JP2001349777A - 放射検出装置 - Google Patents
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Abstract
出の所望の感度特性や所望のダイナミックレンジを得
る。 【解決手段】 互いに対向する2つの電極部10,11
は、同じ構成の2つの変位部4,8の自由端にそれぞれ
固定される。変位部4,8は、異なる膨張係数を有する
異なる物質の互いに上下に重なった2つの層からなる。
変位部4は、赤外線吸収部12からの熱を受けて湾曲す
るが、変位部8は赤外線吸収部12からの熱は受けな
い。変位部4,8は、同時に成膜して作製できるよう
に、上下に重なることなく横に並んでいる。
Description
置などの放射検出装置に関し、特に、赤外線等の入射放
射を変位に変換し2つの電極間の静電容量(電気容量)
の変化として読み出す、いわゆる静電容量型の放射検出
装置に関するものである。
ば、米国特許第5,623,147号公報に開示された
放射検出装置が提案されている。
前記基板に支持された第1のバイメタルと、この第1の
バイメタルの他端部に固定された第1の電極部と、一端
部が前記基板に支持され前記第1のバイメタルと同一の
構成を有する第2のバイメタルと、この第2のバイメタ
ルの他端部に固定され前記第1の電極部と対向する第2
の電極部と、前記第1のバイメタルに熱的に結合される
とともに前記第2のバイメタルに熱的に実質的に結合さ
れない放射吸収膜とを備えている。前記第1及び第2の
バイメタルの各々は、膨張係数の異なる2層の膜からな
り、その2層の膜の重なり方向は基板の法線方向となっ
ている。前記第1のバイメタルと前記第2のバイメタル
とは、互いに平行に配置されている。そして、前記第1
及び第2のバイメタルは、基板の法線方向に互いに間隔
をあけて配置されており、基板の法線方向から見た場合
に互いにちょうど重なるように配置されている。
物体からの赤外線が赤外線吸収膜に入射すると、この赤
外線が赤外線吸収膜に吸収されて熱に変換され、この熱
に応じて第1のバイメタルが湾曲する。このとき、赤外
線吸収膜にて発生した熱は、第2のバイメタルには実質
的に伝わらないことから、第2のバイメタルは湾曲しな
いので、第1及び第2の電極部間の距離が入射した赤外
線の量に応じて変化する。したがって、第1及び第2の
電極部間の静電容量に基づいて、目標物体からの赤外線
を検出することができる。
装置では、第2の電極部が第1のバイメタルと同一の構
成を有する第2のバイメタルに固定されているので、理
想的には、環境温度が変化してその分第1のバイメタル
が変形しても、第2のバイメタルも同じ量だけ変形する
ことになるはずである。したがって、理想的には、環境
温度の変化によって第1及び第2の電極部の相対的な位
置関係は変化しないはずである。このため、第1及び第
2の電極部間の静電容量が変化せず、環境温度の影響を
受けずに目標物体からの赤外線を精度良く検出すること
ができるはずである。したがって、環境温度の影響を受
けないようにするために基板の温度制御を行う場合であ
っても、厳密な温度制御が必要なくなり、コストの低減
を図ることができるはずである。
では、実際に製造すると次のような問題が生ずることが
判明した。
ように、第1及び第2のバイメタルは、基板の法線方向
から見た場合に互いにちょうど重なるように配置されて
いる。したがって、前記従来の赤外線検出器の製造に際
しては、必然的に、基板上に一方のバイメタルを作製し
た後にその上に他方のバイメタルを作製することにな
り、両方のバイメタルを同時に作製することは不可能で
あった。このように、前記従来の赤外線検出器では、そ
の製造時に、第1のバイメタルの製造工程(バイメタル
を構成する2層の膜の形成工程)と第2のバイメタルの
製造工程とを別々に行わなければならなかった。
第2のバイメタルを別々の製造工程で作製せざるを得な
いことから、目標物体からの赤外線が入射していない場
合における第1及び第2の電極間の間隔(初期的な間
隔)を所望の間隔に設定することは困難であった。すな
わち、各バイメタルを構成する2層の膜は、熱容量を小
さくして応答性を高めるべく非常に薄く構成されること
から、成膜時の条件で定まる各膜のストレス(内部応
力)によって、基板に対して上方もしくは下方に湾曲す
る。各膜のストレスを定める成膜時の条件は、非常に微
妙であり、厳密に制御することは困難である。このた
め、第1及び第2のバイメタルが別々の製造工程で作製
されることから、第1のバイメタルの初期的な湾曲具合
と第2のバイメタルの初期的な湾曲具合とが異なってし
まい、第1及び第2の電極部間の間隔(あるいは位置関
係)を所望の間隔(あるいは位置関係)に設定すること
が困難である。その結果、前記従来の赤外線検出装置で
は、赤外線検出の所望の感度特性や所望のダイナミック
レンジを得ることができない。
電極部間の静電容量は第1及び第2の電極部間の間隔に
反比例することから、電極間隔が狭いほど、電極間の静
電容量が大きくなり、赤外線照射による温度変化に対す
る電極間の静電容量の変化も大きくなる。つまり、電極
間隔が狭いほど高感度の赤外線検出ができる。ただし、
電極部同士が接触してしまうと、それ以上電極間の容量
を増加させる変化が起き得ず、ダイナミックレンジが制
限されてしまうので、電極部同士は接触させてはならな
い。したがって、電極部同士が接触しない程度に電極部
間の間隔を極力狭く設定しておくことが好ましい。とこ
ろが、前記従来の赤外線検出装置では、前述したように
第1及び第2の電極間の間隔を所望の間隔に設定するこ
とが困難であるため、電極間隔が広がりすぎたり電極部
同士が接触したりして、赤外線検出の感度が低下した
り、ダイナミックレンジが制限されたりする。
述したように第1及び第2のバイメタルを別々の製造工
程で作製せざるを得ないことから、実際上、環境温度の
変化による電極部間の静電容量の変化を、必ずしも十分
に抑えることは困難である。すなわち、第1及び第2の
バイメタルを別々の製造工程で作製するので、第1のバ
イメタルと第2のバイメタルとで、バイメタルを構成す
る膜特性(膜厚など)を完全に同じにすることはできな
い。したがって、温度変化による湾曲の特性は膜特性
(膜厚など)によって変わるために、第1のバイメタル
と第2のバイメタルとで温度変化による湾曲の特性が異
なってしまう。このため、前記従来の赤外線検出装置で
は、実際上、環境温度の変化により電極部間の容量が変
化し、しかも、その変化量が比較的大きくなってしま
う。
もので、電極間の間隔を所望の間隔に設定することがで
き、放射検出の所望の感度特性や所望のダイナミックレ
ンジを得ることができる放射検出装置を提供することを
目的とする。
ない場合には、従来に比べて、環境温度の変化による電
極部間の静電容量の変化を一層抑えることができ、より
精度良く放射を検出することができる放射検出装置を提
供することを目的とする。
め、本発明の第1の態様による放射検出装置は、基体
と、該基体に支持された第1の変位部と、前記基体に支
持され前記第1の変位部と実質的に同じ構成を有し前記
第1の変位部と実質的に平行に配置された第2の変位部
と、前記第1の変位部に対して固定された第1の電極部
と、前記第2の変位部に対して固定され少なくとも一部
が前記第1の電極部と対向する第2の電極部と、放射を
吸収し前記第1の変位部に熱的に結合されるとともに前
記第2の変位部に熱的に実質的に結合されない放射吸収
部とを備え、前記第1の変位部及び第2の変位部の各々
は、異なる膨張係数を有する異なる物質の互いに重なっ
た少なくとも2つの層を有し、前記第1及び第2の電極
部間の静電容量に基づいて放射を検出する放射検出装置
において、前記第1及び第2の変位部における前記少な
くとも2つの層の重なり方向から見た場合に、前記第1
及び第2の変位部は互いに重ならないように配置された
ものである。
紫外線等の放射が放射吸収部に入射すると、この放射が
放射吸収部に吸収されて熱に変換され、この熱に応じて
第1の変位部が湾曲する。このとき、放射吸収部にて発
生した熱は、第2の変位部には実質的に伝わらないこと
から、第2の変位部は湾曲しないので、第1及び第2の
電極部間の距離が入射した赤外線の量に応じて変化す
る。したがって、第1及び第2の電極部間の静電容量に
基づいて、目標物体からの赤外線を検出することができ
る。
様であるが、前記第1の態様では、前記従来の赤外線検
出装置と異なり、第1及び第2の変位部における前記少
なくとも2つの層の重なり方向から見た場合に、前記第
1及び第2の変位部は互いに重ならないように配置され
ている。したがって、第1及び第2の変位部を同時に同
一の製造工程で作製することができる。つまり、例えば
第1及び第2の変位部がそれぞれ下側膜及び上側膜の2
