JP2001351261A - 光学ピックアップヘッド装置 - Google Patents

光学ピックアップヘッド装置

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JP2001351261A
JP2001351261A JP2000171501A JP2000171501A JP2001351261A JP 2001351261 A JP2001351261 A JP 2001351261A JP 2000171501 A JP2000171501 A JP 2000171501A JP 2000171501 A JP2000171501 A JP 2000171501A JP 2001351261 A JP2001351261 A JP 2001351261A
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Japan
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objective lens
mirror
optical
actuator
tracking
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JP2000171501A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Fujio
一幸 藤尾
Masahiko Ujiie
雅彦 氏家
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Pulstec Industrial Co Ltd
Original Assignee
Pulstec Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学ピックアップヘッドにおいて、光学式記
録媒体の記録トラックの偏芯に伴うトラッキング制御を
高精度かつ安定して行う。 【解決手段】 対物レンズ36は、レーザダイオード3
1から放射された光束を光ディスクDKに結像する。光
ディスクDKから反射された光束は、4分割フォトダイ
オード40に集光されてトラッキングエラーが検出され
る。トラッキングアクチュエータ46は、トラッキング
エラーに応じて対物レンズ36を駆動制御して同レンズ
36による光スポットを光ディスクDK上の所望位置に
制御する。この対物レンズ36の移動は対物レンズ位置
検出器47により検出され、同検出結果に応じてミラー
アクチュエータ43が駆動制御されて、立ち上げミラー
35が、同ミラー35から対物レンズ36に入射する入
射光束の光軸と対物レンズ36の光軸が常に一致するよ
うに制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク、光磁
気ディスクなどの光学式記録媒体(以下、単に光ディス
クという)に信号を記録し、又は同光ディスクに記録さ
れた信号を再生若しくは消去する光学ピックアップヘッ
ド装置に関する。
【0002】
【技術的背景】この種の光学ピックアップヘッド10
は、例えば図11(A)の正面図及び図11(B)の平面図
に示すように、光ディスクDKを回転させておくととも
に、モータ、減速機構などからなる図示しない送り機構
によって光学ピックアップヘッド10を光ディスクDK
の半径方向(光ディスクDKの記録トラックと直角方
向)に移動させ、レーザダイオード11からの光束を対
物レンズ16に導き、対物レンズ16により光スポット
を光ディスクDKの所望の記録トラック上に結像するこ
とにより信号を記録し若しくは同記録トラックに記録さ
れた信号を消去し、又は記録トラックからの反射光によ
り同記録トラックに記録された信号を再生するするもの
である。
【0003】しかし、光ディスクDKには、一般的に、
光ディスクDK上に形成された記録トラックの中心と、
光ディスクDKを回転させる中心孔との間にはずれが存
在し、このずれは、光ディスクDKを回転した場合にお
ける記録トラックの偏芯として現れる。また、薄い円盤
状に形成される光ディスクDKには、一般に反りが存在
し、回転によって光ディスクDKの厚み方向に面振れが
発生する。これは、対物レンズ16(同対物レンズ16
により結像される光スポット)と光ディスクDKとの距
離が変動し、光ディスクDK上の結像状態が変化するこ
とを意味する。したがって、所望の記録トラックに信号
を記録し、又は同記録トラックに記録された信号を再生
又は消去するためには、光ディスクDK上に結像される
光スポットが常に所望の記録トラック上に位置するよう
に制御し、かつ光ディスクDK上の光スポットの結像状
態を所望の状態に保つように制御する必要がある。
【0004】一般的に、光学ピックアップヘッド10
は、これらの点を考慮して構成されており、レーザダイ
オード11から放射された発散光束L1はコリメートレ
ンズ12によりコリメート光束L2に変換されて、偏光
ビームスプリッタ13、1/4波長板14及び立ち上げ
ミラー15を介して対物レンズ16に入射され、対物レ
ンズ16が光ディスクDK上に光スポットを結像する。
一方、光ディスクDKから反射された光束は、対物レン
ズ16、立ち上げミラー15、1/4波長板14、偏光
ビームスプリッタ13、凸レンズ17、偏向ミラー1
8、シリンドリカルレンズ19を介して4分割フォトダ
イオード20に集光される。
【0005】シリンドリカルレンズ19は、凸レンズ1
7との組み合わせで対物レンズ16の光軸方向の合焦状
態を検出するフォーカスエラー検出光学系を構成するも
ので、前記偏向された収束光束に非点較差(非点収差)
を与える。4分割フォトダイオード20は、前記フォー
カスエラー検出光学系のほぼ最小錯乱円位置に配置され
ていて、フォーカスエラーを検出する。そして、対物レ
ンズ16をその光軸方向に移動可能なフォーカスアクチ
ュエータ(図示しない)を設け、前記検出されたフォー
カスエラーに応じてフォーカスアクチュエータを駆動制
御して、対物レンズ16の光軸方向位置を調整する。こ
れにより、光ディスクDKの厚み方向に面振れが発生し
ても、対物レンズ16と光ディスクDKとの距離を常に
一定に保つようにして、光ディスクDK上の結像状態が
常に一定に保たれるようにしている。
【0006】また、光ディスクDK上に記録された情報
が、4分割フォトダイオード20を構成する個々のフォ
トダイオード上に光学的に投影されることによって得ら
れる投影光量の位相差を検出することにより、光ディス
クDK上の読み取り光スポットと記録トラックとの光デ
ィスクDKの半径方向の相対位置関係を表すトラッキン
グエラーを検出するとともに、対物レンズ16を光ディ
