JP2001349961A - 雨滴検出方法およびその装置 - Google Patents
雨滴検出方法およびその装置Info
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Abstract
精度に雨滴を検出し得る雨滴検出方法およびその装置を
提供する。 【解決手段】 予め、雨滴検出部が置かれた環境温度を
検出する温度検出部10よりの温度データと、その温度
時での雨滴検出部の出力データとからなる温度特性デー
タをE2PROM11へ記憶保持し、例えばエンジン始
動時かつ降雨無し時に、この温度特性データと、その時
の温度データおよび雨滴検出部よりの出力データから、
雨滴判定基準値を更新する。そして雨滴判定時には、雨
滴判定基準値と、その時の温度データと雨滴検出部より
の出力とを比較して雨滴判定を行う。それにより、雨滴
検出部の温度特性が個別に補正されるとともに経時変化
によるばらつきも補正されて、雨滴の付着を判定するの
で、高精度に雨滴を検出できる。
Description
滴検出方法およびその装置に関し、特に雨滴検出装置の
温度特性を個別に補正して、高精度に雨滴を検出し得る
雨滴検出方法およびその装置に関するものである。
としては特開平11−326186号公報に記載のよう
に、発光素子の発光出力レベルおよび受光素子の出力信
号レベルが周囲温度によって変化してしまうことで雨滴
付着対象物に付着した水滴量の程度と受光手段の出力信
号レベルとの対応関係が変動する問題に対して、受光手
段を構成する直流増幅回路等の利得を周囲温度の変動に
応じて変えることで雨滴検出装置の温度特性補正を行っ
ている。
326186号公報に開示される雨滴検出装置の温度特
性補正方法では、雨滴検出時に周囲温度の変動に応じて
受光手段を構成する直流増幅回路等の電気回路にて一率
に出力修正を行っているのであって、発光素子および受
光素子等により構成される雨滴検出装置自体の温度特性
を電気回路組み付け後に個別に反映させる手段を有して
いないので、正確な雨滴検出装置の温度特性の補正がで
きない。
性補正が正確でない出力をそのまま用いて、例えば自動
車の雨滴に応じてワイパ作動を選択する自動ワイパシス
テムに適用すれば所望の動作をさせることができないと
いう問題がある。
検出装置の温度特性を個別に補正し、高精度に雨滴を検
出し得る雨滴検出方法およびその装置を提供することに
ある。
ために、本発明の請求項1記載の雨滴検出方法による
と、従来、雨滴検出部は、個別の温度特性を有している
ので、予め、雨滴検出部の温度特性データを記憶して保
持し、雨滴判定時に得られる雨滴検出部よりの出力デー
タと記憶した温度特性データとに基づいて雨滴判定を行
えば、温度特性を個別に補正して、高精度に雨滴を検出
し得る雨滴検出方法を提供できる。
ると、温度特性データを雨滴検出部の状態変化に応じて
更新記憶させることで、雨滴検出部の経時変化により変
化する出力特性に追従した温度特性データにでき、高精
度に雨滴を検出し得る雨滴検出方法を提供できる。
ると、雨滴判定時での環境温度によって決まる温度特性
データと、雨滴検出部よりの出力データとの偏差量に基
づいて雨滴を判定するので、高精度に偏差量を把握でき
正確に雨滴を判定し得る雨滴検出方法を提供できる。
ると、雨滴検出部が置かれた環境温度を検出する温度検
出部を備え、温度検出部よりの温度データと、この温度
データに対応した雨滴検出部の出力データとにより構成
される温度特性データを予め記憶しておく記憶保持部を
備えた。また、雨滴判定時においては、温度検出部およ
び雨滴検出部より夫々温度データおよび出力データを検
出し、これら温度データおよび出力データと温度特性デ
ータとに基づいて雨滴判定を行う演算手段とを備え、こ
の演算手段を用いて雨滴判定を行うので、雨滴検出部の
温度特性を個別に補正して、高精度に雨滴を検出し得る
雨滴検出装置を提供できる。
ると、温度特性データは、温度検出部よりの複数の異な