層で構成される場合、第1及び第2の変位部の下側膜を
同時に形成することができ、その後、第1及び第2の変
位部の上側膜を同時に形成することができる。
同一の製造工程で第1及び第2の変位部を製造すること
ができるので、第1及び第2の変位部が各膜の成膜時の
ストレスによって初期的に湾曲したとしても、その湾曲
具合は第1の変位部と第2の変位部とで実質的に同じに
なる。したがって、第1及び第2の変位部が各膜の成膜
時のストレスによって初期的に湾曲したとしても、第1
及び第2の電極部間の初期的な間隔(あるいは位置関
係)は常にほぼ所望の間隔(あるいは位置関係)に設定
することができる。このため、前記第1の態様によれ
ば、放射検出の所望の感度特性や所望のダイナミックレ
ンジを得ることができる。なお、第1及び第2の変位部
を互いに近接させておくと、第1の変位部と第2の変位
部とで各膜の成膜時のストレスの差がより小さくなるの
で、好ましい。
ように同一の製造工程で第1及び第2の変位部を製造す
ることができるので、第1及び第2の変位部の膜特性
(膜厚など)の差がほとんどなくなり、第1の変位部と
前記第2の変位部とで温度変化による湾曲の特性の差
が、前記従来の赤外線検出装置に比べて小さくなる。こ
のため、前記第1の態様によれば、厳密な基体の温度制
御等を行わない場合には、前記従来の赤外線検出装置に
比べて、環境温度の変化による電極部間の容量の変化量
が小さくなり、より精度良く放射を検出することができ
る。なお、第1及び第2の変位部を互いに近接させてお
くと、第1及び第2の変位部の膜特性の差がより小さく
なるので、好ましい。
装置を用いる場合、当該放射検出装置を真空容器内に収
容したり、基体の温度を厳密に制御したりして、環境温
度の変化の影響を防止するようにしてもよい。この場
合、前記第2の変位部は、環境温度変化をキャンセルす
るように変位するという動作は行わなくなる。しかし、
この場合であっても、前記第2の変位部は、第1及び第
2の電極部間の間隔を常にほぼ所望の間隔に設定するこ
とができるという前述した利点を得るための手段として
作用し、その役割は大きい。
は、前記第1の態様において、前記放射吸収部が入射し
た放射の一部を反射する特性を有し、nを奇数、前記放
射の所望の波長域の中心波長をλ0として、前記放射吸
収部から実質的にnλ0/4の間隔をあけて配置され前
記放射を略々全反射する放射反射部を備えたものであ
る。
射反射部と反対側から放射が入射すると、入射した放射
は放射吸収部で一部吸収され、残りは放射反射部で反射
され放射吸収部で反射し再度放射反射部に入射する。こ
のため、放射吸収部と放射反射部との間で干渉現象が起
こり、両者の間隔が入射放射の所望の波長域の中心波長
の1/4の略奇数倍とされているので、放射吸収部での
放射吸収がほぼ最大となり、放射吸収部における放射の
吸収率が高まる。したがって、放射吸収部の厚みを薄く
してその熱容量を小さくしても、放射の吸収率を高める
ことができる。その結果、検出感度及び検出応答性の両
方を高めることができる。
(約1/3)にすると、放射吸収部における放射の吸収
率が一層高まるので、好ましい。
は、前記第2の態様において、前記放射反射部が前記第
1の電極部又は前記第2の電極部で兼用され、前記放射
吸収部が前記第1及び第2の電極部に対して前記重なり
方向に配置されたものである。
極部で兼用されるので、構造が簡単となる。また、放射
吸収部が電極部に対して前記重なり方向に配置されてい
るので、任意の一定領域内での放射吸収部や両電極部の
面積を大きくとることができ、放射に対する感度が向上
する。
は、前記第3の態様において、前記第1及び第2の電極
部並びに前記放射吸収部は、前記重なり方向に沿ったい
ずれか一方の側から、前記放射吸収部、前記第1の電極
部及び前記第2の電極部の順に並ぶか、あるいは、前記
放射吸収部、前記第2の電極部及び前記第1の電極部の
順に並び、前記第1の変位部は、その温度上昇に従って
前記第2の電極部が前記第1の電極部から遠ざかる方向
に変位するものである。
電極部並びに放射吸収部の並び順と第1の変位部の変位
方向を決めれば、第1及び第2の電極部間の静電容量は
第1及び第2の電極部間の間隔に反比例することから、
常温付近の赤外線放射に対して感度が高くなるとともに
高温付近の赤外線放射に対して感度が低くなる特性、い
わゆるニ−特性を持たせることができる。また、並び順
を放射吸収部、前記第1の電極部及び前記第2の電極部
の順にしておけば、放射吸収部が第1の電極部と熱的に
結合されしたがって機械的にも結合されているにもかか
わらず、放射吸収部が第2の電極部に接触するなどによ
り第1の変位部の変位量が制限を受けてしまうような事
態が防止され、それにより、検出のダイナミックレンジ
を極めて広くとることができる。
は、前記第1乃至第4のいずれかの態様において、前記
第1の電極部は、平面部と、当該平面部の周辺部分の少
なくとも一部に渡って、当該平面部から前記第2の電極
部と反対側に立ち上がるように形成された立ち上がり部
とを有し、前記第2の電極部は、平面部と、当該平面部
の周辺部分の少なくとも一部に渡って、当該平面部から
前記第1の電極部と反対側に立ち上がるように形成され
た立ち上がり部とを有するものである。
電極部は、それぞれ平面部の他に立ち上がり部を有して
いるので、当該立ち上がり部により補強されることとな
る。したがって、第1及び第2の電極部は、所望の強度
を確保しつつ、膜厚を薄くして低熱容量化を図ることが
できる。しかも、前記第5の態様では、第1の電極部の
立ち上がり部は第2の電極部の側と反対側に立ち上がる
とともに、第2の電極部の立ち上がり部は第1の電極部
と反対側に立ち上がっているので、立ち上がり部が第1
及び第2の電極部間の間隔を狭めるときの邪魔になるこ
とがない。このため、第1及び第2の電極間隔を狭くす
ることができ、それにより、放射検出の感度を高めるこ
とができる。
は、前記第1乃至第5のいずれかの態様において、前記
第1の電極部又は前記第2の電極部は絶縁膜からなる支
持枠を介して前記第1の変位部又は前記第2の変位部に
対して固定され、前記支持枠は、平面部と、当該平面部
の周辺部分の少なくとも一部に渡って、当該平面部から
立ち上がるように形成された立ち上がり部とを有するも
のである。
補強された支持枠が用いられているので、第1の電極部
又は前記第2の電極部の第1の変位部又は前記第2の変
位部に対する固定を高い強度で行うことができる。
は、前記第1乃至第6のいずれかの態様において、前記
第1の電極部と前記第2の電極部との間に絶縁膜を設け
たものである。
ば、第1及び第2の電極部間の間隔が狭くなった場合で
も両者の間の電気的なショートを防止することができ、
好ましい。なお、前記絶縁膜は、熱容量の点から面積が
小さいことが好ましく、例えば、点状の絶縁膜を複数箇
所程度散点的に設ければよい。
は、前記第1乃至第7のいずれかの態様において、前記
第1の変位部が第1の脚部を介して前記基体に支持さ
れ、前記第2の変位部が第2の脚部を介して前記基体に
支持され、前記第1の脚部の始点部と前記第1の脚部の
終点部との間の前記第1の脚部の長さ方向に沿った距離
と、前記第2の脚部の始点部と前記第2の脚部の終点部
との間の前記第2の脚部の長さ方向に沿った距離とが、
実質的に等しいものである。ここで、脚部の始点部と
は、脚部における基体からちょうど立ち上がり切った箇
所をいう。また、脚部の終点部とは、脚部における変位
部の始点である。
に等しくしておけば、第1及び第2の脚部がその成膜時
等のストレスにより初期的に湾曲していたとしても、第
1及び第2の脚部の終点部(したがって、第1及び第2
の変位部の始点部)での基体に対する高さと角度を互い
に等しくすることができ、好ましい。
は、前記第1乃至第7のいずれかの態様において、前記
第1の変位部が第1の脚部を介して前記基体に支持さ
れ、前記第2の変位部が第2の脚部を介して前記基体に
支持され、前記第2の脚部における前記始点部から前記
終点部までの長さが、前記第1の脚部における前記始点
部から前記終点部までの長さより短いか、あるいは実質
的にゼロであるものである。
成膜時等のストレスにより湾曲している場合に特に有効
であるのに対し、この第9の態様は、第1及び第2の脚
部が湾曲していない場合に特に有効である。第1及び第
2の脚部が湾曲していなければ、前記第8の態様のよう
に前記距離を等しくしなくても、第1及び第2の脚部の
終点部(したがって、第1及び第2の変位部の始点部)
での基体に対する高さと角度を互いに等しくすることが
できる。そこで、第1及び第2の脚部が湾曲していなけ
れば、前記第9の態様のように、第2の脚部の長さを短
くするか実質的にゼロにしておくと、基体上の第2の脚
部が占める領域が少なくなり、好ましい。
