JP2001359257A - 回転電機点検装置および回転電機点検方法 - Google Patents

回転電機点検装置および回転電機点検方法

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JP2001359257A
JP2001359257A JP2000177260A JP2000177260A JP2001359257A JP 2001359257 A JP2001359257 A JP 2001359257A JP 2000177260 A JP2000177260 A JP 2000177260A JP 2000177260 A JP2000177260 A JP 2000177260A JP 2001359257 A JP2001359257 A JP 2001359257A
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capacitance
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Sueyoshi Mizuno
末良 水野
Norihito Togashi
法仁 冨樫
Masanori Sotodate
雅則 外館
Shinji Takahashi
伸二 高橋
Hideyuki Shimada
秀行 島田
Shinobu Sekido
忍 関戸
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Toshiba Corp
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Toshiba Engineering Corp
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】固定子体内の固定子巻線のクリップ近傍の静電
容量を測定することにより、冷却水漏れを早期に発見す
る。また、固定子巻線の両側の静電容量を一度に測定で
き、固定子巻線同士の間の隙間が塞がれている場合で
も、固定子巻線の静電容量を測定可能とする。 【解決手段】静電容量を測定する測定素子4a,4bを
有し、回転電機の固定子体内の固定子巻線114bの端
部の間隙に挿入した状態で、固定子巻線を挟み込み測定
素子を固定子巻線に押し当てる挟み込み手段3a,3b
と、挟み込み手段において測定素子4a,4bを固定子
巻線114bに押し当てる圧力を制御する制御手段と、
測定素子の測定位置の位置調整を行う位置調整手段とを
備える回転電機点検装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転電機点検装置
および回転電機点検方法に係り、特に、固定子巻線のク
リップ近傍の静電容量を測定する場合に適用して好適な
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、回転電機には、固定子巻線を水
冷するタイプのものが知られている。図7は、水冷タイ
プの回転電機の要部の概略構成を示す断面図である。図
7において、固定子体101には、固定子111および
水冷装置が設けられ、固定子111には、固定子枠11
2に取り付けられた固定子鉄心113が設けられてい
る。固定子鉄心113には、複数のスロットが設けら
れ、そのスロット内には、複数の固定子巻線114が挿
入されている。ここで、固定子巻線114は、ワークコ
イルおよびスターコイルからなる2層構造とされ、外側
の固定子巻線114aおよび内側の固定子巻線114b
からなる。また、固定子巻線114のエンド部は、例え
ば、ガラス紐の束縛などの固定部材で固定され、固定子
巻線114の端部は、クリップ115を介し冷却管11
6に接続されている。
【0003】回転子体201は、回転子211、回転子
211の保持環212、及び回転シャフト213を備
え、回転子211は、固定子111の内側に非接触で挿
入される。
【0004】図8は、図7の回転電機の固定子巻線11
4の概観構成を示す斜視図である。図8において、固定
子巻線114は、直線部121およびインボリュートカ
ーブ部122を備え、直線部121が固定子鉄心113
に設けられたスロットに挿入される。固定子巻線114
の両端には、クリップ115、115´が設けられ、ク
リップ115、115´には、冷却水の注入口123お
よび排出口123´がそれぞれ設けられている。そし
て、注入口123から固定子巻線114内に注入された
冷却水は、排出口123´から固定子巻線114外に排
出される。
【0005】図9は、図8の固定子巻線114のクリッ
プ115近傍の構成を示す斜視図である。図9におい
て、固定子巻線114は、複数本の素線131が束ねら
れ、その外側が絶縁テープやエポキシ樹脂などの絶縁層
133で被覆されている。また、各素線131には、冷
却水が通流可能な中空穴132が設けられている。ここ
で、各素線131の端部には、クリップ115が取り付
けられ、中空穴132がクリップ115の注水口123
を介して絶縁接続管(図示しない)および固定子枠11
2の外部の冷却水管116に連絡されている。そして、
冷却水管116からの冷却水が、絶縁接続管からクリッ
プ115の注入口123を介して中空穴132に導入さ
れ、その冷却水がクリップ115´の排出口123´か
ら絶縁接続管を介して冷却水管に排出される。
【0006】ここで、各素線131、クリップ115及
び絶縁接続管は、通常、ロウ付けによる方法で接続さ
れ、そのロウ付け接続部の外側は、素線131と同様
に、絶縁層133で被覆されている。
【0007】この絶縁層133で被覆されたロウ付け接
続部は、そこから冷却水が漏洩する事態を防止するため
に、厳重に品質管理された上で各種の漏洩確認試験が行
われ、その信頼性が確保されている。
【0008】また、長年の運転による振動、ヒートサイ
クルおよび腐食などにより、ロウ付け接続部の一部が剥
離したり、孔食が生じたりして、その部分から冷却水が
漏洩することがある。このため、通常、定期点検時に
は、固定子巻線内加圧や真空ドロップ試験を行って圧力
変化を調べ、非漏洩状態かどうかの確認が行われてい
る。
【0009】このような品質管理にもかかわらず、各素
線131とクリップ115との接続部から冷却水が漏れ
ると、毛細管現象により、絶縁テープが巻かれた絶縁層
133内を冷却水が伝わって浸透する。そして、冷却水
