JP2001349776A - 建物の振動レベル予測方法及び建物の設計方法 - Google Patents

建物の振動レベル予測方法及び建物の設計方法

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JP2001349776A JP2000170300A JP2000170300A JP2001349776A JP 2001349776 A JP2001349776 A JP 2001349776A JP 2000170300 A JP2000170300 A JP 2000170300A JP 2000170300 A JP2000170300 A JP 2000170300A JP 2001349776 A JP2001349776 A JP 2001349776A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、建物の固有振動数と地盤振動の主
要周波数が離れていて共振振動が発生しない場合の周波
数帯域でも過剰設計にならず、経済的で快適な居住性を
確保し得る建物の設計方法を提供することを目的として
いる。 【解決手段】 建物を建設する地盤の振動レベルを測定
して周波数毎の振動レベル解析を行うと共に、建物の固
有振動数として予想される振動数の範囲を想定し、その
想定した範囲の建物の固有振動数すべての値に対する建
物の振動レベルを算出することにより建物として想定さ
れる固有振動数毎の振動レベルを予測するように構成し
たことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建物の振動レベル予
測方法及びこれを用いた建物の設計方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、住宅やオフィス等の建物は建物
自体の構造設計を行った後、予定の立地場所に建築され
る。立地場所によっては交通振動等による微小振動の影
響が建物の居住性に深く関わることが多い。しかしなが
ら、従来では交通振動等による微小振動の影響を考慮し
て個々の立地条件に合わせた設計を事前に行うことは一
般的にはなされていないのが現状であった。
【0003】例えば、建物の構造計算から交通振動等に
よる微小振動の影響を推測する方法も考えられるが、微
小振動レベルにおける中低層鉄骨建物の剛性は構造躯体
の骨組のみならず、帳壁や間仕切壁等の2次部材等も建
物の剛性に寄与する場合があるため、建物の微小振動レ
ベルの挙動については通常の構造計算で得られる結果と
は異なることが多く、実際の建物の振動レベルの予測が
困難であった。
【0004】また、特開平11-194048号公報には、鉄骨
系2階建ての建物、鉄骨系3階建ての建物、木造系2階
建ての建物、木造系3階建ての建物等建物の種類毎に既
存の建物の振動特性を求めておき、実際の建築現場で地
盤の振動特性を測定した後、この地盤の振動特性と、そ
こに建築しようとする建物の種類毎の振動特性とをパー
ソナルコンピュータにより演算することによって、そこ
の建築現場に所定の種類の建物を建築した場合の建築後
の振動特性の予測値を算出し、これが許容範囲であるか
否かを判定する技術が提案されている。
【0005】また、本発明者等は、特開平11-140967号
に開示したように、予め得られた建物の固有振動数と該
固有振動数に対する入力振動レベルの増幅量の関係から
建設される建物の入力振動レベルの増幅量を演算し、該
演算値に交通振動等による地盤の微小振動レベル測定値
を上乗せして建物における振動レベルを予測することで
快適な居住性を確保した建物の設計を可能にする技術を
提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記技
術においても全く問題がない訳ではなく、地盤の振動レ
ベル測定値は、その振動の周波数に関係なく振動振幅の
最大値を採用して建物における振動レベルを予測し、建
物の建設の可否を判定していたため場合によっては過剰
設計になり不経済であるという問題が発生していた。
【0007】即ち、建物の固有振動数と地盤振動の主要
周波数が比較的近い場合には共振振動レベルにおいて建
物の建設の可否を判定することになるため上記技術での
振動レベルの予測も効果的であるが、建物の固有振動数
