JP2001355488A - 内燃機関の運転制御装置 - Google Patents

内燃機関の運転制御装置

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JP2001355488A
JP2001355488A JP2000176656A JP2000176656A JP2001355488A JP 2001355488 A JP2001355488 A JP 2001355488A JP 2000176656 A JP2000176656 A JP 2000176656A JP 2000176656 A JP2000176656 A JP 2000176656A JP 2001355488 A JP2001355488 A JP 2001355488A
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combustion
fuel
fuel injection
air
pressure
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JP2000176656A
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English (en)
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Daisuke Itagaki
大介 板垣
Shizuo Abe
静生 安部
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 均質燃焼運転中に、点火プラグ回りの混合気
が希薄となることによる燃焼不良を排気エミッションを
悪化させることなく防止する。 【解決手段】 吸気行程のみで燃料噴射を行う均質スト
イキオ燃焼での運転中に、各シリンダ14a間の圧縮上
死点の移行時間から、点火プラグ33の周囲の混合気が
希薄となることによる失火の発生、又は、失火が発生し
そうな燃焼悪化状態を検出する。この燃焼悪化状態を検
出したとき、エンジン回転数NE及び燃料噴射量に対応
して決定されている燃圧PF を一時的に低くするととも
に燃料噴射時間を一時的に長くする。このことにより、
吸気行程で燃焼室18に噴射される燃料を吸気ポート2
0から導入される空気によってより拡散させ、点火時点
での点火プラグ33の周囲の混合気の空燃比を理論空燃
比に近くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、均質燃焼を行う筒
内噴射型の内燃機関の運転制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、点火式内燃機関として、各シ
リンダ内に直接燃料を噴射する筒内噴射型エンジンが知
られている。そして、この筒内噴射型エンジンにおい
て、ピストンの圧縮行程で燃料を噴射することによっ
て、低負荷低回転領域において理論空燃比よりも大幅に
薄い空燃比での希薄燃焼を可能とする成層燃焼を行って
いる。この成層燃焼によって、燃費の向上や、排気ガス
中の有害物質の低減を達成している。
【0003】さらに、成層燃焼を行なうことができない
負荷及び回転領域にあるときや、成層燃焼が好ましくな
い運転状態では、ピストンの吸気行程で燃料を噴射する
ことによって、混合気を均質化させた状態で燃焼を行う
均質燃焼を行なっている。
【0004】ところで、均質燃焼を行うために、吸気行
程で燃料を噴射したとき、噴射された燃料が点火時点ま
でに筒内全体に十分に均質に拡散しないことがある。即
ち、低負荷時であって燃料噴射量が少ないときには、燃
料の噴射時間が短いことから、噴射された燃料が筒内に
十分に拡散しない傾向となる。その結果、均質燃焼時で
の低負荷時に、点火時点で点火プラグの周囲に生成され
た混合気の空燃比が薄くなり、燃焼不良(失火)が発生
することがあった。
【0005】このような問題を解消するため、特開平1
0−61483号公報で開示された内燃機関の制御装置
では、均質燃焼時でのエンジンの燃焼状態を検出し、燃
焼状態が悪化したときに燃料噴射量を一時的に多くし、
燃焼室全体の空燃比をリッチ化することにより燃焼悪化
を防止するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本来、