浸透が固定子鉄心113まで進行すると、固定子巻線1
14と大地間の地絡という不都合な事態が生じる可能性
がある。このため、絶縁層133内への冷却水浸透には
十分に注意し、できるだけ早い時期に冷却水浸透を発見
することが重要とされている。
【0010】冷却水浸透を早期に発見する方法として、
絶縁層133と冷却水との比誘電率の違いに着目する方
法がある。この方法では、測定素子を固定子巻線114
の測定位置Pa、Pbに当てて、固定子巻線114の静
電容量を計測することにより、冷却水の漏洩により絶縁
層133が吸湿して腐食している固定子巻線114の特
定を行う。
【0011】このような冷却水の漏洩の有無や絶縁劣化
の度合等を事前に検出する方法は、例えば、特開平9−
331656号公報、特開平9−51658号公報、特
開平10−177053号公報等に開示されている。
【0012】これらの方法は、静電容量測定用電極と固
定子巻線114との間の静電容量を計測するもので、絶
縁層133に水分が浸入したり、絶縁層133が劣化す
ると、静電容量が非常に大きくなることを利用したもの
である。つまり、絶縁層133中に水分が含まれている
と、水の誘電率が約80であるから、絶縁層133中に
水分が含まれていない場合に較べて静電容量が大きくな
る。このため、静電容量測定用電極と固定子巻線114
との間の静電容量を計測することにより、絶縁層133
への水分浸入の有無を確実に判定することができる。
【0013】これらの方法では、静電容量測定用電極を
固定子巻線114に押し当てるために、互いに隣接して
巻かれている固定子巻線114の間に測定素子が挿入さ
れる。そして、この測定素子に取り付けられた袋に空気
を充填することにより、測定素子を固定子巻線114の
絶縁層133に押し当てる。その後、互いに隣接して巻
かれている固定子巻線114の半径方向および軸方向お
よび周方向が同じ測定位置で、これらの固定子巻線11
4の静電容量を計測する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
固定子巻線114の静電容量の検出方法では、互いに隣
接する固定子巻線114の間に、測定素子および袋を挿
入する必要があることから、固定子巻線114同士の隙
間が広くなければならず、固定子巻線114の間の隙間
が狭い場所では使用することができなかった。
【0015】このため、固定子巻線114同士の隙間が
狭いクリップ115近傍の固定子巻線114の静電容量
を測定できず、固定子巻線114同士の隙間が広い鉄心
113近傍(測定位置Pa、Pb)で固定子巻線114
の静電容量を測定しなけらばならなかった。
【0016】鉄心113近傍(測定位置Pa、Pb)で
固定子巻線114の静電容量を測定すると、固定子巻線
114とクリップ115とのロウ付け接続部で冷却水が
漏れても、その冷却水が鉄心113近傍(測定位置P
a、Pb)まで浸透してくるまでは、冷却水漏れを検出
できない。このため、クリップ115近傍で固定子巻線
114の静電容量を測定した場合に比べて、冷却水漏れ
の検出が遅れるという問題があった。
【0017】また、従来の固定子巻線114の静電容量
の検出方法では、隣接する固定子巻線114の間に挿入
された袋を膨らませて、測定素子を固定子巻線114に
押し当てるため、測定素子を1本の固定子巻線114の
両側に同時に押し当てることができず、測定素子を1本
の固定子巻線114の両側の静電容量を一度に計測する
ことができなかった。
【0018】このため、1本の固定子巻線114の両側
の静電容量を計測するためには、その固定子巻線114
の片側の静電容量を計測した後に、固定子巻線114の
間の隙間から測定装置を一旦引き抜いて、その固定子巻
線114の他方側の隙間に測定装置を再度挿入し、測定
素子の位置決めおよび押し当てを行わなければならず、
静電容量を計測に手間がかかるという問題があった。
【0019】また、回転電機の種類によっては、固定子
巻線114同士の間の隙間が塞がれているものがあり、
そのような場合には、測定素子を挿入できないという問
題があった。
【0020】そこで、本発明の第1の目的は、クリップ
近傍の固定子巻線の静電容量を測定することが可能な回
転電機点検装置および回転電機点検方法を提供すること
である。
【0021】また、本発明の第2の目的は、固定子巻線
の両側の静電容量を一度に測定することが可能な回転電
機点検装置および回転電機点検方法を提供することであ
る。
【0022】また、本発明の第3の目的は、固定子巻線
同士の間の隙間が塞がれている場合においても、固定子
巻線の静電容量を測定することが可能な回転電機点検装
置および回転電機点検方法を提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1記載の発明によれば、静電容量を測定
する測定素子を有し、回転電機の固定子体内の固定子巻
線の端部の間隙に挿入した状態で、前記固定子巻線を挟
み込み前記測定素子を前記固定子巻線に押し当てる挟み
込み手段と、前記挟み込み手段において前記測定素子を
前記固定子巻線に押し当てる圧力を制御する制御手段
と、前記測定素子の測定位置の位置調整を行う位置調整
手段とを備えることを特徴とする。
【0024】これにより、固定子巻線の間の隙間に袋な
どを挿入することなく、測定素子が取り付けられた挟み
込み手段を固定子巻線の間の隙間に挿入するだけで、1
本の固定子巻線をその両側から挟み込みながら、測定素
子をその固定子巻線に押し当てることが可能とる。この
ため、固定子巻線の間の隙間が狭い場合においても、固
定子巻線の静電容量を計測することが可能となり、固定
子巻線の静電容量をクリップ近傍で測定することが可能
となることから、固定子巻線とクリップとのロウ付け接
続部での冷却水漏れを早期に発見することが可能とな
る。
【0025】また、1本の固定子巻線の両側に測定素子
を同時に押し当てることが可能となることから、1本の
固定子巻線の両側の静電容量を一度に測定することが可
能となり、測定素子のセティングのやり直しを行うこと
なく、1本の固定子巻線の両側の静電容量を測定するこ
とが可能となる。
【0026】また、請求項2記載の発明によれば、前記
位置調整手段は、前記挟み込み手段の半径方向の位置調
整を行うことを特徴とする。
【0027】これにより、測定素子を固定子巻線の側面
に押し当てる際に、固定子体の半径方向における測定素
