JP2001351216A - 記録媒体及びその記録再生装置 - Google Patents

記録媒体及びその記録再生装置

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JP2001351216A
JP2001351216A JP2000170806A JP2000170806A JP2001351216A JP 2001351216 A JP2001351216 A JP 2001351216A JP 2000170806 A JP2000170806 A JP 2000170806A JP 2000170806 A JP2000170806 A JP 2000170806A JP 2001351216 A JP2001351216 A JP 2001351216A
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Japan
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signal
magnetic
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recording medium
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JP2000170806A
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Inventor
Chikara Inoue
主税 井上
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Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録信号と非磁気記録信号を組み合わせ
ることにより、CDやDVDと同じようにスタンパーを用い
ると同様な方法で音楽ソフト、あるいは映像ソフトを作
成可能ならしめ、安価にソフトを製造することができる
記録媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性基板S1の表面に凹凸を形成する
ことにより設けたピット列2,3,4と、前記非磁性基
板上に形成された磁性層5とからなる記録媒体におい
て、前記凹凸の凹部の深さを十分深くすることにより前
記凹部上の磁性層の磁化による磁場を減衰させ、これを
非磁気記録信号として二値信号の一方に対応させ、前記
凸部上の磁性層の磁気信号を二値信号の他方に対応させ
ることで、記録信号及び再生信号を得る。このように、
磁気記録信号と非磁気記録信号を組み合わせることによ
り、CDやDVDと同じようにスタンパーを用いると同様な
方法で音楽ソフト、あるいは映像ソフトを作成可能なら
しめ、安価にソフトを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピット列と磁性層
とを用いた新しい方式の記録媒体及びその記録再生装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録技術は高密度記録ができるた
め、音声記録用のラジカセや、映像記録用の家庭用VTR
や、データ記録用としてコンピューターの外部記憶装置
であるハードデイスクドライブ等に広く実用に供されて
いる。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、音楽ソ
フトや映像ソフトは、CD(Compact Disc)
やDVD(Digital Versatile Dis
c)に用いられているようなスタンパーを用いて効率よ
く作成する方法が無く、多くは機械から機械へのダビン
グに頼っているのが実情である。
【0003】また、コンピューターの外部記憶装置の一
つである100MB (メガビット)クラスのフロッピー(登
録商標)デイスク等の記録媒体は出荷前に、この記録媒
体に磁気ヘッドを用いてトラッキング信号を予め書き込
むこととしているので、この書き込みのための時間を要
し、コストの上昇を招いている。また、記録媒体にピッ
トを設ける試みは、例えば、特開平7-153047号公報、特
