JP2001355552A - スタータ - Google Patents

スタータ

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JP2001355552A
JP2001355552A JP2000180305A JP2000180305A JP2001355552A JP 2001355552 A JP2001355552 A JP 2001355552A JP 2000180305 A JP2000180305 A JP 2000180305A JP 2000180305 A JP2000180305 A JP 2000180305A JP 2001355552 A JP2001355552 A JP 2001355552A
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plunger
lock
solenoid
extrusion
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アイドルストップ状態から迅速にエンジン始
動ができ、アイドルストップ中には電力消費が低減され
ているスタータを提供すること。 【解決手段】 本発明のスタータは、ピニオンをスプリ
ング4を介して押し出す押出手段3と、押出手段3の押
出プランジャ31を押出ソレノイド32に吸引された位
置で保持するロック手段6とを有する。押出プランジャ
31が吸引された状態でロック手段6のロックソレノイ
ド62への通電を切り、ロックプランジャ61により押
出プランジャ31を吸引された位置に保てば、電力消費
なしで押出プランジャ31およびピニオン1を突出した
プリセット状態に保つことができる。それゆえ、スター
タモータによりピニオンが回転を始めると、ピニオンは
エンジンのリングギヤに速やかに噛み合い、迅速にエン
ジンを始動できるうえに、プリセット状態ではアイドル
ストップ中でも電力消費が全くなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンスタータ
の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】環境保護、資源保護および燃料節減の目
的から、自動車等の車両が信号待ち等の一時停止時には
エンジンをいったん停止させるアイドルストップを励行
することが、エコランと呼ばれて奨励されている。そし
て、運転者が操作しなくても、自動的にアイドルストッ
プ状態にし、運転者が発進操作を行うと自動的にエンジ
ンを始動する技術が開発されつつある。このようなエコ
ラン技術において、スタータには、渋滞を防ぐためにア
イドルストップ状態から遅滞なく速やかにエンジンをか
けることができる迅速性と、頻繁にエンジンを始動する
ので高い耐久性とが求められる。
【0003】エンジン始動の迅速性を満足させるために
最も容易に考えつく方法は、スタータのピニオンをエン
ジンのリングギヤに噛み合ったままの状態にしておくこ
とであり、たとえば特開平8−26117号公報に開示
されている。しかしながら、ピニオンとリングギヤとが
常時噛み合っていたのでは、走行中に両ギヤの噛み合い
によって騒音が生じるうえに、直径が小さく歯数が少な
いピニオンの寿命が短くなってしまうという不都合が生
じる。
【0004】そこで、特開平11−30139号公報に
は、アイドルストップ状態でスタータのソレノイドコイ
ルに通電してピニオンをリングギヤに噛み合わせてお
き、エンジンの始動時にはすでに噛み合っているピニオ
ンをモータで回転駆動する旨が記載されている。しかし
ながら、同公報には、アイドルストップ状態で「スター
タのピニオン噛合い制御用ソレノイドに通電し、ピニオ
ンをリングギヤに噛合わせ」るとの記載があるのみであ
る。
【0005】それゆえ、同公報の記載によれば、アイド
ルストップの間はずっとソレノイドに通電しているわけ
である。すると、同公報の技術では、アイドルストップ
中に大切な電力を無用に消費するという不都合と、アイ
