JP2001357513A - 磁気記録ディスク並びに磁気記録ディスクの製造方法及び製造システム - Google Patents

磁気記録ディスク並びに磁気記録ディスクの製造方法及び製造システム

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JP2001357513A
JP2001357513A JP2000136879A JP2000136879A JP2001357513A JP 2001357513 A JP2001357513 A JP 2001357513A JP 2000136879 A JP2000136879 A JP 2000136879A JP 2000136879 A JP2000136879 A JP 2000136879A JP 2001357513 A JP2001357513 A JP 2001357513A
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coating film
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Shinji Furukawa
真司 古川
Miho Sakai
美保 坂井
Naoki Watanabe
直樹 渡辺
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    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/74Record carriers characterised by the form, e.g. sheet shaped to wrap around a drum
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
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    • G11B5/739Magnetic recording media substrates
    • G11B5/73911Inorganic substrates
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気異方性を有した信頼性の高い情報記録デ
ィスクを提供し、そのような情報記録ディスクを製造す
る実用的な製造方法及びシステムを提供する。 【解決手段】 ガラス製の基板11の表面には、記録層
用の磁性膜12に磁気異方性を与える形状であるテクス
チャ17が形成されている。テクスチャ17は、基板1
1と同軸の円周状の複数の溝であり、断面鋸波状であ
る。テクスチャ17を覆うようにして、ニッケル燐から
成る基板被覆膜13がスパッタリングにより作成されて
いる。基板被覆膜13の上に、下地膜14、磁性膜1
2、保護膜15、潤滑膜16が順に積層されている。基
板11がガラス製であるため、高速回転の際も変形が少
ない。ガラスを削ってテクスチャ17を形成しているの
で、金属を削る場合に比べて均一なテクスチャ17が得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、コンピュータ
の外部記憶装置であるハードディスクのような磁気記録
ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスクやフロッピー(登録商
標)ディスクのような磁気記録ディスクは、コンピュー
タの外部記憶装置として広く用いられている。このよう
な磁気記録ディスクは、基本的には、ディスク状の基板
と、基板に対して設けた記録層用の磁性膜とからなる構
造である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような磁気記録デ
ィスクでは、記録の信頼性というものが最も重要な評価
項目の一つである。記録の信頼性というのは、記録した
情報が半永久的に保持されるということである。記録の
信頼性という点で、磁気記録ディスクの場合に問題とな
るのは、磁化の熱ゆらぎの問題である。磁化された磁区
は、通常は、逆方向の磁界の印加によらない限り磁化が
維持される。しかしながら、実際は、熱ゆらぎによって
