JP2001356316A - 投影型画像表示装置 - Google Patents

投影型画像表示装置

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JP2001356316A JP2000181290A JP2000181290A JP2001356316A JP 2001356316 A JP2001356316 A JP 2001356316A JP 2000181290 A JP2000181290 A JP 2000181290A JP 2000181290 A JP2000181290 A JP 2000181290A JP 2001356316 A JP2001356316 A JP 2001356316A
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Hiroshi Hamada
浩 浜田
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岳 柴谷
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】明るく、高解像度で均一な表示を実現し、かつ
小型化および低コスト化に適した表示装置の提供。 【解決手段】光源1と、各々が光を変調可能な複数の画
素領域を有する画像表示パネル8と、光源からの光を波
長域に応じて対応する画素領域に集光させる光制御手段
4,5,6と、画像表示パネルで変調された光で被投影面13
上に画像を形成する光学系9,11とを備えた表示装置にお
いて、各フレーム画像のデータから複数のサブフレーム
画像のデータを生成し、画像表示パネルによって複数の
サブフレーム画像を時分割で表示させる回路と、サブフ
レーム画像を被投影面上でシフトさせる画像シフト素子
11とを備える。サブフレームの表示切替は画像表示パネ
ルの線走査によって行い、画像シフト素子によるシフト
動作を前記切替に同期させて実行することで、画像表示
パネルの異なる画素領域で変調された異なる波長域に属
する光で被投影面上の同一領域を順次照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像表示装置に関
し、特にカラーフィルタを用いずに1枚の画像表示パネ
ルを用いてカラー表示を行うことができる単板式投影型
画像表示装置に関している。本発明は、コンパクトな投
影型カラー液晶テレビジョンシステムや情報表示システ
ムに好適に用いられ得る。
【0002】
【従来の技術】液晶表示パネルを用いた従来の投影型画
像表示装置を説明する。
【0003】このような投影型画像表示装置は、液晶表
示パネル自体が発光しないため、別に光源を設ける必要
があるが、CRTを用いた投影型画像表示装置と比較す
ると、色再現範囲が広い、小型、軽量、コンバージェン
ス調整が不用などの非常に優れた特徴を持っている。
【0004】液晶表示パネルを用いた投影型画像表示装
置によってフルカラー表示を行うには、3原色に応じて
液晶表示パネルを3枚用いる3板式と、1枚のみを用い
る単板式がある。
【0005】3板式の投影型画像表示装置では、白色光
を赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色それぞ
れに分割する光学系と、R、G、およびB色の光をそれ
ぞれ変調して画像を形成する3枚の液晶表示パネルとを
用い、R、G、およびB色の各々の画像を光学的に重畳
することによってフルカラーの表示を実現している。
【0006】3板式の投影型画像表示装置では、白色光
源から放射される光を有効に利用できるが、光学系が繁
雑で部品点数が多くなってしまうため、一般に、コスト
およびサイズの観点で単板式の投影型画像表示装置より
も不利である。
【0007】単板式の投影型画像表示装置は、モザイク
状またはストライプ状に配列した3原色のカラーフィル
タを備えた1枚の液晶表示パネルを用いる。そして、液
晶表示パネルで表示したフルカラー画像を投影光学系に
よってスクリーンなどの被投影面に投影する。このよう
な単板式の投影型画像表示装置は、例えば特開昭59−
230383号公報に記載されている。単板式の場合、
1枚の液晶表示パネルを用いるので、光学系も3板式の
場合に比較して単純な構成で済み、小型の投影型画像表
示装置を低コストで提供するの適している。
【0008】しかし、カラーフィルタを用いる単板式の
場合、カラーフィルタでの光吸収が発生するため、同等
の光源を用いた3板式の場合と比較して画像の明るさが
約1/3に低下してしまう。また、液晶表示パネルの
R、G、Bに対応する3つの画素領域が1組となって1
画素の表示を行う必要があるため、画像の解像度も3板
式の解像度の1/3に低下してしまう。
【0009】光源を明るくすることは明るさ低下に対す
る1つの解決法であるが、民生用として使用する場合、
消費電力の大きな光源を用いることは好ましくない。ま
た、吸収タイプのカラーフィルタを用いる場合、カラー
フィルタに吸収された光のエネルギーは熱に変わるた
め、いたずらに光源を明るくすると、液晶表示パネルの
温度上昇を引き起こすだけでなく、カラーフィルタの退
色が加速される。したがって、与えられた光をいかに有
効に利用するかが、投影型画像表示装置の利用価値を向
上させる上で重要な課題である。
【0010】単板式投影型画像表示装置による画像の明
るさを向上させるため、カラーフィルタなしでフルカラ
ー表示を行う液晶表示装置が開発されている(特開平4
−60538号公報)。この液晶表示装置では、光源か
ら放射された白色光をダイクロイックミラーのような誘
電体ミラーによってR、G、Bの各光束に分割し、液晶
表示パネルの光源側に配置されたマイクロレンズアレイ
に異なった角度で入射させる。マイクロレンズに入射し
た各光束は、マイクロレンズを透過することによって、
入射角に応じて対応する画素領域に集光される。このた
め、分離されたR、G、Bの各光束は、別々の画素領域
で変調され、フルカラー表示に用いられる。
【0011】上記の誘電体ミラーを用いる代わりに、
R、G、B光に対応する透過型のホログラム素子を用い
て光利用率向上を図った表示装置が特開平5−2493
18号公報に開示され、画素ピッチに対応した周期的構
造を透過型ホログラム素子に持たせ、誘電体ミラーおよ
びマイクロレンズの機能を与えた装置が特開平6−22
2361号公報に開示されている。
【0012】単板式のもう1つの課題である解像度につ
いては、フィールド順次方式を採用することによって1
枚の液晶表示パネルで3板式と同等の解像度を得ること
ができる。フィールド順次方式では、人間の視覚で分解
できない速さで光源の色の切替えを行うことにより、時
分割表示される各画像の色が加法混色によって構成され
る現象(継続加法混色)を利用する。
【0013】フィールド順次方式でフルカラー表示を行
う投影型画像表示装置は、例えば、図41に示す構成を
有している。この表示装置では、R、G、Bのカラーフ
ィルタから構成された円盤を液晶表示パネルの垂直走査
周期に合わせて高速に回転させ、カラーフィルタの色に
対応した画像信号を液晶表示パネルの駆動回路に順次入
力する。人間の目には、各色に対する画像の合成像が認
識される。
【0014】このようなフィールド順次方式の表示装置
によれば、単板方式と異なり、液晶表示パネルの各画素
でR、G、B画像を時分割で表示するため、その解像度
は3板式と同等レベルになる。
【0015】フィールド順次方式の他の表示装置とし
て、R、G、Bの各々の光束で液晶表示パネルの異なる
領域を照射する投影型画像表示装置がIDW’99(P
989〜P992)に開示されている。この表示装置で
は、光源から放射された白色光を誘電体ミラーによって
R、G、Bの光束に分離し、R、G、Bの各々の光束で
液晶表示パネルの異なる領域を照射する。液晶表示パネ
ルに対するR、G、Bの光照射位置は、キューブ状のプ
リズムを回転させることによって順次切り換えられる。
【0016】また、特開平9−214997号公報に記
載されている投影型画像表示装置では、上記の特開平4
−60538号公報に記載されている液晶表示装置と同
様の液晶表示装置を用い、同様の方法で白色光を色毎の
光束に分割し、各光束を異なった角度で画素領域に入射
させている。この投影型画像表示装置では、光利用効率
の向上と高解像度化の両立を実現するために、各フレー
ム画像を複数のサブフレーム画像に時分割し、液晶表示
パネルの垂直走査周期に同期させて光束の入射角度を周
期的に切り換えている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特開平4−60538号公報、特開平5−249318
号公報、および特開平6−222361号公報等に記載
されている装置によれば、確かに明るさは改善される
が、解像度は3板式の1/3のままである。その理由
は、1つの画素(ドット)を表示するのに空間的に分離
されたR、G、およびB用の3つ画素を1組として用い
るためである。
【0018】これに対して、通常のフィールド順次方式
の場合は解像度が3板式の解像度と同等レベルに改善さ
れる。しかし、画像の明るさに関しては、従来の単板式
と同様の問題を有している。
【0019】一方、IDW’99に記載されている上記
の表示装置の場合、R、G、Bの光照射位置を相互に重
複させないようにする必要があるが、そのためには平行
度が非常に優れた照明光を必要とする。従って、照明光
の平行度の規制によって光の利用効率が低下してしまう
ことになる。
【0020】以上のように、上述した従来技術では、何
れも、単板式の課題である明るさおよび解像度の両方を
改善させることは実現していない。
【0021】本出願人は、上記の課題を解決することを
意図した投影型画像表示装置を特開平9−214997
号公報に開示している。特開平9−214997号公報
に開示した表示装置によれば、液晶パネルに対する光束
の入射角度を液晶パネルの垂直走査周期に同期させて順
次切り換える必要がある。この装置では、このような切
替えを行うため、液晶表示パネルと光源との間に特別の
スペースを確保し、そこで2組のホログラム素子やミラ
ーを駆動する必要がある。
【0022】このような表示装置では、入射光角度の切
替えを行うために複数の可動部が必要であり、その制御
が複雑になる。また、液晶表示パネルの各画素が全ての
色を順次表示するため、液晶表示パネルで色別の調整を
行うことができない。
【0023】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、その主な目的は、明るく、高解像度で均一な表
示を実現し、かつ小型化および低コスト化に適した投影
型画像表示装置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明による投影型画像
表示装置は、光源と、各々が光を変調することができる
複数の画素領域を有する画像表示パネルと、前記光源か
らの光を波長域に応じて前記複数の画素領域のうちの対
応する画素領域に集光させる光制御手段と、前記画像表
示パネルで変調された光によって被投影面上に画像を形
成する光学系とを備えた投影型画像表示装置であって、
前記画像を構成する各フレーム画像のデータから複数の
サブフレーム画像のデータを生成し、前記画像表示パネ
ルによって前記複数のサブフレーム画像を時分割で表示
させる回路と、前記画像表示パネルによって表示される
前記複数のサブフレーム画像のうち選択されたサブフレ
ーム画像を前記被投影面上でシフトさせる画像シフト素
子とを備え、前記サブフレームの表示の切り替えは前記
画像表示パネルの線走査によって行い、しかも、前記画
像シフト素子によるシフト動作を前記切り替えに同期さ
せて実行することにより、前記画像表示パネルの異なる
画素領域で変調された異なる波長域に属する光で前記被
投影面上の同一領域を順次照射する。
【0025】ある好ましい実施形態において、前記被投
影面上における前記サブフレームのシフト方向は、前記
画像表示パネルの走査方向と同一である。
【0026】他の好ましい実施形態において、前記被投
影面上における前記サブフレームのシフト方向は、前記
画像表示パネルの走査方向と一致していない。
【0027】前記被投影面上における前記サブフレーム
のシフト量は、前記被投影面上において前記シフトの方
向に沿って測定した画素ピッチの略整数倍であることが
好ましい。
【0028】ある好ましい実施形態において、前記画像
シフト素子は、前記画像表示パネルによって変調された
