JP2001353806A - ハム・ソ−セ−ジ包装用積層体 - Google Patents

ハム・ソ−セ−ジ包装用積層体

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JP2001353806A
JP2001353806A JP2000178556A JP2000178556A JP2001353806A JP 2001353806 A JP2001353806 A JP 2001353806A JP 2000178556 A JP2000178556 A JP 2000178556A JP 2000178556 A JP2000178556 A JP 2000178556A JP 2001353806 A JP2001353806 A JP 2001353806A
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ham
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laminate
sausage
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JP2000178556A
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Daido Chiba
大道 千葉
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた透明性を有し、かつ、耐屈曲性、柔軟
性等に優れ、更に、酸素ガスあるいは水蒸気、特に、酸
素ガスに対するハイバリア性を有し、ハム・ソ−セ−
ジ、あるいは、その加工食品等の充填包装に有用なハム
・ソ−セ−ジ包装用積層体を提供することである。 【解決手段】 基材フィルムの一方の面に、プラズマ化
学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜からなるバリア
層を設け、更に、該バリア層の面に、少なくとも、プラ
イマ−剤層、印刷模様層、および、ヒ−トシ−ル性樹脂
層等を順次に積層したことを特徴とするハム・ソ−セ−
ジ包装用積層体に関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハム・ソ−セ−ジ
包装用積層体に関し、更に詳しくは、優れた透明性を有
し、かつ、耐屈曲性に優れ、更に、酸素ガスあるいは水
蒸気、特に、酸素ガスに対するハイバリア性を有し、ハ
ム・ソ−セ−ジ、あるいは、その加工食品等の充填包装
に有用なハム・ソ−セ−ジ包装用積層体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、ハム・ソ−セ−ジ、あるいは、そ
の加工食品等を充填包装するために、種々の形態からな
る包装用材料が、開発され、提案されている。而して、
そのような包装用材料においては、通常、ハム・ソ−セ
−ジ等に含まれる蛋白質、油脂等の成分の酸化、変質等
を抑制し、その内容物の品質を保証し、更に、味、鮮度
等を良好に保持するために、包装用材料を透過する酸素
ガス、水蒸気、その他等の内容物を変質させる気体等の
透過を防止する高度のガスバリア性(気体遮断性)を有
することが強く要請されているものである。ところで、
近年、酸素ガスあるいは水蒸気等を遮断する高度のガス
バリア性を有するバリア性素材として、プラスチック基
材の表面に、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、
イオンプレ−ティング法等の物理気相成長法(PVD
法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相
成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(CVD
法)等を利用して、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化
マグネシウム、その他等の無機酸化物の蒸着膜を形成し
てなる透明なガスバリア性フィルムが注目されている。
而して、上記で提案されているガスバリア性フィルム
は、他のプラスックフィルム、その他等の基材等と任意
に積層され、種々の形態からなる包装用積層材を製造
し、例えば、ハム・ソ−セ−ジ、更には、その加工食品
等を充填包装する包装用材料として、その有用性が期待
されているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記で
提案されているガスバリア性フィルムにおいて、無機酸
化物の蒸着膜は、ガラス質で、非可撓性のものであり、
耐屈曲性、柔軟性、耐熱性等に欠けるものである。この
ため、プラスチック基材の一方の面に、無機酸化物の蒸
着膜を形成し、次いで、その無機酸化物の蒸着膜面に、
グラビア印刷等を行って所望の印刷絵柄層を設ける場
合、ガスバリア性フィルムは、印刷機の給紙から巻き取
り側まで通すことから、印刷機を構成する各種のロ−ル
間等において該ガスバリア性フィルムに熱、圧等が負荷
され、ガスバリア性フィルムを構成する無機酸化物の蒸
着膜に、クラック等が発生し、それによりガスバリア性
が著しく劣化するという問題点がある。更に、上記のよ
うなガスバリア性の劣化は、ガスバリア性フィルムに所
望の印刷絵柄層を設けた後、他のプチスチックフィルム
等を積層する場合にも、そのラミネ−ト工程において、
ガスバリア性フィルムをコ−タ−の給紙から巻き取り側
まで通すため、コ−タ−の加圧ロ−ル間等において該ガ
スバリア性フィルムに熱、圧等が負荷され、このラミネ
−ト工程においても、ガスバリア性フィルムを構成する
無機酸化物の蒸着膜に、クラック等が発生し、それによ
りガスバリア性が劣化するという問題点がある。更にま
た、上記のように印刷模様の形成、更には、他のプラス
チックフィルム等の積層等の他に、得られる積層体を使
用し、これを製袋ないし製函する加工処理、更には、充
填包装加工処理等が加わり、これらの加工処理工程にお
いても、無機酸化物の蒸着膜には、極めて過酷な熱、圧
等の加工条件が負荷され、その結果、しばしば、無機酸
化物の蒸着膜にクラック等が発生し、最終的に、ハム・
ソ−セ−ジ、あるいは、その加工食品等を充填包装した
所望のガスバリア性を有する包装製品等を製造すること
が極めて困難であるというのが実状である。そこで本発
明は、優れた透明性を有し、かつ、耐屈曲性、柔軟性等
に優れ、更に、酸素ガスあるいは水蒸気、特に、酸素ガ
スに対するハイバリア性を有し、ハム・ソ−セ−ジ、あ
るいは、その加工食品等の充填包装に有用なハム・ソ−
セ−ジ包装用積層体を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な問題点を解決すべく種々研究の結果、まず、ハム・ソ
−セ−ジ、あるいは、その加工食品等は、本来的には、
水分等を含んでいるものであり、従って、それを包装す
る包装用材料は、水蒸気に対するバリア性をそれほど重
要視する必要性はなく、むしろ、内容物中に含まれる蛋
白質、油脂等の成分の酸化、変質等を抑制し、更に、
味、鮮度等を良好に保持するために、包装用材料を透過
する酸素ガス等の内容物を変質させる気体等の透過を防
止する高度のガスバリア性(気体遮断性)を有すること
が極めて重要であるということに着目したものである。
更に、上記で提案されているガスバリア性フィルムにお
いては、例えば、プラズマ化学気相成長法等を利用して
製膜化した無機酸化物の蒸着膜は、蒸着用モノマ−ガス
として、有機珪素化合物等を使用することから、有機系
の炭素原子等を含有し、緻密で、柔軟性、耐屈曲性等に
優れていものであること、更には、その無機酸化物の蒸
着膜の膜厚が、100Å以下であれば、柔軟性、耐屈曲
性等を有し、更に、無機酸化物の蒸着膜の膜厚が、30
Å、好ましくは、40Å以上であれば、十分に酸素ガス
バリア性を有するということに着目したものである。
【0005】而して、本発明者は、基材フィルムの一方
の面に、プラズマ化学気相成長法による膜厚100Å以
下の無機酸化物の蒸着膜からなるバリア層を設け、更
に、該バリア層の面に、少なくとも、プライマ−剤層、
印刷模様層、および、ヒ−トシ−ル性樹脂層を順次に積
層して積層体を製造し、而して、該積層体を使用し、ハ
ム・ソ−セ−ジ、あるいは、その加工食品等を充填包装
したところ、プライマ−剤層、印刷模様層、および、ヒ
−トシ−ル性樹脂層等を積層するラミネ−ト加工、ある
いは、得られる積層体を使用し、これを製袋ないし製函
する加工、更には、内容物であるハム・ソ−セ−ジ、あ
るいは、その加工食品等を充填包装する加工、その他等
の後処理加工において、バリア層としての無機酸化物の
蒸着膜にクラック等の発生を防止し、かつ、優れた透明
性を有して内容物を透視することができ、更に、酸素ガ
スあるいは水蒸気、特に、酸素ガスに対するハイバリア
性を十分に満足するハム・ソ−セ−ジ、あるいは、その
加工食品等を充填包装したハム・ソ−セ−ジ等の包装製
品を製造し得ることを見出して本発明を完成したもので
ある。
【0006】すなわち、本発明は、基材フィルムの一方
の面に、プラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸
着膜からなるバリア層を設け、更に、該バリア層の面
に、少なくとも、プライマ−剤層、印刷模様層、およ
び、ヒ−トシ−ル性樹脂層等を順次に積層したことを特
徴とするハム・ソ−セ−ジ包装用積層体に関するもので
ある。
【0007】
【発明の実施の形態】上記の本発明について図面等を用
いて以下に更に詳しく説明する。まず、本発明にかかる
ハム・ソ−セ−ジ包装用積層体の層構成についてその具
体例を例示して図面を用いて説明すると、図1、図2お
よび図3は、本発明にかかるハム・ソ−セ−ジ包装用積
層体についてその一例の層構成を示す概略的断面図であ
り、図4は、上記の図1に示すハム・ソ−セ−ジ包装用
積層体を使用し、これを製袋してなる包装用袋について
その一例を例示する概略的斜視図であり、図5は、上記
の図4に示す本発明にかかるハム・ソ−セ−ジ包装用積
層体を使用して製袋してなる包装用袋内に、ハム・ソ−
セ−ジを充填包装した包装製品についてその一例を示す
概略的斜視図である。
【0008】まず、本発明にかかるハム・ソ−セ−ジ包
装用積層体Aは、図1に示すように、基材フィルム1の
一方の面に、プラズマ化学気相成長法による無機酸化物
の蒸着膜2からなるバリア層2aを設け、更に、該バリ
ア層2aの面に、少なくとも、プライマ−剤層3、印刷