子の位置決めを精度よく行うことが可能となり、固定子
巻線の計測位置のばらつきに起因する静電容量の変動を
防止して、冷却水の浸透に起因した静電容量の変化を検
出することが可能となる。
【0028】また、請求項3記載の発明によれば、前記
位置調整手段は、前記固定子巻線の周方向に対して固定
可能な周方向固定手段と、前記周方向固定手段に対し前
記挟み込み手段を前記固定子巻線の周方向に位置決め可
能とする周方向調整手段からなることを特徴とする。
【0029】これにより、測定素子を固定子巻線の側面
に押し当てる際に、固定子巻線の周方向における測定素
子の位置決めを精度よく行うことが可能となり、固定子
巻線の計測位置のばらつきに起因する静電容量の変動を
防止して、冷却水の浸透に起因した静電容量の変化を検
出することが可能となる。
【0030】また、請求項4記載の発明によれば、静電
容量を計測する測定素子と、回転電機の固定子巻線の表
面の絶縁層に前記測定素子を所定の圧力で押し当てる駆
動手段と、前記固定子巻線と接触する部分が絶縁され、
かつ、前記固定子巻線の絶縁層に前記測定素子を押し当
てた時の反力を受けるベース体とを備えることを特徴と
する。
【0031】これにより、固定子巻線の間の隙間に測定
素子を挿入することなく、測定素子を固定子巻線の表面
に押し当てることが可能となり、固定子巻線同士の間の
隙間が塞がれている場合においても、固定子巻線の静電
容量を測定することが可能となる。
【0032】また、請求項5記載の発明によれば、前記
固定子巻線と接触する部分が絶縁され、かつ、前記固定
子巻線の幅方向に対し、前記ベース体の位置を固定する
幅方向位置固定手段と、前記ベース体の幅方向の位置が
固定された状態で、前記ベース体を前記固定子巻線の半
径方向に移動させる半径方向移動手段とを備えることを
特徴とする。
【0033】これにより、測定素子を固定子巻線の表面
に押し当てる際に、固定子巻線の幅方向における測定素
子の位置決めを精度よく行うことが可能となり、固定子
巻線の計測位置のばらつきに起因する静電容量の変動を
防止して、冷却水の浸透に起因した静電容量の変化を検
出することが可能となる。
【0034】また、請求項6記載の発明によれば、前記
固定子巻線の周方向に対して固定可能な周方向固定部材
と、前記周方向固定部材に対し、前記ベース体を前記固
定子巻線の周方向に移動させる周方向位置調整手段とを
備えることを特徴とする。
【0035】これにより、測定素子を固定子巻線の表面
に押し当てる際に、固定子巻線の周方向における測定素
子の位置決めを精度よく行うことが可能となり、固定子
巻線の計測位置のばらつきに起因する静電容量の変動を
防止して、冷却水の浸透に起因した静電容量の変化を検
出することが可能となる。
【0036】また、請求項7記載の発明によれば、前記
駆動手段は、空気圧縮機と、前記空気圧縮機で生成され
た圧縮空気の圧力を検出する圧力センサと、前記圧縮空
気を送り込むことにより、前記測定素子を前記固定子巻
線に押し付ける押し付け手段と、前記測定素子からの信
号に基づいて、前記固定子巻線の静電容量を計測する計
測器と、前記計測器測で得られた計測値が一定時間所定
の範囲になるように、前記圧縮空気の圧力を制御する圧
力制御手段とを備えることを特徴とする。
【0037】これにより、測定素子を固定子巻線に押し
付ける際の最適の圧力を自動的に算出しながら、固定子
巻線の静電容量を計測することが可能となり、固定子巻
線の静電容量を安定して計測することが可能となる。
【0038】また、請求項8記載の発明によれば、前記
駆動手段は、空気圧縮機と、前記空気圧縮機で生成され
た圧縮空気の圧力を検出する圧力センサと、前記圧縮空
気の圧力を所定値に設定する圧力設定手段と、前記圧縮
空気を送り込むことにより、前記測定素子を前記固定子
巻線に押し付ける押し付け手段と、前記測定素子からの
信号に基づいて、前記固定子巻線の静電容量を計測する
計測器とを備えることを特徴とする。
【0039】これにより、測定素子を固定子巻線に押し
付ける際の圧力を指定して、固定子巻線の静電容量を計
測することが可能となり、固定子巻線の静電容量を精度
よく計測することが可能となる。
【0040】また、請求項9記載の発明によれば、前記
空気圧縮機から排出された圧縮空気の逆流を防止するチ
ェック弁と、前記空気圧縮機と前記チェック弁とを接続
する配管に設けられた電磁弁と、前記気圧縮機を始動さ
せる前に、前記電磁弁を制御して、前記配管内の残圧力
を開放する圧力開放手段とを備えることを特徴とする。
【0041】これにより、配管内に圧縮空気が残ってい
る場合においても、空気圧縮機の始動時に空気圧縮機の
モータが過負荷になることを防止することが可能とな
り、空気圧縮機が動作不能となることを防止することが
可能となる。
【0042】また、請求項10記載の発明によれば、回
転電機の固定子体内の固定子巻線の端部の隙間に、静電
容量を測定する測定素子を挿入するステップと、前記固
定子巻線の絶縁層を介して前記測定素子を前記固定子巻
線の両側から挟み込むステップと、前記挟み込まれた測
定素子により、前記固定子巻線の静電容量を測定するス
テップとを備えることを特徴とする。
【0043】これにより、1本の固定子巻線をその両側
から挟み込みながら、測定素子を固定子巻線に押し当て
ることが可能となり、固定子巻線の間の隙間に袋などを
挿入することなく、所定の圧力で測定素子を固定子巻線
の両側に同時に押し当てることが可能となる。
【0044】このため、固定子巻線の間の隙間が狭い場
合においても、固定子巻線の両側の静電容量を一度に計
測することが可能となり、測定素子の挿入のやり直しを
伴うことなく、固定子巻線とクリップとのロウ付け接続
部での冷却水漏れを早期に発見することが可能となる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係わる
回転電機点検装置について、図面を参照しながら説明す
る。
【0046】図1は、本発明の第1実施形態に係わる回
転電機点検装置の概略構成を示す正面図、図2は、本発
明の第1実施形態に係わる回転電機点検装置の概略構成
を示す側面図である。図1、2において、回転電機点検
装置10には、ベース体1が設けられ、ベース体1に
は、回転電機点検装置10を持ち運んだりするための取
っ手2a、2bが設けられている。さらに、ベース体1
には、固定部材3aおよび挟み込み部材3bが互いに対
