JP2001354602A - α,δ−ジオール類及び/又は環状エーテル類の製造法 - Google Patents

α,δ−ジオール類及び/又は環状エーテル類の製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期に渡り安定で且つ高収率でα,δ−ジオ
ール類及び/又は環状エーテル類を製造する方法を提供
する。 【解決手段】 α,δ−ジオール類の脂肪酸エステルを
触媒の存在下に反応させてα,δ−ジオール類及び/又
は環状エーテル類を製造する方法において、触媒として
周期表の第4〜6族から選ばれる少なくとも1種の元素
を含む酸化物触媒を用いることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はα,δ−ジオール類
及び/又は環状エーテル類の製造法に係り、詳しくは、
α,δ−ジオール類の脂肪酸エステルを触媒の存在下に
反応させてα,δ−ジオール類及び/又は環状エーテル
類を長期に亘り安定且つ高収率で製造する新規な方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】1,4−ブタンジオール等のα,δ−ジ
オール類やテトラヒドロフラン又はジヒドロフラン等の
環状エーテルは、いずれも有機溶剤或いは高分子物質等
の有機合成材料として極めて有用な物質であり、これま
で様々な方法で製造が行われている。例えば、テトラヒ
ドロフランの製造法としては、フルフラールの脱カルボ
ニル化で得られるフランを接触水素化する方法、アセチ
レンとホルムアルデヒドとから得られるブチンジオール
を水素化してブタンジオールとし、次いで脱水環化する
方法、或いは1,4−ブタンジオールの酢酸エステルを
酸触媒の存在下水と反応させる方法が知られている。ま
た、1,4−ブタンジオールの製造法としては、ブチン
ジオールを水素化する方法、1,4−ブタンジオールの
酢酸エステルを加水分解する方法などが知られている。
【0003】1,4−ブタンジオールの酢酸エステルを
酸触媒の存在下、水と反応させる方法では、1,4−ブ
タンジオールとテトラヒドロフランとを同時に製造する
ことができ、触媒として硫酸を用いる方法(特開昭52
−93762号公報)、陽イオン交換樹脂を用いる方法
(特開昭54−32409号公報)、複合酸化物触媒を
用いる方法、例えば活性白土を用いる方法(GB117
0222)やシリカアルミナを用いる方法(特開昭52
−95655、特開昭52−95656号公報)が知ら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、1,4−ブタ
ンジオールや、1,4−ジヒドロキシブテン−2等の
α,δ−ジオール類の酢酸エステルから1,4−ブタン
ジオール等のα,δ−ジオール類やテトラヒドロフラ
ン、ジヒドロフラン等の環状エーテルを製造する従来の
製造法では、いずれの触媒を用いる場合もそれぞれ欠点
があり、その改良が望まれている。即ち、触媒として硫
酸を用いる方法では、高濃度の硫酸が用いられるが、こ
のような硫酸濃度の高い条件では反応液の着色が著し
く、また反応生成物との分離が困難であり、更に触媒に
よる反応器の腐食が激しく収率も低いという欠点があ
る。また、陽イオン交換樹脂を用いる方法では、触媒に
高温耐性がないため、反応に有利な高温での反応を行う
ことができないため活性が低く、また反応に必要な水の
量も多いため、その後の生成物と水との分離処理に大き
な負担がかかるという欠点がある。更に、活性白土やシ
リカアルミナ或いはシリカマグネシアなどを用いる方法
では、酸耐性がないため酢酸により触媒成分が溶出し、
触媒劣化するという欠点がある。
【0005】本発明は、上記従来の問題点を解決し、
α,δ−ジオール類の脂肪酸エステルを触媒の存在下に
反応させてα,δ−ジオール類及び/又は環状エーテル
類を長期に亘り安定で、且つ高収率で製造する方法を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、1,4−ブタンジオール
や1,4−ジヒドロキシブテン−2等のα,δ−ジオー
ル類の脂肪酸エステルからα,δ−ジオール類及び/又
は環状エーテル類を製造するに際して、触媒として、周
期表の第4〜6族から選ばれる少くとも1種の元素を含
む酸化物を用いることにより、従来公知の触媒に比べ