開平8-195047号公報、特開平11-161944号公報において
みられる。しかしながら、前記三者は、ピットの凹部と
凸部にそれぞれ反対方向の磁気信号を記録して信号を再
生するものであり、この反対方向の磁気信号の形成はか
なり困難である。また、特開平9-7143号公報において
は、媒体基板上に凹凸を設ける試みがなされているが、
この場合、データトラックは凸部に限定されており、か
つ、データトラックは通常の磁気記録再生のみを行うこ
ととなっているので、その分、記録密度は低くなる。
【0004】このように、従来のピットを設けてなる記
録媒体は、ピットをその媒体中に離散的に配置してお
り、音声情報や映像情報等連続する情報を記録再生する
ことは困難である。本発明の目的は、磁気記録信号と非
磁気記録信号を組み合わせることにより、CDやDVDと同
じようにスタンパーを用いると同様な方法で音楽ソフ
ト、あるいは映像ソフトを作成可能ならしめ、安価にソ
フトを製造することができる記録媒体及びその記録再生
装置を提供することにある。さらに、本発明の目的は、
トラッキング信号も同様にスタンパーを用いると同様な
方法で作成可能ならしめ、安価にデータ記録用の記録媒
体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
非磁性基板の表面に凹凸を形成することにより設けたピ
ット列と、前記非磁性基板上に形成された磁性層とから
なる記録媒体において、前記凹凸の凹部の深さを十分深
くすることにより前記凹部上の磁性層の磁化による磁場
を減衰させ、これを非磁気記録信号として二値信号の一
方に対応させ、前記凸部上の磁性層の磁気信号を二値信
号の他方に対応させることで、記録信号及び再生信号を
得るようにしている。これにより、ピット列の凸部から
は例えば磁気記録信号が再生され、凹部からは例えば非
磁気記録信号が再生され、これらを組み合わせること
で、記録信号及び再生信号を得ることができる。従っ
て、このように磁気記録信号と非磁気記録信号を組み合
わせることにより、CDやDVDと同じようにスタンパーを
用いると同様な方法で音楽ソフト、あるいは映像ソフト
を作成可能ならしめ、安価にソフトを製造することがで
きる。
【0006】請求項2に係る発明は、非磁性基板の表面
に凹凸を形成することにより設けたピット列と、平坦部
とを併せもち、前記非磁性基板上に磁性層を形成してな
る記録媒体において、前記凹凸の凹部の深さを十分深く
することにより前記凹部上の磁性層の磁化による磁場を
減衰させ、これを非磁気記録信号として二値信号の一方
に対応させ、前記凸部上の磁性層の磁気信号を二値信号
の他方に対応させることで、記録信号及び再生信号を得
るようにし、前記平坦部は、磁化反転を伴う通常の磁気
記録再生を行うようにしている。
【0007】請求項3及び4に係る発明は、上記記録媒
体の記録再生装置であり、磁気記録再生を行う手段と、
非磁気記録信号を再生する手段と、トラッキング信号を
検出する手段と、トラッキング信号に基づいてサーボを
行う機構を備えている。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る記録媒体及
びその記録再生装置の一実施例を添付図面に基づいて詳
述する。 <実施例1>図1は本発明の有効性を検証し、かつ通常
の磁気記録との相違を明確にする目的で作成した記録媒
体の非磁性基板の概観を示す図である。この非磁性基板
S1の外径L1は90mm、内径L2は30mmのドー
ナツ形状をしており、半径L3が例えば略31mmの位
置に、図2に示すように、外周側に外周側トラッキング
信号を作る凹凸形状のピット列2、内周側に内周側トラ
ッキング信号を作る凹凸形状のピット列3、及び上記ピ
ット列2、3との間に情報信号を作る凹凸形状のピット
列4がそれぞれ円周方向に沿ってリング状に設けられて
いる。図中、四角形状に表されているのが各ピット列
2、3、4のそれぞれの凸部2A,3A,4Aの表面、
その他はピットの底面である。
【0009】図3中に、図2中の各部の横断面が示され
ており、図3(a)は図2のA−A線の矢視横断面、図
3(b)は図2のB−B線の矢視横断面、図3(c)は
図2のC−C線の矢視横断面をそれぞれ示している。外
周側トラッキング信号のピット列2の凸部2Aの幅W1