は、前記第1乃至第9のいずれかの態様において、前記
第1の変位部における前記第1の変位部の始点部から前
記第1の変位部の終点部までの長さと、前記第2の変位
部における前記第2の変位部の始点部から前記第2の変
位部の終点部までの長さとが、実質的に等しいものであ
る。ここで、変位部の始点部とは、複数層の平坦な膜か
らなる変位部の基体側の端点をいう。また、変位部の終
点部とは、複数層の平坦な膜からなる変位部の電極部側
の端点をいう。
しくしておけば、目標物体からの放射が入射していない
初期状態において、基体に対する第1及び第2の変位部
の終点部の角度が等しくなり、好ましい。
は、前記第10の態様において、前記第1及び第2の変
位部の幅方向から見た場合の、前記第1の変位部の始点
部の位置と前記第2の変位部の始点部の位置とが、実質
的に同一であるものである。
にしておくと、目標物体からの放射が入射していない初
期状態において、基体に対する第1及び第2の変位部の
高さも等しくなる。したがって、環境温度の変化によっ
て第1及び第2の電極部の相対的な位置関係はほとんど
変化しなくなり、好ましい。
は、前記第1乃至第10のいずれかの態様において、前
記第1及び第2の変位部の幅方向から見た場合の、前記
第1の変位部の始点部の位置と前記第2の変位部の始点
部の位置とが、前記第1の電極部と第2の電極部との間
の間隔が狭まるように、ずらされたものである。
変位部の始点部の位置をずらせば、第1の電極部と第2
の電極部との間の間隔を極力狭くすることができ、それ
により、放射検出の感度を高めることができる。
は、前記第1乃至第12のいずれかの態様において、前
記第1の変位部が第1の脚部を介して前記基体に支持さ
れ、前記第2の変位部が第2の脚部を介して前記基体に
支持され、前記第1及び第2の脚部と、前記第1及び第
2の変位部と、前記第1の電極部と、前記第2の電極部
と、前記放射吸収部とが、前記重なり方向にそれぞれ空
間を隔てて所定の順序で配置されたものである。
の脚部と、第1及び第2の変位部と、第1の電極部と、
第2の電極部と、放射吸収部とが、いわば上下に積み上
げられているので、任意の一定領域内での放射吸収部や
両電極部の面積を大きくとることができ、放射に対する
感度が向上する。また、この第13の態様のような積み
上げ構造を採用すると、横方向へ拡がらなくなるので、
構造体全体のバランスが良くなり、機械的な強度の高い
構造を実現すると同時に、開口率を向上することができ
る。
記第1及び第2の変位部、前記第1及び第2の電極部、
並びに前記放射吸収部を1個の素子(画素に相当)とし
て当該素子を複数個有し、当該素子が1次元状又は2次
元状に配列されていてもよい。この場合には、当該放射
検出装置は放射による像を撮像する撮像装置を構成する
ことになる。勿論、前記第1乃至第13の態様では、単
に放射を検出する場合には、1個の素子のみを有してい
ればよい。
した例について説明するが、本発明では、放射を赤外線
以外のX線や紫外線やその他の種々の放射としてもよ
い。
射検出装置の単位画素(単位素子)を示す概略平面図で
ある。なお、図1において、本来破線(隠れ線)となる
べき線も実線で示し、また、段差等を表す線については
省略している。また、説明の便宜上、図1に示すよう
に、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸を定義する。
断面図、図3は図1中のX3−X4線に沿った概略断面
図、図4は図1中のX5−X6線に沿った概略断面図、
図5は図1中のX7−X8線に沿った概略断面図、図6
は図1中のX17−X18線に沿った概略断面図、図7
は図1中のX19−X20線に沿った概略断面図、図8
は図1中のY1−Y2線に沿った概略断面図、図9は図
1中のY3−Y4線に沿った概略断面図である。図面に
は示していないが、図1中のX9−X10線に沿った概
略断面図は図5と同様となり、図1中のX11−X12
線に沿った概略断面図は図4と同様となり、図1中のX
13−X14線に沿った概略断面図は図3と同様とな
り、図1中のX15−X16線に沿った概略断面図は図
2と同様となる。
が、配線層31〜34,41〜44を省略するととも
に、切断すべき断面を示すA1−A16線を付したもの
である。図11は、図10中のA1−A16線に沿った
概略断面図である。図11においても、配線層31〜3
4,41〜44は省略されている。図10中の各位置A
2〜A15と図11中の各位置A2〜A15とは、それ
ぞれ同一の位置を示している。
としての赤外線iを透過させるSi基板等の基板1(そ
の面はXY平面と平行である。)と、基板1からZ軸方
向(上下方向)に立ち上がり基板1とほぼ平行に延びた
2つの第1の脚部2,3と、第1の脚部2,3をそれぞ
れ介して基板1に支持された2つの第1の変位部4,5
と、基板1からZ軸方向に立ち上がり基板1とほぼ平行
に延びた2つの第2の脚部6,7と、第2の脚部6,7
をそれぞれ介して基板1に支持された2つの第2の変位
部8,9と、第1の変位部4,5に対して固定された第
1の電極部(以下、「応答電極部」という。)10と、
第2の変位部8,9に対して固定され少なくとも一部が
応答電極部10とZ軸方向に間隔をあけて対向する第2
の電極部(以下、「基準電極部」という。)11と、赤
外線iを吸収し第1の変位部4,5に熱的に結合される
とともに第2の変位部8,9に熱的に実質的に結合され
ない赤外線吸収部12とを備えている。なお、本実施の
形態では、赤外線iは基板1を透過しないで入射される
ので、基板1は赤外線iを透過させる材料で構成しなく
てもよい。
中の左右に関して左右対称に構成され、脚部3,7及び
変位部5,9はそれぞれ脚部2,6及び変位部4,8に
相当しているので、脚部3,7及び変位部5,9の説明
は省略する。本実施の形態では、機械的な構造の安定性
を得るために、2つの脚部及び2つの変位部からなる組
を2つ設けているが、本発明では当該組は1つ以上であ
ればよい。
れ、本実施の形態ではSiN膜で構成されている。脚部
2と脚部6とは、それらを構成する膜の材料のみなら
ず、幅及び厚さ等も同一とされている。図1中、2a,
6aは、脚部2,6における基板1上へのコンタクト部
をそれぞれ示している。基板1と略平行な脚部2,6の
平面部2b,6bは、図1に示すように、それぞれ長さ
方向を主にX軸方向として延びるL字状に構成されてい
る。図2〜図5、図8に示すように、脚部2,6はそれ
ぞれ、平面部2b,6bの周辺部分のほぼ全体に渡って
平面部2b,6bからほぼZ軸方向に沿って基板1の側
へ立ち上がるように形成された立ち上がり部2c,6c
と、立ち上がり部2c,6cの端部から側方に外側にわ
ずかに延びた水平部2d,6dと、を有している。水平
部2d,6dは取り除いておいてもよい。平面部2b,
6bが立ち上がり部2c,6cによって補強されるの
で、平面部2b,6bの所望の強度を確保しつつ、平面
部2b,6bの膜厚を薄くすることができる。このた
め、脚部2,6の強度不足による変形を防止しつつ、脚
部2,6の断熱性を高めることができる。脚部2の断熱
性を高めることができるので、変位部4の変位量が入射
赤外線量を精度良く反映したものとなり、赤外線検出の
S/Nを高めることができる。
下方向)に互いに重なった2つの膜21,22で構成さ
れ、それらの一方端部が脚部2,6の先端部分にそれぞ
れ接続されて支持されることにより、それぞれカンチレ
バーを構成しており、基板1上に浮いた状態に支持され
ている。変位部4,8は、それぞれX軸方向に延びてお
り、互いに平行に配置されている。そして、図1に示す
ように、本実施の形態では、変位部4,8は、膜21,
22の重なり方向(Z軸方向)から見た場合に、互いに
重ならないように配置されている。
数を有する異なる物質で構成されており、変位部4,8
は、いわゆるバイモルフ構造(bi-material elementと
もいう。)を構成している。したがって、変位部4,8
は、熱を受けると、その熱に応じて、下側の膜21の膨
張係数が上側の膜22の膨張係数より小さい場合には下
方に、逆の場合には上方に湾曲して傾斜する。本実施の
形態では、下側の膜21はSiN膜で構成され、上側の
膜22はAl膜(その膨張係数はSiN膜の膨張係数よ
り大きい)で構成され、変位部4,8は、熱を受けて温
度上昇すると、その熱に応じて下方に湾曲して傾斜する
ようになっている。変位部4を構成する膜21,22と
変位部5を構成する膜21,22とは、それぞれ、その
材料のみならず、幅、長さ及び厚さも同一とされてい
る。
N膜21は、脚部3を構成するSiN膜がそのまま連続
して延びることにより形成されている。同様に、変位部
8の下側のSiN膜21は、脚部3を構成するSiN膜
がそのまま連続して延びることにより形成されている。
で構成され、その一部が変位部4,5の自由端部(脚部
