JP2001500858A - 核酸粒子の送達 - Google Patents

核酸粒子の送達

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Abstract

(57)【要約】 金属キャリアなしで、皮膚または粘膜組織への針を用いない注入に適切である、核酸分子を含む粒子。

Description

【発明の詳細な説明】 核酸粒子の送達技術分野 本発明は一般的にDNA送達方法に関する。より具体的には、本発明は、針を用 いない注入技術を使用する、哺乳動物組織への粉末化された核酸分子のインビボ およびエキソビボ送達に関する。発明の背景 遺伝子治療およびDNA免疫は、後天性疾患および遺伝疾患の両方を処置および 予防するための有望なアプローチである。これらの技術は、所望の遺伝子を被験 体に移入し、その後その遺伝子をインビボ発現させることを提供する。遺伝子移 入は、被験体の細胞または組織をエキソビボでトランスフェクトし、そしてその 形質転換物質を宿主に再導入することによって達成され得る。あるいは、遺伝子 は、レシピエントに直接投与され得る。 これらの状況下で遺伝子送達のための多くの方法が開発されてきた。例として 、例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、およびアデノ随伴ウイルスベクタ ーを使用するウイルスベース系が、遺伝子送達のために開発されてきた。しかし 、これらの系は、複製能力を有するウイルスを送達する危険を引き起こす。した がって、レシピエント細胞および組織に遺伝子を直接移入するための非ウイルス 性の方法が望ましい。 遺伝子移入の非ウイルス性の方法は、しばしば、巨大分子の取り込みおよび細 胞内輸送のために哺乳動物細胞によって用いられる機構に頼る。例えば、遺伝子 移入のレセプター媒介方法が開発された。この技術は、プラスミドDNAと、細胞 表面レセプターによって認識され得るポリペプチドリガンドとの間の複合体を利 用する。しかし、データは、この方法が、遺伝子の一過性発現のみを可能にし得 、したがって限定された適用のみを有することを示唆する。 さらに、細胞に遺伝物質を直接注入するためのマイクロインジェクション技術 が開発された。しかし、この技術は困難であり、そして単細胞の操作を必要とす る。したがって、この方法は、大規模に使用するには不適切である。 その後の細胞による取り込みのための、間隙空間へのDNA含有溶液の直接注入 もまた、記載されている。例えば、国際公開第WO 90/11092号(1990年10月4日公 開)は、細胞内部への単離ポリヌクレオチドの送達を記載する。ここで、単離ポ リヌクレオチドは、組織の間隙空間に送達され、次いで個々の細胞によって取り 込まれて治療効果を提供する。このような方法は、従来の針またはカニューレを 使用して組織中へDNA含有溶液を注入すること必要とし、したがって長期間の治 療にも屋外もしくは家庭での適用にも十分には適さない。 微粒子銃粒子送達系(biolistic particle delivery system)(粒子衝撃送達系 ;particle bombardment system)もまた、植物細胞への遺伝子送達のために開発 されてきた。このような技術は、細胞中にDNAコートされた微粒子(例えば、DNA コートされた金属)を高速で導入するための「遺伝子銃」を使用する。コートさ れた金属は、一般に、不活性ガス(例えば、ヘリウム)の爆発的破裂を用いて細胞 中に押し込まれる。例えば、Sanfordらへの米国特許第5,100,792号を参照。この 技術は、少量のDNAの直接的な細胞内送達を可能にする。 タングステンまたは金粒子微小発射体(microprojectile)は、一般に、このよ うな直接注入技術により妥当な遺伝子移入頻度を達成するために必要とされる。 特に、これらの物質は、直径約1μmという規定された粒子サイズでの入手可能 性、および細胞壁貫通に必要な運動量を達成するに十分な高密度を有することに 基づいて選択されてきた。さらに、使用される金属は、微細な微小発射体粉末の 爆発的酸化の可能性を減少させるために化学的に不活性であり、DNAおよび沈澱 化混合物(precipitating mix)中の他の成分と非反応性であり、そして標的細胞 に対して低い毒性を示す。例えば、Particle Bombardment Technology for Gene Transfer(1994)Yang,N.編、Oxford University Press、New York、NY、10頁 〜11頁を参照。 しかし、タングステンの毒性は、安定な形質転換体の回収を減少させ得るとい う証拠が存在する。さらに、このような微粒子銃技術は、大きなDNA分子を用い て使用することに適切でない。なぜなら、金属キャリア上へのこのような分子の 析出は、遺伝子銃送達の剪断応力に持ちこたえない不安定な形状を導き得るから である。さらに、金属キャリアは、組織および/または細胞によって保持され、 そして特に、内部組織への直接送達またはエキソビボ技術を使用する細胞の直接 処理の場合に、変色および他の多くの望ましくない生物学的効果を引き起こし得 る。したがって、DNAコートした金属粒子を送達するための遺伝子銃の使用は、 特に、哺乳動物被験体において、反復治療に関して問題が多いようである。 したがって、以前の遺伝子送達技術で一般的に遭遇する問題を回避する、治療 的に関連するDNAまたは他の核酸分子を咄乳動物組織細胞に導入するために高度 に効率的な方法を提供する必要性が残る。発明の開示 本発明は、少なくとも約10μmの名目平均直径を有し、したがって平均的な哺 乳動物細胞より大きな核酸分子の固体粒子が、高度に効率的な遺伝子移入のため に、哺乳動物組織の細胞中に送達され得るという驚くべき発見に基づく。今日ま で、代表的な哺乳動物細胞よりずっと小さなサイズを有する小さな、DNAコート された金属性粒子のみが、微粒子銃遺伝子送達技術において微小発射体として適 切に使用され得ると信じられていたので、この結果は予想外である。例えば、Pa rticle Bombardment Technology for Gene Transfer(1994)Yang,N.編、Oxfor d University Press、New York、NY、10頁〜11頁を参照。 本発明の実施において、粉末化された核酸分子は、針を用いない注入技術を使 用して送達される。詳細には、インタクトな皮膚中におよびこれを経て、治療薬 剤の固体粒子を、制御された用量で発射するために針のないシリンジを使用する 新規な送達系は、本出願人に譲渡された国際公開第WO 94/24263号(1994年10月27 日公開)に最近記載された。この公開公報は、超音波ガスフローに搬送された薬 学的粒子を送達する針のないシリンジを記載する。針のないシリンジは、粉末化 された薬物化合物および組成物の経皮送達のため、生存細胞への遺伝物質の送達 (例えば、遺伝子治療)のため、および皮膚、筋肉、血液、またはリンパへの生物 薬剤の送達のために使用され得る。針のないシリンジはまた、薬物および生物製 剤を器官表面、固体腫瘍および/または外科手術腔(surgical cavity;例えば、 腫瘍床または腫瘍切除後の腔)に送達するために外科手術と共に使用され得る。 したがって、1つの実施態様において、本発明は、送達された核酸で組織中の 細胞を遺伝的に形質転換するために、核酸分子から構成される固体粒子を、哺乳 動物組織へ送達するための方法に関する。従来の粒子衝撃技術から実質的に逸脱 して、本発明の方法を使用して移入される核酸粒子は、高密度の金属キャリアを 使用して送達されない。さらに、この分子は、平均的な哺乳動物細胞サイズ以上 の粒子サイズを有する。 