磁化が経時的に僅かずつ解消してしまう。従って、磁区
が絶対零度に冷却されいない限り、永久的な磁化状態の
保持というのは不可能である。磁気記録ディスクにおい
て、この熱ゆらぎの問題が極端に現れると、記憶した情
報が数年後に部分的に消滅するという事態になり得る。
磁気記録ディスクが半永久的なデータ保存用として用い
られている場合、この事態は深刻である。
【0004】熱ゆらぎの問題を抑制する方法として、磁
性膜に磁気異方性を与えることが有効であることが最近
になって判ってきた。磁気異方性とは、磁化する際の磁
界の方向性によって、同じ磁界強度でも磁化の強さが異
なってくることである。もしくは、保磁力の強さが磁化
の方向によって異なると表現することも可能である。
【0005】磁気異方性を与える手段としては、磁性膜
を構成する結晶の配列に方向性を与えることが現在考え
られている。磁性膜は、スパッタリングにより作成され
ることが多い。スパッタリングにより作成された膜は、
通常はアモルファスであるが、ある程度加熱した状態で
スパッタリングを行うと、膜を構成する原子がマイグレ
ーション(移動)しながら堆積するので、局所的又は部
分的に結晶化した膜が得られる。この際、下地層の結晶
のいずれかの軸の長さと磁性膜の結晶のいずれかの軸の
長さがほぼ一致している場合、それらの軸方向が一致し
た状態で下地層の上に磁性膜が堆積し易くなる。この場
合、下地層の各結晶の軸を一定の方向に向くようにして
おくと、磁性膜の各結晶の軸も方向性を持ち易い。そし
て、磁性膜の各結晶の軸が方向性を持っていると、その
方向で磁化された場合の保磁力は、他の方向に磁化され
た場合に比べて強くなり易い。即ち、磁気異方性が達成
される。
【0006】結晶の配列に方向性を持たせる方法として
は、薄膜を作成する際の下地に、機械的に微細な溝を形
成する方法がある。微細な溝が形成された表面に薄膜を
堆積させると、各結晶の軸が溝の長さ方向に向き易く、
溝の長さ方向に磁気異方性を得ることができる。尚、こ
のような磁気異方性を与えるための形状を、本明細書で
は「テクスチャ」と呼ぶ。
【0007】ハードディスクを例にして、上記の点をよ
り具体的に説明する。ハードディスクを製造する場合、
従来はアルミニウム製の基板が採用されることが多い。
このアルミニウム製の基板の表面に、メッキ法によりニ
ッケル燐(NiP,リン化ニッケル)膜を作成する。そ
して、ニッケル燐膜の表面に微細な溝を多数形成してテ
クスチャとする。ハードディスクドライブでは、磁気ヘ
ッドに対して、ディスクをその中心軸の周りに回転させ
ながら情報の記録及び読み出しを行うので、磁化の方向
も周方向(正確にはディスクの中心軸を中心とする円の
接線方向)となることが多い。従って、磁気異方性も周
方向であることが望ましい。このため、テクスチャは、
基板の中心軸と同軸の円周状の微細な溝とされる。基板
の径方向の断面で見ると、この微細な溝は、鋸波状であ
る。尚、溝の形成は、ダイヤモンド粒子等の高硬度の微
粒子を表面に固定した板を基板に接触させて回転擦動さ
せることにより行う。このような溝の形成の後、ニッケ
ル燐膜の上に下地膜を作成し、その上に磁性膜を作成す
る。下地膜の結晶の配列が前述した通り周方向に向き易
く、これに伴って磁性膜の結晶の配列も周方向に向き易
い。この結果、磁性膜には周方向の保磁力が強くなる磁
気異方性が達成される。
【0008】しかしながら、上述した方法では、以下の
ような問題がある。まず、ニッケル燐膜という金属系の
膜を機械的に削ってテクスチャを形成する方法では、テ
クスチャを寸法精度良く均一に形成することが難しい。
テクスチャが不均一になると、情報の記録又は読み出し
の際、溝の両側の山の部分に磁気ヘッドが衝突し易くな
り、記録又は読み出しの信頼性や安定性の点で問題が生
ずる。また、金属系の膜を機械的に削る方法では、いわ
ゆるバリが形成され易い。その上に下地膜や磁性膜を作
成すると、バリが形成された部分で薄膜が異常成長し易
く、作成された下地膜や磁性膜に形状欠陥が生ずる恐れ
がある。
【0009】本願の発明は、このような課題を解決する
ためになされたものであり、磁気異方性を有した信頼性
の高い情報記録ディスクを提供するとともに、そのよう
な信頼性の高い情報記録ディスクを製造する実用的な製