2,3に接続された端部と反対側の端部)に対してそれ
ぞれ固定されることにより、基板1上に浮いた状態に支
持されている。本実施の形態では、図1、図5及び図6
に示すように、変位部4,5の自由端部から変位部4,
5の下側のSiN膜21がそのまま連続して延びた部分
の上に、応答電極部10を構成するAl膜の一部がそれ
ぞれ重なることによって、応答電極部10が変位部4,
5の自由端にそれぞれ固定されている。
うに、基板1と略平行な平面部10aと、平面部10a
の周辺部分のほぼ全体に渡って平面部10aからほぼZ
軸方向に沿って基板1の側へ立ち上がるように形成され
た立ち上がり部10bと、立ち上がり部10bの端部か
ら側方に外側にわずかに延びた水平部10cと、を有し
ている。水平部10cは取り除いておいてもよい。平面
部10aが立ち上がり部10bによって補強されるの
で、平面部10aの所望の強度を確保しつつ、平面部1
0aの膜厚を薄くすることができる。
膜からなる支持枠13を介して、変位部8,9の自由端
部(脚部6,7に接続された端部と反対側の端部)に対
してそれぞれ固定されることにより、応答電極部10の
上方に間隔をあけて対向するように配置されている。
示すように、変位部8,9の自由端部から変位部8,9
の下側のSiN膜21がそのまま連続して延びることに
より形成され、応答電極部10の周囲に沿って略々コ字
状に配置されている。支持枠13は、基板1と略平行な
平面部13aと、平面部13aの周辺部分のほぼ全体に
渡って平面部13aからほぼZ軸方向に沿って基板1の
側へ立ち上がるように形成された立ち上がり部13b
と、立ち上がり部13bの端部から側方に外側にわずか
に延びた水平部13cと、を有している。水平部13c
は取り除いておいてもよい。平面部13aが立ち上がり
部13bによって補強されるので、平面部13aの所望
の強度を確保しつつ、平面部13aの膜厚を薄くするこ
とができる。
で構成され、図6、図7及び図9に示すように、基板1
と略平行な平面部11aと、平面部11aの周辺部分の
ほぼ全体に渡って平面部11aからほぼZ軸方向に沿っ
て応答電極部10と反対の側へ立ち上がるように形成さ
れた立ち上がり部11bと、立ち上がり部11bの端部
から側方に外側にわずかに延びた水平部11cと、を有
している。水平部11cは取り除いておいてもよい。平
面部11aが立ち上がり部11bによって補強されるの
で、平面部11aの所望の強度を確保しつつ、平面部1
1aの膜厚を薄くして低熱容量化を図ることができる。
しかも、基準電極部11の立ち上がり部11bが応答電
極部10の側と反対側に立ち上がるとともに、応答電極
部10の立ち上がり部10bが基準電極部11の側と反
対側に立ち上がっているので、立ち上がり部10a,1
1aが電極部10,11間の間隔を狭めるときの邪魔に
なることがない。このため、電極10,11間の間隔を
狭くすることができ、それにより、赤外線検出の感度を
高めることができる。
うに、平面部11aの4箇所の部分が接続部14を介し
て支持枠13の平面部13aに固定され、これにより、
支持枠13を介して変位部8,9の自由端部に対してそ
れぞれ固定されている。接続部14は、基準電極部11
を構成するAl膜がそのまま延びることにより形成され
ている。
10,11間には、両者の接触による電気的なショート
を防止するための絶縁膜15が設けられている。本実施
の形態では、絶縁膜15として、点状のSiN膜が応答
電極部10上に複数箇所に散点的に形成されている。こ
のように絶縁膜15の面積が全体として小さくなってい
るので、熱容量が小さくなり好ましい。
脚部2,6のコンタクト部2a,6a付近の下側にそれ
ぞれ拡散層16,17が形成されている。図1〜図5、
図8に示すように、脚部2上には、拡散層16と変位部
4の上側のAl膜22との間を電気的に接続する配線層
31が形成されている。コンタクト部2aには開口が形
成され、この開口を介して配線層31が拡散層16と電
気的に接続されるようになっている。また、図1及び図
5に示すように、配線層32により、変位部4の上側の
Al膜22と応答電極部10との間が電気的に接続され
ている。以上により、拡散層16と応答電極部10との
間が電気的に接続されている。
に、脚部6上には、拡散層17と変位部8の上側のAl
膜22との間を電気的に接続する配線層33が形成され
ている。コンタクト部6aには開口が形成され、この開
口を介して配線層33が拡散層17と電気的に接続され
るようになっている。また、図1、図4〜図6、図8に
示すように、配線層34により、変位部8の上側のAl
膜22と1つの接続部14との間が電気的に接続されて
いる。以上により、拡散層17と基準電極部11との間
が電気的に接続されている。
4にそれぞれ相当する配線層41〜44が、脚部3,7
及び変位部5,9に関連して形成されている。なお、配
線層31〜34,41〜44の材料としては、導電性が
ありかつ比較的熱伝導率の低いTi等の材料を用いるこ
とが好ましい。
射する特性を有する所定厚さのSiN膜で構成されてい
る。赤外線吸収部12の赤外線反射率は、約33%であ
ることが好ましい。赤外線吸収部12は、図7及び図9
に示すように、基板1と略平行な平面部12aと、平面
部12aの周辺部分のほぼ全体に渡って平面部12aか
らほぼZ軸方向に沿って基板1側へ立ち上がるように形
成された立ち上がり部12bと、立ち上がり部12bの
端部から側方に外側にわずかに延びた水平部12cと、
を有している。水平部12cは取り除いておいてもよ
い。平面部12aが立ち上がり部12bによって補強さ
れるので、平面部12aの所望の強度を確保しつつ、平
面部12aの膜厚を薄くすることができる。
ように、平面部12aの4箇所の部分が接続部19を介
して応答電極部10の平面部10aに固定され、基準電
極部11の上方に配置されている。したがって、本実施
の形態では、赤外線吸収部12は接続部19及び応答電
極部10を介して、変位部4に熱的に結合されている。
なお、接続部19は、赤外線吸収部12を構成するSi
N膜がそのまま延びることにより形成されている。
線iの所望の波長域の中心波長をλ 0として、赤外線吸
収部12と基準電極部11との間の間隔L1が実質的に
nλ 0/4となるように、配置されている。例えば、λ
0を10μm、nを1として、間隔L1を約2.5μm
に設定すればよい。本実施の形態では、基準電極部11
が赤外線iを略々全反射する赤外線反射部として兼用さ
れ、赤外線吸収部12及び基準電極部11がオプティカ
ルキャビティー構造を構成している。もっとも、本発明
では、このような赤外線反射部は基準電極部11とは別
に設けてもよい。また、本発明では、赤外線吸収部12
に代わる赤外線吸収部として例えば金黒等を用い、この
金黒等を応答電極部10の下面に形成し、基板1の裏側
から赤外線iを入射させてもよい。
よる放射検出装置では、変位部4,5,8,9、脚部
2,3,6,7、応答電極部10、基準電極部11及び
放射吸収部12を単位素子(画素)として、この画素が
基板1上に1次元状又は2次元状に配置されている。ま
た、基板1には、拡散層16,17の他、図面には示し
ていないが、各画素の拡散層16,17間の静電容量
(すなわち、電極部10,11間の静電容量)を読み出
す読み出し回路が形成されている。
製造方法の一例について、図12乃至図26を参照して
説明する。
製造方法の各工程をそれぞれ模式的に示す概略平面図で
ある。図13は、図12中のY5−Y6線に沿った概略
断面図である。図15は、図14中のX1’−X2’線
に沿った概略断面図である。図24は図23中のX1
7’−X18’線に沿った概略断面図、図25は図23
中のX19’−X20’線に沿った概略断面図、図26
は図23中のY1’−Y2’線に沿った概略断面図であ
る。これらの図では、1画素分のみについて示してい
る。
回路が形成されたSi基板1を用意し、図12及び図1
3に示すように、Si基板1上の全面に犠牲層となるレ
ジスト51を塗布し、このレジスト51に、脚部2,6
のコンタクト部2a,6a及び脚部3,7のコンタクト
部に応じた開口51aをフォトリソグラフィーにより形
成する。
上の全面にスピンコート法等により犠牲層としてのポリ
イミド膜52を被着させ、脚部2,3,6,7の平面
部、支持枠13の平面部及び応答電極部10の平面部に
応じた部分のみのポリイミド膜52を島状に残すよう
に、ポリイミド膜52の他の部分(開口51aの部分も
含む)をフォトリソエッチング法により除去する(図1
4及び図15)。
5,8,9の下側の膜21及び支持枠13となるべきS
iN膜53をP−CVD法等によりデポした後、フォト
リソエッチング法によりパターニングし、脚部2,3,
6,7、変位部4,5,8,9の下側の膜21及び支持