て、以下のような効果があることを見出し、本発明を完
成させるに至った。 (1) 耐酸性が強く、高温酢酸存在下でも触媒が劣化
しないため高温でも触媒を長時間使用できる。 (2) 硫酸やイオン交換樹脂を用いる場合に比べて、
収率が向上する。 (3) 低温から高温まで幅広い反応温度で反応を行う
ことができる。 (4) 副生物の生成が少ない。 (5) 鉱酸等を使用しないことから、器材腐食のおそ
れがなく、反応器に高級材質を必要としない。 (6) 供給する水の量をほぼ当量まで減少させても反
応が完全に進行し、後の水分離の負担を軽減できる。
【0007】即ち、本発明の要旨はα,δ−ジオール類
の脂肪酸エステルを触媒の存在下に反応させてα,δ−
ジオール類及び/又は環状エーテル類を製造する方法に
おいて、触媒として周期表の第4〜6族から選ばれる少
くとも1種の元素を含む酸化物触媒を用いることを特徴
とするα,δ−ジオール類及び/又は環状エーテル類の
製造法に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明で用いる周期表の第4〜6族から選ばれる少くと
も1種の元素を含む酸化物触媒としては、酸性点を持つ
ものであればいずれも用いることができるが、好ましく
はチタン、クロム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、
タングステンの内の少くとも1種以上を含む酸化物触媒
であり、より好ましくはチタン、ジルコニウム、ニオ
ブ、タングステンの内の少くとも1種以上を含む酸化物
触媒が用いられる。またこの酸化物触媒は1種を単独で
用いても良く、例えばチタニアジルコニアのように2種
以上を複合酸化物のように併用しても良く、2種以上の
金属酸化物を同時に使用しても良い。またこの酸化物触
媒としてはニオブ酸(Nb25・nH2O)等の含水金
属酸化物触媒も使用できる。
【0009】このような酸化物触媒は、できるだけ耐酸
性の低い成分(例えばアルミニウム、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属など)を含まない方がよいが、不純物と
して少量含有していても良い。これら不純物の金属とし
ての含有量は、通常周期表の第4〜6族から選ばれる元
素を含む酸化物触媒の5wt%以下、好ましくは3wt
%以下、更に好ましくは1wt%以下、特に好ましくは
0.5wt%以下である。
【0010】本発明におけるα,δ−ジオール類として
は、水酸基が置換した2つの炭素原子の間に2つの炭素
原子を有する化合物であれば、どのような化合物でもよ
く、アルキル基、アルコキシ基、アリール基等の置換を
更に有していてもよい。中でも、アルカンジオール類又
はアルケンジオール類が好ましい。アルケンジオール類
の場合には、エノール構造を持つ化合物は除くものとす
る。特には、1,4−ブタンジオール又は1,4−ジヒ
ドロキシブテン−2が好ましい。本発明で用いるα,δ
−ジオール類の脂肪酸エステルとしては特に制限はな
く、モノエステル,ジエステルのいずれでも良いが、ジ
エステルであるのが好ましい。中でも、炭素数2〜4の
飽和脂肪酸のエステルが好ましく、とりわけ酢酸エステ
ルが好ましい。原料として1,4−ブタンジオールの脂
肪酸エステルを使用する場合には、生成物として、1,
4−ブタンジオール及び/又はテトラヒドロフランが得
られ、また、原料として1,4−ジトヒドロキシブテン
−2の脂肪酸エステルを使用する場合には生成物として
ジヒドロフランを得ることができる。
【0011】本発明の反応は従来法と同様に回分式、半
回分式、連続式のいずれの方法でも実施することができ
る。また、本発明の反応は、気相、液相のいずれでも実
施できるが、気相で行うのが有利である。
【0012】以下に、気相で反応を行う場合の条件を示
す。
【0013】気相で反応を行う場合には、通常周期表第
4〜6族元素を含む酸化物触媒を充填した反応カラム
に、原料であるα,δ−ジオール類の脂肪酸エステル
と、必要に応じて水とを供給する方法が採用される。こ
の場合、単位触媒容量あたりのα,δ−ジオール類の脂
肪酸エステルの供給速度(LHSV)は広範囲に変化さ
せることができるが、通常0.01〜1000hr-1
好ましくは0.05〜500hr-1、更に好ましくは
0.1〜100hr-1である。
【0014】本反応において、テトラヒドロフランやジ