造方法及びシステムを提供する技術的意義がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願の請求項1記載の発明は、ディスク状の基板
と、基板に設けられた記録層用の磁性膜とから成る磁気
記録ディスクにおいて、前記基板はガラス製であって、
その表面には、前記磁性膜に磁気異方性を与える形状で
あるテクスチャが形成されているとともに、このテクス
チャを覆うようにして基板被覆膜が作成されており、前
記磁性膜は、この基板被覆膜の上に作成されたものであ
るという構成を有する。また、上記課題を解決するた
め、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成におい
て、前記基板被覆膜は、ニッケル燐又はニッケル硼素か
ら成るものであり、スパッタリングにより作成されたも
のであるという構成を有する。また、上記課題を解決す
るため、請求項3記載の発明は、ディスク状の基板に記
録層用の磁性膜を設けた構造の磁気記録ディスクの製造
方法であって、前記磁性膜に磁気異方性を与える形状で
あるテクスチャを前記基板の表面に形成する工程と、こ
のテクスチャを覆うようにして基板被覆膜を作成する工
程と、この基板被覆膜の上に、前記磁性膜を含む薄膜を
作成する工程とから成るという構成を有する。また、上
記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請
求項3の構成において、前記基板被覆膜は、ニッケル燐
又はニッケル硼素から成るものであり、基板被覆膜がス
パッタリングにより作成されるという構成を有する。ま
た、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、
ディスク状の基板に記録層用の磁性膜を設けた構造の磁
気記録ディスクの製造システムであって、前記磁性膜に
磁気異方性を与える形状であるテクスチャを前記基板の
表面に形成するテクスチャ形成装置と、テクスチャを覆
うようにして基板被覆膜を作成する被覆膜作成装置と、
基板被覆膜の上に、前記磁性膜を含む薄膜を作成する主
成膜装置とから成るという構成を有する。また、上記課
題を解決するため、請求項6記載の発明は、前記請求項
5の構成において、前記被覆膜作成装置は、ニッケル燐
又はニッケル硼素から成る基板被覆膜をスパッタリング
により作成するものであるという構成を有する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態につ
いて説明する。図1は、本願発明の磁気記録ディスクの
実施形態の概略構成を示す断面図である。図1に示す磁
気記録ディスクは、ディスク状の基板11と、基板11
に設けられた記録層用の磁性膜12とから成っている。
より詳しく説明すると、基板11の表面に、基板被覆膜
13、下地膜14、磁性膜12、保護膜15、潤滑膜1
6を順に積層した構造となっている。基板被覆膜13
は、主に、上層である下地膜14や磁性膜12の基板1
1に対する付着強度性を充分に確保するために設けられ
ている。また、下地膜14は、磁性膜12の磁気特性が
充分得られるようにしたり、基板被覆膜13に対する磁
性膜12の付着強度を向上させたりする目的で設けられ
ている。潤滑膜16は、情報の記録や読み出しの際の磁
気ヘッドの衝突を考慮して設けられている。尚、図1に
示すように、基板被覆膜13、下地膜14、磁性膜1
2、保護膜15、潤滑膜16は、基板11を挟んで両側
に設けられている。これは、両面が磁気記録面となるた
めである。
【0012】本実施形態の特徴点の一つは、ガラス製の
基板11を使用していることである。より具体的には、
HOYA社製のN5等が使用されている。ガラスは、一
般的にアルミニウムに比べヤング率が高く、変形が少な
い。最近の磁気記録ディスクは、記録や読み出し時間の
短縮のため、より高速回転するようになっている。この
ため、高速回転下でも形状変化が極めて少ない点で、ガ
ラス製の基板11は優れている。
【0013】本実施形態の別の特徴点の一つは、基板1
1の表面に直接テクスチャが形成されている点である。
この点を図2及び図3を使用して説明する。図2及び図
3は、基板11の表面に形成されたテクスチャの構成に
ついて説明する図であり、図2は断面概略図、図3は斜