光の経路を屈折によってシフトさせる屈折部材と、前記
画像表示パネルによって変調された光に対する前記屈折
部材の相対的位置関係を周期的に変化させる駆動装置と
を備えており、前記屈折部材は、前記光の経路のシフト
量が異なる複数の領域から構成されている。
【0029】ある好ましい実施形態において、前記屈折
部材は、屈折率および厚さの少なくとも一方が異なる複
数の透明領域を有する回転板から構成され、前記画像表
示パネルによって変調された光の経路を斜めに横切る配
置で回転可能に支持されており、前記駆動装置は、前記
回転板の複数の透明領域が前記光の経路を順次横切るよ
うに前記回転板を回転させる。
【0030】前記複数の透明領域の各境界が前記光の経
路を横切るタイミングは、前記サブフレームの表示の切
り替えのタイミングと同期していることが好ましい。
【0031】ある好ましい実施形態において、前記屈折
部材は、屈折率および厚さの少なくとも一方が異なる複
数の透明領域を有する透明板から構成され、前記画像表
示パネルによって変調された光の経路を斜めに横切る配
置で移動可能に支持されており、前記駆動装置は、前記
透明板の複数の透明領域が前記光の経路を順次横切るよ
うに前記透明板を移動させる。
【0032】前記複数の透明領域の各境界が前記光の経
路を横切るタイミングは、前記サブフレームの表示の切
り替えのタイミングと同期していることが好ましい。
【0033】ある実施形態において、前記複数の透明領
域の各境界は前記画像表示パネルの線走査の進行方向に
対して垂直である。
【0034】ある実施形態において、前記回転板または
透明板の主面と光軸との間の角度が45°以上88°以
下の範囲に設定されている。
【0035】前記被投影面上において、前記サブフレー
ム画像の表示領域が増加する速度と前記画像シフト素子
によるシフト領域が増加する速度とが一致していること
が好ましい。
【0036】前記画素領域の各行について、走査開始と
前記画像シフト素子による光路シフト開始との間の時間
間隔を可変とするようにしても良いし、予め設定されて
いてもよい。
【0037】ある実施形態においては、前記画素領域の
各行について、前記画像シフト素子による光路シフトの
開始を走査開始よりも遅れて実行する。
【0038】ある実施形態において、前記屈折部材は、
前記複数の領域のうちの隣接する2つの領域の間に遮光
領域を有している。
【0039】ある実施形態において、前記複数の透明領
域のうちの少なくとも2つの透明領域の各々は、連続す
る2つのサブフレーム画像に対応している。
【0040】前記屈折部材の前記複数の領域における光
路長の差を補償する補正素子を有していることが好まし
い。
【0041】ある実施形態において、前記画像シフト素
子は、前記画像表示パネルによって変調された光の経路
をシフトさせる少なくとも1つの光学装置を有してお
り、前記光学装置は、光の偏光方向を変調する第1の素
子と、光の偏光方向によって屈折率の異なる第2の素子
とを有している。
【0042】前記画像シフト素子は、前記画像表示パネ
ルによって変調された光の経路をシフトさせる少なくと
も1つの光学装置を有しており、前記光学装置は、偏光
光に対して2以上の異なる屈折率を示す液晶層と、前記
液晶層を挟む2枚の基板とを有しており、前記2枚の基
板のいずれか一方の基板の液晶側表面には、微小プリズ
ムまたは回折格子が形成されている。
【0043】ある実施形態において、前記微小プリズム
または回折格子は、前記2以上の屈折率のうちの少なく
とも1つの屈折率と実質的に等しい屈折率を持つ材料か
ら形成されている。
【0044】
【発明の実施の形態】本発明では、例えばカラーフィル
ターを用いない単板式の投影型画像表示装置において、
画像を構成する各フレーム画像のデータから複数のサブ
フレーム画像のデータを生成し、画像表示パネルによっ
て複数のサブフレーム画像を時分割で表示させる。そし
て、これらのサブフレーム画像を被投影面上で順次シフ
トさせることにより、画像表示パネルの異なる画素領域
で変調された異なる波長域に属する光(R、G、B光)
で被投影面上の同一領域を順次照射し、それよって高解
像度のフルカラー表示を実現する。
【0045】本発明の場合、被投影面上で1つの画素に
相当する特定の領域に着目すると、或るサブフレームの
表示期間(以下、「サブフレーム期間」と称する)にお
いて、その特定領域は例えば赤色の光(R光)で照射さ
れるが、次のサブフレーム期間においては緑色の光(G
光)で照射され、更に次のサブフレーム期間において
は、青色の光(B光)で照射されることになる。このよ
うに本発明によれば、被投影面上の各画素の色が、R、
G、およびB光の時分割照射によって規定される。
【0046】従来のフィールド順次方式による投影型カ
ラー画像表示装置と本発明との間には、以下に述べるよ
うな著しい相違点がある。
【0047】従来のフィールド順次方式の場合は、R、
G、およびB光で交互に画像表示パネルを照らす。した
がって、或る1つのサブフィールド期間においては、
R、G、およびB光のいずれか1つの光で画像表示パネ
ルの全画素領域が照射されることになる。その結果、被
投影面上の各サブフレーム画像は、R、G、およびB光
のうちの1色からなる画素によって構成されるが、R画
像用サブフレーム、G画像用サブフレーム、およびB画
像用サブフレームが人間の視覚の時間分解能以下の短い
時間単位で時分割表示されるため、残像によって人間の
目にはカラー画像が認識される。
【0048】これに対し、本発明で用いるサブフレーム
画像のそれぞれは、後に詳述するように、R、G、およ
びB光の組み合わせによって構成される。すなわち、或
る1つのサブフレーム期間において、被投影面は、画像
表示パネルで変調されたR、G、およびB光によって照
らされる。画像表示パネルによって変調されたR、G、
およびB光は、それぞれ、サブフレーム期間毎に被投影
面の異なる位置を照射し、時間的に合成され、フルカラ
ーのフレーム画像を表示する。
【0049】本発明では、このようなR、G、およびB
光の時間的合成を画像シフト素子によって行う。この画
像シフト素子は、画像表示パネルと被投影面との間に配
置され、画像表示パネルによって変調された光の経路
(光路)を周期的・規則的に変化させる。
【0050】本発明の適用範囲は投影型画像表示装置に
限定されず、ビュワーやヘッド・マウント・ディスプレ
イなどの直視型画像表示装置にも好適に適用されるが、
以下においては、投影型の画像表示装置を例にとり、本
発明の好ましい実施形態を説明する。
【0051】まず、図1を参照しながら第1の実施形態
にかかる装置構成を説明する。
【0052】(実施形態1)本実施形態の投影型画像表
示装置は、光源1と、液晶表示パネル8と、光源1から
の光を波長域に応じて液晶表示パネル8の対応する画素
領域に集光させる光制御手段と、液晶表示パネル8によ
って変調された光を被投影面上に投射する投影光学系と
を備えている。
【0053】この投影型画像表示装置は、更に、光源1
から後方に出た光(白色光)を前方に反射する球面鏡2
と、光源1および球面鏡2からの光を平行光束にするコ
ンデンサーレンズ3と、この光束を波長域に応じて複数
の光束に分離するダイクロイックミラー4〜6を備えて
いる。ダイクロイックミラー4〜6によって反射された
光は、波長域に応じて異なる角度でマイクロレンズアレ
イ7に入射する。マイクロレンズアレイ7は液晶表示パ
ネル8の光源側基板に取りつけられており、異なる角度
でマイクロレンズ7に入射した光は、それぞれ異なる位
置の対応する画素領域に集められる。
【0054】本投影型画像表示装置の投影光学系は、フ
ィールドレンズ9および投影レンズ11から構成されて
おり、液晶表示パネル8を透過した光束12をスクリー
ン(被投影面)13に投射する。本実施形態では、フィ
ールドレンズ9と投影レンズ11との間に、画像シフト
素子10が配置されている。図1には、画像シフト素子
10によって被投影面に平行な方向にシフトされた光束
12a、12bが示されている。光束のシフトを行うに
は、画像シフト素子10は液晶表示パネル8とスクリー
ン13との間の何れかの位置に挿入されていればよく、
投影レンズ11とスクリーン13との間に配置されてい
ても良い。
【0055】次に、本投影型画像表示装置の各構成要素
を順番に説明する。
【0056】本実施形態においては、光源1として、光
出力150W、アーク長5mm、アーク径2.2mmの
メタルハライドランプを用い、このランプをアーク長方
向が図面の紙面と平行となるように配置している。光源
1としては、メタルハライドランプ以外に、ハロゲンラ
ンプ、超高圧水銀ランプ、またはキセノンランプ等を用
いてもよい。本実施形態で使用する光源1は、三原色に
対応する3つの波長域の光を含む白色光を放射する。
【0057】光源1の背面には球面鏡2が配置され、光
源1の前面には口径80mmφ、焦点距離60mmのコ
ンデンサーレンズ3が配置されている。球面鏡2は、そ
の中心が光源1の発光部の中心と一致するように配置さ
れており、コンデンサーレンズ3は、その焦点が光源1
の中心と一致するように配置されている。
【0058】このような配置構成により、光源1から出
射された光は、コンデンサーレンズ3によって平行化さ
れ、液晶表示パネル8を照らすことになる。コンデンサ
ーレンズ3を通過した光の平行度は、例えば、アーク長
方向(図1の紙面に平行な方向)に約2.2°、アーク
径方向に約1°となる。
【0059】本実施形態で使用する液晶表示パネル8
は、光源側の透明基板上にマイクロレンズアレイ7が配
置された透過型液晶表示素子である。液晶の種類や動作
モードは任意であるが、高速動作し得るものであること
が好ましい。本実施形態ではTN(ツイステッド・ネマ
ティック)モードで動作する。液晶表示パネル8には、
光を変調するための複数の画素領域が設けられている
が、本願明細書における「画素領域」とは、画像表示パ
ネルにおいて空間的に分離された個々の光変調部を意味
する。液晶表示パネル8の場合は、個々の画素領域に対
応する画素電極によって液晶層の対応部分に電圧が印加
され、その部分の光学特性が変化することによって光の
変調が行われる。
【0060】この液晶表示パネル8では、例えば768
(H)×1024(V)の走査線がノンインターレース
で駆動される。液晶表示パネル8の画素領域は透明基板
上に二次元的に配列されており、本実施形態の場合、画
素領域のピッチは水平方向に沿って測定した値も垂直方
向に沿って計測した値も26μmである。そして、本実
施形態の場合、R用、G用、B用画素領域は、それぞ
れ、画面の水平方向に沿ってストライプ状に配列され、
各マイクロレンズが3つの画素領域(R用、G用、B用
画素領域)からなるセットに割り当てられている。
【0061】液晶表示パネル8を照射するR、G、およ
びB光は、図1に示すように、光源1から放射された白
色光をダイクロイックミラー4、5、および6によって
分離したものであり、液晶表示パネル8上のマイクロレ
ンズアレイ7へ異なる角度で入射する。R、G、および
B光の入射角度を適切に設定することにより、図2に示
すように、マイクロレンズ7によって各波長域に対応す
る画素領域へ適切に振り分けられる。本実施形態では、
マイクロレンズ7の焦点距離を255μmとし、各光束
がなす角度が5.8度になるように設計している。より
詳細には、R光は液晶表示パネル8に対して垂直に入射
し、B光およびG光は、それぞれ、R光に対して5.8
度の角度で入射する。
【0062】ダイクロイックミラー4、5、および6
は、図3に示すような分光特性を有しており、それぞ
れ、緑色(G)、赤色(R)、および青色(B)の光を
選択的に反射する。G光の波長域は520〜580n
m、R光の波長域は600〜650nm、B光の波長域
は420〜480nmである。
【0063】本実施形態では、3原色の光を対応する画
素領域に集めるためにダイクロイックミラー4〜6およ
びマイクロレンズアレイ7を用いているが、他の光学的
な手段(例えば、光の回折・分光機能を付与された透過
型ホログラム)を用いてもよい。
【0064】前述のように液晶表示パネル8はノンイン
ターレースで駆動されるため、1秒間に60フレームの
画像が表示され、各フレームに割り当てられる時間(フ
レーム期間)Tは1/60秒、すなわち、T=1/60
(秒)≒16.6(ミリ秒)となる。
【0065】なお、インターレースで駆動される場合
は、画面内の走査線を偶数ラインと奇数ラインに分け、
交互に表示していくため、T=1/30(秒)≒33.