ヒドロフラン等の環状エーテルを製造する場合に用いら
れる水の量としては特に制限はないが、原料としてジエ
ステルを使用する場合には、反応を完全に進行させるに
はジエステル原料に対して1モル倍以上の水が必要とな
る。最適な水の量は、生成物と水との分離効率と反応速
度の観点から決定され、原料の脂肪酸エステルに対して
モル比で、通常0.01〜100倍、好ましくは0.1
〜50倍、より好ましくは0.3〜20倍、特に好まし
くは0.5〜15倍とされる。本発明では、周期表第4
〜6族元素を含む酸化物触媒を用いることにより、従来
の触媒に比べ、少量の水でも容易に高転化率、高選択率
で環状エーテルを製造することができ、また、このよう
に少量の水で反応を行うことにより、反応後に残る水を
極めて少なくすることができ、その後の生成物と水との
分離の負担を軽減することができる。
【0015】本発明においては、原料として、α,δ−
アルカンジオールの脂肪族エステルを用いる場合には、
条件を適宜選定することにより、α,δ−ジオール類と
テトラヒドロフラン等の環状エーテル類の生成比を任意
に変えることができる。特に環状エーテル類を主成分と
して製造する場合には、例えば、α,δ−ジオール類の
脂肪酸ジエステルを使用する場合には、脂肪酸ジエステ
ルのエステル基に対して0.05〜15モル比、好まし
くは0.3〜5モル比、特には0.5モル程度の比の水
でも容易に高い転化率、選択率で環状エーテルを製造す
ることができ、工業的に極めて有利である。
【0016】一方、α,δ−ジオールを主生成物として
得る場合には、水の量をエステル基に対して1倍モル比
以上とする必要がある。この場合、使用する水の量はエ
ステル基に対して1倍モル比以上であればいずれでもよ
いが、好ましくは1〜100倍、より好ましくは2〜5
0倍である。本発明で用いられる水は特に制限はなく、
反応後に回収分離した水を再利用することもできる。こ
のように再利用する場合には、反応に大きな悪影響を及
ぼす化合物でない限り、酢酸等の脂肪酸類、1,4−ブ
タンジオール等のアルコール類、原料エステル等のエス
テル類を少量含有した水を使用してもよい。
【0017】反応温度は広い範囲を採用することができ
るが、一般的には50〜350℃、好ましくは180〜
300℃である。但し、気相で反応する場合には、15
0〜350℃、好ましくは200〜300℃であるのが
よい。高温反応では副生成物が増加し、選択率が低下す
る従来の触媒に比べ、本発明の周期表第4〜6族元素を
含む酸化物触媒によれば、高温でも副生成物の増加や酢
酸などによる触媒劣化が殆どないため、反応速度的に有
利な高温で反応を行い易い。
【0018】反応圧力にも特に制限はないが、通常は
0.01〜1MPa、好ましくは0.03〜0.8MP
a、より好ましくは0.05〜0.5MPaの範囲で行
われる。このように気相で反応を行う場合には、原料の
α,δ−ジオール類の脂肪酸エステルと水の他、窒素、
アルゴン、二酸化炭素など不活性ガスを稀釈ガスとして
併用することもできる。
【0019】次に、液相で反応を行う場合の条件を示
す。反応に用いられる触媒の量には特に制限はないが、
一般的にはα,δ−ジオール類の脂肪酸エステルに対し
て重量比で0.001〜100倍、好ましくは0.00
5〜10倍、より好ましくは0.01〜1倍とされる。
【0020】この反応は、無溶媒で行っても良く、また
溶媒を用いて行っても良い。溶媒を使用する場合、溶媒
としては、基本的に本反応に悪影響を与えないものであ
れば何でも使用することができる。また、生成するテト
ラヒドロフランよりも沸点の高い物質を溶媒として用い
ると、生成物の分離が容易になるので好ましい。溶媒と
しては具体的には、炭素数6以上の脂肪族、脂環式又は
芳香族の炭化水素化合物類、クロロベンゼンなどの芳香
族ハロゲン化物類、ジメトキシエタンのようなエーテル
類、プロパノールなどのアルコール類、N,N−ジメチ
ルホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシド
などのスルホキシド類などが使用可能である。また、生
成するテトラヒドロフランは原料に比べて沸点が低いた
め、反応蒸留により生成物を反応系外に除去して反応の
平衡をずらしながら反応させる方法も好適に採用するこ
とができる。
【0021】反応時間は広範囲に変化させることもでき
るが、一般的には0.01〜50時間、好ましくは0.