と地盤振動の主要周波数が離れていて共振振動が発生し
ない場合の周波数帯域では上記技術において不合格とな
った場合でも合格として取り扱って良い場合が少なくな
いことが判明した。
【0008】また、特開平11-194048号公報に開示され
た技術では、所定の種類の建物を建築した場合の建築後
の振動特性の予測値を算出出来るとしているが、鉄骨系
2階建ての建物、鉄骨系3階建ての建物、木造系2階建
ての建物、木造系3階建ての建物等、建物構造の種類毎
でパターン化した骨組みの大まかな振動特性のデータは
持ち合わせていても、その骨組みに追加される外壁や、
間仕切り壁等の2次部材のデータが不足しており、更に
は不合格になった時の修正手段を備えていないため施工
を断念するか、骨組みの種類を変更しなければならな
い。ところが、鉄骨系から木造系或いはその逆に骨組み
を変更したり、2階建てから3階建て或いはその逆に階
数を変更することを薦められても施工主には受け入れ難
く、実用的ではない。
【0009】本発明は前記課題を解決するものであり、
その目的とするところは、建物の固有振動数毎の振動レ
ベルを予測し得る建物の振動レベル予測方法を提供する
と共に、その予測値が許容値を越える場合には建物設計
を修正することで、建物の固有振動数と地盤振動の主要
周波数が離れていて共振振動が発生しない場合の周波数
帯域でも過剰設計にならず、経済的で快適な居住性を確
保し得る建物の設計方法を提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明に係る建物の振動レベル予測方法の第1の構成
は、建物を建設する地盤の振動レベルを測定して周波数
毎の振動レベル解析を行うと共に、建物の固有振動数と
して予想される振動数の範囲を想定し、この想定した範
囲の建物の固有振動数すべての値に対する建物の振動レ
ベルを算出することにより建物として想定される固有振
動数毎の建物の振動レベルを予測することを特徴とす
る。
【0011】即ち、建築現場で地盤振動データを測定
し、例えば、パーソナルコンピュータにより周波数分析
を行い、その後、その現場に建築が想定される範囲内の
建物の固有振動数すべての値に対して建物の応答計算も
建築現場で行う。測定結果は一覧表やグラフ等の紙の形
式で設計者に渡す。
【0012】設計者はグラフを使って建物の固有振動数
から応答予測を行う。これにより、建物個別に応答が予
測出来る。
【0013】また、本発明に係る建物の振動レベル予測
方法の第2の構成は、建物を建設する地盤の振動レベル
を測定して周波数毎の振動レベル解析を行うと共に、建
物の固有振動数を算出し、この算出した建物の固有振動
数に対する建物の振動レベルを算出することにより建物
の振動レベルを予測することを特徴とする。
【0014】即ち、建築現場で地盤振動データを測定
し、例えば、パーソナルコンピュータにより周波数分析
を行う。そして測定結果はフロッピーディスク等に記録
する。そして、測定結果をフロッピーディスク等のデー
タの形式で設計者に渡し、設計者はパーソナルコンピュ
ータを使って算出した建物の固有振動数を入力し、応答
計算を行う。これにより、建物個別に応答計算が出来、
応答が予測出来る。
【0015】上記構成によれば、地盤の振動レベルを測
定して周波数毎の振動レベルを解析し、建物として想定
される固有振動数毎の建物の振動レベルを予測出来るの
で立地条件に則した実際の固有振動数の建物の振動レベ
ルの予測、或いは建物として想定される固有振動数毎の
建物の振動レベルの予測が容易に且つ正確に出来る。
【0016】また、本発明に係る建物の設計方法は、前
記建物の振動レベル予測方法により得られた建物の振動
レベルの予測値が許容値を越える場合には建物設計を修
正することを特徴とする。
【0017】上記構成により、予測される実際の建物の
固有振動数に対する振動レベル、或いは建物として想定
される固有振動数毎の建物の振動レベルに対応して建物
設計を修正することで、建物の固有振動数と地盤振動の
主要周波数が離れていて共振振動が発生しない場合の周
波数帯域でも過剰設計にならず、経済的で快適な居住性
を確保した建物の設計が容易に出来る。
【0018】また、前記建物設計の修正は建物の構造骨
組みの変更、或いは建物の構造骨組みに付加される2次