る温度データとそれらの温度データに対応した雨滴検出
部よりの出力データを含むことを特徴とする。
雨滴検出部の温度変化に対する出力特性変化を広く捉え
て、広い温度範囲での雨滴検出部の温度特性補正を可能
とし、高精度に雨滴を検出し得る雨滴検出装置を提供で
きる。
ると、基準温度を定めて、その時の温度検出部よりの温
度データ(基準温度データ)に対応した雨滴検出部より
の出力データを基準として、この基準とした出力データ
と周囲温度を変えてその時の各温度データに対応した雨
滴検出部よりの出力データとの比率を出力比率データと
し、この出力比率データを温度特性データとする。
たことにより、温度特性データを温度データおよびその
温度データに対応した雨滴検出部よりの出力データとし
て記憶する場合と比較して、データ数が少なくなる。こ
の少ないデータ数の温度特性データを用いて演算する場
合においては、演算速度が速くなるとともに記憶保持部
の記憶容量を小容量化でき、低コストな雨滴検出装置を
提供できる。
ると、温度特性データは、雨滴検出装置の製造組付け時
に、予め記憶保持部に記憶しておく出力比率データであ
ることを特徴とする。
境温度の設定を任意かつ正確に行うことができ、この環
境下において雨滴検出装置の温度特性データを個別に取
得することで高精度な温度特性データとすることができ
る。よって、この高精度な温度特性データにより、高精
度に雨滴を検出し得る雨滴検出装置を提供できる。
ると、温度特性データは、雨滴検出部の状態変化に応じ
て更新記憶される第2の温度データおよびこの第2の温
度データに対応した雨滴検出部よりの第2の出力データ
を含み、第2の出力データは、第2の温度データと製造
組付け時に記憶される出力比率データとを用いて補正す
るように構成されており、かつ第2の温度データおよび
第2の出力データは、雨滴検出装置を検出対象部に取付
けた際に温度検出部および雨滴検出部より検出されるこ
とを特徴とする。
よび出力比率データにより補正された第2の出力データ
からなる温度特性データは、雨滴検出装置を検出対象部
に取付けた際の状態変化に応じて更新されるため、より
高精度な温度特性データとすることができる。よって、
この高精度な温度特性データにより、高精度に雨滴を検
出し得る雨滴検出装置を提供できる。
ると、演算手段は、温度特性データと、雨滴判定前時か
つ検出対象部に雨滴付着無し時における温度検出部より
の温度データおよびその温度時における雨滴検出部より
の出力データを用いて、雨滴判定を行うための雨滴判定
基準となる雨滴判定基準値を導く基準値換算部を備え
た。また、この雨滴判定基準値と、雨滴判定時における
温度検出部よりの温度データおよびその温度時における
雨滴検出部よりの出力データとを比較して雨滴判定を行
う雨滴判定部を備えた。
の温度特性を個別に反映して、雨滴判定前時かつ雨滴検
出部に雨滴付着無し時における最新の雨滴判定基準値を
導く。つまり、この雨滴判定基準値は、雨滴検出部の温
度特性を個別に反映するとともに、経時変化によるばら
つきをも補正する。そして、この雨滴判定基準値と、雨
滴判定時における温度検出部よりの温度データおよびそ
の温度時における雨滴検出部よりの出力データとを比較
して雨滴判定を行うので、高精度に雨滴を検出し得る雨
滴検出装置を提供できる。
雨滴検出方法およびその装置を図面を参照して詳細に説
明する。
例えば車両、船舶、航空機等のウィンドシールドや住宅
の窓等に付着した降雨量を検出する雨滴検出方法および
その装置に関し、特に雨滴検出装置の温度特性を個別に
補正して、高精度に雨滴を検出し得る雨滴検出方法およ
びその装置に関するものである。
ンドシールドにおいてはワイパーを動かしたり、住宅用
においては窓等を開閉したりするシステムに利用されて
いるものである。
置を自動車のワイパ自動制御装置に適用し、高精度に降
雨状態を検出し得る雨滴検出装置とした例を図1用いて
説明する。なお、本実施形態では、雨滴検出装置内の雨