ドルストップ中にソレノイドが過熱しやすくなるという
不都合とは、避けがたいものと考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、スタ
ータの耐久性と走行時の静粛性とを満足させながら、ア
イドルストップ状態から迅速にエンジンを始動すること
ができ、さらにアイドルストップ中には電力消費が低減
されているスタータを提供することを解決すべき課題と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、発明者は以下の手段を発明した。
【0008】(第1手段)本発明の第1手段は、請求項
1記載のスタータである。すなわち、本手段のスタータ
は、ピニオンをリングギヤに向かって押し出す押出手段
と、ピニオンと押出手段との間に介在してピニオンをリ
ングギヤに向かって付勢するスプリングとを有する。そ
ればかりではなく、本手段のスタータは、押出手段の押
出プランジャを所定の位置で保持することによって、ピ
ニオンをリングギヤに当接付勢ないし噛み合いさせたプ
リセット状態に保持することができるロック手段をさら
に有する。
【0009】本手段では、アイドルストップ中には、ロ
ック手段の作用により、ピニオンはリングギヤに当接付
勢ないし噛み合わされたプリセット状態に維持される。
すると、押出ソレノイドに通電されていなくても、ピニ
オンはプリセット状態に保たれるので、アイドルストッ
プの間ずっとプリセット状態にしていても、押出ソレノ
イドでの電力消費はなくなる。
【0010】しかる後、エンジンの始動を行い、モータ
によってピニオンが回動し出すと、プリセット状態でピ
ニオンがすでにリングギヤに噛み合っていれば、すぐさ
まにリングギヤも回転駆動され、エンジンが始動され
る。あるいは、プリセット状態でピニオンがリングギヤ
の端面に当接して付勢された状態であれば、ピニオンが
ワンピッチ(一歯分)も回転しないうちに、ピニオンが
リングギヤに噛み合うようになり、ピニオンがスプリン
グにより押し進められる。その結果、ピニオンとリング
ギヤとは十分に深く噛み合うに至るので、遅滞なくピニ
オンによりリングギヤも回転駆動されてエンジンが始動
される。
【0011】エンジンが始動してしまえば、ロック手段
は解除され、リターンスプリングなどの作用によってピ
ニオンおよび押出プランジャは原位置に復帰する。
【0012】以上の過程において、アイドルストップ状
態では瞬時にピニオンをリングギヤに当接させる必要は
なく、ピニオンはゆっくりとリングギヤに向かって押し
出されてプリセット状態になる。それゆえ、ピニオンを
プリセット状態にするに当たって、ピニオンがリングギ
ヤに激しく衝突してピニオンの端面が変形してしまった
り、大きな衝撃や騒音を生じることがない。それゆえ、
ピニオンの耐久性が向上する。
【0013】また、プリセット状態からエンジン始動を
行えば、ピニオンがリングギヤに速やかに噛み合ってほ
とんど衝撃がないので、始動時の衝撃騒音が低減される
とともに、スタータにかかる衝撃も低減されやはりスタ
ータの耐久性が向上する。そして、プリセット状態では
ピニオンがリングギヤに噛み合っているか当接付勢され
ているかのいずれかの状態にあるので、アイドルストッ
プから遅滞なく迅速にエンジンを始動することができ
る。
【0014】さらに、エンジンの自立回転中はリングギ
ヤからピニオンは外れており、両者は噛み合っていな
い。それゆえ、走行中にピニオンとリングギヤとの間で
噛み合い騒音が発生することはなく、走行時の静粛性が
向上するとともに、ピニオンの寿命も延びる。
【0015】そればかりではなく、いったんピニオンが
押出手段によって押し出されてしまい、ロック手段が作
用したならば、ピニオンはロック手段によってプリセッ
ト状態に保たれる。それゆえ、アイドルストップ中にず
っと押出ソレノイドに通電し続ける必要がなくなり、押
出ソレノイドでの消費電流がほとんどなくなるととも
に、押出ソレノイドの過熱も防止される。
【0016】したがって、本手段のスタータによれば、
スタータの耐久性と走行時の静粛性とを満足させなが