より具体的には、選択された核酸分子および、必要に応じて、適切なキャリア または賦形剤から構成される高密度化された粒子が、マッハ1とマッハ8との間 の超音波送達速度で粒子を発射し得る針のないシリンジを介する哺乳動物細胞へ の送達のために調製される。この粒子は、少なくとも約10μmである平均サイズ を有する。ここで、最適な粒子サイズは、通常、少なくとも約10〜15μm(代表 的な哺乳動物細胞のサイズ以上)である。しかし、250μm以上の平均粒子サイズ を有する核酸粒子もまた、本方法を使用して送達され得る。送達される粒子が標 的化された組織を貫入する深度は、粒子サイズ(例えば、概ね球状の粒子の幾何 学的形状を仮定する名目の粒子直径)、粒子密度、粒子が組織表面に衝突する初 速度、ならびに組織の密度および動粘性率に依存する。この点に関して、針を用 いない注入における使用に最適な個々の粒子密度は(例えば、バルクの粉末密度 とは対照的に)、一般に、約0.1g/cm3と25g/cm3との間の範囲であり、そして注入 速度は、一般に、約200m/秒と3,000m/秒との間の範囲である。 本発明の種々の局面において、上記方法は、核酸粒子の標的化された送達、例 えば、表皮(遺伝子治療適用のため)または皮膚の基底層(核酸免疫適用のため)へ の送達を提供するためにインビボで実施され得る。本発明のこれらの局面におい て、粒子特性および/またはデバイス操作パラメータは、組織特異的送達を提供 するように選択される。1つの特定のアプローチは、約2kg/秒/mとl0kg/秒/mと の間、そしてより好ましくは約4kg/秒/mと7kg/秒/mとの間の運動量密度(例え ば、粒子運動量/粒子正面面積)を提供するように、粒子サイズ、粒子密度、およ び初速度の選択を必要とする。運動量密度によるこのような制御は、核酸粒子の 正確に制御された組織選択的な送達を可能にする。 本発明の他の局面において、針のないシリンジは、粒子状核酸分子を用いて細 胞または組織をエキソビボでトランスフェクトするために使用される。ここで、 形質転換細胞は、続いて宿主に再導入される。 本発明のこれらの実施態様および他の実施態様は、本明細書中の開示を考慮す れば、当業者に容易に想起される。図面の簡単な説明 図1は、本明細書に記載された粒子状核酸調製物で形質転換されるべき細胞を 含む組織培養プレートの上方に配置された、針のないシリンジを備えたエキソビ ボ送達装置の図面である。 図2は、実施例に記載されたように、図1の装置を使用して60mmの標的距離に わたって30バール圧でDNA粒子を送達して得られた形質転換効率を示す棒グラフ である。 図3は、これもまた実施例に記載されたように、図1の装置を使用して所定の 範囲の標的距離にわたって30バール圧でDNA粒子を送達して得られた形質転換効 率を示すグラフである。好ましい実施態様の詳細な説明 本発明の実施は、他に示されない限り、分子生物学の従来の方法、および当該 技術分野内の組換えDNA技術を用いる。そのような技術は、文献において十分に 説明されている。例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manua l(第2版、1989);Maniatisら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(1982 );DNA Cloning:A Practical Approach,第1巻および第2巻(D.Glover編);P erbal,A Practical Guide to Molecular Cloningを参照のこと。 本明細書および添付の請求の範囲において使用されるように、単数形「a」、 「an」、および「the」は、文脈がそうでないことを明白に記載しない限り、複 数の言及を含むことは注意されなければならない。従って、例えば、「核酸分子 」との言及は、2つ以上の核酸分子の混合物を含み、「賦形剤」との言及は、2 つ以上の賦形剤の混合物を含むなど。A.定義 他に定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての技術的および科学的 用語は、本発明が関係する当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する 。以下の用語は、以下で示されるように定義されると意図される。 「遺伝子送達」は、宿主細胞中に外来DNAを確実に挿入するための方法または 系をいう。そのような方法は、非組込み移入DNAの発現、染色体外複製、および 移入レプリコン(例えば、エピソーム)の発現、または宿主細胞のゲノムDNA中 への移入された遺伝物質の組込みを生じ得る。 ヌクレオチド配列は、一般に適切な核酸分子中に存在し、そしてベクターの形 態で送達される。「ベクター」によって、任意の遺伝子エレメント(例えば、プ ラスミド、ファージ、トランスポゾン、コスミド、染色体、ウイルス、ビリオン など)が意味され、それは、適切な制御エレメントと結合される場合に複製し得 、そしてそれは細胞間で遺伝子配列を移入し得る。 「ヌクレオチド配列」または「核酸分子」は、DNAおよびRNA配列をいう。用語 捕獲分子は、以下のようなDNAおよびRNAの任意の公知の塩基アナログを含むが、 それらに限定されない:4-アセチルシトシン、8-ヒドロキシ-N6-メチルアデノシ ン、アジリジニルシトシン、プソイドイソシトシン、5-(カルボキシヒドロキシ ルメチル)ウラシル、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-カルボキシメ チルアミノメチル-2-チオウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル 、ジヒドロウラシル、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルアデニ ン、1-メチルプソイド-ウラシル、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2- ジメチル-グアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチル-シトシン 、5-メチルシトシン、N6-メチルアデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノ メチルウラシル、5-メトキシ-アミノメチル-2-チオウラシル、β-D-マンノシル キューオシン、5'-メトキシカルボニルメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2 -メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステ ル、ウラシル-5-オキシ酢酸、オキシブトキソシン(oxybutoxosine)、プソイド ウラシル、キューオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオ ウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、N-ウラシル-5-オキシ酢酸メチ ルエ ステル、ウラシル-5-オキシ酢酸、プソイドウラシル、キューオシン、2-チオシ トシン、および2,6-ジアミノプリン。 「コード配列」、または特定のポリペプチドを「コード」する配列は、適切な 調節配列の制御下に置かれる場合、インビトロまたはインビボにおいてポリペプ チドに転写(DNAの場合)および翻訳(mRNAの場合)される核酸配列である。コ ード配列の境界は、5'(アミノ)末端での開始コドン、および3'(カルボキシ) 末端での翻訳終止コドンによって慣習的に決定される。