滴検出部として光学式の例を示したが、静電容量式、超
音波式等の他の雨滴検出方法であってもよい。
ワイパ自動制御装置に適用した例を示す構成図である。
図1に示すように、ワイパ自動制御装置はワイパ駆動装
置3、および雨滴検出装置6から構成される。ワイパ駆
動装置3は、ワイパスイッチ7、ワイパモータ駆動回路
5、およびワイパモータ4から構成され、フロントウィ
ンドシールド1に付着した雨滴を払拭するワイパ2を駆
動する。
有しCPU(制御回路)12にて、それらの機能を制御
している。
雨滴の状態(有無および雨滴量)を光学的に検出する雨
滴検出部であり、LED駆動回路13、LED(発光素
子)8、フォトダイオード(受光素子)9、検波・増幅
回路14により構成される。雨滴検出時には、CPU1
2が所定の電流をLED駆動回路13に流してLED8
を発光させ、フォトダイオード9よりの検出信号を検波
・増幅回路14で検波、増幅してCPU12に入力する
ものである。この雨滴検出部は、1組で雨滴検出できる
が検出精度を上げるため本例では、複数組(4組)装着
される。
9間に設置される図示しないプリズム表面の結露を防止
する結露防止部であり、プリズムの温度を検出する温度
センサ22、ヒーター回路21、およびヒーター20で
構成される。CPU12は、プリズム周辺が所定温度に
なるようにヒーター20への通電状態を温度センサ22
の温度信号に応じて制御している。
検出部が置かれた環境温度を検出する温度検出部10、
および温度検出部10よりの温度データとその温度時に
おける雨滴検出部の出力データを記憶するE2PROM
(記憶保持部)11で構成される。
ンドシールド1の車室内側の運転者の視界を妨げない部
位に、例えば上方に光を透過する透明接着剤等を用いて
取付ける。
グニッションキー40を通じて給電され、CPU12、
ワイパモータ4等に配電される。
FF)、オートモード(AUTO)、低速作動(L
o)、および、高速作動(Hi)の4つの作動位置をも
つワイパスイッチ7のうちオートモード(AUTO)が
操作者により選択されると雨滴検出装置6が雨滴の状態
(有無および雨滴量)を自動的に検出してワイパモータ
駆動回路5にワイパ制御信号が送信され、その信号に基
づきワイパモータ4を作動させる。
滴検出部では、 LED8から図示しないプリズムを経
由してフロントウィンドシールド1の外壁で全反射する
ように光が発光される。そこで、フロントウィンドシー
ルド1の外壁に雨滴が付着すると、その付着部分では光
は全反射せず外部へ透過するため、LED8から発光さ
れプリズム、およびフロントウィンドシールド1を経て
フォトダイオード9で受ける光量が減少する。この光量
の減少量を雨滴等の付着量と相対させ判定している。
回路13、LED(発光素子)8、フォトダイオード
(受光素子)9、検波・増幅回路14より構成される雨
滴検出部は個々に異なる温度特性を有している。
が置かれた周囲温度が変化することでLED8から発光
する光量、およびフォトダイオード9で受けた光量を検
波・増幅回路14へ出力する出力値を変化させる。この
ように温度によって出力値が変化するのでは高精度に雨
滴の状態(有無および雨滴量)を検出できない。
雨滴検出部の温度特性補正を行うことで高精度に雨滴の
状態(有無および雨滴量)を検出可能とした。その要領
を、雨滴判定基準値の決定要領(図2から図4)と、雨
滴判定基準値を用いた雨滴判定要領(図5)とに分けて
以下説明する。先ず、雨滴判定基準値の決定要領を説明
する。図2は、本発明の雨滴検出装置6の出荷前検査時
において温度特性データを記憶する工程を示すフローチ
ャート図である。図3は、本発明の雨滴検出装置6の車
両への組付け時において雨滴判定基準値を記憶する工程
を示すフローチャート図である。図4は、雨滴検出装置
6の雨滴判定基準値の更新を示すフローチャート図であ
る。
特性データとして温度検出部10よりの複数(本実施形
態では3点の例を示す)の異なる温度データと、それら
