JP2001355683A - 高負荷伝動用vベルト - Google Patents

高負荷伝動用vベルト

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JP2001355683A
JP2001355683A JP2000173936A JP2000173936A JP2001355683A JP 2001355683 A JP2001355683 A JP 2001355683A JP 2000173936 A JP2000173936 A JP 2000173936A JP 2000173936 A JP2000173936 A JP 2000173936A JP 2001355683 A JP2001355683 A JP 2001355683A
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belt
tension band
block
center pillar
load transmission
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JP2000173936A
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Hiroyuki Sakanaka
宏行 坂中
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Bando Chemical Industries Ltd
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Bando Chemical Industries Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16GBELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
    • F16G5/00V-belts, i.e. belts of tapered cross-section
    • F16G5/16V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts
    • F16G5/166V-belts, i.e. belts of tapered cross-section consisting of several parts with non-metallic rings

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高負荷伝動用VベルトBにおける走行時の騒
音や発熱を長期に亘って抑えるとともに、過酷な使用条
件下でも耐久性を高める。 【解決手段】 ブロック10のセンターピラー15cと
張力帯1とが当接する奥突き当て面16の少なくとも下
側部分16aの一方に凸部17aを、他方に凹部17b
を、センターピラー15cの長手方向に沿って延在して
互いに噛み合うように形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高負荷伝動用Vベ
ルトに関し、特に、張力帯の長手方向に多数のブロック
が連続して装着された高負荷伝動用Vベルトに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の高負荷伝動用Vベル
トは、例えば無段変速機の分野で使用されている。この
無段変速機は、それぞれ固定シーブ及び可動シーブから
なる駆動側と従動側の少なくとも2つの変速プーリ間
に、上記高負荷伝動用Vベルトを巻き掛けて構成されて
いる。この高負荷伝動用Vベルトは、例えば実開平6−
69490号公報に示されているように、硬質ゴム製の
保形ゴム層の中に心線を通して構成されたエンドレスの
張力帯に、多数のブロックを該張力帯の長手方向に連続
するように固定して構成されている。
【0003】上記ブロックは、ベルト幅方向に延びる上
側ビームと、上側ビームよりも幅の狭い下側ビームと、
両ビームの左右中央部同士を上下に接続するセンターピ
ラーとから、略H字状に形成されている。そして、上記
張力帯は、ブロックの上側ビームと下側ビームの間に、
上記センターピラーの両側から挿入することにより該セ
ンターピラーと当接するように装着されている。
【0004】この種のVベルトでは、その曲易さを確保
するために、各ブロックを張力帯に対して接着すること