コード配列は、原核生物 mRNAまたは真核生物mRNA由来のcDNA、原核生物DNAまたは真核生物DNA由来のゲノ ムDNA配列、および合成DNA配列さえも含み得るが、それらに限定されない。転写 終止配列は、通常コドン配列に対して3'に配置される。 用語DNA「制御配列」は、集合的に、プロモーター配列、ポリアデニル化シグ ナル、転写終止配列、上流調節ドメイン、複製起点、内部リボソーム侵入部位( internal ribosome entry site)(「IRES」)、エンハンサーなどをいい、これ らは集合的にレシピエント細胞中のコード配列の複製、転写、および翻訳を提供 する。選択される遺伝子が適切なレシピエント細胞において複製、転写、および 翻訳され得る限りは、これらの制御配列のすべてがいつも存在する必要はない。 「作動可能に連結される」は、そのように記載される成分がそれらの通常の機 能を実行するように配置される、エレメントの配置をいう。従って、コード配列 に作動可能に連結された制御配列は、コード配列の発現を実現させ得る。制御配 列は、それらがそれらの発現を指向するように機能する限りは、コード配列と隣 接する必要はない。従って、例えば、翻訳されないが転写される介在性配列がプ ロモーター配列とコード配列との間に存在し得、そしてプロモーター配列はなお コード配列に「作動可能に連結された」と考えられ得る。 ヌクレオチド配列、またはヌクレオチド配列を含む核酸分子をいう場合、「単 離された」によって、指示される分子が、同型の他の生物学的巨大分子の実質的 に非存在下で存在することが意味される。従って、「特定のポリペプチドをコー ドする単離された核酸分子」は、対象のポリペプチドをコードしない他の核酸分 子を実質的に含まない核酸分子をいう;しかし、この分子は、組成物の基本的特 徴に悪影響を及ぼさないいくつかのさらなる塩基または部分を含み得る。 用語「トランスフェクション」は、宿主細胞による外来DNAの取り込みをいう ために用いられ、そして宿主細胞は、トランスフェクトされた結果として「形質 転換」されている。外来DNAは、細胞のゲノムを構成する染色体DNAに組込み(共 有結合)されても、またはされなくてもよい。「宿主細胞」または「宿主哺乳動 物細胞」によって、目的のヌクレオチド配列を含む核酸分子によってトランスフ ェクトされたか、またはトランスフェクトされ得る細胞が意味される。この用語 は、目的のヌクレオチド配列が細胞内に存在する限りは、子孫が形態学または遺 伝子構成において起源の親と同一であろうとなかろうと親細胞の子孫を含む。 用語「経皮」送達は、経皮(transdermal)(または「経皮(percutaneous)」) および経粘膜投与の両方、すなわち皮膚または粘膜組織を通じる薬物または薬学 的薬剤による送達を含む。例えば、Transdermal Drug Delivery:Developmental Issues and Research Initiatives,HadgraftおよびGuy(編)、Marcel Dekker ,Inc.,(1989);Controlled Drug Delivery:Fundermentals and Applications, RobinsonおよびLee(編)、Marcel Dekker Inc.,(1987);ならびにTransdermal Delivery of Drugs,第1〜3巻、KydonieusおよびBerner(編)、CRC Press,( 1987)を参照のこと。本明細書中で「経皮」送達の文脈において記載される本発 明の局面は、他に特定されない限り、経皮および経粘膜の両方の送達に適用する ことが意味される。すなわち、本発明の組成物、系、および方法は、他に明白に 記載されない限り、送達の経皮および経粘膜モードに等しく適用可能であること が推定されるべきである。 単独、または薬物もしくは他の治療剤と組み合わせた上記の核酸分子は、代表 的には、一般に1つ以上の添加物質(例えば、キャリア、ビヒクル、および/ま たは賦形剤)を含む粒子状組成物として調製される。通常、「キャリア」、「ビ ヒクル」、および「賦形剤」は、非毒性であり、そして有害な様式で組成物の他 の成分と相互作用しない実質的に不活性な物質である。これらの物質は、粒子状 薬学的組成物(例えば、さらに以下で記載されるようなスプレー乾燥または凍結 乾燥技術を用いて調製される組成物)中の固体の量を増加させるために使用され 得る。適切なキャリアの例は、シリコーン、ゼラチン、ワックス、および類似の 物質を含む。通常使用される「賦形剤」または「キャリア」の例は、薬学的グレ ードのブドウ糖、スクロース、ラクトース、トレハロース、マンニトール、ソル ビトール、イノシトール、デキストラン、デンプン、セルロース、リン酸ナトリ ウムまたはリン酸カルシウム、硫酸カルシウム、クエン酸または酒石酸(および それらの薬学的に受容可能な塩)グリシン、高分子量ポリエチレングリコール(P EG)、およびそれらの組み合わせを含む。安定剤として作用する例示的な賦形剤 は、一般に入手可能な凍結保護物質および抗酸化剤を含む。B.本発明を実施する様式 本発明を詳細に記載する前に、本発明は、特定の処方物またはプロセスのパラ メーターに(それらは当然のことながら変化し得る)限定されないことが理解さ れるべきである。本明細書中で使用される用語は、本明細書中の特定の実施態様 を記載する目的のためのみであり、そして限定するように意図されないこともま た理解されるべきである。 本明細書中で記載されるものに類似または等価の多くの方法および材料が、本 発明の実施において使用され得るが、好ましい材料および方法が本明細書中に記 載される。 上記で説明されるように、本発明は、少なくとも約10μmという名目上の平均 直径を有する核酸分子の固体粒子の、哺乳動物組織および細胞への非常に効率的 な送達を可能にする。本方法は微粒子銃(biolistic)遺伝子移入技術を利用す るが、金属キャリアの必要性なしに核酸分子の送達を可能にする。 広範な種々の核酸分子が、本発明の方法を用いて送達され得る。一般に、分子 は、適切な制御配列または他の治療的に関連するヌクレオチド配列を有するコー ド配列を含む。核酸分子は、宿主細胞中で転写および翻訳を指向するに必要なエ レメントを含むベクターの形態で調製される。宿主の酵素を用いる(例えば、内 因性RNAポリメラーゼの使用によって)発現が所望される場合、遺伝子または複 数の遺伝子は、特定の宿主、またはさらに宿主中の特定の細胞によって認識され る制御配列に作動可能に連結されたベクター中に存在する。従って、真核生物制 御エレメントおよびファージ制御エレメントは、哺乳動物宿主における発現のた めに存在する。そのような配列は、当該技術分野において公知であり、そして以 下でより十分に考察される。 本発明の送達方法における使用のための適切なヌクレオチド配列は、任意の治 療的に関連するヌクレオチド配列を含む。従って、本発明は、標的細胞のゲノム から欠損または欠失しているタンパク質をコードする1つ以上の遺伝子、または 所望の生物学的または治療的効果(例えば、抗ウイルス機能)を有する非天然タ ンパク質をコードする1つ以上の遺伝子を送達するために使用され得る。本発明 はまた、免疫を提供し得るヌクレオチド配列(例えば、被験体における体液性応 答および/または細胞性応答を誘発することに役立つ免疫原性配列)、またはア ンチセンスもしくはリボザイム機能を有する分子に対応する配列を送達するため に使用され得る。バクテリオファージの表面上で発現されるランダムなペプチド を用いる1つのそのようなアッセイが、最近実施された。Wu,Nature Biotechno logy 14:429-431。