JP2001351928A - マイクロ波・ミリ波集積回路 - Google Patents
マイクロ波・ミリ波集積回路Info
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- JP2001351928A JP2001351928A JP2000168380A JP2000168380A JP2001351928A JP 2001351928 A JP2001351928 A JP 2001351928A JP 2000168380 A JP2000168380 A JP 2000168380A JP 2000168380 A JP2000168380 A JP 2000168380A JP 2001351928 A JP2001351928 A JP 2001351928A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡単な構成で温度変化に対して安定な特性を
確保する。 【解決手段】 FET6が形成された半導体基板4上
に、温度上昇とともに抵抗値が増大する抵抗体12がF
ET6に近接して配置され、この抵抗体12には、FE
T6が動作している間、半導体基板4上に形成された第
1および第2の端子14、16を通じてほぼ一定の電圧
が印加される。周囲温度が低くなると、抵抗体12の抵
抗値は小さくなり、したがって抵抗体12には大きな電
流が流れて抵抗体12の発熱量は増大する。一方、周囲
温度が高くなると、抵抗体12の抵抗値が大きくなり、
したがって抵抗体12には小さな電流しか流れず、抵抗
体12の発熱量は減少する。よって、半導体基板4の温
度は、抵抗体12の発熱量が周囲温度の変化に応じて上
述のように変化する結果、変化が小さくなり、集積回路
の特性が安定化される。
確保する。 【解決手段】 FET6が形成された半導体基板4上
に、温度上昇とともに抵抗値が増大する抵抗体12がF
ET6に近接して配置され、この抵抗体12には、FE
T6が動作している間、半導体基板4上に形成された第
1および第2の端子14、16を通じてほぼ一定の電圧
が印加される。周囲温度が低くなると、抵抗体12の抵
抗値は小さくなり、したがって抵抗体12には大きな電
流が流れて抵抗体12の発熱量は増大する。一方、周囲
温度が高くなると、抵抗体12の抵抗値が大きくなり、
したがって抵抗体12には小さな電流しか流れず、抵抗
体12の発熱量は減少する。よって、半導体基板4の温
度は、抵抗体12の発熱量が周囲温度の変化に応じて上
述のように変化する結果、変化が小さくなり、集積回路
の特性が安定化される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマイクロ波・ミリ波
集積回路に関するものである。
集積回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、能動素子としてGaAsFET
(ガリウム・ヒ素電界効果トランジスタ)を用いたマイ
クロ波・ミリ波帯、すなわちマイクロ波帯およびミリ波
帯のいずれか一方または両方で動作する集積回路(MM
IC:モノリシックマイクロ波ICとも言われる)は、
能動素子であるGaAsFETの温度特性により、たと
えば増幅回路の場合、FET1段あたりの利得がおよそ
−0.015dB/℃の割合で変化する。そのため、周
囲温度の変化が大きい環境で使用する場合、温度により
利得が変化してしまうという問題があった。さらに、周
囲温度の変化により、FETの入出力インピーダンスが
大きく変化することも問題となっていた。
(ガリウム・ヒ素電界効果トランジスタ)を用いたマイ
クロ波・ミリ波帯、すなわちマイクロ波帯およびミリ波
帯のいずれか一方または両方で動作する集積回路(MM
IC:モノリシックマイクロ波ICとも言われる)は、
能動素子であるGaAsFETの温度特性により、たと
えば増幅回路の場合、FET1段あたりの利得がおよそ
−0.015dB/℃の割合で変化する。そのため、周
囲温度の変化が大きい環境で使用する場合、温度により
利得が変化してしまうという問題があった。さらに、周
囲温度の変化により、FETの入出力インピーダンスが
大きく変化することも問題となっていた。