模様層4、および、ヒ−トシ−ル性樹脂層5を順次に積
層した構成からなることを基本構造とするものであ
る。。更に、本発明にかかるハム・ソ−セ−ジ包装用積
層体について具体例を例示すると、図2に示すように、
上記の図1に示す本発明にかかるハム・ソ−セ−ジ包装
用積層体Aにおいて、ヒ−トシ−ル性樹脂層5を、ラミ
ネ−ト用接着剤層6等を介し、ドライラミネ−トして積
層した構成からなるハム・ソ−セ−ジ包装用積層体A1
を例示することができる。上記の図2において、図中、
符号1、2、3、および、4等は、前述の図1に示す意
味と同じである。次にまた、本発明にかかるハム・ソ−
セ−ジ包装用積層体について更に別の具体例を例示する
と、図3に示すように、上記の図1に示す本発明にかか
るハム・ソ−セ−ジ包装用積層体Aにおいて、ヒ−トシ
−ル性樹脂層5を、アンカ−コ−ト剤層7等を介して、
溶融押し出し樹脂等を使用し、これを単独ないし共押し
出し積層した構成からなるハム・ソ−セ−ジ包装用積層
体A2を例示することができる。上記の図3において、
図中、符号1、2、3、および、4等は、前述の図1に
示す意味と同じである。本発明において、上記の例示
は、本発明にかかるハム・ソ−セ−ジ包装用積層体につ
いてその一二例を例示したものであり、本発明は、これ
らによって限定されるものではないことは言うまでもな
いことである。例えば、図示しないが、本発明において
は、上記のような材料の他に、更に、その使用目的、充
填包装する内容物、流通経路、販売形態、用途等によっ
て、他のプラスチックフィルム、その他等を任意に積層
して、種々の形態の積層体を設計して製造することがで
きるものである。
【0009】次に、本発明において、上記の本発明にか
かるハム・ソ−セ−ジ包装用積層体を使用し、製袋した
ハム・ソ−セ−ジ、あるいは、その加工食品等を充填包
装する包装用袋についてその一例を挙げて説明すると、
例えば、上記の図1に示す本発明にかかるハム・ソ−セ
−ジ包装用積層体Aを使用した例で説明すると、図4に
示すように、まず、上記の図1に示す本発明にかかるハ
ム・ソ−セ−ジ包装用積層体A、Aを用意し、その最内
層に位置するヒ−トシ−ル性樹脂層5、5の面を対向さ
せて重ね合わせ、しかる後、その重合した本発明にかか
るハム・ソ−セ−ジ包装用積層体A、Aの三方の外周の
周辺端部をヒ−トシ−ルして三方のシ−ル部11、1
1、11を形成すると共にその上端部に開口部12を形
成して、三方シ−ル型の軟包装用袋13からなる、本発
明にかかるハム・ソ−セ−ジ、あるいは、その加工食品
等を充填包装する包装用袋Bを例示することができる。
而して、本発明においては、図5に示すように、上記で
製造した包装用袋13(B)の上端部の開口部12(図
4参照)からハム・ソ−セ−ジ等の内容物14を充填
し、しかる後、その上端部の開口部12をヒ−トシ−ル
して上端シ−ル部11′を形成し、包装用袋13(B)
を密閉シ−ルして、本発明にかかるハム・ソ−セ−ジ包
装用積層体を使用してハム・ソ−セ−ジ等の内容物14
を充填包装した包装製品Cを製造することができる。な
お、本発明において、上記のようにハム・ソ−セ−ジ等
の内容物を充填包装するに際しては、例えば、窒素ガス
等のガス置換包装、あるいは、レトルト処理、煮沸処理
等の無菌化包装、その他等の公知の包装技法を用いて充
填包装することができることは言うまでもないことであ
る。また、本発明においては、上記に図示した例示の包
装製品に限定されるものでないことは言うまでもないこ
とであり、その目的、用途等により、種々の形態の包装
製品を製造することができることは言うまでもないこと
である。
【0010】次に、本発明において、本発明にかかるハ
ム・ソ−セ−ジ包装用積層体等を構成する材料、製造法
等について更に詳しく説明すると、まず、本発明にかか
るハム・ソ−セ−ジ包装用積層体等を構成する基材フィ
ルムとしては、化学的ないし物理的強度に優れ、後述す
る無機酸化物の蒸着膜等を形成する条件等に耐え、それ
らの無機酸化物の蒸着膜等の特性を損なうことなく良好
に保持し得ることができ基材を使用することができる。
本発明において、上記の基材フィルムとしては、具体的
には、例えば、ポリエチレン系樹脂あるいはポリプロピ
レン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフ
ィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−
スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルル−
ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ
(メタ)アクリル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポ
リエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト
等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミ
ド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタ−ル系樹脂、セ
ルロ−ス系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムない
しシ−トを使用することができる。本発明においては、
上記の樹脂のフィルムないしシ−トの中でも、特に、ポ
リエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、または、ポ
リアミド系樹脂のフィルムないしシ−トを使用すること
が好ましいものである。
【0011】本発明において、上記の各種の樹脂のフィ
ルムないしシ−トとしては、例えば、上記の各種の樹脂
の1種ないしそれ以上を使用し、押し出し法、キャスト
成形法、Tダイ法、切削法、インフレ−ション法、その
他等の製膜化法を用いて、上記の各種の樹脂を単独で製
膜化する方法、あるいは、2種以上の各種の樹脂を使用
して多層共押し出し製膜化する方法、更には、2種以上
の樹脂を使用し、製膜化する前に混合して製膜化する方
法等により、各種の樹脂のフィルムないしシ−トを製造
し、更に、要すれば、例えば、テンタ−方式、あるい
は、チュ−ブラ−方式等を利用して1軸ないし2軸方向
に延伸してなる各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使
用することができる。本発明において、各種の樹脂のフ
ィルムないしシ−トの膜厚としては、6〜200μm
位、より好ましくは、9〜100μm位が望ましい。
【0012】なお、上記の各種の樹脂の1種ないしそれ
以上を使用し、その製膜化に際して、例えば、フィルム
の加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、
抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的
特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々の
プラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、
その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目
的に応じて、任意に添加することができる。上記におい
て、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強
剤、帯電防止剤、顔料、その他等を使用することがで
き、更には、改質用樹脂等も使用することがてきる。
【0013】また、本発明において、各種の樹脂のフィ
ルムないしシ−トの表面は、後述する無機酸化物の蒸着
膜との密接着性等を向上させるために、必要に応じて、
予め、所望の表面前処理層を設けることができるもので
ある。本発明において、上記の表面前処理層としては、
例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しく
は窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロ−放電処
理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の
前処理を任意に施し、例えば、コロナ処理層、オゾン処
理層、プラズマ処理層、酸化処理層、その他等を形成し
て設けることができる。上記の表面前処理は、各種の樹
脂のフィルムないしシ−トと後述する無機酸化物の蒸着
膜との密接着性等を改善するための方法として実施する
ものであるが、上記の密接着性を改善する方法として、
その他、例えば、各種の樹脂のフィルムないしシ−トの
表面に、予め、プライマ−コ−ト剤層、アンダ−コ−ト
剤層、アンカ−コ−ト剤層、接着剤層、あるいは、蒸着
アンカ−コ−ト剤層等を任意に形成して、表面前処理層
とすることもできる。上記の前処理のコ−ト剤層として
は、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、
ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹
脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、
ポリエチレンアルイハポリプロピレン等のポリオレフィ
ン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロ
−ス系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組
成物を使用することができる。
【0014】ところで、本発明においては、上記のうよ
な表面前処理層としては、特に、コロナ放電処理、プラ
ズマ処理、あるいは、火炎処理等の表面前処理を施すこ
とによって形成される表面前処理層が好ましいものであ
る。而して、本発明において、上記の表面前処理層とし
ては、基材フィルムの一方の面に、無機酸化物の蒸着膜
を設ける前に予め表面前処理層を設けることができるも
のである。すなわち、本発明においては、通常、基材フ
ィルムの一方の面に、予め、表面前処理層を設け、しか
る後、その表面前処理層の上に、無機酸化物の蒸着膜を
設けることが好ましいものである。なお、本発明におい
ては、上記のコロナ放電処理層等の表面前処理層として
は、静および動摩擦係数が0.4μ〜0.7μ位、好ま