このような例において、ファージの表面上において巨大な配 列のペプチドを呈するファージ提示ライブラリーが生成された。次いでこのライ ブラリーのファージはマウス中に注射され、次いで種々の器官に結合するペプチ ドを発現するファージが同定された。次いで、器官に結合したファージに含まれ るDNAは、各器官中の細胞の表面と相互作用し得るペプチドモチーフを同定する ために配列決定された。当業者は、そのようなランダムなペプチドライブラリー を、本発明TR1レセプターの表面に結合するモチーフについてスクリーニングし 得ることを認識する。そのようなモチーフを同定した後、次いでこれらのペプチ ドを、本明細書中に記載するアッセイを用いて、アゴニストまたはアンタゴニス ト活性についてスクリーニングし得る。 送達され得る適切な遺伝子としては、炎症疾患、自己免疫疾患、慢性疾患およ びAIDSのような障害を含む感染性疾患、ガン、神経性疾患、心血管性疾患、高塩 素血症(hypercholestemia);種々の血液障害(種々の貧血、地中海貧血症、および 血友病を含む);遺伝学的欠損(例えば、嚢胞性線維症、ゴーシェ病、アデノシン デアミナーゼ(ADA)欠損症、肺気腫)などを処置するために使用される遺伝子が 挙げられる。ガンおよびウイルス疾患のアンチセンス治療に有用な多数のアンチ センスオリゴヌクレオチド(例えば、mRNAの翻訳の開始部位(AUGコドン)の周辺 の配列に相補的な短いオリゴヌクレオチド)が、当該分野において記載され ている。例えば、Hanら、(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:4313;Uhlmannら 、(1990)Chem.Rev.90:543;Heleneら、(1990)Biochim.Biophys.Acta.1049: 99;Agarwalら、(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:7079;およびHeikkilaら、 (1987)Nature 328:445を参照のこと。本明細書中での使用に適した多数のリボ ザイムもまた記載されている。例えば、Cechら、(1992)J.Biol.Chem.267:174 79およびGoldbergら、米国特許第5,225,347号を参照のこと。 例えば、固形腫瘍の処置のための方法において、毒性ペプチド遺伝子(すなわ ち、リシン、ジフテリア毒素およびコブラ毒液因子のような化学療法剤)、p53 のような腫瘍サプレッサー遺伝子、トランスフォーミングオンコジーンに対する アンチセンスであるmRNA配列をコードする遺伝子、抗腫瘍性ペプチド(例えば、 肺瘍壊死因子(TNF)および他のサイトカイン)、またはトランスフォーミングオ ンコジーンのトランスドミナントネガティブ変異体が、腫瘍部位に、またはその 付近に発現のために送達され得る。 同様に、抗ウイルス性および/または抗細菌性活性を示すか、または宿主免疫 系を刺激することが知られるペプチドをコードする遺伝子もまた投与され得る。 従って、インターロイキン、インターフェロン、およびコロニー刺激因子のよう な種々のサイトカイン(またはその機能的フラグメント)の多くをコードする遺 伝子が本発明での使用を見出す。多数のこれらの物質の遺伝子配列が公知である 。 遺伝的疾患の処置のために、特定の障害において欠損していることが知られて いる遺伝子に対応する機能的遺伝子が被験体に投与され得る。本方法はまた、ア ンチセンス治療(例えば、特定の相補的な配列にハイブリダイズし得、それによ ってこれらの配列の転写および/または翻訳を阻害し得るオリゴヌクレオチドの 送達)において使用を見出す。従って、特定の疾患の進行に必要なタンパク質を コードするDNAまたはRNAが標的化され得、それによって疾患進行が破壊され得る 。アンチセンス治療、および疾患原因遺伝子の発現を阻害または調整するために 所定の核酸標的配列に特異的に、そして予想通りに結合し得る多数のオリゴヌク レオチドは当業者に公知であり、容易に利用可能である。Uhlmannら、(1990)C hem.Rev.90:543,Neckersら、(1992)Crit.Rev.Oncogenesis 3:175;Simonsら 、(1992)Nature 359:67;Bayeverら、(1992)Antisense Res.Dev.2:109;Whit esell ら、(1992)Antisense Res.Dev.1:343;Cookら、(1991)Anti-Cancer Drug De sign 6:585;Eguchiら、(1991)Annu.Rev.Biochem.60:631.従って、宿主細胞 中の標的配列に選択的に結合し得るアンチセンスオリゴヌクレオチドが、アンチ センス治療における使用のために本明細書中に提供される。 核酸免疫化のために、抗原をコードする発現ベクターが、ベクターによってコ ードされる抗原に対する体液性および/または細胞性免疫応答を誘発する目的の ために被験体に送達され得る。特に、抗原をコードするDNAの直接的な筋肉内注 射によって誘発される体液性免疫応答、細胞傷害の細胞性免疫応答および保護的 免疫応答が記載されている。Tangら、(1992)Nature 358:152;Davisら、(1993 )Hum.Molec.Genet.2:1847;Ulmerら、(1993)Science 258:1745;Wangら、(19 93)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:4156;Eisenbraunら、(1993)DNA Cell Biol. 12:791;Fynanら、(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:12476;Fullerら、(1994 )AIDS Res.Human Retrovir.10:1433;およびRazら、(1994)Proc.Natl.Acad.S ci.USA 91:9519。 本発明を実施するための様式は、以下により完全に記載される。遺伝子の単離およびベクターの構築: 本発明における使用のために選択されるヌクレオチド配列は、公知の供給源か ら、例えば、標準的な技術を用いて所望の遺伝子またはヌクレオチド配列を含む 細胞から単離することによって、得られ得る。同様に、ヌクレオチド配列は、当 該分野で周知である標準的な様式のポリヌクレオチド合成を用いて、合成的に生 成され得る。例えば、Edgeら、(1981)Nature 292:756;Nambairら、(1984)Sc ience 223:1299;Jayら、(1984)J.Biol.Chem.259:6311を参照のこと。一般に 、合成オリゴヌクレオチドは、Edgeら、(前出)およびDuckworthら、(1981)Nuc leic Acids Res.9:1691に記載されるようなホスホトリエステル法、またはBeau cageら、(1981)Tet.Letts.22:1859、およびMatteucciら、(1981)J.Am.Chem .Soc.103:3185に記載されるようなホスホルアミダイト法のいずれかによって調 製され得る。合成オリゴヌクレオチドはまた、市販の自動化オリゴヌクレオチド 合成機を用いて調製され得る。従って、ヌクレオチド配列は、特定のアミノ酸配 列に 関する適切なコドンを用いて設計され得る。一般に、意図される宿主での発現の ために好ましいコドンが選択される。完全な配列が、標準的な方法によって調製 されるオーバーラップするオリゴヌクレオチドから組み立てられ、そして完全な コード配列が構築される。例えば、Edgeら、(前出);Nambairら、(前出)およびJa yら、(前出)を参照のこと。 