05〜20時間、より好ましくは0.1〜5時間であ
る。液相反応におけるその他の条件は、気相反応におけ
る反応条件に準ずる。このようにして得られたα,δ−
ジオール類及び/又は環状エーテルは、蒸留により原料
の脂肪酸エステル、酢酸等の脂肪酸及び水と分離するこ
とにより更に精製される。
【0022】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。なお以下
において、「%」は「mol%」を示し、転化率及び選
択率は以下のようにして求めた。
【0023】
【数1】
【0024】実施例1 ジルコニア(Norton社製、 SA335m2
g,10〜20メッシュ,純度99.8%以上)3ml
を充填したガラス製の反応器を用い、この反応器を26
0℃に保持して、1,4−ジアセトキシブタン(1,4
−DAB)8.1mmol/hr、水31.4mmol
/hr(水/1,4−DAB=4)、窒素1.35L/
hrを常圧で供給した。反応器底部から得られた生成液
をGC(ガスクロマトグラフィー)で分析し、以下の結
果を得た(以下、分析はすべてGCを使用した)。 転化率(1,4−ジアセトキシブタン): 84.2% 選択率(テトラヒドロフラン) : 99.9% また、反応後の触媒に着色は見られず、反応を7時間継
続しても劣化は見られなかった。
【0025】実施例2 水9.92mmol/hr(水/1,4−DAB=1.
2)、窒素0.73L/hrとしたこと以外は実施例1
と同様にして反応を行い、同様に生成液を分析し、以下
の結果を得た。 転化率(1,4−ジアセトキシブタン): 74.2% 選択率(テトラヒドロフラン) : 98.8% また、反応後の触媒に着色は見られず、反応を10時間
継続しても劣化は見られなかった。
【0026】実施例3 温度を280℃としたこと以外は実施例1と同様にして
反応を行い、同様に生成液を分析し、以下の結果を得
た。
【0027】 転化率(1,4−ジアセトキシブタン): 99.7% 選択率(テトラヒドロフラン) : 98.8% また、反応後の触媒に着色は見られず、反応を6時間継
続しても劣化は見られなかった。
【0028】実施例4 1,4−ジアセトキシブタン3.42mmol/hr、
水74.1mmol/hr(水/1,4−DAB=2
2)、温度160℃とし、触媒としてジルコニア(No
rton社製、SA106m2/g,10〜20メッシ
ュ,純度99.8%以上)5mlを用いたこと以外は実
施例1と同様にして反応を行い、同様に生成液を分析
し、以下の結果を得た。 転化率(1,4−ジアセトキシブタン): 16.3% 選択率(テトラヒドロフラン+1,4−ブタンジオー
ル): 99.4% 生成比(1,4−ブタンジオール/テトラヒドロフラ
ン): 12.5 また、反応後の触媒に着色は見られず、反応を18時間
継続しても劣化は見られなかった。
【0029】実施例5 1,4−ジアセトキシブタン3.42mmol/hr、
水9.92mmol/h(水/1,4−DAB=1.
2)とし、触媒としては、ニオブ酸(Nb25・nH2
O、CBMM社製、水酸化ニオブを300℃で2時間
焼成、昇温速度2.5℃/分 SA121m2 /g)1
ml、0.95g(10〜20メッシュ)を用いたこと
以外は実施例1と同様にして反応を行い、同様に生成液
を分析し、以下の結果を得た。 転化率(1,4−ジアセトキシブタン) 90.8% 選択率(テトラヒドロフラン) 99.3% また反応後の触媒に着色は見られず、反応を5時間継続
しても劣化は見られなかった。上述した実施例で使用し
た触媒以外でも、例えばチタニア、シリカチタニア、シ
リカジルコニア等の触媒があっても、実施例と同等レベ
ルの成績が達成される。
【0030】比較例1 1,4−ジアセトキシブタン3.42mmol/hr、
水9.92mmol/hr(水/1,4−DAB=
3)、温度180℃とし、触媒としてシリカアルミナ
(日揮)3mlを用いたこと以外は実施例1と同様にし
て反応を行い、同様に生成液を分析し、以下の結果を得
た。 転化率(1,4−ジアセトキシブタン): 72.0% 選択率(テトラヒドロフラン) : 99.2% この場合、反応後の触媒は濃く着色し、反応を3時間継
続すると活性劣化が見られた。
【0031】比較例2 1,4−ジアセトキシブタン8.1mmol/hr、水
31.4mmol/hr(水/1,4−DAB=4)、
温度220℃とし、触媒としてゼオライト(モルデナイ
ト、参照触媒JRC−Z−HM10(2))3mlを用
いたこと以外は実施例1と同様にして反応を行い、同様
に生成液を分析し、以下の結果を得た。 転化率(1,4−ジアセトキシブタン): 53.4% 選択率(テトラヒドロフラン) : 94.0% この場合、反応後の触媒は濃く着色し、反応を5時間継
続すると活性劣化が見られた。
【0032】上記実施例及び比較例から明らかなよう
に、触媒として周期表第4〜6族から選ばれる少くとも