及び内周側トラッキング信号を作るピット列3の凸部3
Bの幅W2は、それぞれ2μmとしている。また、情報
信号を作るピット列4の凸部4Aの幅W3は5μmに設
定され、隣接する凸部4A同士の間隔H6は0.5μm
に設定されている。外周側トラッキング信号を作るピッ
ト列2の凸部2Aの円周方向の長さH1は5.8μm、
同じくピット部(凹部)の円周方向の長さH2は5. 8
μmである。すなわち、5.8μmの長さの凸部2Aと
凹部が交互に連続して円周方向に配置してある。同様
に、内周側トラッキング信号を作るピット列3は、長さ
H3が2.9μmの凸部3Aと長さH4が2.9μmの
凹部が交互に連続して円周方向に配置されてなりたって
いる。また、情報信号を作るピット列4は、長さH5が
0.5μmの凸部4Aと長さH6が0.5μmの凹部が
交互に連続して円周方向に配置されて成り立っている。
【0010】各ピット列の凹部の深さはすべて1μmと
した。この非磁性基板S1は、CDを作成すると同様の
方法で作成した。基板S1の材料はポリカーボネードで
あり、全厚は約1mmである。この非磁性基板に予め非
磁性のNi-P下地を設けた後、めっき法により、厚み
が約0.2μmのCo-Ni-P強磁性膜を設けた。めっ
き条件を選ぶことで磁化を面内に配し、特にオリエンテ
ーションはつけなかった。この強磁性膜の抗磁力は5
8. 1kA/m(約730エルステッド)である。ヘッドと
の接触を考慮して上記強磁性膜の表面にスピンコーテイ
ングにより、潤滑剤を表面に設けた。そして、最終的に
回転磁界によって、上記強磁性膜に円周方向に全面を一
方向に着磁した。
【0011】この時の状態が図4に示されている。すな
わち、図4(a)、図4(b)、図4(c)は、それぞ
れ図3(a)、図3(b)、図3(c)に対応させて示
しており、図2中の各矢視横断面を模式的に示したもの
である。図中にて、5はめっきによって設けられた磁性
層としての強磁性膜であり、この強磁性膜5は円周方向
に加えられた回転磁界によって、同図に示すようにすべ
て同一方向に着磁されている(図中のN、Sは磁石の極
性の一例を示す)。着磁の向きは、図4に示す方向と逆
向きであっても一向に構わない。また、図4中の6はス
ピンコーテイングによってつけられた潤滑剤を示してい
る。この潤滑剤6は、ピット列の凹部を埋めるととも
に、強磁性膜5の表面に、図示されないが極く薄く存在
している。以後、このように形成された本発明に係る記
録媒体の実施例1を、後述する記録媒体と区別するた
め、円板状の記録媒体1という。
【0012】また、円板状の記録媒体1の記録再生特性
と比較するため、幅が12mm、長さが約20cm、厚
みが14μmの磁気テープ用のPET上に同様のCo-
Ni-P強磁性膜を設けて、テープ状媒体を形成した。
このテープ状媒体の磁気特性は前記円板状の記録媒体1
の強磁性膜5とほぼ同じとした。以後、ここではこのテ
ープ状媒体をテープ状媒体1Aという。図5に本発明の
円板状の記録媒体の特性を評価する評価機の概観を示し
ている。図5中において、1は評価される本発明の円板
状の記録媒体、8はこの記録媒体1を支持する回転板で
あり、回転速度を制御できるモーター9に連結されてい
る。10は記録媒体1と接触しても安定に機能する磁気抵
抗型の再生素子(MRヘッド)であり、ここでは、トラッ
ク幅が約10μmのものを用いた。この再生素子10は、
磁気記録を再生する手段と非磁気記録信号を再生する手
段とを兼ねるものである。また、この再生素子10から
の信号により、トラッキング信号検出部7にてトラッキ
ング信号が検出される。11は上記再生素子10を支持
する板ばね状の支持板、12はこの記録媒体1の半径方
向に上記再生素子10を移動可能ならしめるアクチュエ
ーターであり、トラッキングサーボをかける目的で設け
たものである。このアクチュエータ12は、上記トラッ
キング信号に基づいてサーボを行なう機構である。図5
には示していないが、上記再生素子10の出力は、バン
ドパスフイルタ等を用いて、外周側トラッキング信号、
内周側トラッキング信号、及び情報信号を識別できる電
気回路を設けている。
【0013】図6は本発明の記録媒体と従来の記録媒体
の磁気記録再生の差異を明らかにするため用意した、い
