JP2001501528A - シャフト部材の迅速な取付け、取替え及び取外しのためのシステムを備えた抽出塔 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本抽出塔は、上部デカンター（１８）と下部デカンター（１９）とシャフト部材（２）の取付け、取替え及び取外しのための実用的かつ迅速なシステムを備えている。中間部材（１４）は、支持体（１）に対して弾性のある取付け手段（１０）上に設けられている。抽出塔の異なった部材は塔頂部に配設された取付けネジ（２６）により圧縮されたこれら中間部材（１４）上に設けられている。これらのネジ（２６）を緩めると、バネ（１０）が戻るので、各構成部材が緩められ、特別な道具を用いない迅速な取替え作業が可能になる。本発明は溶剤を用いる抽出塔に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 シャフト部材の迅速な取付け、取替え及び取外しのための システムを備えた抽出塔 発明の分野 本発明は、溶剤抽出塔の分野に係り、特に例えば筒状シャフトからなる部材の ような抽出塔を構成するある種の部材を迅速に取付け、取替え、取外す実用的な 技術に関する。対象となる抽出塔は、特に、塔の操業に対してマニュアル又は遠 隔操作法が用いられる小型及び中型寸法のものである。 従来の技術と解決すべき課題 その主要な構成において、抽出塔は主に、上部セトリングタンク又はデカンタ ー、管継手を備えた一又は複数のシャフト部材からなるシャフト及び下部セトリ ングタンクからなる。その全体が上部セトリングタンクのレベル又は下部セット リングタンクのレベルで支持されている。セットリングタンクには流体の取込み と取出しのための様々なパイプタッピングポイント又は分岐部（取出し部）が設 けられている。抽出塔の操業に必要な他のタッピングポイント例えばサンプルを 抜出すための流体用予備取込み口又は監視制御装置の接続ポイントをシャフト部 材に配設することができる。これらのタッピングポイントはまた標準的なシャフ ト部材間に挿入される短い中間部材上に設けることもできる。 図１は抽出塔のシャフトの断面を示す。そこには、支柱（１）、シャフト部材 （２）、中間部材（４）にそれぞれ固定して設けられた２つの位置決めブラケッ ト（３）があることが分る。ブラケット（３）は、その軸線（８）であらわした 取付けボルトにより支柱（１）に取付けられている。各中間部材（４）は２つの シャフト部材（２）の間に位置させられており、シールはＯリング（５）によっ て確保され、締結軸（７）上に３又は４の締結孔を備えた固定又は回動クランプ 部材（６）により締結されている。中間部材（４）はクランプ部材（６）の間に 挟持されてシャフトの二つの部材（２）を連結している。 蝶ナットを備えたアーティキュレーテッドネジで取付けられ、より簡単でより 速い取外しを可能にする迅速作動クランプ組立体も又知られている。 しかし、技術的な理由、又は主に研究と開発のために、シャフト部材を取替え る場合、適切な道具を装備した作業者が少なくとも二人介入する必要がある。更 に、６ないし８メートルの高さがあり、支柱にボルトで取付けられた中間シャフ ト部材を備えた操業状態の塔の部材を取替える場合、この作業に必要な時間はか なり長時間にわたった。これらの様々な作業は： − 塔の上部シャフト部材のレベルにある支柱（１）上のブラケット（３）の取 付けボルト（８）で、部材に自由度を与えるためにブラケット（３）の長円形の 孔に挿入されている該ボルト（８）を緩め； − 取替えるシャフト部材（２）の２つのクランプ部材（６）（４本のボルト× ２）を取外し； − 取替えるシャフト部材の上方に塔全体を引上げる； ことからなる。 これらの作業を通常の抽出塔において行うのは容易であるが、限られた密閉空 間に設置された塔の場合には容易ではなく、防護グローブを備えた作業者が防護 グローブ孔を通じて作業を実施するか、遠隔操作装置を用いて実施する。 厳しい環境下で抽出塔に対して作業をするときに作業者が遭遇する困難もまた 存在する。