エンジンの運転状態に応じて、排気エミッションが最適
となるように設定されている燃料噴射量を多くすること
は、一時的にせよ排気エミッションを悪化させることに
なる。
【0007】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであって、その目的は、均質燃焼での運転時
に、点火プラグの周囲の混合気が希薄となることによる
燃焼不良を排気エミッションを悪化させることなく防止
することができる内燃機関の運転制御装置を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1に記載の発明は、気筒内に燃料を直接噴射
して点火する内燃機関の運転制御装置において、均質燃
焼での運転中に、燃焼状態が悪化したことを検出する燃
焼悪化検出手段と、前記燃焼状態の悪化が検出されたこ
とに基づき、前記燃料を噴射するときに、燃料噴射圧を
一時的に低減するとともに燃料噴射時間を一時的に長く
する燃料噴射制御手段とを備えたことを要旨とする。
【0009】この構成によれば、均質燃焼運転中に点火
プラグの周囲の燃料濃度が希薄となって燃焼状態が悪化
したとき、燃料が一時的により低い燃料噴射圧でより長
い噴射時間で噴射されるので、噴射された燃料が吸入空
気によってより拡散され燃料の均質化が促進される。こ
のため、点火時点での点火プラグの周囲の混合気が希薄
となるのが抑制される。従って、燃焼悪化が起き難くな
る。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記燃料噴射制御手段は、燃料噴射量
を変えることなく前記燃料噴射圧及び燃料噴射時間を変
更することを要旨とする。
【0011】この構成によれば、請求項1に記載の発明
の作用に加えて、燃料噴射量を変えることなく燃料悪化
が起き難くなる。請求項3に記載の発明は、気筒内に燃
料を直接噴射して点火する内燃機関の運転制御装置にお
いて、均質燃焼での運転中に、燃焼状態が悪化したこと
を検出する燃焼悪化検出手段と、前記燃焼状態の悪化が
検出されたことに基づき、均質燃焼運転を成層燃焼運転
に一時的に切り換える燃焼制御手段とを備えたことを要
旨とする。
【0012】この構成によれば、均質燃焼運転中に点火
プラグの周囲の燃料濃度が希薄となって燃焼状態が悪化
したとき、均質燃焼運転から成層燃焼運転に一時的に切
り換えられるので、点火時点での点火プラグの周囲の混
合気が希薄となるのが抑制される。従って、燃焼悪化が
起き難くなる。
【0013】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
自動車用のエンジンシステムに具体化した第1実施形態
を図1〜図4に従って説明する。
【0014】図1に示すように、エンジンシステム10
は、内燃機関としての直列型エンジン11、電子制御装
置(以下、ECUという)12、電子駆動装置(以下、
EDUという)13等からなる。
【0015】エンジン11のシリンダブロック14に形
成された複数のシリンダ14aにはそれぞれピストン1
5が収容され、各ピストン15はコンロッド16を介し
てシリンダブロック14のクランク室14b内に支持さ
れたクランクシャフト17に連結されている。
【0016】各シリンダ14aに形成された燃焼室18
には、シリンダヘッド19に形成された吸気ポート20
及び排気ポート21がそれぞれ連通されている。吸気ポ
ート20は、シリンダヘッド19に支持された吸気バル
ブ22によって開閉され、排気ポート21は、同じく排
気バルブ23によって開閉される。各吸気バルブ22
は、シリンダヘッド19の上側に設けられた吸気カムシ
ャフト24によって駆動され、各排気バルブ23は、同
じく排気カムシャフト25によって駆動される。吸気カ
ムシャフト24及び排気カムシャフト25は、図示しな
いタイミングベルトによってそれぞれクランクシャフト
17に連結されている。クランク室14b内には、クラ
ンクシャフト17のクランク角CAと、エンジン回転数
NEとを検出するためのクランク位置センサ26が設け
られている。
【0017】シリンダヘッド19には、各シリンダ14
a毎に、その燃焼室18に直接燃料を噴射する高圧イン
ジェクタ27が設けられている。高圧インジェクタ27
はECU12がEDU13を介して出力する駆動電流S
1によって駆動制御され、所定範囲の高圧で供給される