【0003】たとえば、周囲温度が−40℃といった低
温では増幅回路の利得が非常に高くなり、FET自身の
動作が不安定になる。この問題を解決するため、帯域内
外の不要な発振を抑えるべく、抵抗を挿入したり、段間
回路でのミスマッチングを生じさせて、安定係数Kが1
以上を保つようにして、回路全体の利得を下げるという
方法を採ることができる。
温では増幅回路の利得が非常に高くなり、FET自身の
動作が不安定になる。この問題を解決するため、帯域内
外の不要な発振を抑えるべく、抵抗を挿入したり、段間
回路でのミスマッチングを生じさせて、安定係数Kが1
以上を保つようにして、回路全体の利得を下げるという
方法を採ることができる。
【0004】しかし、この方法では、周囲温度が逆に+
120℃の高温の場合には、増幅回路の利得不足を招く
こととなり、FETの段数を増やすか、あるいは複雑な
温度補償回路を設計しなければならなくなる。図4は従
来のマイクロ波・ミリ波集積回路における利得の温度変
化を示すグラフである。図中、横軸は周波数、縦軸は利
得をそれぞれ表している。そして曲線102は−40℃
の場合の利得、曲線104は+120℃の場合の利得を
示している。このグラフから分かるように、60GHz
程度を超えた周波数範囲で温度による利得の変化が大き
くなっている(矢印A)。
120℃の高温の場合には、増幅回路の利得不足を招く
こととなり、FETの段数を増やすか、あるいは複雑な
温度補償回路を設計しなければならなくなる。図4は従
来のマイクロ波・ミリ波集積回路における利得の温度変
化を示すグラフである。図中、横軸は周波数、縦軸は利
得をそれぞれ表している。そして曲線102は−40℃
の場合の利得、曲線104は+120℃の場合の利得を
示している。このグラフから分かるように、60GHz
程度を超えた周波数範囲で温度による利得の変化が大き
くなっている(矢印A)。
【0005】また、図5は、従来設計のW帯(76GH
z)3段増幅回路のS11とS22をシミュレーション
により求めた結果を示すグラフである。図中、横軸は周
波数、縦軸はS11、S22をそれぞれ表している。な
お、S11は増幅回路の入力側における信号の反射特性
(入力インピーダンス)であり、S22は出力側におけ
る信号の反射特性(出力インピーダンス)である。そし
て、曲線104、106はそれぞれ−40℃の場合のS
11、S22の変化を示し、曲線108、110はそれ
ぞれ+120℃の場合のS11、S22の変化を示して
いる。図5から分かるように、S11、S22ともに、
温度が−40℃から+120℃へと変化することで大き
く変化している(矢印B、C)。
z)3段増幅回路のS11とS22をシミュレーション
により求めた結果を示すグラフである。図中、横軸は周
波数、縦軸はS11、S22をそれぞれ表している。な
お、S11は増幅回路の入力側における信号の反射特性
(入力インピーダンス)であり、S22は出力側におけ
る信号の反射特性(出力インピーダンス)である。そし
て、曲線104、106はそれぞれ−40℃の場合のS
11、S22の変化を示し、曲線108、110はそれ
ぞれ+120℃の場合のS11、S22の変化を示して
いる。図5から分かるように、S11、S22ともに、
温度が−40℃から+120℃へと変化することで大き
く変化している(矢印B、C)。
【0006】また、図6は、従来のW帯3段増幅回路の
S21とKをシミュレーションにより求めた結果を示す
グラフである。図中、横軸は周波数、縦軸はS21、K
をそれぞれ表している。なお、S21は増幅回路におけ
る信号の通過特性(利得)である。そして、曲線11
2、114は温度が−40℃の場合のS21、Kの変化
を示し、曲線116、118は温度が+120℃の場合
のS21、Kの変化を示している。図6から分かるよう
に、S21、Kともに、温度が−40℃から+120℃
へと変化することで大きく変化している(矢印D、
E)。このように従来のこの種の多段増幅回路では、温
度変化によりリターンロス周波数帯域、利得、ならびに
安定性はいずれも大きく変化してしまう。さらに、この
ような多段増幅器では、利得変化に加えて、温度変化に
よりFETの入出力インピーダンスが変化することか
ら、各段間の整合性が大きくずれてしまい、十分な性能