視概略図である。
【0014】図2に示すように、テクスチャ17は、鋸
波状の断面形状となっている。そして、図3から解るよ
うに、テクスチャ17は、基板11の中心軸と同軸の円
周方向に延びる多数の溝となっている。テクスチャ17
の寸法について一例を示すと、溝の深さdは4〜50オ
ングストローム程度、溝の幅wは250〜350オング
ストローム程度である。尚、図2に示すように、テクス
チャ17は、基板11の両面に形成されている。尚、基
板11を構成するガラスは、アモルファスであることが
好ましい。特殊なガラスとして結晶化ガラスも市販され
ているが、結晶化ガラスの場合、後述するように表面を
削ってテクスチャを形成する際、金属系の薄膜を削る場
合と同様にテクスチャが不均一になったりする欠点があ
ると考えられる。
【0015】本実施形態のさらに別の特徴点の一つは、
基板被覆膜13がスパッタリングにより作成されている
点である。上述したように、本実施形態の大きな特徴点
は、ガラス製の基板11に直接テクスチャ17を形成す
る点である。この場合、テクスチャ17を形成した基板
11の表面にメッキ法により基板被覆膜13を作成する
ことも不可能ではない。しかしながら、メッキ法による
と、形成したテクスチャ17の形状を維持しながら基板
被覆膜13を作成することは難しい。メッキ法による
と、微細な表面形状をなぞるようにして膜を作成するこ
とは不可能に近く、ほぼ平坦な表面の膜となってしま
う。本実施形態では、このような点を考慮してスパッタ
リングにより作成した基板被覆膜13としている。スパ
ッタリングによると、図2に示すように、表面の凹凸を
なぞるようにして膜が堆積するので、テクスチャ17の
形状を維持しながら基板被覆膜13を作成することがで
きる。
【0016】基板被覆膜13には、前述したニッケル燐
膜の他、ニッケル硼素(NiB,ホウ化ニッケル)膜が
採用できる。基板被覆膜13の膜厚は、10〜70nm
程度である。基板被覆膜13の表面の形状は、基板11
の表面に形成したテクスチャ17と同様である。下地膜
14としては、例えばCrMo膜が採用され、同様にス
パッタリングにより作成される。下地膜14の膜厚は、
5〜15nm程度である。また、磁性膜12としては、
例えばCoCrTaPt膜が採用され、同様にスパッタ
リングにより作成される。磁性膜12の膜厚は、15〜
20nm程度である。
【0017】保護膜15には、高硬度のカーボン膜が採
用される。カーボン膜は、スパッタリング又はCVD
(化学蒸着)により作成される。厚さは、30〜50n
m程度である。潤滑膜16には、パーフルオロポリエー
テル(PEPE)のようなフッ素系潤滑剤が使用され
る。潤滑膜16は、ディップ法、スピンコート法、スプ
レー法等により磁性膜12の表面に1〜2nm程度の厚
さで作成される。
【0018】次に、磁気記録ディスクの製造方法及び製
造システムの発明の実施形態について説明する。図4
は、本願発明の実施形態の磁気記録ディスクの製造シス
テムの構成を示す概略図である。図4に示すシステム
は、ガラス製の基板11にテクスチャ17を形成するテ
クスチャ形成装置2と、テクスチャ17の形成後に基板
11を洗浄する洗浄装置3と、洗浄後に基板11に基板
被覆膜13をスパッタリングにより作成する被覆膜作成
装置4と、基板被覆膜13の上に下地膜14、磁性膜1
2及び保護膜15を連続形成する主成膜装置5と、磁性
膜12の上に潤滑膜16を作成する潤滑膜作成装置6と
から主に形成されている。
【0019】まず、テクスチャ形成装置2について説明
する。図5は、図4に示すテクスチャ形成装置2の概略
構成を示す図である。図5に示すように、テクスチャ形
成装置2は、基板11を保持する保持具21と、保持具
21を介して基板11を回転させる回転機構22と、基
板11の表面に接触する接触板23と、接触板23の表
面に形成された不図示の微細突起と、接触板23の基板
11の表面に対する接触圧力を調節する調圧機構24と
から主に構成されている。
【0020】保持具21は、基板11の中央の開口の縁
の部分で基板11を保持するようになっている。回転機
構22は、保持具21を構成する保持軸を回転させるこ
とにより基板11と同軸の回転軸の周りに基板11を回
転させるようになっている。微細突起は、粒径0.1〜