部材の変更、或いは制振装置の検討を行って、建物の構
造骨組み、或いは建物の構造骨組みに付加される2次部
材の種類、配置位置、或いは制振装置の種類、配置位置
等を適宜変更して建物の振動レベルの予測値が許容値内
に納まるように設計出来る。
【0019】
【発明の実施の形態】図により本発明に係る建物の振動
レベル予測方法及びこれを用いた建物の設計方法の一実
施形態を具体的に説明する。図1は本発明に係る建物の
振動レベル予測方法及びこれを用いた建物の設計方法の
第1実施形態を示すフローチャート、図2は地盤の周波
数毎の振動レベルに建物の固有振動数に対する入力振動
レベルの増幅量を上乗せして建物の振動数毎の振動レベ
ルを予測した様子を示す図、図3は建物の固有振動数毎
の振動レベルを判定する様子を示す図、図4は3階建て
住宅の建物設計の修正前の状態を示す間取り平面図、図
5は図4の建物設計修正後の状態を示す間取り平面図で
ある。
【0020】先ず、図1〜図5を用いて本発明に係る建
物の振動レベル予測方法及びこれを用いた建物の設計方
法の第1実施形態について説明する。
【0021】建物の最終的な揺れの大きさは、地盤の微
小振動レベル(dB)と、それによって建物の振動レベルが
増幅されて揺れる入力振動レベルの増幅量(dB)との相乗
効果であり、建物内に居住する人間の感じる揺れは前記
地盤の微小振動レベル(dB)と入力振動レベルの増幅量(d
B)とを加算することで求めることが出来る。
【0022】図1において、先ず、建設する建物の躯体
情報として柱や梁等による骨組みの構造計算を行い(ス
テップS1)、骨組みに取り付けられるALCパネル等
からなる外壁や、間仕切り壁等の2次部材の追加入力を
行う(ステップS2)。
【0023】その後、骨組みに2次部材を考慮した建物
の構造から該建物の固有振動数を算出する固有値解析を
行う(ステップS3)。建物の固有振動数は建物の構造
及び2次部材を考慮した建物の剛性と質量により算出さ
れる。
【0024】一方、建設する建物の地盤情報として交通
振動等による該建物の立地場所の地盤の微小振動レベル
を測定し、周波数毎の振動レベル解析を行う(ステップ
S4)。そして、その地盤の微小振動レベルの周波数分
析結果に以下の式で求められる建物の入力振動レベル
の増幅量τを上乗せして、想定される範囲内の建物の固
有振動数すべての値に対して建物の固有振動数毎の振動
レベルを算出する(ステップS5)。
【0025】尚、ステップS4,s5は、その地盤上に
建設されると想定されるすべての建物に対して計算を行
うことで、実際に建設される建物の振動特性に関わる情
報がなくても建築現場の現地で実施出来る。
【0026】地盤の微小振動により建物の基礎に強制変
位が作用する場合、周波数毎の地盤(基礎)の振動レベ
ルY0 に対する建物の振動レベルYは以下の式で求め
られる。尚、f0 は建物の固有振動数(Hz)、fは地盤
(基礎)の振動数(Hz)、hは減衰定数(%)であり、
地盤(基礎)の振動数f及び地盤(基礎)の振動レベル
0 は現地で測定されるものである。
【0027】
【数1】
【0028】図2は各周波数成分における地盤(基礎)
及び建物の振動レベルをデシベル(dB)表示したものの一
例である。図2において破線は現地で測定された地盤
(基礎)の周波数毎の振動レベルを示し、実線は前記
式を用いて破線で示す地盤(基礎)の振動レベルに建物
の入力振動レベルの増幅量τを上乗せして推定された建
物の振動数毎の振動レベルを示す。
【0029】また、図2中の○は図1のステップS4で
現地で測定された各振動数毎の振動レベルの合計値を示
し、●は各振動数毎の振動レベルの増幅量を上乗せして
推定された建物の振動レベルの合計値を示す。建物の各
固有振動数毎に●を計算してグラフ化すれば図3に示す
ように連続した周波数帯域で建物の振動レベルの予測値
を得る。
【0030】ここで、予め連続する周波数帯域のうち、
中低層建物の一般的な固有振動数帯域を任意の周波数刻
みで振動加速度レベルの予測値(dB)を夫々算出してお
き、グラフ化して中間値を補完する等して予め建設され
る建物の固有振動数を想定される範囲内で連続的に変化
させて振動加速度レベルの予測値(dB)を算出しておくこ
とで、個々の建物毎にグラフを作成する必要がなく、異
なる建物設計で図3を共通して利用することが出来る。