は行わず、ブロックの上下のビームに形成した凸部と張
力帯の上下の面に形成した凹部を係止させるように構成
されている。そして、ブロックと張力帯をこのように物
理的な係止状態(噛合状態)により固定して、張力帯と
各ブロックとの間で動力の授受を行うようにしている。
【0005】一方、上記Vベルトでは、例えば、張力帯
の噛合厚さ(上表面と下表面との間隔)をブロックの噛
合隙間(上側ビームと下側ビームとの間隔)よりも大き
く設定して、張力帯が厚さ方向に圧縮された状態でブロ
ックの嵌合部に挿入嵌合されるように、締め代が設けら
れる。そして、ベルト組み立て時にブロックに張力帯を
圧入することで生じる初期締め代によって張力帯とブロ
ックとの間のガタを必要な水準に保ち、騒音の上昇、ブ
ロックの摩耗、及び心線の疲労を抑制するようにしてい
る。
【0006】さらに、例えば、張力帯に各ブロックの側
面から100μm程度突出するように出代を設けて、こ
の出代によってプーリへのブロックの進入衝撃等を緩和
し、ベルト走行時の低騒音化を図ることがある。つま
り、ブロック側面と張力帯側面との両方がプーリ溝面と
接触するようにしてプーリからの側圧をブロックと張力
帯とで分担して受けることで、ブロックがプーリ溝に突
入する際の衝撃を張力帯の側部の出代により緩和し、ブ
ロックと張力帯の間でがたつきを発生しにくくして、騒
音の発生も緩和している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ベルトの走行
過程では、時間の経過とともに、張力帯の係止部のへた
り(劣化)や摩耗、あるいはブロックの係止部の摩耗な
どが生じる。このため、張力帯とブロックとのかみ合い
がルーズになってブロックのがたつきが生じ、それが原
因で張力帯の心線の疲労が生じやすくなったり、ブロッ
クの揺動によって騒音が大きくなったりする場合があ
る。
【0008】また、上記締め代や出代を大きくすると、
ブロックのがたつきが小さくなり、比較的長期に亘って
騒音の発生を抑制できると考えられるものの、この場合
には摩擦抵抗が大きくなるために、特にベルトがプーリ
に馴染んでいない走行初期の発熱が大きくなることがあ
る。また、この場合でも、時間の経過とともに張力帯が
摩耗して出代が小さくなると、騒音が大きくなってしま
うことになる。
【0009】さらに、例えば上記高負荷伝動用Vベルト
を径の小さなプーリで使用したり、大きなトルクで使用
したり、高温雰囲気下で使用したりするなど、ベルトの
使用条件が過酷になると、張力帯やブロックに偏摩耗な
どが生じやすくなる。したがって、このような場合には
締め代や出代などを設けるだけの従来の構成ではブロッ
クのがたつきを長期間に亘って充分には抑えきれず、耐
久性が低下するのを防止することは困難である。
【0010】本発明は、このような問題点に鑑みて創案
されたものであり、その目的とするところは、高負荷伝
動用Vベルトの走行時の騒音や発熱の発生を長期に亘っ
て抑制し、過酷な使用条件でも耐久性を高められるよう
にすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、張力帯とブロ
ックとからなる高負荷伝動用Vベルトにおいて、張力帯
とブロックを奥突き当て面で凹部と凸部によりかみ合わ
せて係合させるようにしたものである。
【0012】具体的に、本発明が講じた第1の解決手段
は、張力帯と、該張力帯に噛合して係止することにより
ベルト長さ方向に並んだ複数のブロックとからなり、上
記ブロックが、ベルト幅方向に延びる上側ビームと、上
側ビームよりも幅の狭い下側ビームと、両ビームの左右
中央部同士を上下に接続するセンターピラーとから略H
字状に形成されるとともに、上記張力帯が、ブロックの
上側ビームと下側ビームの間にセンターピラーと当接す
るように装着された高負荷伝動用Vベルトを前提として
いる。
【0013】そして、上記ブロックのセンターピラーと
張力帯とが当接する奥突き当て面の少なくとも下側部分
の一方に凸部を、他方に凹部を、該センターピラーの長
手方向に沿って延在して互いに噛み合うように形成した
ものである。
【0014】このように構成すれば、ベルトの走行時に
ベルトに張力がかかってプーリ溝へ沈み込む力が作用し
たときに、奥突き当て面の下側部分に作用する力によ
り、この下側部分で張力帯とブロックの凸部と凹部がか
み合うため、ベルトの走行中であっても張力帯とブロッ
クのがたつきが抑えられる。したがって、張力帯の心線
の疲労が抑制され、ブロックの揺動による騒音の発生も