の温度データに対応した雨滴検出部よりの出力データに
より構成される。この雨滴判定基準値が決定される工程
は、以下の3つの工程に分類される。
査時の製造組付け工程において、基準温度を定めて、そ
の時の温度検出部10よりの温度データ(基準温度デー
タ)に対応した雨滴検出部よりの出力データを基準とし
て、この基準とした出力データと周囲温度を変えて(2
点)、その時の各温度データに対応した雨滴検出部より
の出力データとの比率を出力比率データとし、この出力
比率データを温度特性データ(第1のデータ)として記
憶する工程である。
ールド1に雨滴検出装置6が取り付けられる(車両への
組付け)時に、温度検出部10および雨滴検出部より検
出される第2の温度データおよび第2の出力データを、
製造組付け時に記憶した出力比率データ(第1のデー
タ)と、この第2の出力データおよび第2の温度データ
とを用いて補正して第2のデータ(雨滴判定基準値)と
して演算するために記憶する工程である。
毎あるいは所定時間毎のように定期的に、温度検出部1
0および雨滴検出部より検出される温度データおよび出
力データを、この出力データと温度データと製造組付け
時に記憶した出力比率データ(第1のデータ)とを用い
て補正し、更にこの補正された出力データを、先工程で
記憶した第2のデータ(雨滴判定基準値)と置き換えて
記憶する工程である。
(第1のデータ)を取得して記憶する工程を、図2に基
づいて説明する。
る環境設定ベンチに取り付ける。この環境設定ベンチ
は、フロントウィンドシールド1を模したガラス面を備
えている。
り、温度データおよびその温度時における雨滴検出部
(検波・増幅回路14)の出力データを取り込んで(ス
テップ51)、その両データを環境設定ベンチに送信し
て保存する(ステップ52)。
変更し、各温度点での全てのデータ受信を完了するまで
各々の温度での工程を繰り返す(ステップ53)。
を25℃時を基準温度として、先工程で得られた25℃
時の温度検出部10よりの温度データ(基準温度デー
タ)に対応した雨滴検出部よりの出力データを基準とし
て、この基準とした出力データと先工程で得られた10
℃および40℃時の各温度データに対応した雨滴検出部
よりの出力データとの比率を環境設定ベンチにて演算し
て、出力比率データを得る(ステップ54)。そして、
この出力比率データからなる温度特性データ(第1のデ
ータ)を環境設定ベンチから雨滴検出装置6内のE2P
ROM(記憶保持部)11に送信して記憶する(ステッ
プ55)。
からの工程を実施する。
に3段階に変化させて基準温度に対する2つの出力比率
データを記憶した例を示した。このような複数個の温度
特性データは、雨滴検出部の温度変化に対する出力特性
変化を捉えて、広い温度範囲での雨滴検出部の温度特性
補正を可能とする。
性データであっても、最も市場で想定される温度域中央
値での温度特性データであれば、温度補正精度は充分で
はないものの簡素な温度補正システムが構築できる。
保持部)11に記憶する出力比率データは、例えば25
℃での出力データに対する出力比で記憶させたので、温
度特性データを温度データおよびその温度データに対応
した雨滴検出部よりの出力データとして記憶する場合と
比較して、データ数が少なくなる。この少ないデータ数
の温度特性データを用いて演算する場合において計算速
度が速くなるとともに、E2PROM(記憶保持部)1
1の記憶容量を小容量化できる効果がある。
タを得ることは、温度特性の許容誤差範囲を外れた雨滴
検出部を除外する(出荷しない)ことができ、雨滴検出
装置6の雨滴検出精度を向上させる効果がある。
出装置6が、実際の自動車のフロントウィンドシールド
1に取り付けられる(車両への組付け)時に、温度検出
部10および雨滴検出部より検出される第2の温度デー
タおよび第2の出力データを、製造組付け時に記憶した
出力比率データ(第1のデータ)と、この第2の出力デ