3(ミリ秒)となる。また、各フレームを構成する偶数
フィールドおよび奇数フィールドの各々に割り当てられ
た時間(1フィールド期間)は、1/60≒16.6
(ミリ秒)となる。
【0066】本実施形態では、画像を構成する各フレー
ム画像の情報(データ)を逐次フレームメモリに蓄え、
そのフレームメモリから選択的に読み出した情報に基づ
いて複数のサブフレーム画像を順次形成する。以下、サ
ブフレーム画像の形成方法を詳細に説明する。
【0067】例えば、或るフレームの画像(フレーム画
像)が図4(a)に示すような画像であるとする。この
フレーム画像はカラー表示されるべきものであり、各画
素の色は、上記フレーム画像を規定するデータに基づい
て決定される。なお、インターレース駆動の場合は、或
るフィールドの画像が本願明細書における「フレーム画
像」と同様に取り扱われ得る。
【0068】従来の3板式投影型画像表示装置の場合
は、上記データから各画素についてR、G、およびB光
用のデータを分離し、図4(b)、(c)、および
(d)に示すように、R画像用フレーム、G画像用フレ
ーム、およびB画像用フレームの各データを生成する。
そして、R、G、およびB用の3枚の画像表示パネルを
用いて、R画像用フレーム、G画像用フレーム、および
B画像用フレームをそれぞれ同時に表示し、被投影面上
で重畳する。図5(a)は、被投影面13上における或
る特定の画素について、R、G、およびB画像用フレー
ムが重畳されている様子を模式的に示している。
【0069】これに対して、従来の単板式投影型画像表
示装置の場合は、1枚の表示パネルにR、G、およびB
用画素領域が別々の位置に設けられている。そして、
R、G、およびB用データの各々に基づいてR、G、お
よびB用画素領域で光の変調が行われ、被投影面上にカ
ラー画像が形成されることになる。この場合は、被投影
面上において人間の視覚による空間的分解能よりも小さ
な領域内にR、G、およびB光が照射されるため、R、
G、およびB光は相互に空間的に分離されているにもか
かわらず、人間の目には1つの画素が構成されるように
認識される。図5(b)は、被投影面13上における或
る特定の画素について、R、G、およびB光の照射の様
子を模式的に示している。
【0070】以上の従来方式と異なり、本実施形態で
は、1つの画像表示パネル8の異なる画素領域で変調さ
れたR、G、およびB光が被投影面13上の同一領域に
順次照射され、その同一領域に1つの画素を表示する。
すなわち、被投影面13上の任意の画素に注目した場
合、その画素の表示はフィールド順次方式に類似した方
式で実行される。ただし、1つの画素を構成するR、
G、およびB光は、1つの画像表示パネルの異なる画素
領域で変調されたものである点で従来のフィールド順次
方式とは大きく異なる。図5(c)は、被投影面13上
における或る特定の画素について、時分割で照射される
R、G、およびB光が1フレーム期間にわたって合成さ
れる様子を模式的に示している。図5(c)の左側部分
に示されている画面は、1枚の画像表示パネル8におけ
る異なる3つのサブフレーム画像に対応している。
【0071】図5(a)〜(c)から明らかなように、
本実施形態によれば、たった1枚の表示パネルを用いな
がら、3板式と同様の高解像度と明るさでフルーカラー
の表示を実現することができる。
【0072】次に、図6を参照しながらサブフレーム画
像の構成を詳細に説明する。
【0073】図6の左側部分には、R、G、およびB用
フレームメモリに格納されたR、G、およびB画像フレ
ームのデータが示されている。図6の右側部分には、表
示サブフレーム1〜3が示されている。本実施形態によ
れば、或るフレームの最初の3分の1の期間(第1サブ
フレーム期間)において、被投影面上には表示サブフレ
ーム1の画像が被投影面上に表示される。そして、次の
3分の1の期間(第2サブフレーム期間)には、表示サ
ブフレーム2の画像が表示され、最後の3分の1の期間
(第3サブフレーム期間)には、表示サブフレーム3の
画像が表示される。本実施形態では、これら3つのサブ
フレーム画像が図7に示すようにシフトし、時間的にず
れながら合成される結果、人間の目には図4(a)に示
すような原画像が認識されることになる。
【0074】次に、表示サブフレーム1を例にとり、サ
ブフレーム画像のデータ構成を詳細に説明する。
【0075】まず、表示サブフレーム1の第1行画素領
域用データは、図6に示すように、R用フレームメモリ
に記憶されている第1行目画素(R1)に関するデータ
から形成される。表示サブフレーム1の第2行画素領域
用データは、G用フレームメモリに記憶されている第2
行目画素(G2)に関するデータから形成される。表示
サブフレーム1の第3行画素領域用データは、B用フレ
ームメモリに記憶されている第3行目画素(B3)に関
するデータから形成される。表示サブフレーム1の第4
行画素領域用データは、R用フレームメモリに記憶され
ている第4行目画素(R4)に関するデータから形成さ
れる。以下、同様の手順で表示サブフレーム1のデータ
が構成される。
【0076】表示サブフレーム2および3のデータも、
表示サブフレーム1の場合と同様にして構成される。例
えば表示サブフレーム2の場合、第1行画素領域用デー
タは、B用フレームメモリに記憶されている第1行目画
素(B1)に関するデータから形成され、表示サブフレ
ーム2の第2行画素領域用データはR用フレームメモリ
に記憶されている第2行目画素(R2)に関するデータ
から形成される。表示サブフレーム2の第3行画素領域
用データはG用フレームメモリに記憶されている第3行
目画素(G3)に関するデータから形成され、表示サブ
フレーム2の第4行画素領域用データはB用フレームメ
モリに記憶されている第4行目画素(B4)に関するデ
ータから形成される。
【0077】このようにしてR、G、およびB用フレー
ムメモリの各々から読み出したデータを予め設定された
順序で組み合わせることによって、時分割表示されるサ
ブフレームの各々のデータが生成される。この結果、サ
ブフレーム用データの各々は、R、G、およびBの全て
の色に関する情報を含んでいるが、R、G、およびBの
それぞれについて、空間的には全体の3分の1の領域に
関する情報を有しているだけである。より詳細に述べれ
ば、表示サブフレーム1の場合、Rの情報は、図6から
明らかにように、形成すべきフレーム画像の第1、4、
7、10…行の画素に関するものだけである。フレーム
画像の他の行における画素に関するRの情報は表示サブ
フレーム2および3に割り振られている。
【0078】本実施形態では、画像表示パネルの各画素
領域には常に同じ色の情報が表示されることになるが、
各サブフレーム間で画像をシフトさせて投影させること
によって、フレーム画像を合成することができる。な
お、図6からわかるように、画像表示パネルの画素領域
の全行数は、1つのサブフレーム画像を構成する画素の
全行数よりも2行だけ多い。この2行は画像シフトのマ
ージンとして機能する。
【0079】次に、図8および図9を参照しながら、シ
フトした複数のサブフレーム画像が1つのフレーム画像
を合成する様子を説明する。
【0080】まず、図8を参照する。図8(a)は、ス
クリーンなどの被投影面に投影された3枚のサブフレー
ム画像の一部を示す斜視図である。図中の左から順番に
表示サブフレーム1〜3、および合成されたフレーム画
像が模式的に示されている。図8(b)は、画素表示パ
ネルの対応画素領域を示しており、左から順番に、表示
サブフレーム1〜3の対応部分を示している。表示サブ
フレーム1の第3行〜第7行、表示サブフレーム2の第
2行〜第6行、および表示サブフレーム3の第1行〜第
5行が被投影面上で時間的にはズレながらも空間的に重
なりあうことで1枚のフレーム画像が構成される。
【0081】画像表示パネル上のR、G、およびB用画
素領域の位置は、図8(b)に示されるように固定され
ているが、画像表示パネルと被投影面との間に配置され
た画像シフト素子の働きによってサブフレーム画像の光
路がシフトし、図8(a)に示すようなサブフレーム画
像の合成が達成される。
【0082】次に、サブフレーム画像のシフト方法を説
明する。
【0083】本実施形態では、図9に示すような3つの
透明領域A〜Cを有する円盤状ガラス板(屈折部材)2
0から作製した画像シフト素子を採用する。この円盤状
ガラス板20は、屈折率が1.52のBK7ガラスから
形成されており、透明領域Aの厚さは0.7mm、透明
領域Bの厚さは1.1mm、透明領域Cの厚さは1.5
mmに設定されている。このガラス板は、円盤の中心を
軸にして回転可能な状態で支持され、ガラス板の主面が
光軸との間で70.2度の角度を形成するよう配置され
る。図10は、光軸を横切るガラス板の断面を部分的に
模式的に示している。光軸に垂直な面とガラス板の主面
との間の角度をθ、ガラス厚をd、ガラスの屈折率を
gとすると、屈折による光軸のシフト量Δxは下記式
で表現される。
【0084】Δx=d・sinθ(1−cosθ
(ng 2−sin2θ1/2) 本実施形態では、ガラス厚dが透明領域A〜Cの各々で
異なる値を持つように設計されており、ガラス板20の
回転にともなって光軸のシフト量Δxが周期的に変化す
ることになる。
【0085】画像表示パネルで変調された光束は、不図
示の駆動装置(モータなど)によって回転するガラス板
20の透明領域A〜Cのいずれかを透過し、被投影面に
到達する。本実施形態の場合、透明領域Aを透過した光
束の光路に対し、透明領域Bを透過した光束の光路は2
6.1μmだけシフトする。また同様に、透明領域Bを
透過した光束の光路に対し、透明領域Cを透過した光束
の光路は26.1μmだけシフトする。なお、ここでの
シフト量(=26.1μm)は、画像表示パネル上での
シフト量として換算した値であり、画素領域の垂直ピッ
チに相当するように画像シフト素子を設計している。こ
のシフト量は、各透明領域A〜Cの厚さを調節すれば、
他の任意の値に変更することができる。例えば、各透明
領域A〜Cの厚さを1.4倍にすれば、シフト量は2
6.1×1.4μmとなる。
【0086】本実施形態では、光束のシフトΔxが生じ
る方向(シフト方向)が画像の垂直方向と等しいが、光
束のシフト方向は画像の水平方向に等しい場合であって
も、斜め方向であっても良い。重要な点は、シフト量が
画素を単位とする大きさを持ち、各サブフレーム画像の
画素が被投影面上において実質的に重なり合うことにあ
る。言いかえると、被投影面上での画像のシフト量は、
被投影面上でシフト方向に沿って測定した画素ピッチの
略整数倍になればよい。
【0087】光束のシフト方向を画像の例えば水平方向
に等しくする場合、図10のガラス板を光軸中心に90
°回転させ、光束のシフトが画像の水平方向に沿って行
われるようにすれば良い。
【0088】図11は、画像表示パネル8において光を
変調する部分(各画素領域)での電圧印加に対する光透
過率の応答曲線を示している。本実施形態では、各画素
領域は液晶層を電極で挟んだ構造を有しており、液晶の
応答速度は有限であるため、電圧印加を開始した瞬間に
光透過率が最大値に達することはない。すなわち、光透
過率が最大レベルに達し、暗状態から明状態への変化が
完成するのは、電圧印加開始から遅れている。また、電
圧印加の停止時点から光透過率が最小値(ゼロ)に至る
までの間にも時間的な遅れが生じている。
【0089】本実施形態では、図8(b)に示すように
サブフレーム期間毎に異なるサブフレーム画像を画像表
示パネル上に表示する必要がある。もしも、サブフレー
ム画像の表示の切り替えに無視できない時間を要する
と、各サブフレーム期間の最初の部分ではサブフレーム
画像の明るさが不充分となる一方、サブフレーム期間
(電圧印加期間)が終了した後も、しばらくは当該サブ
フレーム画像が不必要に表示されてしまう。そのため、
サブフレーム画像がシフトしても、画像表示パネルの応
答速度の遅さに起因して前のサブフレームの画像が表示
されていたり、次のサブフレームの画像に重なってわず
かに前のサブフレームの画像が表示されたりする。その
ような場合、合成されたフレーム画像には輪郭等に滲み
やゴースト(2重写り)が発生してしまう。
【0090】図12を参照しながら、上記の滲みやゴー
ストが発生する理由を説明する。図12は、第n番目
(nは正の整数)のフレーム画像を構成するサブフレー
ム画像の特定の画素列と、第n+1番目のフレーム画像
を構成するサブフレーム画像の対応する画素列とを模式
的に示している。各画素列が上下しているのは、画像シ
フト素子によってサブフレーム画像の光路が上下にシフ
トしているためである。図12においては、画像表示パ
ネルの応答の遅れに起因して、明状態から暗状態に移行
する時期の遅れた画素が示されている。例えば、第n番
目のフレーム画像を構成する最初のサブフレーム画像に
おいて、明状態にある「B」画素は、次のサブフレーム
では下方に1画素分だけシフトしているが、まだ、完全
に暗状態に変化していない。更に次のサブフレームでは
更に下方に1画素分だけシフトし、完全に暗状態に変化
しているが、このサブフレームでは、その上の「G」画
素がやや明状態を維持している。このような応答の遅れ
が存在すると、図12の白表示の画素(「W」画素)に