を得ることが非常に困難になっている。
S21とKをシミュレーションにより求めた結果を示す
グラフである。図中、横軸は周波数、縦軸はS21、K
をそれぞれ表している。なお、S21は増幅回路におけ
る信号の通過特性(利得)である。そして、曲線11
2、114は温度が−40℃の場合のS21、Kの変化
を示し、曲線116、118は温度が+120℃の場合
のS21、Kの変化を示している。図6から分かるよう
に、S21、Kともに、温度が−40℃から+120℃
へと変化することで大きく変化している(矢印D、
E)。このように従来のこの種の多段増幅回路では、温
度変化によりリターンロス周波数帯域、利得、ならびに
安定性はいずれも大きく変化してしまう。さらに、この
ような多段増幅器では、利得変化に加えて、温度変化に
よりFETの入出力インピーダンスが変化することか
ら、各段間の整合性が大きくずれてしまい、十分な性能
を得ることが非常に困難になっている。
【0007】これらの問題に対処すべく温度補償を行っ
た回路が考案されている。図7は従来の温度補償を行っ
たマイクロ波・ミリ波対の増幅回路の一例を示すブロッ
ク図である。この増幅回路は、MMICチップ120を
含み、さらに外部回路として減衰器122、温度センサ
ー124、ならびに制御回路126を備え、入力端子1
28からの信号はMMICチップ120により増幅さ
れ、増幅後の信号は減衰器122を介して出力端子13
0から出力される構成となっている。そして、周囲温度
に変化が生じた場合、温度センサ124がその温度変化
を検出し、制御回路126は、温度変化の検出結果にも
とづいて、温度変化に伴うMMICチップ120におけ
る利得変化を補償すべく減衰器122の減衰率を制御す
る。その結果、この増幅回路では、周囲温度が変化して
も全体としての利得を一定に保つことができる。
た回路が考案されている。図7は従来の温度補償を行っ
たマイクロ波・ミリ波対の増幅回路の一例を示すブロッ
ク図である。この増幅回路は、MMICチップ120を
含み、さらに外部回路として減衰器122、温度センサ
ー124、ならびに制御回路126を備え、入力端子1
28からの信号はMMICチップ120により増幅さ
れ、増幅後の信号は減衰器122を介して出力端子13
0から出力される構成となっている。そして、周囲温度
に変化が生じた場合、温度センサ124がその温度変化
を検出し、制御回路126は、温度変化の検出結果にも
とづいて、温度変化に伴うMMICチップ120におけ
る利得変化を補償すべく減衰器122の減衰率を制御す
る。その結果、この増幅回路では、周囲温度が変化して
も全体としての利得を一定に保つことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような構
成の従来の増幅回路では、MMICの他に外部回路とし
て減衰器122、温度センサー124、ならびに制御回
路126を設ける必要があり、回路構成が複雑で、コス
ト高になるとともに小型化の点で不利であるという欠点
がある。本発明はこれらの問題を解決するためになされ
たもので、その目的は、簡単な構成で温度変化に対して
安定な特性が得られるマイクロ波・ミリ波集積回路を提
供することにある。
成の従来の増幅回路では、MMICの他に外部回路とし
て減衰器122、温度センサー124、ならびに制御回
路126を設ける必要があり、回路構成が複雑で、コス
ト高になるとともに小型化の点で不利であるという欠点
がある。本発明はこれらの問題を解決するためになされ
たもので、その目的は、簡単な構成で温度変化に対して
安定な特性が得られるマイクロ波・ミリ波集積回路を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、能動素子としてGaAsによるFETを含
むマイクロ波・ミリ波帯で使用される集積回路であっ
て、前記FETが形成された半導体基板上に、温度上昇
とともに抵抗値が増大する抵抗体が前記FETに近接し
て配置され、前記FETが動作している間、半導体基板
上に形成された第1および第2の端子を通じて前記抵抗
体にほぼ一定の電圧が印加されることを特徴とする。
成するため、能動素子としてGaAsによるFETを含
むマイクロ波・ミリ波帯で使用される集積回路であっ