0.2μm程度のダイヤモンド粒子を接触板23の表面
に多数固定することで形成されている。固定の方法とし
ては、ダイヤモンド粒子を均一に散在させたスラリーを
板材の上に盛り、焼結等の方法により固化させる方法が
挙げられる。調圧機構24には、トルクモータを使用し
た前後移動機構等が採用できる。トルクモータの出力ト
ルクを調節して、接触板23の基板11の表面に対する
接触圧力を調整する。尚、接触板23は、基板11の表
面に接触した際に基板11と一緒に回転しないようにな
っている。
【0021】保持具21により基板11を保持した状態
で、接触板23を基板11の表面に接触させる。調圧機
構24により接触圧力を調整しながら、回転機構22に
より基板11を回転させる。この結果、接触板23の表
面の微細突起により基板11の表面が削られ、基板11
の表面に前述したようなテクスチャ17が形成される。
尚、接触板23及び調圧機構24は、基板11の両側に
設けられており、基板11の両面に同時にテクスチャ1
7を形成できるようになっている。また、上記以外の構
成として、ダイヤモンド粒子を均一に散在させたスラリ
ーを間に挟んで押し付け板を基板11の表面に押し付
け、この状態で基板11を回転させる構成も採用し得
る。
【0022】洗浄装置3は、テクスチャ17の形成の際
に付着したゴミ等を除去するものである。テクスチャ1
7形成の際、削り取られた基板11の材料は、微粒子と
なって基板11の表面に付着していることがある。この
ような微粒子が付着したまま基板被覆膜13作成等の後
工程を行うと、基板被覆膜13等の付着性が低下した
り、膜に微小な突起が形成される等の形状欠陥が生じた
り、磁気特性等が阻害されたりする問題がある。このた
め、洗浄装置3によって洗浄するようにしている。
【0023】洗浄装置3としては、純水等の洗浄液を溜
めた洗浄槽と、洗浄後に基板11を乾燥させる乾燥槽等
から構成されている。基板11は、不図示の容器に複数
収容され、洗浄槽内の洗浄液に浸けられて洗浄される。
必要に応じて、洗浄液を加熱したり、超音波等の振動を
洗浄液を介して基板11に与えたりする構成が付加され
る。
【0024】被覆膜作成装置4の構成について、図6を
使用して説明する。図6は、図4に示す被覆膜作成装置
4の平面断面概略図である。被覆膜作成装置4は、真空
チャンバーである被覆膜作成チャンバー41と、被覆膜
作成チャンバー41内を排気する排気系42と、被覆膜
作成チャンバー41内にスパッタ用ガスを導入するガス
導入系43と、被覆膜作成チャンバー41内の空間に被
スパッタ面を露出させて設けたターゲット44と、ター
ゲット44にスパッタ放電用の電圧を印加するスパッタ
電源45と、マグネトロンスパッタリングを行うために
ターゲット44の背後に設けられた磁石機構46とから
主に構成されている。
【0025】被覆膜作成チャンバー41には、ゲートバ
ルブ40を介して不図示のロードロックチャンバー及び
不図示のプリヒートチャンバーが接続されている。プリ
ヒートチャンバーは、成膜に先だって基板11を所定温
度まで加熱するものである。プリヒートチャンバーは、
輻射加熱ランプ等により基板11を加熱するよう構成さ
れる。
【0026】ガス導入系43は、アルゴン等のスパッタ
率の高いガスを所定の流量で導入するようになってい
る。ターゲット44は、作成する基板被覆膜13の材料
より成る。ニッケル燐膜を基板被覆膜13として作成す
る場合にはニッケル燐製のターゲット44が使用される
し、ニッケル硼素膜を作成する場合には、ニッケル硼素
製のターゲット44が使用される。
【0027】磁石機構46は、中心磁石461と、中心
磁石461を取り囲む周辺磁石462と、両者をつなぐ
ヨーク463とからなる構成である。中心磁石461と
周辺磁石462とにまたがるように設定される磁力線は
ターゲット44を貫き、ターゲット44の表面と磁力線
とによって閉空間が設定される。この閉空間内に電子が
閉じこめられるため、高効率のスパッタ放電が達成さ
れ、高速のスパッタリングが可能となる。尚、ターゲッ
ト44、スパッタ電源45、磁石機構46の組は、基板
11を挟んで両側に設けられている。これは、基板11
の両面に同時に成膜するためである。
【0028】また、被覆膜作成チャンバー41と大気側