隣接した画素、および1画素おいて離れた画素に色づき
が生じてしまう。
【0091】このような画像表示パネルの応答遅れに起
因する色滲みやゴーストの発生を防止するには、画像表
示パネルにおいてサブフレーム画像の切り替えが行われ
るとき、応答遅れが生じている画素領域で変調された光
が被投影面に投影されないようにすれば良い。そのため
には、応答遅れが生じている期間だけ、例えば液晶シャ
ッターやメカニカルシャッターなどの遮光装置を用いて
光路(光源から被投影面までの光路)の一部を一時的に
遮断するか、あるいは光源を一時的に消燈または減燈す
れば良い。
【0092】画像表示パネルの応答が遅れている期間だ
けではなく、画像表示パネルの表示タイミングと画像シ
フトのタイミングとがずれている期間においても、同様
の問題が生じる。そのため、このようなタイミングのず
れが生じている期間、または、タイミングのズレが生じ
る可能性のある期間は、光路を遮断すれば良い。
【0093】なお、上記のような遮光装置を特別に使用
する代わりに、図9の画像シフト素子を改良して画像シ
フト素子自身に「遮光機能」を付与してもよい。例えば
図13に示すように、ガラス板20のうち画像表示パネ
ルの応答遅れ期間やタイミングのズレが生じる期間に光
束を横切る部分に遮光領域21を配置すれば、図12の
色滲みやゴーストの発生を抑制し、より高品位の画像を
得ることができる。扇型遮光領域21の中心角は、画像
表示パネルの応答遅れの大きさ等に応じて決定される。
遮光領域21がガラス板20の全体に占める割合が小さ
いほど、被投影面で表示される画像は明るくなる。
【0094】画像表示パネルの応答が始まってから終了
するまでの期間に対する、画像シフトを開始してから次
の画像シフトを開始するまでの期間の時間軸上における
関係、すなわち、画像シフト期間のタイミングは、例え
ば図11に示すように調節されることが好ましい。すな
わち、画像表示パネルの各画素領域が充分な明るさを示
している期間に同期させて、画像のシフトを行うことが
好ましい。
【0095】本実施形態では、画像表示パネルとしてT
N(ツイステッド・ネマティック)モードの液晶表示パ
ネルを使用しているが、本発明はこれに限定されず、そ
の他の様々なモードの液晶表示パネルを使用しても良
い。より高速で応答することができる表示パネルを採用
すれば、画像シフト素子に設ける遮光領域の面積割合を
小さくすることができるので、より明るい高品位画像を
得ることが可能になる。
【0096】本実施形態の投影型画像表示装置によれ
ば、各フレーム期間に3つのサブフレーム画像を生成
し、それらの画像を光学的にシフトさせながら合成する
ため、従来のカラーフィルタを用いた単板式投影型画像
表示装置と比較して光利用率が大幅に向上し、しかも、
3倍の解像度を実現できる。
【0097】なお、本実施形態では、画像表示パネルと
して透過型の表示パネルを用いているが、図14に示す
ような反射型の液晶表示パネルを用いてもよい。図14
に示す反射型液晶表示パネルは、例えば特開平9−18
9809号公報に開示されている。このような反射型の
画像表示パネルを用いる場合、光源からの白色光をダイ
クロイックミラーで分光する必要が無く、表示パネル上
の透過型ホログラムが白色光をR、G、およびB光に回
折・分光し、対応する画素領域の反射電極(画素電極)
に集光する。画素電極で反射された光は偏光成分の変化
量に応じてホログラムを透過する。このような透過型ホ
ログラムは、R用ホログラフィ・レンズアレイ層、G用
ホログラフィ・レンズアレイ層、およびB用ホログラフ
ィ・レンズアレイ層を積層することによって作製され
る。
【0098】なお、反射型の場合、反射電極の裏面側
(下方)にトランジスタ領域を設けることができるの
で、サブフレーム画像の切り替えを画面一括で行う場合
に好適である。
【0099】このように本発明では、画像表示パネルの
各画素領域には常に同じ色の情報が表示されるが、選択
されたサブフレーム画像をシフトさせて投影させること
により、各画素領域がサブフレーム毎に異なる位置(画
素)の情報を表示することができ、その結果として高い
解像度が実現する。
【0100】(実施形態2)次に、本発明の第2の実施
形態を説明する。
【0101】本実施形態の投影型画像表示装置も、基本
的に第1の実施形態と同様の構成を有しており、主な相
違点は、サブフレーム画像のシフト方法にある。従っ
て、以下においては、この相違点のみを説明する。
【0102】実施形態1の場合は、図12に示すように
第n+1番目(nは正の整数)のフレーム画像を構成す
るサブフレーム画像をシフトさせる方向は、第n番目の
フレーム画像を構成するサブフレーム画像をシフトさせ
る方向と同一であるが、本実施形態では、図15に示す
ように第n+1番目のフレーム画像を構成するサブフレ
ーム画像をシフトさせる方向は、第n番目のフレーム画
像を構成するサブフレーム画像をシフトさせる方向と反
対である。すなわち、第n番目フレームでは、サブフレ
ーム画像を下方向にシフトさせ、第n+1番目フレーム
では、サブフレーム画像を上方向にシフトさせる。しか
も、本実施形態では、第n+1番目フレームの最初のサ
ブフレーム画像と、第n番目フレームの最後のサブフレ
ーム画像とが被投影面の同一位置に投影される。
【0103】また、本実施形態では、画像シフトの1周
期が2フレーム期間に等しくなっており、しかも、その
2フレーム期間内に画像シフトは4回しか生じていな
い。このため、画像表示パネルの応答遅れや画像シフト
のタイミングのズレに起因して生じ得る画質劣化を低減
することができる。また、隣接画素以外に色づく画素が
なくなり、色づく画素の発生するサブフィールドも実施
形態1の場合に比較して3分の2に減少し、ゴーストが
発生することもなくなるこのように、フレームの切替え
時にサブフレーム画像をシフトさせないようにするため
には、各フレーム内の最後のサブフレームと次のフレー
ムにおける最初のサブフレームとで、画像シフト素子に
よる光束への作用を同一条件にするか、画像シフト素子
の動きを停止すればよい。
【0104】このような画像シフトを行うための画像シ
フト素子の一例を図16に示す。この画像シフト素子
は、透明領域A〜Fを有するガラス板22を備えてい
る。透明領域EおよびFは、屈折率1.49のFK5ガ
ラスから形成され、透明領域AおよびDは屈折率1.5
7のBaK4ガラスから形成され、透明領域BおよびC
は屈折率1.64のSF2ガラスから形成されている。
各透明領域の厚さは、いずれも2.0mmである。
【0105】このような構成の円盤状ガラス板22を主
面が光軸に対して65度の角度をなすようにする。そし
て、各透明領域が光路を横切るタイミングを、それに対
応するサブフレームに切り替わるタイミングと同期させ
てガラス板22を回転する。こうすることにより、透明
領域EおよびFに対して、透明領域AおよびDでは3
4.0μmだけ光路がシフトし、透明領域AおよびDに
対して透明領域BおよびCでは26.6μmだけ光路が
シフトする。
【0106】透明領域Fが例えば図15に示す第nフレ
ームの最初のサブフレームに対応しているとする。この
場合、透明領域Aは第nフレームの次のサブフレームに
対応し、透明領域Bは、第nフレームの最後のサブフレ
ームに対応する。そして、透明領域Cは第n+1フレー
ムの最初のサブフレームに対応し、透明領域Dは第n+
1フレームの次のサブフレームに対応し、透明領域Eは
第n+1フレームの最後のサブフレームに対応する。
【0107】透明領域Bと透明領域Cとは同一の屈折率
および厚さを持つため、光路のシフト量も同一であり、
図15に示すように、対応する2つのサブフレーム画像
の間ではシフトが生じない。同様のことが透明領域Eと
透明領域Fとの間においても生じる。
【0108】ここでは透明領域BおよびC、更には透明
領域EおよびFについて、説明の都合上、それぞれを2
つの領域に区分している(図16では破線で区分してい
る)が、実際には、それぞれを1枚の連続した部材から
構成することができる。したがって、図16の円盤状ガ
ラス板22は4つの扇形透明部材を組み合わせて作製さ
れ得る。
【0109】本実施形態においても画像表示パネルの応
答遅れなどに起因して、画像シフトとサブフレーム切り
替えとの間にタイミングのずれが発生し得る。そのた
め、図17に示すように、ガラス板22の適切な部分に
遮光領域21を設けることが好ましい。図17では、画
像シフトを行うべき2つの領域の境界(透明領域Aおよ
びDの各々の両側)に遮光領域21を設ければ良い。
【0110】本実施形態でも、画像表示パネルとしてT
Nモードの液晶表示パネルを使用しているが、その他の
様々なモードの液晶表示パネルを使用しても良い。より
高速で応答することができる表示パネルを採用すれば、
画像シフト素子に設ける遮光領域の面積割合を小さくす
ることができるので、より明るく高品位な画像を得るこ
とが可能になる。また、本実施形態では画像表示パネル
として透過型の表示パネルを用いているが、例えば図1
4に示すような反射型の液晶表示パネルを用いてもよ
い。
【0111】本実施形態の投影型画像表示装置によって
も、カラーフィルタ無しの画像表示パネルを用いて各フ
レーム期間に3つのサブフレーム画像を生成し、それら
の画像を光学的にシフトさせながら合成するため、従来
のカラーフィルタを用いた単板式投影型画像表示装置と
比較して光利用率が大幅に向上し、しかも、3倍の解像
度を実現できる。
【0112】また、フレーム切り替え時にサブフレーム
画像がシフトしないため、前述した画像表示パネルの応
答遅れ等に起因する色滲みやゴーストを大幅に低減する
ことができる。
【0113】(実施形態3)次に、本発明の第3の実施
形態を説明する。
【0114】本実施形態の投影型画像表示装置も、基本
的には第1の実施形態と同様の構成を有しており、主な
相違点は、サブフレーム画像の構成およびシフト方法に
ある。以下、この相違点を説明する。
【0115】本実施形態では、図18に示すように、各
フレーム画像を構成するサブフレーム画像の数は2つで
あり、各サブフレーム画像は被投影面上の異なる2つの
位置に順次表示される。そして、各フレームにおいて、
第1番目のサブフレーム画像における或る1つの画素と、
その近傍に投影される第2番目のサブフレーム画像にお
ける2つの画素との合計3つの画素によって、被投影面
上の1つの画素を構成するようにしている。被投影面上
の上記1つの画素に隣接する他の1つの画素については、
これとは逆に、第1番目のサブフレーム画像における2
つの画素と、第2番目のサブフレーム画像における1つ
画素とを合成している。こうすることにより、被投影面
中に形成される画像の解像度は幾分低下するが、各フレ
ームを2つのサブフレームで構成できるため、画像表示
パネルを高速で駆動する必要がなくなり、応答遅れに起
因する色滲みも低減される。
【0116】本実施形態では、被投影面上の2つの異な
る位置にサブフレーム画像を表示させるように構成され
た画像シフト素子を用いる。この画像シフト素子は、例
えば、屈折率および厚さの少なくとも一方が異なる2種
類の透明領域を有するガラス板から構成される。
【0117】本実施形態でも、画像表示パネルとしてT
Nモードの液晶表示パネルを使用しているが、その他の
様々なモードの液晶表示パネルを使用しても良い。より
高速で応答することができる表示パネルを採用すれば、
画像シフト素子に設ける遮光領域の面積割合を小さくす
ることができるので、より明るく高品位な画像を得るこ
とが可能になる。また、本実施形態では画像表示パネル
として透過型の表示パネルを用いているが、例えば図1
4に示すような反射型の液晶表示パネルを用いてもよ
い。
【0118】本実施形態の投影型画像表示装置によれ
ば、カラーフィルタ無しの画像表示パネルを用いて各フ
レーム期間に2つのサブフレーム画像を生成し、それら
の画像を光学的にシフトさせながら合成するため、従来
のカラーフィルタを用いた単板式投影型画像表示装置と
比較して光利用率が大幅に向上し、しかも、より高い解
像度を実現できる。
【0119】(実施形態4)次に、本発明の第4の実施
形態を説明する。
【0120】本実施形態の投影型画像表示装置も、基本
的に第1の実施形態と同様の構成を有しており、主な相
違点はサブフレーム画像の構成およびシフト方法にあ
る。以下、この相違点を説明する。
【0121】本実施形態では、図19に示すように、各
フレーム画像を構成するサブフレーム画像の数は2つで
あり、各サブフレーム画像は被投影面上の異なる3つの
位置に順次表示される。各フレームが2つのサブフレー
ムで構成できるため、画像表示パネルを高速で駆動する
必要がなくなり、応答遅れに起因する色滲みも低減され
る。
【0122】本実施形態によれば、図19に示すよう
に、各フレーム画像を構成するサブフレーム画像の数は
2つであるが、各サブフレーム画像は被投影面上の異な
る3つの位置に順次表示されるため、画像シフトの周期
はフレーム期間の1.5倍となる。その結果、被投影面
上の各画素においてR、G、およびBの画素情報が重畳
されるために、実施形態3の場合よりも高い解像度の画
像を得ることができる。
【0123】本実施形態では、2つのサブフレーム画像
が、それぞれ、映像信号の原画フレームを構成するサブ