しくは、0.5μ〜0.7μ位に処理度合いを調節する
ことが好ましいものである。上記において、静および動
摩擦係数が0.4μ、更には、0.5μ未満であると、
濡れ性が悪いという問題点あることから好ましくなく、
また、静および動摩擦係数が0.7μを越えると、ブロ
ッキング現象等を生じることから好ましくないものであ
る。
【0015】次に、本発明において、本発明にかかるハ
ム・ソ−セ−ジ包装用積層体等を構成する無機酸化物の
蒸着膜について説明すると、かかる無機酸化物の蒸着膜
としては、例えば、化学気相成長法等により形成するこ
とができ、具体的には、プラズマ化学気相成長法、熱化
学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法
(Chemical Vapor Depositio
n法、CVD法)等を用いて無機酸化物の蒸着膜を形成
することができる。更に具体的には、基材フィルムの一
方の面に、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガスを原
料とし、キャリヤ−ガスとして、アルゴンガス、ヘリウ
ムガス等の不活性ガスを使用し、更に、酸素供給ガスと
して、酸素ガス等を使用し、低温プラズマ発生装置等を
利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて酸化珪素
等の無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。上記
において、低温プラズマ発生装置としては、例えば、高
周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ
等の発生装置を使用することがてき、而して、本発明に
おいては、高活性の安定したプラズマを得るためには、
高周波プラズマ方式による発生装置を使用することが望
ましい。
【0016】具体的に、上記の低温プラズマ化学気相成
長法による無機酸化物の蒸着膜の形成法についてその一
例を例示して説明すると、図6は、上記のプラズマ化学
気相成長法による無機酸化物の蒸着膜の形成法について
その概要を示す低温プラズマ化学気相成長装置の概略的
構成図である。上記の図6に示すように、本発明におい
ては、プラズマ化学気相成長装置21の巻き取りチャン
バ−22内に配置された巻き出しロ−ル23から基材フ
ィルム1を繰り出し、更に、該基材フィルム1を、補助
ロ−ル24を介して所定の速度で、チャンバ−22内の
冷却・電極ドラム25 周面上に搬送する。而して、本発
明においては、ガス供給装置26、27および、原料揮
発供給装置28等から酸素ガス、不活性ガス、有機珪素
化合物等の蒸着用モノマ−ガス、その他等を供給し、そ
れらからなる蒸着用混合ガス組成物を調整しなから原料
供給ノズル29を通してチャンバ−22内に該蒸着用混
合ガス組成物を導入し、そして、上記の冷却・電極ドラ
ム25周面上に搬送された基材フィルム1の上に、グロ
−放電プラズマ30によってプラズマを発生させ、これ
を照射して、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成
し、製膜化する。本発明においては、その際に、冷却・
電極ドラム25は、チャンバ−22外に配置されている
電源31から所定の電力が印加されており、また、冷却
・電極ドラム25の近傍には、マグネット32を配置し
てプラズマの発生が促進されており、次いで、上記で酸
化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成した基材フィルム
1を補助ロ−ル33等を介して、巻き取りロ−ル34に
巻き取って、無機酸化物の蒸着膜を製膜化し得るもので
ある。なお、図中、35は、真空ポンプを表す。上記の
例示は、その一例を例示するものであり、これによって
本発明は限定されるものではないことは言うまでもない
ことである。図示しないが、本発明においては、無機酸
化物の連続膜としては、無機酸化物の連続膜の1層だけ
ではなく、2層あるいはそれ以上を積層した多層膜の状
態でもよく、また、使用する材料も1種または2種以上
の混合物で使用し、また、異種の材質で混合した無機酸
化物の連続膜を構成することもできる。
【0017】上記において、巻き取りチャンバ−22内
を真空ポンプ35により減圧し、真空度1×10-1〜1
×10-8Torr位、好ましくは、真空度1×10-3
1×10-7Torr位に調製することが望ましいもので
ある。また、原料揮発供給装置28においては、原料で
ある有機珪素化合物を揮発させ、ガス供給装置26、2
7から供給される酸素ガス、不活性ガス等と混合させ、
この混合ガスを原料供給ノズル29を介してチャンバ−
22内に導入されるものである。この場合、混合ガス中
の有機珪素化合物の含有量は、1〜40%位、酸素ガス
の含有量は、10〜70%位、不活性ガスの含有量は、
10〜60%位の範囲とすることができ、例えば、有機
珪素化合物と酸素ガスと不活性ガスとの混合比を1:
6:5〜1:17:14程度とすることができる。一
方、冷却・電極ドラム25には、電源31から所定の電
圧が印加されているため、チャンバ−22内の原料供給
ノズル29の開口部と冷却・電極ドラム25との近傍で
グロ−放電プラズマ30が生成され、このグロ−放電プ
ラズマ30は、混合ガスなかの1つ以上のガス成分から
導出されるものであり、この状態において、基材フィル
ム1を一定速度で搬送させ、グロ−放電プラブマ30に
よって、冷却・電極ドラム25周面上の基材フィルム1
の上に、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成するこ
とができるものである。なお、このときの巻き取りチャ
ンバ−22内の真空度は、1×10-1〜1×10-4To
rr位、好ましくは、真空度1×10-1〜1×10-2
orr位に調製することが望ましく、また、基材フィル
ム1の搬送速度は、10〜300m/分位、好ましく
は、50〜150m/分位に調製することが望ましいも
のである。
【0018】また、上記のプラズマ化学気相成長装置2
1において、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜の形成
は、基材フィルム1の上に、プラズマ化した原料ガスを
酸素ガスで酸化しながらSiOX の形で薄膜状に形成さ
れるので、当該形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸
着膜は、緻密で、隙間の少ない、可撓性、柔軟性等に富
み、耐屈曲性を有する連続層となるものであり、従っ
て、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜のバリア性は、従
来の真空蒸着法等によって形成される酸化珪素等の無機
酸化物の蒸着膜と比較してはるかに高いものとなり、薄
い膜厚で十分なバリア性を得ることができるものであ
る。また、本発明においては、SiOX プラズマにより
基材フィルム1の表面が、清浄化され、基材フィルム1
の表面に、極性基やフリ−ラジカル等が発生するので、
形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜と基材フィ
ルムとの密接着性が高いものとなるという利点を有する
ものである。更に、上記のように酸化珪素等の無機酸化
物の蒸着膜の形成時の真空度は、1×10-1〜1×10
-4Torr位、好ましくは、1×10-1〜1×10-2
orr位に調製することから、従来の真空蒸着法により
酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成する時の真空
度、1×10-4〜1×10-5Torr位に比較して低真
空度であることから、基材フィルム1を原反交換時の真
空状態設定時間を短くすることができ、真空度を安定し
やすく、製膜プロセスが安定するものである。
【0019】本発明において、有機珪素化合物等の蒸着
モノマ−ガスを使用して形成される酸化珪素の蒸着膜
は、有機珪素化合物等の蒸着モノマ−ガスと酸素ガス等
とが化学反応し、その反応生成物が、基材フィルムの一
方の面に密接着し、緻密な、柔軟性等に富む薄膜を形成
するものであり、通常、一般式SiOX (ただし、X
は、0〜2の数を表す)で表される酸化珪素を主体とす
る連続状の薄膜である。而して、上記の酸化珪素の蒸着
膜としては、透明性、バリア性等の点から、一般式Si
X (ただし、Xは、1.3〜1.9の数を表す。)で
表される酸化珪素の連続膜を主体とする薄膜であること
が好ましいものである。上記において、Xの値は、蒸着
モノマ−ガスと酸素ガスのモル比、プラズマのエネルギ
−等により変化するが、一般的に、Xの値が小さくなれ
ばガス透過度は小さくなるが、膜自身が黄色性を帯び、
透明性が悪くなる。
【0020】また、上記の酸化珪素の蒸着膜は、酸化珪
素を主体とし、これに、更に、炭素、水素、珪素または
酸素の1種類、または、その2種類以上の元素からなる
化合物を少なくとも1種類を化学結合等により含有する
連続膜からなることを特徴とするものである。例えば、
C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合
物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド
状、フラ−レン状等になっている場合、更に、原料の有
機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含
有する場合があるものである。具体例を挙げると、CH
3 部位を持つハイドロカ−ボン、SiH3 シリル、Si
2 シリレン等のハイドロシリカ、SiH2 OHシラノ
−ル等の水酸基誘導体等を挙げることができる。上記以
外でも、蒸着過程の条件等を変化させることにより、酸
化珪素の蒸着膜中に含有される化合物の種類、量等を変
化させることができる。而して、上記の化合物の酸化珪
素の蒸着膜中に含有する含有量としては、0.1〜50
%位、好ましくは、5〜20%位が望ましいものであ
る。上記において、含有率が、0.1%未満であると、
酸化珪素の蒸着膜の耐衝撃性、延展性、柔軟性等が不十
分となり、曲げなとにより、擦り傷、クラック等が発生
し易く、高いバリア性を安定して維持することが困難に
なり、また、50%を越えると、バリア性が低下して好
ましくないものである。更に、本発明においては、酸化
珪素の蒸着膜において、上記の化合物の含有量が、酸化