スクDKの半径方向に移動させるトラッキングアクチュ
エータ(図示しない)を設け、前記検出されたトラッキ
ングエラーに応じてトラッキングアクチュエータを駆動
制御して、対物レンズ16の光ディスクDKの半径方向
位置を調整する。これにより、光ディスクDK上に結像
される光スポットが常に所望の記録トラック上に位置す
るように制御される。
【0007】しかし、光スポットを生成するための光源
は、レーザダイオード11などのレーザ光源で構成され
ており、このレーザダイオード11から放射される発散
光束L1の強度分布は、放射角度に対するガウス分布で
近似される。そして、レーザダイオード11から放射さ
れる発散光束L1をコリメート光束L2に変換するコリ
メートレンズ12を通過後のコリメート光束L2、すな
わち対物レンズ16に入射する光束の強度分布L2pは、
光軸からの距離に対するガウス分布の一部で近似され
る。また、光学ピックアップヘッド10の性能を維持す
るために、入射光束の光軸と、対物レンズ16の光軸と
はこれらが一致するように製造される。したがって、対
物レンズ16に入射する光束の強度分布L2pは、図12
(A)に示すように、対物レンズ16の入射瞳内で一様で
はなく、対物レンズの光軸上が最も強度が高く、周辺に
向かって減少するようになっている。
【0008】このような状況下で、図12(B)(C)に示
すように、光ディスクDKの記録トラックに偏芯±δが
存在すると、対物レンズ16は、所望の記録トラックの
偏芯±δにほぼ追従するように制御されるため、入射光
束の光軸と対物レンズ16の光軸が記録トラックのほぼ
偏芯分±δだけずれる状態が発生する。このことは、対
物レンズ16の入射瞳に対する入射光束の強度分布L2p
が変化することを意味する。このため、この状態では、
光ディスクDK上に形成される光スポットの照度の低下
を招き、情報の記録・消去及び再生性能の劣化を引き起
こす。
【0009】また、光ディスクDKにより反射された反
射光束L3は、対物レンズ16の移動に伴って空間的な
移動を起こし、これが原因して、前記トラッキングエラ
ー検出におけるトラッキングエラー信号にオフセットが
発生し、 トラッキング制御性能の劣化をも引き起こ
す。
【0010】
【従来の技術及びその欠点】このような記録、消去及び
再生性能の劣化、並びにトラッキング制御性能の劣化を
防止するために、従来から、次のようなことが行われて
きている。
【0011】第1の方法は、前記図11(A)(B)に示す
ように、レーザダイオード11、コリメートレンズ1
2、偏光ビームスプリッタ13、1/4波長板14、立
ち上げミラー15、対物レンズ16、凸レンズ17、偏
向ミラー18、シリンドリカルレンズ19及び4分割フ
ォトダイオード20からなる光学系を筐体(図示しな
い)内に収容して可動部分とし、前記筐体全体をアクチ
ュエータ(図示しない)により前記検出されたトラッキ
ングエラーに応じて光ディスクDKの半径方向に移動さ
せる(例えば、特開昭54−109801号公報及び特
開昭59−144055号公報参照)。これによれば、
対物レンズ16が光ディスクDKの記録トラックの偏芯
に追従して同記録トラックと直交する方向に移動する際
に、対物レンズ16に入射する入射光束の光軸と対物レ
ンズ16の光軸が共に一体的に変化して常に一致するの
で、上記光スポットの照度の低下による情報の記録・消
去及び再生性能の劣化が防止されるとともに、トラッキ
ングエラーのオフセットによるトラッキング制御性能の
劣化も防止される。
【0012】しかし、前記第1の方法では、前記可動部
分全体を収容する筐体が大型化するとともにその質量も
増大し、光ディスクDKの記録トラックの偏芯に対物レ
ンズ16を追従させて筐体全体を移動させるのに必要な
剛性を、筐体及び同筐体に収容された可動部分に付与す
ることは技術的に難しい。また、前記剛性を確保しよう
とすると、筐体を含む光学ピックアップヘッド10全体
の質量がさらに増加する。さらに、光ディスクDKに対
する大量の情報の記録及び再生を実現するためには、同
記録及び再生の速度に高速性が求められ、これを実現す
るために光ディスクDKを高速で回転させる必要があ
る。しかし、光ディスクDKを高速で回転させると、記
録トラックの偏芯に伴うトラッキングエラー信号の周波
数が高くなり、前記筐体を高速で記録トラックの偏芯に
追従させることが必要となるが、前述のような筐体の大
型化かつ大質量化も起因して、前記筐体の追従が難しく
なる。このような理由により、高剛性で高い周波数まで
不要な振れや撓みに起因する共振がなく、かつ大きな駆
動力を持つアクチュエータが必要になり、同アクチュエ
ータが大型化したり、同アクチュエータの価格が高くな
るという問題があった。
【0013】第2の方法は、前記第1の方法を解決する
ためになされもので、図13(A)(B)に示すように、光
学ピックアップヘッド10を構成する全光学系のうちの
立ち上げミラー15及び対物レンズ16を可動光学系1
0Aとして、他のレーザダイオード11、コリメートレ
ンズ12、偏光ビームスプリッタ13、1/4波長板1
4、凸レンズ17、偏向ミラー18、シリンドリカルレ
ンズ19及び4分割フォトダイオード20からなる固定
光学系10Bから分離して、可動光学系10Aのみをモ
ータ、減速機構などからなる図示しない送り機構によっ
て光ディスクDKの半径方向(光ディスクDKの記録ト
ラックと直角方向)に移動させるものである(例えば、
特開昭55−108942号公報)。そして、この場合
には、立ち上げミラー15及び対物レンズ16を筐体2
1に収容して、筐体21をアクチュエータ(図示しな
い)により前記検出されたトラッキングエラーに応じて
光ディスクDKの半径方向に移動させる。
【0014】このような分離型の光学ピックアップヘッ
ド10では、可動部分を構成する要素が比較的少なく、
可動光学系10Aを小型化することが可能であるため、
筐体21などの構造的な剛性の向上と可動部分の質量を
減少させることが容易で、前記第1の方法による問題を
解決することができる。
【0015】しかしながら、この第2の方法では、可動
光学系10Aを固定光学系10Bから分離したために、
固定光学系10Bから放射される光軸と、可動光学系1
0Aの移動軸とを一致させることが製作上難しく、これ
らを所望の許容範囲に収めるためには複雑な調整機構
と、多大な調整時間を要し、装置の複雑化と高価格化に
繋がり、更には環境的、経時的な前記光軸のずれに起因
する性能劣化をもたらす危険性もあった。
【0016】さらに、第3の方法は、前記第1及び第2
の方法による問題を解決するためになされたもので、光
学ピックアップヘッド10全体は、前記第1の方法のよ
うに送り機構により、光ディスクDKの半径方向(光デ