て、前記FETが形成された半導体基板上に、温度上昇
とともに抵抗値が増大する抵抗体が前記FETに近接し
て配置され、前記FETが動作している間、半導体基板
上に形成された第1および第2の端子を通じて前記抵抗
体にほぼ一定の電圧が印加されることを特徴とする。
【0010】本発明のマイクロ波・ミリ波集積回路で
は、周囲温度が低くなると、抵抗体の抵抗値は小さくな
り、したがって抵抗体には大きな電流が流れて抵抗体の
発熱量が増大する。一方、周囲温度が高くなると、抵抗
体の抵抗値が大きくなり、したがって抵抗体には小さな
電流しか流れず、抵抗体の発熱量は減少する。よって、
半導体基板の温度は抵抗体を設けない場合に比べ高くな
るものの、抵抗体の発熱量が周囲温度の変化に応じて上
述のように変化する結果、基板温度の変化は小さくな
り、集積回路の特性が安定化される。そして、基本的に
抵抗体を設けるのみで済むため、きわめて低コストであ
り、集積回路が大型化することもない。
は、周囲温度が低くなると、抵抗体の抵抗値は小さくな
り、したがって抵抗体には大きな電流が流れて抵抗体の
発熱量が増大する。一方、周囲温度が高くなると、抵抗
体の抵抗値が大きくなり、したがって抵抗体には小さな
電流しか流れず、抵抗体の発熱量は減少する。よって、
半導体基板の温度は抵抗体を設けない場合に比べ高くな
るものの、抵抗体の発熱量が周囲温度の変化に応じて上
述のように変化する結果、基板温度の変化は小さくな
り、集積回路の特性が安定化される。そして、基本的に
抵抗体を設けるのみで済むため、きわめて低コストであ
り、集積回路が大型化することもない。
【0011】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態例につい
て図面を参照して説明する。図1は本発明によるマイク
ロ波・ミリ波集積回路の一例を示す平面図である。図1
に示した実施の形態例のマイクロ波・ミリ波集積回路2
は、まず基本構成要素として、半導体基板4上に形成さ
れたGaAsによるFET6を含み、FET6はたとえ
ばW帯の増幅回路を構成し、電源端子8から電源が供給
されるとともに、入出力端子10を通じてFET6に対
する信号の入出力が行われる構成となっている。
て図面を参照して説明する。図1は本発明によるマイク
ロ波・ミリ波集積回路の一例を示す平面図である。図1
に示した実施の形態例のマイクロ波・ミリ波集積回路2
は、まず基本構成要素として、半導体基板4上に形成さ
れたGaAsによるFET6を含み、FET6はたとえ
ばW帯の増幅回路を構成し、電源端子8から電源が供給
されるとともに、入出力端子10を通じてFET6に対
する信号の入出力が行われる構成となっている。
【0012】そして、本実施の形態例では、FET6が
形成された半導体基板4上に、温度上昇とともに抵抗値
が増大する抵抗体12がFET6に近接して配置され、
この抵抗体12には、FET6が動作している間、半導
体基板4上に形成された第1および第2の端子14、1
6を通じてほぼ一定の電圧が印加される。抵抗体12
は、本実施の形態例では、メタル系の材料から成り、半
導体基板4上にほぼ直線状に延設され、その寸法は一例
として幅が約20μm、長さが約1000μmであり、
熱抵抗値は10KΩ/W前後であるとする。なお、これ
らの材料の種類および数値は一例であり、本発明はこれ
に限定されるものではない。また、上記一定の電圧は本
実施の形態例では約10Vであるとする。
形成された半導体基板4上に、温度上昇とともに抵抗値
が増大する抵抗体12がFET6に近接して配置され、
この抵抗体12には、FET6が動作している間、半導
体基板4上に形成された第1および第2の端子14、1
6を通じてほぼ一定の電圧が印加される。抵抗体12
は、本実施の形態例では、メタル系の材料から成り、半
導体基板4上にほぼ直線状に延設され、その寸法は一例
として幅が約20μm、長さが約1000μmであり、
熱抵抗値は10KΩ/W前後であるとする。なお、これ
らの材料の種類および数値は一例であり、本発明はこれ
に限定されるものではない。また、上記一定の電圧は本
実施の形態例では約10Vであるとする。
【0013】次に、このように構成されたマイクロ波・