本明細書中での使用のために核酸配列を得るための特に簡便な方法は、組換え 手段による。従って、所望のヌクレオチド配列が、標準的な制限酵素及び手順を 用いて、所望のヌクレオチドを保有するプラスミドから切り出され得る。当該分 野において一般に理解され、そしてその詳細が市販の制限酵素の製造業者によっ て特定化されている条件下で、適切な制限酵素で処理することによって、部位特 異的DNA切断が行われる。所望される場合、切断されたフラグメントのサイズ分 離は、標準的な技術を用いるポリアクリルアミドゲルまたはアガロースゲル電気 泳動によって行われ得る。 制限切断されたフラグメントは、標準的な技術を用いて、4つのデオキシヌク レオチド3リン酸(dNTP)の存在下でE.coli DNAポリメラーゼI(Klenow)のラー ジフラグメントで処理することによって平滑末端化され得る。Klenowフラグメン トは、5'一本鎖突出部において充填するが、4つのdNTPが存在するにもかかわら ず、突出する3'一本鎖を消化する。所望される場合、選択的な修復が、突出部の 特性によって決められる限定内の1つのみ、またはいくつかの、選択されたdNTP を供給することによって行われ得る。Klenow処理の後、混合物は、例えば、フェ ノール/クロロホルムで抽出され、そしてエタノール沈殿され得る。S1ヌクレア ーゼまたはBAL-31での適切な条件下での処理は、任意の一本鎖部分の加水分解を 生じる。 一旦、所望のタンパク質のコード配列が調製または単離されると、そのような 配列は、任意の適切なベクターまたはレプリコンにクローン化され得る。多数の クローニングベクターが当業者に公知であり、そして適切なクローニングベクタ ーの選択は、随意に行われる。他の配列への連結は、当該分野で公知の標準的な 手順を用いて行われる。 選択されたヌクレオチド配列は、調節配列(例えば、プロモーター、リボソー ム結合部位および、必要に応じて、オペレーター(本明細書中では「制御」エレ メントと総称的に呼ばれる))の制御下に置かれ得、その結果、所望のタンパク質 をコードする配列は、この発現構築物を含むベクターによって形質転換された宿 主組織においてRNAに転写される。コード配列は、シグナルペプチドまたはリー ダー配列を含んでも良いし、含まなくてもよい。 制御エレメントの選択は、形質転換される宿主および使用される調製の型に依 存する。従って、宿主の内因性の転写機構および翻訳機構が、タンパク質を発現 するために使用される場合、特定の宿主と適合性である制御エレメントが利用さ れる。この点に関して、哺乳動物系で使用するための数種のプロモーターが当該 分野で公知であり、そしてとりわけSV40、CMV、HSV、RSV、MMTV、T7、T3に由来 するプロモーターが挙げられるが、これらに限定されない。同様に、原核生物の 酵素とともに使用するのに有用なプロモーターが公知であり、tac、spa、trp、t rp−lac λ-PL、T7、phoAプロモーターなどが挙げられる。 制御配列に加えて、送達されたヌクレオチド配列によってコードされるタンパ ク質配列の発現の調節を可能にする調節配列を付加することが所望され得る。調 節配列は当業者に公知であり、そして例としては、化学的または物理的刺激(調 節化合物の存在を含む)に応答してコード配列の発現をオンまたはオフにする調 節配列が挙げられる。調節エレメントの他の型もまた、ベクター中に存在し得る (例えば、エンハンサー配列)。 制御配列に関してコード配列の位置および方向が、制御配列の「制御」下での コード配列の転写を可能にする(すなわち、制御配列でDNA分子に結合するRNAポ リメラーゼは、コード配列を転写する)ように、特定のコード配列が、適切な制 御配列(および必要に応じて、調節配列)とともにベクター内に配置されるよう に、発現ベクターは構築される。目的の特定のタンパク質をコードする配列の改 変は、この目的を達成するために所望され得る。例えば、いくつかの場合におい て、配列が適切な方向で制御配列に付着されるように(すなわち、リーディング フレームを維持するために)、配列を改変することが必要であり得る。制御配列 および他の調節配列は、ベクタへの挿入の前にコード配列に連結され得る。ある いは、コード配列は、制御配列および適切な制限部位をすでに含んでいる発現ベ クター中に直接クローン化され得る。粒子状の核酸分子の調製: 一旦入手および/または構築されると、核酸分子は粒子状の形態で送達のため に調製される。粒子状の生物薬剤(例えば、核酸)を調製するための1つの一般 的な方法は、凍結乾燥(凍結-乾燥)である。凍結乾燥は、物質から水分を除去 する技術に関し、そして非常に低い温度で急速に凍結させ、続いて高減圧での昇 華によって急速に脱水することを含む。この技術は、代表的には、オープンマト リックス構造を有する低密度の多孔性の粒子を産生する。このような粒子は、化 学的に安定であるが、水性環境に導入される場合、迅速に再構成される(崩壊し 、そして/または溶液になる)。 これらおよび他の繊細なまたは感熱性の生体分子とともに使用され得る粒子性 の核酸調製物を提供する別の方法は、スプレー乾燥である。スプレー乾燥は、ノ ズル、スピニングディスクまたは他の装置を用いる1以上の液体の溶液の微粒化 、およびそれに続く液滴からの溶媒の蒸発に関する。より詳細には、スプレー乾 燥は、高度に分散した液体調製物(例えば、溶液、スラリー、エマルジョンなど )と適切な容量の熱気とを組み合わせて、液体の液滴の蒸発および乾燥を生じる 。スプレー乾燥製剤は、一般に、頻繁に凹窩した同種の球状粒子として特徴付け られる。このような粒子は低密度を有し、そして急速な速度の溶解度を示す。 凍結乾燥およびスプレー乾燥技術によって産生された低密度粒子固体は、シリ ンジまたはカテーテルを介する溶液での非経口投与についての再溶解に理想的で ある。しかし、このような粒子は、固体形態での針のないシリンジからの送達に は有用でない。従って、本方法の目的のために、調製物は高密度化されて、針の ないシリンジを用いる送達にはるかにより良好に適した核酸分子(例えば、約50 μmのサイズおよび少なくとも約0.9〜1.5g/cc3の密度を有する実質的に固体の 粒子)を含む粒子を提供する。詳細には、スプレー乾燥または凍結乾燥によって 提供される開放格子または凹窩殻の粒子は、加熱することなく凝縮されて、また は剪断されて、針のない注射による送達に適切なサイズおよび密度の特徴を有す る薬学粒子を産生するために製粉されるか、他の方法でサイズ減少され得る高密 度 物質を提供し得る。 本発明の方法による送達のための核酸は、最初にスプレー乾燥または凍結乾燥 に適切な処方物中に調製される。このような処方物は、一般に、核酸がその中で 凍結および凍結乾燥に安定である溶液のみ、および必要に応じて、非経口的送達 に受容可能な乾燥手順のための賦形剤を要求する。これに関して、適切な賦形剤 は、個々の用量について充分な重量を提供する処方物に添加され得、これは、実 際のプロセス(例えば、重量または容積)による用量の測定を可能にする。代表 的な投薬量は、約0.5〜約5mg、好ましくは、約1〜約2mgであり得る。適切な 賦形剤は、炭水化物(例えば、トレハロース、グルコース、デキストロース、お よびスクロース)、またはポリオール(例えば、マンニトール)を含むがこれら に限定されない。グリシンおよびその塩酸塩のようなアミノ酸は、とりわけ、リ ン酸、乳酸、またはクエン酸緩衝液と同様に緩衝液として使用され得る。さらに 、DNA安定化のための公知の任意の組成物は、本処方物における使用を見出す。 本組成物は、必要に応じて、添加剤(例えば、凍結保護物質、抗酸化剤など)を 含み得る。本明細書中で提供される種々の粒子状核酸処方物の物理的および化学 的安定性を増強するために組成物を調整することは、当該分野の技術範囲内であ る。 