珪素の蒸着膜の表面から深さ方向に向かって減少させる
ことが好ましく、これにより、酸化珪素の蒸着膜の表面
においては、上記の化合物等により耐衝撃性等を高めら
れ、他方、基材フィルムとの界面においては、上記の化
合物の含有量が少ないために、基材フィルムと酸化珪素
の蒸着膜との密接着性が強固なものとなるという利点を
有するものである。
【0021】而して、本発明において、上記の酸化珪素
の蒸着膜について、例えば、X線光電子分光装置(Xr
ay Photoelectron Spectros
copy、XPS)、二次イオン質量分析装置(Sec
ondary Ion Mass Spectrosc
opy、SIMS)等の表面分析装置を用い、深さ方向
にイオンエッチングする等して分析する方法を利用し
て、酸化珪素の蒸着膜の元素分析を行うことより、上記
のような物性を確認することができる。また、本発明に
おいて、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚としては、前述
のように、水蒸気のバリア性の効果をそれ程重要視せ
ず、酸素ガスバリア性の効果を奏し、かつ、膜質の柔軟
性、可撓性、耐屈曲性等の効果を維持させることから、
膜厚が、100Å以下であることが望ましく、具体的に
は、その膜厚としては、30Å、更に、好ましくは、4
0Å〜100Å位が望ましいものである。而して、上記
において、100Åより厚くなると、酸化珪素の蒸着膜
等が、柔軟性、可撓性、耐屈曲性等に欠けて、クラック
等が発生し易くなるので好ましくなく、また、40Å、
更には、30Å未満であると、酸素ガスバリア性の効果
を奏することが困難になることから好ましくないもので
ある。上記のおいて、その膜厚は、例えば、株式会社理
学製の蛍光X線分析装置(機種名、RIX2000型)
を用いて、ファンダメンタルパラメ−タ−法で測定する
ことができる。また、上記において、上記の酸化珪素の
蒸着膜の膜厚を変更する手段としては、蒸着膜の体積速
度を大きくすること、すなわち、モノマ−ガスと酸素ガ
ス量を多くする方法や蒸着する速度を遅くする方法等に
よって行うことができる。
【0022】次に、上記において、酸化珪素等の無機酸
化物の蒸着膜を形成する有機珪素化合物等の蒸着用モノ
マ−ガスとしては、例えば、1.1.3.3−テトラメ
チルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニル
トリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメ
チルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメ
チルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニ
ルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、その
他等を使用することができる。本発明において、上記の
ような有機珪素化合物の中でも、1.1.3.3−テト
ラメチルジシロキサン、または、ヘキサメチルジシロキ
サンを原料として使用することが、その取り扱い性、形
成された蒸着膜の特性等から、特に、好ましい原料であ
る。また、上記において、不活性ガスとしては、例え
ば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することがで
きる。
【0023】なお、本発明においては、上記の無機酸化
物の蒸着膜の面に、後述するプライマ−剤層、印刷模様
層等との密接着性を向上させるために、上記で形成した
無機酸化物の蒸着膜の面に、プラズマ処理等を施し、プ
ラズマ処理面等を形成し、その表面自由エネルギ−を増
加させ、表面濡れ性等を向上させることができるもので
ある。而して、上記のプラズマ処理面としては、気体を
グロ−放電により電離させることにより生じるプラズマ
ガスを利用して表面改質を行なうプラズマ表面処理法等
を利用してプラズマ処理面を形成することができるもの
である。すなわち、本発明においては、酸素ガス、窒素
ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の無機ガスの1種
ないし2種以上をプラズマガスとして使用する方法でプ
ラズマ処理を行って、プラズマ処理面を形成することが
できる。而して、本発明において、上記のプラズマ処理
としては、プラズマ放電処理の際に、酸素ガス、また
は、酸素ガスとアルゴンガスとの混合ガスを使用してプ
ラズマ処理を行なうことが好ましく、このようなプラズ
マ処理により、より低い電圧でプラズマ処理を行なうこ
とが可能であり、これにより、無機酸化物の蒸着膜の表
面に、良好にプラズマ処理面を設けることができるもの
である。
【0024】ところで、本発明において、上記のプラズ
マ処理としては、特に、酸素ガス、または、酸素ガスと
アルゴンガスとの混合ガスを使用し、更に、基材フィル
ムの表面に無機酸化物の蒸着膜を形成した直後のインラ
インで行うことが望ましいものである。すなわち、本発
明においては、前述の図6に示すように、無機酸化物の
蒸着膜を形成した基材フィルム1が、冷却・電極ドラム
25周面上を通って補助ロ−ル33に案内される直前
に、前処理ユニットとして、プラズマ処理装置36を配
設し、而して、このプラズマ処理装置36により、基材
フィルム1の上に形成された無機酸化物の蒸着膜の表面
に、インラインで十分にプラズマ処理を行うことによ
り、上記のプラズマ処理面を形成することができるもの
である。而して、本発明において、上記のようなプラズ
マ処理により、無機酸化物の蒸着膜表面の水分吸着等に
よる汚染物等を最小に抑え、表面未反応物の反応促進、
酸素基等の官能基等の導入、更に、炭素成分等の不純物
や塵等を除去し、無機酸化物の蒸着膜表面の膜組成の均
一化、濡れ性等を向上させるものである。本発明におい
て、上記のようなプラズマ処理面を形成することによ
り、無機酸化物の蒸着膜の上に、プライマ−剤あるいは
接着剤等のコ−ティング加工、印刷模様等を形成する印
刷加工、更に、他のプラスチックフィルム、その他等の
基材を積層するラミネ−ト加工、その他の後処理加工等
を行っても、その後処理加工適性を有し、耐屈曲性等を
有し、かつ、製品安定性、生産性、ランニングコスト
性、その他等に優れ、かつ、酸素ガスバリア性、水蒸気
バリア性等に優れたバリア性素材を製造し得るものであ
る。
【0025】なお、本発明においては、上記のようなプ
ラズマ処理により、無機酸化物の蒸着膜の面に、後述す
るプライマ−剤等をコ−ティングしても、その両者の密
接着性に優れ、その結果、耐屈曲性等に優れ、例えば、
フィルムの巻き取り、印刷加工、ラミネ−ト加工、ある
いは、製袋加工等の後処理加工において、上記の無機酸
化物の蒸着膜にクラック等の発生等を防止することがで
き、いわゆる、後加工適性を向上させることができると
いう利点も有するものである。なお、本発明において
は、無機酸化物の蒸着膜形成直後にインラインでプラズ
マ処理を行うことから、その製造コスト面においても、
他の方法等と比較して極めて優れているものである。
【0026】なお、本発明において、上記のプラズマ処
理においては、そのプラズマ処理条件が極めて重要であ
り、その条件によって得られる効果は、全く異なる。而
して、本発明において、プラズマ処理条件としては、プ
ラズマ放電電力、グロ−放電圧力、その他等を挙げるこ
とができる。本発明において、プラズマ処理としては、
例えば、プラズマ処理が、強ければ強い程、密接着性が
向上するが、あまり強過ぎると、無機酸化物の蒸着膜表
面が、熱負けを起こすことから好ましくなく、而して、
本発明において、プラズマ放電電力としては、約40W
・分/m2 〜100W・分/m2 位が最も好ましいもの
である。また、本発明において、プラズマ電源として
は、交流でも直流でもよく、而して、グロ−放電圧力と
しては、0.5〜5.0×10-2mbar位が好まし
く、あまり高真空では、プラズマの安定性に欠け、ま
た、低真空では、プラズマの基材フィルムへの作用効果
が弱められることから好ましくないものである。
【0027】ところで、本発明において、プラズマ処理
において、プラズマを発生させる方法としては、例え
ば、直流グロ−放電、高周波(Audio Frequ
ency:AF、Radio Frequency:R
F)放電、マイクロ波放電等の3通りの装置を利用して
行うことができる。なお、本発明において、無機酸化物
の蒸着膜形成直後の表面に、上記のようなプラズマ処理
により形成されるプラズマ処理面について、英国、VG
サイエンティフィック社製のX線光電子分光分析測定機
(機種名、XPS)を使用し、処理面の元素分析を行う
ことより、前述のように、その表面に付着している水分
や塵等を除去されると共に、更に、プラズマ中で活性化
された酸素分子が無機酸化物の蒸着膜表面と化学反応を
起こすことによって、その処理面に薄くて平滑性の高い
酸化被膜を形成したプラズマ処理面であること、更に、
その表面に、例えば、酸素基等の官能基が形成されてい
るプラズマ処理面であることを確認することができるも
のである。
【0028】次にまた、本発明において、本発明にかか
るハム・ソ−セ−ジ包装用積層体等を構成するプライマ
−剤層について説明すると、かかるプライマ−剤層とし
ては、まず、ポリウレタン系樹脂をビヒクルの主成分と
し、該ポリウレタン系樹脂1〜30重量%に対し、シラ
ンカップリング剤0.05〜10重量%位、好ましく
は、0.1重量%〜5重量%位添加し、更に、要すれ
ば、充填剤0.1〜20重量%位、好ましくは、1〜1
0重量%位の割合で添加し、更にまた、必要ならば、安
定剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、紫外線吸収剤、その他等
の添加剤を任意に添加し、溶媒、希釈剤等を加えて充分
に混合してポリウレタン系樹脂組成物を調整する。次
に、本発明においては、上記で調製したポリウレタン系
樹脂組成物を使用し、これを、例えば、ロ−ルコ−ト、
グラビアコ−ト、ナイフコ−ト、デップコ−ト、スプレ
イコ−ト、その他のコ−ティング法を用いて、前述の無
機酸化物の蒸着膜の上にコ−ティングし、しかる後、そ
のコ−ティング膜を乾燥させて溶媒、希釈剤等を除去
し、更に、要すれば、エ−ジング加工等を行って、本発
明にかかるプライマ−剤層を形成することができる。な
お、本発明において、ポリウレタン系樹脂組成物による
プライマ−剤層の膜厚としては、例えば、0.01〜5
0μm位、好ましくは、0.1〜5μm位が望ましい。