フレームに対応しているが、映像信号の原画フレームを
構成するサブフレームと各表示サブフレームの表示タイ
ミングを正確に一致させる必要はない。映像信号の原画
フレームを構成する最後のサブフレームの表示が終わっ
ていないのに、次のサブフレームの表示タイミングにな
れば、残った原画フレームの映像信号を破棄して、新た
な原画フレームを構成する最初のサブフレームを表示し
てゆけばよい。通常の映像では、フレーム間またはサブ
フレーム間で、画像情報に大きな変化は生じないため、
表示するフレームの周波数と原画フレームの周波数との
間に差異が存在しても違和感なく表示を行うことが可能
である。したがって、本実施形態によれば、表示品質を
大きく損なうことなく、装置構成を簡素化できる。
【0124】なお、第3実施形態と異なり、本実施形態
の画像シフト素子は被投影面上の3つの異なる位置にサ
ブフレーム画像を表示するため、実施形態1で用いた画
像シフト素子をそのまま用い、その回転速度を3分の2
に低減すれば良い。
【0125】本実施形態でも、画像表示パネルとしてT
Nモードの液晶表示パネルを使用しているが、その他の
様々なモードの液晶表示パネルを使用しても良い。より
高速で応答することができる表示パネルを採用すれば、
画像シフト素子に設ける遮光領域の面積割合を小さくす
ることができるので、より明るく高品位な画像を得るこ
とが可能になる。また、本実施形態では画像表示パネル
として透過型の表示パネルを用いているが、例えば図1
4に示すような反射型の液晶表示パネルを用いてもよ
い。
【0126】本実施形態の投影型画像表示装置によれ
ば、カラーフィルタを用いない画像表示パネルを用いて
各フレーム期間に2つのサブフレーム画像を生成し、そ
れらの画像を光学的にシフトさせながら合成するため、
従来のカラーフィルタを用いた単板式投影型画像表示装
置と比較して光利用率が大幅に向上し、しかも、より高
い解像度を実現できる。
【0127】(実施形態5)次に、本発明の第5の実施
形態を説明する。
【0128】本実施形態の投影型画像表示装置も、基本
的には第1の実施形態と同様の構成を有しており、主な
相違点は、サブフレーム画像の構成およびシフト方法に
ある。以下、この相違点を説明する。
【0129】本実施形態では、各フレーム画像を構成す
るサブフレーム画像の数は4つであり、各サブフレーム
画像は被投影面上の異なる3つの位置に順次表示され、
各フレーム画像を構成する4つのサブフレーム画像のう
ち2つのサブフレーム画像は、被投影面上の同一位置に
表示される。すなわち、本実施形態のサブフレームは、
実施形態1と同様に生成したサブフレームのデータのう
ち、各フレーム内での2番目のサブフレームを最後にも
う一度表示し、合計4つのサブフレームから各フレーム
画像を構成している。
【0130】以下、図20を参照しながら、この点をよ
り詳細に説明する。
【0131】本実施形態における画像シフトは概ね1画
素ピッチで行い、各フレーム内での第2番目および第4
番目のサブフレーム画像を基準にして第1番目および第
3番目のサブフレーム画像をそれぞれ上方向および下方
向にシフトさせている。すなわち、各フレームが4つの
サブフレームから構成され、4回の画像シフトによって
1周期のシフトを行っている。
【0132】本実施形態では、フレーム単位を周期とし
て画像の往復運動を行うため、常に1画素単位で3つの
異なる位置へ画像をシフトさせることが可能となる。そ
して、フレーム内においても、またフレーム間でも、1
画素単位で常に画像のシフトを行うことができるため、
図20に示すようにゴーストの発生を防止できる。
【0133】さらに図21に示すように第4番目の表示
サブフレームを黒表示とすれば、各フレーム内での各色
の表示回数が等しくなるため、画素間の色バランスが良
くなる。
【0134】各フレームを5つ以上のサブフレーム画像
から構成するようにしても良い。その場合は、各色の表
示回数が各フレーム内で同じになるように、黒表示を行
う複数のサブフレーム画像を各フレーム内に分散させる
ことが好ましい。
【0135】このように黒表示となるサブフレーム画像
を各フレーム内に挿入する代わりに、被投影面上の同一
位置に表示される2つのサブフレーム画像が、輝度の低
減されたサブフレーム画像から構成されるようにしても
よい。具体的には、各フレームにおける第2番目および
第4番目のサブフレーム画像の合計光量が第1番目また
は第3番目のサブフレーム画像の光量と等しくなるよう
に、表示画像信号を補正するようにしても良い。そうす
れば、各画素間の色バランスが良くなり、しかも、常に
画素が表示されることになるため、チラツキ感も低減す
る。このような表示画像信号の補正量は、全画素、各フ
レームにおいて、いつも同じ補正であるので、簡単な回
路構成で実現できる。
【0136】本実施形態で用いる画像シフト素子は、図
22に示すように、4つの透明領域を有するガラス板2
3から構成される。透明領域Aは屈折率1.49のFK
5ガラスから形成され、透明領域BおよびDは屈折率
1.57のBaK4ガラスから形成され、透明領域Cは
屈折率1.64のSF2ガラスから形成されている。透
明領域A〜Dの厚さは、いずれも2.0mmである。ガ
ラス板23は、その主面が光軸に対して65度の角度を
なすようにして光路を横切り、透明領域A〜Dの各々が
サブフレーム画像に対応するように回転する。そして、
透明領域BおよびDに対して、透明領域Aでは光束が上
方に34.0μmだけシフトし、透明領域Cでは光束が
26.6μmだけシフトする。
【0137】本実施形態でも、画像表示パネルとしてT
Nモードの液晶表示パネルを使用しているが、その他の
様々なモードの液晶表示パネルを使用しても良い。より
高速で応答することができる表示パネルを採用すれば、
画像シフト素子に設ける遮光領域の面積割合を小さくす
ることができるので、より明るく高品位な画像を得るこ
とが可能になる。また、本実施形態では画像表示パネル
として透過型の表示パネルを用いているが、例えば図1
4に示すような反射型の液晶表示パネルを用いてもよ
い。
【0138】本実施形態の投影型画像表示装置によれ
ば、カラーフィルタ無しの画像表示パネルを用いて各フ
レーム期間に4つのサブフレーム画像を生成し、それら
の画像を光学的にシフトさせながら合成するため、従来
のカラーフィルタを用いた単板式投影型画像表示装置と
比較して光利用率が大幅に向上し、しかも、3倍の解像
度を実現できる。
【0139】このように本発明の投影型画像表示装置で
は、各フレーム画像を複数のサブフレーム画像に時分割
し、それらのサブフレーム画像をシフトさせながら重畳
することにより、もとのフレーム画像を合成している。
サブフレーム画像をシフトさせるタイミングは、画像表
示パネルでサブフレーム画像を切り替えるタイミングに
同期させて行うことが好ましい。
【0140】サブフレーム画像を切り替える方式には、
大きく分けて2種類ある。第1の方式は「線走査(ライ
ン走査)方式」であり、この方式によれば、画像表示パ
ネルにおいて行列状に配列した複数の画素領域を1行ま
たは数行毎に駆動し、画面の上部から下部に向けて垂直
に新しいサブフレーム画像を表示していく。画面を幾つ
かにブロックに分けて行毎に走査する方法も「線走査方
式」に含めることとする。これに対し、第2の方式は
「面(一括)書き込み方式」であり、この方式によれ
ば、画像表示パネルにおいて行列状に配列した複数の画
素領域の全てを一括的に駆動し、画面全体において同時
に新しいサブフレーム画像を表示する。本発明は走査方
式で駆動される画像表示パネルを用いる。
【0141】(実施形態6)図23(a)〜(g)は、
画像表示パネルにおいてサブフレーム画像の切り替えが
線走査によって行われる様子を示している。図23
(a)は、表示パネルの第1行目における画素領域のみ
が新しいサブフレーム画像(例えば第2サブフレーム画
像)の表示に切り替わった状態を示している。この時点
では、第2行目以降における画素領域は古いサブフレー
ム画像(例えば第1サブフレーム画像)の表示を継続し
ている。図23(b)〜(g)では、1行づつ走査線が
画面下方に移動し、それに伴って新しいサブフレーム画
像の表示エリアが拡大していっている。図23(g)で
は、第1〜7行目の画素領域で新しいサブフレーム画像
が表示されている。
【0142】このように、通常の線走査で駆動する画像
表示パネルでは、サブフレーム画像の切り替えによっ
て、新しいサブフレーム画像と古いサブフレーム画像と
の境界線が1水平(1H)期間毎に移動してゆく。この
場合、図11の電圧印加の開始時刻は走査線(行)毎に
一定間隔でずれている。
【0143】従って、線走査で駆動する画像表示パネル
を用いる場合は、各画素について、新しいサブフレーム
画像の表示を開始するタイミングと、画像シフト素子に
よる光路シフトを開始するタイミングとを同期させるこ
とが好ましい。そのためには、新しいサブフレーム画像
の表示領域が増加する速度(査線線移動速度)と画像シ
フト素子によるシフト領域が増加する速度とが一致して
いることが好ましい。
【0144】以下、このような動作に好適な画像シフト
素子の種々の態様を説明する。
【0145】本実施形態の画像シフト素子は、図24に
示すように、6つの透明領域を有したガラス板24から
構成されている。透明領域AおよびDは屈折率1.49
のFK5ガラスから形成され、透明領域BおよびEは屈
折率1.57のBaK4ガラスから形成され、透明領域
CおよびFは屈折率1.64のSF2ガラスから形成さ
れている。いずれも厚さを2.0mmに統一した。
【0146】この画像シフト素子をガラス板24の主面
が光軸に対して65度の角度を成すように挿入すること
により、透明領域AおよびDに対して透明領域Bおよび
Eでは34.0μm、透明領域CおよびFでは26.6
μmだけ画像がシフトした。各透明領域がそれぞれ表示
サブフレームに対応する。本画像シフト素子では、ガラ
ス板24の厚さを一定にしているため、高速でも静かに
安定して回転する。
【0147】なお、前述の実施形態について説明した画
像表示パネルの応答遅れ等に起因する色の滲みを抑制す
るためには、図25に示すように、各透明領域の間に遮
光領域21を設けることが好ましい。
【0148】また、図9のガラス板20と同様に、ガラ
ス材料として安価なBK7ガラスのみを使用してもよ
い。その場合、各透明領域の厚さを比較的自由に選択で
きるため、より精度の高い画像シフト素子を安価に得る
ことができる。
【0149】上記の画像シフト素子の改良例として、透
明領域AおよびDをガラス板24の切り欠き部から構成
し、残りの透明領域には屈折率が1.52のBK7ガラ
スを用いてもよい。この場合、透明領域BおよびEの厚
さを0.7mm、透明領域CおよびFの厚さを1.4m
mに設定し、画像シフト素子をガラス板24の主面が光
軸に対して83.8度の角度をなすように挿入すれば、
透明領域A、Dに対して透明領域B、Eでは26.0μ
m、透明領域B、Eに対して透明領域C、Fでも26.
0μmの画像シフトを実現できる。このよう構成を採用
することで、画像シフト素子を軽量化できる。また、透
明領域AおよびDに対応するサブフレーム画像は、ガラ
スを透過しないため、鮮明化されるという効果も奏す
る。
【0150】他の画像シフト素子として、6つの透明領
域を有するガラス板24の構成を以下のようにしても良
い。すなわち、透明領域AおよびDは屈折率1.49の
FK5ガラスから形成し、その厚さを2.0mmとす
る。透明領域BおよびEは屈折率1.52のBK7ガラ
スから形成し、その厚さを2.09mmとする。透明領
域CおよびFは屈折率1.64のSF2ガラスから形成
し、その厚さを2.0mmとする。この場合、このガラ
ス板を光軸に対して65度の角度をなすように挿入すれ
ば、透明領域AおよびDに対して透明領域BおよびEで
は25.9μm、透明領域BおよびEに対して透明領域
CおよびFでは26.8μmの画像シフトを実現でき
る。このように、比較的量産のしやすいガラス板を選択
し、その厚さを調整することにより、透明領域間での厚
さの差を比較的小さくしながら、精度のより高い画像シ
フト素子を安価に製造することが可能になる。
【0151】なお、上記画像シフト素子の主要部は、い
ずれもガラス材料から形成された透明板から構成されて
いるが、本発明における画像シフト素子はこれに限定さ
れない。光路の屈折を引き起こす透明材料であれば、プ
ラスティク等の樹脂であってよい。
【0152】以上説明してきたように、光軸に対して傾
斜する透明板を用いサブフレーム画像の光路をシフトさ
せるためには、屈折率および厚さの少なくとも一方が異
なる複数の透明領域を有する透明板を作製すれば良い。
透明板の厚さは、表面研磨やエッチングなどの技術によ
って容易に調整できる。
【0153】透明板の主面を光軸に対して45〜85°
の角度で傾斜させる場合、屈折率1.45〜1.7程度
の範囲から適切な値を選択して、必要な画像シフト量を
実現することが可能である。このような屈折率を持つ透
明板は、一般的なガラス材料から形成され得るので、安
価に画像シフト素子を製造することができる。
【0154】透明板の主面を光軸に対して66〜88°
の角度で傾斜させる場合、透明板の厚さを0.5〜2.