向するように設けられ、固定部材3aはベース体1に固
定されるとともに、挟み込み部材3bは、ベース体1に
沿ってスライド可能とされている。ここで、固定部材3
aおよび挟み込み部材3bの先端部は、クリップ115
近傍の固定子巻線114b同士の間の隙間に挿入可能な
板状部材とすることができる。また、固定部材3aおよ
び挟み込み部材3bは、絶縁材料により構成するか、ま
たは、アルミニウムなどの金属で構成される場合には、
絶縁物で被覆されることが好ましく、ベース体1や、圧
力調整機構5とは、電気的に絶縁されていることが好ま
しい。
【0047】固定部材3aおよび挟み込み部材3bの先
端部には、測定素子4a、4bが互いに向き合うように
設けられている。ここで、測定素子4a、4bは、プロ
−ブや板状電極などを用いることができる。また、測定
素子4a、4bは、固定部材3aおよび挟み込み部材3
bと電気的に絶縁されている。
【0048】挟み込み部材3bには、圧力調整機構5が
設けられ、挟み込み部材3bに圧力をかけることによ
り、固定部材3aと挟み込み部材3bと間の固定子巻線
114bを所定の圧力で挟み込むことができるようにな
っている。
【0049】また、ベース体1には、測定素子4a、4
bからの信号を出力するコネクタ7が設けられ、さら
に、固定子巻線114bの半径方向における測定素子4
a、4bの位置を調節する半径方向調整機構6、および
固定子巻線114bの周方向における測定素子4a、4
bの位置を調節する周方向調整機構8が設けられてい
る。
【0050】図3は、本発明の第1実施形態に係わる回
転電機点検装置10の制御装置の概略構成を示すブロッ
ク図である。図3において、制御装置21は、主電源ス
イッチ22、演算記録部23、DC出力電源24、動作
スイッチ25、リレー26、空気圧縮機27、ドレン排
出付きエアーフィルタ28、電磁弁29、34、35、
チェック弁30、空気タンク31、ドレン排出付きエア
ードライヤ32、圧力調整弁33、エアードレン36お
よび圧力検出センサ37、38を備えている。
【0051】また、圧力調整機構5は、エアーシリンダ
42および動作リミット43を備えている。なお、エア
ーシリンダ42の代わりにバネやエアーバックや蛇腹な
どを用いてもよい。
【0052】演算記録部23およびDC出力電源24
は、AC電源ライン54を介して主電源スイッチ22と
接続され、空気圧縮機27は、リレー26およびAC電
源ライン54を介して主電源スイッチ22と接続されて
いる。圧力検出センサ37、38は、DC電源ライン5
2を介してDC出力電源24と接続されている。
【0053】空気圧縮機27、ドレン排出付きエアーフ
ィルタ28、電磁弁29、チェック弁30、空気タンク
31、ドレン排出付きエアードライヤ32、圧力調整弁
33、電磁弁34、電磁弁35およびエアーシリンダ4
2は、エアーライン53を介して順次接続され、ドレン
排出付きエアーフィルタ28、電磁弁29、34および
ドレン排出付きエアードライヤ32は、エアーライン5
3を介してエアードレン36と接続されている。
【0054】ドレン排出付きエアードライヤ32と圧力
調整弁33との間の配管は圧力検出センサ37に接続さ
れ、圧力調整弁33と電磁弁34との間の配管は圧力検
出センサ38に接続されている。演算記録部23は、制
御ライン51を介しリレー26、圧力検出センサ37、
38、電磁弁35、電磁弁29、34、圧力調整弁3
3、動作リミット43、切替リレー44および計測器4
1に接続されている。、測定素子4a、4bは制御ライ
ン51を介し切替リレー44に接続され、計測器41に
接続されている。
【0055】なお、圧力調整機構5は、空気圧を利用し
たもののほか、油圧を利用するようにしてもよい。要
は、固定部材3aと挟み込み部材3bとの間の固定子巻
線114bを所定の圧力まで挟み込むことができる機材
であればよい。
【0056】次に、回転電機点検装置10の動作につい
て説明する。
【0057】図4は、本発明の第1実施形態に係わる回
転電機点検装置10が適用される回転電機のステータ部
分の概略構成例を示す斜視図である。図4において、固
定子111には、固定子巻線114が巻かれており、固
定子巻線114は、外側の固定子巻線114aと内側の
固定子巻線114bとからなる。ここで、固定子巻線1
14a、114bの端部はクリップ115とロウ付けで
接続され、固定子巻線114a、114bはインボリュ
ートカーブを描いた後、直線を描いて、固定子111に
巻かれている。固定子巻線114bのインボリュートカ
ーブ部122には、固定子巻線114bの間に隙間11
8を設けられるとともに、固定子巻線114bのインボ
リュートカーブ部122は、ガラス紐などの束縛117
で固定されている。
【0058】冷却管116は絶縁接続管を介してクリッ
プ115に接続され、冷却管116に注入された冷却水
は、絶縁接続管およびクリップ115を介して固定子巻
線114a、114bの中空穴132に導入され、固定
子巻線114bを冷却した後、外部に排出される。
【0059】以下、回転電機点検装置10の操作方法お
よび動作について、図4の回転電機を点検する場合を例
にとって説明する。
【0060】まず、固定部材3aと挟み込み部材3bと
を、固定子巻線114bの間の隙間118に挿入する前
に、固定部材3aと挟み込み部材3bとの位置の調節を
行う。
【0061】この固定部材3aと挟み込み部材3bとの
位置の調節では、測定対象となる固定子巻線114bの
半径方向の寸法から、その固定子巻線114bの中心位
置を予め算出する。そして、半径方向調整機構6に備え
られている調整用ネジ(不図示)により、固定子巻線1
14bの半径方向における固定部材3aおよび挟み込み
部材3bの位置の調節を行う。
【0062】これにより固定子巻線114bのクリップ
115近傍の隙間118に測定素子4a、4bを挿入す
る際に、固定子巻線114bの半径方向における測定素
子4a、4bの位置決めを精度よく行うことが可能とな
る。このため、固定子体101内の全ての固定子巻線1
14bに対し、同じ半径方向の位置で精度良く静電容量
を計測することができる。
【0063】また、測定素子4a、4bが、複数本ある
固定子巻線114bのエンド部を固定している固定部材
(例えば、ガラス紐の束縛117)から周方向に一定の
距離になるように、周方向調整機構8に備えられている
調整用ネジ(不図示)を調整する。