枠13の形状とする(図16)。このとき、SiN膜5
3のパターニングによって残す領域を、ポリイミド膜5
2と重なりかつポリイミド膜52の大きさよりも大きく
することによって、平面部、基板1側に立ち上がった立
ち上がり部及び水平部が形成されることとなる。
8,9の上側の膜22となるべきAl膜54を蒸着法等
によりデポした後、フォトリソエッチング法によりパタ
ーニングし、応答電極部10、変位部4,5,8,9の
上側の膜22の形状とする(図17)。このとき、Al
膜54のパターニングによって残す領域を、ポリイミド
膜52と重なりかつポリイミド膜52の大きさよりも大
きくすることによって、応答電極部10の平面部、基板
1側に立ち上がった立ち上がり部及び水平部が形成され
ることとなる。
a及び脚部3,7のコンタクト部における配線層31,
33,41,43の接続用開口となるべき開口を、フォ
トリソエッチング法によりSiN膜53に形成する。次
いで、配線層31〜34,41〜44となるべきTi膜
55を蒸着法等によりデポした後、フォトリソエッチン
グ法によりパターニングし、配線層31〜34,41〜
44の形状とする。また、絶縁膜15となるべきSiN
膜56をP−CVD法等によりデポした後、フォトリソ
エッチング法によりパターニングし、絶縁膜15の形状
とする(図18)。
にスピンコート法等により犠牲層となるポリイミド膜5
7を被着させ、このポリイミド膜57に、接続部14,
19にそれぞれ応じた開口57a,57bをフォトリソ
エッチング法により形成する(図19)。なお、図19
では、ポリイミド膜57で隠れて隠れ線(破線)となる
べき線も実線で示している。図24〜図26も参照され
たい。
犠牲層となるレジスト58を塗布し、このレジスト58
に、基準電極部11の平面部に応じた開口58aをフォ
トリソエッチング法により形成すると同時に、開口57
b内に入っていたレジスト58も除去する(図20)。
このとき、開口57a内に入っていたレジスト58も除
去されることになる。なお、図20では、レジスト58
で隠れて隠れ線(破線)となるべき線も実線で示してい
る。図24〜図26も参照されたい。
なるべきAl膜59を蒸着法等によりデポした後、フォ
トリソエッチング法によりパターニングし、基準電極部
11の形状とする(図21)。このとき、Al膜54の
パターニングによって残す領域を、レジスト58の開口
58aの大きさよりも大きくすることによって、基準電
極部11の平面部、基板1と反対側に立ち上がった立ち
上がり部及び水平部が形成されることとなる。なお、図
24〜図26も参照されたい。
スピンコート法等により犠牲層となるポリイミド膜60
を被着させ、開口57b内に入ったポリイミド膜60を
フォトリソエッチング法により除去する。次いで、この
状態の基板上の全面に犠牲層となるレジスト61を塗布
し、赤外線吸収部12の平面部に応じた部分のみのレジ
スト61を島状に残すように、レジスト61の他の部分
(開口57bの部分も含む)をフォトリソエッチング法
により除去する(図22)。
となるべきSiN膜62をP−CVD法等によりデポし
た後、フォトリソエッチング法によりパターニングし、
赤外線吸収部12の形状とする(図23〜図26)。こ
のとき、SiN膜62のパターニングによって残す領域
を、レジスト61と重なりかつレジスト61の大きさよ
りも大きくすることによって、平面部、基板1側に立ち
上がった立ち上がり部及び水平部が形成されることとな
る。
どによりチップ毎に分割し、全ての犠牲層、すなわち、
レジスト51,58,61及びポリイミド膜52,5
7,60をアッシング法などにより除去する。これによ
り、図1乃至図11に示す放射検出装置が完成する。
7、図9及び図11に示すように目標物体からの赤外線
iが上方から入射すると、入射した赤外線iは赤外線吸
収部12で一部吸収され、残りは赤外線反射部として兼
用される基準電極部11で反射され赤外線吸収部12で
反射し再度基準電極部11に入射する。このため、赤外
線吸収部12と基準電極部11との間で干渉現象が起こ
り、両者の間隔L1が入射赤外線iの所望の波長域の中
心波長の1/4の略奇数倍とされているので、赤外線吸
収部12での赤外線吸収がほぼ最大となり、赤外線吸収
部12における赤外線の吸収率が高まる。したがって、
赤外線吸収部12の厚みを薄くしてその熱容量を小さく
しても、赤外線の吸収率を高めることができる。その結
果、検出感度及び検出応答性の両方を高めることができ
る。
9及び応答電極部10を介して変位部4,5に伝わり、
この熱に応じてカンチレバーを構成している変位部4,
5が下方に湾曲して傾斜する。このため、応答電極部1
0が、入射した赤外線iの量に応じた量だけ傾く。この
とき、赤外線吸収部12で発生した熱は、変位部8,9
に伝わらないことから、変位部8,9は湾曲しないの
で、応答電極部10と基準電極部11との間の距離が、
入射した赤外線iの量に応じた量だけ変化する。これに
より、応答電極部10と基準電極部11との間の静電容
量の値が変化し、入射赤外線量を拡散層16,17間か
ら静電容量の変化として検出することができる。本実施
の形態では、前述したように、拡散層16,17はその
静電容量を読み出す読み出し回路に接続され、単位画素
が1次元状又は2次元状に配置されており、前記読み出
し回路から赤外線画像信号が得られるようになってい
る。
4,5と第2の変位部8,9とは、膜21,22の重な
り方向(Z軸方向)から見た場合に、互いに重ならない
ように配置されている。したがって、図16を参照して
説明したように第1の変位部4,5の下側膜21と第2
の変位部8,9の下側膜21とを同時に形成することが
でき、その後、第1の変位部4,5の上側膜22と第2
の変位部8,9の上側膜22とを同時に形成することが
できる。
位部8,9とを同時に製造することができるので、第1
の変位部4,5及び第2の変位部8,9が各膜21,2
2の成膜時のストレスによって初期的に湾曲したとして
も、その湾曲具合は第1の変位部4,5と第2の変位部
8,9とで実質的に同じになる。したがって、第1の変
位部4,5及び第2の変位部8,9が各膜21,22の
成膜時のストレスによって初期的に湾曲したとしても、
基準電極部11と応答電極部10との間の初期的な間隔
(あるいは位置関係)は常にほぼ所望の間隔(あるいは
位置関係)に設定することができる。このため、本実施
の形態によれば、赤外線検出の所望の感度特性や所望の
ダイナミックレンジを得ることができる。この点につい
ては、図27及び図28を参照して後述する。
点部P1(図2参照)のXZ位置(Y軸方向(変位部
4,8の幅方向に相当)から見た位置)と、脚部6の始
点部P11(図3参照)のXZ位置とは、一致してい
る。脚部2の終点部(=変位部4の始点部)P2(図5
参照)のXZ位置と、脚部6の終点部(=変位部8の始
点部)P12(図4参照)のXZ位置とは、一致してい
る。したがって、脚部2の始点部P1から終点部P2ま
での脚部2の長さ方向の距離(脚部2の幅方向(Y軸方
向)から見た場合の、始点部P1から終点部P2までの
脚部2に沿った距離)と、脚部6の始点部P11から終
点部P12までの脚部6の長さ方向の距離(脚部6の幅
方向(Y軸方向)から見た場合の、始点部P11から終
点部P12までの脚部6に沿った距離)とは、等しくな
っている。また、変位部4の始点部P2から変位部4の
終点部P3(図5参照)までの変位部4の長さと、変位
部8の始点部P12から変位部8の終点部P13(図4
参照)までの変位部8の長さとは、等しくなっている。
以上の点は、脚部3,7及び変位部5,9についても同
様である。
形態による放射検出装置の初期的な状態(目標物体から
の赤外線iが入射していない状態)の一例をモデル化し
たものを示している。図27(a)は、Y軸方向から見
た脚部2、変位部4及び応答電極部10を簡略化して示
している。図27(b)は、Y軸方向から見た脚部6、
変位部8及び基準電極部11を簡略化して示している。
図27(c)は、Y軸方向から見た脚部2,6、変位部
4,8及び電極部10,11を簡略化して示しており、
図27(a)(b)を重ね合わせたものに相当してい
る。ただし、本実施の形態では、図1に示すように、脚
部2,6が変位部4,8に対してそれぞれ折り返したよ
うに配置されているが、図27では、脚部2,6が変位
部4,8に対して真っ直ぐ延ばしたような状態に、等価
的に変換している。図27に示す例では、脚部2,6が
基板1と平行に延びているとともに、変位部4,8は初
期的に基板1と平行になっている。
置の初期的な状態の他の例をモデル化したものを示して
いる。図28(a)〜(c)は図27(a)〜(c)に
それぞれ対応している。図28に示す例では、変位部
4,8が各膜21,22の成膜時のストレスによって初