燃料を駆動電流S1が入力されるタイミングに応じて微
粒化して噴射する。
【0018】また、シリンダヘッド19には、各高圧イ
ンジェクタ27に高圧燃料を供給する燃料デリバリパイ
プ28が設けられている。さらに、シリンダヘッド19
には、燃料デリバリパイプ28に高圧燃料を供給する高
圧燃料ポンプ29が設けられている。高圧燃料ポンプ2
9は排気カムシャフト25によって駆動されるとともに
ECU12が出力する電気信号S2によって吐出量が制
御される電子制御式プランジャポンプである。高圧燃料
ポンプ29は、燃料タンク30から低圧フューエルポン
プ31が低圧で供給する燃料を電気信号S2にて指令さ
れる範囲の高圧まで昇圧して燃料デリバリパイプ28に
供給する。燃料デリバリパイプ28には、燃圧PF を検
出する燃圧センサ32が設けられている。本実施形態で
は、ECU12及びクランク位置センサ26が燃焼悪化
検出手段を構成する。また、ECU12、EDU13、
高圧インジェクタ27及び高圧燃料ポンプ29が燃料噴
射制御手段を構成する。
【0019】また、シリンダヘッド19には、各シリン
ダ14a毎に、点火プラグ33と、イグナイタ一体型イ
グニッションコイル34とが設けられている。イグナイ
タ一体型イグニッションコイル34は、ECU12が出
力する電気信号S3に基づいて高電圧を生成し、点火プ
ラグ33に供給する。
【0020】前記吸気ポート20には吸気マニホルド3
5が接続され、吸気マニホルド35にはサージタンク3
6が接続されている。サージタンク36の上流側には、
電子制御スロットルユニット37のスロットルボディ3
8が設けられている。電子制御スロットルユニット37
は、ECU12が出力する電気信号S4で制御されるス
ロットルモータ39を備え、このスロットルモータ39
によってスロットルボディ38内のスロットルバルブ4
0を開閉駆動する。電子制御スロットルユニット37
は、スロットルバルブ40のスロットル開度THを検出
するスロットル開度センサ41と、車室内に設けられる
アクセルペダル42に連結されてそのアクセル開度(踏
込み量)ACCを検出するアクセル開度センサ43とを備
えている。尚、サージタンク36には、吸気圧PA を検
出するバキュームセンサ44が設けられている。
【0021】また、前記排気ポート21には排気マニホ
ルド45を介して排気管46が接続されている。排気管
46には、排気ガス中の酸素濃度OD を検出するための
酸素センサ47が設けられている。
【0022】次に、上記のように構成されたエンジンの
運転制御装置の電気的構成を図2の電気ブロック図に従
って説明する。クランク位置センサ26、燃圧センサ3
2、スロットル開度センサ41、アクセル位置センサ4
3、バキュームセンサ44及び酸素センサ47は、EC
U12の入力側にそれぞれ電気的に接続されている。各
高圧インジェクタ27はEDU13を介してECU12
の出力側に電気的にそれぞれ接続され、高圧燃料ポンプ
29、各イグニッションコイル34及びスロットルモー
タ39は直接にECU12の出力側にそれぞれ電気的に
接続されている。
【0023】ECU12は、マイクロコンピュータ4
8、駆動回路49等からなる。そして、予め記憶されて
いる制御プログラムをマイクロコンピュータ48が実行
することで、エンジンを運転するための運転制御を行
う。ECU12は、運転制御として、公知の燃料噴射制
御、点火時期制御及びスロットル制御等を行う。また、
ECU12は、新たな制御である燃焼補正制御を行う。
【0024】燃料噴射制御として、エンジンの運転状態
に応じて燃料噴射量、燃料噴射圧、噴射時間及び噴射時
期を制御する。また、点火時期制御として点火時期を制
御し、スロットル制御としてスロットル開度を制御す
る。さらに、噴射補正制御として、混合気が希薄である
ことによって失火が発生したか、又は、失火が発生しそ
うな燃焼状態の悪化が検出されたときに、燃焼噴射制御
における制御内容を一時的に変更する。
【0025】ECU12は、前記燃料噴射制御を、アク
セル開度ACC、エンジン回転数NE、吸気圧PA に基づ
いて各高圧インジェクタ27及び高圧燃料ポンプ29を
駆動制御することで行う。
【0026】燃料噴射制御として、ECU12は、アク
セル開度ACC及びエンジン回転数NEから、エンジン1
1のトルクTを推定し、又、燃料噴射量QF を決定す