【0029】上記において、ポリウレタン系樹脂として
は、例えば、多官能イソシアネ−トとヒドロキシル基含
有化合物との反応により得られるポリウレタン系樹脂を
使用することができる。具体的には、例えば、トリレン
ジイソシアナ−ト、ジフェニルメタンジイソシアナ−
ト、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアナ−ト等
の芳香族ポリイソシアナ−ト、あるいは、ヘキサメチレ
ンジイソシアナ−ト、キシリレンジイソシアナ−ト等の
脂肪族ポリイソシアナ−ト等の多官能イソシアネ−ト
と、ポリエ−テルポリオ−ル、ポリエステルポリオ−
ル、ポリアクリレ−トポリオ−ル、その他等のヒドロキ
シル基含有化合物との反応により得られる一液ないし二
液硬化型のポリウレタン系樹脂を使用することができ
る。而して、本発明において、上記のようなポリウレタ
ン系樹脂を使用することにより、プライマ−剤層の伸長
度を向上させ、例えば、ラミネ−ト加工、あるいは、製
袋加工等の後加工適性を向上させ、後加工時における無
機酸化物の蒸着膜のクラック等の発生を防止するもので
ある。
【0030】また、上記において、シランカップリング
剤としては、二元反応性を有する有機官能性シランモノ
マ−類を使用することができ、例えば、γ−クロロプロ
ピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキ
シエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルト
リメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−
β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエ
トキシシラン、ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピル
シリコ−ンの水溶液等の1種ないしそれ以上を使用する
ことができる。上記のようなシランカップリング剤は、
その分子の一端にある官能基、通常、クロロ、アルコキ
シ、または、アセトキシ基等が加水分解し、シラノ−ル
基(SiOH)を形成し、これが、無機酸化物の蒸着膜
を構成する金属、あるいは、無機酸化物の蒸着膜表面上
の活性な基、例えば、水酸基等の官能基と何らかの作用
により、例えば、脱水縮合反応等の反応を起こして、無
機酸化物の蒸着膜表面上にシランカップリング剤が共有
結合等で修飾され、更に、シラノ−ル基自体の無機酸化
物の蒸着膜表面に吸着や水素結合等により強固な結合を
形成する。他方、シランカップリング剤の他端にあるビ
ニル、メタクリロキシ、アミノ、エポキシ、あるいは、
メルカプト等の有機官能基が、そのシランカップリング
剤の薄膜の上に形成される、例えば、印刷模様層、ラミ
ネ−ト用接着剤層、アンカ−コ−ト剤層、その他の層等
を構成する物質と反応して強固な結合を形成し、更に、
上記の印刷模様層、ラミネ−ト用接着剤層、アンカ−コ
−ト剤層等を介して、ヒ−トシ−ル性樹脂層が強固に密
接着して、そのラミネ−ト強度を高め、このようにし
て、本発明においては、ラミネ−ト強度の高い強固な積
層構造を形成可能とするものである。本発明において
は、シランカップリング剤が有する無機性と有機性とを
利用し、無機酸化物の蒸着膜と、印刷模様層、接着剤層
あるいはアンカ−コ−ト剤層を介して、ヒ−トシ−ル性
樹脂層との密接着性を向上させ、これにより、そのラミ
ネ−ト強度等を高めるものである。
【0031】更に、上記にといて、充填剤としては、例
えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナホワイ
ト、シリカ、タルク、ガラスフリット、樹脂粉末、その
他等のものを使用することができる。而して、上記の充
填剤は、ポリウレタン系樹脂組成物液の粘度等を調製
し、そのコ−ティング適性を向上させると共にバインダ
−樹脂としてのポリウレタン系樹脂とシランカップリン
グ剤を介して結合し、コ−ティング膜の凝集力を向上さ
せるものである。
【0032】次に、本発明において、本発明にかかるハ
ム・ソ−セ−ジ包装用積層体等を構成する印刷模様層に
ついて説明すると、かかる印刷模様層としては、上記で
形成したプライマ−剤層の上に、例えば、文字、図形、
記号、絵柄、その他等からなる所望の印刷模様等を形成
して印刷模様層を設けることができるものである。上記
の印刷模様としては、通常のインキビヒクルの1種ない
し2種以上を主成分とし、これに、必要ならば、可塑
剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬
化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他等の
添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染
料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に
混練してインキ組成物を調整し、次いで、該インキ組成
物を使用し、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、
凸版印刷、スクリ−ン印刷、転写印刷、フレキソ印刷、
その他等の印刷方式を使用し、前述のプライマ−剤層の
上に、文字、図形、記号、模様等からなる所望の印刷模
様を印刷して、本発明にかかる印刷模様層を形成するこ
とができる。而して、本発明においては、インキビヒク
ルとして、特に、上記のポリウレタン系樹脂をビヒクル
の主成分として使用し、これに、必要ならば、可塑剤、
安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化
剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他等の添
加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染料
・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混
練してインキ組成物を調整し、次いで、該インキ組成物
を使用し、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸
版印刷、スクリ−ン印刷、転写印刷、フレキソ印刷、そ
の他等の印刷方式を使用し、前述のコ−ティング薄膜の
上に、文字、図形、記号、模様等からなる所望の印刷模
様を印刷して、本発明にかかる印刷模様層を形成するこ
とが望ましいものである。本発明において、インキビヒ
クルとして、上記のようなポリウレタン系樹脂を使用す
ることにより、その理由は定かではないが、前述と同様
に、印刷模様層を構成する薄膜の伸長度等を向上させ、
例えば、ラミネ−ト加工、あるいは、製袋加工等の後加
工適性を向上させ、後加工時における無機酸化物の薄膜
のクラック等の発生を防止することができるものであ
る。
【0033】次に、本発明において、本発明にかかるハ
ム・ソ−セ−ジ用包装用積層体を構成するヒ−トシ−ル
性樹脂層を形成するヒ−トシ−ル性樹脂としては、熱に
よって溶融し相互に融着し得る樹脂のフィルムないしシ
−トを使用することができ、具体的には、例えば、低密
度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
レン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹
脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリ
ル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合
体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン
−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリ
ブテンポリマ−、ポリエチレンまたはポリプロピレン等
のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、イタコン酸
等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン
樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系
樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、その他等の樹脂のフィル
ムないしシ−トを使用することができる。而して、本発
明においては、上記のような樹脂のフィルムないしシ−
トを使用し、例えば、ドライラミネ−ト法等により積層
して、ヒ−トシ−ル性樹脂層を形成することができるも
のである。あるいは、本発明においては、樹脂を溶融押
し出しして積層する溶融押し出し積層法等により、ヒ−
トシ−ル性樹脂層を形成することができる。本発明にお
いて、ヒ−トシ−ル性樹脂層の厚さとしては、5μmな
いし300μm位が好ましくは、更には、10μmない
し100μm位が望ましい。
【0034】次にまた、本発明において、本発明にかか
るハム・ソ−セ−ジ包装用積層体においては、上記のよ
うな材料の他に、更に、例えば、強度を有して強靱であ
り、かつ、耐熱性を有する樹脂のフィルムないしシ−ト
を積層することができ、具体的には、例えば、ポリエス
テル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、
ポリオレフィン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリ
スチレン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、フッ素系樹
脂、その他等の強靱な樹脂のフィルムないしシ−ト、そ
の他等を使用することができる。而して、上記の樹脂の
フィルムないしシ−トとしては、未延伸フィルム、ある
いは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等
のいずれのものでも使用することができる。そのフィル
ムの厚さとしては、5μmないし100μm位、好まし
くは、10μmないし50μm位が望ましい。なお、本
発明においては、上記のようなフィルムには、例えば、