ら、アイドルストップ状態から迅速にエンジンを始動す
ることができるという効果がある。そればかりではな
く、いったんプリセット状態に入ってしまえば、アイド
ルストップ中に押出ソレノイドの電力消費はなくて済
み、押出ソレノイドの過熱も防止されるという効果があ
る。
【0017】(第2手段)本発明の第2手段は、請求項
2記載のスタータである。すなわち、前述の第1手段に
おいて、ロック手段は、押出プランジャに対して直交す
る方向に移動可能なロックプランジャと、ロックプラン
ジャを吸引するロックソレノイドと、ロックプランジャ
を復帰させるリターンスプリングとをもつ。
【0018】本手段では、ロック手段は、ロックソレノ
イドに通電していない状態でリターンスプリングの作用
によりロックプランジャを復帰させることができる。そ
れゆえ、ロックプランジャが復帰した状態でロックプラ
ンジャが押出プランジャに当接し、押出プランジャを所
定のプリセット状態に保つ構成とすることができる。こ
のような構成によれば、いったんプリセット状態に入っ
てしまえば、ロックソレノイドにも通電する必要がなく
なり、スタータは全く電力を消費することがなくなる。
【0019】したがって、本手段のスタータによれば、
前述の第1手段の効果に加えて、アイドルストップ中の
消費電力がよりいっそう低減されるという効果がある。
【0020】(第3手段)本発明の第3手段は、請求項
3記載のスタータである。すなわち、本手段のスタータ
は、前述の第2手段において、押出プランジャが移動中
にはロックプランジャをこの押出プランジャから離して
おくように、ロックソレノイドへの通電が制御されるこ
とを特徴とする。
【0021】より詳しく説明すると、アイドルストップ
状態に入るときに押出プランジャは吸引され、アイドル
ストップ状態を脱してエンジン始動をしてしまったら押
出プランジャは原位置に復帰する。このように、押出プ
ランジャが吸引されたり復帰したりして移動する際に、
もしも押出プランジャにロックプランジャが当接ないし
摺接した状態にあったならば、両者の当接面はいずれ変
形してしまい摺接面は摩滅してしまうであろう。
【0022】そこで本手段では、押出プランジャが移動
中にはロックプランジャを後退させて押出プランジャか
ら離してしまい、両者が互いに接触しないようにしてい
る。すると、押出プランジャが移動中には両プランジャ
は互いに摺接も当接もしないので、両者の当接面および
摺接面が摩耗変形してしまうことはなくなる。その結
果、スタータのうち両プランジャはアイドルストップ状
態に入るたびに使用されて使用頻度が高いが、両プラン
ジャの耐久性が向上する。
【0023】したがって、本手段のスタータによれば、
前述の第2手段の効果に加えて、両プランジャの耐久性
が向上し、ひいてはスタータの耐久性も向上するという
効果がある。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明のスタータの実施の形態に
ついては、当業者に実施可能な理解が得られるよう、以
下の実施例で明確かつ十分に説明する。
【0025】[実施例1] (実施例1の構成)本発明の実施例1としてのスタータ
は、図1に示すように、R(リダクション)型のスター
タである。すなわち、本実施例のスタータは、軸長方向
に移動可能に軸支されたピニオン1と、ピニオン1を回
転駆動するモータ2と、ピニオン1に同軸に配設された
押出手段3と、後述のスプリング4(図2参照)と、ロ
ック手段6とを有する。これらの主要構成要素は、一体
的に組み立てられたフレーム10内の所定の位置に収容
されている。すなわち、フレーム10のうち、モータフ
レーム12はモータ2を収容しており、サブフレーム1
1は押出手段3およびロック手段6などを収容してい
る。ここで、モータ2の回転駆動力は、互いに連接して
噛み合うギヤ21,22,23を順に介して、ピニオン
1を駆動するワンウェイクラッチ(図略)に伝達され
る。
【0026】図2に示すように、サブフレーム11は、
押出手段3、スプリング4、クラッチシャフト5および