る。また、ECU12は、予め設定されている図3に示
すマップを用いて、トルクT及びエンジン回転数NEか
ら、そのときの燃焼制御方式を決定する。ECU12
は、燃焼運転方式として、成層燃焼、弱成層燃焼、均質
リーン燃焼及び均質ストイキオ燃焼の内のいずれかを決
定する。また、ECU12は、トルクT及びエンジン回
転数NEから、各燃焼運転方式に対応して設定されてい
る燃料噴射時期と、燃料噴射量QF に対応した燃料噴射
圧(即ち、燃圧PF )及び燃料噴射時間を決定する。な
お、トルクT及びエンジン回転数NEが成層燃焼が設定
される領域にあったとしても、例えば、燃焼音や触媒温
度などの点から、成層燃焼運転よりも、均質ストイキオ
燃焼運転の方が好ましい運転状態にあるときには、トル
クT及びエンジン回転数NEに係わらず均質ストイキオ
燃焼運転が行われる。
【0027】燃圧PF は、噴射した燃料を微粒化させる
ようにある程度以上の大きさに設定されるとともに、燃
料消費率が良好となる大きさに設定されている。例え
ば、低回転領域では、噴射された燃料の集中を防ぐため
に相対的に低い燃圧PF での長い噴射時間が設定され、
高回転領域では、噴射された燃料の過度の分散を抑制す
るために相対的に高い燃圧PF での短い噴射時間が設定
されている。
【0028】成層燃焼運転は、燃焼室18全体での混合
気の空燃比A/Fを超希薄域(例えばA/F=25〜5
0)とするための燃焼運転であって、ECU12は、各
シリンダ14a毎に、クランク角CAに基づき、その圧
縮行程中に燃料噴射時期を設定して高圧インジェクタ2
7を駆動制御する。
【0029】また、弱成層燃焼運転は、燃焼室18全体
での混合気の空燃比A/Fを高希薄域(例えばA/F=
20〜30)とするための燃焼運転であって、ECU1
2は、各シリンダ14a毎に、クランク角CAに基づ
き、その吸気行程中と圧縮行程中の2回に分けて燃料噴
射時期を設定して高圧インジェクタ27を駆動制御す
る。
【0030】また、均質リーン燃焼運転は、燃焼室18
全体での混合気の空燃比A/Fを弱希薄域(例えばA/
F=15〜23)とするための燃焼運転であって、EC
U12は、各シリンダ14a毎に、クランク角CAに基
づき、その吸気行程中に燃料噴射時期を設定して高圧イ
ンジェクタ27を駆動制御する。
【0031】均質ストイキオ燃焼運転は、燃焼室18全
体での混合気の空燃比A/Fを理論空燃比とするための
燃焼運転であって、ECU12は、吸気圧PA 及びエン
ジン回転数NEから改めて燃料噴射量QF を求め、各シ
リンダ14a毎に、クランク角CAに基づきその吸気行
程中に燃料噴射時期を設定して高圧インジェクタ27を
駆動制御する。また、ECU12は、酸素濃度OD に基
づき理論空燃比での燃焼が行われるように燃料噴射量Q
F を補正するフィードバック制御を行う。
【0032】また、ECU12は、前記点火時期制御
を、吸気圧PA 、エンジン回転数NE、クランク角CA
及び燃料噴射量QF に基づいて各イグニッションコイル
34を駆動制御することで行う。ECU12は、成層燃
焼運転時、弱成層燃焼運転時及び均質リーン燃焼運転時
には、各シリンダ14a毎に、燃料噴射量QF 及びエン
ジン回転数NEに基づいて点火時期を設定し、この点火
時期に点火プラグ33を点火させるようにクランク角C
Aに基づいてイグニッションコイル34を制御する。ま
た、ECU12は、均質ストイキオ燃焼運転時には、各
シリンダ14a毎に、吸気圧PA 及びエンジン回転数N
Eに基づいて点火時期を設定し、この点火時期に点火プ
ラグ33を点火させるようにクランク角CAに基づいて
イグニッションコイル34を制御する。
【0033】また、ECU12は、前記スロットル制御
を、アクセル開度ACC、スロットル開度TH、エンジン
回転数NE及び燃料噴射量QF に基づいてスロットルモ
ータ39を駆動制御することで行う。ECU12は、成
層燃焼運転時、弱成層燃焼運転時及び均質リーン燃焼運
転時には、燃料噴射量QF 及びエンジン回転数NEに基
づいて目標スロットル開度を設定し、スロットルモータ
39を制御してスロットル開度THをこの目標スロット
ル開度に制御する。また、ECU12は、均質ストイキ
オ燃焼運転時には、アクセル開度ACCに基づいて目標ス
ロットル開度を設定し、スロットルモータ39を制御し
てスロットル開度THを設定した目標スロットル開度に
制御する。
【0034】ECU12は、前記噴射補正制御を、燃料
