が、電流バーストに対する信号を決定するための電流バーストのデータを使用して得られる重みを使用していることに留意されたい。加入者ユニットが動き回り、そしてその他にフェージングおよび低SINR環境がある場合は、前のバーストからの重みベクトルを使用することは、良い結果をもたらさない可能性がある。
【0076】
最終ステップは、いずれかの出力ポートが干渉波にロックされたかどうかを判断するための、これらの出力の分類である。PHSバースト、たとえば、トラフィック・チャネル・バーストには、ペイロードのためのフィールド、すべての加入者ユニットに周知のユニーク・ワード(UW)、誤差検出周期冗長検査(CRC)フィールドが含まれる。他のプロトコルには、特定のメッセージが特定の加入者ユニットからのものか、または特定の基地局に対してのものがどうか判断するために使用されるような、やや異なるフィールドが含まれる。好ましい実施形態では、干渉ロッキングを判断するための考え方は、システムに有効な波形を送信している所望の加入者ユニットを、これもまたシステムに有効な波形を送信している干渉加入者ユニットから区別することである。つまり、「有効な」加入者ユニット波形、たとえば、その加入者ユニットのための、必要なデータおよび変調フォーマットを有し特定キーでスクランブルされた波形を定義するための手段が存在する。干渉ユニットにも、同様に、それ自体の有効性、たとえば、その加入者ユニットのための、必要なデータおよび変調フォーマットを有し、それとは異なる特定キーでスクランブルされた波形を定義する手段が含まれる。好ましいPHSの実装形態では、干渉者ロッキングを検出するための一方法には、ユニーク・ワード(UW)およびCRCの両方の監視が含まれる。それぞれのバースト内のデータ・ビットが、下位9ビットのセル局識別符号(CSID)を使用して発生するビット・パターンでスクランブルされることが規定されている。バースト・ペイロードと関連CRCの両方を暗号化するために使用される、この9ビットのワードは、スクランブリング・キーと呼ばれる。通信システム、たとえば、セルラ・システムを設計する場合、近接通信局(基地局)が、それぞれ、異なるスクランブリング・キーを有することを確認することが望ましい。PHSの仕様では、基地局または通信局をセル局と呼ぶことに留意されたい。
【0077】
好ましい実施形態に基づく干渉者ロッキング検出法には、以下のステップが含まれることが周知である。
【0078】
特定のポート、つまり、特定の加入者ユニットについて、
1 加入者ユニットについて決定した受信重みを使用して受信した信号を復調する。そしてその加入者ユニットについてのCSIDベースのキーを使用してバースト・ペイロードを逆スクランブルする。
【0079】
2 受信CRCを、バースト・ペイロードの復調し逆スクランブルしたビット・シーケンスから計算したCRCと比較する。
【0080】
3 送信エラーまたはキーが誤りであることを表示する、両方が大きく異なっているかどうか、一方ではUWがエラーなしを示しているかどうかを判断する。そして条件が合っていればカウンタをトリガする。重み「追跡」が含まれており、条件が合っていない場合は、通信は、干渉波にロックされていないと考えられ、加入者ユニット(または加入者ユニット空間シグネチャ)から受信するため使用される重みが、その加入者ユニットのための「良い」値として保存(「追跡」)される。
【0081】
4 特定数の連続バーストが、ステップ3に記載されている条件に合った場合は、カウンタによって決定される通りに、ポートが干渉者にロックされていると決定されていると判断される。
【0082】
現在のPHS仕様では、ユニーク・ワードおよびCRCを使用して、共チャネル・ユーザが同じ従来のチャネル内のすべての異なる空間チャネルである場合、干渉ロッキングが働かないと判断する。なぜなら、CSIDは、同じ従来のチャネルのすべての加入者ユニットに対して同じであるからである。共チャネル・ユーザが、同じ従来のチャネルの空間チャネルである場合の干渉者ロッキングの判断は、共チャネル・ユーザについて空間シグネチャ履歴を維持することによって行うことができる。
【0083】
出力を分類した後の結果は、それぞれのポートからの1組の出力信号である。
【0084】
装置
