JP2001348645A - プレス成形性と歪時効硬化特性に優れた冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

プレス成形性と歪時効硬化特性に優れた冷延鋼板およびその製造方法

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JP2001348645A JP2000286008A JP2000286008A JP2001348645A JP 2001348645 A JP2001348645 A JP 2001348645A JP 2000286008 A JP2000286008 A JP 2000286008A JP 2000286008 A JP2000286008 A JP 2000286008A JP 2001348645 A JP2001348645 A JP 2001348645A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたプレス成形性を有し、かつプレス成形
後に、比較的低い温度での熱処理によって引張強さが極
めて大きく上昇する歪時効硬化特性に優れた高張力冷延
鋼板およびその製造方法を提案する。 【解決手段】C:0.15%以下、Mn:3.0 %以下、Cu:0.
5 〜3.0 %を含み、Si、P、S、Al、Nを適正量に調整
した鋼スラブを素材とし、熱延工程、冷延工程を施し、
フェライト+オーステナイトの2相域で再結晶焼鈍を行
い、組織を、フェライト相と、面積率で2%以上のマル
テンサイト相を含む第2相との複合組織とする。これに
より、優れたプレス成形性とΔTS:80MPa 以上になる
優れた歪時効硬化特性を得る。Cuに代えて、Cr、Mo、W
の1種または2種以上を合計で2.0%以下含有してもよ
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として自動車用
冷延鋼板に係り、とくに、曲げ加工性、伸びフランジ加
工性、絞り加工性等のプレス成形性が良好で、しかもプ
レス成形後の熱処理により引張強さが顕著に増加する、
極めて大きな歪時効硬化特性を有する冷延鋼板およびそ
の製造方法に関する。本発明でいう極めて大きな歪時効
硬化特性、すなわち「歪時効硬化特性に優れる」とは、
ΔTS:80MPa 以上になる歪時効硬化特性を有すること
を意味する。本発明において、ΔTSとは、塑性歪量5
%以上の予変形処理後、150 〜 350℃の範囲の温度で保
持時間:30s以上の熱処理を施したときの、熱処理前後
の引張強さ増加量{=(熱処理後の引張強さ)−(予変
形処理前の引張強さ)}を意味する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境の保全問題からの排出ガ
ス規制に関連して、自動車の車体重量の軽減が極めて重
要な課題となっている。最近、車体重量の軽減のため
に、自動車用鋼板を高強度化して鋼板板厚を低減するこ
とが検討されている。鋼板を素材とする自動車の車体用
部品の多くがプレス加工により成形されるため、使用さ
れる冷延鋼板には、優れたプレス成形性を有することが
要求される。優れたプレス成形性を有する鋼板となるた
めには、まず低い降伏強さと高い延性を確保することが
肝要となる。また、伸びフランジ成形が多用される場合
もあり、高い穴拡げ率を有することも必要となる。しか
し、一般に、鋼板を高強度化すると、降伏強さが上昇し
形状凍結性が劣化するとともに、延性が低下し、穴拡げ
率が低下して、プレス成形性が低下する傾向となる。
【0003】また最近では、衝突時に乗員を保護するた
め、自動車車体の安全性が重視され、そのために衝突時
における安全性の目安となる耐衝撃特性の向上が要求さ
れている。耐衝撃特性の向上には、完成車での強度が高
いほど有利になる。したがって、自動車部品の成形時に
は、強度が低く、高い延性を有してプレス成形性に優
れ、完成品となった時点には、強度が高くて耐衝撃特性
に優れる冷延鋼板が最も強く望まれていた。
【0004】このような要望に対し、プレス成形性と高
強度化とを両立させた鋼板が開発された。この鋼板は、
プレス加工後に通常100 〜200 ℃の高温保持を含む塗装
焼付処理を施すと降伏応力が上昇する塗装焼付硬化型鋼
板である。この鋼板では、最終的に固溶状態で残存する
C量(固溶C量)を適正範囲に制御し、プレス成形時に
は軟質で、形状凍結性、延性を確保し、プレス成形後に
行われる塗装焼付処理時に、残存する固溶Cがプレス成
形時に導入された転位に固着して、転位の移動を妨げ、
降伏応力を上昇させる。しかしながら、この塗装焼付硬
化型自動車用鋼板では、降伏応力は上昇させることがで
きるものの、引張強さまでは上昇させることができなか
った。
【0005】また、特公平5-24979 号公報には、C:0.