ィスクDKの記録トラックと直角方向)に移動される。
ただし、図14に示すように、立ち上げミラー15及び
対物レンズ16を支持体22に組み付け、高精度に追従
させるために、支持体22をトラッキングアクチュエー
タ23により前記検出されたトラッキングエラーに応じ
て光ディスクDKの半径方向に移動させるとともに、対
物レンズ16を支持体22に組み付けたフォーカスアク
チュエータ24により前記検出されたフォーカスエラー
に応じて光軸方向に移動させるものである(例えば、特
開昭57−36442号公報及び特開昭59−6594
4号公報)。
【0017】これによっても、光ディスクDKの半径方
向に関しては、立ち上げミラー15は常に対物レンズ1
6と一体的に移動する。また、対物レンズ16の光軸方
向に関しては、対物レンズ16は支持体22に―体的に
組み付けたフォーカスアクチュエータ24によって移動
される。したがって、対物レンズ16が移動してもその
入射瞳において入射光束の強度分布L2pが変化すること
はなく、前記第2の方法のような問題は生じない。ま
た、トラッキングアクチュエータ23によって駆動され
るのは、立ち上げミラー15、対物レンズ16及び支持
体22のみであるので、前記第1の方法のような問題も
生じない。
【0018】しかし、この方法では、本来、対物レンズ
16とこれを含む最小限の部品で構成され、高剛性で軽
量さを求められるトラッキングアクチュエータ23の可
動部分に、立ち上げミラー15や支持体22などの余分
な部品を付加せざるを得ないため、本来のトラッキング
アクチュエータ23の特性に犠牲を強いることになり、
高速な記録、再生を行うために必要なトラッキング制御
が困難になる。特に、高記録密度を有する光ディスクD
Kに対する高速の記録及び再生を実現するために、トラ
ッキングアクチュエータ23による良好な周波数伝達特
性を有する駆動制御は難しかった。
【0019】
【発明の概要】本発明は、上記問題に対処するためにな
されたもので、その目的は、複雑かつ大型化を伴うこと
なく、光学式記録媒体の記録トラックの偏芯に伴うトラ
ッキング制御を高精度かつ安定して行うことができる光
学ピックアップヘッド装置を提供することにある。
【0020】上記目的を達成するために、本発明の構成
上の特徴は、光源から放射される光束を立ち上げミラー
により反射させて対物レンズに導き、光学式記録媒体上
に光スポットを結像するとともに、同光スポットによる
反射光をトラッキングエラー検出器に入射させて、光学
式記録媒体の記録トラックと直交する方向における光ス
ポットと記録トラックとの位置関係を検出し、同検出結
果に応じて前記記録トラックと光スポットとの位置関係
を調整するようにした光学ピックアップヘッド装置にお
いて、前記対物レンズを前記立ち上げミラーとは独立し
て前記光学式記録媒体の記録トラックと直交する方向に
移動可能なトラッキングアクチュエータと、前記トラッ
キングアクチュエータによる前記対物レンズの基準位置
からの変位量を検出する対物レンズ位置検出器と、前記
立ち上げミラーを前記対物レンズとは独立して前記対物
レンズの光軸方向又は前記光源から立ち上げミラーへ入
射する光束の方向に移動可能なミラーアクチュエータと
を備えたことにある。
【0021】前記のように構成した本発明によれば、ト
ラッキングエラー検出器によって検出された光スポット
と記録トラックとの位置関係に応じてトラッキングアク
チュエータを駆動すれば、対物レンズが光学式記録媒体
の記録トラックと直交する方向に移動して、対物レンズ
により形成される光スポットを所望の位置に制御でき
る。一方、この対物レンズの基準位置からの変位量は対
物レンズ位置検出器により検出され、同検出された対物
レンズの変位量に応じてミラーアクチュエータを制御す
るようにすれば、立ち上げミラーを対物レンズの光軸方
向又は光源から立ち上げミラーへ入射する光束の方向に
前記対物レンズの変位量に対応させて移動させることが
できる。これにより、対物レンズの移動に追従して対物
レンズの入射瞳に対する入射光束も移動し、対物レンズ
の移動とは無関係に、立ち上げミラーから対物レンズに
入射する入射光束の光軸と対物レンズの光軸とを常に一
致させることができ、対物レンズの入射瞳に対する入射
光束の強度分布を常に一定に保つことができる。
【0022】その結果、本発明によれば、光ディスク上
に形成される光スポットは、簡単な構成で常に最良な状
態に保たれるとともに、光ディスクからの反射光による
トラッキング制御も良好になる。特に、本発明によれ
ば、前記のように対物レンズ及び立ち上げミラーを移動
する場合でも、トラッキングアクチュエータ及びミラー
アクチュエータは対物レンズ及び立ち上げミラーをそれ
ぞれ独立して駆動すればよく、これらの対物レンズ及び
立ち上げミラーの各質量及び各大きさは単体ではそれほ
ど大きくならない。したがって、対物レンズ及び立ち上
げミラーは、それほど大きなアクチュエータを用いなく
ても、高速かつ良好な周波数特性をもって駆動されるの
で、記録密度が高く、高速な記録及び再生が要求される
光学式記録媒体においても、簡単な構成で良好なトラッ
キング制御が可能となる。
【0023】また、他の構成上の特徴は、前記構成上の
特徴に、さらにミラーアクチュエータによる立ち上げミ
ラーの基準位置からの変位量を検出するミラー位置検出
器を設けたことにある。これによれば、前記ミラーアク
チュエータによる立ち上げミラーの移動制御の際に、フ
ィードバック制御などを利用することができ、立ち上げ
ミラーを簡単かつ高精度で移動制御することができ、立
ち上げミラーから対物レンズに入射する入射光束の光軸
と対物レンズの光軸とを良好に一致させることができ
る。
【0024】
【実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面を用い
て説明すると、図1(A)は同実施形態に係る光学ピック
アップヘッド30の概略正面図であり、図1(B)は同ヘ
ッド30の概略平面図である。
【0025】この光学ピックアップヘッド30は、可動
光学系を構成するレーザダイオード31、コリメートレ
ンズ32、偏光ビームスプリッタ33、1/4波長板3
4、立ち上げミラー35、対物レンズ36、凸レンズ3
7、偏向ミラー38、シリンドリカルレンズ39及び4
分割フォトダイオード40を収容した筐体41を備えて
いる。そして、筐体41全体が、スレッドモータ、減速
機構などからなる送り機構(図示しない)によって光デ
ィスクDKの半径方向(光ディスクDKの記録トラック
と直角方向)に移動されるようになっている。なお、光
ディスクDKは、スピンドルモータ42により回転駆動
されるようになっている。
【0026】レーザ・ダイオード31は、発散光束L1