【0064】これにより、固定子巻線114bのクリッ
プ115近傍の隙間118に測定素子4a、4bを挿入
する際に、固定子巻線114bの周方向における測定素
子4a、4bの位置決めを精度よく行うことが可能とな
る。このため、固定子体101内の全ての固定子巻線1
14bに対し、同じ周方向の位置で精度良く静電容量を
計測することができる。
【0065】次に、固定部材3aと挟み込み部材3bと
の位置の調節が終了すると、図1(a)に示すように、
固定部材3aと挟み込み部材3bとで1本の固定子巻線
114bを挟むようにして、固定部材3aおよび挟み込
み部材3bの先端部を固定子巻線114bの間の隙間1
18に挿入する。
【0066】ここで、各素線131とクリップ115と
のロウ付け接続部から冷却水が漏れると、毛細管現象に
より、固定子巻線114bの絶縁層133内を冷却水が
伝わって浸透する。このため、冷却水漏れを早期に発見
するためには、固定部材3aと挟み込み部材3bとをク
リップ115近傍の隙間118に挿入する。
【0067】また、固定部材3aと挟み込み部材3bと
をクリップ115近傍の隙間118に挿入する際に、半
径方向調整機構6を固定子巻線114bの表面に押し当
てるとともに、周方向調整機構8をガラス紐の束縛11
7に押し当てるようにする。
【0068】これにより、測定素子4a、4bが、固定
子巻線114bの半径方向における中心位置に位置決め
されるとともに、ガラス紐の束縛117から周方向に一
定の位置に位置決めされる。
【0069】次に、固定部材3aおよび挟み込み部材3
bの挿入が終了すると、測定素子4a、4bを固定子巻
線114bの側壁に押し当てる。
【0070】測定素子4a、4bを固定子巻線114b
の側壁に押し当てる場合、まず、制御装置21の主電源
スイッチ22を投入する。主電源スイッチ22が投入さ
れると、空気圧縮機27が駆動し、空気圧縮機27で圧
縮空気が生成される。この圧縮空気は、エアーフィルタ
28に送られ、ここで埃が除去された後、電磁弁29お
よびチェック弁30を介して空気タンク31に蓄えられ
る。空気タンク31に蓄えられた圧縮空気は、エアード
ライヤ32に送られ、ここで乾燥された後、圧力調整弁
33および電磁弁34、35を介して、エアーシリンダ
42に送られる。
【0071】エアーシリンダ42に圧縮空気が送られる
と、エアーシリンダ42は、挟み込み部材3bを固定部
材3aに向かって押し付ける。これにより、固定子巻線
114bが測定素子4a、4bの間に所定の圧力で挟み
込まれる。
【0072】次に、固定子巻線114bが測定素子4
a、4bの間に所定の圧力で挟み込まれると、固定子巻
線114bの静電容量の計測を行う。
【0073】固定子巻線114bの静電容量の計測を行
う場合、まず、制御装置21の動作スイッチ25を操作
する。動作スイッチ25が操作されると、計測器41
は、測定素子4a、4bから送られた信号を取り込み、
固定子巻線114bの静電容量を計測する。そして、計
測した静電容量を演算記録部23に送る。また、圧力検
出センサ37、38は、圧力調整弁33の前後の配管の
圧力を測定し、測定した圧力データを演算記録部23に
送る。
【0074】演算記録部23は、静電容量の計測値を受
け取ると、その計測値が一定時間所定の範囲の値か否か
を判断し、静電容量の計測値が一定時間所定の範囲の値
になるまで、空気圧縮機27を動作させ、押し付け圧力
を増加させる。そして、静電容量の計測値が一定時間所
定の範囲の値になったところで、リレー26を制御する
ことにより、空気圧縮機27の動作を停止させる。
【0075】これにより、静電容量の計測値が変動して
静電容量の計測値の精度が損なわれることを防止するこ
とが可能となり、静電容量の計測値の信頼性を向上させ
ることが可能となる。
【0076】ここで、固定子巻線114bを測定素子4
a、4bの間に挟み込む圧力を指定するようにしてもよ
い。この場合、演算記録部23は、圧力検出センサ38
から送られた圧力データに基づいて、圧力調整弁33を
通った圧縮空気圧力が所定範囲に達したかどうかを判断
する。そして、圧力調整弁33を通った圧縮空気圧力が
所定範囲にない場合、空気圧縮機27を動作を制御し、
押し付け圧力を制御する。そして、押し付け圧力が所定
範囲の値に達すると、空気圧縮機27の動作を停止させ
る。
【0077】これにより、押し付け圧力を所定値に調整
することが可能になり、任意の圧力で静電容量を計測す
ることが可能となる。
【0078】なお、制御装置21の動作スイッチ25を
操作し、エアーシリンダ42を駆動させ、固定子巻線1
14bの静電容量を計測する時、測定素子4a、4bが
取り付けられている固定部材3aおよび挟み込み部材3
bが導電性部材で構成されていると、この導電性部材に
蓄えられた電荷が計測器41に送られる信号に重畳す
る。このため、測定素子4a、4bで計測される静電容
量の数値が、導電性部材に蓄えられた電荷分だけ大きく
なり、固定子巻線114bの静電容量の計測精度が損な
われる。
【0079】そこで、測定素子4a、4bが取り付けら
れている固定部材3aおよび挟み込み部材3bを絶縁材
料で構成するか、測定素子4a、4bの取り付け部分を
絶縁材料で被覆する。これにより、固定部材3aおよび
挟み込み部材3bからの電荷の浸入を防止することが可
能となり、固定子巻線114bの静電容量の計測精度を
向上させることが可能となる。
【0080】また、制御装置21の主電源スイッチ22
を投入し、空気圧縮機27を動作させる時に、空気圧縮
機27からチェック弁30までの配管内に圧縮空気が残
ったままになっていると、空気圧縮機27は、始動時に
その圧力以上の圧力を排出する必要がある。このため、
その配管内の残圧により空気圧縮機27のモータが過負
荷になり、空気圧縮機27が動作不能に陥る恐れがあ
る。
【0081】そこで、電源スイッチ11の電源投入後、
初回を条件に、演算記録器23は、空気圧縮機27から
チェック弁30までの配管内の残圧力を開放するための
指令を電磁弁29に出力する。電磁弁29は、この指令
を受け取ると、空気圧縮機27からチェック弁30まで
の配管内の残圧力を開放する。これにより、空気圧縮機
27からチェック弁30までの配管内に圧縮空気が残っ
たままになっている場合においても、空気圧縮機27が
動作不能に陥ることを防止することが可能となる。この
ため、固定子巻線114bを所定の圧力で安定して挟み