文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷絵柄を通
常の印刷法で表刷り印刷あるいは裏刷り印刷等が施され
ていてもよい。
【0035】次にまた、本発明において、例えば、紙層
を構成する各種の紙基材を使用し、これを積層すること
ができ、具体的には、本発明において、紙基材として
は、賦型性、耐屈曲性、剛性等を持たせるものであり、
例えば、強サイズ性の晒または未晒の紙基材、あるいは
純白ロ−ル紙、クラフト紙、板紙、加工紙等の紙基材、
その他等を使用することができる。上記において、紙層
を構成する紙基材としては、坪量約80〜600g/m
2位のもの、好ましくは、坪量約100〜450g/m
2 位のものを使用することが望ましい。勿論、本発明に
おいては、紙層を構成する紙基材と、上記に挙げた基材
フィルムとしての各種の樹脂のフィルムないしシ−ト等
を併用して使用することができる。
【0036】更に、本発明において、本発明にかかるハ
ム・ソ−セ−ジ包装用積層体を構成する材料として、例
えば、水蒸気、水等のバリア−性を有する低密度ポリエ
チレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直
鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−
プロピレン共重合体等の樹脂のフィルムないしシ−ト、
あるいは、酸素、水蒸気等に対するバリア−性を有する
ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコ−ル、エチレン
−酢酸ビニル共重合体ケン化物等の樹脂のフィルムない
しシ−ト、樹脂に顔料等の着色剤を、その他、所望の添
加剤を加えて混練してフィルム化してなる遮光性を有す
る各種の着色樹脂のフィルムないしシ−ト等を積層する
ことができる。これらの材料は、一種ないしそれ以上を
組み合わせて使用することができる。上記のフィルムな
いしシ−トの厚さとしては、任意であるが、通常、5μ
mないし300μm位、更には、10μmないし150
μm位が望ましい。
【0037】なお、本発明においては、通常、包装用容
器は、物理的にも化学的にも過酷な条件におかれること
から、包装用容器を構成する包装材料には、厳しい包装
適性が要求され、変形防止強度、落下衝撃強度、耐ピン
ホ−ル性、耐熱性、密封性、品質保全性、作業性、衛生
性、その他等の種々の条件が要求され、このために、本
発明においては、上記のような諸条件を充足する材料を
任意に選択して使用することができ、具体的には、例え
ば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度
ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル
酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタク
リル酸共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテン
系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹
脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニ
リデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリア
クリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロ
ニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロ
ニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体(ABS系樹
脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ
−ボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、
ジエン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系
樹脂、ニトロセルロ−ス、その他等の公知の樹脂のフィ
ルムないしシ−トから任意に選択して使用することがで
きる。その他、例えば、セロハン等のフィルム、合成紙
等も使用することができる。本発明において、上記のフ
ィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に
延伸されたもの等のいずれのものでも使用することがで
きる。また、その厚さは、任意であるが、数μmから3
00μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシ−トとして
は、押し出し成膜、インフレ−ション成膜、コ−ティン
グ膜等のいずれの性状の膜でもよい。また、本発明にお
いて、本発明にかかる積層材を構成するいずれかの層
に、例えば、オフセット印刷、グラビア印刷、シルクス
クリ−ン印刷、その他により、文字、図形、絵柄、記号
等からなる所望の印刷絵柄層を形成することもできるこ
とは言うまでもないことである。
【0038】次に、上記の本発明において、上記のよう
な材料を使用して本発明にかかるハム・ソ−セ−ジ包装
用積層体を製造する方法について説明すると、かかる方
法としては、通常の包装材料をラミネ−トする方法、例
えば、ウエットラミネ−ション法、ドライラミネ−ショ
ン法、無溶剤型ドライラミネ−ション法、押し出しラミ
ネ−ション法、Tダイ押し出し成形法、共押し出しラミ
ネ−ション法、インフレ−ション法、共押し出しインフ
レ−ション法、その他等で行うことができる。而して、
本発明においては、上記の積層を行う際に、必要なら
ば、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理をフィ
ルムに施すことができ、また、例えば、イソシアネ−ト
系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジ
ェン系、有機チタン系等のアンカ−コ−ティング剤、あ
るいはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル
系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロ−ス系、そ
の他等のラミネ−ト用接着剤等の公知の前処理、アンカ
−コ−ト剤、接着剤等を使用することができる。
【0039】なお、本発明において、本発明にかかるハ
ム・ソ−セ−ジ包装用積層体を構成するラミネ−ト用接
着剤層について説明すると、かかるラミネ−ト用接着剤
層としては、前述の多官能イソシアネ−トとヒドロキシ
ル基含有化合物との反応により得られるポリウレタン系
樹脂を主成分とする1液ないし2液硬化型のラミネ−ト
用接着剤層を使用することがてきる。具体的には、例え
ば、トリレンジイソシアナ−ト、ジフェニルメタンジイ
ソシアナ−ト、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシ
アナ−ト等の芳香族ポリイソシアナ−ト、あるいは、ヘ
キサメチレンジイソシアナ−ト、キシリレンジイソシア
ナ−ト等の脂肪族ポリイソシアナ−ト等の多官能イソシ
アネ−トと、ポリエ−テルポリオ−ル、ポリエステルポ
リオ−ル、ポリアクリレ−トポリオ−ル、その他等のヒ
ドロキシル基含有化合物との反応により得られる1液な
いし2液硬化型のポリウレタン系樹脂をビヒクルの主成
分とする接着剤組成物を使用し、これを、例えば、ロ−
ルコ−ト、グラビアコ−ト、ナイフコ−ト、デップコ−
ト、スプレイコ−ト、その他のコ−ティング法により、
前述の印刷模様層を含む全面にコ−ティングし、次い
で、溶剤、希釈剤等を乾燥して、本発明にかかる積層材
を構成するラミネ−ト用接着剤層を形成することができ
る。上記のおいて、接着剤層の膜厚としては、0.1〜
6g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。而して、本発明
において、上記のようなポリウレタン系樹脂を使用する
ことにより、上記と同様に、接着剤層を構成する薄膜の
伸長度を向上させ、例えば、ラミネ−ト加工、あるい
は、製袋加工等の後加工適性を向上させ、後加工時にお
ける無機酸化物の薄膜のクラック等の発生を防止するも
のである。
【0040】而して、本発明において、上記の本発明に
かかるハム・ソ−セ−ジ包装用積層体を構成するラミネ
−ト用接着剤層としては、JIS K6301に準じた
4号ダンベルにて23℃、50%RHの環境下で300
mm/min.の速度条件で測定して、300%〜55
0%の引っ張り伸度を有するものであることが望ましい
ものである。本発明において、上記の接着剤層の引っ張
り伸度は、前述のコ−ティング薄膜、印刷模様層等と相
乗し、積層材を構成する無機酸化物の蒸着膜、プライマ
−剤層、印刷模様層、接着剤層、ヒ−トシ−ル性樹脂層
等との密接着性を向上させ、これにより、無機酸化物の
蒸着膜のクラック等の発生を防止するものである。上記
において、引っ張り伸度が、300%未満であると、柔
軟性に欠け、ラミネ−トあるいは製袋または製函等の後
加工において、無機酸化物の蒸着膜にクラック等が発生
して好ましくなく、また、引っ張り伸度が、550%を
越えると、柔軟性が過剰になり、引き裂き性に劣り、例
えば、包装用容器の開封性に劣るので好ましいないもの
である。なお、本発明においては、上記のようなポリウ
レタン系樹脂組成物には、更に、必要な場合には、例え
ば、ニトロセルロ−ス等のセルロ−ス誘導体、その他の
結合剤等を任意に添加することができるものである。
【0041】また、本発明にかかるハム・ソ−セ−ジ包
装用積層体の製造においては、必要ならば、例えば、積
層時に、例えば、アルキルチタネ−ト等の有機チタン系
アンカ−コ−ト剤、イソシアネ−ト系アンカ−コ−ト
剤、ポリエチレンイミン系アンカ−コ−ト剤、ポリブタ
ジエン系アンカ−コ−ト剤、その他等を使用することが
できる。而して、本発明においては、例えば、ロ−ルコ
−ト、グラビアコ−ト、ナイフコ−ト、デップコ−ト、
スプレイコ−ト、その他のコ−ティング法でコ−ティン
グし、溶剤、希釈剤等を乾燥して、本発明にかかるアン
カ−コ−ト剤によるアンカ−コ−ト剤層を形成すること
ができる。上記のおいて、アンカ−コ−ト剤の塗布量と
しては、0.1〜5g/m2 (乾燥状態)位が望まし
い。
【0042】次に、本発明において、上記のような本発