ータおよび第2の温度データとを用いて補正して第2の
データ(雨滴判定基準値)として演算するために記憶す
る工程であり、図3に基づいて以下説明する。
データ(第1のデータ)が、フロントウィンドシールド
1を模したガラス面を持つ環境設定ベンチを用いて得た
温度特性データなので、実際の車両のフロントウィンド
シールド1に取付けられた状態にあった温度特性データ
とするために、第2のデータ(雨滴判定基準値)として
記憶するものである。
た第2のデータ(雨滴判定基準値)を用いて、市場にお
いて最初から確実に雨滴判定を正確に行うことができ
る。もし、市場において最初から雨天である場合には、
第2のデータ(雨滴判定基準値)の無い状態となって、
雨滴判定を行うことができなくなる。
られる場所は、屋内なので雨滴の検出対象部であるフロ
ントウィンドシールド1には、雨滴がない状態である。
先ず、最初のエンジン始動時にイグニッションスイッチ
(IG)オン信号を得る(ステップ61)。
よりの温度データ(第2の温度データ)とその温度デー
タに対応した雨滴検出部よりの出力データ(第2の出力
データ)を取り込み(ステップ62)、第2のデータ
(雨滴判定基準値)として、第2の温度データと雨滴検
出部よりの出力データとをE2PROM(記憶保持部)
11に記憶保持する(ステップ63)。
滴検出部の置かれた状況に応じた雨滴判定基準値とな
る。
始動時毎の定期的に、温度検出部10および雨滴検出部
より検出される温度データおよび出力データを、先工程
で記憶した第2のデータ(雨滴判定基準値)と置き換え
て記憶する工程であり、フロントウィンドシールド1の
雨滴付着表層面に雨滴付着が無い場合においてのみ、実
行される。この工程を、図4に基づいて以下説明する。
オンされてエンジンが始動される(ステップ71)。こ
のイグニッションスイッチ(IG)の信号を受けると、
イグニッションスイッチ(IG)オンの信号を合図に温
度データおよび出力データを取り込む(ステップ7
2)。
(第2のデータ)とにより、雨滴判定を行う(ステップ
73)。なお、雨滴判定の要領は後述する。次に、ステ
ップ73にて降雨状態でないと判断したときのみに雨滴
判定基準値(第2のデータ)の更新を実施する(ステッ
プ74)。
タと温度データを、先工程で記憶した第2のデータ(雨
滴判定基準値)と置き換えてE2PROM11へ記憶保
持する(ステップ75)。
D駆動回路13、LED(発光素子)8、フォトダイオ
ード(受光素子)9、検波・増幅回路14より構成され
る雨滴検出部の経時変化、およびフロントウィンドシー
ルド1の雨滴付着表層面の状態等により変化する雨滴検
出部の出力データに対応した雨滴判定基準値とすること
ができる。つまり、経時変化によるばらつきを補正して
雨滴検出部の置かれた最新の状況に応じた雨滴判定基準
値となる。
領を説明する。図5は、本発明の雨滴検出装置6の雨滴
判定要領を示すフローチャート図である。上記した要領
にて得られた雨滴判定基準値をもとに、雨滴判定を行う
工程を、図5を用いて以下説明する。雨滴判定の実行司
令は、例えばエンジンのスタート後の一定の時間間隔ご
とに連続して発令される。
より、最新の更新された雨滴判定基準値を読み込む(ス
テップ81)。次に、雨滴判定を行う司令を受けて温度
データおよび出力データを取り込む(ステップ82)。
そして、ステップ81での雨滴判定基準値とステップ8
2での温度データおよび出力データにより雨滴判定の演
算を行い雨滴有無の判断を行う(ステップ83)。
ウィンドシールド1表層面に雨滴が付着することによる
雨滴検出部の出力値の降下率と雨滴判断との関係を決め
ることで雨滴の付着有無判定をするものである。この雨
滴検出部の出力値の降下率は、雨滴判定基準値に対する
雨滴判定時の雨滴検出部よりの出力データ比率である。
そして、雨滴有無の判断により雨滴有りと判断した時に
は、雨滴付着量(雨滴検出部の出力値の降下率の程度)
に応じたワイパ作動モードが選択司令される(ステップ
84)。