抑えられる。また、ブロックのがたつきを抑えられるこ
とから締め代や出代を必要以上に大きくしなくてもよく
なるため、摩擦抵抗によるベルトの発熱も抑えられる。
【0015】また、本発明が講じた第2の解決手段は、
上記第1の解決手段において、ブロックのセンターピラ
ーと張力帯とが当接する奥突き当て面の一方に凸部を、
他方に凹部を、該センターピラーの長手方向の全体に沿
って延在するように形成したものである。
【0016】そして、このように構成すれば、ブロック
と張力帯が奥突き当て面の下側部分だけでなく上側部分
でもかみ合うことになる。このため、例えばVベルトに
充分な張力を与えるためにテンションプーリを設けた場
合などに、ブロックと張力帯が張力帯の上側部分でかみ
合うことにより、該テンションプーリの部分でもベルト
の走行中のブロックのがたつきを抑えられる。
【0017】また、本発明が講じた第3の解決手段は、
上記第1の解決手段と前提とする構成が同じ高負荷伝動
用Vベルトにおいて、ブロックのセンターピラーに、該
センターピラーの長手方向に沿って延在する凸部または
凹部を形成し、該凸部または凹部を形成する領域を、該
センターピラーが張力帯と当接する奥突き当て面の少な
くとも下側部分に特定したものである。
【0018】このように構成すれば、ベルトを駆動する
プーリからの推力により、ブロックを介して張力帯の奥
突き当て面の下側部分に圧縮力が作用し、張力帯が、ブ
ロックの凸部または凹部にかみ合う形状に変形する。し
たがって、張力帯とブロックとがかみ合うことで、上記
第1の解決手段と同様の作用が生じる。
【0019】また、本発明が講じた第4の解決手段は、
上記第3の解決手段において、ブロックのセンターピラ
ーが張力帯と当接する奥突き当て面に、上記凸部または
凹部を、該センターピラーの長手方向の全体に沿って延
在するように形成したものである。
【0020】そして、このように構成すれば、ブロック
のセンターピラーと張力帯とがセンターピラーの全体に
亘ってかみ合うことにより、上記第2の解決手段と同様
の作用が生じることになる。
【0021】また、本発明が講じた第5の解決手段は、
上記第1乃至第4の何れか1の解決手段において、ベル
トの幅方向側面におけるブロック側面と張力帯側面との
両方がプーリ溝面と接触するように、張力帯側面がブロ
ック側面よりも突出する出代を設けるようにしたもので
ある。
【0022】このように構成すれば、張力帯側面がブロ
ック側面よりも突出して出代が形成されているので、こ
の張力帯側面がブロック側面と共にプーリ溝面と接触し
てプーリからの側圧をブロックと張力帯とが分担して受
け、ブロックがプーリ溝に突入する際の衝撃が張力帯側
部により緩和される。そして、ベルトの騒音が抑えられ
る。
【0023】また、本発明が講じた第6の解決手段は、
上記第1乃至第5の何れか1の解決手段において、張力
帯の噛合厚さをブロックの噛合隙間よりも小さく形成し
て、張力帯がブロックに対して上側ピラーと下側ピラー
の間に圧入されるように、締め代を設けたものである。
【0024】そして、このように構成すれば、張力帯と
ブロックとのかみ合いがルーズになることが抑えられ、
ベルト走行時の騒音の発生が抑えられる。
【0025】
【発明の効果】従って、上記第1〜第4の解決手段によ
れば、ベルトの走行中であっても、張力帯に対するブロ
ックのがたつきが抑えられるため、張力帯の心線の疲労
が抑制されるとともに、ブロックの揺動による騒音の発
生も抑えられる。しかも、締め代や出代を大きくしなく
てもよくなるために、摩擦抵抗によるベルトの発熱も抑
えられる。つまり、高負荷伝動用Vベルトにおける走行
時の騒音や発熱を抑えることができ、過酷な使用条件で
あっても耐久性を高められる。
【0026】また、上記第5の解決手段によれば、ブロ
ックがプーリ溝に突入する際の衝撃が張力帯側部により
緩和されるため、騒音の発生をより確実に低減できる。
【0027】さらに、上記第6の解決手段によれば、張
力帯とブロックとのかみ合いがルーズになることが抑え
られるので、ベルト走行時の騒音の発生が抑えられる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0029】図1は本発明の実施形態に係る高負荷伝動
用VベルトBを示し、このベルトBは、左右1対のエン
ドレスの張力帯1,1と、この張力帯1,1にベルト長
手方向に連続して係止した多数のブロック10,10,
…とから構成されている。図2及び図4に拡大して示す