ロック手段6を収容している。
【0027】押出手段3は、ピニオン1をエンジンのリ
ングギヤR(図1参照)に向かって押し出す押出プラン
ジャ31と、押出プランジャ31を吸引する押出ソレノ
イド32とをもつ。すなわち、押出手段3は、押出ソレ
ノイド32に通電されると、磁気吸引力により押出プラ
ンジャ31を吸引してピニオン1の方向(前方)に移動
させる。そして、スプリング4およびクラッチシャフト
5などを介して、ピニオン1をリングギヤRに向かって
突出させる作用(図1参照)をもつ。
【0028】また、スプリング4は、押出プランジャ3
1の内部にクラッチシャフト5と直列に配設されている
コイルスプリングである。スプリング4は、ピニオン1
と押出プランジャ31との間に介在し、プリセット状態
ではクラッチシャフト5を介してピニオン1をリングギ
ヤRに向かって付勢する作用をもつ。
【0029】一方、ロック手段6は、押出プランジャ3
1に対して直交する方向に移動可能なロックプランジャ
61と、ロックプランジャ61を吸引するロックソレノ
イド62と、ロックプランジャ61を復帰させるリター
ンスプリング63とをもつ。すなわち、ロックソレノイ
ド62に通電されると、ロックプランジャ61はロック
ソレノイド62に吸引されて後退し、押出プランジャ3
1から離れる。逆にロックソレノイド62への通電が遮
断されると、リターンスプリング63の付勢力でロック
プランジャ61が復帰し、ロックプランジャ61は先端
部が押出プランジャ31に当接するに至る。
【0030】ロック手段6は、図3に示すように、押出
ソレノイド32によって吸引された押出プランジャ31
に当接し、押出プランジャ31を所定の位置に保持する
ことによって、ピニオン1をプリセット状態に保つこと
ができる。ここで、プリセット状態とは、ピニオン1を
リングギヤRに当接付勢ないし噛み合いさせた状態を指
すものとする。すなわち、押出プランジャ31の肩部に
形成された当接面311に、ロックプランジャ61の先
端部側面にピニオン1へ向かって形成された当接面61
1が当接し、スプリング4等に付勢されて後退しようと
する押出プランジャ31を前進位置に保持する。その結
果、スプリング4等に付勢されたピニオン1は、プリセ
ット状態に保持されるに至る。
【0031】なお、押出プランジャ31が移動中にはロ
ックプランジャ61を押出プランジャ31から離してお
くように、ロックソレノイド32への通電が制御され
る。
【0032】(実施例1の作用)本実施例のスタータ
は、以上のように構成されているので、以下のような作
用をもつ。本実施例の作用については、図4のタイミン
グチャートを参照しながら、時間を追って説明すること
にする。
【0033】先ず、搭載車両が走行中などでエンジンが
回転中には、再び図2に示すように、スプリング4等の
付勢作用により、押出手段3の押出プランジャ31は一
杯に後退した位置にある。また、ロック手段6のロック
プランジャ61もやや後退した位置にあって、リターン
スプリング63の付勢力により、その先端を押出プラン
ジャ31の大径部312の外周面に軽く当接させてい
る。この状態では、押出手段3の押出ソレノイド32に
もロック手段6のロックソレノイド62にも通電されて
おらず、もちろんモータ2にも通電されていないので、
本実施例のスタータではジュール熱による発熱は全くな
い。
【0034】次に、搭載車両が信号待ちなどで停止し、
エコラン制御によってエンジンが停止してアイドルスト
ップ状態に入ると、再び図4に示すように、エコラン信
号のパルスがオフ側に発生する。すると(図2参照)、
ロック手段6のロックソレノイド62に通電されてロッ
クプランジャ61が吸引され、ロックプランジャ61は
後退して押出プランジャ31の外周面から離れる。続い
て押出手段3の押出ソレノイド32に通電され、押出プ
ランジャ31が吸引されて最前方にまで前進する。この
際、押出ソレノイド32に通電される電流の大きさは適
正に制限されており、押出プランジャ31の前進速度が
比較的小さいので、ピニオン1が比較的ゆっくりとリン
グギヤRに当接するようになっている。