0mm程度の範囲から適切な値を選択して、必要な画像
シフト量を実現することが可能である。また、透明板の
主面を光軸に対して61〜80°の角度で傾斜させる場
合は、透明板の厚さを0.5〜2.0mm程度の範囲、
屈折率を1.45〜1.7程度の範囲から適切な値を選
択して、必要な画像シフト量を実現することが可能であ
る。
【0155】(実施形態7)画面の垂直方向に線走査を
行う場合、第n番目のサブフレーム画像と第n+1番目
のサブフレーム画像との境界部(画像切替えの境界)
は、図26に示すように、水平な線分によって表され、
この線分が上方から下方に移動する。
【0156】上述したような回転板を用いて画像シフト
を実行する場合、同じく図26に示すように、ガラス板
24において隣接する透明領域の境界線(画像シフト領
域の境界)は1点を中心にして回転するため、この境界
線とサブフレーム画像の切り替え部とが平行にならず、
ずれる場合がある。このようなズレが生じると、シフト
されるべきサブフレーム画像の一部が適確にシフトされ
ず、また、シフトされるべきでない古いサブフレーム画
像の一部がシフトされてしまうことになる。
【0157】このような弊害を排除するためには、実施
形態1について説明したように、種々の方法を用いて上
記タイミングのずれが発生する期間だけ画像表示パネル
から出た光が被投影面に投射されないようにしてもよ
い。
【0158】本実施形態では、上記の弊害を排除するた
め、遮光部分を設ける代わりに、図27に示すような3
つの透明領域を有するガラス板25から画像シフト素子
を構成しており、このガラス板25を駆動装置によって
上下方向に往復移動させ、それにより画像のシフトを実
現する。
【0159】本実施形態において、ガラス板25の透明
領域Aは屈折率1.49のFK5ガラスから形成され、
透明領域Bは屈折率1.57のBaK4ガラスから形成
され、透明領域Cは屈折率1.64のSF2から形成さ
れており、各透明領域の厚さは何れも2.0mmに設定
されている。このようなガラス板24を主面が光軸に対
して65度の角度を成すようにして光路に挿入すれば、
透明領域Aに対して透明領域Bでは34.0μm、透明
領域Bに対して透明領域Cでは26.6μmの画像シフ
トが行われる。
【0160】本実施形態によれば、ガラス板25におい
て隣接する透明領域の境界位置(画像シフト領域の境
界)と、画像切替えの境界とを一致させることができ
る。そのため、新しいサブフレーム画像の情報を表示し
た画素が何れも適切なタイミングでシフトするため、よ
り色滲みの少ない画像を得ることができる。
【0161】なお、本実施形態の画像シフト素子を用い
る場合であっても、画像表示パネルによっては、応答遅
れに起因する色滲み等の問題は生じ得る。そのような場
合は、図27に示す各透明領域A〜Cの境界部に遮光領
域(不図示)を設けることが好ましい。
【0162】本実施形態によれば、画像表示パネルの走
査線と複数の透明領域の境界線とを略平行に維持しなが
ら、画像の切り替えと同期させて画像シフトを行ってい
る。このような画像シフトを実現するため、本実施形態
では、図27に示すようなガラス板25を往復させた
が、各透明領域の境界線が画像表示パネルの走査線と平
行な関係を維持できれば、他の手段を用いても良い。例
えば、図27に示す透明領域A〜Cを別々のガラス板2
6から形成し、それらのガラス板27を図28に示す駆
動装置によって動作させても良い。このような動作によ
っても、複数の透明領域の境界線を画像表示パネルの走
査線と略平行な関係を維持させながら、線走査と同期し
て移動させることができる。また、透明領域A〜Cに相
当する透明板を同じ光路上に配置して、順次光路上に来
るようにずらしながら回転させることによっても同様の
効果を奏することができる。
【0163】(実施形態8)次に、図29〜図31を参
照しながら、画像シフト素子の他の実施形態を説明す
る。本実施形態の画像シフト素子は、被投影面上でのシ
フト量が異なるように設計された複数の微小プリズムま
たは回折格子等から構成されており、この画像シフト素
子を光路上に出し入れすることにより、画像シフトを行
う。
【0164】まず、図29を参照する。本実施形態で
は、屈折率n1のガラスから形成された微小プリズム板
のプリズム面が屈折率n2の樹脂材料によって覆われて
いる。この微小プリズム板の非プリズム面(平滑面)に
対して垂直に入射した光が角度θで光路変更すると
き、被投影面上で1画素分だけ画像がシフトするとす
る。更に、画像表示パネル8上の画素領域のピッチを
P、画像表示パネル8の画素領域面とプリズム面(屈折
面)との距離をZとする。本実施形態では、θ=ta
-1(P/Z)となるように微小プリズム板の構造を設
計する。
【0165】本実施形態では、微小プリズム板の材料と
してFK5ガラスを用い、プリズム面の表面にUV硬化
樹脂としてロックタイト社のロックタイト363を用
い、プリズム面側のレべリングを行っている。
【0166】画素領域のピッチPを26μm、距離Zを
5mm、微小プリズムの傾斜角をθ (=微小プリズム
の傾斜面への光線の入射角)、微小プリズムで屈折後の
光線の出射角をθとすると、上記式よりθが0.3
°になる。
【0167】ここで、ガラスの屈折率がn1、樹脂の屈
折率がn2であるので、θとθの関係はスネルの法
則(n1・sinθ=n2・sinθ)に従い、ま
た、θ=θ+θの関係がある。このため、FK5
ガラスの屈折率が1.487、ロックタイト363の屈
折率が1.520であることを考慮すると、微小プリズ
ムの傾斜角θを13.7°にすれば、ピッチPに相当
したシフト量を得ることができる。
【0168】なお、上記式を満足するように種々のパラ
メータを選択すれば、本実施形態の材料および数値に限
定されない。また、樹脂でプリズム面をレベリングする
ことは不可欠のことではなく、省略してもよい。
【0169】図29に示すプリズム板や回折格子を画像
シフト素子として用いる場合、画像表示パネル8と画像
シフト素子との間の距離が一定の距離Zによって規定さ
れ、上述の光学設計が完了した後に、この距離を任意の
大きさに変化させることはできない。
【0170】このような制約が無く、光路上の任意の位
置に挿入できる画像シフト素子を得るには、例えば図3
0に示すように、前述の微小プリズム板または回折格子
を相互に対向させればよい。一対の微小プリズム板の
間、または一対の回折格子の間をこれらの材料とは異な
る屈折率n2を有する樹脂材料などで充填すればよい。
2つの微小プリズム板を例えばSF2ガラスから形成
し、これら2つの微小プリズムを例えばロックタイト社
のUV硬化樹脂ロックタイト363を用いて貼り合わせ
ることができる。微小プリズム板間の距離Zを例えば1
mmにする。この場合、SF2ガラスの屈折率が1.6
4、ロックタイト363の屈折率が1.52であるの
で、微小プリズムの傾斜角θを19.6度にすれば、光
路のシフト量ΔDが26μm程度になる。
【0171】被投影面上の異なる3点間でサブフレーム
画像を表示するには、図29や図30に示した素子を例
えば図31に示すように組み合わせた素子27を作製す
れば良い。この素子27は、領域Aおよび領域Bがそれ
ぞれ異なるシフト量ΔDをもたらすように設計されてい
る。このような素子27を、或るサブフレーム期間では
光路に挿入せず、他のサブフレーム期間では光路に挿入
するように周期的に動作させれば、適切な画像シフトを
実行できる。
【0172】上記の図29および図30の例では、図面
の紙面内方向に光束のシフトが生じるが、シフト領域の
境界線の移動方向と光束のシフト方向は独立に考えるこ
とができるために、光束の移動方向は、図示されている
例に限定されない。
【0173】なお、画像シフト素子を透過する光束は、
透過する透明領域によって相互に異なる光路を経て被投
影面に照射される。このため、画像表示パネルと被投影
面との間の光路長がサブフレーム毎に変動し、各透明領
域の全てに対応する画像について焦点を合わせることが
できなくなり、画質が劣化する。このような画質の劣化
を防止するため、画像シフト素子の透明板に起因する光
路長の差を補償する透明板を光路に挿入し、画像シフト
素子の透明板と同期させながら動作(回転または移動)
させることが好ましい。そうすれば、各サブフレームで
均質な画質を得ることができる。
【0174】(実施形態9)図32および図33を参照
する。図示されている画像シフト素子は、画像表示パネ
ルによって変調されたサブフレーム画像の偏光方向を変
調する第1の素子(液晶素子)g1と、光の偏光方向に
よって屈折率の異なる第2の素子(水晶板)g2とを有
している。この例では、画像表示パネルを出た光が垂直
方向に偏光しているとする。液晶素子g1の液晶層に電
圧を印加していない場合には、図32に示すように、画
像表示パネルを出た光の偏光面は、光が液晶素子g1を
透過する過程で回転しない。これに対し、液晶素子g1
の液晶層に適切なレベル電圧を印加している場合は、図
33に示すように、画像表示パネルを出た光の偏光面は
液晶層によって90°だけ回転させられる。
【0175】水晶板g2は複屈折性を持つため、方位に
よって異なる屈折率を示す。本実施形態では、図32に
示すように偏光面が垂直な光が水晶板g2に入射する
と、光は水晶板内で異常光軸の傾いた方位に屈折し、光
は垂直方向にシフトする。一方、図33に示すように、
偏光面が水平な光が水晶板g2に入射すると、偏光面が
水晶板g2の異常光軸と直交するため、光は屈折せず、
光束のシフトも生じない。言いかえると、液晶素子g1
に電圧を印加するか否かによって、水晶板g2に入射す
る光の偏光面を制御し、光束のシフトを調節することが
できる。
【0176】ここで、今、水晶板g2の厚さをtとし、
水晶板g2の異常光および常光の屈折率をそれぞれ、n
e1およびno1とする。また、ne1が入射光の偏光方向に
対して45°傾斜している場合、光束のシフト量ΔD
は、以下の式で表される。
【0177】 t=ΔD・(2・ne1・no1)/(ne1 2−no1 2) この式から、光束のシフト量ΔDと水晶板g2の厚さt
とは比例することがわかる。水晶板g2の厚さtを調節
することによって、サブフレーム画像のシフト量を任意
の値に設定することができる。
【0178】本実施形態の画像シフト素子では、液晶層
を1枚の複数の帯状透明電極(不図示)と対向透明電極
(不図示)とで挟み込み、それによって適切な電圧を液
晶層の選択された領域に順次印加することができるよう
にしている。このため、この画像シフト素子を用いれ
ば、液晶層のうちの選択された領域のみに電圧を印加す
ることができ、線走査方式の画面駆動に同期させて光路
のシフトを実行することができる。
【0179】(実施形態10)次に、図34および図3
5を参照する。図示されている素子は、液晶層i5と、
この液晶層i5を挟む2枚の透明基板とを有しており、
一方の透明基板の液晶側表面に微小プリズムアレイが形
成されている。より詳細には、本実施形態の画像シフト
素子は、透明電極i1および配向膜i2で表面が覆われ
た微小プリズムアレイi3が形成された透明基板と、透
明電極i1および配向膜i2で表面が覆われた透明基板
とによってネマチック液晶層i5を挟んだ液晶素子であ
る。液晶層i5はホモジニアス配向させられており、2
つの透明電極i1の間に電圧が印加されると、図34に
示すように基板と垂直な方向に配向するが、電圧を印加
しない状態では、図35に示すようにホモジニアスな配
向状態にある。言いかえると、電圧を印加しない場合に
おける液晶層i5の屈折率をne2、電圧を印加している
場合における液晶層i5の屈折率をno2とする。本実施
形態では、屈折率がno2に近い材料から微小プリズムア
レイi3を形成する。
【0180】電圧を印加していないとき、液晶層と微小
プリズムアレイi3との間に屈折率差が生じるため、微
小プリズムアレイi3に入射した光束はスネルの法則に
従って屈折する。これに対し、電圧を印加しているとき
は、印加電圧の大きさに応じて液晶層と微小プリズムア
レイi3との間の屈折率差が減少する。屈折率差の減少
に伴い、微小プリズムアレイi3に入射した光束の屈折
角度も減少する。
【0181】微小プリズムの頂角をθ4とし、微小プリ
ズムアレイi3の屈折率をn2とすると、液晶層i5に
電圧を印加してないときの光束の屈折角δは以下の式で
表される。
【0182】δ=(ne2−n2)×θ4 なお、屈折角を大きくするには、屈折率異方性の大きな
液晶層を用いることが好ましい。
【0183】上記の素子を2個組み合わせて図36に示
すように配置すれば、本実施形態の画像シフト素子が形
成される。この画像シフト素子による画像のシフト量Δ
Dは、2つの微小プリズムアレイ間の距離をLとする
と、以下の式で表される。
【0184】ΔD=L・tanδ 本実施形態では、ガラス板の厚さを0.5mm、微小プ
リズムアレイ間隔を1.0mm、微小プリズムの頂角θ
4を10°とした上で、Merck社製の品番BL−0
09の液晶材料を用いている。この場合、屈折率ne2
1.82、屈折率no2は1.53であり、シフト量ΔD
の範囲は0〜50.7μmとなる。すなわち、本実施形
態の画像シフト素子によれば、2画素分程度のシフトが
可能になる。
【0185】上記の微小プリズムアレイi3に代えて、