すなわち、 − 密閉空間の壁部に付設されたグローブを着用して操作作業を行うには特殊な 道具を使用するという困難性があり； − ガラス部材上に道具、ネジ及びボルトを落としてしまう恐れがあり、これは 、 − 原子炉格納装置内で費やされる作業時間の関数として、作業者が被爆すると いう危険が伴う。 本発明はかかる様々な不具合を解消することを目的とする。 発明の概要 従って、本発明の主たる主題は、シャフト部材の迅速な取付け、取替え及び取 外し構造（システム）を備えた抽出塔であって、 − 支柱、 − 上記支柱に取付けられた取付けブラケット、 − 互いに積上げられた複数のシャフト部材からなる筒状シャフト、 − これらシャフト部材を互いに位置決めする手段、 − 塔の一端に集中せしめられて、シャフト部材を相互に取付ける手段、及び − 取付け装置を取外すときにシャフト部材を切離すために、シャフト部材を付 勢的に切離す手段、 を具備してなる抽出塔である。 本発明においては、 − 位置決め装置はシャフト部材間の中間部材であり、 − シャフト部材を自動的に付勢的に切離す手段は、ブラケットに取付けられる と共に、中間部材の両側に位置されて取付けられた少なくとも二つの圧縮バネか らなり、取付け装置を締付けることにより後者を上昇させ、取付け装置を緩める ことにより、シャフト部材を相互に切離すように構成され、 − 取付けブラケットはシャフトが貫通し得る孔部を有している。 本発明を実施する主たる方法においては、塔が上部セトリングタンクを備えて いる場合、取付け部材は、該上部セトリングタンク（デカンター）の上端に作用 する二つの締結ネジからなる。 本発明を実施する好適な方法では、中間部材は二つの取付け耳部（突部）を有 し、各取付け耳部に対する自動付勢切離し装置は、一方は該取付け耳部の上に他 方は下に配置された二つの圧縮バネであり、対応する取付けブラケットに取付け られ、上端により上部圧縮バネを圧縮するロッドにより保持されている。 この場合、シャフト部材間に中間部材を挟持させて塔を完成させたとき、付勢 分離装置は、好ましくは、取付け装置が外されているときに中間部材を持ち上げ ることができるように、各中間部材の両側に位置させられて取付けられた二つの 圧縮バネからなる。実際、この場合、付勢切離し装置はまた、一方が各中間部材 の二つの取付け耳部の上に他方が下に配置された二つの圧縮バネからなり、これ らは、ブラケットに取付けられ、その上端により上部バネを圧縮するロッドによ り保持されている。 本発明を実施する他の好適な方法においては、塔がシャフト部材間に配設され た中間部材を具備するとき、シャフト部材を相互に位置決めする装置が、シャフ ト部材の基部の外縁に接線方向に接触するように、中間部材の位置決め孔に配設 された位置決めスタッド（位置決め具）と共に、中間部材の周壁に開口し、シャ フト部材の外径より大なる幅を有する凹所が上面と下面に形成された中間部材か らなる。 図面の一覧 本発明とその様々な技術的特徴は、図面を参照して次の説明を読むと一層良く 理解されるであろう。 ここで、 − 既に説明した図１は従来の抽出塔の一部正面断面図である； − 図２は本発明に係る抽出塔の一部正面断面図である； − 図３は位置決めスタッドが取付けられた中間部材の正面断面図である； − 図４は図３の中間部材の上面図である。 本発明をなす方法の詳細な説明 図２には、支柱（１）、シャフト部材（２）及び取付けブラケット（３）が示 されている。シャフト部材は中間部材（１４）によって分離されている。この図 にはまた上部（１８）のセトリングタンク及び下部（１９）のセトリングタンク に導かれるタッピング部又は取出し部（１１）及び（１２）が示されている。 図１に示した構造とは異なり、これらの中間部材（１４）は取付けブラケット （３）には固定されていない。実際、自動付勢分離装置がシャフト部材（２）間 の特定の位置に中間部材（１４）を保持する。各中間部材に対して、これらの自 動付勢分離装置は４本の圧縮バネ（１０）からなる。各中間部材（１４）は２つ の取付け耳部（１５）を有している。バネ（１０）がこれら取付け耳部（１５） の各々の下に配置され、これら取付け耳部（１５）の各々の上にもバネが配設さ れている。ロッド（１６）がバネの各対を完成させ、例えばねじ込むことにより 取付けブラケット（３）に取付けられている。