込むことが可能となり、固定子巻線114bの静電容量
の計測を安定して行うことが可能となる。
【0082】また、計測器41は、固定部材3aに取り
付けられた測定素子4aからのデータを取り込んだ後、
切替リレー44により測定素子4a、4bの切り替えを
行い、挟み込み部材3bに取り付けられた測定素子4b
からのデータを取り込む。ここで、計測器41へのデー
タの取込みの順番は、挟み込み部材3bに取り付けられ
た測定素子4bからのデータを最初に取り込んでもよ
く、測定素子4a、4bからのデータを同時に取り込ん
でもよい。これにより、1回の計測により、1本の固定
子巻線114bの両側の静電容量を計測することが可能
となる。
【0083】このように、上述した第1実施形態によれ
ば、クリップ115近傍の非常に狭い隙間118に測定
素子4a、4bを挿入することができ、四辺形状の固定
子巻線114bの両側の静電容量を1回で計測すること
ができるようになる。これにより、固定子巻線114b
の劣化傾向を事前に把握でき、例えば、固定子巻線11
4bの交換時期を予め予想して早めに交換・修理するこ
とで、地絡などの事態を未然に防止することができる。
【0084】次に、本発明の第2実施形態に係わる回転
電機点検装置について説明する。
【0085】上述した第1実施形態では、固定部材3a
に取り付けられている測定素子4aおよび挟み込み部材
4bに取り付けられている測定素子4bを、固定子巻線
114bの間の隙間118に挿入して、固定子巻線11
4bの静電容量の測定が行われる。
【0086】しかし、回転電機の中には、固定子巻線1
14bの間に隙間118がないものがあり、このような
回転電機では、回転電機点検装置10を用いて固定子巻
線114bの静電容量の測定を行うことができない。
【0087】そこで、本発明の第2実施形態では、測定
素子を固定子巻線114bの間の隙間118に測定素子
を挿入することなく、測定素子を固定子巻線114bの
表面に押し当てることにより、固定子巻線114bの静
電容量の測定を行うようにする。
【0088】図5は、本発明の第2実施形態に係わる回
転電機点検装置の概略構成を示す斜視図、図6は、本発
明の第2施形態に係わる回転電機点検装置の概略構成を
示す正面図である。図5、6において、回転電機点検装
置60には、例えば、コ字形状のベース体61が設けら
れ、ベース体61の上部には、回転電機点検装置60を
持ち運んだりするための取っ手62が設けられている。
さらに、ベース体61には、ガイド63および測定素子
64が設けられ、ガイド63および測定素子64は、ベ
ース体1の側壁に沿って押し出し可能とされている。こ
こで、ガイド63は、板状部材とすることができ、測定
素子64は、プロ−ブや板状電極などを用いることがで
きる。また、測定素子64およびガイド63は、互いに
絶縁されるとともに、ベース体61や圧力調整機構65
とも、電気的に絶縁されていることが好ましい。
【0089】ベース体61には圧力調整機構65が設け
られ、ガイド63を介して測定素子64に圧力をかける
ことにより、測定素子64を押し出すことができるよう
になっている。
【0090】また、ベース体61には、固定子巻線11
4bの周方向における測定素子64の位置を調節する周
方向調整機構66、および固定子巻線114bの幅方向
における測定素子64の位置を調節する幅調整機構68
が設けられている。ここで、周方向調整機構66は、ガ
ラス紐の束縛などに押し当て可能な板状部材を備え、こ
の板状部材に対し、ベース体61を周方向に移動させる
周方向調整ネジ67が設けられている。
【0091】また、幅調整機構68は、V字形状を有す
る板状部材を備え、この板状部材に対し、ベース体61
を半径方向に移動させる幅調整ネジ69が設けられてい
る。
【0092】なお、回転電機点検装置60の制御装置の
構成は、図3の制御装置21と同様の構成とすることが
できる。
【0093】次に、回転電機点検装置60の動作につい
て説明する。なお、以下の実施例では、固定子体101
の半径方向内側の固定子巻線114b内側面に回転電機
点検装置60を押し付け、固定子巻線114bの内側面
の静電容量を計測する場合について説明する。
【0094】まず、固定子体101の半径方向内側の固
定子巻線114b内側面に回転電機点検装置60を押し
付ける前に、固定子巻線114bの幅方向における測定
素子64の位置決めを行う。
【0095】この幅方向における測定素子64の位置決
めでは、固定子巻線114bの幅に応じ、幅方向幅調整
機構68に設けられている調整用ネジ69でベース体6
1の半径方向の位置を調節する。
【0096】これにより、幅方向幅調整機構68のV字
部分を固定子巻線114bにはめ込むだけで、固定子巻
線114bの幅方向における中心位置に測定素子64を
位置決めすることが可能となり、固定子体101内の全
ての固定子巻線114bに対し、同じ中心位置で静電容
量を容易に計測することができる。
【0097】また、測定素子64が、複数本ある固定子
巻線114bのエンド部を固定している固定部材(例え
ば、ガラス紐の束縛)から周方向に一定の距離になるよ
うに、周方向調整機構66に備えられている調整用ネジ
67を調整する。
【0098】これにより、固定子体101の半径方向内
側の固定子巻線114b内側面に測定素子64を押し付
ける際に、固定子巻線114bの周方向における測定素
子64の位置決めを精度よく行うことが可能となる。こ
のため、固定子体101内の全ての固定子巻線114b
に対し、同じ周方向の位置で精度良く静電容量を計測す
ることができる。
【0099】次に、図5に示すように、固定子体101
の半径方向内側の固定子巻線114b内側面に回転電機
点検装置60を押し当てる。ここで、固定子巻線114
b内側面に回転電機点検装置60を押し当てる際に、幅
方向幅調整機構68のV字部分を固定子巻線114bに
はめ込むとともに、周方向調整機構66をガラス紐の束
縛に押し当てるようにする。
【0100】これにより、測定素子64が、固定子巻線
114bの幅方向における中心位置に位置決めされると
ともに、ガラス紐の束縛から周方向に一定の位置に位置
決めされる。
【0101】次に、制御装置21の主電源スイッチ22
を投入する。主電源スイッチ22が投入されると、空気
圧縮機27が駆動し、空気圧縮機27で圧縮空気が生成
される。この圧縮空気は、エアーフィルタ28に送ら