08〜0.20%、Mn:1.5 〜3.5 %を含み残部Feおよび不可
避的不純物からなる成分組成を有し、組織がフェライト
量5%以下の均一なベイナイトもしくは一部マルテンサ
イトを含むベイナイトで構成された焼付硬化性高張力冷
延薄鋼板が開示されている。特公平5-24979 号公報に記
載された冷延鋼板は、連続焼鈍後の冷却過程で400 〜20
0 ℃の温度範囲を急冷し、その後を徐冷とすることによ
り、組織を従来のフェライト主体の組織からベイナイト
主体の組織として、従来になかった高い焼付硬化量を得
ようとするものである。
【0006】しかしながら、特公平5-24979 号公報に記
載された鋼板では、塗装焼付け後に降伏強さが上昇し従
来になかった高い焼付け硬化量が得られるものの、依然
として引張強さまでは上昇させることができず、耐衝撃
特性の向上が期待できないという問題があった。プレス
成形後に熱処理を施し、降伏応力のみならず引張強さを
も上昇させようとする鋼板が、熱延鋼板ではあるが、い
くつか提案されている。
【0007】例えば、特公平8-23048 号公報には、C:
0.02〜0.13%、Si:2.0 %以下、Mn:0.6 〜2.5 %、so
l.Al:0.10%以下、N:0.0080〜0.0250%を含む鋼を、
1100℃以上に再加熱し、850 〜950 ℃で仕上圧延を終了
する熱間圧延を施し、ついで15℃/s以上の冷却速度で
150 ℃未満の温度まで冷却し巻取り、フェライトとマル
テンサイトを主体とする複合組織とする、熱延鋼板の製
造方法が提案されている。しかしながら、特公平8-2304
8 号公報に記載された技術で製造された鋼板では、歪時
効硬化により降伏応力とともに引張強さが増加するもの
の、150 ℃未満という極めて低い巻取温度で巻き取るた
め、機械的特性の変動が大きいという問題があった。ま
た、プレス成形−塗装焼付処理後の降伏応力の増加量の
ばらつきが大きく、さらに、穴拡げ率(λ)が低く、伸
びフランジ加工性が低下しプレス成形性が不足するとい
う問題もあった。
【0008】また、特許第2802513 号公報には、熱延板
をめっき原板とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法が提
案されている。この方法は、C:0.05%以下、Mn:0.05
〜0.5 %、Al:0.1 %以下、Cu:0.8 〜2.0 %を含む鋼
スラブを巻取温度:530 ℃以下の条件で熱間圧延を行
い、続いて530 ℃以下の温度に加熱し鋼板表面を還元し
たのち、溶融亜鉛めっきを施すことにより、成形後の熱
処理による著しい硬化が得られるとしている。しかしな
がら、この方法で製造された鋼板では、成形後熱処理に
より著しい硬化を得るためには、熱処理温度を500 ℃以
上とする必要があり、熱処理温度が高く、実用上問題を
残していた。
【0009】また、特開平10−310824号公報には、熱延
板あるいは冷延板をめっき原板とし、成形後の熱処理に
より強度上昇が期待できる合金化溶融亜鉛めっき鋼板の
製造方法が提案されている。この方法は、C:0.01〜0.