明にかかるハム・ソ−セ−ジ用積層体を使用して製袋な
いし製函する方法について説明すると、例えば、包装用
容器がプラスチックフィルム等からなる軟包装袋の場
合、上記のような方法で製造した本発明にかかるハム・
ソ−セ−ジ包装用積層体を使用し、その内層のヒ−トシ
−ル性樹脂層の面を対向させて、それを折り重ねるか、
或いはその二枚を重ね合わせ、更にその周辺端部をヒ−
トシ−ルしてシ−ル部を設けて袋体を構成することがで
きる。而して、その製袋方法としては、上記の本発明に
かかるハム・ソ−セ−ジ包装用積層体を、その内層の面
を対向させて折り曲げるか、あるいはその二枚を重ね合
わせ、更にその外周の周辺端部を、例えば、側面シ−ル
型、二方シ−ル型、三方シ−ル型、四方シ−ル型、封筒
貼りシ−ル型、合掌貼りシ−ル型(ピロ−シ−ル型)、
ひだ付シ−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、その他
等のヒ−トシ−ル形態によりヒ−トシ−ルして、本発明
にかかる種々の形態の包装用容器を製造することができ
る。その他、例えば、自立性包装袋(スタンディングパ
ウチ)等も製造することが可能であり、更に、本発明に
おいては、上記の積層材を使用してチュ−ブ容器等も製
造することができる。上記において、ヒ−トシ−ルの方
法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、
ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音
波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。なお、本
発明においては、上記のような包装用容器には、例え
ば、開閉用ジッパ−等を任意に取り付けることができ
る。
【0043】本発明において、上記のようにして製造し
た包装用容器は、ハム・ソ−セ−ジ、あるいは、その加
工食品、その他等の種々の物品の充填包装に使用される
ものである。なお、本発明にかかるハム・ソ−セ−ジ包
装用積層体は、例えば、プラスチック成形容器のフラン
ジ部に貼り合わせて、蓋材としても使用することができ
るものである。
【0044】
【実施例】上記の本発明について実施例を挙げて更に具
体的に説明する。 実施例1 (1).プラズマ化学気相成長装置を使用し、また、基
材フィルムとして、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレ−トフィルムを使用した。更に、上記の基
材フィルムとしての厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレ−トフィルムの一方の面には、予め、コロ
ナ放電処理が施され、静および動摩擦係数が、それぞ
れ、0.60μ、および、0.56μであった。上記の
静および動摩擦係数は、東洋精機製作所株式会社製、滑
り試験機(型式TR−2)により、50mm/minで
の静摩擦係数、動摩擦係数を測定した値である(以下の
実施例および比較例においても同じである。)。まず、
上記の厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ
−トフィルムをプラズマ化学気相成長装置の送り出しロ
−ルに装着し、次いで、上記の2軸延伸ポリエチレンテ
レフタレ−トフィルムのコロナ放電処理層の面に、下記
のプラズマ化学蒸着条件で、厚さ90Åの酸化珪素の蒸
着膜を形成した。 (蒸着条件) 蒸着面;コロナ処理面 導入ガス量;ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘ
リウム=1.0:3.0:3.0(単位:slm) 巻き取りチャンバ−内真空度;2〜6.0×10-6mb
ar プロセスチャンバ−内真空度;2〜6.0×10-3mb
ar 冷却・電極ドラム供給電力;10kW ライン速度;100m/min (2).次に、上記で2軸延伸ポリエチレンテレフタレ
−トフィルムのコロナ処理層の面に、酸化珪素の蒸着膜
を形成した後、インラインで放電プラズマ発生装置を用
いて、上記で形成した酸化珪素の蒸着膜の面に、下記の
条件でプラズマ処理を行い、プラズマ処理面を形成し
た。 (プラズマ処理条件) グロ−放電ガス:酸素ガス〔1.0(単位:slm)〕 電源:DC 放電電力:60W・分/m2 グロ−放電圧力:2.0×10-2mbar プラズマ処理面:酸化珪素の蒸着膜面 (3).他方、シランカップリング剤として、N−β
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ランを使用し、該シランカップリング剤0.3重量%、
シリカ粉末(粒子径2μm)1.0重量%、ポリウレタ
ン系樹脂15.6重量%、ニトロセルロ−ス3.5重量
%、トルエンとメチルエチルケトンとイソプロピ−ルア
ルコ−ルとが4:4:2からなる混合溶剤79.6重量
%からなるポリウレタン系樹脂組成物を調整した。次
に、上記のインラインでプラズマ処理面を形成した後の
該プラズマ処理面に、上記で調整したポリウレタン系樹
脂組成物を使用し、これをグラビアロ−ルコ−ト法を利
用してコ−ティングし、次いで、120℃で20秒間乾
燥して、上記のポリウレタン系樹脂組成物によるプライ
マ−剤層(厚さ0.5g/m2 、乾燥状態)を形成し
た。 (4).次に、上記で形成したプライマ−剤層の面に、
ポリウレタン系樹脂をビヒクルとするインキ組成物を使
用し、グラビア印刷方式にて、4色からなる所望の印刷
模様層を形成した後、該印刷模様層を含む全面に、ポリ
エステルポリオ−ルとイソシアネ−トとからなる2液硬
化型ポリウレタン系樹脂の7%酢酸エチル溶液からなる
ラミネ−ト用接着剤を使用し、これをグラビアロ−ルコ
−ト法によりコ−ティングして膜厚1μmのラミネ−ト
用接着剤層(乾燥状態)を形成し、更に、上記で形成し
たラミネ−ト用接着剤層面に、厚さ60μmの低密度ポ
リエチレンフィルムをドライラミネ−トして、本発明に
かかるハム・ソ−セ−ジ包装用積層体を製造した。上記
で製造した本発明にかかるハム・ソ−セ−ジ包装用積層
体を使用し、製袋機により製袋して三方シ−ル型のプラ
スチック袋を製造した。次に、上記で製造したプラスチ
ック製袋にハム、ソ−セ−ジを充填し、しかる後、その
開口部をヒ−トシ−ルして充填包装製品を製造したとこ
ろ、高度なバリア性を有し、そのバリア性の劣化も認め
られず、極めて良好な結果を得た。
【0045】実施例2 (1).プラズマ化学気相成長装置を使用し、また、基
材フィルムとして、厚さ15μmの2軸延伸ナイロン6
フィルムを使用した。また、上記の基材フィルムとして
の厚さ15μmの2軸延伸ナイロン6フィルムの一方の
面には、予め、コロナ放電処理が施され、静および動摩
擦係数が、それぞれ、0.5μ、および、0.45μで
あった。まず、厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フィ
ルムをプラズマ化学気相成長装置の送り出しロ−ルに装
着し、次いで、下記に示す蒸着条件で、上記の二軸延伸
ナイロン6フィルムのコロナ処理面に、厚さ100Åの
酸化珪素の蒸着膜を形成した。 (蒸着条件) 蒸着面;コロナ処理面 導入ガス量;ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘ
リウム=1.0:3.0:3.0(単位:slm) 巻き取りチャンバ−内真空度;2〜6.0×10-6mb
ar プロセスチャンバ−内真空度;2〜6.0×10-3mb
ar ライン速度;100m/min 冷却・電極ドラム供給電力;10kW (2).次に、上記で2軸延伸ナイロン6フィルムのコ
ロナ処理層の面に、酸化珪素の蒸着膜を形成した後、そ
の酸化珪素の蒸着膜の面に、インラインで放電プラズマ
発生装置を用いて、下記の条件でプラズマ処理を行い、
プラズマ処理面を形成した。 (プラズマ処理条件) グロ−放電ガス:酸素ガス〔1.0(単位:slm)〕 電源:DC 放電電力:60W・分/m2 グロ−放電圧力:2.0×10-2mbar プラズマ処理面:酸化珪素の蒸着膜面 (3).他方、シランカップリング剤として、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシランを使用し、該シラ
ンカップリング剤0.3重量%、シリカ粉末1.0重量
%、ポリウレタン系樹脂15.6重量%、ニトロセルロ
−ス3.5重量%、および、トルエンとメチルエチルケ
トンとイソプロピ−ルアルコ−ルとが4:4:2からな
る混合溶剤79.6重量%からなるポリウレタン系樹脂
組成物を調整した。上記において調整したポリウレタン
系樹脂組成物を使用して、これを、上記で形成したプラ
ズマ処理面の上に、グラビアロ−ルコ−ト法を利用して
コ−ティングし、次いで、120℃で20秒間乾燥し
て、ポリウレタン系樹脂組成物によるプライマ−剤層
(0.2g/m2 乾燥状態)を形成した。 (4).次に、上記で形成したプライマ−剤層の面に、
ポリウレタン系樹脂をビヒクルとするインキ組成物を使
用し、グラビア印刷方式にて、4色からなる所望の印刷
模様を形成した後、該印刷模様層を含む全面に、ポリエ
−テルポリオ−ルとイソシアネ−トとからなる2液硬化
型ポリウレタン系樹脂の7%酢酸エチル溶液からなるラ
ミネ−ト用接着剤を使用し、これをグラビアロ−ルコ−
ト法によりコ−ティングして膜厚1μmのラミネ−ト用
接着剤層(乾燥状態)を形成し、次いで、該ラミネ−ト
用接着剤層面に、厚さ60μmの低密度ポリエチレンフ
ィルムをドライラミネ−トして、本発明にかかるハム・
ソ−セ−ジ包装用積層体を製造した。上記で製造した本
発明にかかるハム・ソ−セ−ジ包装用積層体を使用し、
製袋機により製袋して三方シ−ル型のプラスチック袋を
製造した。次に、上記で製造したプラスチック製袋にハ
ム、ソ−セ−ジを充填し、しかる後、その開口部をヒ−
トシ−ルして充填包装製品を製造したところ、高度なバ
リア性を有し、そのバリア性の劣化も認められず、極め
て良好な結果を得た。
【0046】実施例3 (1).プラズマ化学気相成長装置を使用し、また、基
材フィルムとして、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロピ
レンフィルムを使用した。更に、上記の基材フィルムと
しての厚さ20μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルム
の一方の面には、予め、コロナ放電処理が施され、静お
よび動摩擦係数が、それぞれ、0.5μ、および、0.