を放射する光源である。コリメートレンズ32は、発散
光束L1をコリメート光束L2に変換する。偏光ビーム
スプリッタ33は、1/4波長板34と協働して光アイ
ソレータを構成するもので、コリメートレンズ32から
のコリメート光束L2と同一の偏波面を持つ直線偏光光
束を透過して1/4波長板34に入射させる。また、偏
向ビームスプリッタ33は、前記コリメート光束と直交
する偏波面を持つ1/4波長板34から入射した直線偏
光光束を反射して凸レンズ37に導く。1/4波長板3
4は、偏光ビームスプリッタ33を透過した直線偏光光
束を円偏光光束に変換して立ち上げミラー35に入射さ
せるとともに、立ち上げミラー35からの円偏光光束を
直線偏光光束に変換して偏向ビームスプリッタ33に入
射させる。
【0027】立ち上げミラー35は、45度の入射面を
もち、1/4波長板34からの円偏光光束の進行方向を
90度偏向するとともに、対物レンズ36からの円偏光
光束の進行方向も90度偏向する。対物レンズ36は、
立ち上げミラー35によって偏向された円偏光光束を入
射して、光ディスクDK上に光スポットを結像するとと
もに、光ディスクDKからの反射光束を円偏光光束にし
て立ち上げミラー35に入射させる。
【0028】凸レンズ37は、偏光ビームスプリッタ3
3で反射された直線偏光光束を集光するためのものであ
る。偏向ミラー38は、凸レンズ37で変換された収束
光束を偏向する。シリンドリカルレンズ39は、凸レン
ズ37との組み合わせで対物レンズの光軸方向の合焦状
態を検出するフォーカスエラー検出光学系を構成するも
ので、偏向ミラー38によって偏向された収束光束に非
点較差(非点収差)を与える。4分割フォトダイオード
40は、フォーカスエラー検出光学系のほぼ最小錯乱円
位置に配置され、フォーカスエラー検出及びトラッキン
グエラー検出に共用される。したがって、4分割フォト
ダイオード40は、フォーカスエラー検出器及びトラッ
キングエラー検出器を構成する。
【0029】また、筐体41には、ミラーアクチュエー
タ43、ミラー位置検出器44、フォーカスアクチュエ
ータ45、トラッキングアクチュエータ46及び対物レ
ンズ位置検出器47も収容されている。
【0030】ミラーアクチュエータ43は、筐体41に
対して、立ち上げミラー35を対物レンズ36の光軸方
向(1/4波長板34からの円偏光光束の進行方向と直
角方向)に対物レンズ36とは独立して移動可能とす
る。ミラー位置検出器44は、ミラーアクチュエータ4
3による立ち上げミラー35の基準位置からの変位量
(筐体41に対する相対的な変位量)を検出して、同変
位量を表す信号を立ち上げミラー位置信号として出力す
る。
【0031】フォーカスアクチュエータ45は、筐体4
1に対して、対物レンズ36をその光軸方向に立ち上げ
ミラー35とは独立して移動可能とする。トラッキング
アクチュエータ46は、筐体41に対して、対物レンズ
36を光ディスクDKの半径方向に立ち上げミラー35
とは独立して移動可能とする。対物レンズ位置検出器4
7は、トラッキングアクチュエータ46による対物レン
ズ36の基準位置からの変位量(筐体41に対する相対
的な変位量)を検出して、同変位量を表す信号を対物レ
ンズ位置信号として出力する。
【0032】ここで、前記ミラーアクチュエータ43及
びミラー位置検出器44の具体的な組み付け例について
説明しておく。図2は、ミラーアクチュエータ43及び
ミラー位置検出器44を含み、立ち上げミラー35を移
動させるための立ち上げミラーアセンブリの斜視図であ
る。図3,4は、前記ミラーアセンブリの分解斜視図で
ある。
【0033】立ち上げミラーアセンブリは、前述した筐
体41内に固定された高透磁率材からなる平板状のベー
ス60を有する。ベース60の中央部上面には上下方向
に着磁された四角柱状のメインマグネット61が固定さ
れ、同マグネット61上には同一平面形状である四角柱
状の高透磁率材で構成したポールピース62が固着され
ている。メインマグネット61の左右両側には、ベース
60に一体形成されたヨーク部60a,60bが立設さ
れている。ヨーク部60a,60bのメインマグネット
61側の面には、厚み方向に着磁された方形状の一対の
サブマグネット63,64が固着されている。サブマグ
ネット63,64は、ヨーク部60a,60bとそれぞ
れ磁気的に結合しているとともに、メインマグネット6
1及びポールピース62の左右両側面にそれぞれ対向し
て、同メインマグネット61及びポールピース62との
間に磁気ギャップを形成している。そして、ベース6
0、メインマグネット61、ポールピース62、サブマ
グネット63,64及びヨーク部60a,60bにより
磁気回路が構成されている。
【0034】また、ベース60の上面には、正面側を開
口させてなる平断面コ字状のフレーム65が上方から組
み付けられて固着されている。なお、フレーム65に
は、外部回路との接続を可能とするための中継基板66
も組み付けられている。フレーム65内には平断面ロ字
状の中空のホルダ67が収容され、同ホルダ67は、ポ
ールピース62及びメインマグネット61の外周面に上
下方向に移動可能に組み付けられている。ホルダ67
は、上下四隅にて計8本の金属フイヤー68a〜68h
を介してフレーム65の上下四隅に弾性的に支持されて
おり、フレーム65に対して上下動可能になっている。
ホルダ67の上面には立ち上げミラー35が固着され、
ホルダ67の下面にはカウンタウェイト69が固着され
ている。ホルダ67の外周面にはコイル71が巻かれ、
ホルダ67の左右両側面に位置するコイル71はメイン
マグネット61及びポールピース62とサブマグネット
63,64とによって形成される磁気ギャップ内に位置
する。
【0035】これにより、コイル71に電流を流すこと
により、立ち上げミラー35、ホルダ67及びカウンタ
ウェイト69が電磁力によって上下動する。なお、この
場合、コイル71、メインマグネット61、サブマグネ
ット63,64などが、前記ミラーアクチュエータ43
を構成する。
【0036】また、ホルダ67の正面には、一対のミラ
ー72a,72bが上下に分離して固着されている。こ
れらのミラー72a,72bに対向するように、配線プ
レート73に固着されたフォトインタラプタ74が配置
されている。配線プレート73は、ベース60に固定さ
れた一対のピン75a,75bに固定されている。フォ
トインタラプタ74は、中央に置かれてミラー72a,
72bに対して発光する発光素子と、同発光素子に対し
て上下方向に対象な位置に配置されてミラー72a,7
2bによる反射光を受光して受光量に応じた光電流を出
力する一対のフォトトランジスタとからなる。
【0037】この場合、立上げミラー35(ホルダ6