期的に上方に湾曲している状態を示している。前述した
ように、変位部4,8を同時に製造することができるの
で、図28に示すように、変位部4,8の初期状態の湾
曲具合は変位部4と変位部8とで同じになっている。
に、変位部4,8が各膜21,22の成膜時のストレス
によって初期的に湾曲したとしても、基準電極部11と
応答電極部10との間の初期的な間隔は、同じとなって
いる。このことは、変位部4,,8が各膜21,22の
成膜時のストレスによって初期的に湾曲したとしても、
基準電極部11と応答電極部10との間の初期的な間隔
は常にほぼ所望の間隔に設定することができることを意
味している。このため、本実施の形態によれば、赤外線
検出の所望の感度特性や所望のダイナミックレンジを得
ることができるのである。また、本実施の形態では、各
画素間における基準電極部11と応答電極部10との間
の初期的な位置関係のばらつきも軽減することができ
る。
が第1の変位部4,5と同一の構成を有する第2の変位
部8,9に固定されているので、環境温度が変化してそ
の分第1の変位部4,5が変形しても、第2の変位部
8,9も同じ量だけ変形することになる。したがって、
環境温度の変化によって基準電極部11及び応答電極部
10間の相対的な位置関係は変化しない。このため、電
極部10,11間の静電容量が変化せず、環境温度の影
響を受けずに目標物体からの赤外線iを精度良く検出す
ることができる。したがって、環境温度の影響を受けな
いようにするために基板の温度制御を行う場合であって
も、厳密な温度制御が必要なくなり、コストの低減を図
ることができる。
ように同一の製造工程で第1の変位部4,5及び第2の
変位部8,9を製造することができるので、第1の変位
部4,5及び第2の変位部8,9の膜特性(膜厚など)
の差がほとんどなくなり、第1の変位部4,5と第2の
変位部8,9とで温度変化による湾曲の特性の差が、前
記従来の赤外線検出装置に比べて小さくなる。このた
め、本実施の形態によれば、厳密な基板1の温度制御等
を行わない場合には、前記従来の赤外線検出装置に比べ
て、環境温度の変化による電極部10,11間の容量の
変化量が小さくなり、より精度良く放射を検出すること
ができる。
置を用いる場合、当該放射検出装置を真空容器内に収容
したり、基体の温度を厳密に制御したりして、環境温度
の変化の影響を防止するようにしてもよい。
うに、膜21,22の重なり方向(Z軸方向)に沿った
基板1と反対の側から、放射吸収部12、基準電極部1
1及び応答電極部10の順に並び、第1の変位部4は、
その温度上昇に従って応答電極部10が基準電極部11
から遠ざかる方向(図11中の矢印の方向)に変位する
ように構成されている。したがって、電極部10,11
間の静電容量は電極部間の間隔に反比例することから、
ニ−特性を持たせることができる。
に、図28に示すように、脚部2の始点部P1から終点
部P2までの脚部2の長さ方向の距離と、脚部6の始点
部P11から終点部P12までの脚部6の長さ方向の距
離とが、等しくなっている。このため、図29に示すよ
うに、第1の脚部2及び第2の脚部6がその成膜時等の
ストレスにより初期的に湾曲していたとしても、第1及
び第2の脚部の終点部(=第1の脚部2及び第2の脚部
6の始点部)P2,P12での基板1に対する高さと角
度を互いに等しくすることができ、好ましい。
検出装置の初期的な状態の更に他の例をモデル化したも
のを示している。図29(a)〜(c)は図27(a)
〜(c)にそれぞれ対応している。
30に示すように変形してもよい。図30は、本実施の
形態を変形した放射検出装置の初期的な状態の例をモデ
ル化したものを示している。図30(a)〜(c)は図
28(a)〜(c)にそれぞれ対応している。図28に
示す場合には、電極部10,11間の間隔は、図24及
び図25中の犠牲層57の厚さと等しくなり、犠牲層5
7の厚さより狭めることはできない。これに対し、第1
の変位部2の始点部P2のXZ位置と第2の変位部6の
始点部P12のXZ位置とが、電極部10,11間の間
隔が狭まるようにずらされている。この場合、電極部1
0,11間の間隔を犠牲層57厚さより狭めることがで
き、それにより、赤外線検出の感度を高めることができ
る。
に示すように変形してもよい。図31は、本実施の形態
を変形した放射検出装置の初期的な状態の例をモデル化
したものを示している。図31(a)〜(c)は図28
(a)〜(c)にそれぞれ対応している。図28の場合
のように脚部2,6が基板1と平行である場合には、図
31に示すように、脚部6の長さを実質的にゼロにして
も同じ効果が得られる。脚部2の長さをゼロにすれば、
放射吸収部12で発生し変位部2へ伝動した熱が基板1
へ逃げやすくなって好ましくないが、脚部6の長さを実
質的にゼロにしてもそのような不都合は生じない。図3
1に示すように、脚部6の長さを実質的にゼロにすれ
ば、基板1上の第2の脚部6が占める領域が少なくな
り、好ましい。
た放射検出装置の具体例を、本発明の第2の実施の形態
として以下に説明する。
る放射検出装置を示す概略平面図である。図33は図3
2中のX33−X34線に沿った概略断面図、図34は
図32中のY11−Y12線に沿った概略断面図であ
る。これらの図面において、図1乃至図11中の要素と
同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複す
る説明は省略する。
1−X32線に沿った概略断面図は図2と同様となり、
図32中のX35−X36線に沿った概略断面図は図4
と同様となり、図1中のX13−X14線に沿った概略
断面図は図5と同様となり、図32中のX37−X38
線に沿った概略断面図は図5と同様となり、図32中の
X39−X40線に沿った概略断面図は図33と同様と
なり、図32中のX41−X42線に沿った概略断面図
は図2と同様となる。
なる所は、脚部6,7の長さが実質的にゼロとされ、脚
部2,3が変位部8,9にそれぞれ隣接するように配置
されている点のみである。図32を図1と比較すればわ
かるように、本実施の形態では、1画素分の領域のY方
向の幅が狭くなっている。
る放射検出装置を示す概略断面図であり、図11に対応
している。図35において、図1乃至図11中の要素と
同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複す
る説明は省略する。
なる所は、主に以下に説明する点である。すなわち、本
実施の形態では、膜21,22の重なり方向(Z軸方
向)に沿った基板1と反対の側から、放射吸収部12、
応答電極部10及び基準電極部11の順に並んでいる。
そして、本実施の形態では、変位部4,8において、下
側の膜21がAl膜で構成されるとともに上側の膜22
がSiN膜で構成され、これにより、第1の変位部4
は、その温度上昇に従って応答電極部10が基準電極部
11から遠ざかる方向(図35中の矢印の方向)に変位
するように構成されている。また、本実施の形態では、
応答電極部10が赤外線iを略々全反射する赤外線反射
部として兼用され、赤外線吸収部12及び応答電極部1
0がオプティカルキャビティー構造を構成している。
の形態と同様の利点が得られる。
る放射検出装置を示す概略断面図であり、図11に対応
している。図36において、図1乃至図11中の要素と
同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複す
る説明は省略する。
なる所は、主に以下に説明する点である。すなわち、本
実施の形態では、膜21,22の重なり方向(Z軸方
向)に沿った基板1の側から、放射吸収部12、応答電
極部10及び基準電極部11の順に並んでいる。そし
て、本実施の形態では、変位部4,8において、下側の
膜21がSiN膜で構成されるとともに上側の膜22が
Al膜で構成され、これにより、第1の変位部4は、そ
の温度上昇に従って応答電極部10が基準電極部11か
ら遠ざかる方向(図36中の矢印の方向)に変位するよ
うに構成されている。また、本実施の形態では、応答電
極部10が赤外線iを略々全反射する赤外線反射部とし
て兼用され、赤外線吸収部12及び応答電極部10がオ
プティカルキャビティー構造を構成している。さらに、
本実施の形態では、基板1の下方から目標物体からの赤
外線iが入射される。
の形態と同様の利点が得られる。
る放射検出装置を示す概略断面図であり、図11に対応
している。図37において、図1乃至図11中の要素と
同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複す
る説明は省略する。
なる所は、主に以下に説明する点である。すなわち、本
実施の形態では、膜21,22の重なり方向(Z軸方
向)に沿った基板1の側から、放射吸収部12、基準電