4μであった。まず、厚さ20μmの二軸延伸ポリプロ
ピレンフィルムをプラズマ化学気相成長装置の送り出し
ロ−ルに装着し、次いで、下記に示す蒸着条件で、上記
の二軸延伸ポリプロピレンフィルムのコロナ処理面に、
厚さ80Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した。 (蒸着条件) 蒸着面;コロナ処理面 導入ガス量;ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘ
リウム=1.0:3.0:3.0(単位:slm) 巻き取りチャンバ−内真空度;2〜6.0×10-6mb
ar プロセスチャンバ−内真空度;2〜6.0×10-3mb
ar ライン速度;100m/min 冷却・電極ドラム供給電力;10kW (2).次に、上記で2軸延伸ポリプロピレンフィルム
のコロナ処理層の面に、酸化珪素の蒸着膜を形成した
後、その酸化珪素の蒸着膜の面に、インラインで放電プ
ラズマ発生装置を用いて、下記の条件でプラズマ処理を
行い、プラズマ処理面を形成した。 (プラズマ処理条件) グロ−放電ガス:酸素ガス〔1.0(単位:slm)〕 電源:DC 放電電力:60W・分/m2 グロ−放電圧力:2.0×10-2mbar プラズマ処理面:酸化珪素の蒸着膜面 (3).他方、シランカップリング剤として、N−β
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ランを使用し、該シランカップリング剤0.3重量%、
シリカ粉末(粒子径2μm)1.0重量%、ポリウレタ
ン系樹脂15.6重量%、ニトロセルロ−ス3.5重量
%、トルエンとメチルエチルケトンとイソプロピ−ルア
ルコ−ルとが4:4:2からなる混合溶剤79.6重量
%からなるポリウレタン系樹脂組成物を調整した。次
に、上記のインラインでプラズマ処理面を形成した後の
該プラズマ処理面に、上記で調整したポリウレタン系樹
脂組成物を使用し、これをグラビアロ−ルコ−ト法を利
用してコ−ティングし、次いで、120℃で20秒間乾
燥して、上記のポリウレタン系樹脂組成物によるプライ
マ−剤層(厚さ0.5g/m2 、乾燥状態)を形成し
た。 (4).次に、上記で形成したプライマ−剤層の面に、
ポリウレタン系樹脂をビヒクルとするインキ組成物を使
用し、グラビア印刷方式にて、4色からなる所望の印刷
模様層を形成した後、該印刷模様層を含む全面に、ポリ
エステルポリオ−ルとイソシアネ−トとからなる2液硬
化型ポリウレタン系樹脂の7%酢酸エチル溶液からなる
アンカ−コ−ト剤を使用し、これをグラビアロ−ルコ−
ト法によりコ−ティングして膜厚1μmのアンカ−コ−
ト剤層(乾燥状態)を形成し、更に、上記で形成したア
ンカ−コ−ト剤層面に、低密度ポリエチレンを使用し、
これを溶融押し出ししながら、厚さ60μmの低密度ポ
リエチレン樹脂層を押し出し積層して、本発明にかかる
ハム・ソ−セ−ジ包装用積層体を製造した。上記で製造
した本発明にかかるハム・ソ−セ−ジ包装用積層体を使
用し、製袋機により製袋して三方シ−ル型のプラスチッ
ク袋を製造した。次に、上記で製造したプラスチック製
袋にハム、ソ−セ−ジを充填し、しかる後、その開口部
をヒ−トシ−ルして充填包装製品を製造したところ、高
度なバリア性を有し、そのバリア性の劣化も認められ
ず、極めて良好な結果を得た。
【0047】実験例 上記の実施例1〜3で製造した本発明にかかるハム・ソ
−セ−ジ包装用積層体を使用し、下記に示す評価項目に
ついて試験を行い、そのデ−タを測定した。 (1).酸素透過度の測定 上記で製造した本発明にかかるハム・ソ−セ−ジ包装用
積層体を使用し、温度23℃、湿度90%RHの条件
で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種
名、オクストラン(OXTRAN 2/20)〕を使用
して測定した。 (2).水蒸気透過度の測定 上記で製造した本発明にかかるハム・ソ−セ−ジ包装用
積層体を使用し、温度37.8℃、湿度100%RHの
条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機
種名、パ−マトラン(PERMTRAN 2/20)〕
を使用して測定した。 (3).ラミネ−ト強度の測定 上記で製造した本発明にかかるハム・ソ−セ−ジ包装用
積層体を使用し、これを15mm幅の短冊状に切ったサ
ンプルを引張試験機により、引張速度50mm/mi
n、T字剥離強度にてラミネート強度の測定を行った。
上記の測定結果について、下記の表1に示す。
【0048】 上記の表1において、酸素透過度の単位は、(cc/m
2 ・day・23℃・90%RH)であり、水蒸気透過
度の単位は、(g/m2 ・day・40℃・100%R
H)であり、また、ラミネ−ト強度の単位は、(gf/
15mm幅)である。
【0049】上記の表1より明らかなように、実施例1
〜3にかかるものは、酸素ガスバリア性、ラミネ−ト強
度等において優れているものであった。しかし、水蒸気
バリア性については、若干、劣るものであるが、ハム・
ソ−セ−ジ等を充填包装するには支障がなかった。上記
の実施例1〜3にかかるハム・ソ−セ−ジ包装用積層体
は、概ね、ハム・ソ−セ−ジ、あるいは、その加工食品
等を充填包装するに有用な包装用材料であることが判明
した。
【0050】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明
は、基材フィルムの一方の面に、プラズマ化学気相成長
法による膜厚100Å以下の無機酸化物の蒸着膜からな
るバリア層を設け、更に、該バリア層の面に、少なくと
も、プライマ−剤層、印刷模様層、および、ヒ−トシ−
ル性樹脂層を順次に積層して積層体を製造し、而して、
該積層体を使用し、ハム・ソ−セ−ジ、あるいは、その
加工食品等を充填包装して、プライマ−剤層、印刷模様
層、および、ヒ−トシ−ル性樹脂層等を積層するラミネ
−ト加工、あるいは、得られる積層体を使用し、これを
製袋ないし製函する加工、更には、内容物であるハム・
ソ−セ−ジ、あるいは、その加工食品等を充填包装する
加工、その他等の後処理加工において、バリア層として
の無機酸化物の蒸着膜にクラック等の発生を防止し、か
つ、優れた透明性を有して内容物を透視することがで
き、更に、酸素ガスあるいは水蒸気、特に、酸素ガスに
対するハイバリア性を十分に満足するハム・ソ−セ−
ジ、あるいは、その加工食品等を充填包装したハム・ソ
−セ−ジ等の包装製品を製造し得ることができるという
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるハム・ソ−セ−ジ包装用積層体
についてその一例の層構成を示す概略的断面図である。
【図2】本発明にかかるハム・ソ−セ−ジ包装用積層体
についてその一例の層構成を示す概略的断面図である。
【図3】本発明にかかるハム・ソ−セ−ジ包装用積層体
についてその一例の層構成を示す概略的断面図である。
【図4】図1に示す本発明にかかるハム・ソ−セ−ジ包
装用積層体を使用して製袋した本発明にかかるハム・ソ
−セ−ジ等を充填包装する包装用袋についてその一例の
構成を示す概略的斜視図である。
【図5】図4に示す包装用袋にハム・ソ−セ−ジ等を充
填包装した包装製品についてその一例の構成を示す概略
的斜視図である。
【図6】プラズマ化学着装置の構成を示す概略的構成図
である。
【符号の説明】
A ハム・ソ−セ−ジ包装用積層体 A1 ハム・ソ−セ−ジ包装用積層体 A2 ハム・ソ−セ−ジ包装用積層体 B 包装用袋 C 包装製品 1 基材フィルム 2 無機酸化物の蒸着膜 3 プライマ−剤層 4 印刷模様層 5 ヒ−トシ−ル性樹脂層 6 ラミネ−ト用接着剤層 7 アンカ−コ−ト剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B65D 65/40 B65D 65/40 D Fターム(参考) 3E086 AD01 AD12 BA04 BA15 BA33 BA40 BB05 BB22 BB51 BB62 CA04 4B042 AD01 AD03 AW06 4F100 AA17B AA20B AA37B AK01C AK04D AK06C AK07A AK07C AK42A AK51G AT00A BA04 BA07 BA10A BA44B CB01G CC01 EH20D EH66B EJ38A EJ67 GB23 HB31 JD03 JD03B JD04 JL12C JN01 YY00B

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材フィルムの一方の面に、プラズマ化
    学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜からなるバリア
    層を設け、更に、該バリア層の面に、少なくとも、プラ
    イマ−剤層、印刷模様層、および、ヒ−トシ−ル性樹脂
    層を順次に積層したことを特徴とするハム・ソ−セ−ジ
    包装用積層体。
  2. 【請求項2】 基材フィルムが、2軸延伸ポリプロピレ
    ンフィルムまたは2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−ト
    フィルムであることを特徴とする上記の請求項1に記載
    するハム・ソ−セ−ジ包装用積層体。
  3. 【請求項3】 無機酸化物の蒸着膜からなるバリア層
    が、プラズマ化学気相成長法による酸化珪素の蒸着膜か
    らなるバリア層であることを特徴とする上記の請求項1
    〜2に記載するハム・ソ−セ−ジ包装用積層体。
  4. 【請求項4】 無機酸化物の蒸着膜からなるバリア層
    が、炭素を含有し、更に、その炭素量がバリア層の深さ
    方向に減少していることを特徴とする上記の請求項1〜
    3に記載するハム・ソ−セ−ジ包装用積層体。
  5. 【請求項5】 無機酸化物の蒸着膜からなるバリア層
    が、膜厚100Å以下であることを特徴とする上記の請
    求項1〜4に記載するハム・ソ−セ−ジ包装用積層体。
  6. 【請求項6】 無機酸化物の蒸着膜からなるバリア層
    が、酸素透過度、20cc/m2 /day(23℃/9
    0%RH)以下であることを特徴とする上記の請求項1
    〜5に記載するハム・ソ−セ−ジ包装用積層体。
  7. 【請求項7】 無機酸化物の蒸着膜からなるバリア層
    が、珪素と酸素とを構成元素とし、更に、炭素、水素、
    または、酸素の一種以上の元素を微量構成元素として含
    有していることを特徴とする上記の請求項1〜6に記載
    するハム・ソ−セ−ジ包装用積層体。
  8. 【請求項8】 無機酸化物の蒸着膜からなるバリア層
    が、酸化珪素の蒸着膜からなるバリア層であり、更に、
    該酸化珪素の蒸着膜中に、炭素、水素、珪素または酸素
    からなる元素の1種または2種以上からなる化合物を少
    なくとも一種類含有していることを特徴とする上記の請
    求項1〜7に記載するハム・ソ−セ−ジ包装用積層体。
  9. 【請求項9】 プライマ−剤層が、ポリウレタン系樹脂
    をビヒクルの主成分とし、更に、シランカップリング剤
    を含む樹脂組成物によるコ−ティング膜からなることを
    特徴とする上記の請求項1〜8に記載するハム・ソ−セ
    −ジ包装用積層体。
  10. 【請求項10】 ヒ−トシ−ル性樹脂層が、低密度ポリ
    エチレンフィルムまたは未延伸ポリプロピレンフィルム
    からなることを特徴とする上記の請求項1〜9に記載す
    るハム・ソ−セ−ジ包装用積層体。
  11. 【請求項11】 ヒ−トシ−ル性樹脂層が、ヒ−トシ−
    ル性を有するポリオレフィン系樹脂の2ないしそれ以上
    からなる共押し出し多層積層体フィルムからなることを
    特徴とする上記の請求項1〜9に記載するハム・ソ−セ
    −ジ包装用積層体。
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