7)が所定の原点位置にある状態で、ミラー72a,7
2bの中心にフォトインタラプタ74の中心を合わせる
とともに、前記一対のフォトトランジスタから出力され
る光電流を同じ量に調整しておく。そして、図示しない
電気回路によって前記一対のフォトトランジスタから出
力される各光電流の差を計算することにより、立上げミ
ラー35の位置を表す位置検出信号を得る。したがっ
て、ミラー72a,72b、フォトインタラプタ74な
どが、ミラー位置検出器44を構成する。
【0038】次に、前記フォーカスアクチュエータ4
5、トラッキングアクチュエータ46及び対物レンズ位
置検出器47の具体的な組み付け例について説明してお
く。図5は、フォーカスアクチュエータ45、トラッキ
ングアクチュエータ46及び対物レンズ位置検出器47
を含み、対物レンズ36を移動させるための対物レンズ
アセンブリの斜視図である。図6は前記対物レンズアセ
ンブリの分解斜視図であり、図7は一部を破断して示す
前記対物レンズアセンブリの一部破断斜視図である。
【0039】対物レンズセンブリは、前述した筐体41
内に固定された高透磁率材からなる平板状の第1ベース
77を有する。第1ベース77の上面には、左側を開口
させて平断面コ字状の非透磁率材(低透磁率材)からな
る第2ベース78が立設固定されている。第1ベース7
7の上面中央部には、同ベース77と一体的に構成され
た高透磁率材からなるポールピース部77aが形成され
ており、同ポールピース部77aの上面には非透磁率材
(低透磁率材)からなるシャフト79が立設固定されて
いる。なお、第2ベース78の四隅には、外部回路との
接続を可能とするための中継基板80もそれぞれ組み付
けられている。
【0040】第1ベース77上には、一対の扇形状のフ
ォーカスマグネット81,81がポールピース部77a
に対向してそれぞれ対称位置に固着され、それらの各上
面にはフォーカスマグネット81,81と同一平面形状
の高透磁率材で構成したヨーク82,82がそれぞれ磁
気的に結合されて固着されている。フォーカスマグネッ
ト81,81は、その厚み方向に着磁されており、フォ
ーカスマグネット81,81、ヨーク82,82、第1
べース77及びポールピース部77aによって放射状の
磁界を持つ磁気回路が形成される。
【0041】また、第2べース78には、その正面及び
裏面内側の上部にて、シャフト79を中心にして両側対
称位置に、高透磁率材からなる平断面円弧状の一対のト
ラッキングヨーク83,83がそれぞれ組み付け固着さ
れている。各トラッキングヨーク83,83の内側に
は、平断面円弧状の一対のトラッキングマグネット8
4,84がそれぞれ組み付け固着されている。トラッキ
ングマグネット84,84は、シャフト79の周方向に
沿って分極着磁されており、各トラッキングマグネット
84,84の内側面の一方の片側から出た磁束は同内側
面の他方の片側に戻る。
【0042】第1及び第2ベース77,78内には、対
物レンズ36を組み付けてなる方形状のホルダ85が収
容されている。ホルダ85の中央部には上下に貫通する
スリーブ86が固着されており、同スリーブ86をシャ
フト79の外周上に軸線方向及び周方向に変位可能に組
み付けることにより、ホルダ85は第1及び第2ベース
77,78に対して上下方向に変位可能かつ垂直軸線回
りに回転可能になっている。ホルダ85は、その四隅に
て4本のワイヤー87a〜87dを介して、第2ベース
78の四隅に弾性的に支持されている。
【0043】ホルダ85には、その下面にてフォーカス
コイル88が組み付けられているとともに、その正面及
び裏面にてトラッキングコイル89,89がそれぞれ組
み付けられている。なお、ホルダ85には、スリーブ7
9の中心軸に対するモーメントのバランスをとるために
カウンタウェイト90も組み付けられている。
【0044】フォーカスコイル88は、それらの軸線方
向をホルダ85の上下方向とするもので、ホルダ85を
第1及び第2ベース77,78に組み付けた状態で、フ
ォーカスマグネット81,81及びフォーカスヨーク8
2,82とポールピース部77aとの間に形成された磁
気ギャップ内に侵入する。これにより、フォーカスコイ
ル86に電流を流すことにより、対物レンズ36を含む
ホルダ85が電磁力によってシャフト79の軸線方向す
なわち上下方向に変位する。なお、この場合、フォーカ
スマグネット81、フォーカスコイル86などが、前記
フォーカスアクチュエータ45を構成する。
【0045】トラッキングコイル89,89は、それら
の軸線方向をホルダ85の正面から裏面に向かう方向と
するもので、ホルダ85を第1及び第2ベース77,7
8に組み付けた状態で各トラッキングマグネット84,
84に対向している。なお、各トラッキングコイル8
9,89は各トラッキングマグネット84,84に接近
しているため、 トラッキングコイル89,89に鎖交
する磁束は、トラッキングマグネット84,84のほぼ
法線方向に一致する。これにより、トラッキングコイル
89,89に電流を流すことにより、対物レンズ36を
含むホルダ85が電磁力によってシャフト79の軸線回
りに回転する。そして、このホルダ85の回転が、光デ
ィスクDKの記録トラックと直角な方向に対応する。な
お、この場合、トラッキングマグネット84,84、ト
ラッキングコイル89,89などが、前記トラッキング
アクチュエータ46を構成する。
【0046】ホルダ85のスリーブ86を中心に対物レ
ンズ36と反対側には、プリズム91が組み込まれてい
る。一方、第1ベース77の上面にはプリズム91の下
方位置にて発光素子92が固定されており、同発光素子
92はプリズム91の反射面に対向している。プリズム
91は、発光素子92から放射された光を対物レンズ3
6と反対方向に90度偏向して、その一部をホルダ85
に形成したアパーチャ85aを介してホルダ85外に導
く。第2ベース78の左側面には、前記アパーチャー8
5aを通過した光を受光する“田の字”の4分割フォト
ダイオード93が組み付けられている。
【0047】この場合、対物レンズ36(又はホルダ8
5)が所定の原点位置にある状態で、アパーチャ85a
を通過した光が4分割フォトダイオード93の分割線交
点に照射されるように調整する。そして、図示しない電
気回路により、4分割フォトダイオード93で発生する
光電流をシャフト79の軸線回りに沿った分割線に対し
て減算処理を行うことにより、ホルダ85の回動に伴う
対物レンズ36の位置変化を表す検出信号を得る。した
がって、プリズム91、発光素子92、4分割フォトダ
イオード93などが、前記対物レンズ位置検出器47を
構成する。
【0048】前記のように構成した光学ピックアップヘ
ッド30には、図1(B)に破線で示すように、電気制御