わゆるドラムテスターの概観を示している。図6中にお
いて、13は記録ヘッド、14は再生ヘッドであり、本
実施例においては円板状の記録媒体1を評価したとほぼ
同じ再生特性を有する再生素子を用いた。15は先のテ
ープ状媒体1Aを支持するドラム、1Aは前述したよう
に製造された評価される従来のテープ状媒体、17は回
転速度が制御可能なモーター、18は上記記録ヘッド1
3及び上記再生ヘッド14の位置を上下、前後、左右の
移動を可能ならしめるステージである。尚、同図には示
していないが、記録アンプ、再生アンプ、また回転制御
用の電気回路を具備している。
【0014】本発明の実施例1の記録媒体1の評価は、
図5に示す本発明の記録再生装置(評価機)を用いて行
われ、前記記録媒体1を回転板8上にセットし、この回
転数を毎分1800回転の条件で行った。前記したよう
に、情報信号は半径L3が31mmの位置にあるため
(図1参照)、再生素子10との相対速度は5.8m/
sとなる。この再生素子10をあらかじめ半径が31m
mの位置にセットした後、再生信号中の500kH zの
信号成分により再生素子10の外周側のブレを検出し、
同様に1MHz の信号成分により内周側のブレを検出し、
アクチュエーター12にてフイードバックをかけること
で安定なトラッキングサーボを得た。
【0015】これに対して、比較対象となるテープ状媒
体1Aの評価は、図6に示すテープ状媒体評価機のドラ
ム15に、前記テープ状媒体1Aをセットし、ヘッド1
3、14と媒体1Aの相対速度が5.8m/sとなるよ
うにモーター17の回転数を選んだ。記録ヘッド13と
してMIGヘッドを用い、最初この記録ヘッド13を、記
録再生兼用として用い、再生出力が最大となる記録電流
で記録を行った後、他方の再生ヘッド14で再生して評
価した。この時の記録信号は、先の円板状の記録媒体1
の特性と比較するため、周波数を5.8MHzとする矩形
波を用いた。本発明の円板状の記録媒体1の情報信号の
再生波形は、もし直流信号も増幅可能でかつ、十分な広
帯域な信号も増幅可能なアンプを用い、広帯域のオシロ
スコープを用いれば図7(a)に示す波形になると考え
られる。
【0016】すなわち、図7(b)に示すように再生素
子10のギャップG1が、磁化された媒体表面の強磁性
膜5の位置にさしかかったとき、再生素子10は磁化に
よる磁場に感応して、図7(a)のH信号を出力し、こ
れに対して図7(c)のように、再生素子10がピット
列の凹部にさしかかったときは、磁気記録でいうところ
のスペーシングロスによりピット底部の強磁性膜5の磁
化による磁場は著しく減衰し、図7(a)に示すL信号
を出力するものと考えられる。ここで、磁気記録の理論
によれば、再生時のスペーシングロスは以下の式で与え
られる。 L = 54.6(d/λ)…(dB) ここで L : 信号のロス λ : 記録波長 d : スペーシング
【0017】本実施例の情報信号については、波長λに
は凸部と凹部の長さの和、すなわち0.5+0.5=1 μm
(図2参照)が相当し、スペーシングには、ピット深さ
1μmが相当する故、上記式では直ちに54.6dBと
計算できる。この値の意味するところは、L信号の直流
的信号レベルは、H信号の直流的信号レベルの千分の二
程度であることを示しており、十分にH信号とL信号が
識別可能な値であることを示している。ここで注意して
おきたいことは、通常の磁気記録では、スペーシングロ
スは信号の損失を表す量であり、たとえば、H信号を期
待したときは、ヘッド−テープ間に何らかの原因で空隙
が生じてH信号の品質低下を表現するに用いられる量で
あり、あくまでH信号に関わる量であることである。
【0018】これに対して、本発明ではピット列の凹部
の強磁性膜は存在していても実質的にその磁化による磁
場を再生素子に感応し難くすることで、L信号を構成す
る点が通常の磁気記録と著しく異なるのである。換言す
れば、図7(a)に示すH信号は磁気記録によってつく
られ、L信号は非磁気記録信号によって作られたものと
いえる。この信号を前段にコンデンサーと抵抗からなる
ハイパスフィルターを有する交流増幅器で増幅すること
により、通常の従来の磁気記録再生において得られると
同様の0(ボルト)を中心に正方向と負方向に振動する