【0035】そして、図3に示すように、押出プランジ
ャ31が前進して停止すると、ロックソレノイド62へ
の通電が停止され、ロックプランジャ61がリターンス
プリング63の付勢作用で突出してくる。そして、ロッ
クプランジャ61の先端部が押出プランジャ31の小径
部313の外周面に当接して、ロックプランジャ61は
停止する。続いて押出ソレノイド32への通電も停止さ
れ、押出プランジャ31はスプリング4等の付勢作用で
後退しようとする。しかし、ロックプランジャ61の当
接面611が、押出プランジャ31の肩部の当接面31
1の一部に当接して、押出プランジャ31の後退を妨げ
るので、押出プランジャ31は前進した位置に留まる。
それゆえ、押出プランジャ31によってスプリング4等
を介して押し出されるピニオン1は、リングギヤRに当
接して押圧付勢されているかまたはリングギヤRに噛み
合っている状態(プリセット状態)に保たれる。
【0036】こうしてアイドルストップ状態に入って再
びエンジンを始動する時を待つのであるが、このアイド
ルストップ状態では、前述のように押出ソレノイド32
にもロックソレノイド62にも通電されていない。もち
ろん、モータ2にも通電されていないので、アイドルス
トップ状態でプリセット状態に入ってしまえば、本実施
例のスタータでの電力消費は全くなくなり、押出ソレノ
イド32等の各コイルが過熱焼損する恐れも全くなくな
る。
【0037】アイドルストップの後、搭載車両を発進さ
せるには、エンジンを再び始動する必要がある。この際
には、再び図4に示すように先ず押出ソレノイド32に
通電して、すでに前進位置に保持されている押出プラン
ジャ31を、ストッパに当接するまで前進させておく
(図3参照)。これと同時に、モータ2にも通電しピニ
オン1を回転駆動させる。すると、多くの場合にはリン
グギヤRに当接したままになっているピニオン1の歯
が、モータ2への通電からやや遅れてリングギヤRの歯
に比較的ゆっくりと噛み合い、エンジンが本実施例のス
タータによってクランキングされ始める。
【0038】そして、エンジンの回転が所定の回転数
(200〜300rpm程度)にまで上がってきたら、
ロックソレノイド62にも通電され、ロックプランジャ
61は吸引されて押出プランジャ31から引き離され
る。しかる後、エンジンの回転が始動判定回転数(50
0rpm程度)にまで上がってきて、エンジンが自立運
転を始めたならば、エコラン信号のパルスが正方向へ発
生する。エコラン信号をきっかけにして、モータ2への
通電が停止されるとともに、押出プランジャ31への通
電も停止される。
【0039】すると、スプリング4等の付勢作用で押出
プランジャ31が後退位置に復帰し、ピニオン1も後退
位置に復帰する。この際、前述のようにロックプランジ
ャ61は押出プランジャ31から引き離されているの
で、両者31,61は摺接することがない。それゆえ、
両者31,61の当接面311,611も互いに離れて
いるので、両当接面311,611が摩滅することも防
止されている。
【0040】前述のようにエンジンが始動し、押出ソレ
ノイド32への通電が停止されて押出プランジャ31が
すっかり後退してしまったら、やや遅れてロックソレノ
イド62への通電も停止される。すると、リターンスプ
リング63の付勢力で再びロックプランジャ61が突出
し、再び図2に示すように、ロックプランジャ61は先
端部を押出プランジャ31の大径部312の外周面に当
接させて停止する。この状態でも、モータ2に通電され
ていないのはもちろんのこと、押出ソレノイド32にも
ロックソレノイド62にも通電されていないので、電力
が無駄に消費されることがない。
【0041】なお、アイドルストップ状態を終えてエン
ジンを始動する際に、押出ソレノイド32に通電しない
ままにしておいても、ロックプランジャ61との当接に
よって押出プランジャ31はプリセット状態に保たれて
いる。それゆえ、前述とほぼ同様のエンジン始動作用が
得られるが、押出プランジャ31とロックプランジャ6
1とが互いの当接面311,611で摺接するので、だ