装置50が接続されている。電気制御装置50は、4分
割フォトダイオード40に接続されたフォーカスエラー
検出回路51及びトラッキングエラー検出回路52を有
する。フォーカスエラー検出回路51は、4分割フォト
ダイオード40と協働して、同4分割フォトダイオード
40を構成する各フォトダイオード上の各投影光量に応
じて対物レンズ36(同対物レンズ36により結像され
る光スポット)と光ディスクDKとの距離のずれ(フォ
ーカスエラー)を検出して、同フォーカスエラーを表す
フォーカスエラー信号を出力する。トラッキングエラー
検出回路52は、4分割フォトダイオード40を構成す
る個々のフォトダイオード上の投影光量の位相差を検出
することにより、光ディスクDK上の読み取り光スポッ
トと記録トラックとの光ディスクDKの半径方向の相対
位置関係(トラッキングエラー)を検出し、同トラッキ
ングエラーを表すトラッキングエラー信号を出力する。
【0049】これらのフォーカスエラー検出回路51及
びトラッキングエラー検出回路52は、制御回路53に
接続されている。制御回路53には、ミラー位置検出器
44及び対物レンズ位置検出器47も接続されており、
同制御回路53は前記各検出回路51,52及び各検出
器44,47からの各検出信号に応じて、ミラーアクチ
ュエータ43、フォーカスアクチュエータ45及びトラ
ッキングアクチュエータ46を駆動制御する。
【0050】また、この制御回路53は、筐体41全体
を光ディスクDKの半径方向に移動させるために、図示
しない送り機構内のスレッドモータの回転を制御する機
能に加えて、スピンドルモータ42を駆動制御する機
能、レーザダイオード31、フォトインタラプタ74の
発光素子及び発光素子92を点灯制御する機能、4分割
フォトダイオード40からの検出信号により光ディスク
DKに記録された情報を再生する機能も含む。なお、フ
ォーカスエラー検出回路51、トラッキングエラー検出
回路52及び制御回路53の一部の機能をマイクロコン
ピュータなどのプログラム制御により行うとよい。
【0051】次に、上記のように構成した実施形態の動
作を説明する。スピンドルモータ42を回転駆動して光
ディスクDKを回転させた状態で、レーザダイオード3
1から発散光束L1が放射されると、同発散光束L1は
コリメートレンズ32によりコリメート光束L2に変換
されて、偏光ビームスプリッタ33、1/4波長板34
及び立ち上げミラー35を介して対物レンズ36に入射
され、対物レンズ36が光ディスクDK上に光スポット
を結像する。一方、光ディスクDKから反射された光束
は、対物レンズ36、立ち上げミラー35、1/4波長
板34、偏光ビームスプリッタ33、凸レンズ37、偏
向ミラー38、シリンドリカルレンズ39を介して4分
割フォトダイオード40に集光される。
【0052】フォーカスエラー検出回路51は、4分割
フォトダイオード40と協働して、フォーカスエラーを
検出してフォーカスエラー信号を制御回路53に供給す
る。また、トラッキングエラー検出回路52は、4分割
フォトダイオード40と協働して、トラッキングエラー
を検出してトラッキングエラー信号を制御回路53に供
給する。制御回路53は、フォーカスエラー信号に基づ
いてフォーカスアクチュエータ45をフィードバック制
御することにより、対物レンズ36を筐体41に対して
光軸方向に移動させてフォーカスエラーをなくす。すな
わち、フォーカスコイル88に流れる電流を制御するこ
とにより、ホルダ85を図5〜7にて上下動させてフォ
ーカスエラーをなくす。
【0053】また、制御回路53は、トラッキングエラ
ー信号に基づいてトラッキングアクチュエータ46をフ
ィードバック制御することにより、対物レンズ36を筐
体41に対して光ディスクDKの半径方向に移動制御し
てトラッキングエラーをなくす。すなわち、トラッキン
グコイル89,89に流れる電流を制御することによ
り、ホルダ85を図5〜7にてシャフト79の軸線回り
に回転させてトラッキングエラーをなくす。その結果、
光ディスクDKと対物レンズ36による読み取り光スポ
ットの位置関係が所望の状態になるように制御される。
【0054】また、前記トラッキングアクチュエータ4
6による対物レンズ36の筐体41に対する光ディスク
DKの半径方向の変位量は、対物レンズ位置検出器47
により対物レンズ位置信号として検出されて制御回路5
3に入力される。制御回路53は、ミラー位置検出器4
4からミラー位置信号も入力しており、ミラーアクチュ
エータ43を前記ミラー位置信号を用いてフィードバッ
ク制御することにより、対物レンズ36の光ディスクD
Kの半径方向の変位量に対応した変位量だけ立ち上げミ
ラー35を対物レンズ36の光軸方向に変位させる。す
なわち、コイル71に流れる電流を制御することによ
り、ホルダ67を図2〜4にて上下動させて立ち上げミ
ラー35を対物レンズ36の光軸方向に変位させる。な
お、制御回路53は、前記対物レンズ位置検出信号によ
り、スレッドモータ(図示しない)の回転をも制御し
て、筐体41全体を光ディスクDKの半径方向に変位さ
せる。
【0055】このトラッキングアクチュエータ46によ
る対物レンズ36の移動とミラーアクチュエータ43に
よる立ち上げミラー35の移動について、図8を用いて
説明する。いま、対物レンズ36が筐体41に対して基
準位置にあるとき、図8(A)に示すように、立ち上げ
ミラー35から対物レンズ36に入射する入射光束の光
軸と対物レンズ36の光軸とが一致しているものとす
る。このときの対物レンズ36の入射瞳に対する入射光
束の強度分布をL2pで表す。
【0056】一方、光ディスクDKの回転中心と記録ト
ラック中心の不一致で引き起こされる偏芯が存在する場
合は、対物レンズ36は、前記トラッキング制御により
光スポットが所望の記録トラックを追跡するように動作
する。このため、 トラッキングアクチュエータ46
は、対物レンズ36をほぼ光ディスクDKの偏芯量に見
合う量±δだけ記録トラックの直角方向に振動的に移動
させることになる。この対物レンズ36の移動に応答し
て、制御回路53は、ミラーアクチュエータ43をミラ
ー位置検出器44からのミラー位置信号を用いてフィー
ドバック制御して、前記対物レンズ36の記録トラック
と直角方向の移動量に対応した量だけ、立ち上げミラー
35を対物レンズ36の光軸方向に移動制御する。
【0057】具体的には、対物レンズ36が、図8(B)
に示すように、図示左方向にδだけ移動したとき(図示
−δ)、立ち上げミラー35は図示上方にδだけ移動さ
れる。また、対物レンズ36が、図8(C)に示すよう
に、図示右方向にδだけ移動したとき(図示+δ)、立
ち上げミラー35は図示下方にδだけ移動される。これ