所定の格子間隔を持つ回折格子を透明基板上に設けても
良い。入射光の波長に応じて適切な格子間隔を選択すれ
ば、所望の回折角で光を回折させることができる。
【0186】なお、本実施形態の画像シフト素子でも、
電極が複数の帯状部分に分割されており、分割された複
数の部分を順次駆動することによって、画面の線走査に
同期して光路シフトを実現できる。
【0187】実施形態9および10で説明した画像シフ
ト素子は、複数行または複数列の画素からなるブロック
単位で画像の切替えが行われる場合にも適用可能であ
る。
【0188】(実施形態11)次に、図37を参照しな
がら、本発明の投影型画像表示装置のシステムの構成例
を説明する。
【0189】本システムは、図37に示されるように、
主に、映像信号処理回路100、照明光学系(光源な
ど)102、画像表示パネル(液晶表示素子)104、
画像シフト素子106、画像シフト素子制御回路10
8、および投影レンズ110から構成されている。
【0190】照明光学系102、画像表示パネル10
4、画像シフト素子106、および投影レンズ110に
ついては既に説明したので、以下においては、映像信号
処理回路100および画像シフト素子制御回路108を
中心にして各構成要素の関係を説明する。
【0191】本実施形態での映像信号処理回路100
は、入力信号選択回路120、映像復調回路122、Y
/C分離回路124、スケーリング回路126、フレー
ムレート変換回路128、フレームメモリ回路130、
システム制御回路132、および色信号選択回路134
から構成されている。
【0192】入力信号選択回路120は、複数の種類の
映像信号を受け取ることができ、その映像信号の種類に
応じた処理を行う。映像信号には、R、G、Bに分離さ
れた信号(RGB信号)、輝度信号Yと色差信号B−Y
およびR−Yに分離された信号(Y/C信号)、色搬送
波を色差信号で変調した色信号Cと輝度信号Yを周波数
多重化した複合映像信号(コンポジット信号)などがあ
る。
【0193】Y/C信号は、入力信号選択回路120を
経て映像復調回路122で復調される。また、コンポジ
ット信号は、入力信号選択回路120を経てY/C分離
回路124で輝度信号Yと色信号に分離されてから映像
復調回路122に送られ、復調される。映像復調回路1
22からは、映像信号から復調されたRGB信号が出力
される。
【0194】入力信号選択回路120に入力されたRG
B信号、および映像復調回路122から出力されたRG
B信号は、スケーリング回路126に送られる。スケー
リング回路126は、種々の入力信号の画素数を画像表
示パネル104の画素数に変換する。フレームレート変
換回路128は、入力された映像信号のフレームレート
を本システムの動作に適合したフレームレートに変換す
る。
【0195】フレームメモリ回路130は、R信号、G
信号、およびB信号の各々を格納する3つのフレームメ
モリから構成されている。各フレームメモリから順次読
み出されたデータは、色信号選択回路134によって適
切な順序で選択され、画像表示パネル104の駆動回路
部に送出される。画像表示パネル104は、色信号選択
回路134から出力されたデータに基づいてサブフレー
ム画像を表示する。
【0196】システム制御回路132は、入力信号選択
回路120、フレームメモリ130、色信号選択回路1
34、および画像シフト素子制御回路108の動作を制
御する。
【0197】画像シフト素子制御回路108は、システ
ム制御回路132から出力される信号に基づき、サブフ
レーム画像の表示と同期するように画像シフト素子10
6の動作を制御する。
【0198】次に、図38および図39を参照しながら
RGB信号のフレームメモリからのデータ読出しの手順
を説明する。
【0199】フレームメモリへの信号書き込みのレート
(周波数fin)は入力信号に依存しているが、フレーム
メモリからの信号読み出しのレート(周波数fout
は、本システムのクロック周波数によって規定されてい
る。周波数finは、例えば60ヘルツ(Hz)であり、
周波数foutは例えば180Hzである。
【0200】システム制御回路132から出力される制
御信号に応答して、R用フレームメモリ130aからは
R信号が、G用フレームメモリ130bからはG信号
が、B用フレームメモリ130cからはB信号が読み出
される。これらの信号の読出しレートは、上述のように
outであり、各フレーム期間に各フレームメモリ13
0a〜130cからの読み出し動作が繰り返して3回実
行される。
【0201】次に図39を参照する。図示されているタ
イミングチャートは、図6に示す3種類のサブフレーム
画像を形成する場合に対応している。図39の最上部に
記載されている数字は、原画フレームの走査線番号であ
る。
【0202】画像表示パネルに第1サブフレーム画像を
表示するとき、各フレームメモリ130a〜130cの
走査線番号1に対応するアドレスに格納されているデー
タが同時に読み出される。このタイミングでスタート信
号が出力されるため、画像表示パネル104の線走査が
開始される。各フレームメモリ130a〜130cから
読み出されたデータ(R、G、およびB信号)は図38
に示す色信号選択回路134に送られるが、色信号選択
回路134によってR信号だけが選択され、画像表示パ
ネル104に送出される。色信号選択回路134は、
R、G、およびB選択信号に応じて動作するR、G、お
よびBスイッチング素子を有しており、論理Highの
選択信号を受け取ったスイッチング素子のみが入力信号
を出力部に伝達する。図39の例では、R信号のみが選
択され、画像表示パネル104の第1行目画素領域(R
用画素領域)に与えられることになる。
【0203】1水平走査期間(1H期間)の経過後、R
選択信号が論理Lowに変化するとともにG選択信号だ
けが論理Highに変化する。このため、各フレームメ
モリ130a〜130cにおいて原画フレームの走査線
番号2に対応するアドレスに格納されていたデータのう
ち、G用フレームメモリから読み出されたG信号だけが
色信号選択回路134を経て画像表示パネル104に送
られる。このG信号に基づいて、画像表示パネル104
の第2行目画素領域(G用画素領域)の表示が実行され
る。
【0204】以下同様の手順によって、第1サブフレー
ム画像のためのデータが順次生成され、図6の右上に記
載しているようなサブフレーム画像が画像表示パネルに
表示されることになる。
【0205】第2サブフレーム画像を表示する場合は、
図39に示すように、スタートパルス信号および選択信
号の印加タイミングを1H期間だけ遅らせる。すなわ
ち、まず、原画フレームの走査線番号2に対応するデー
タのうち、R用フレームメモリに格納されていたR信号
が色信号選択回路134によって選択される。そして、
このR信号に基づいて画像表示パネル104における第
1行目画像領域(R用画素領域)の表示が行われる。以
降、同様の動作が繰り返され、図6に記載されているよ
うな第2サブフレーム画像が画像表示パネル104に表
示されることになる。
【0206】第3サブフレーム画像を表示する場合は、
スタートパルス信号および選択信号の印加タイミングを
更に1H期間だけ遅らせる。その結果、図6に記載して
いるような第3サブフレーム画像を表示することができ
る。
【0207】以上のようにスタート信号の印加タイミン
グをサブフレーム毎にずらす代わりに、フレームメモリ
の読出し開始アドレスを走査線番号1〜3に対応する複
数のアドレス間で巡回させてもよい。
【0208】また、この例では、R、G、およびB用画
素領域の各々を走査線に平行となるように配列した場合
について説明しているが、本発明はこのようなシステム
に限定されない。上記の1H期間をドットクロックの周
期に置きかえると、R、G、およびB用画素領域の各々
を走査線に直行するように配列したRGB縦ストライプ
型画像表示パネルを用いた場合のシステム動作に対応す
る。
【0209】図38の回路は、サブフレーム画像のデー
タを格納するために特別のフレームメモリ備えてはいな
いが、そのようなフレームメモリを設けてサブフレーム
画像を一時的に記憶するようにしてもよい。
【0210】(実施形態12)以下、2枚の画像表示パ
ネルを備えた投影型画像表示装置の実施形態を説明す
る。本実施形態の投影型画像表示装置は、図40に示す
ように、光源1と、液晶表示パネル18と、光源1から
の光を波長域に応じて液晶表示パネル18の複数の画素
領域のうちの対応する画素領域に集光させる光制御手段
と、液晶表示パネル18によって変調された光を被投影
面上に投射する投影光学系とを備えている。更に、本実
施形態の装置は、もう1枚の液晶表示パネル28を備え
ており、光源1から出た白色光のうち特定波長域の光が
液晶表示パネル28に照射される。
【0211】本装置は、ダイクロイックミラー14〜1
6を備えており、ダイクロイックミラー14によって選
択的に反射された波長域の光は、ミラー40で反射され
た後、液晶表示パネル28に照射される。一方、ダイク
ロイックミラー15〜16によって反射された光は、波
長域に応じて異なる角度で液晶表示パネル18のマイク
ロレンズアレイ17に入射する。異なる角度でマイクロ
レンズ17に入射した光は、それぞれ異なる位置の対応
する画素領域に集められる。
【0212】第1の液晶表示パネル18で変調された光
は、フィールドレンズ9a、画像シフト素子10、偏光
ビームスプリッタ42、および投影レンズ11を透過し
た後、スクリーン13上に投射される。これに対し、第
2の液晶表示パネル28で変調された光は、フィールド
レンズ9b、偏光ビームスプリッタ(またはダイクロイ
ックプリズム)42、および投影レンズ11を透過した
後、スクリーン13上に投射される。
【0213】本実施形態では、他の実施形態について説
明した方法と同様の方法により、第1の画像表示パネル
18で変調された光を画像シフト素子10によってシフ
トさせる。第1の画像表示パネル18では、例えばRお
よびB色から構成された2つのサブフレーム画像が表示
され、サブフレーム画像間のシフト量はシフト方向に沿
って測定した画素ピッチに略等しく設定される。各サブ
フレーム画像のデータは、図4(b)および(d)に示
されるR画像フレームおよびB画像フレームのデータ
(RおよびB信号)を組み合わせることによって作成さ
れる。
【0214】これに対し、第2の画像表示パネル28
は、例えばG色のみから構成された画像を表示する。こ
の画像は、図4(c)に示すようなパターンを有し、フ
レーム画像の全ての画素に関するG色のデータを反映し
ている。
【0215】第2の画像表示パネル28では、サブフレ
ームに分割して画像を表示する必要がないため、被投影
面を照らすR、G、およびB色光のバランスを適切なも
のするには、例えば第1の画像表示パネル18と第2の
画像表示パネル28との間で輝度を補償するか、または
表示期間を補償することなどが必要になる。例えば、第
2の画像表示パネル28から出てスクリーン上に投影さ
れる画像の表示期間は、1フレーム期間の約2分の1に
限定されていてもよいし、その代わりに輝度が低減され
ていてもよい。
【0216】本実施形態によれば、第1の画像表示パネ
ル18においてR、G、およびB色のうちの2色のみを
表示する。残りの色については第2の画像表示パネル2
8で表示する。第1の画像表示パネル18では、各マイ
クロレンズが入射光を2色に分離して対応する画素領域
に集光する。従って、マイクロレンズ17のピッチおよ
び焦点距離は、単板式マイクロレンズ7のピッチおよび
焦点距離に比べて3分の2にすることができる。
【0217】以上、液晶表示素子(LCD)を画像表示
パネルとして用いる投影型画像表示装置について本発明
の各種実施形態を説明してきたが、本発明はこれに限定
されない。本発明は液晶表示素子以外の表示素子、例え
ばDMD(ディジタル・マイクロミラー・デバイス)等
を画像表示パネルに用いる投影型画像表示装置にも適用
可能である。
【0218】また、本発明は直視型の画像表示装置にも
適用可能である。この場合、カラーフィルタによってフ
ルーカラー表示を行うタイプの画像表示パネルを用いて
もよい。結像のための光学系を用いない通常の直視型の
場合、スクリーンなどの被投影面は不要であるが、接眼
レンズを介して画像を見る直視型の場合は、目の網膜が
画像の被投影面として機能する。
【0219】更に、本発明は、光源を別に必要としない
自発光型の画像表示素子を画像表示パネルとして用いる
直視型または投影型の画像表示装置に適用することも可
能である。
【0220】また、画像シフト素子の実施形態として
は、屈折部材等によって光路を周期的に変化させる素子
の例を説明してきたが、光源または光学系の少なくとも
一部を運動させ、それによって光路を変化させるもので
あってもよい。例えば、図1に示している投影レンズ1
1を振動させても、画像シフトは可能である。
【0221】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の投影
型画像表示装置では、光源からの光を例えばR、G、お
よびBの三原色の光束に分割し、それぞれの色の光束を
画像表示パネルの対応する画素領域に入射させることに
よって各画素領域でR、G、およびBの変調を行う。そ