各ロッド（１６）の上端（１７） は、取付け耳部（１５）上に配設されたバネ（１０）を圧縮状態に保持する。従 って、各中間部材（１４）は双方の圧縮バネ（１０）により、そしてより詳細に は中間部材（１４）の取付け耳部（１５）の下に配置されたバネと中間部材（１ ４）上に支持された各シャフト部材（２）の重みにより、所定の位置に上方に向 けて保持されている。 従って、積上げ体は、中間部材（１４）を備え、互いに積上げられた全シャフ ト部材（２）と、シャフト部材（２）の上に配置された上部セトリングタンク（ １８）と、シャフト部材（２）の積上げ体の下に配置された下部セトリングタン ク（１９）とを具備し、この積上げ体が適切に位置決めされて固定して取付けら れたときから溶剤タイプの抽出塔を構成する。シャフト部材（２）の他のシャフ ト部材に対する位置決め、及び上部セトリングタンク（１８）と下部セトリング タンク（１９）に対する位置決めに関しては、各シャフト部材がＯリング又は平 坦なガスケットを介して中間部材（１４）上に支持され、各シャフト部材（２） は、それが支持されている中間部材（１４）内の上部凹所内に挿入された下方の 基部を有している。同様に、各シャフト部材（２）は、丁度その上に位置する中 間部材に形成された凹所内に挿入された上方の基部（２２）を有している。上部 セトリングタンク（１８）と下部セトリングタンク（１９）に関しては、これら の各々は、塔を構成する積上げ体を締結する底部保持クランプ部材（２５）内に 形成された凹所に支承されている。 この塔を取付ける手段は全てその上端にあり、特に上端保持クランプ部材（２ ４）により上部セトリングタンク（１８）の上方の基部（２２）上に支持されて いる。これらの取付け装置は、上部ブラケット（３０）内にねじ込まれ、上端保 持クランプ部材（２４）に回転自在に保持され、後者が側方に移動できることを 確実にする二つの締結ネジにより完成されている。 これらの取付け装置、つまりネジ（２６）を締付けることにより、上部セトリ ングタンク（１８）、シャフト部材（２）、中間部材（１４）、下部セトリング タンク（１９）及びシールをなすＯリング（５）からなる積上げ体に圧力がかけ られる。圧縮バネ（１０）、特に下方のバネの長さは、それらが作用状態にある とき、つまり塔積上げ体が締結されているとき、中間部材（１４）が下方のバネ を僅かに圧縮するように設計されている。この構造のために、これらの取付け装 置、つまりネジ（２６）を外して積上げ体の締結を解くことができ、各中間部材 （１４）が二つの圧縮バネ（１０）により上方に押圧される。 この結果、シャフト部材（２）の上方の基部（２２）と上部セトリングタンク （１８）及び下部ヤトリングタンク（１９）を、それらが位置させられている凹 所から僅かに離れるように移動させることが可能である。従って、抽出塔の保守 又は修繕のために各部材を必要に応じて取外すことができる。 図３は、シャフト部材とセトリングタンクを位置決めするための装置が如何に 中間部材により補完されるかを示している。実際、図３において、凹所（２７） は、中間部材（１４）の上面（３１）上に引かれた破線により示した。同様に、 他の凹所が中間部材（１４）の底面（３２）内に形成されている。これらの凹所 の幅は、シャフト部材（２）、上部セトリングタンク（１８）及び下部セトリン グタンク（１９）の基部（２１及び２２）の直径より僅かに大きく、従ってこれ らの部材は容易に凹所に嵌入される。 位置決めスタッド（２８）が２つの凹所（２７）間の中間部材（１４）の厚み 部分を貫通している。これは、中間部材（１４）の上面（３１）内の凹所の底部 上に支承された保持爪（２９）を有している。 図４は、セトリングタンクのシャフト部材（２）に対する上記位置決めスタッ ドの正確な位置を示す底面図である。実は、これは、これらの部材の基部の外縁 に接するように位置決めされている。凹所（２７）が中間部材（１４）の周壁（ ３３）上に付与されていることが分る。 図４に表されているのはシャフト部材（２）の上方の基部（２２）である。従 って、各シャフト部材（２）又は低部セトリングタンク又は上部セトリングタン クを配置したとき、中間部材（１４）内のその位置に位置決めスタッド（２８） を挿入すると、それが外れるのが防止される。