噴射制御において均質ストイキオ燃焼運転を行なってい
るときに、クランク角CAに基づいて各高圧インジェク
タ27を駆動制御することで行う。ECU12は、この
噴射補正制御を、図4のフローチャートで示すルーチン
で行う。
【0035】噴射補正制御において、ECU12は、先
ず、ステップ(以下、Sと略記する)100で、クラン
ク角CAから、各シリンダ14a間の圧縮時上死点の移
行時間を求め、この移行時間の変動から、燃焼状態の悪
化、即ち、失火が発生した状態、又は、失火が発生しそ
うな状態を検出する。
【0036】即ち、均質ストイキオ燃焼運転では、吸気
行程中に、吸気圧PA及びエンジン回転数NEに対応し
た燃料噴射量QF の燃料が、所定の燃圧PF及び噴射時
間で噴射される。このとき、アクセル開度ACCが小さい
状態、即ち、低負荷のときには燃料噴射量QFが相対的
に少なくされているため、燃料噴射時間が短くなる。こ
のため、吸気行程中に燃焼室18内に噴射された燃料
は、吸気行程で吸気ポート20から導入される空気によ
って拡散され難い傾向となる。その結果、点火時点で点
火プラグ33の周囲にある混合気の濃度が理論空燃比よ
りも薄くなり、失火が発生することがある。ECU12
は、S100で、このような状況で発生する失火を検出
する。
【0037】S100で失火を検出しないときには、S
110で燃焼カウンタCをカウントアップした後、S1
20で燃焼カウンタCが予め設定された判定値C0を超
えたか否かを判断する。この判定値C0は、失火が発生
していない状態が一定期間継続したことを判断するため
に設定された値であって、S110及びS120の実行
によってこのことが判断される。
【0038】S120で燃焼カウンタCが判定値C0を
超えていたときには、S130で、均質ストイキオ燃焼
運転で通常行う燃圧PF及び燃料噴射時間での燃料噴射
制御を指令する。
【0039】一方、S110で燃焼状態の悪化を検出し
たときには、S140で燃焼カウンタCをクリアした
後、S150で、均質ストイキオ燃焼運転で通常行う燃
圧PFよりも低い燃圧PFでの燃料噴射制御を指令す
る。このとき、燃料噴射量QF を変更せず、通常よりも
長い噴射時間での燃料噴射制御を指令する。
【0040】即ち、均質ストイキオ燃焼運転で、点火時
点で点火プラグ33の周囲の混合気が理論空燃比よりも
希薄となって失火が発生したときには、通常よりもより
低い燃圧PFでより長い噴射時間で燃料噴射を行う。こ
のことにより、吸気行程で噴射される燃料が、吸気ポー
ト20から燃焼室18内に導入される空気によってより
拡散され均質化が促進されるようにする。その結果、点
火時点で点火プラグ33の周囲の混合気の濃度が理論空
燃比に近くなり、失火が発生し難い状態となる。
【0041】詳述すると、前述のように、燃圧PFは、
燃料を微粒化して燃料消費率が良好となる大きさに設定
されている。この噴射補正制御では、このようにして設
定されている燃圧PFを一時的により低く設定し、ま
た、噴射時間を一時的により長く設定することで、吸気
行程で噴射された燃料がより拡散され均質化がより促進
されるようにする。このことにより、点火時点で点火プ
ラグ33の周囲の混合気の空燃比A/Fがより確実に理
論空燃比に近い値となるようにする。言い換えると、燃
圧PFをより低くすることで噴射された燃料が微粒化し
難くなることよりも、噴射時間をより長くすることで噴
射された燃料の均質化が促進されることを優先した制御
を行う。ECU12は、S150で、このようにして失
火を防止する。
【0042】また、S100で失火を検出しないときに
S120で燃焼カウンタCが判定値C0以下であったと
きには、S150で通常の燃圧PFよりも低い燃圧P
F、及び、通常の燃料噴射時間よりも長い噴射時間での
燃料噴射制御を継続する。これは、燃焼状態が良好及び
不良の臨界状態にあるときの制御の安定化を図るためで
ある。
【0043】以上詳述した本実施形態によれば、以下に
記載する各効果を得ることができる。 (1) 吸気行程のみで燃料噴射を行う均質ストイキオ
燃焼運転時に、低負荷低回転状態で燃料噴射量が少な
く、噴射された燃料が拡散し難く点火時点で点火プラグ
33の周囲の混合気が理論空燃比よりも薄くなることに
よる燃焼状態の悪化を検出する。そして、このとき、一
時的に通常よりも低い燃圧PFによって長い噴射時間で