との間の基板11の搬入搬出には、基板11を保持する
基板キャリアが使用される。基板キャリアの構成として
は、特開平11−91945号公報及び特開平11−9
1946号公報に開示された構成を採用することが可能
である。また、基板11を保持した基板キャリアの移動
のための構成としては、特開平8−274142号公報
に開示された構成を採用することができる。
【0029】図6において、不図示の基板キャリアに基
板11を載せ、大気側から不図示のロードロックチャン
バーを経由して不図示のプリヒートチャンバーに搬送す
る。プリヒートチャンバーで、基板11を100〜15
0℃程度まで加熱した後、ゲートバルブ40を通して被
覆膜作成チャンバー41内に搬送する。ゲートバルブ4
0を閉じた後、ガス導入系43によってスパッタ用ガス
を所定の流量で導入し、排気系42によって被覆膜作成
チャンバー41内を所定の圧力に維持する。この状態で
スパッタ電源45(負の直流電圧又は高周波電圧)を動
作させ、スパッタ放電を生じさせる。スパッタ放電の過
程でターゲット44から弾き出されたターゲットの材料
の粒子(スパッタ粒子)は、基板11の表面に達する。
スパッタ粒子の到達が重なって薄膜に成長し、基板11
の表面に基板被覆膜13が作成される。
【0030】次に、主成膜装置5は、スパッタリングに
より下地膜14と磁性膜12とを作成するとともに、C
VDによって保護膜15を作成する構成となっている。
主成膜装置5は、不図示のロードロックチャンバーと、
下地膜作成チャンバーと、磁性膜作成チャンバーと、保
護膜作成チャンバー等をゲートバルブを介して気密に接
続したインライン式の装置である。このような装置の構
成には、特開平11−229150号公報の開示を採用
することができる。尚、保護膜作成チャンバーは、スパ
ッタリングにより保護膜15を作成するよう構成するこ
とも可能である。
【0031】また、潤滑膜作成装置6としては、本実施
形態では、真空蒸着により潤滑膜16を作成する構成が
採用されている。具体的には、潤滑膜作成装置6は、真
空チャンバーである潤滑膜作成チャンバーと、潤滑膜作
成チャンバー内に設けられているとともに潤滑剤を溜め
た坩堝と、坩堝内の潤滑剤を加熱して蒸発させる加熱源
等から構成されている。
【0032】次に、磁気記録ディスクの製造方法の発明
の実施形態の説明も兼ねて、上記製造システムの全体の
動作について説明する。まず、前述したように、ガラス
製の基板11の両面にテクスチャ形成装置2によってテ
クスチャ17を形成する。そして、この基板11を洗浄
装置3において洗浄し、乾燥させる。次に、被覆膜作成
装置4において、基板11の表面に基板被覆膜13をス
パッタリングにより作成する。その後、主成膜装置5に
おいて、下地膜14、磁性膜12、保護膜15を順次作
成する。そして、潤滑膜作成装置6において、保護膜1
5の上に潤滑膜16を作成することで、一連の製造プロ
セスが終了する。
【0033】上記構成に係る本実施形態の磁気記録ディ
スク及び磁気記録ディスクの製造方法並びに製造システ
ムによれば、ガラス製の基板11を使用しているので、
情報の記録や読み出しの際の高速回転時にも基板11の
形状変化が極めて少なく、高信頼性の磁気記録ディスク
が提供される。その上、ガラス製の基板11そのものに
テクスチャ17を形成しているので、金属系の薄膜を削
ってテクスチャ17を形成する際の諸問題とは無縁であ
る。即ち、テクスチャ17の形状が不均一となって磁気
特性が不均一となったり、磁気ヘッドの衝突が頻発した
りするような問題が無い。また、基板被覆膜13がスパ
ッタリングにより作成されるので、テクスチャ17の形
状が充分に維持される。このため、磁気異方性の確保に
よる磁気記録の信頼性向上が充分に期待される。
【0034】上述した説明では、情報記録ディスクの例
としてハードディスクが主に採り上げられたが、フレキ
シブルディスクやZIPディスクのような他の磁気記録
ディスクについても同様に実施できる。尚、本願発明が
対象とする磁気記録ディスクには、光磁気ディスクのよ
うな磁気の作用とともに磁気以外の作用を利用するもの
も含まれる。
【0035】
【発明の効果】以上説明した通り、本願の各請求項の発
明によれば、ガラス製の基板を使用しているので、高速