核酸処方物の再処理の間の安定化のための1つの特定のアプローチは、凍結乾 燥のための凍結の前に溶液と合わせて核酸をコイル状または球状にさせ、従って そうでなければ顕微鏡的に均質な粒子で不連続相として遺伝的物質を提供する添 加物の使用を含む。このような処方物において、膨張剤は、乾燥固体において連 続相であり、その結果、圧縮前の任意の粉砕、圧縮高密度化および再粉砕(以下 に詳細に記載されるように)、および篩または空気分類、加速化、注入を介する サイズ分けの間の任意の粒子摩擦によって、長鎖核酸が破壊されないようである 。核酸内容物に関する粒子の均一性は、保存または注入の間のサイズによる分離 の可能性のため、重要である。 スプレー乾燥粉末または凍結乾燥粉末の濃縮は、適切な圧縮機(例えば、水圧 圧縮機、打錠圧縮機、または回転圧縮機)における圧縮により実施される。ここ で、粉末は、約1,000〜24,000ポンド/平方インチ(例えば、0.5〜12トン/平方 インチまたは7〜170MPa)で適切な時間圧縮される。圧縮は、所望であれば、減 圧下で実施され得る。次いで、得られる圧縮材料は、視覚的に粉砕されるまで粗 く再粉砕される。次いで、粒子サイズは、約20〜50μmの平均サイズで個々の粒 子密度が約0.9〜1.5g/cm3にまで低減される。粒子サイズの低減は、ローラー製 粉、ボール製粉、ハンマー製粉もしくは衝撃製粉、摩擦製粉、篩、超音波処理、 またはそれらの組合せを含むがそれらに限定されない当該分野で周知の方法を用 いて実施され得る。もちろんのこと、圧縮パラメーターおよび粒子サイズ分けは 、使用される出発材料、所望の標的粒子サイズおよび密度などの考慮に依存して 変化する。粒子密度は、ヘリウム比重などのような公知の定量技術を用いて容易 に確認され得る。 従って、この方法は、約10〜約250μmの範囲、好ましくは、約10〜約150μm 、および最も好ましくは約20〜約60μmのサイズ;ならびに約0.1〜約25g/cm3、 好ましくは約0.8〜約3.0g/cm3、および最も好ましくは約0.9〜1.5g/cm3の粒子密 度を有する核酸粒子を得るために使用され得る。核酸分子の投与: 処方に続いて、粒子状核酸調製物は、針のないシリンジを用いて哺乳動物組織 に送達される。本明細書中における使用のための1つの針のないシリンジは、一 般に、本出願人に譲渡された国際公開番号WO 94/24263(1994年10月27日公開) において記載されている。シリンジは、ノズルを通じる通路を当初は封鎖し、そ してノズルの上流端部に実質的に隣接して配置されている破壊可能なメンブレン (単数または複数)を有する細長い管状ノズルを含む。送達される核酸粒子は、 破壊可能なメンブレンに隣接して配置され、そしてメンブレンの上流側に、メン ブレンを破壊し、超音波気体流(薬学的粒子を含有する)を、その下流端部から の送達のためのノズルを介して産生するに充分な気体圧力を適用し、そして活性 化手段を用いて送達される。従って、粒子は、マッハ1とマッハ8との間の送達 速度(これは、破壊可能なメンブレンの爆発の際に容易に得られ得る)で針のな いシリンジから送達され得る。 別の針のないシリンジの形状は、一般に、上記と同一のエレメントを含むが、 超音速気体流内に含まれる薬学的粒子を有する代わりに、ノズルの下流端部が、 休止「反転」位置(ここで、ダイヤフラムは、核酸粒子を含むために下流面上に 凸面を提示する)と活動「裏返し」位置(ここで、ダイヤフラムは、ダイヤフラ ムの上流面に適用されている超音速刺激波の結果として下流面上で外側にむけて 凹型である)との間で移動可能である双安定なダイヤフラムとともに提供される 。この様式で、ダイヤフラムの凸面内に含まれる粒子は、標的化皮膚または粘膜 表面へのそれらの経皮送達のためのデバイスからの超音速の初期速度で駆逐され る。 上記の針のないシリンジ形状を用いる経皮送達は、一般に10〜250μmの間の 範囲のおおよそのサイズを有する粒子とともに実施される最適な粒子サイズは、 通常少なくとも約10〜15μm(代表的な細胞のサイズ)である。皮膚に有害な障 害を生じる粒子のサイズである点である上限を伴うが、約250μmより大きい核 酸粒子もまた、デバイスから送達され得る。送達される粒子が貫通する実際の距 離は、粒子サイズ(例えば、およそ球面の粒子幾何を仮定する場合の名目上の粒 子サイズ)、粒子密度、粒子が皮膚表面に影響する初期速度、ならびに皮膚の密 度および運動力学的な粘度に依存する。これに関して、針のないシリンジ注入に おける使用のための最適な粒子密度は、一般に、約0.1と25g/cm3との間、好まし くは約0.9と1.5g/cm3との間の範囲であり、そして注入速度は、一般に約200m/秒 と3,000m/秒との間の範囲である。 針のないシリンジの特に独特の特徴は、送達される粒子の貫通の深さを密接に 制御し、それによって種々の部位への核酸の標的化投与を可能にする能力である 。例えば、粒子の特徴および/またはデバイス操作パラメーターは、皮内送達に ついて約1mm未満の貫通深度、または皮下送達について1〜2mmを提供するよう に選択され得る。1つのアプローチは、(約2kg/秒/mと10kg/秒/mとの間、そし てより好ましくは約4kg/秒/mと7kg/秒/mとの間)運動量密度(例えば、粒子運 動量を粒子表面積で割る)を提供する粒子サイズ、粒子密度、および初期速度の 選択を含む。運動量密度のこのような制御は、粒子核酸の正確に制御された、組 織選択的送達を可能にする。 治療的有効量の本明細書中に記載の粉末核酸分子を含む組成物は、上記の針の ないシリンジを介して任意の適切な哺乳動物組織に送達され得る。例えば、この 組成物は、筋肉、皮膚、脳、肺、肝臓、脾臓、骨髄、胸腺、心臓、リンパ、血液 、 骨軟骨、膵臓、腎臓、胆嚢、胃、腸、精巣、卵巣、子宮、直腸、神経系、眼、腺 、および結合組織に送達され得る。核酸分子は、好ましくは、最後まで分化した 細胞に送達されそして発現される;しかし、この分子はまた、分化していないか 、または部分的に分化した細胞(例えば、血液および皮膚線維芽細胞の幹細胞) へも送達され得る。 粉末組成物は、投薬処方物に適合可能な様式で、そして予防的および/または 治療的に有効である量で処置される被験体に投与される。送達される組成物の量 (一般に、1用量あたり0.5μg/kg〜100μg/kgの核酸の範囲)は処置される被 験体に依存する。正確な必要量は、処置される個人の年齢および全身状態、処置 される状態の重篤さ、および選択された特定のヌクレオチド配列(単数または複 数)、投与部位、ならびに他の因子に依存して変化する。適切な有効量は、当業 者によって容易に決定され得る。 従って、本発明の粉末核酸分子組成物の「治療的有効量」は、疾患または状態 症状の処置または予防をもたらすのに充分であり、そして日常の試験を通して決 定され得る比較的広範囲内に落ち着く。C.実験 以下は、本発明を実施するための特定の実施態様の実施例である。実施例は、 例示目的にのみ提供され、そしていかなる方法でも本発明の範囲を限定すること を意図しない。 使用される数値(例えば、量、温度など)に関する正確度を確実にするための 努力がなされたが、当然、いくつかの実験誤差および偏差が許容されるべきであ る。 実施例 以下の実験を、凍結乾燥DNAを遺伝物質の微粒子銃導入におけるDNAコート金属 粒子に対する代替物として使用する可能性を調査するために実施した。詳細には 、コントロールとして粉末化DNAプラスミドならびにDNAコートタングステン粒子 をエクスビボで男性ヒト線維芽細胞HT1080細胞へ針のないシリンジ装置を使用し て、 以下のように送達した。 クローン123は、一過性形質転換が色素生産性指標であるX-Galで測定され得る ようにβガラクトシダーゼマーカー遺伝子を含む約11kbの小プラスミドである。 