図9は、本発明による一態様を実施する装置を示すブロック図である。特定の加入者ユニットによって送信された特定の信号を受信するための重みベクトルを決定する装置は、第1の初期ベクトル値で開始するための開始手段902と、第1のコスト関数を最小化する第1の反復方法に従って重みベクトルを反復的に修正するための第1の反復手段905とを含む。第1の反復方法は、良い収束プロパティを有する反復重み決定法、好ましくは、本明細書に記述したように実施されるCM法である。この装置はまた、第2のコスト関数を最小化する第2の適応型方法に従って重みベクトルを反復的に修正するための第2の反復手段907を含む。その第2の適応型方法は、急速収束反復重み決定法、好ましくは、本明細書に記述した決定に基づく方法である。イニシャライザ902、第1の反復手段905、第2の反復手段907が制御手段911の制御下にある。その制御手段は、第1の適応型方法の最終反復の後の最終重みベクトルが第2のベクトル値である切り換え基準に合致するまで、開始手段902によって供給される第1の初期ベクトル値から開始する第1の反復手段905を駆動し、かつ重みベクトル909を決定するために第2のベクトル値から開始する第2の反復手段907を駆動するようにプログラムされている。重みベクトル909が、空間プロセッサおよび復調器915に使用されて、制御手段911の管理下にある場合、復調信号を生成し、空間プロセッサが、アンテナ・アレイ103で受信機122を介し受信した信号を使用する。それぞれの反復方法には、コピー信号の決定が含まれる。装置は、好ましくは、第1の反復手段905によって決定された重みベクトルを使用する第1の反復手段コピー信号内の事後コピーSINRを推定するSINR推定器913を備え、そして、切り換え基準が、好ましくは、SINR閾値を超えるSINR推定値である。
【0085】
重み決定装置は、好ましくは、基地局に少なくとも1つのディジタル信号プロセッサ(DSP)デバイスを有し、素子、902、905、907、909、911、913、915が、好ましくは、1つまたは複数のDSP内のプログラムとして実行される。当業者には理解されるであろうが、専門家であれば、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、上述した本方法および装置のさまざまな変更形態を作成することができるであろう。たとえば、本方法を実施した通信局が、多くのプロトコルの1つを使用することができる。さらに、これらの局のアーキテクチャも可能である。多くの変形形態も可能である。本発明の真の趣旨および範囲は、以下の特許請求の範囲に記載した内容にのみ限定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の態様に従って、受信重み決定子を含むことのできるマルチアンテナ・トランシーバ・システムを示す機能ブロック図である。
【図2】 本発明の態様に従って、1組の命令を走行する時に受信重み決定子を実行する信号プロセッサを含むトランシーバを示す詳細ブロック図である。
【図3】 本発明による重み決定法の一実施形態を示すフローチャートである。
【図4】 本発明による好ましい実施形態で使用される追跡基準信号発生器および復号器を示すブロック図である。
【図5】 本発明の態様に従って、それぞれ、CM法、決定に基づく方法、混合方法の実行の性能を示す図である。
【図6】 本発明による好ましい実施形態に従って、マルチポート重み決定子および空間プロセッサを示すブロック図である。
【図7】 本発明によるマルチユーザ重み決定法の好ましい実施形態を示すフローチャートである。
【図8】 CM法の性能に対するタイミング・オフセットの影響を示す図である。
【図9】 本発明の一態様を実行する装置を示すブロック図である。
Claims (23)
- 単一ユーザのための重み決定方法であって、
アンテナ素子のアレイのそれぞれのアンテナ素子を介してスマート・アンテナ処理信号を受信するステップと、そして
適応型スマート・アンテナ処理のために、それぞれの前記アンテナ素子により受信された前記スマート・アンテナ処理信号から重みベクトルを決定するステップと
を含む方法において、
前記重みベクトルを決定するステップが、
前記重みベクトルを第1の重みベクトル値で初期化するステップと、
前記アレイのそれぞれのアンテナ素子により受信された前記スマート・アンテナ処理信号のそれぞれからコピー信号を決定するステップであって、前記第1の重みベクトル値に基づいて決定する、ステップと、
前記コピー信号のタイミング・オフセットを修正することにより前記コピー信号を修正するステップと、
前記修正コピー信号のSINRを推定するステップと、
前記推定SINRが閾値を超えるまで前記重みベクトルを反復的に修正するステップであって、コスト関数を最小化する適応型方法にしたがって反復的に修正するステップと、
前記閾値が前記推定SINRを超えるときに前記修正コピー信号の周波数オフセットを修正するステップと、そして
出力信号を生成するために前記修正周波数オフセット信号に基づいて決定に基づく方法(DD法)を反復的に実行するステップと
を含む、
方法。 - 前記スマート・アンテナ処理信号が、バースト毎にそれぞれのアンテナ素子で受信される請求項1に記載の方法。
- 重みベクトルの決定がブラインドである請求項1に記載の方法。