燃料噴射を行うことによって混合気の均質化を促進する
ようにした。
【0044】従って、従来の場合と異なり、燃焼状態の
悪化を防止するために燃料噴射量を一時的に多くしない
ので、燃焼室18全体での空燃比A/Fが濃くなること
がない。このため、均質ストイキオ燃焼での運転時に、
排気エミッションを悪化させることなく燃焼不良を防止
することができる。
【0045】(2) 吸気圧PA及びエンジン回転数N
Eから決定した通常の燃料噴射量QF を変えることな
く、燃圧PF及び噴射時間を変更するようにした。従っ
て、点火時点での点火プラグ33の周囲の混合気の空燃
比A/Fが、理論空燃比により一層近くなる。従って、
燃焼悪化がより確実に解消される。
【0046】(第2の実施形態)次に、本発明を具体化
した第2実施形態を図5に従って説明する。尚、本実施
形態は、前記第1実施形態においてECU12が実行す
る噴射補正制御に代えて燃焼切換制御を行うようにした
ことのみが第1実施形態と異なる。従って、第1実施形
態と同じ構成については、符号を同じにしてその説明を
省略し、燃焼切換制御のみについて詳述する。なお、本
実施形態では、ECU12及びクランク位置センサ26
が燃焼悪化検出手段を構成し、ECU12、EDU1
3、高圧インジェクタ27及び高圧燃料ポンプ29が燃
焼制御手段を構成する。
【0047】ECU12は、運転制御として、前記噴射
補正制御に代わる燃焼切換制御を行う。燃焼切換制御と
して、均質ストイキオ燃焼運転中に、混合気が希薄であ
ることによる失火が検出されたときに、燃焼運転方式を
均質ストイキオ燃焼運転から成層燃焼運転に一時的に切
り換える。
【0048】ECU12は、燃焼切換制御を、均質スト
イキオ燃焼運転を行なっているときに、クランク角CA
に基づいて各高圧インジェクタ27、イグニッションコ
イル34、スロットルモータ39等を駆動制御すること
で行う。ECU12は、この燃焼切換制御を、図5のフ
ローチャートで示すルーチンで行う。
【0049】燃焼切換制御において、ECU12は、先
ずS200で、クランク角CAから各シリンダ14a間
の圧縮時上死点の移行時間を求め、この移行時間の変動
から燃焼状態の悪化を検出する。
【0050】S200で燃焼状態の悪化を検出しないと
きには、S210で燃焼カウンタCをカウントアップし
た後、S220で燃焼カウンタCが予め設定された前記
判定値C0を超えたか否かを判断する。S220で燃焼
カウンタCが判定値C0を超えていたときには、S23
0で、均質ストイキオ燃焼運転を指令する。
【0051】一方、S210で燃焼状態の悪化を検出し
たときには、S240で燃焼カウンタCをクリアした
後、S250で成層燃焼運転を指令する。この成層燃焼
運転は、そのときのトルクT及びエンジン回転数NEに
基づいて本来は成層燃焼運転を行うことができる運転状
態であるときに切り換えられ、その運転状態に対応する
トルクTが得られるように、燃料噴射量QF 、燃料噴射
時期、点火時期、スロットル開度TH等が制御される。
【0052】詳述すると、燃焼切換制御では、均質スト
イキオ燃焼運転を行うところを成層燃焼運転に一時的に
切り換えることで、点火時点で点火プラグ33の周囲の
混合気の空燃比A/Fが可燃空燃比に近い値となるよう
にする。言い換えると、そのときのエンジンの運転状態
に応じてより適切な燃焼運転方式で運転することより
も、燃焼状態の悪化を解消することを優先した運転制御
を行う。ECU12は、S250で、このようにして燃
焼状態の悪化を防止する。
【0053】また、S200で燃焼状態の悪化を検出し
ないときにS220で燃焼カウンタCが判定値C0以下
であったときには、S250で成層燃焼での運転制御を
指令する。
【0054】以上詳述した本実施形態によれば、以下に
記載する効果を得ることができる。 (1) 均質ストイキオ燃焼運転中に、点火プラグ33
の周囲の混合気の空燃比A/Fが薄くなって燃焼状態が
悪化したときに、成層燃焼運転に一時的に切り換えるこ
とによって燃焼状態の悪化を防止するようにした。従っ
て、第1実施形態と同じ理由により、均質ストイキオ燃
焼運転中に、排気エミッションを悪化させることなく燃
焼不良を防止することができる。
【0055】以下、上記各実施形態以外の実施形態を記
載する。 ・ 上記第1実施形態では、燃焼悪化が検出されたとき
に、吸気圧PA及びエンジン回転数NEに基づいて設定