ように、各張力帯1は、硬質ゴムからなる保形ゴム層2
の内部に、スパイラル状にしたアラミド繊維(組紐)等
の高強度高弾性率の心線3が配置されて埋設されたもの
で、この各張力帯1の上面には各ブロック10に対応し
てベルト幅方向に延びる一定ピッチの溝状の上側凹部
4,4,…が、また下面には上記上側凹部4,4,…に
対応してベルト幅方向に延びる一定ピッチの下側凹部
5,5,…がそれぞれ形成されている。また、張力帯1
の上下表面には、クラックの発生を防止することや、耐
摩耗性を向上させることなどを目的として、帆布6,6
が一体的に接着されている。
【0030】上記保形ゴム層2を構成する硬質ゴムは、
例えばメタクリル酸亜鉛で強化された水素添加NBRゴ
ムで、それに補強を目的として有機短繊維7,7,…を
全体に混入して強化することで、耐熱性に優れかつ永久
変形し難い硬質ゴムとされたものが用いられている
(尚、短繊維7,7,…を張力帯1の側面1a側部分の
みに混入したものを用いてもよい)。このように、上記
保形ゴム層2のゴムを、メタクリル酸亜鉛で強化された
水素添加NBRとすることで、硬質で耐摩耗性に優れた
保形ゴム層2用のゴムが得られる。また、上記硬質ゴム
には、JIS−C硬度計で測定したときに75°以上の
ゴム硬度のものが用いられる。
【0031】なお、上記有機短繊維7は、例えば6,6
ナイロン繊維、6ナイロン繊維、4,6ナイロン繊維、
アラミド繊維、ポリエステル繊維、ビニロン繊維等、保
形ゴム層2のゴムよりもプーリ溝面(図示せず)との摩
擦係数が低い短繊維で、ベルト幅方向に配向される。ま
た、張力帯1のゴム弾性率を上げる必要があるとき、具
体的には心線3に対するゴムのグリップ力を高め、張力
帯1の耐久性を向上させるとともに、プーリからの側圧
を張力帯1が分担するように幅方向に高いゴム弾性率を
与える必要があるときには、上記ナイロン繊維に加えて
さらにアラミド繊維やPBO(ポリパラフェニレンベン
ゾビスオキサゾール)繊維等を併用するのが好ましい。
【0032】そして、上記保形ゴム層2と心線3及び各
帆布6とは、その心線3及び各帆布6に対する適切な接
着処理により、ゴムの架橋時に強固に接着されて一体化
されている。
【0033】一方、図2及び図3に拡大して示すよう
に、各ブロック10は、ベルト幅方向左右側部に上記各
張力帯1を幅方向から着脱可能に嵌装するための切欠き
状の嵌合溝11,11を有するとともに、この嵌合溝1
1を除いた左右側面にプーリ溝面と当接する当接部1
4,14を有している。そして、この各ブロック10の
嵌合溝11,11にそれぞれ張力帯1,1を嵌合させる
ことで、ブロック10,10,…が張力帯1,1にベル
ト長手方向に連続的に噛合して係止している。
【0034】具体的に、上記各ブロック10における各
嵌合溝11の上壁面には、上記張力帯1の上面の各上側
凹部4に噛合する凸条からなる上側凸部12が、また嵌
合溝11の下壁面には、張力帯1の下面の各下側凹部5
に噛合する凸条からなる下側凸部13が、それぞれ互い
に平行に配置されて形成されている。そして、この各ブ
ロック10の上下の凸部12,13をそれぞれ張力帯1
の上下の凹部4,5に噛合させることで、ブロック1
0,10,…が張力帯1,1にベルト長手方向に係止し
ている。
【0035】上記各ブロック10は、基本的に硬質樹脂
である熱硬化性フェノール樹脂材料から形成されている
が、図2等に示すように、その内部にはブロック10の
厚さ方向の略中央に位置するように軽量アルミニウム合
金等からなる高強度、高弾性率の補強部材15が埋設さ
れている。この補強部材15は、例えば上下の凸部1
2,13(張力帯1との噛合部)や左右側面の当接部1
4,14(プーリ溝面との接触部)では硬質樹脂中に埋
め込まれてブロック10表面に顕れないが(つまり、こ
れらの部分は硬質樹脂からなっている)、その他の部分
ではブロック10の表面に露出していてもよい。
【0036】補強部材15は、ベルト幅方向(左右方
向)に延びる上側及び下側ビーム15a,15bと、こ
れら両ビーム15a,15bの左右中央部同士を上下に
接続するセンターピラー15cとからなっていて、略H
字状に形成されている。そして、この補強部材15を熱
硬化性フェノール樹脂中にインサートしてブロック10
が成形され、さらに、必要により各種の成形加工が追加
されてブロック10の強度が高められている。
【0037】さらに、予め、上記硬質ゴムからなる張力
帯1の上下の凹部4,5間の噛合厚さt2、つまり図4
に示す上側凹部4の底面(詳しくは上側帆布6の上表