れ、ここで埃が除去された後、電磁弁29およびチェッ
ク弁30を介して空気タンク31に蓄えられる。空気タ
ンク31に蓄えられた圧縮空気は、エアードライヤ32
に送られ、ここで乾燥された後、圧力調整弁33および
電磁弁34、35を介して、エアーシリンダ42に送ら
れる。
【0102】エアーシリンダ42に圧縮空気が送られる
と、エアーシリンダ42は、ガイド63を介して測定素
子64を固定子巻線114bの表面に所定の圧力で押し
付ける。
【0103】次に、固定子巻線114bに測定素子64
が所定の圧力で押し付けられると、固定子巻線114b
の内側面の静電容量の計測を行う。
【0104】固定子巻線114bの内側面の静電容量の
計測を行う場合、まず、制御装置21の動作スイッチ2
5を操作する。動作スイッチ25が操作されると、計測
器41は、測定素子64から送られた信号を取り込み、
固定子巻線114bの静電容量を計測する。そして、計
測した静電容量を演算記録部23に送る。また、圧力検
出センサ37、38は、圧力調整弁33の前後の配管の
圧力を測定し、測定した圧力データを演算記録部23に
送る。
【0105】演算記録部23は、静電容量の計測値を受
け取ると、その計測値が一定時間所定範囲の値か否か判
断し、静電容量の計測値が一定時間所定範囲の値になる
まで、空気圧縮機27を動作させ、押し付け圧力を増加
させる。そして、静電容量の計測値が一定時間所定範囲
の値になったところで、リレー26を制御することによ
り、空気圧縮機27の動作を停止させる。
【0106】ここで、固定子巻線114bに測定素子6
4を押し付ける圧力を指定するようにしてもよい。この
場合、演算記録部23は、圧力検出センサ38から送ら
れた圧力データに基づいて、圧力調整弁33を通った圧
縮空気圧力が所定範囲の値かどうかを判断する。そし
て、圧力調整弁33を通った圧縮空気圧力が所定範囲の
値でない場合、空気圧縮機27を動作を制御し、押し付
け圧力を制御する。そして、押し付け圧力が所定範囲の
値に達すると、空気圧縮機27の動作を停止させる。
【0107】なお、制御装置21の動作スイッチ25を
操作し、エアーシリンダ42を駆動させ、固定子巻線1
14bの静電容量を計測する時、測定素子64が取り付
けられているベース体61やガイド63が導電性部材で
構成されていると、この導電性部材に蓄えられた電荷が
計測器41に送られる信号に重畳する。このため、測定
素子64で計測される静電容量の数値が、導電性部材に
蓄えられた電荷分だけ大きくなり、固定子巻線114b
の静電容量の計測精度が損なわれる。そこで、測定素子
64が取り付けられているベース体61やガイド63を
絶縁材料で構成するか、測定素子64の取り付け部分を
絶縁材料で被覆する。これにより、ベース体61やガイ
ド63からの電荷の浸入を防止することが可能となり、
固定子巻線114bの静電容量の計測精度を向上させる
ことが可能となる。
【0108】また、制御装置21の主電源スイッチ22
を投入し、空気圧縮機27を動作させる時に、空気圧縮
機27からチェック弁30までの配管内に圧縮空気が残
ったままになっていると、空気圧縮機27は、始動時に
その圧力以上の圧力を排出する必要がある。このため、
その配管内の残圧により空気圧縮機27のモータが過負
荷になり、空気圧縮機27が動作不能に陥る恐れがあ
る。
【0109】そこで、電源スイッチ11の電源投入後、
初回を条件に、演算記録器23は、空気圧縮機27から
チェック弁30までの配管内の残圧力を開放するための
指令を電磁弁29に出力する。電磁弁29は、この指令
を受け取ると、空気圧縮機27からチェック弁30まで
の配管内の残圧力を開放する。これにより、空気圧縮機
27からチェック弁30までの配管内に圧縮空気が残っ
たままになっている場合においても、空気圧縮機27が
動作不能に陥ることを防止することが可能となる。この
ため、固定子巻線114bを所定の圧力で安定して挟み
込むことが可能となり、固定子巻線114bの静電容量
の計測を安定して行うことが可能となる。
【0110】なお、固定子体101の半径方向外側の固
定子巻線114a外側面に回転電機点検装置60を押し
付け、固定子体101の半径方向外側の固定子巻線11
4a外側面の静電容量を計測するようにしてもよい。す
なわち、測定面が内側面か外側面かの相違のみで、それ
以外は同様の手順によって実施することができる。
【0111】また、本実施の形態では、固定部材3aと
挟み込み部材3bにより固定子巻線114bを挟み込む
際に、空気圧を利用しているが、空気圧に限らず、所定
の圧呂挟み込むことができる機構を有すればよい。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
固定子体内の固定子巻線のクリップ近傍の静電容量を測
定することが可能となり、冷却水漏れを早期に発見する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる回転電機点検装
置の概略構成を示す正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係わる回転電機点検装
置の概略構成を示す側面図である。
【図3】本発明の第1および第2実施形態に係わる回転
電機点検装置の制御装置の概略構成を示すブロック図で
ある。
【図4】本発明の第1実施形態に係わる回転電機点検装
置が適用される回転電機のステータ部分の概略構成例を
示す斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係わる回転電機点検装
置の概略構成を示す斜視図である。
【図6】本発明の第2施形態に係わる回転電機点検装置
の概略構成を示す正面図である。
【図7】水冷タイプの回転電機の要部の概略構成を示す
断面図である。
【図8】図7の回転電機の固定子巻線の概観構成を示す
斜視図である。
【図9】図8の固定子巻線のクリップ近傍の構成を示す
斜視図である。
【符号の説明】