により、対物レンズ36の移動に追従して対物レンズ3
6の入射瞳に対する入射光束も移動して、対物レンズ3
6の移動とは無関係に、立ち上げミラー35から対物レ
ンズ36に入射する入射光束の光軸と対物レンズ36の
光軸とが常に一致するようになり、対物レンズ36の入
射瞳に対する入射光束の強度分布L2pも常に一定に保た
れる。
【0058】その結果、上記実施形態によれば、光ディ
スクDK上に形成される光スポットを常に最良な状態に
保つことができる。また、光ディスクDKによって反射
され、再び対物レンズ36に入射しコリメート光束に変
換された反射光束L3にも、対物レンズ36の移動に伴
う空間的な移動が発生しないため、トラッキングエラー
信号に不要なオフセットが生じなくなり、常に良好なト
ラッキング制御を実現できる。
【0059】また、前記のように対物レンズ36及び立
ち上げミラー35を移動する場合でも、トラッキングア
クチュエータ46及びミラーアクチュエータ44は対物
レンズ36及び立ち上げミラー35をそれぞれ独立して
駆動すればよく、これらの対物レンズ36及び立ち上げ
ミラー35の各質量及び各大きさは単体ではそれほど大
きくならない。したがって、対物レンズ36及び立ち上
げミラー35は、それほど大きなアクチュエータを用い
なくても、高速かつ良好な周波数特性をもって駆動され
るので、記録密度が高く、高速な記録及び再生が要求さ
れる光ディスクDKに本実施形態に係る光学式ピックア
ップ30を適用する場合にも、良好なトラッキング制御
が可能になる。
【0060】さらに、上記実施形態によれば、ミラーア
クチュエータ43による立ち上げミラー35の移動をフ
ィードバック制御により行うようにしたので、立ち上げ
ミラー35から対物レンズ36に入射する入射光束の光
軸と対物レンズ36の光軸とを簡単かつ高精度で一致さ
せることができる。
【0061】図9は、トラッキングアクチュエータ46
による対物レンズ36の光ディスクDKの半径方向への
移動、図示しないスレッドモータによる筐体41の光デ
ィスクDKの半径方向への移動、及びミラーアクチュエ
ータ43による立ち上げミラー35の移動の制御状態を
詳細に表すブロック図である。なお、図中、図1と同一
手段には同一符号を付して示すととともに、前記図示し
ないスレッドモータに関しては符号100で示してい
る。また、図1の制御回路53内にて行われる機能につ
いては、53a〜53fを用いて示しており、トラッキ
ング制御位相補償器53a、立ち上げミラー制御位相補
償器53c及びスレッド制御位相補償器53eは、トラ
ッキングアクチュエータ46、ミラーアクチュエータ4
3及びスレッドモータ100の各制御に対する位相補償
をそれぞれ行うものであり、トラッキングアクチュエー
タ駆動回路53b、ミラーアクチュエータ駆動回路53
d及びスレッドモータ駆動回路53fは、電流又は電圧
付与により前記各アクチュエータ46,43及びスレッ
ドモータ100を実際に駆動するものである。
【0062】そして、このブロック図は、対物レンズ3
6による光ディスクDKの半径方向の光スポット位置
が、トラッキングアクチュエータ46及びスレッドモー
タ100により制御されることを示している。また、ス
レッドモータ100が、対物レンズ位置検出器47によ
って検出された対物レンズ36の位置により駆動制御さ
れることも示している。また、対物レンズ36の位置及
び立ち上げミラー35の位置は、上述のように、トラッ
キングエラー検出回路52によって検出されたトラッキ
ングエラー及び対物レンズ検出器47によって検出され
た対物レンズ位置に応じてそれぞれ制御されることも示
している。
【0063】また、上記実施形態においては、対物レン
ズ36の光ディスクDKの半径方向の移動に応答して、
立ち上げミラー35を対物レンズ36の光軸方向(図8
の上下方向)に変位させるようにしたが、前記対物レン
ズ36の移動に応答して、立ち上げミラー35を対物レ
ンズ36の光軸方向と直交する方向すなわち光ディスク
DKの半径方向に変位させるようにしてもよい。
【0064】この場合、図10(A)〜(C)に示すよう
に、上記実施形態のミラーアクチュエータ43に代え
て、立ち上げミラー35を筐体41内にて光ディスクD
Kの半径方向(1/4波長板34から立ち上げミラー3
5へ入射する円偏光光束の光軸方向)に移動可能とする
ミラーアクチュエータ43aを設ける。また、立ち上げ
ミラー位置検出器44に代えて、立ち上げミラー35の
基準位置からの光ディスクDKの半径方向(1/4波長
板34から立ち上げミラー35へ入射する円偏光光束の
光軸方向)への変位量を検出するミラー位置検出器44
aを設けるようにする。なお、この場合も、対物レンズ
36が筐体41に対して基準位置にあるとき、図10
(A)に示すように、立ち上げミラー35から対物レン
ズ36に入射する入射光束の光軸と対物レンズ36の光
軸が一致しているものとする。
【0065】そして、対物レンズ36が、図10(B)に
示すように、図示左方向にδだけ移動したとき(図示−
δ)、制御回路53は、ミラー位置検出器44aからの
ミラー位置検出信号によりミラーアクチュエータ43a
をフィードバック制御して、立ち上げミラー35を前記
対物レンズ36の移動方向(図示左方向)にδだけ移動
する。また、対物レンズ36が、図10(C)に示すよう
に、図示右方向にδだけ移動したとき(図示+δ)、制
御回路53は、ミラー位置検出器44aからのミラー位
置検出信号によりミラーアクチュエータ43aをフィー
ドバック制御して、立ち上げミラー35を前記対物レン
ズ36の移動方向(図示右方向)にδだけ移動する。こ
れによっても、対物レンズ36の移動に追従して対物レ
ンズ36の入射瞳に対する入射光束も移動し、対物レン
ズ36の移動とは無関係に、立ち上げミラー35から対
物レンズ36に入射する入射光束の光軸と対物レンズ3
6の光軸が常に一致するようになり、対物レンズ36の
入射瞳に対する入射光束の強度分布L2pも常に一定に保
たれる。その結果、この変形例によっても、上記実施形
態と同等な効果が期待される。
【0066】また、上記実施形態及びその変形例におい
ては、立ち上げミラー35をフィードバック制御によっ
て駆動するようにしたが、同立ち上げミラー35の駆動
をオープンループ制御により行うようにしてもよい。す
なわち、対物レンズ位置検出器47によって検出された
対物レンズ位置を表す信号を制御回路53に入力して、
同制御回路53が、ミラー位置検出器44,44aから
の検出信号を用いることなく、前記対物レンズ位置を表
す信号に応じてミラーアクチュエータ43,43aを駆
動制御するようにするとよい。これにより、この変形例
によれば、ミラー位置検出器44,44aを省略するこ