08%を含み、Si、Mn、P、S、Al、Nを適正量としたう
えで、Cr、W、Moの1種または2種以上を合計で0.05〜
3.0 %含有する鋼を熱間圧延したのち、あるいはさらに
冷間圧延または、調質圧延し焼鈍したのち、溶融亜鉛め
っきを行い、その後加熱合金化処理を施すというもので
ある。この鋼板は、成形後、200 〜450 ℃の温度域で加
熱することにより引張強さ上昇が得られるとされる。し
かしながら、得られた鋼板は、ミクロ組織が、フェライ
ト単相、フェライト+パーライト、またはフェライト+
べイナイト組織であるため、高い延性と低い降伏強さが
得られず、プレス成形性が低下するという問題があっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うに、極めて強い要求があるにもかかわらず、これらの
特性を満足する鋼板を工業的に安定して製造する技術が
これまでになかったことに鑑み成されたものであり、上
記した問題を有利に解決し、自動車用鋼板として好適
な、優れたプレス成形性を有し、かつプレス成形後に、
比較的低い温度での熱処理によって引張強さが極めて大
きく上昇する歪時効硬化特性に優れた高張力冷延鋼板お
よびこの高張力冷延鋼板を安定して生産できる製造方法
を提案することを目的とする。
【0011】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
課題を達成するために、歪時効硬化特性におよぼす合金
元素の影響について鋭意研究を重ねた。その結果、C含
有量を低炭素域とし、適正範囲内のCu量を、あるいは適
正含有量範囲内のMo、Cr、Wのうちから選ばれた1種ま
たは2種以上を含有し、さらに加えて、鋼板組織をフェ
ライトとマルテンサイトの複合組織とすることにより、
予歪量:5%以上とした予変形処理と150 ℃以上350 ℃
以下の比較的低い温度の熱処理後に、降伏応力の増加に
加え、引張強さも顕著に増加する高い歪時効硬化が得ら
れることを見いだした。また、このような高い歪時効硬
化特性に加えて、良好な延性、低い降伏強さ、高い穴拡
げ率を有し、プレス成形性に優れた鋼板となることを見
いだした。
【0012】まず、本発明者らが行った基礎的な実験結
果について説明する。質量%で、C:0.04%、Si:0.02
%、Mn:1.7 %、P:0.01%、S:0.005 %、Al:0.04
%、N:0.002 %を含有し、Cuを0.3 %、1.3 %と変化
した組成を有するシートバーについて、1150℃に加熱−
均熱後、仕上圧延終了温度が900 ℃となるように3パス
圧延を行って板厚4.0mm とした。なお、仕上圧延終了、
コイル巻取り後、600 ℃×1hの保温相当処理を施し
た。引続き、圧下率70%の冷間圧延を施して板厚1.2mm
の冷延板とした。ついで、これら冷延板に、種々の条件
で再結晶焼鈍を施した。
【0013】得られた冷延鋼板について、引張試験を実
施し引張特性を調査した。さらに、これら冷延鋼板の歪
時効硬化特性について調査した。まず、これら冷延鋼板
から試験片を採取し、これら試験片に引張予歪量5%の
予変形処理を施し、ついで50〜350 ℃×20min の熱処理
を施したのち、引張試験を実施し引張特性を求めた。歪
時効硬化特性は、熱処理前後の引張強さ増加量ΔTSで
評価した。ΔTSは、熱処理を施した後の引張強さTS
HTと、熱処理を施さない場合の引張強さTSとの差(=
(熱処理後の引張強さTSHT)−(予変形処理前の引張
強さTS))とした。なお、引張試験は、JIS 5号引張
試験片を用いて実施した。
【0014】図1に、ΔTSと再結晶焼鈍温度の関係に
およぼすCu含有量の影響を示す。なお、ΔTSは、得ら
れた冷延鋼板から採取した試験片に、引張予歪量5%の
予変形処理を施し、ついで250 ℃×20min の熱処理を施
したのち、引張試験を実施して求めた。図1から、Cu含
有量が1.3 質量%の場合には、再結晶焼鈍温度を700 ℃
以上として鋼板組織をフェライト+マルテンサイト複合
組織とすることにより、ΔTS:80MPa 以上という高い
歪時効硬化特性が得られることがわかる。一方、Cu含有
量が0.3 質量%の場合には、いずれの再結晶焼鈍温度で