信号が得られることになる。この実施例においては磁気
記録信号をH信号に、非磁気記録信号をL信号に対応さ
せたが、逆に対応させるようにしてもよい。
【0019】次に、この方法で作られた信号が、従来の
通常の磁気記録の信号と著しく異なる特性を有すること
を説明する。図8(a)に本発明の円板状の記録媒体1
の再生信号のスペクトルを、図8(b)に従来の通常の
磁気記録再生を行ったテープ状媒体1Aの再生信号のス
ペクトルを示している。一目して解る通り、両者のスペ
クトル形状は著しく異なる。両者とも、略5.8MHzに
強い信号強度を有するのは当然のことであるが、テープ
状媒体1Aはかなり広い帯域に渡ってノイズ成分がみら
れるに対し、このようなノイズ成分は本発明の記録媒体
1では記録信号の再生スペクトルにはみられない。尚、
図8(a)中の略1MHzと略500kHzに強い信号
がみられるが、これはトラッキング信号によるものであ
り、適切なローパスフィルタを用いて容易に除去でき
る。
【0020】また、テープ状媒体1Aのノイズは面内に
磁化を配向しためっき媒体に特有のものであり、原因は
磁化反転に伴うものとされている。すなわち、磁化が面
内にあるため、磁化反転によって生じた信号磁化は、反
転位置において極性が向き合い、互いに相手の磁化を減
少させる方向に磁場を作用させる。これがために、結果
的に静磁エネルギーを下げようとして、磁化反転領域に
鋸歯状磁区を形成するためとされている。同じめっき媒
体を用いた円板状の記録媒体1にそのようなノイズがみ
られないのは、同媒体の表面に存在する強磁性膜5の磁
化は反転を伴っておらず、単磁区で成り立っているから
である。このように、磁気記録再生信号と非磁気記録再
生信号を組み合わせることにより、良好な信号対ノイズ
比(S/N比)を得ることができる。
【0021】ちなみに、本実施の場合、円板状の記録媒
体1の評価機のS/N比は、再生素子のS/N比で決ま
り、テープ状媒体の評価機のS/N比はテープ状媒体1
AのS/N比で決まるため、円板状の記録媒体1の評価
機の方が高いS/N比を有する。本実施では予め記録さ
れている音声情報や映像情報等の連続する情報をROM的
(読み出し専用的)に再生するようにしているが、その
場合は強磁性膜5は通常の磁気記録再生に要求されるほ
ど高性能のものである必要はなく、したがって作成は容
易にでき、安価に作成できることを示している。
【0022】また、本実施においては、本発明の新規性
に鑑み、その構成、効果について明確な理解を容易にす
るため、情報信号あるいはトラッキング信号を再生時に
単一周波数信号となるよう構成したものであり、本発明
を用いて実際の音声情報、映像情報あるいはトラッキン
グ情報を記録再生する場合、各情報の性質やシステムの
ありかたを考慮して最適な信号変調方式、トラッキング
方式を採用することを可とするもので、再生信号を単一
周波数信号に限定するものではない。また、トラック形
状も本実施においてみられる一円周に一トラックに限定
するものでなく、例えば、スパイラル状、或いは同心円
状に媒体全面にわたって連続的に配置してもよい。これ
によって、長時間に亘る記録再生が可能となる。さら
に、本実施においては、媒体全面に一方向に着磁した
が、磁化の方向が場所によって異なっていても同じ効果
が得られる故、磁化の方向を一方向に限定するものでは
ない。また、磁化は媒体面に垂直に配置されてもよい。
【0023】<実施例2>次に、本発明の記録媒体の実
施例2について説明する。図9は実施例2に用いた非磁
性基板に設けたピット形状を示している。図2に示すピ
ット形状と異なる点は、図2中の情報ピット列4に相当
するものを設けていない点であってこの部分は平坦部2
2となっており、他のピット列2、3の位置、形状、深
さは図2と同様である。また、両ピット列2、3間の距
離L7は6μmである。ただし、図9において四角形状
に示されている部分は、それぞれのピット列2、3の凹
部2B、3Bである。また、図9中には括弧内に併記し
てその断面図を示している。この非磁性基板S2は、先
の実施例1で述べたと同じ方法で得た。この非磁性基板
S2の表面に先の実施例1と同様にめっき法により、Co
-Ni-Pの強磁性膜(図示省略)を設けた。強磁性膜の厚
みは0.2μmとした。ここでは、実施例1と異なっ