回転時にも形状変化が極めて少なく、高信頼性の磁気記
録ディスクが提供される。その上、ガラス製の基板その
ものにテクスチャを形成しているので、金属系の薄膜を
削ってテクスチャを形成する際の諸問題とは無縁であ
る。また、請求項2、4、6の発明によれば、上記効果
に加え、基板被覆膜がスパッタリングにより作成される
ので、テクスチャの形状が充分に維持される。このた
め、磁気異方性の確保による磁気記録の信頼性向上が充
分に期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の磁気記録ディスクの実施形態の概略
構成を示す断面図である。
【図2】基板11の表面に形成されたテクスチャ17の
構成について説明する断面概略図である。
【図3】基板11の表面に形成されたテクスチャ17の
構成について説明する斜視概略図である。
【図4】本願発明の実施形態の磁気記録ディスクの製造
システムの構成を示す概略図である。
【図5】図4に示すテクスチャ形成装置2の概略構成を
示す図である。
【図6】図4に示す被覆膜作成装置4の平面断面概略図
である。
【符号の説明】
11 基板 12 磁性膜 13 基板被覆膜 14 下地膜 15 保護膜 16 潤滑膜 17 テクスチャ 2 テクスチャ形成装置 3 洗浄装置 4 被覆膜作成装置 5 主成膜装置 6 潤滑膜作成装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 直樹 東京都府中市四谷5丁目8番1号アネルバ 株式会社内 Fターム(参考) 5D006 CB04 CB07 CB08 DA03 EA03 FA09 5D112 AA02 AA11 AA24 BA03 BA05 FA04 GA02 GA09

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスク状の基板と、基板に設けられた
    記録層用の磁性膜とから成る磁気記録ディスクにおい
    て、 前記基板はガラス製であって、その表面には、前記磁性
    膜に磁気異方性を与える形状であるテクスチャが形成さ
    れているとともに、このテクスチャを覆うようにして基
    板被覆膜が作成されており、前記磁性膜は、この基板被
    覆膜の上に作成されたものであることを特徴とする磁気
    記録ディスク。
  2. 【請求項2】 前記基板被覆膜は、ニッケル燐又はニッ
    ケル硼素から成るものであり、スパッタリングにより作
    成されたものであることを特徴とする請求項1記載の磁
    気記録ディスク。
  3. 【請求項3】 ディスク状の基板に記録層用の磁性膜を
    設けた構造の磁気記録ディスクの製造方法であって、 前記磁性膜に磁気異方性を与える形状であるテクスチャ
    を前記基板の表面に形成する工程と、このテクスチャを
    覆うようにして基板被覆膜を作成する工程と、この基板
    被覆膜の上に、前記磁性膜を含む薄膜を作成する工程と
    から成ることを特徴とする磁気記録ディスクの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記基板被覆膜は、ニッケル燐又はニッ
    ケル硼素から成るものであり、基板被覆膜がスパッタリ
    ングにより作成されることを特徴とする請求項3記載の
    磁気記録ディスクの製造方法。
  5. 【請求項5】 ディスク状の基板に記録層用の磁性膜を
    設けた構造の磁気記録ディスクの製造システムであっ
    て、 前記磁性膜に磁気異方性を与える形状であるテクスチャ
    を前記基板の表面に形成するテクスチャ形成装置と、テ
    クスチャを覆うようにして基板被覆膜を作成する被覆膜
    作成装置と、基板被覆膜の上に、前記磁性膜を含む薄膜
    を作成する主成膜装置とから成ることを特徴とする磁気
    記録ディスクの製造システム。
  6. 【請求項6】 前記被覆膜作成装置は、ニッケル燐又は
    ニッケル硼素から成る基板被覆膜をスパッタリングによ
    り作成するものであることを特徴とする請求項5記載の
    磁気記録ディスクの製造システム。
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