とができる。
【0067】このオープンループ制御による変形例の場
合、対物レンズ位置検出器47による検出信号と、制御
対象である立ち上げミラー35が実際に移動した結果と
の比較ができないので、ミラーアクチュエータ43,4
3aの伝達特性は、その変位が入力信号に比例するよう
に周波数に依存しない変位特性であった方が都合がよ
い。入力信号の周波数に依存しない変位特性は、質量、
バネ及び抵抗から構成される2次遅れ要素で近似できる
ミラーアクチュエータ43,43aの周波数伝達特性に
おいて、質量とバネで決定される共振周波数以下の周波
数領域で実現できるので、この周波数領域を用いた2次
遅れ制御を用いるとよい。そして、この周波数領域にお
ける制御を確保するために(この周波数領域を広く確保
するために)、図4に示したように、立ち上げミラー3
5を固着したホルダ67をフレーム65に対して変位可
能(振動可能)に支持する金属ワイヤー68a〜68h
のバネ定数を大きく設定して、前記共振周波数以下の周
波数領域が広くなるように立ち上げミラーアセンブリを
構成すると好ましい。
【0068】また、上記実施形態及び変形例において
は、レーザダイオード31から放射された発散光束L1
をコリメート光束L2に変換して対物レンズ36に入射
させるようにしたが、対物レンズ36に入射する光束を
コリメート光束ではなく所定の発散光束に置き換えても
同等の効果が得られる。
【0069】さらに、対物レンズ36のフォーカスエラ
ー検出方法、トラッキングエラー検出方法に関しても、
上記実施形態による検出方法に左右されることなく、い
かなる方法を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明の一実施形態に係る光学ピック
アップヘッドの概略正面図であり、(B)は前記光学ピッ
クアップヘッドの概略平面図に電気制御装置を加えた光
学ピックアップ装置の全体ブロック図である。
【図2】 立ち上げミラーを移動させるための立ち上げ
ミラーアセンブリの斜視図である。
【図3】 ピン及び配線プレートを外した状態を示す前
記ミラーアセンブリの分解斜視図である。
【図4】 さらにフォトインタラプタを外すとともに、
上下部を分離して示す前記ミラーアセンブリの分解斜視
図である。
【図5】 対物レンズを移動させるための対物レンズア
センブリの斜視図である。
【図6】 前記対物レンズアセンブリの分解斜視図であ
る。
【図7】 一部を破断して示す前記対物レンズアセンブ
リの一部破断斜視図である。
【図8】 (A)〜(C)は、立ち上げミラーの移動による
対物レンズの光軸と同レンズへの入射光束の光軸との関
係を示す概略図である。
【図9】 光ディスクの半径方向における対物レンズに
よる光スポットの位置を制御するための制御ブロック図
である。
【図10】 (A)〜(C)は、前記実施形態の変形例に係
り、立ち上げミラーの移動による対物レンズの光軸と同
レンズへの入射光束の光軸との関係を示す概略図であ
る。
【図11】 (A)は本発明の第1の従来技術を説明する
ための光学ピックアップヘッドの概略正面図であり、
(B)は前記光学ピックアップヘッドの概略平面図であ
る。
【図12】 (A)〜(C)は、対物レンズの移動による光
軸の変化を説明するための概略図である。
【図13】 (A)は本発明の第2の従来技術を説明する
ための光学ピックアップヘッドの概略正面図であり、
(B)は前記光学ピックアップヘッドの概略平面図であ
る。
【図14】 本発明の第3の従来技術を説明するための
立ち上げミラー及び対物レンズ部の概略正面図である。
【符号の説明】
31…レーザダイオード、32…コリメートレンズ、3
3…偏光ビームスプリッタ、34…1/4波長板、35
…立ち上げミラー、36…対物レンズ、37…凸レン
ズ、38…偏向ミラー、39…シリンドリカルレンズ、
40…4分割フォトダイオード、41…筐体、42…ス
ピンドルモータ、43,43a…ミラーアクチュエー
タ、44,44a…ミラー位置検出器、45…フォーカ
スアクチュエータ、46…トラッキングアクチュエー
タ、47…対物レンズ位置検出器、50…電気制御装
置、51…フォーカスエラー検出回路、52…トラッキ
ングエラー検出回路、53…制御回路。
フロントページの続き Fターム(参考) 5D075 CD18 CE04 EE03 5D118 AA13 BA01 DC03 DC07 5D119 AA28 BA01 BB01 BB05 EA02 JA43 JA57

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源から放射される光束を立ち上げミラー
    により反射させて対物レンズに導き、光学式記録媒体上
    に光スポットを結像するとともに、同光スポットによる
    反射光をトラッキングエラー検出器に入射させて、光学
    式記録媒体の記録トラックと直交する方向における光ス
    ポットと記録トラックとの位置関係を検出し、同検出結
    果に応じて前記記録トラックと光スポットとの位置関係
    を調整するようにした光学ピックアップヘッド装置にお
    いて、 前記対物レンズを前記立ち上げミラーとは独立して前記
    光学式記録媒体の記録トラックと直交する方向に移動可
    能なトラッキングアクチュエータと、 前記トラッキングアクチュエータによる前記対物レンズ
    の基準位置からの変位量を検出する対物レンズ位置検出
    器と、 前記立ち上げミラーを前記対物レンズとは独立して前記
    対物レンズの光軸方向又は前記光源から立ち上げミラー
    へ入射する光束の方向に移動可能なミラーアクチュエー
    タとを備えたことを特徴とする光学ピックアップヘッド
    装置。
  2. 【請求項2】前記請求項1に記載した光学ピックアップ
    ヘッド装置において、 前記ミラーアクチュエータによる立ち上げミラーの基準
    位置からの変位量を検出するミラー位置検出器を設けた
    ことを特徴とする光学ピックアップヘッド装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011118209A1 (ja) * 2010-03-25 2011-09-29 パナソニック株式会社 光ピックアップ装置及び光ディスク装置

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WO2011118209A1 (ja) * 2010-03-25 2011-09-29 パナソニック株式会社 光ピックアップ装置及び光ディスク装置

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