て、この強磁性膜に対して磁化を面に対して垂直に配向
させた。この垂直方向の抗磁力は66.0kA/m(8
30エルステッド)であった。更に、実施例1で述べた
と同様にこの強磁性膜上に潤滑剤を塗布し、媒体面に垂
直に磁界をかけて着磁した。このように形成した実施例
2の記録媒体を、以後、円板状の記録媒体1−1とい
う。
【0024】図10に円板状の記録媒体1−1を評価す
るため用いたヘッドの配置を示している。図中、19は
先行する位置に設けた再生素子(MRヘッド)であり、
実施例1で述べた再生素子10(図5参照)とほぼ同じ
特性を有し、トラック幅も同じ約10μmである。20
は後行する位置に設けたMIGヘッドでありトラック幅
は約5μmである。破線D−Dは上記両ヘッド19、2
0のギャップ中心をつらぬく線を表している。ギャップ
中心間の距離L10は両ヘッドの構造、大きさを勘案
し、5mmとした。破線E−Eはギャップ間隔を二等分
し、かつ、上記破線D−Dに垂直に引いた線である。こ
の様に配置してなるヘッド19、20を図5に示した円
板状媒体の評価機のヘッド部位にセットして評価を行っ
た。セッテイングに際して、破線E−Eが記録媒体1−
1の半径にできるだけ一致するようにセットし、また、
円板状の記録媒体1−1を予めできるだけ回転中心にセ
ットし、わずかな中心ブレをアクチュエーター12(図
5参照)によって補正するようにした。
【0025】この時の評価条件は、実施例1の場合と同
じく媒体回転数を毎分1800回転とし、再生素子19
の500kHzの出力によって外周方向のブレを、1M
Hzの出力によって内周方向のブレをそれぞれ検出して
トラッキングサーボをかけた。安定なトラッキングサー
ボがかかったことを確認した後、MIGヘッド20によ
って再生出力が最大になる記録電流で5.8MHzの矩
形波信号を記録した。図11に再生素子19が出力した
再生信号のスペクトルを示している。従来のテープ状媒
体1Aの出力特性を示す図8(b)と異なり、良好な磁
気記録再生特性を示している。これは、面内磁化である
実施例1の記録媒体1と異なり、本評価に用いた実施例
2の記録媒体1−1は垂直媒体であるため、反転した隣
り合う信号磁化は、互いの磁化を強め合う方向の磁場を
作用させるため、鋸歯状の磁区が形成されないためであ
る。
【0026】評価した後、円板の実施例2の記録媒体1
−1を磁気現像したところ、磁気記録信号は二つのトラ
ッキング信号のほぼ中心位置にあることが確認された。
すなわち、ピットを設け、予め着磁することで、トラッ
キング信号を形成し得ること、及びそれに基づいた磁気
記録再生が可能なことが実証された。この実施例2にて
説明したことは、本発明の新規性に鑑み、その構成、効
果について明確な理解を容易にするため、情報信号ある
いはトラッキング信号を再生時に単一周波数信号となる
よう構成したものであり、本発明を用いて実際の音声情
報、映像情報あるいはトラッキング情報を記録再生する
場合、各情報の性質やシステムのありかたを考慮して最
適な信号変調方式、トラッキング方式を採用することを
可とするもので、再生信号を単一周波数信号に限定する
ものではない。
【0027】また、トラック形状も実施例2にみられる
一円周に一トラックに限定するものでなく、例えば、ス
パイラル状、或いは同心円状に媒体全面にわたって連続
的に配置するも可であり、これによって長時間の記録再
生が可能となる。また、本実施例では円周方向全周にわ
たって、トラッキング信号を配置したが、もちろん空間
的に離散させて配置させてもよく、円周方向全周に配置
することに限定するものでない。この場合、一定の時間
磁気記録信号あるいは非磁気記録信号が続く場合は無信
号とみなすことで容易に実現可能である。さらに、本実
施例においては、媒体全面に一方向に着磁したが、磁化
の方向が場所によって異なっていても同じ効果が得られ
る故、磁化の方向を一方向に限定するものではない。ま
た、磁化は媒体面内に配置されていてもよい。本発明
は、原理においてシンプルさがみられるが、磁気記録再
生理論に関する正確な認識、接触させても安定に動作す
る再生素子、特に磁気抵抗効果型の素子(MRヘッド)
の性能に関する正確な認識、および、ピット作成に関わ
る微細加工技術に関する正確な認識なしには成し得ない