面)と該上側凹部4に対応する下側凹部5の底面(同下
側帆布6の下表面)との間の距離が、ブロック10の噛
合隙間t1、つまり図3に示す各ブロック10の上側凸
部12下端と下側凸部13上端との間の距離よりも例え
ば0.03〜0.15mm程度だけ若干大きく(t2>
t1)設定されている。このため、張力帯1への各ブロ
ック10の組付時に張力帯1がブロック10により厚さ
方向に圧縮されて組み付けられ、このことで締め代t2
−t1(ブロック10に対する張力帯1の初期圧入代)
が設けられている。
【0038】また、図2に示すように、ベルトBの左右
両側のプーリ接触面において、張力帯1におけるベルト
幅方向外側の側面1aが、各ブロック10の樹脂からな
る当接部14,14の面よりも若干(例えば0.03〜
0.15mm)突出している。そして、このことによ
り、各張力帯1の外側側面1aと各ブロック10の左右
側面である当接部14との双方がプーリ溝面に接触する
ように、張力帯1についての出代Δdが設けられてい
る。
【0039】この出代Δdは、ベルトBが組み立てられ
たときにブロック10の側面の当接部14から張力帯1
の側面1aを意図的にはみ出させるように設けたもの
で、張力帯1のピッチ幅(心線3を通る平面上での幅)
を、ブロック10の噛合部である嵌合溝11の挿入ピッ
チ幅(嵌合溝11に嵌合された張力帯1の心線3の位置
での溝深さ)に対して調整することで自由に変えられ
る。各張力帯1は各ブロック10の嵌合溝11に対し圧
入して挿入され、この圧入を完全にするためには、ベル
トBが実際の使用時にプーリから受ける力以上の力で張
力帯1を圧入する必要がある。この出代Δdは、組立後
にベルトBの左右側面をコントレーサ(輪郭形状測定
器)で走査すれば容易に測定することができる。
【0040】そして、各張力帯1の側面1aが各ブロッ
ク10の側面の当接部14よりも突出して出代Δdが形
成されているので、この張力帯1の側面1aがブロック
10の側面の当接部14と共にプーリ溝面と接触してプ
ーリからの側圧をブロック10と張力帯1とが分担して
受けることとなり、各ブロック10がプーリ溝に突入す
る際の衝撃が張力帯1の側部により緩和される。
【0041】さらに、本実施形態の特徴として、図5
(a)及び(b)に示すように、上記ブロック10のセ
ンターピラー15cと張力帯1とが当接する奥突き当て
面16の下側部分16aには、ブロック10側に凸部1
7aが、張力帯1側に凹部17bが形成されている。こ
れらの凸部17aと凹部17bは、センターピラー15
cの長手方向に沿って延在し、互いに噛み合うように形
成されている。なお、凸部17aと凹部17bは図1で
は省略している。
【0042】−実施形態の変形例−上記実施形態では、
ブロック10と張力帯1とが当接する奥突き当て面16
の下側部分16aにおいて、ブロック10側に凸部17
aを形成し、張力帯1側に凹部17bを形成して、これ
らの凸部17aと凹部17bがかみ合って係合するよう
にしているが、ブロック10側に凹部を形成し、張力帯
1側に凸部を形成してもよい。また、ブロック10にの
み凸部または凹部を形成し、張力帯1がベルトBの走行
時に生じる圧縮力で変形するようにして該凸部または凹
部と係合させてもよい。
【0043】さらに、上記凸部17aや凹部17bは、
奥突き当て面16の下側部分16aだけでなく、センタ
ーピラー15cの長手方向の全体に亘って形成して、ブ
ロック10と張力帯1とが奥突き当て面16の上側部分
16bでもかみ合うようにしてもよい。このようにすれ
ば、ベルト伝動装置でテンションプーリを設けた場合な
どに、そのテンションプーリの部分でベルトとプーリが
該凸部17aと凹部17bにより確実にかみ合う。
【0044】
【実施例】次に、具体的な実施例について説明する。ま
ず、高負荷伝動用Vベルトは、ベルト角度が26度、ベ
ルトピッチ幅が25mm、ブロックピッチ(ベルト長さ方
向)が3mm、ブロックの厚さが2.95mm、ベルトの長
さが612mmとした。また、ベルトの張力帯のマトリッ
クスゴムとして、メタクリル酸亜鉛で強化された水素添
加NBRを用い、このゴム中に架橋剤としてのパーオキ
サイド、架橋助剤、可塑剤、老化防止剤を配合した。こ
のゴムに対し、ゴム100重量部につき長さ3mmの
6,6ナイロン短繊維を10重量部の配合比で、またア
ラミド繊維として帝人(株)製の長さ2mmのテクノー
ラ繊維を15重量部の配合比でそれぞれ加えて混練り
し、短繊維強化ゴムを準備した。これをカレンダーで圧