1種の元素を含む酸化物触媒を用いた本発明の製造法で
は、反応速度に有利な高温で反応を行っても、耐酸性が
高いため触媒劣化が起こらず、また高い転化率、選択率
が得られた(実施例1、2、3、5)。しかも、1,4
−ブタンジオールのジ脂肪酸エステルのエステル基に対
して水の量をほぼ0.5倍mol量(即ち、水/1,4
−DAB=1)付近まで減少させても、高い転化率、選
択率が得られた(実施例2、5)。これは、反応生成液
に水を殆ど含まないことを意味し、従来の水/1.4−
DAB比の高い方法に比べて、後工程の水分離の負担が
極めて軽くなることを示す。また、実施例4では、1,
4−ブタンジオールを生成させるために、160℃とい
う比較的低温で反応を行っているため低転化率となって
いるが、ここでは条件を変えれば、1,4−ブタンジオ
ールを主成分として得ることもできることが示されてい
る。
【0033】これに対して、従来の触媒であるシリカア
ルミナ、ゼオライトなどを用いた場合には、耐酸性のな
い成分を含むため、長期使用により触媒劣化の問題があ
る(比較例1、2)。また陽イオン交換樹脂のような触
媒では高温耐性がないため、反応に有利な高温で反応を
行うことができない。
【0034】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、 (1) 酢酸存在下、高温反応でも触媒劣化が起こらな
い(耐酸性が強い)ため、触媒を長期に亘って使用でき
る。 (2) 硫酸や陽イオン交換樹脂を用いる場合に比べて
収率が向上する。 (3) 低温から高温まで幅広い反応温度で反応を行う
ことができる。 (4) 副生物が生成が少なく収率が向上する。 (5) 硫酸等を用いないため反応器に高級材質を用い
る必要がないことから、廉価な反応機器を使用できる。 (6) 反応に使用する水の量を減少させても反応が完
全に進行することから、反応後の水分離の負担が減少す
る。 といった効果が奏され、α,δ−ジオール類及び/又は
環状エーテル類を工業的に有利に製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 307/26 C07D 307/26 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4C037 BA01 BA08 4H006 AA02 AC11 AC41 BA10 BA12 BA14 BE20 FE11 FG28 4H039 CA60 CB20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α,δ−ジオール類の脂肪酸エステルを
    触媒の存在下に反応させてα,δ−ジオール類及び/又
    は環状エーテル類を製造する方法において、触媒として
    周期表の第4〜6族から選ばれる少くとも1種の元素を
    含む酸化物触媒を用いることを特徴とするα,δ−ジオ
    ール類及び/又は環状エーテル類の製造法。
  2. 【請求項2】 触媒として、チタン、クロム、ジルコニ
    ウム、ニオブ、タンタル、タングステンから選ばれる少
    なくとも1種の元素を含む酸化物触媒を用いる請求項1
    に記載のα,δ−ジオール類及び/又は環状エーテル類
    の製造法。
  3. 【請求項3】 触媒として、周期表の第4〜6族から選
    ばれる少くとも1種の元素を含む酸化物をシリカに坦持
    させた触媒、又は周期表の第4〜6族から選ばれる少く
    とも1種の元素とシリカとの複合酸化物を用いる請求項
    1又は2に記載のα,δ−ジオール類及び/又は環状エ
    ーテル類の製造法。
  4. 【請求項4】 脂肪酸エステルが酢酸エステルである請
    求項1ないし3のいずれか1項に記載のα,δ−ジオー
    ル類及び/又は環状エーテル類の製造法。
  5. 【請求項5】 180℃以上で反応を行う請求項1ない
    し4のいずれか1項に記載のα,δ−ジオール類及び/
    又は環状エーテル類の製造法。
  6. 【請求項6】 1,4−ブタンジオールの脂肪酸エステ
    ルと水とを反応させて1,4−ブタンジオール及び/又
    はテトラヒドロフランを製造する請求項1ないし5のい
    ずれか1項に記載のα,δ−ジオール類及び/又は環状
    エーテル類の製造法。
  7. 【請求項7】 1,4−ジヒドロキシブテン−2の脂肪
    族エステルと水とを反応させてジヒドロフランを製造す
    る請求項1ないし5のいずれか1項に記載のα,δ−ブ
    タンジオール類及び/又は環状エーテル類の製造法。
  8. 【請求項8】 水の存在下に反応を行う請求項1ないし
    7のいずれか1項に記載のα,δ−ジオール類及び/又
    は環状エーテル類の製造法。
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