ミリ波集積回路2の動作について説明する。抵抗体12
が上述のような仕様であることから、その抵抗値は約5
0Ωとなり、上述のように約10Vの電圧を印加する
と、その発熱により、周囲温度が+20℃の場合、マイ
クロ波・ミリ波集積回路2の温度は50℃程度となる。
このような状態で、周囲温度が低くなったとすると、抵
抗体12の抵抗値は小さくなり、したがって抵抗体12
には大きな電流が流れて抵抗体12の発熱量は増大す
る。そのため周囲温度の低下にともなう半導体基板4の
温度の低下が抵抗体12の発熱量の増大により補われ
る。
ミリ波集積回路2の動作について説明する。抵抗体12
が上述のような仕様であることから、その抵抗値は約5
0Ωとなり、上述のように約10Vの電圧を印加する
と、その発熱により、周囲温度が+20℃の場合、マイ
クロ波・ミリ波集積回路2の温度は50℃程度となる。
このような状態で、周囲温度が低くなったとすると、抵
抗体12の抵抗値は小さくなり、したがって抵抗体12
には大きな電流が流れて抵抗体12の発熱量は増大す
る。そのため周囲温度の低下にともなう半導体基板4の
温度の低下が抵抗体12の発熱量の増大により補われ
る。
【0014】一方、周囲温度が高くなると、抵抗体12
の抵抗値が大きくなり、したがって抵抗体12には小さ
な電流しか流れず、抵抗体12の発熱量は減少する。そ
のため周囲温度の上昇にともなう半導体基板4の温度の
上昇が抵抗体12の発熱量の減少により緩和される。
の抵抗値が大きくなり、したがって抵抗体12には小さ
な電流しか流れず、抵抗体12の発熱量は減少する。そ
のため周囲温度の上昇にともなう半導体基板4の温度の
上昇が抵抗体12の発熱量の減少により緩和される。
【0015】よって、半導体基板4の温度は、抵抗体1
2を設けない場合に比べ高くなるものの、抵抗体12の
発熱量が周囲温度の変化に応じて上述のように変化する
結果、基板温度の変化が小さくなりなり、集積回路の特
性が安定化される。そして、マイクロ波・ミリ波集積回
路2は、基本的に抵抗体12を追加するのみで構成で
き、きわめて低コストであり、かつ集積回路が大型化す
ることもない。また、抵抗体12を上述のような仕様と
した場合、周囲温度が−40℃から+120℃の範囲で
変化したとき、マイクロ波・ミリ波集積回路2の温度変
化は+40℃から+130℃の範囲になると推定でき、
したがって、マイクロ波・ミリ波集積回路2の設計に当
たっては、周囲温度が−40℃から+120℃の範囲で
変化する場合でも、+40℃から+130℃という狭い
範囲の温度変化を想定すればよく、設計が容易となる。
2を設けない場合に比べ高くなるものの、抵抗体12の
発熱量が周囲温度の変化に応じて上述のように変化する
結果、基板温度の変化が小さくなりなり、集積回路の特
性が安定化される。そして、マイクロ波・ミリ波集積回
路2は、基本的に抵抗体12を追加するのみで構成で
き、きわめて低コストであり、かつ集積回路が大型化す
ることもない。また、抵抗体12を上述のような仕様と
した場合、周囲温度が−40℃から+120℃の範囲で
変化したとき、マイクロ波・ミリ波集積回路2の温度変
化は+40℃から+130℃の範囲になると推定でき、
したがって、マイクロ波・ミリ波集積回路2の設計に当
たっては、周囲温度が−40℃から+120℃の範囲で
変化する場合でも、+40℃から+130℃という狭い
範囲の温度変化を想定すればよく、設計が容易となる。
【0016】図2は、本発明にもとづく設計のW帯3段
増幅回路のS11とS22をシミュレーションにより求
めた結果を示すグラフである。図中、横軸は周波数、縦
軸はS11、S22をそれぞれ表している。そして、曲
線18、20はそれぞれ−40℃の場合のS11、S2
2の変化を示し、曲線22、24はそれぞれ+120℃
の場合のS11、S22の変化を示している。図5と比
較して分かるように、S11、S22ともに温度変化に
よる変化が小さくなっている(矢印B、C)。
増幅回路のS11とS22をシミュレーションにより求
めた結果を示すグラフである。図中、横軸は周波数、縦
軸はS11、S22をそれぞれ表している。そして、曲
線18、20はそれぞれ−40℃の場合のS11、S2
2の変化を示し、曲線22、24はそれぞれ+120℃
の場合のS11、S22の変化を示している。図5と比