ものであることが強調される。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の記録媒体
及びその記録再生装置によれば、次のように優れた作用
効果を発揮することができる。ピット列の凸部からは例
えば磁気記録信号が再生され、凹部からは例えば非磁気
記録信号が再生され、これらを組み合わせることで、記
録信号及び再生信号を得ることができる。従って、この
ように磁気記録信号と非磁気記録信号を組み合わせるこ
とにより、CDやDVDと同じようにスタンパーを用いると
同様な方法で音楽ソフト、あるいは映像ソフトを作成可
能ならしめ、安価にソフトを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録媒体を示す平面図である。
【図2】本発明の実施例1の非磁性基板の表面に設けた
ピット形状を示す拡大図である。
【図3】トラッキング信号(2種類)のピット列と情報
信号のピット列を示す拡大断面図である。
【図4】強磁性膜を設け着磁した後のトラッキング信号
(2種類)のピット列と情報信号のピット列を示す拡大
断面図である。
【図5】本発明の円板状の記録媒体の記録再生装置(評
価機)を示す構成図である。
【図6】テープ状媒体の評価機を示す構成図である。
【図7】ヘッドの位置によって再生出力の相違を説明す
る説明図である。
【図8】本発明の実施例1とテープ状媒体の再生出力を
示すスペクトルである。
【図9】本発明の実施例2にトラッキング信号(2種
類)を作るために設けたピット列を示す拡大図である。
【図10】再生素子と記録用のMIGヘッドの配置位置を
示す配置図である。
【図11】実施例2の再生出力を示すスペクトルであ
る。
【符号の説明】
1,1−1…記録媒体、2…外周側トラッキング信号用
のピット列、2A…凸部、3…内周側トラッキング信号
用のピット列、3A…凸部、4…情報信号用のピット
列、4B…凸部、5…強磁性膜(磁性層)、6…潤滑
剤、8…回転板、10…再生素子、11…再生素子を支
持する板バネ状の支持板、12…アクチュエーター(サ
ーボ機構)、13…記録ヘッド、14…再生ヘッド、1
5…ドラム、16…テープ状媒体、17…モーター、1
8…ステージ、19…再生素子、20…MIGヘッド、
22…平坦部、S1,S2…非磁性基板。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板の表面に凹凸を形成すること
    により設けたピット列と、前記非磁性基板上に形成され
    た磁性層とからなる記録媒体において、 前記凹凸の凹部の深さを十分深くすることにより前記凹
    部上の磁性層の磁化による磁場を減衰させ、これを非磁
    気記録信号として二値信号の一方に対応させ、前記凸部
    上の磁性層の磁気信号を二値信号の他方に対応させるこ
    とで、記録信号及び再生信号を得るようにしたことを特
    徴とする記録媒体。
  2. 【請求項2】 非磁性基板の表面に凹凸を形成すること
    により設けたピット列と、平坦部とを併せもち、前記非
    磁性基板上に磁性層を形成してなる記録媒体において、 前記凹凸の凹部の深さを十分深くすることにより前記凹
    部上の磁性層の磁化による磁場を減衰させ、これを非磁
    気記録信号として二値信号の一方に対応させ、前記凸部
    上の磁性層の磁気信号を二値信号の他方に対応させるこ
    とで、記録信号及び再生信号を得るようにし、前記平坦
    部は、磁化反転を伴う通常の磁気記録再生を行うように
    したことを特徴とする記録媒体。
  3. 【請求項3】 磁気記録再生を行う手段と、非磁気記録
    信号を再生する手段と、トラッキング信号を検出する手
    段と、トラッキング信号に基づいてサーボを行う機構を
    備えたことを特徴とする記録媒体の記録再生装置。
  4. 【請求項4】 前記磁気記録信号の再生を行う手段及び
    前記非磁気記録信号を再生する手段には、磁気抵抗素子
    等の能動素子を用いることを特徴とする請求項3記載の
    記録媒体の記録再生装置。
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