プラスミドを炭水化物賦形剤であるトレハロースで膨脹させた。トレハロースを 、その安定化特性(Colacoら、(1992)Bio/Technology 10:1009)という理由で賦 形剤として選択した。トレハロースを蒸留水に溶解させ、そしてDNAを溶液に添 加する前に濾過滅菌した。3つの異なるDNA糖の溶液を、以下の表1に示す割合 で作製した。 次いで、このプラスミド/糖溶液を、(真空乾燥の前に溶液を凍結するために固体 CO2およびイソプロパノールを用いて)凍結乾燥し、そして凍結乾燥されたDNA-ト レハロース固体を粉砕して、めのう乳鉢および乳棒を用いて微粒子を形成した。 コントロールとして、DNAコートタングステン粒子を、微粒子をコーティング する公知の方法(Potterら、(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:7161.Kle inら、(1987)Nature 327:70、およびWilliamら、(1991)Proc.Natl.Acad. Sci.USA 88:2726)の派生法を用いて、1.014μmの中央値(median)直径のタング ステン微小発射体(19.35×103kb.m-3)(M-17、GTE/Sylvania、Towanda、PA、USA) を、40マイクログラムのクローン123プラスミドDNAでコーティングすることによ って作製し、8μgDNAの5つの有効負荷を与えた。 より詳細には、コーティングの前に、タングステン粒子を滅菌し、そして懸濁 液にした。1.048μm(中央値直径)のタングステン微小発射体(M−17、GTE/Sylva nia、Towanda、PA、USA)の50mgサンプルを、1.5ccのEppendorfチューブ中に秤量 し、次いで100%エタノール(EtOH)中で滅菌した。微小発射体を分散する(粒子凝 集体を破壊する)ために、滅菌された溶液を、Eppendorfチューブの外側をソニケ ーターのプローブと接触させることにより、完全に超音波処理した。分散させた タングステン粒子を遠心分離し、そして上清を取り除いた。タングステン粒子を 、1ccの滅菌蒸留水中に再懸濁し、そして2サイクルで遠心分離し、次いでコー ティングするまで1ccの滅菌蒸留水中に貯蔵した。 プラスミドDNAを、上記で調製されたタングステン粒子の懸濁液40μLに、20 μLのDNA(1mg/mL)を添加することにより、タングステン微小発射体に吸収させ た。懸濁液を、ボルテックスして試薬の適切な撹拌を確実にした。次いで、以下 の試薬を、所定の順で各添加後にボルテックスして添加した:253μL CaCl2(2. 5M);50μLスペルミジン(0.10M、凍結貯蔵);および207μLの滅菌蒸留H2O。最 終混合物を4℃で10分間ボルテックスした。次いでこのDNAコートタングステン 微小発射体を500Gで5分間遠心分離した。遠心分離後、すべての上清を注意深く 取り除き、そして100μLの70%EtOHを添加した。このコーティングされた粒子 を再度遠心分離し、すべての上清を取り除き、そして最終調製物を、30μLの10 0%EtOH中に再懸濁した。 上記の方法は、針のないシリンジによる4〜5の送達を可能にする適切な量の DNAコートタングステン粒子を生じた。上記の試薬の量は、勿論、公知の方法に 従って、DNAの異なる装填を提供するために変化させ得る。タングステンをDNAで コーティングするために用いられるストック溶液の容量およびモル濃度(M)を以 下の表2に示す。 形質転換には、6cm直径の培養皿に、5×105のヒト男性の線維芽細胞HT1080 細胞を、トランスフェクションの24時間前に播種した。2つの複製された皿を、 処置の各々について調製し、そして2つのネガティブコントロールプレートもま た調製した。 次いで、微小粒子およびタングステンコート粒子を、上記のように、針のない シリンジを用いて細胞に送達した。このシリンジは、プランジャー型バルブを有 する4.5mLのリザーバーチャンバー、ヘリウムガスリザーバー、マッハ(Mach)2ノ ズル、および6mm直径のダイヤフラムにハンドパンチした12μmのマイラー(Myl ar)シートを含んでいた。 特に、マイラーダイヤフラムは、最初、単独で濾紙小片の間に挿入し、他の上 に1つを積み重ね、アルミニウム箔で覆い、そしてオートクレーブテープで完全 にシールして、オートクレーブプロセスの間に濾紙/ダイヤフラムスタックに水 が進入しないことを確実にすることにより滅菌した。これは、アルミニウム箔で 覆われたビーカーの内側に配置され、そしてオートクレーブチャンバー内に配置 された。 2つの6mm直径の12μmマイラーダイヤフラムを、膜カセットの中で用いた。 1ミリグラムおよび1/2ミリグラムの有効負荷の凍結乾燥DNA粉末を、カセット内 の下部膜の上に装填した。次いで、この有効負荷を、カセットの他の小片および 残りのダイヤフラムで覆った。実験では、調製物2および3のみを用いた。なぜ なら、小重量を正確に秤量することが困難であったからである。別の5つのカセ ットは、5μLのDNA/タングステン粒子懸濁液で各々装填した。上記の量のすべ ては、用いた粒子処方物にかかわらず、各発射で送達される約8μgのDNA重量 を与えた。 ここで図1を参照して、送達装置2は、上記のようなカセットを装填した針の ないシリンジ4を含んで組み立てられた。針のないシリンジ4は、標準的チュー ブクランプ8を用いてリングスタンド6上に配置され、シリンジを、HT1080細胞 12を播種した培養皿10に対して適所に保持した。針のないシリンジ4の下流末端 14と培養皿10中の細胞12との間の距離を、一般的にdで示される標的距離を固定 するために測定した。凍結乾燥DNAの送達のためのパラメーターを最適化するた めに、標的距離dを一定の送達圧力を超えて変化させたか、または送達圧力を一 定の標的距離で変化させた。特に、DNA調製物は、30〜50バールの範囲のヘリウ ム駆動ガス圧力を用いて20〜60mmの範囲の標的距離から発射した。 形質転換の後、細胞を2日間インキュベートし、染色し、次いで先に記載の方 法を用いてX-galで一時的アッセイを実施して形質転換効率を決定した。Murray, E.J.(編)(1991)Methods in Molecular Biology:Gene Transfer and Expressi on Protocols、第7巻、Humana Press、Clifton、New Jersey。詳細には、形質転 換効率は、青に染色された細胞の数を計数することにより評価した。送達パラメ ーターおよび形質転換結果を以下の表3に示す。発破(blast)の影響は、極めて 小さい1ポイント(約5〜8mmである死細胞ゾーンの直径)から非常に大きい5ポ イント(30mmより大きい細胞ゾーンの直径)で評価した。観察され得るように、本 発明のプラスミド/トレハロース粉末調製物による形質転換は、金属粒子につい て観察された形質転換と同じオーダーであった。 図2に示されるように、粒子状プラスミド/トレハロース調製物で、最適な形 質転換結果は、60mmの標的距離で30バールの圧力を用いて送達されたとき観察さ れた。より特異的には、図2は、DNAコートタングステン粒子の従来の送達およ び現在の送達を用いて、粒子状核酸調製物(調製物2および3の両方)の送達によ り得られた形質転換効率の直接的な比較を提供する。ここで図3を参照して、30 バールでの送達に対して得られたデータを、標的距離の関数として形質転換効率 を示すグラフで示す。観察され得るように、第2および第3調製物(それぞれF#2 およびF#3と称される)に対する最適標的距離は到達しなかった;しかし、形質転 換効率は、標的距離が増加するにつれて実質的に増加した。