較して分かるように、S11、S22ともに温度変化に
よる変化が小さくなっている(矢印B、C)。
【0017】また、図3は、本発明にもとづくW帯3段
増幅回路のS21とKをシミュレーションにより求めた
結果を示すグラフである。図中、横軸は周波数、縦軸は
S21、Kをそれぞれ表している。そして、曲線26、
28は温度が−40℃の場合のS21、Kの変化を示
し、曲線30、32は温度が+120℃の場合のS2
1、Kの変化を示している。図6と比較して分かるよう
に、S21、Kともに温度変化による変化が小さくなっ
ている(矢印D、E)。このように、本発明では、周囲
温度が変化してもリターンロス周波数帯域のズレは非常
に小さく、また利得変化も減少する。
増幅回路のS21とKをシミュレーションにより求めた
結果を示すグラフである。図中、横軸は周波数、縦軸は
S21、Kをそれぞれ表している。そして、曲線26、
28は温度が−40℃の場合のS21、Kの変化を示
し、曲線30、32は温度が+120℃の場合のS2
1、Kの変化を示している。図6と比較して分かるよう
に、S21、Kともに温度変化による変化が小さくなっ
ている(矢印D、E)。このように、本発明では、周囲
温度が変化してもリターンロス周波数帯域のズレは非常
に小さく、また利得変化も減少する。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように本発明のマイクロ波
・ミリ波集積回路では、周囲温度が低くなると、抵抗体
の抵抗値は小さくなり、したがって抵抗体には大きな電
流が流れて抵抗体の発熱量が増大する。一方、周囲温度
が高くなると、抵抗体の抵抗値が大きくなり、したがっ
て抵抗体には小さな電流しか流れず、抵抗体の発熱量は
減少する。よって、半導体基板の温度は抵抗体を設けな
い場合に比べ高くなるものの、抵抗体の発熱量が周囲温
度の変化に応じて上述のように変化する結果、基板温度
の変化は小さくなり、集積回路の特性が安定化される。
そして、基本的に抵抗体を設けるのみで済むため、きわ
めて低コストであり、集積回路が大型化することもな
い。
・ミリ波集積回路では、周囲温度が低くなると、抵抗体
の抵抗値は小さくなり、したがって抵抗体には大きな電
流が流れて抵抗体の発熱量が増大する。一方、周囲温度
が高くなると、抵抗体の抵抗値が大きくなり、したがっ
て抵抗体には小さな電流しか流れず、抵抗体の発熱量は
減少する。よって、半導体基板の温度は抵抗体を設けな
い場合に比べ高くなるものの、抵抗体の発熱量が周囲温
度の変化に応じて上述のように変化する結果、基板温度
の変化は小さくなり、集積回路の特性が安定化される。
そして、基本的に抵抗体を設けるのみで済むため、きわ
めて低コストであり、集積回路が大型化することもな
い。
【図1】本発明によるマイクロ波・ミリ波集積回路の一
例を示す平面図である。
例を示す平面図である。
【図2】本発明にもとづくW帯3段増幅回路のS11と
S22をシミュレーションにより求めた結果を示すグラ
フである。
S22をシミュレーションにより求めた結果を示すグラ
フである。
【図3】本発明にもとづくW帯3段増幅回路のS21と
Kをシミュレーションにより求めた結果を示すグラフで
ある。
Kをシミュレーションにより求めた結果を示すグラフで
ある。
【図4】従来のマイクロ波・ミリ波集積回路における利
得の温度変化を示すグラフである。
得の温度変化を示すグラフである。
【図5】従来のW帯3段増幅回路のS11とS22をシ
ミュレーションにより求めた結果を示すグラフである。
ミュレーションにより求めた結果を示すグラフである。
【図6】従来のW帯3段増幅回路のS21とKをシミュ
レーションにより求めた結果を示すグラフである。
レーションにより求めた結果を示すグラフである。
【図7】従来の温度補償を行ったマイクロ波・ミリ波対
の増幅回路の一例を示すブロック図である。
の増幅回路の一例を示すブロック図である。
2……マイクロ波・ミリ波集積回路、4……半導体基
板、6……FET、8……電源端子、10……入出力端
子、12……抵抗体、14……第1の端子、16……第
2の端子、120……MMICチップ、122……減衰
器、124……温度センサー、126……制御回路、1