して、画像表示パネルからの出射光の光路を時分割で順
次切り替えながら、それに対応させて表示画像を順次切
り替えることによって、光の利用率を高めながら、高解
像度のカラー画像表示を実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の投影型画像表示装置の模式図である。
【図2】液晶表示パネルの断面模式図である。
【図3】ダイクロイックミラーの分光特性である。
【図4】原画像フレームから色別画像フレームを生成す
る方法を説明するための図である。
【図5】従来のカラー表示と本発明のカラー表示との間
にある原理上の差異を説明するための図である。
【図6】色別画像フレームのデータから3つのサブフレ
ームデータを生成する方法を説明するための図である。
【図7】サブフレーム画像のシフト(画像シフト)の態
様を示す図である。
【図8】複数のサブフレーム画像の合成を示す図であ
る。
【図9】画像シフト素子を構成する回転板の正面図であ
る。
【図10】画像シフト素子を構成する回転板の断面図で
ある。
【図11】液晶表示パネルの応答曲線を示すグラフであ
る。
【図12】サブフレーム画像のシフトの他の態様を示す
図である。
【図13】図9の画像シフト素子を構成する回転板の改
良例の正面図である。
【図14】反射型液晶表示パネルの断面図である。
【図15】画像シフトの更に他の態様を示す図である。
【図16】画像シフト素子を構成する更に他の回転板の
正面図である。
【図17】画像シフト素子を構成する更に他の回転板の
正面図である。
【図18】画像シフトの更に他の態様を示す図である。
【図19】画像シフトの更に他の態様を示す図である。
【図20】画像シフトの更に他の態様を示す図である。
【図21】画像シフトの更に他の態様を示す図である。
【図22】画像シフト素子を構成する更に他の回転板の
正面図である。
【図23】線走査によってサブフレーム画像が切り替わ
る様子を示す画像表示パネルの一部正面図である。
【図24】画像シフト素子を構成する更に他の回転板の
正面図である。
【図25】画像シフト素子を構成する更に他の回転板の
正面図である。
【図26】サブフレーム画像の切替えと画像シフトのタ
イミングが画像の位置によってずれることを示す図であ
る。
【図27】画像シフト素子を構成する透明板の正面図で
ある。
【図28】図27の透明板の駆動方法を示す図である。
【図29】画像シフト素子の断面図である。
【図30】画像シフト素子の動作を示す図である。
【図31】画像シフト素子の正面図である。
【図32】画像シフト素子の斜視図である。
【図33】画像シフト素子の斜視図である。
【図34】画像シフト素子の斜視図である。
【図35】画像シフト素子の斜視図である。
【図36】画像シフト素子の断面図である。
【図37】本発明による投影型画像表示装置のシステム
構成例を示すブロック図である。
【図38】サブフレーム画像を生成するための回路構成
を模式的に示す図である。
【図39】サブフレーム画像を生成する手順を示すタイ
ミングチャートである。
【図40】2枚の画像表示パネルを用いる投影型画像表
示装置の実施形態を示す構成図である。
【図41】従来のフィールド順次式投影型画像表示装置
を示す図である。
【符号の説明】
1 光源 2 球面鏡 3 コンデンサーレンズ 4、5、6 ダイクロイックミラー 7、17 マイクロレンズアレイ 8、18、28 画像表示パネル(液晶表示パネル) 9 フィールドレンズ 10 画像シフト素子 11 投影レンズ 12、12a、12b 光束 13 被投影面 40 ミラー 100 映像信号処理回路 102 照明光学系(光源など) 104 画像表示パネル(液晶表示素子) 106 画像シフト素子 108 画像シフト素子制御回路 110 投影レンズ 120 入力信号選択回路 122 映像復調回路 124 Y/C分離回路 126 スケーリング回路 128 フレームレート変換回路 130 フレームメモリ回路 132 色信号選択回路 134 システム制御回路 g1 第1の素子(液晶素子) g2 第2の素子(水晶板)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03B 21/14 G03B 21/14 Z 5C080 G09F 9/00 360 G09F 9/00 360K 5G435 G09G 3/20 641 G09G 3/20 641E 642 642J 680 680C 3/34 3/34 J 3/36 3/36 H04N 9/31 H04N 9/31 C (72)発明者 浜田 浩 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 柴谷 岳 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 川村 忠史 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 陣田 章仁 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H088 EA13 EA15 HA06 HA13 HA25 MA03 MA06 2H091 FA05Z FA17Z FA26X FA26Z FA29Z FA41Z LA16 MA07 2H093 NA16 NA43 NA64 NC29 NC34 ND08 ND20 NG02 5C006 AA14 AA16 AA17 AA22 AC24 AF01 AF22 AF27 AF34 AF44 AF85 BB11 BC11 BF02 EA01 EC11 FA51 FA54 5C060 BB11 BC01 DA04 DB11 GB01 GD04 HC04 HC24 JB06 5C080 AA10 BB06 CC03 DD03 DD07 DD27 EE29 EE30 FF12 GG12 JJ01 JJ02 JJ04 JJ05 JJ06 5G435 AA03 AA18 BB12 BB17 FF15 GG02 GG04 GG08 GG23

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、 各々が光を変調することができる複数の画素領域を有す
    る画像表示パネルと、 前記光源からの光を波長域に応じて前記複数の画素領域
    のうちの対応する画素領域に集光させる光制御手段と、 前記画像表示パネルで変調された光によって被投影面上
    に画像を形成する光学系と、 を備えた投影型画像表示装置であって、 前記画像を構成する各フレーム画像のデータから複数の
    サブフレーム画像のデータを生成し、前記画像表示パネ
    ルによって前記複数のサブフレーム画像を時分割で表示
    させる回路と、 前記画像表示パネルによって表示される前記複数のサブ
    フレーム画像のうち選択されたサブフレーム画像を前記
    被投影面上でシフトさせる画像シフト素子と、を備え、 前記サブフレームの表示の切り替えは前記画像表示パネ
    ルの線走査によって行い、しかも、前記画像シフト素子
    によるシフト動作を前記切り替えに同期させて実行する
    ことにより、前記画像表示パネルの異なる画素領域で変
    調された異なる波長域に属する光で前記被投影面上の同
    一領域を順次照射する投影型画像表示装置。
  2. 【請求項2】 前記被投影面上における前記サブフレー
    ムのシフト方向は前記画像表示パネルの走査方向と同一
    である請求項1に記載の投影型画像表示装置。
  3. 【請求項3】 前記被投影面上における前記サブフレー
    ムのシフト方向は、前記画像表示パネルの走査方向と一
    致していない請求項1に記載の投影型画像表示装置。
  4. 【請求項4】 前記被投影面上における前記サブフレー
    ムのシフト量は、前記被投影面上において前記シフトの
    方向に沿って測定した画素ピッチの略整数倍である請求
    項1に記載の投影型画像表示装置。
  5. 【請求項5】 前記画像シフト素子は、 前記画像表示パネルによって変調された光の経路を屈折
    によってシフトさせる屈折部材と、 前記画像表示パネルによって変調された光に対する前記
    屈折部材の相対的位置関係を周期的に変化させる駆動装
    置とを備えており、 前記屈折部材は、前記光の経路のシフト量が異なる複数
    の領域から構成されている請求項1または2に記載の投
    影型画像表示装置。
  6. 【請求項6】 前記屈折部材は、屈折率および厚さの少
    なくとも一方が異なる複数の透明領域を有する回転板か
    ら構成され、前記画像表示パネルによって変調された光
    の経路を斜めに横切る配置で回転可能に支持されてお
    り、 前記駆動装置は、前記回転板の複数の透明領域が前記光
    の経路を順次横切るように前記回転板を回転させる請求
    項5に記載の投影型画像表示装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の透明領域の各境界が前記光の
    経路を横切るタイミングは、前記サブフレームの表示の
    切り替えのタイミングと同期している請求項6に記載の
    投影型画像表示装置。
  8. 【請求項8】 前記屈折部材は、屈折率および厚さの少
    なくとも一方が異なる複数の透明領域を有する透明板か
    ら構成され、前記画像表示パネルによって変調された光
    の経路を斜めに横切る配置で移動可能に支持されてお
    り、 前記駆動装置は、前記透明板の複数の透明領域が前記光
    の経路を順次横切るように前記透明板を移動させる請求
    項5に記載の投影型画像表示装置。
  9. 【請求項9】 前記複数の透明領域の各境界が前記光の
    経路を横切るタイミングは、前記サブフレームの表示の
    切り替えのタイミングと同期している請求項8に記載の
    投影型画像表示装置。
  10. 【請求項10】 前記複数の透明領域の各境界は前記画
    像表示パネルの線走査の進行方向に対して垂直である請
    求項9に記載の投影型画像表示装置。
  11. 【請求項11】 前記回転板または透明板の主面と光軸
    との間の角度が45°以上88°以下の範囲に設定され
    ている請求項6から10のいずれかに記載の投影型画像
    表示装置。
  12. 【請求項12】 前記被投影面上において、前記サブフ
    レーム画像の表示領域が増加する速度と前記画像シフト
    素子によるシフト領域が増加する速度とが一致している
    請求項1から11のいずれかに記載の投影型画像表示装
    置。
  13. 【請求項13】 前記画素領域の各行について、走査開
    始と前記画像シフト素子による光路シフト開始との間の
    時間間隔を可変とする請求項1から11のいずれかに記
    載の投影型画像表示装置。
  14. 【請求項14】 前記画素領域の各行について、走査開
    始と前記画像シフト素子による光路シフト開始との間の
    時間間隔が予め設定されている請求項1から11のいず
    れかに記載の投影型画像表示装置。
  15. 【請求項15】 前記画素領域の各行について、前記画
    像シフト素子による光路シフトの開始を走査開始よりも
    遅れて実行する請求項14に記載の投影型画像表示装
    置。
  16. 【請求項16】 前記屈折部材は、前記複数の領域のう
    ちの隣接する2つの領域の間に遮光領域を有している請
    求項5に記載の投影型画像表示装置。
  17. 【請求項17】 前記複数の透明領域のうちの少なくと
    も2つの透明領域の各々は、連続する2つのサブフレー
    ム画像に対応している請求項7または9に記載の投影型
    画像表示装置。
  18. 【請求項18】 前記屈折部材の前記複数の領域におけ
    る光路長の差を補償する補正素子を有している請求項5
    から10のいずれかに記載の投影型画像表示装置。
  19. 【請求項19】 前記画像シフト素子は、 前記画像表示パネルによって変調された光の経路をシフ
    トさせる少なくとも1つの光学装置を有しており、 前記光学装置は、光の偏光方向を変調する第1の素子
    と、光の偏光方向によって屈折率の異なる第2の素子と
    を有している請求項1に記載の投影型画像表示装置。
  20. 【請求項20】 前記画像シフト素子は、 前記画像表示パネルによって変調された光の経路をシフ
    トさせる少なくとも1つの光学装置を有しており、 前記光学装置は、 偏光光に対して2以上の異なる屈折率を示す液晶層と、 前記液晶層を挟む2枚の基板と、を有しており、 前記2枚の基板のいずれか一方の基板の液晶側表面に
    は、微小プリズムまたは回折格子が形成されている請求
    項1に記載の投影型画像表示装置。
  21. 【請求項21】 前記微小プリズムまたは回折格子は、
    前記2以上の屈折率のうちの少なくとも1つの屈折率と
    実質的に等しい屈折率を持つ材料から形成されている請
    求項20に記載の投影型画像表示装置。
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