【0031】次に図1のステップS6において、その建
設地に建設される建物の振動レベルを判定する。図3は
各固有振動数毎の建物の振動レベル予測値の一例を示す
ものである。
【0032】また、判定曲線a,b,cは振動レベルを
判定するための指標となる曲線であり、例えばISO-2631
の規格に準じて作成される。建物内に居住する人間の感
じる揺れは建物の振動周波数が上昇するにつれて緩和さ
れることが知られており、判定曲線a,b,cは周波数
の上昇につれて図3の右上がりに設定されている。
【0033】図1において、先ず、建設する建物の躯体
情報として柱や梁等による骨組みの構造計算を行い(ス
テップS1)、骨組みに取り付けられるALCパネル等
からなる外壁や、間仕切り壁等の2次部材の追加入力を
行う(ステップS2)。
【0034】その後、骨組みに2次部材を考慮した建物
の構造から該建物の固有振動数を算出する固有値解析を
行う(ステップS3)。建物の固有振動数は建物の構造
及び2次部材を考慮した剛性と質量により算出される。
【0035】ここで、図3に示す判定曲線a,b,cを
用いて、建物の固有振動数毎の振動レベルを判定する一
例を示す。先ず、図1のステップS3において図4に示
す3階建て住宅の固有振動数を算出し、3.3(Hz)と
いう値を得る。
【0036】次に、この地盤上に建設される建物の固有
振動数毎の振動レベルを判定するが、図3に示すよう
に、3.3(Hz)の建物では判定曲線bとcとの間に位
置してBランクで不合格と判定され、ステップS7にお
いて、対策検討が実施される。一方、図3において、
4.3(Hz)の建物では判定曲線aよりも下側に位置し
てAランクで合格と判定されることが分かる。
【0037】そこで、B,Cランクとなって不合格と判
定された建物の固有振動数を向上するためにステップS
8において建物の設計における壁量、壁配置、2次部材
の見直し、剛性の見直しを行い、例えば、図4の状態か
ら図5に示すようにブレースや耐力壁等の耐震要素1を
各階の(図4及び図5の左右方向)に配置して建物の剛
性を高めることで建物の固有振動数を向上させる。尚、
図5の2階では間仕切り2を追加した後、更に耐震要素
1を配置した一例である。
【0038】そして、ステップS9において、これ等の
修正した箇所の修正情報を入力し、再度前記ステップS
3に戻って修正後の2次部材を考慮した新たな建物の構
造から該建物の固有振動数を算出する固有値解析を行
う。
【0039】図5に示すように建物設計を修正したこと
で、図3において建物の固有振動数が従前の3.3(H
z)から4.3(Hz)に向上し、判定曲線aよりも下方
に位置するAランクで合格と判定され(ステップS
6)、建設可能としてフローを終了する。
【0040】上記例のように前記ステップS6におい
て、建物の固有振動数毎の振動レベルの判定を行い、例
えば、前記ステップS3において算出された建物の固有
振動数毎の振動レベルが図3の判定曲線aよりも下方で
あればAランクで合格であると判断し、フローを終了し
て建設する建物の設計がその立地条件に適合したもので
あるとする。
【0041】また、例えば、前記ステップS3において
算出された建物の固有振動数での振動レベルが図3の判
定曲線aとcとの間に位置すればBランクで不合格であ
ると判断し、同じく建物の固有振動数での振動レベルが
判定曲線cよりも上方であればCランクで不合格である
と判断し、両者の場合にはステップS8において建物の
設計における壁量、壁配置、2次部材の見直し、剛性の
見直しを行った後、修正した箇所の修正情報を入力する
(ステップS9)。
【0042】そして、再度前記ステップS3に戻って修
正後の2次部材を考慮した新たな建物の固有振動数を算
出する固有値解析を行い、建物の振動レベルがAランク
となるような固有振動数となるように設計する。そし
て、Aランクで合格であると判断し、フローを終了す
る。
【0043】前記2回目のステップS3において算出さ
れた新たな建物の固有振動数が目標値をクリア出来ず、
図3の判定曲線aよりも下方側に低減されない場合で、
建物の振動レベルが図3の判定曲線aとcとの間に位置
すればBランクで不合格であると判断して、再度ステッ
プS7,S8,S9,S3,S6を繰り返す。
【0044】また、前記2回目以降のステップS3にお