んだん当接面311,611が摩耗変形するので、あま
り好ましくない。
【0042】以上の作用をまとめると、アイドルストッ
プ中には、ロック手段6の作用により、ピニオン1はリ
ングギヤRに当接付勢ないし噛み合わされたプリセット
状態に維持される。すると、押出ソレノイド32にもロ
ックソレノイド62にも通電されていなくても、ピニオ
ン1はプリセット状態に保たれるので、アイドルストッ
プの間ずっとピニオン1をプリセット状態にしていて
も、本実施例のスタータでの電力消費は全くない。
【0043】しかる後、エンジンの始動を行い、モータ
2によってピニオン1が回転し出すと、プリセット状態
でピニオン1がすでにリングギヤRに噛み合っていれ
ば、すぐさまにリングギヤRも回転駆動され、エンジン
が始動される。あるいは、プリセット状態でピニオン1
がリングギヤRの端面に当接して押圧付勢された状態で
あれば、ピニオン1がワンピッチ(一歯分)も回動しな
いうちに、ピニオン1がリングギヤRに噛み合うように
なり、ピニオン1がスプリング4等により押し進められ
る。その結果、ピニオン1とリングギヤRとは十分に深
く噛み合うに至るので、遅滞なくピニオン1によりリン
グギヤRも回転駆動されてエンジンが始動される。
【0044】エンジンが始動してしまえば、ロック手段
6は解除され、図示しないリターンスプリングなどの作
用によって、ピニオン1および押出プランジャ31は原
位置に復帰する。
【0045】(実施例1の効果)以上の過程において、
アイドルストップ状態では瞬時にピニオン1をリングギ
ヤRに当接させる必要がないので、前述のように、ピニ
オン1は比較的ゆっくりとリングギヤRに向かって押し
出されてプリセット状態になる。それゆえ、ピニオン1
をプリセット状態にするに当たって、ピニオン1がリン
グギヤRに激しく衝突して、ピニオン1の端面が長期間
の運用のうちには変形してしまったり、大きな衝撃や騒
音を生じてしまったりすることがない。それゆえ、ピニ
オン1の耐久性が向上する。
【0046】また、プリセット状態からエンジン始動を
行えば、ピニオン1がリングギヤRに速やかに噛み合っ
てほとんど衝撃がない。それゆえ、始動時の衝撃騒音が
低減されるとともに、本実施例のスタータにかかる衝撃
も低減され、やはり本実施例ではスタータの耐久性が向
上する。そして、プリセット状態では、前述の定義のよ
うに、ピニオン1がリングギヤRに噛み合っているか当
接付勢されているかのいずれかの状態にあるので、アイ
ドルストップ状態から遅滞なく迅速にエンジンを始動す
ることができる。
【0047】さらに、エンジンの自立回転中はリングギ
ヤRからピニオン1が外れており、両者は互いに噛み合
っていない。それゆえ、搭載車両の走行中にピニオン1
とリングギヤRとの間で噛み合い騒音が発生することは
なく、走行時の静粛性が向上するとともに、ピニオン1
の寿命も延びる。
【0048】そればかりではなく、いったんピニオン1
が押出手段3によって押し出されてしまい、ロック手段
6が作用したならば、ピニオン1はロック手段6によっ
てプリセット状態に保たれる。それゆえ、アイドルスト
ップ中にずっと押出ソレノイド32に通電し続ける必要
がなくなり、プリセット状態では押出ソレノイド32等
での消費電力が全くなくなるとともに、押出ソレノイド
32等の過熱も防止される。
【0049】以上詳述したように、本実施例のスタータ
によれば、ピニオン1を含むスタータの耐久性と走行時
の静粛性とを満足させながら、アイドルストップ状態か
ら迅速にエンジンを始動することができるという効果が
ある。そればかりではなく、いったんプリセット状態に
入ってしまえば、アイドルストップ中に押出ソレノイド
32等での電力消費はなくて済み、押出ソレノイド32
等の過熱も防止されるという効果がある。
【0050】(実施例1の変形態様1)本実施例の変形
態様1として、ノック式ボールペンの芯出し機構と同様
の構成をもつロック手段をもったスタータの実施が可能
である。ここでいう芯出し機構とは、一度目のノックで
ボールペンの芯が突出した位置で固定され、しかる後、