延して短繊維を圧延方向に配向させた。そして、この未
架橋ゴムシートを用いて張力帯を成形し、ベルト幅方向
が短繊維の配向方向になるように構成して、張力帯を所
定の形状に加工した。
【0045】一方、ブロックは、厚さが2mmの軽量高強
度アルミニウム合金からなる補強材をフェノール樹脂中
にインサート成形して作製し、この成形後に熱処理を行
って樹脂の物性が所定値となるようにした。
【0046】そして、比較例及び実施例として、下記の
表1に示すように締め代、出代、ブロック側の突き当て
形状、及び張力帯の突き当て形状を設定したものを作成
した。つまり、比較例1〜3としては、締め代と出代の
値が3通りに異なり、ブロックと張力帯の突き当て部の
形状(奥突き当て形状)をいずれもフラットにしたもの
をそれぞれ作成し、実施例1〜3としては、締め代を設
けずに一定の出代を設け、ブロックと張力帯の奥突き当
て面の下側部分を凹部と凸部の組み合わせにしたもの
(実施例1,2)と、奥突き当て面の下側部分のブロッ
ク側を凸部にして張力帯側をフラットとしたもの(実施
例3)をそれぞれ作成した。
【0047】
【表1】
【0048】なお、実施例1〜3では締め代を設けてい
ないが、各実施例1〜3には比較例2または3と同程度
の締め代を設けてもよく、そうすることでブロックのが
たつきを充分に抑えることが可能となる。
【0049】次に、比較例及び実施例のベルトのそれぞ
れを、図6に示す耐熱試験装置を用いて走行させて、ベ
ルトの走行時の耐久性を測定した。図6(a)は耐熱試
験装置を上側から、図6(b)は前側からそれぞれ見た
概略断面図である。この耐熱試験装置は、前面上部の左
右略中央位置に直径40mmの熱風入口20aが、上面
の左側端部に直径90mmの熱風出口20bがそれぞれ
開口した耐熱ボックス20を有している。この耐熱ボッ
クス20内の左側部(熱風出口20b側)には駆動軸2
1に設けたピッチ円直径126.43mmの駆動プーリ
22が、また右側部には従動軸23に設けたピッチ円直
径70.8mmの従動プーリ24が、互いに軸間距離1
48.5mmを離して配置されている。そして、これら
両プーリ22,24間に各実施例及び比較例の各ベルト
Bを巻き架け、耐熱ボックス20内に熱風入口20aか
ら熱風を送ってそれを熱風出口20bから排出させなが
ら、各ベルトBを下記表2の条件で走行させた。
【0050】
【表2】
【0051】そして、各ベルトBの走行前(オリジナ
ル)及び走行中の温度、騒音の経時変化を追跡して評価
した。具体的に、ベルトBの温度は、張力帯の側面を所
定の時間に非接触温度計で測定した。
【0052】また、騒音については、上記耐熱試験装置
(図6参照)でのベルトの走行を所定時間毎に止めてベ
ルトを取り外し、図7に示す騒音試験装置で計測した。
図7(a)は騒音試験装置を上側から、図7(b)は前
側からそれぞれ見た図である。この騒音試験装置の左側
には、駆動軸31に設けたピッチ円直径50.7mmの
駆動プーリ32が、また右側には従動軸33に設けたピ
ッチ円直径113.3mmの従動プーリ34がそれぞれ
軸間距離174.4mmの間隔で配置されている。そし
て、これら両プーリ32,34間に各ベルトBを巻き架
けて、駆動プーリ32を2500rpmで回転させてベ
ルトBを走行させ、そのときに駆動軸31の中心から5
0mmで手前側に100mm離れた測音位置Pでの騒音
をマイクロフォン等により測定した。なお、この騒音特
性試験の具体的な条件は、下記表3に詳しく示している
【0053】
【表3】
【0054】以上の試験による測定結果を、下記の表4
にまとめて示している。なお、上記実施例1〜3及び比
較例1〜3の各ベルトはいずれも500時間まで走行さ
せ、500時間の走行が可能であるかどうかから耐久性
を判定した。
【0055】
【表4】
【0056】表4に示した測定結果から分かるように、
実施例はいずれも走行時のベルトの発熱が小さく、張力
帯の偏摩耗も認められなかった。さらに、500時間の
走行では、各実施例1〜3とも破損は生じず、充分な耐
久性が確認でき、走行経時後の騒音の上昇速度も遅い結
果となっていることが分かる。
【0057】なお、この種のベルトにおいて、走行初期
に発熱したとき、その発熱は走行初期の段階で出代及び
締め代の変化を増大させ、この大きな初期変化が走行時
の後々まで尾を引いて後期の耐久性として悪影響を及ぼ
し、ベルトとブロックとのガタによって心線疲労にまで
影響を与えるが、本願発明のベルトでは、張力帯とブロ