いて算出された新たな建物の固有振動数での振動レベル
が判定曲線aと判定曲線cとの間であればBランクで不
合格であると判断し、判定曲線cよりも上方であればC
ランクで不合格であると判断した後、ステップS10にお
いて建物の設計における柱や梁等による構造骨組みの見
直しを行った後、修正した構造骨組みでの構造計算を行
う(ステップS11)。
【0045】そして、ステップS12において建物の設計
における壁量、壁配置、2次部材の見直し、剛性の見直
しを行い、修正した箇所の修正情報を入力する(ステッ
プS9)。そして、再度前記ステップS3に戻って修正
後の骨組み及び2次部材を考慮した新たな建物の構造か
ら該建物の固有振動数を算出する固有値解析を行い、建
物の振動レベルがAランクとなるような固有振動数とな
るように設計する。そして、Aランクで合格であると判
断し、フローを終了する。
【0046】尚、前記各実施形態において、建物設計の
修正を建物の構造骨組みの変更により行った場合には建
物の構造計算を新たに行い、更に地震時の安全性評価等
も再度見直す必要があるので修正作業に手間がかかると
いう問題があるが、建物の構造骨組みに付加される2次
部材の変更により建物設計の修正を行った場合には建物
の構造計算や地震時の安全性評価の再考を省略すること
が出来るため修正作業が容易に出来る。
【0047】また、例えば、前記ステップS6において
算出された建物の固有振動数毎の振動レベルが図3の判
定曲線aとcとの間に位置すればBランクで不合格であ
ると判断し、同じく建物の固有振動数毎の振動レベルが
判定曲線cよりも上方であればCランクで不合格である
と判断し、両者の場合にはステップS13において建物の
構造にTMD(同調振動系型)、AMD(制振力型)、
ブレースダンパー等の制振装置を追加して設け、ステッ
プS14において、制振装置を考慮した建物の振動レベル
を算出する。
【0048】制振装置を付加した場合の振動レベルの算
出は、ステップS3で算出した建物の固有振動数での振
動レベルから追加した制振装置による振動減衰値を差し
引いて新たな建物の振動レベルを算出する。
【0049】ステップS13,S14では、繰り返し制振装
置の検討を行い、制振装置の種類、配置位置等を適宜変
更して建物の振動レベルの予測値が許容値内に納まるよ
うに設計する。
【0050】そして、ステップS15において、再度、新
たな建物の固有振動数での振動レベルを判定し、推定さ
れた新たな建物の固有振動数での振動レベルが図3の判
定曲線aよりも下方であればAランクで合格であると判
断し、フローを終了する。
【0051】また、前記ステップS14において算出され
た新たな建物の固有振動数での振動レベルが判定曲線a
とcとの間に位置すればBランクで不合格であると判断
し、判定曲線cよりも上方であればCランクで不合格で
あると判断した後、建設不可と判定する。
【0052】上記構成によれば、地盤の振動レベルを測
定して周波数毎の振動レベルを解析し、建物の固有振動
数毎の振動レベルを予測出来るので立地条件に則した実
際の建物の固有振動数毎の振動レベルの予測が容易に且
つ正確に出来る。
【0053】従って、この建物の振動レベル予測方法を
用いて、周波数毎の振動レベルマップを予め作成してお
くことで、一件毎に建築現場の地盤振動レベルを測定す
る作業を省略することが出来る。
【0054】また、予測される実際の建物の固有振動数
毎の振動レベルに対応して建物設計を修正することで、
建物の固有振動数と地盤振動の主要周波数が離れていて
共振振動が発生しない場合の周波数帯域でも過剰設計に
ならず、経済的で快適な居住性を確保した建物の設計が
容易に出来る。
【0055】また、建築現場で行った測定結果は、一覧
表やグラフ等の紙の形式で設計者に渡すことが出来るた
め、測定結果をファクシミリ等を利用して手軽に設計者
に渡すことが出来る。また、グラフを読むだけで特別な
計算が必要なく、グラフを読み取って必要な固有振動数
を予測出来る。また、建物の設計変更を行う度に応答計
算を繰り返す必要がない。
【0056】また、通常、地盤情報の測定者と建物設計
者とは別業者で行われるため、応答計算を行うための特
殊なプログラムは地盤情報の測定者側で持っていれば良
く、多人数の設計者に配布する必要がないので、プログ
ラムのメンテナンスが容易である。