極部11及び応答電極部10の順に並んでいる。そし
て、本実施の形態では、変位部4,8において、下側の
膜21がAl膜で構成されるとともに上側の膜22がS
iN膜で構成され、これにより、第1の変位部4は、そ
の温度上昇に従って応答電極部10が基準電極部11か
ら遠ざかる方向(図37中の矢印の方向)に変位するよ
うに構成されている。また、本実施の形態では、基準電
極部11が赤外線iを略々全反射する赤外線反射部とし
て兼用され、赤外線吸収部12及び基準電極部11がオ
プティカルキャビティー構造を構成している。さらに、
本実施の形態では、基板1の下方から目標物体からの赤
外線iが入射される。
の形態と同様の利点が得られる。
放射検出装置の単位画素(単位素子)を示す概略平面図
である。なお、図38において、本来破線(隠れ線)と
なるべき線も実線で示し、また、段差等を表す線につい
ては省略している。また、説明の便宜上、図38に示す
ように、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸を定義する。
った概略断面図、図40は図38中のX53−X54線
に沿った概略断面図、図41は図38中Y51−Y52
線に沿った概略断面図、図42は図38中のY53−Y
54線に沿った概略断面図である。図面には示していな
いが、図38中のX55−X56線に沿った概略断面図
は図40と同様となり、図38中のX57−X58線に
沿った概略断面図は図39と同様となる。
の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、そ
の重複する説明は省略する。本実施の形態が前記第1の
実施の形態と異なる所は、主に、以下に説明する点であ
る。
6,7が変位部4,5,8,9の側方に配置されていた
のに対し、本実施の形態では、図38乃至図42に示す
ように、脚部2,3,6,7の上方に間隔をあけて変位
部4,5,8,9が配置されている。すなわち、本実施
の形態では、脚部2,3,6,7と、変位部4,5,
8,9と、応答電極部10と、基準電極部11と、赤外
線吸収部12とが、Z軸方向にそれぞれ空間を隔てて配
置されている。
部4,5,8,9、応答電極部10、基準電極部11及
び赤外線吸収部12の接続方法が変更されている。すな
わち、本実施の形態では、変位部4,5,8,9は、変
位部4,5,8,9を構成する上側のAl膜22及び下
側のSiN膜がそのまま延びることにより形成された接
続部80,81,82,83をそれぞれ介して、脚部
2,3,6,7にそれぞれ固定されている。ただし、接
続部80,81,82,83における脚部2,3,6,
7へのコンタクト部分において上側のAl膜22が配線
層31,41,33,43に接続されるようになってい
る。
Al膜がそのまま延びることにより形成された接続部7
0,71をそれぞれ介して、変位部4,5の自由端側部
分にそれぞれ固定されている。基準電極部11は、これ
を構成するAl膜がそのまま延びることにより形成され
た接続部72,73をそれぞれ介して、変位部8,9の
自由端側部分にそれぞれ固定されている。応答電極部1
0には、接続部72,73を逃げるための開口10e,
10fが形成されている。赤外線吸収部12は、これを
構成するSiN膜がそのまま延びることにより形成され
た接続部74を介して、応答電極部10の中央部に固定
されている。基準電極部11には、接続部74を逃げる
ための開口11eが形成されている。
製造方法の一例について、図43乃至図58を参照して
説明する。
の各工程をそれぞれ模式的に示す概略平面図である。図
44は、図43中のX70−X71線に沿った概略断面
図である。図56は図55中のX51’−X52’線に
沿った概略断面図、図57は図55中のX53’−X5
4’線に沿った概略断面図、図58は図55中のY5
1’−Y52’線に沿った概略断面図である。これらの
図では、1画素分のみについて示している。
回路が形成されたSi基板1を用意し、Si基板1上の
全面に犠牲層となるレジスト151を塗布し、このレジ
スト151に、脚部2,6のコンタクト部2a,6a及
び脚部3,7のコンタクト部に応じた開口151aをフ
ォトリソグラフィーにより形成する。次に、この状態の
基板上の全面にスピンコート法等により犠牲層としての
ポリイミド膜152を被着させ、脚部2,3,6,7の
平面部に応じた部分のみのポリイミド膜152を島状に
残すように、ポリイミド膜152の他の部分(開口15
1aの部分も含む)をフォトリソエッチング法により除
去する(図43及び図44)。
iN膜153をP−CVD法等によりデポした後、フォ
トリソエッチング法によりパターニングし、脚部2,
3,6,7の形状とする(図45)。このとき、SiN
膜153のパターニングによって残す領域を、ポリイミ
ド膜152と重なりかつポリイミド膜152の大きさよ
りも大きくすることによって、平面部、基板1側に立ち
上がった立ち上がり部及び水平部が形成されることとな
る。
a及び脚部3,7のコンタクト部における配線層31,
33,41,43の接続用開口となるべき開口を、フォ
トリソエッチング法によりSiN膜153に形成する。
次いで、配線層31,33,41,43となるべきTi
膜155を蒸着法等によりデポした後、フォトリソエッ
チング法によりパターニングし、配線層31,33,4
1,43の形状とする(図46)。その後、この状態の
基板上の全面にスピンコート法等により犠牲層となるポ
リイミド膜157を被着させ、このポリイミド膜157
に、接続部80〜83にそれぞれ応じた開口をフォトリ
ソエッチング法により形成する。次に、変位部4,5,
8,9の下側膜21及び接続部80〜83となるべきS
iN膜158をP−CVD法等によりデポした後、フォ
トリソエッチング法によりパターニングし、当該下側膜
21の形状とする。このとき、接続部80〜83におい
てTi膜155に対する接続用開口となるべき開口を、
SiN膜158に形成しておく。その後、変位部4,
5,8,9の上側膜22及び接続部80〜83となるべ
きAl膜159を蒸着法等によりデポした後、フォトリ
ソエッチング法によりパターニングし、当該上側膜22
の形状とする(図47)。なお、図47では、ポリイミ
ド膜157で隠れて隠れ線(破線)となるべき線も実線
で示している。図56〜図58も参照されたい。
犠牲層となるレジスト160を塗布し、このレジスト1
60に、接続部70〜73に応じた開口160a〜16
0dをフォトリソエッチング法により形成する(図4
8)。なお、図48では、レジスト160で隠れて隠れ
線(破線)となるべき線も実線で示している。図56〜
図58も参照されたい。
にスピンコート法等により犠牲層としてのポリイミド膜
161を被着させ、応答電極部10の平面部に応じた部
分のみのポリイミド膜161を島状に残すように、ポリ
イミド膜161の他の部分(開口160a〜160dの
部分も含む)をフォトリソエッチング法により除去する
(図49)。なお、図49では、ポリイミド膜161で
隠れて隠れ線(破線)となるべき線も実線で示してい
る。図56〜図58も参照されたい。
71となるべきAl膜162を蒸着法等によりデポした
後、フォトリソエッチング法によりパターニングし、応
答電極部10の形状とする。このとき、Al膜162の
パターニングによって残す領域を、ポリイミド膜161
と重なりかつポリイミド膜161の大きさよりも大きく
することによって、応答電極部10の平面部、基板1側
に立ち上がった立ち上がり部及び水平部が形成されるこ
ととなる。次に、絶縁膜15となるべきSiN膜163
をP−CVD法等によりデポした後、フォトリソエッチ
ング法によりパターニングし、絶縁膜15の形状とする
(図50)。
にスピンコート法等により犠牲層となるポリイミド膜1
64を被着させ、このポリイミド膜164に、接続部7
4にそれぞれ応じた開口164aをフォトリソエッチン
グ法により形成すると同時に、開口160c,160d
に入ったポリイミド膜164を除去する(図51)。な
お、図51では、ポリイミド膜164で隠れて隠れ線
(破線)となるべき線も実線で示している。図56〜図
58も参照されたい。
犠牲層となるレジスト165を塗布し、このレジスト1
65に、基準電極部11の平面部に応じた開口165a
をフォトリソエッチング法により形成する(図52)。
このとき、開口160c,160d,164a内に入っ
ていたレジスト165も除去されることになる。なお、
図52では、レジスト165で隠れて隠れ線(破線)と
なるべき線も実線で示している。図56〜図58も参照
されたい。
73となるべきAl膜166を蒸着法等によりデポした
後、フォトリソエッチング法によりパターニングし、基
準電極部11の形状とする(図53)。このとき、Al
膜166のパターニングによって残す領域を、レジスト