ックの突き合わせ端部をかみ合わせて係合させるように
したことによって、走行初期でも平均してベルト発熱が
小さくなる。そして、この初期のベルト発熱が低減され
る結果、張力帯の永久変形が小さくなって、出代及び締
め代が適正に維持され、騒音の経時変化も小さくなる効
果を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る高負荷伝動用Vベルト
の斜視図である。
【図2】図1のII−II線拡大断面図である。
【図3】ブロックの拡大側面図である。
【図4】張力帯の拡大側面図である。
【図5】(a)図は張力帯の奥突き当て面の形状を示す
斜視図であり、(b)図はブロックの奥突き当て面の形
状を示す斜視図である。
【図6】ベルトの耐熱試験装置を示す図である。
【図7】ベルトの騒音試験装置を示す図である。
【符号の説明】
B 高負荷伝動用Vベルト 1 張力帯 1a 張力帯側面 2 保形ゴム層 3 心線 4 上側凹部 5 下側凹部 10 ブロック 11 嵌合溝 12 上側凸部 13 下側凸部 14 当接部(ブロック側面) 15 補強部材 16 奥突き当て面 16a 下側部分 16b 上側部分 17a 凸部 17b 凹部 t1 ブロックの噛合隙間 t2 張力帯の上下凹部間の噛合厚さ t2−t1 締め代 Δd 出代

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 張力帯と、該張力帯に噛合して係止する
    ことによりベルト長さ方向に並んだ複数のブロックとか
    らなり、 上記ブロックが、ベルト幅方向に延びる上側ビームと、
    上側ビームよりも幅の狭い下側ビームと、両ビームの左
    右中央部同士を上下に接続するセンターピラーとから略
    H字状に形成されるとともに、上記張力帯が、ブロック
    の上側ビームと下側ビームの間にセンターピラーと当接
    するように装着された高負荷伝動用Vベルトであって、 上記ブロックのセンターピラーと張力帯とが当接する奥
    突き当て面の少なくとも下側部分には、一方に凸部が、
    他方に凹部が、該センターピラーの長手方向に沿って延
    在して互いに噛み合うように形成されていることを特徴
    とする高負荷伝動用Vベルト。
  2. 【請求項2】 ブロックのセンターピラーと張力帯とが
    当接する奥突き当て面には、一方に凸部が、他方に凹部
    が、該センターピラーの長手方向の全体に沿って延在す
    るように形成されていることを特徴とする請求項1記載
    の高負荷伝動用Vベルト。
  3. 【請求項3】 張力帯と、該張力帯に噛合して係止する
    ことによりベルト長さ方向に並んだ複数のブロックとか
    らなり、 上記ブロックが、ベルト幅方向に延びる上側ビームと、
    上側ビームよりも幅の狭い下側ビームと、両ビームの左
    右中央部同士を上下に接続するセンターピラーとから略
    H字状に形成されるとともに、上記張力帯が、ブロック
    の上側ビームと下側ビームの間にセンターピラーと当接
    するように装着された高負荷伝動用Vベルトであって、 上記ブロックのセンターピラーには、張力帯と当接する
    奥突き当て面の少なくとも下側部分に、該センターピラ
    ーの長手方向に沿って延在する凸部または凹部が形成さ
    れていることを特徴とする高負荷伝動用Vベルト。
  4. 【請求項4】 ブロックのセンターピラーには、張力帯
    と当接する奥突き当て面に、該センターピラーの長手方
    向の全体に沿って延在する凸部または凹部が形成されて
    いることを特徴とする請求項3記載の高負荷伝動用Vベ
    ルト。
  5. 【請求項5】 ベルトの幅方向側面におけるブロック側
    面と張力帯側面との両方がプーリ溝面と接触するよう
    に、張力帯側面がブロック側面よりも突出する出代が設
    けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか
    1記載の高負荷伝動用Vベルト。
  6. 【請求項6】 張力帯の噛合厚さがブロックの噛合隙間
    よりも大きく形成されて、張力帯がブロックに対して上
    側ピラーと下側ピラーの間に圧入されるように締め代が
    設けられていることを特徴とする請求項1乃至5の何れ
    か1記載の高負荷伝動用Vベルト。
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