6の温度特性補正例を説明する。図6は、雨滴検出部の
出力と温度検出部10の温度との関係を示す特性図であ
る。
保持される出力比率データは、以下の手順で演算され
る。
部の出力データとして3.85Vが得られたとする。次
に環境設定ベンチ温度を上昇させて、25℃時の出力デ
ータとして3.5V、更に40℃時の出力データとして
2.8Vが得られたとする。この温度特性データを図4
(イ)に示す。そして、このデータを用いて環境設定ベ
ンチにて各出力比率データ(第1のデータ)を演算す
る。
で3.85/3.5=1.1が得られ、25℃基準の4
0℃で2.8/3.5=0.8が得られる。ちなみに、
25℃において、出力比率データは1.0とする。そし
て、10℃より低い温度での温度特性は、25℃と10
℃の特性ライン上で補間計算され、40℃より高い温度
においては、25℃と40℃の特性ライン上で補間計算
される。
ロントウィンドシールド1に取り付け出力比率データ
(第1のデータ)を用いて、第2のデータ(雨滴判定基
準値)として記憶する工程を示す。但し、本説明では説
明の便宜上、製造時に得た温度特性データ時の温度点と
雨滴判定基準値の更新時に得られる温度データ点を同一
点(同一温度)で説明した。なお、製造時に得た温度特
性データ時の温度点以外である場合には、3点からなる
出力比率データにより補間計算される。
ロントウィンドシールド1に取り付け、雨滴検出装置6
より温度データ25℃とこの温度の出力データ3.4V
が得られたとする。この3.4Vの出力データとその時
の温度データ25℃を、第2のデータ(雨滴判定基準
値)としてE2PROM(記憶保持部)11に記憶保持
する。このデータポイントがA点(図6)である。
A点と出力比率データ(第1のデータ)とにより補正さ
れた雨滴判定基準値として、図6(ロ)で示すことがで
きる。具体的に、この図6(ロ)のラインは、 第2の
データである雨滴検出装置6より温度データ25℃時の
出力データ3.4Vをもとに出力比率データ(第1のデ
ータ)を用いて10℃点では3.4V×1.1=3.7
4V、40℃点では3.4V×0.8=2.72Vとし
て演算する。以上の過程で得られた雨滴判定基準値を基
に、雨滴判定が行われる。
付着表層面に雨滴付着が無い場合を、以下説明する。イ
グニッションスイッチがオンされてエンジンが始動し、
雨滴検出装置6より温度データ10℃とこの温度の出力
データ3.74Vが得られたとする。このデータを25
℃換算すると3.74V/1.1=3.4Vが得られ、
雨滴判定基準値(第2のデータ)は3.4V@25℃な
ので、雨滴検出部の出力効降下は(1−3.4/3.
4)×100=0%となる。ここで、例えば雨滴検出部
の出力値の降下率が2%以上は、雨滴付着有りと判断す
るアルゴリズムを設定しておけば、この場合、雨滴付着
無しと判断し、ワイパモータ駆動回路5にワイパ制御信
号が送信されず、ワイパモータ4を作動させない。
滴付着表層面に雨滴付着が無い状態であるので、雨滴判
定基準値(第2のデータ)は温度データ=10℃と出力
データ=3.74VとしてE2PROM11へ更新され
て記憶保持する。
付着表層面に雨滴付着が有る場合を、以下説明する。
ジンが始動し、雨滴検出装置6より温度データ40℃と
この温度の出力データ2.6Vが得られたとする。この
データを25℃換算すると2.6V/0.8=3.25
Vが得られ、一方、雨滴判定基準値(第2のデータ)を
25℃基準に変換すると、3.74V/1.1=3.4
Vとなるので、雨滴検出部の出力効降下は(1−3.2
5/3.4)×100=4.4%となる。ここで、例え
ば雨滴検出部の出力値の降下率が2%以上は、雨滴付着
有りと判断するアルゴリズムを設定しておけば、この場
合、雨滴付着有りと判断し、ワイパモータ駆動回路5に
ワイパ制御信号が送信されて、ワイパモータ4を作動さ
せる。
を自動的に検出してワイパモータ駆動回路5にワイパ制
御信号が送信され、その信号に基づきワイパモータ4を