165の開口165aの大きさよりも大きくすることに
よって、基準電極部11の平面部、基板1と反対側に立
ち上がった立ち上がり部及び水平部が形成されることと
なる。なお、図56〜図58も参照されたい。
スピンコート法等により犠牲層となるポリイミド膜16
7を被着させ、開口164a内に入ったポリイミド膜1
67をフォトリソエッチング法により除去する。次い
で、この状態の基板上の全面に犠牲層となるレジスト1
68を塗布し、赤外線吸収部12の平面部に応じた部分
のみのレジスト168を島状に残すように、レジスト1
68の他の部分(開口164aの部分も含む)をフォト
リソエッチング法により除去する(図54)。
となるべきSiN膜169をP−CVD法等によりデポ
した後、フォトリソエッチング法によりパターニング
し、赤外線吸収部12の形状とする(図55〜図5
8)。このとき、SiN膜169のパターニングによっ
て残す領域を、レジスト168と重なりかつレジスト1
68の大きさよりも大きくすることによって、平面部、
基板1側に立ち上がった立ち上がり部及び水平部が形成
されることとなる。
どによりチップ毎に分割し、全ての犠牲層、すなわち、
レジスト151,160,165,168及びポリイミ
ド膜152,157,161,164,167をアッシ
ング法などにより除去する。これにより、図38乃至図
42に示す放射検出装置が完成する。
形態と同様の利点が得られる他、脚部2,3,6,7
と、変位部4,5,8,9と、応答電極部10と、基準
電極部11と、赤外線吸収部12とが、Z軸方向に積み
上げられているので、任意の一定領域内での放射吸収部
12や両電極部10,11の面積を大きくとることがで
き、赤外線に対する感度が向上する。また、本実施の形
態のような積み上げ構造を採用すると、横方向へ拡がら
なくなるので、構造体全体のバランスが良くなり、機械
的な強度の高い構造を実現することができると同時に、
開口率を向上することができる。
を変形して前記第3乃至第5の態様を得たのと同様変形
を、本実施の形態に適用することもできる。
した本発明はこれらの実施の形態に限定されるものでは
ない。
電極間の間隔を所望の間隔に設定することができ、放射
検出の所望の感度特性や所望のダイナミックレンジを得
ることができる。
を行わない場合であっても、従来に比べて、環境温度の
変化による電極部間の静電容量の変化を一層抑えること
ができ、より精度良く放射を検出することができる。
の単位画素を示す概略平面図である。
る。
る。
る。
る。
である。
である。
る。
る。
応する概略平面図である。
図である。
置の製造工程を示す概略平面図である。
である。
である。
面図である。
である。
である。
である。
である。
である。
である。
である。
である。
略断面図である。
略断面図である。
面図である。
る。
る。
る。
置を示す概略平面図である。
面図である。
面図である。
置を示す概略断面図である。
置を示す概略断面図である。
置を示す概略断面図である。
置の単位画素を示す概略平面図である。
面図である。
面図である。
図である。
面図である。
置の製造工程を示す概略平面図である。
面図である。
である。
である。
である。
である。
である。
である。
である。
である。
である。
である。
である。
略断面図である。
略断面図である。
略断面図である。
Claims (13)
- 【請求項1】 基体と、該基体に支持された第1の変位
部と、前記基体に支持され前記第1の変位部と実質的に
同じ構成を有し前記第1の変位部と実質的に平行に配置
された第2の変位部と、前記第1の変位部に対して固定
された第1の電極部と、前記第2の変位部に対して固定
され少なくとも一部が前記第1の電極部と対向する第2
の電極部と、放射を吸収し前記第1の変位部に熱的に結
合されるとともに前記第2の変位部に熱的に実質的に結
合されない放射吸収部とを備え、 前記第1の変位部及び第2の変位部の各々は、異なる膨
張係数を有する異なる物質の互いに重なった少なくとも
2つの層を有し、 前記第1及び第2の電極部間の静電容量に基づいて放射
を検出する放射検出装置において、 前記第1及び第2の変位部における前記少なくとも2つ
の層の重なり方向から見た場合に、前記第1及び第2の
変位部は互いに重ならないように配置されたことを特徴
とする放射検出装置。 - 【請求項2】 前記放射吸収部が、入射した放射の一部
を反射する特性を有し、 nを奇数、前記放射の所望の波長域の中心波長をλ0と
して、前記放射吸収部から実質的にnλ0/4の間隔を
あけて配置され前記放射を略々全反射する放射反射部を
備えたことを特徴とする請求項1記載の放射検出装置。 - 【請求項3】 前記放射反射部が前記第1の電極部又は
前記第2の電極部で兼用され、前記放射吸収部が前記第
1及び第2の電極部に対して前記重なり方向に配置され
たことを特徴とする請求項2記載の放射検出装置。 - 【請求項4】 前記第1及び第2の電極部並びに前記放
射吸収部は、前記重なり方向に沿ったいずれか一方の側
から、前記放射吸収部、前記第1の電極部及び前記第2
の電極部の順に並ぶか、あるいは、前記放射吸収部、前
記第2の電極部及び前記第1の電極部の順に並び、 前記第1の変位部は、その温度上昇に従って前記第2の
電極部が前記第1の電極部から遠ざかる方向に変位する
ことを特徴とする請求項3記載の放射検出装置。 - 【請求項5】 前記第1の電極部は、平面部と、当該平
面部の周辺部分の少なくとも一部に渡って、当該平面部
から前記第2の電極部と反対側に立ち上がるように形成
された立ち上がり部とを有し、 前記第2の電極部は、平面部と、当該平面部の周辺部分
の少なくとも一部に渡って、当該平面部から前記第1の
電極部と反対側に立ち上がるように形成された立ち上が
り部とを有することを特徴とする請求項1乃至4のいず
れかに記載の放射検出装置。 - 【請求項6】 前記第1の電極部又は前記第2の電極部
は絶縁膜からなる支持枠を介して前記第1の変位部又は
前記第2の変位部に対して固定され、 前記支持枠は、平面部と、当該平面部の周辺部分の少な
くとも一部に渡って、当該平面部から立ち上がるように
形成された立ち上がり部とを有することを特徴とする請
求項1乃至5のいずれかに記載の放射検出装置。 - 【請求項7】 前記第1の電極部と前記第2の電極部と
の間に絶縁膜を設けたことを特徴とする請求項1乃至6
のいずれかに記載の放射検出装置。 - 【請求項8】 前記第1の変位部が第1の脚部を介して
前記基体に支持され、前記第2の変位部が第2の脚部を
介して前記基体に支持され、前記第1の脚部の始点部と
前記第1の脚部の終点部との間の前記第1の脚部の長さ
方向に沿った距離と、前記第2の脚部の始点部と前記第
2の脚部の終点部との間の前記第2の脚部の長さ方向に
沿った距離とが、実質的に等しいことを特徴とする請求
項1乃至7のいずれかに記載の放射検出装置。 - 【請求項9】 前記第1の変位部が第1の脚部を介して
前記基体に支持され、前記第2の変位部が第2の脚部を
介して前記基体に支持され、前記第2の脚部における前
記始点部から前記終点部までの長さが、前記第1の脚部
における前記始点部から前記終点部までの長さより短い
か、あるいは実質的にゼロであることを特徴とする請求
項1乃至7のいずれかに記載の放射検出装置。 - 【請求項10】 前記第1の変位部における前記第1の
変位部の始点部から前記第1の変位部の終点部までの長
さと、前記第2の変位部における前記第2の変位部の始
点部から前記第2の変位部の終点部までの長さとが、実
質的に等しいことを特徴とする請求項1乃至9のいずれ
かに記載の放射検出装置。 - 【請求項11】 前記第1及び第2の変位部の幅方向か
ら見た場合の、前記第1の変位部の始点部の位置と前記
第2の変位部の始点部の位置とが、実質的に同一である
ことを特徴とする請求項10記載の放射検出装置。 - 【請求項12】 前記第1及び第2の変位部の幅方向か
ら見た場合の、前記第1の変位部の始点部の位置と前記
第2の変位部の始点部の位置とが、前記第1の電極部と
第2の電極部との間の間隔が狭まるように、ずらされた
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の
放射検出装置。 - 【請求項13】 前記第1の変位部が第1の脚部を介し
て前記基体に支持され、前記第2の変位部が第2の脚部
を介して前記基体に支持され、 前記第1及び第2の脚部と、前記第1及び第2の変位部
と、前記第1の電極部と、前記第2の電極部と、前記放
射吸収部とが、前記重なり方向にそれぞれ空間を隔てて
配置されたことを特徴とする請求項1乃至12のいずれ
かに記載の放射検出装置。
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