1、61 ベース体 2a、2b、62 取っ手 3a 固定部材 3b 挟み込み部材 4a、4b、64 測定素子 5、65 圧力調整機構 6 半径方向調整機構 7 コネクタ 8、66 周方向調整機構 10、60 回転電機点検装置 21 制御装置 22 主電源スイッチ 23 演算記録部 24 DC出力電源 25 動作スイッチ 26 リレー 27 空気圧縮機 28 ドレン排出付きエアーフィルタ 29、34、35 電磁弁 30 チェック弁 31 空気タンク 32 ドレン排出付きエアードライヤ 33 圧力調整弁 36 エアードレン 37、38 圧力検出センサ 41 計測器 42 エアーシリンダ 43 動作リミット 44 切替リレー 63 ガイド 67 周方向調整ネジ 68 幅調整機構 69 幅調整ネジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野 末良 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 (72)発明者 冨樫 法仁 東京都府中市晴見町2丁目24番地の1 東 芝エフエーシステムエンジニアリング株式 会社内 (72)発明者 外館 雅則 神奈川県川崎市堀川町66−2 東芝エンジ ニアリング株式会社内 (72)発明者 高橋 伸二 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 島田 秀行 東京都港区芝浦1丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 関戸 忍 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 Fターム(参考) 2G016 BA01 BA02 BA03 BA04 BB03 BB11 BC02 2G028 AA01 BE06 CG07 DH22 MS05 5H609 PP02 PP05 PP06 PP07 PP08 PP09 QQ04 QQ09 SS15 SS19 5H611 AA01 BB01 BB02 PP01 QQ00 QQ07 UA02 UA03 UB01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電容量を測定する測定素子を有し、回
    転電機の固定子体内の固定子巻線の端部の間隙に挿入し
    た状態で、前記固定子巻線を挟み込み前記測定素子を前
    記固定子巻線に押し当てる挟み込み手段と、 前記挟み込み手段において前記測定素子を前記固定子巻
    線に押し当てる圧力を制御する制御手段と、 前記測定素子の測定位置の位置調整を行う位置調整手段
    とを備えることを特徴とする回転電機点検装置。
  2. 【請求項2】 前記位置調整手段は、前記挟み込み手段
    の半径方向の位置調整を行うことを特徴とする請求項1
    記載の回転電機点検装置。
  3. 【請求項3】 前記位置調整手段は、前記固定子巻線の
    周方向に対して固定可能な周方向固定手段と、 前記周方向固定手段に対し前記挟み込み手段を前記固定
    子巻線の周方向に位置決め可能とする周方向調整手段か
    らなることを特徴とする請求項1または2記載の回転電
    機点検装置。
  4. 【請求項4】 静電容量を計測する測定素子と、 回転電機の固定子巻線の表面の絶縁層に前記測定素子を
    所定の圧力で押し当てる駆動手段と、 前記固定子巻線と接触する部分が絶縁され、かつ、前記
    固定子巻線の絶縁層に前記測定素子を押し当てた時の反
    力を受けるベース体とを備えることを特徴とする回転電
    機点検装置。
  5. 【請求項5】 前記固定子巻線と接触する部分が絶縁さ
    れ、かつ、前記固定子巻線の幅方向に対し、前記ベース
    体の位置を固定する幅方向位置固定手段と、 前記ベース体の幅方向の位置が固定された状態で、前記
    ベース体を前記固定子巻線の半径方向に移動させる半径
    方向移動手段とを備えることを特徴とする請求項4記載
    の回転電機点検装置。
  6. 【請求項6】 前記固定子巻線の周方向に対して固定可
    能な周方向固定部材と、 前記周方向固定部材に対し、前記ベース体を前記固定子
    巻線の周方向に移動させる周方向位置調整手段とを備え
    ることを特徴とする請求項4または5記載の回転電機点
    検装置。
  7. 【請求項7】 前記駆動手段は、 空気圧縮機と、 前記空気圧縮機で生成された圧縮空気の圧力を検出する
    圧力センサと、 前記圧縮空気を送り込むことにより、前記測定素子を前
    記固定子巻線に押し付ける押し付け手段と、 前記測定素子からの信号に基づいて、前記固定子巻線の
    静電容量を計測する計測器と、 前記計測器測で得られた計測値が一定時間所定の範囲に
    なるように、前記圧縮空気の圧力を制御する圧力制御手
    段とを備えることを特徴とする請求項4〜6のいずれか
    1項記載の回転電機点検装置。
  8. 【請求項8】 前記駆動手段は、 空気圧縮機と、 前記空気圧縮機で生成された圧縮空気の圧力を検出する
    圧力センサと、 前記圧縮空気の圧力を所定値に設定する圧力設定手段
    と、 前記圧縮空気を送り込むことにより、前記測定素子を前
    記固定子巻線に押し付ける押し付け手段と、 前記測定素子からの信号に基づいて、前記固定子巻線の
    静電容量を計測する計測器とを備えることを特徴とする
    請求項4〜6のいずれか1項記載の回転電機点検装置。
  9. 【請求項9】 前記空気圧縮機から排出された圧縮空気
    の逆流を防止するチェック弁と、 前記空気圧縮機と前記チェック弁とを接続する配管に設
    けられた電磁弁と、 前記気圧縮機を始動させる前に、前記電磁弁を制御し
    て、前記配管内の残圧力を開放する圧力開放手段とを備
    えることを特徴とする請求項7または8に記載の回転電
    機点検装置。
  10. 【請求項10】 回転電機の固定子体内の固定子巻線の
    端部の隙間に、静電容量を測定する測定素子を挿入する
    ステップと、 前記固定子巻線の絶縁層を介して前記測定素子を前記固
    定子巻線の両側から挟み込むステップと、 前記挟み込まれた測定素子により、前記固定子巻線の静
    電容量を測定するステップとを備えることを特徴とする
    回転電機点検方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005040840A1 (ja) * 2003-10-24 2005-05-06 Kabushiki Kaisha Toshiba コイルの余寿命推定方法およびコイルの余寿命推定装置
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