- 重みベクトルの決定が、少なくとも1つのディジタル信号プロセッサを介して実行される請求項1に記載の方法。
- 前記受信スマート・アンテナ処理信号が、TDMA信号を含む請求項1に記載の方法。
- 前記受信スマート・アンテナ処理信号が、パーソナル・ハンディ・フォン・システム(PHS)信号に準拠する請求項5に記載の方法。
- 前記閾値が、反復の、特定の第1の数N1である請求項1に記載の方法。
- 前記適応型方法が部分プロパティ復元法である請求項1に記載の方法。
- 前記適応型方法がコンスタント・モジュール法である請求項1に記載の方法。
- 前記コスト関数が、重み信号と、コピー信号から形成されたコンスタント・モジュール基準信号との差分項の二乗を含む請求項1に記載の方法。
- マルチユーザのための重み決定方法であって、
アンテナ素子のアレイのそれぞれのアンテナ素子を介してスマート・アンテナ処理信号を複数のユーザから受信するステップと、そして
それぞれのアンテナ素子により受信されたスマート・アンテナ処理信号から適応型スマート・アンテナに対する重みベクトルを前記マルチユーザの各ユーザに対して決定するステップと
を含み、
前記各ユーザに対して重みベクトルを決定するステップが、
前記重みベクトルを第1の重みベクトル値で初期化するステップと、
前記アレイのそれぞれのアンテナにより受信された前記スマート・アンテナ処理信号のそれぞれからコピー信号を決定するステップであって、前記決定が前記第1の重みベクトル値に基づいている、ステップと、
前記コピー信号のタイミング・オフセットを修正することにより前記コピー信号を修正するステップと、
前記修正コピー信号のSINRを推定するステップと、そして
前記推定SINRが閾値を超えるまで前記重みベクトルを反復的に修正するステップであって、コスト関数を最小化する適応型方法にしたがって反復的に修正するステップと
前記閾値が前記推定SINRを超えるときに前記修正コピー信号の周波数オフセットを修正するステップと、
出力信号を生成するために前記修正周波数オフセット信号に基づいて決定に基づく方法(DD法)を反復的に実行するステップと、そして
マルチユーザの干渉ユーザを決定するために前記出力信号を分類するステップと
を含む、
方法。 - 前記閾値が、反復の、特定の第1の数N1である請求項11に記載の方法。
- 前記適応型方法が部分プロパティ復元法である請求項11に記載の方法。
- 前記適応型方法がコンスタント・モジュール法である請求項11に記載の方法。
- 1人または複数のユーザからスマート・アンテナ処理信号を受信するために、アンテナ素子を有するアンテナのアレイと結合された受信機と、
前記スマート・アンテナ処理信号から重みベクトルを決定するために、前記重みベクトルを第1の重みベクトル値で初期化するように前記受信機と結合された初期化手段と、
第1のコスト関数を最小化するように第1の反復法にしたがって前記重みベクトルを反復的に修正するために前記初期化手段と結合された第1の反復手段と、
第2のコスト関数を最小化するように第2の適応型法を介して前記第1の反復手段から前記重みベクトルを反復的に修正するための第2の反復手段と、
前記第1の反復手段からのコピー信号のSINRが閾値を超えるときに、前記第1の反復手段から前記第2の反復手段に切り換えるための制御手段と、そして
前記第2の反復手段により修正された前記重みベクトルを介して出力信号を生成するためのプロセッサと
を備え、
前記第1の反復法が部分プロパティ復元法の適応型方法であり、前記第2の適応型法が決定に基づく方法(DD法)の適応型方法である
装置。 - 前記閾値が、反復の、特定の第1の数N1である請求項15に記載の装置。
- 前記第1の反復手段の出力で前記SINRを推定するためのSINR推定器をさらに備える請求項15に記載の装置。
- 前記第1の反復法がコンスタント・モジュール法である請求項15に記載の装置。
- それぞれの反復手段がコピー生成ステップを含み、そして
前記第2のコスト関数が、重み信号と、追跡メカニズムを介して前記コピー信号から形成された決定に基づく基準信号との差分項を含む、
請求項15に記載の装置。 - それぞれの反復法がコピー生成ステップを含み、そして
第1のコスト関数が、重み信号と、前記コピー信号から形成されたコンスタント・モジュール基準信号との差分項の二乗を含む、
請求項15に記載の装置。 - それぞれのアンテナが1シーケンスのバーストとして信号を受信する請求項15に記載の装置。
- 前記受信スマート・アンテナ処理信号が、TDMA信号を含む請求項15に記載の装置。
- 前記受信スマート・アンテナ処理信号が、パーソナル・ハンディ・フォン・システム(PHS)信号に準拠する請求項15に記載の装置。
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