取付けネジを緩めると、図２に（ ２６）で示すように、積上げ体が緩み、作業者は取替えるシャフト部材（２）の 二つの基部の位置の位置決めスタッド（２８）を取外さなければならないのみで あり、ついで後者を引き抜く。この作業は、積上げ体が緩められているので、摩 擦の問題により妨害されることはない。 抽出塔に位置させる部材を再挿入するために逆の操作を実施することができる 。 各中間部材のレベルでおよそ１０ｍｍの自由度又は垂直な遊びを持つように設 計することができる。 これらの圧縮バネ（１０）を使用すると、塔の部材の全てが締結されたとき力 がより良好に分散することになる。 この構造により、抽出塔を構成している各部材を非常に迅速に組立て、取替え 又は取外すことができる。何ら特殊な道具を用いる必要はなく、グローブ孔を通 して又は遠隔操作により遮蔽されたエンクロージュア内において容易に実施する ことができる。 更に、中間部材（１４）が取付けブラケット（３）に固定されていないので、 中間部材には、 − 試薬等のような副流体を投入するために、 − サンプルを採るために、 − 機器を挿入するために、 − 塔の操業を監視するために様々な監視計測機器を接続するために、 用いられるタッピングポイントを具備させることができる。 従来の抽出塔におけるそのようなタッピングポイントは、金属シャフト部材又 はガラスに一般に形成されていたために設置前に形成されなければならなかった ので、この効果は作業者に特に有用である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ラフォン，ジャック フランス国 Ｆ―30130 ポン サン エ スプリ，シュマン デ シプレ，レジダン ス“ル マー デ プップリエ"

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． シャフト部材（２）の迅速な組立て、取替え及び取外し構造を備えた抽出 塔であって、 − 支柱（１）、 − 上記支柱に取付けられた取付けブラケット（３）、 − 互いに積上げられた複数のシャフト部材（２）からなる筒状シャフト、 − シャフト部材（２）を相互に位置決めする手段、 − 塔の一端に集中させられて、シャフト部材（２）を相互に所定位置に位置決 めする手段、及び − 取付け装置（２６）を取外すときにシャフト部材（２）を切離すためにシャ フト部材（２）を自動的に切離す付勢手段、 を具備してなる抽出塔において、 − 位置決め部材がシャフト部材（２）間の中間部材（１４）であり、 − シャフト部材（２）を自動的に切離す付勢手段が、ブラケットに取付けられ 、取付け装置（２６）が緩められるときに、シャフト部材（２）を持ち上げ、相 互に切離すように、中間部材（１４）の両側に配設された少なくとも二つの圧縮 バネ（１０）からなり、 − 取付けブラケット（３）が、シャフトが貫通可能な孔部を有していることを 特徴とする抽出塔。 ２． 上部セトリングタンク（１８）を具備し、取付け装置が、該上部セトリン グタンク（１８）の上端（２２）に作用する二つの締結ネジ（２６）からなるこ とを特徴とする請求項１記載の抽出塔。 ３． 上部セトリングタンク（１８）を具備し、中間部材（１４）が二つの取付 け耳部（１５）を有し、該取付け耳部（１５）の各々に対する自動付勢切離し装 置は、一方が取付け耳部（１５）の上に、他方が下に配設された二つの圧縮バネ （１０）を具備し、該圧縮バネは、上端（１７）で圧縮バネ（１０）を圧縮する ロッド（１６）により対応する取付けブラケット（３）内に取付けられて保持さ れた構成とされたことを特徴とする請求項１記載の抽出塔。 ４． シャフト部材（２）間に配設された中間部材（１４）を具備し、位置決め 部材が、中間部材（１４）の周壁（３３）に開口し、シャフト部材（２）の基部 （２２、２３）の直径より大なる幅を有する凹所（２７）が底面（３２）と上面 （３１）に形成された中間部材（１４）と、シャフト部材（２）と上部セトリン グタンク（１８）と下部セトリングタンク（１９）の外縁に接線方向に接するよ うに、中間部材（１４）の孔部に配設された位置決め爪（２８）を具備してなる 特徴とする請求項１記載の抽出塔。