【0057】次に図6を用いて本発明に係る建物の振動
レベル予測方法及びこれを用いた建物の設計方法の第2
実施形態について説明する。図6は本発明に係る建物の
振動レベル予測方法及びこれを用いた建物の設計方法の
第2実施形態を示すフローチャートである。尚、前記第
1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して
説明を省略する。
【0058】図6に示す第2実施形態では、図1に示す
第1実施形態のステップS5に示したように、建築現場
の現地で実施される地盤の周波数分析結果から想定され
る範囲内の建物の固有振動数すべての値に対して建物の
振動レベルを算出することは省略しており、建築現場の
現地ではステップS4に示すように、建設する建物の地
盤情報として交通振動等による該建物の立地場所の地盤
の微小振動レベルを測定し、周波数毎の振動レベル解析
を行うのみである。
【0059】そして、ステップS21において、ステップ
S4で得られた地盤の周波数分析結果と、ステップS3
で得られた建物の固有振動数から建物の振動レベルを算
出した後、ステップS6において、建物の固有振動数毎
の振動レベルを判定する。他の構成は前記第1実施形態
と同様に構成され、同様の効果を得ることが出来る。
【0060】
【発明の効果】本発明は、上述の如き構成と作用とを有
するので、必要とされる固有振動数毎の建物の振動レベ
ルを予測し得る建物の振動レベル予測方法を提供すると
共に、その予測値が許容値を越える場合には建物設計を
修正することで、建物の固有振動数と地盤振動の主要周
波数が離れていて共振振動が発生しない場合の周波数帯
域でも過剰設計にならず、経済的で快適な居住性を確保
した建物の設計を可能にすることが出来る。
【0061】また、個々の建物毎に対して地盤の周波数
分析結果と、建物の固有振動数から建物の振動レベルを
個々に算出することが省略出来、同一の地域に建物を建
築する場合に予め連続した周波数帯域で求められた振動
レベルを共通して利用出来るので建物設計が容易に出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建物の振動レベル予測方法及びこ
れを用いた建物の設計方法の第1実施形態を示すフロー
チャートである。
【図2】地盤の周波数毎の振動レベルに建物の固有振動
数に対する入力振動レベルの増幅量を上乗せして建物の
振動数毎の振動レベルを予測した様子を示す図である。
【図3】建物の固有振動数毎の振動レベルを判定する様
子を示す図である。
【図4】3階建て住宅の建物設計の修正前の状態を示す
間取り平面図である。
【図5】図4の建物設計修正後の状態を示す間取り平面
図である。
【図6】本発明に係る建物の振動レベル予測方法及びこ
れを用いた建物の設計方法の第2実施形態を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
1…耐震要素 2…間仕切り

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物を建設する地盤の振動レベルを測定
    して周波数毎の振動レベル解析を行うと共に、建物の固
    有振動数として予想される振動数の範囲を想定し、この
    想定した範囲の建物の固有振動数すべての値に対する建
    物の振動レベルを算出することにより建物として想定さ
    れる固有振動数毎の建物の振動レベルを予測することを
    特徴とする建物の振動レベル予測方法。
  2. 【請求項2】 建物を建設する地盤の振動レベルを測定
    して周波数毎の振動レベル解析を行うと共に、建物の固
    有振動数を算出し、この算出した建物の固有振動数に対
    する建物の振動レベルを算出することにより建物の振動
    レベルを予測することを特徴とする建物の振動レベル予
    測方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の建物の
    振動レベル予測方法により得られた建物の振動レベルの
    予測値が許容値を越える場合には建物設計を修正するこ
    とを特徴とする建物の設計方法。
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