さらに、送達が、試 験された最大距離(60mm)で実施された場合、粒子状DNA処方物(F#2およびF#3)で 得られた形質転換効率は、DNAコートタングステンコントロールで観察された形 質転換効率より感知される程度に良好であった。 図2および図3では、以下の略号(これは上記では定義されていない)が適用 される: B/P プレートあたりの青色細胞数 TCC タングステン現在のコントロール THC タングステン従来のコントロール さらに、図3では、プロットされた点は以下の通りである: ● F#2 ■ F#3 ▲ タングステン(d=20で、点は不明)実施例2 以下の研究は、本発明の方法を用いて、粉末化核酸組成物を、インビボで試験 被験体に送達する能力を評価するために実施した。 プラスミドベター構築物:CMVプロモーターの制御下にあるGreen Fluorescent Protein(GFP)遺伝子を含むpGREEN-1ベクター構築物を、遺伝子発現が、処置さ れた組織サンプルからの組織学的切片のUV顕微鏡観察により直接評価され得るよ うに用いた。 粉末化核酸組成物:粉末化核酸組成物を以下のように調製した。pGREEN-1ベク タープラスミドをトレハロース糖と組み合わせることにより混合物を形成し、1 μg:1mg(w/w)DNA-糖組成物を得た。この組成物を、本明細書中上記に記載した 技術を用いて、凍結乾燥し、圧縮し、粉砕し、次いでふるいにかけた。得られた 濃縮された核酸組成物は、約38〜75μmの範囲の平均粒子サイズを有していた。 投与:C57BL/10マウスを、1mgの粒子状組成物を用い、針を用いない注入を経 由して処置した。組成物を、適切に準備した標的皮膚表面に送達し、そして投与 の24時間後に、標的部位24から組織学的切片を得た。GFP発現は、UV顕微鏡観察 を用いて直接測定した。投与の結果、GFP発現が処置された皮膚組織で観察され 、標的皮膚への粉末化核酸組成物の成功したインビボ送達、および引き続く宿主 細胞のトランスフェクションおよびそれからのGFP遺伝子の発現を確認した。 別の研究では、ヒト生長ホルモン(hGH)またはβ-ガラクトシダーゼ(β-Gal)の いずれかの発現カセットを含むプラスミドを、トレハロース賦形剤とともに凍結 乾燥し、核酸処方物を形成し、それを、上記に記載した技術を用いて、圧縮し、 粉砕し、次いでふるいにかけた。得られる濃縮された核酸組成物は、約38〜75μ mの範囲の平均粒子サイズを有していた。 雌ブタ(体重20〜25kg)をハロタンで麻酔し、そして腹の皮膚をつまみ、適切な 標的部位を示した。上記の粉末化核酸組成物を、準備された標的部位に、0.1μ g(hGH)または1μg(β-Gal)用量で、針のない注入デバイスを介して別々に投 与した(60バールの送達圧力)。処置の24時間後、標的部位を組織診し、そして 組織学的切片を、ヒト生長ホルモンまたはβ-Gal発現について分析した。処置さ れた部位で、hGH現は、アッセイの検出限界内では観察されなかったが、中程度 のβ-Gal発現が観察された。この研究における検出可能なhGH発現の欠如は、お そらく、組成物中の核酸の低い装填密度(0.1μg)に起因する。 従って、DNA送達のための新規な方法が開示された。本発明の好ましい実施態 様を詳細に記載したが、添付の請求項により規定されるような本発明の精神およ び範囲から逸脱することなく自明な改変がなされ得ることが理解される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CN, CU,CZ,EE,GB,GH,HU,ID,IL,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK ,LR,LS,LT,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SD,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA ,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ポーター,リンダ マリー オーストラリア国 キューエルディー 4061,ザ ギャップ,ホリス ストリート 6

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.治療に用いるための、核酸分子を含み、金属キャリアを含まない、粒子。 2.治療に用いるための、核酸分子からなる、またはその重量が核酸分子を主に 含む、粒子。 3.平均サイズが、皮膚または粘膜組織中の標的細胞のサイズと少なくとも同じ 大きさである、請求項1または2に記載の粒子。 4.平均サイズが10〜250μmである、請求項1〜3のいずれかに記載の粒子。 5.キャリアを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の粒子。 6.前記キャリアがトレハロースを含む、請求項5に記載の粒子。 7.前記核酸分子が、免疫原をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項1〜 6のいずれかに記載の粒子。 8.皮膚または粘膜組織への針を用いない投与による治療に用いるための、金属 キャリアを含まない医薬の製造のための、核酸分子を含む粒子の使用。 9.前記粒子が、請求項2〜7のいずれかに規定される、請求項8に記載の使用 。 10.前記核酸分子が、標的細胞ゲノムから欠損または欠失しているタンパク質 をコードする遺伝子を含む、請求項8または9に記載の使用。 11.送達されるべき活性成分として、請求項1〜7のいずれかで規定される粒 子を含む、針のないシリンジ。 12.2〜10kg/秒/mの間の運動量密度で粒子を送達するように適合された、請 求項11に記載の針のないシリンジ。 13.皮膚または粘膜組織中の標的細胞に、核酸分子を含む粒子を送達する方法 であって、該粒子が、針のないシリンジによって該皮膚または粘膜組織に投与さ れ、かつ金属キャリアを含まない、方法。 14.前記粒子が、前記標的細胞のサイズと等しいか、またはそれより大きい平 均サイズを有する、請求項13に記載の方法。 15.前記粒子が、主に約10〜250μmの範囲にある平均サイズを有する、請求 項13に記載の方法。 16.前記粒子が、2〜10kg/秒/mの間の運動量密度で、前記皮膚または粘膜組 織粒子に投与される、請求項13〜15のいずれかに記載の方法。 17.前記粒子が、表皮組織中の標的細胞に送達される、請求項13〜16のい ずれかに記載の方法。 18.前記粒子が、皮膚組織の基底層中の標的細胞に送達される、請求項13〜 16のいずれかに記載の方法。 19.前記粒子が、核酸分子およびキャリア材料を含む、請求項13〜18に記 載の方法。 20.前記キャリア材料がトレハロースを含む、請求項19に記載の方法。 21.前記粒子が、インビボで前記皮膚または粘膜組織に送達される、請求項1 3〜20のいずれかに記載の方法。 22.前記粒子が、エクスビボで前記皮膚または粘膜組織に送達される、請求項 13〜20のいずれかに記載の方法。 23.前記核酸分子が、前記標的細胞ゲノムから欠損または欠失しているタンパ ク質をコードする遺伝子を含む、請求項13〜22のいずれかに記載の方法。 24.前記核酸分子が、免疫原をコードするヌクレオチド配列を含む、請求項1 3〜22のいずれか1項に記載の方法。 25.針のないシリンジによる皮膚または粘膜組織への投与に適切な粒子状核酸 組成物であって、該組成物は金属キャリアを含まない、組成物。
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