二度目のノックでボールペンの芯が引っ込んだ位置に復
帰する作用をもつ機構のことである。
【0051】本変形態様では、一度押出プランジャ31
が吸引されると、ロック手段(図略)によって押出プラ
ンジャはほぼその位置を保って保持されるので、ピニオ
ン1はプリセット状態に保たれる。エンジン始動にあた
っては、再度押出プランジャ31が吸引されるので、ピ
ニオン1とリングギヤRとの噛み合いは十分に深くされ
ながら、ロック手段のロックが外れる。そして、エンジ
ンが始動して押出ソレノイド32への通電が停止される
と、ピニオン1および押出プランジャ31はスプリング
4等の作用によって原位置に復帰し、ピニオン1はリン
グギヤRから離れる。
【0052】本変形態様では、実施例1とは異なり、ロ
ックプランジャ61およびロックソレノイド62が必要
とされないので、構成がより簡素になるうえに電力を消
費することもなく、ロック手段の作用が得られる。した
がって、本変形態様のスタータによれば、実施例1のス
タータと同様の効果がえられるばかりではなく、より簡
素かつ安価に製造することができるので、コストダウ
ン、消費電力のさらなる節減、信頼性の向上などの効果
が得られる。
【0053】(実施例1のその他の変形態様)本発明
は、前述の実施例1やその変形態様1のようなR(リダ
クション)式のスタータだけではなく、ドライブレバー
を介してピニオンを押し出す電磁押し込み式のスタータ
にも適用可能である。そればかりではなく、本発明は、
その他の形式のうちピニオン突出式のスタータの多くに
も適用可能である。これらの場合には、各スタータの形
式の応じて、実施例1またはその変形態様1と同様の作
用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1としてのスタータの全体構成を示す
部分断面図
【図2】 実施例1の要部構成をエンジン回転中の状態
で示す断面図
【図3】 実施例1の要部構成をアイドルストップ状態
で示す断面図
【図4】 実施例1としてのスタータの作用を示すタイ
ミングチャート
【符号の説明】
1:ピニオン 2:モータ 21,22,23:ギ
ヤ 3:押出手段 31:押出プランジャ 311:当接面 312:大径部 313:小径部 32:押出ソレノイド 4:スプリング 5:クラッチシャフト 6:ロック手段 61:ロックプランジャ 611:当接面 62:ロックソレノイド 63:リターンスプリング 10:フレーム 11:サブフレーム 12:モータフレーム R:リングギヤ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸長方向に移動可能に軸支されたピニオン
    と、 このピニオンを回転駆動するモータと、 このピニオンをエンジンのリングギヤに向かって押し出
    す押出プランジャおよび押出ソレノイドをもつ押出手段
    と、 このピニオンとこの押出プランジャとの間に介在しこの
    ピニオンをこのリングギヤに向かって付勢するスプリン
    グと、を有するスタータにおいて、 前記押出ソレノイドによって吸引された前記押出プラン
    ジャに当接し、この押出プランジャを所定の位置に保持
    することによって、前記ピニオンを前記リングギヤに当
    接付勢ないし噛み合いさせたプリセット状態に保持する
    ことができるロック手段をさらに有することを特徴とす
    る、 スタータ。
  2. 【請求項2】前記ロック手段は、 前記押出プランジャに対して直交する方向に移動可能な
    ロックプランジャと、 このロックプランジャを吸引するロックソレノイドと、 このロックプランジャを復帰させるリターンスプリング
    とをもつ、 請求項1記載のスタータ。
  3. 【請求項3】前記押出プランジャが移動中には前記ロッ
    クプランジャをこの押出プランジャから離しておくよう
    に、前記ロックソレノイドへの通電が制御される、 請求項2記載のスタータ。
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