した燃料噴射量QF を変えないままで、燃圧PF 及び燃
料噴射時間を変更したが、排気エミッションが悪化しな
い範囲で燃料噴射量QF を多くしてもよい。この場合に
は、点火プラグ33の周囲の混合気の空燃比がより確実
に濃くなるので、燃焼不良をより確実に防止することが
できる。
【0056】・ 上記各実施形態では、均質ストイキオ
燃焼運転が行われているときに上記噴射補正制御や燃焼
切換制御を実施したが、上記噴射補正制御あるいは燃焼
切換制御を均質リーン燃焼運転が行われているときに実
施してもよい。
【0057】
【発明の効果】請求項1〜請求項3に記載の発明によれ
ば、均質燃焼運転中に、点火プラグの周囲の混合気が希
薄となることによる燃焼不良を排気エミッションを悪化
させることなく防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の運転制御装置を備えたエンジ
ンシステムの構成図。
【図2】 運転制御装置の電気ブロック図。
【図3】 燃焼方式切り換え用のマップ。
【図4】 噴射補正制御ルーチンのフローチャート。
【図5】 第2実施形態の燃焼切換制御ルーチンのフロ
ーチャート。
【符号の説明】
11…内燃機関としてのエンジン、12…燃焼悪化検出
手段、燃料噴射制御手段及び燃焼制御手段を構成する電
子制御装置、13…燃料噴射制御手段及び燃焼制御手段
を構成する電子駆動装置、14a…シリンダ(気筒)、
26…燃焼悪化検出手段を構成するクランク位置セン
サ、27…燃料噴射制御手段及び燃焼制御手段を構成す
る高圧インジェクタ、29…同じく高圧燃料ポンプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G084 AA04 BA05 BA09 BA11 BA14 DA04 DA10 FA10 FA11 FA13 FA17 FA29 FA32 FA33 FA38 3G301 HA01 HA04 HA16 JA21 LA03 LB04 LC03 MA01 MA11 MA26 MA28 NE15 NE16 PA07Z PA11Z PB03A PB03Z PB05Z PB08Z PD02A PD02Z PE01Z PE03Z PE06Z PF03Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気筒内に燃料を直接噴射して点火する内
    燃機関の運転制御装置において、 均質燃焼での運転中に、燃焼状態が悪化したことを検出
    する燃焼悪化検出手段と、 前記燃焼状態の悪化が検出されたことに基づき、前記燃
    料を噴射するときの燃料噴射圧を一時的に低減するとと
    もに燃料噴射時間を一時的に長くする燃料噴射制御手段
    とを備えたことを特徴とする内燃機関の運転制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の内燃機関の運転制御装
    置において、 前記燃料噴射制御手段は、燃料噴射量を変えることなく
    前記燃料噴射圧及び燃料噴射時間を変更することを特徴
    とする内燃機関の運転制御装置。
  3. 【請求項3】 気筒内に燃料を直接噴射して点火する内
    燃機関の運転制御装置において、 均質燃焼での運転中に、燃焼状態が悪化したことを検出
    する燃焼悪化検出手段と、 前記燃焼状態の悪化が検出されたことに基づき、均質燃
    焼運転を成層燃焼運転に一時的に切り換える燃焼制御手
    段とを備えたことを特徴とする内燃機関の運転制御装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005054795A (ja) * 2003-08-06 2005-03-03 Robert Bosch Gmbh 内燃機関の燃焼室内へ燃料を噴射するための装置及び方法
US6973910B2 (en) 2003-11-11 2005-12-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Fuel injection control apparatus and fuel injection control method for internal combustion engine

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