28……入力端子、130……出力端子。
板、6……FET、8……電源端子、10……入出力端
子、12……抵抗体、14……第1の端子、16……第
2の端子、120……MMICチップ、122……減衰
器、124……温度センサー、126……制御回路、1
28……入力端子、130……出力端子。
Claims (7)
- 【請求項1】 能動素子としてGaAsによるFETを
含むマイクロ波・ミリ波帯で使用される集積回路であっ
て、 前記FETが形成された半導体基板上に、温度上昇とと
もに抵抗値が増大する抵抗体が前記FETに近接して配
置され、前記FETが動作している間、半導体基板上に
形成された第1および第2の端子を通じて前記抵抗体に
ほぼ一定の電圧が印加されることを特徴とするマイクロ
波・ミリ波集積回路。 - 【請求項2】 前記抵抗体は半導体基板上にほぼ直線状
に延設されていることを特徴とする請求項1記載のマイ
クロ波・ミリ波集積回路。 - 【請求項3】 前記抵抗体は幅が約20μm、長さが約
1000μmであることを特徴とする請求項2記載のマ
イクロ波・ミリ波集積回路。 - 【請求項4】 前記一定の電圧は約10Vであることを
特徴とする請求項1記載のマイクロ波・ミリ波集積回
路。 - 【請求項5】 前記FETが増幅回路を構成しているこ
とを特徴とする請求項1記載のマイクロ波・ミリ波集積
回路。 - 【請求項6】 複数の前記FETを備え、同複数のFE
Tは多段増幅回路を構成していることを特徴とする請求
項5記載のマイクロ波・ミリ波集積回路。 - 【請求項7】 前記FETは−40℃から+120℃の
範囲で周囲温度が変化する環境で動作することを特徴と
する請求項1記載のマイクロ波・ミリ波集積回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000168380A JP2001351928A (ja) | 2000-06-06 | 2000-06-06 | マイクロ波・ミリ波集積回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000168380A JP2001351928A (ja) | 2000-06-06 | 2000-06-06 | マイクロ波・ミリ波集積回路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001351928A true JP2001351928A (ja) | 2001-12-21 |
Family
ID=18671392
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000168380A Pending JP2001351928A (ja) | 2000-06-06 | 2000-06-06 | マイクロ波・ミリ波集積回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001351928A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010041159A (ja) * | 2008-08-01 | 2010-02-18 | Sumitomo Electric Device Innovations Inc | 半導体装置 |
JP2011139244A (ja) * | 2009-12-28 | 2011-07-14 | Kyocera Corp | 高周波モジュール |
-
2000
- 2000-06-06 JP JP2000168380A patent/JP2001351928A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010041159A (ja) * | 2008-08-01 | 2010-02-18 | Sumitomo Electric Device Innovations Inc | 半導体装置 |
JP2011139244A (ja) * | 2009-12-28 | 2011-07-14 | Kyocera Corp | 高周波モジュール |
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