作動させる。
用いれば、雨滴判定を行うための雨滴検出部の個々に異
なる温度特性が補正されるとともに経時変化によるばら
つきも補正されて、雨滴の付着を判定するので、高精度
に雨滴を検出し得る雨滴検出装置6を提供できる。
御装置に適用した例を示す構成図である。
特性データを記憶する工程を示すフローチャート図であ
る。
雨滴判定基準値を記憶する工程を示すフローチャート図
である。
すフローチャート図である。
ローチャート図である。
である。
Claims (9)
- 【請求項1】 雨滴検出部により検出対象部における雨
滴の付着を検出する雨滴検出方法であって、 前記雨滴検出部の温度特性を示す温度特性データを予め
記憶保持しておき、 雨滴判定時に、前記雨滴検出部よりの出力データと前記
温度特性データとに基づいて雨滴判定を行うことを特徴
とする雨滴検出方法。 - 【請求項2】 前記温度特性データは、前記雨滴検出部
の状態変化に応じて更新記憶されることを特徴とする請
求項1に記載の雨滴検出方法。 - 【請求項3】 雨滴判定時の環境温度によって決まる前
記温度特性データと、同じ雨滴判定時に検出した前記雨
滴検出部よりの出力データとの偏差に基づいて雨滴判定
を行うことを特徴とする請求項2に記載の雨滴検出方
法。 - 【請求項4】 雨滴検出部により検出対象部における雨
滴の付着を検出する雨滴検出装置であって、 前記雨滴検出部が置かれた環境温度を検出する温度検出
部と、 前記温度検出部よりの温度データと、この温度データに
対応した前記雨滴検出部の出力データとにより構成され
る温度特性データを予め記憶しておく記憶保持部と、 雨滴判定時に、前記温度検出部および前記雨滴検出部よ
り夫々温度データおよび出力データを検出し、これら温
度データおよび出力データと前記温度特性データとに基
づいて雨滴判定を行う演算手段とを備えたことを特徴と
する雨滴検出装置。 - 【請求項5】 前記温度特性データは、前記温度検出部
よりの複数の異なる温度データとそれらの温度データに
対応した前記雨滴検出部よりの出力データを含むことを
特徴とする請求項4に記載の雨滴検出装置。 - 【請求項6】 前記温度特性データは、前記温度検出部
よりの基準温度データに対応した前記雨滴検出部よりの
出力データと前記温度検出部よりの各温度データに対応
した前記雨滴検出部よりの出力データとの出力比率デー
タであることを特徴とする請求項4に記載の雨滴検出装
置。 - 【請求項7】 前記温度特性データは、前記雨滴検出装
置の製造組付け時に、予め前記記憶保持部に記憶してお
く前記出力比率データであることを特徴とする請求項6
に記載の雨滴検出装置。 - 【請求項8】 前記温度特性データは、前記雨滴検出部
の状態変化に応じて更新記憶される第2の温度データお
よびこの第2の温度データに対応した前記雨滴検出部よ
りの第2の出力データを含み、 前記第2の出力データは、前記第2の温度データと製造
組付け時に記憶される前記出力比率データとを用いて補
正するように構成されており、 かつ前記第2の温度データおよび前記第2の出力データ
は、雨滴検出装置を検出対象部に取付けた際に前記温度
検出部および前記雨滴検出部より検出されることを特徴
とする請求項6に記載の雨滴検出装置。 - 【請求項9】 前記演算手段は、前記温度特性データ
と、雨滴判定前時かつ前記検出対象部に雨滴付着無し時
における前記温度検出部よりの温度データおよびその温
度時における前記雨滴検出部よりの出力データとを用い
て雨滴判定を行うための雨滴判定基準となる雨滴判定基
準値を導く基準値換算部と、 前記雨滴判定基準値と、雨滴判定時における前記温度検
出部よりの温度データおよびその温度時における前記雨
滴検出部よりの出力データとを比較して雨滴判定を行う
雨滴判定部とにより構成されることを特徴とする請求項
7または請求項8に記載の雨滴検出装置。
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