もΔTS:80MPa 未満であり、高い歪時効硬化特性は得
られない。図1からCu含有量を適正化し、組織をフェラ
イト+マルテンサイト複合組織とすることにより、高い
歪時効硬化特性を有する冷延鋼板を製造することが可能
であることがわかる。
【0015】図2に、ΔTSと予変形処理後の熱処理温
度の関係におよぼすCu含有量の影響を示す。鋼板は、冷
延後、フェライト(α)+オーステナイト(γ)の2相
域である800 ℃で保持時間40sの焼鈍を施した後、保持
温度(800 ℃)から30℃/sの冷却速度で室温まで冷却
したものを用いた。これら鋼板のミクロ組織は、フェラ
イトとマルテンサイト(第2相)との複合組織であり、
マルテンサイトの組織分率は面積率で8%であった。
【0016】図2から、ΔTSは、熱処理温度が上昇す
るとともに増加するが、その増加量はCu含有量に大きく
依存する。Cu含有量が1.3 質量%の場合には、熱処理温
度が150 ℃以上でΔTS:80MPa 以上という高い歪時効
硬化特性が得られることがわかる。Cu含有量が0.3 質量
%の場合には、いずれの熱処理温度でも、ΔTS:80MP
a 未満であり、高い歪時効硬化特性は得られない。
【0017】また、Cu含有量が0.3 質量%と1.3 質量%
の冷延まま鋼板について、冷延後の再結晶焼鈍条件を種
々変化させ、組織をフェライト+オーステナイトからフ
ェライト単相とし、降伏比YR(=(降伏強さYS/引
張強さTS)×100 %)を50〜90%とした材料(鋼板)
を作製した。これら材料(鋼板)について、穴拡げ試験
を実施し穴拡げ率(λ)を求めた。穴拡げ試験は、10mm
φのポンチで打ち抜いて供試片にポンチ穴を形成したの
ち、頂角60°の円錐ポンチを用い、ばりが外側になるよ
うにして、板厚を貫通する割れが発生するまで穴拡げを
行い、穴拡げ率λを求めた。穴拡げ率λは、λ(%)=
{(d−d0 )/d0 }×100 で求めた。なお、d0
初期穴径、d:割れ発生時の内穴径である。
【0018】これらの結果を、穴拡げ率λと降伏比YR
との関係に整理し、穴拡げ率λと降伏比YRとの関係に
およぼすCu含有量の影響として図3に示す。図3から、
Cu:0.3 質量%の鋼板では、フェライト+マルテンサイ
トの複合組織となりYRが70%未満となると、YRの低
下とともにλが低下しているが、Cu:1.3 質量%の鋼板
では、フェライト+マルテンサイトの複合組織となりY
Rが低くなっても高いλ値を維持していることがわか
る。一方、Cu含有量が0.3 質量%の鋼板では、低いYR
と高いλを同時には得ることができない。
【0019】図3から、Cu含有量を適正範囲内とし、フ
ェライト+マルテンサイトの複合組織とすることによ
り、低降伏比と高穴拡げ率をともに満足する鋼板を製造
することが可能であることがわかる。本発明の冷延鋼板
では、通常の熱処理前後の変形応力増加量測定時の予歪
量である2%よりも多い歪量での予変形と、150 ℃以上
350 ℃以下といった比較的低温域での熱処理により、鋼
板中に極微細Cuが析出する。本発明者らの検討によれ
ば、この極微細Cuの析出により、降伏応力の増加に加
え、引張強さが顕著に増加する高い歪時効硬化特性が得
られたと考えられる。このような低温域での熱処理によ
る極微細Cuの析出は、これまで報告されている極低炭素
鋼あるいは低炭素鋼では全く認められなかった。低温域
での熱処理によって極微細Cuが析出することについて
は、現在まで、その理由は明確となっていないが、α+
γの2相域での焼鈍中に、γ相にCuが多量に分配され、
それが冷却後も引き継がれてマルテンサイト中にCuが過
飽和に固溶した状態になり、5%以上の予歪の付加と低
温熱処理により、極微細に析出したものと考えられる。
【0020】また、Cuを添加し、組織をフェライト+マ
ルテンサイトの複合組織とした鋼板の穴拡げ率が高くな
る詳細な機構については、現在までに明確とはなってい
ないが、Cu添加によりフェライトとマルテンサイトとの
硬度差が小さくなったためではないかと考えられる。上
記した新規な知見に基づき、本発明者らは、さらに鋭意
研究を重ねた結果、上記した現象はCuを含まない鋼板に
おいても起こることを知見した。Cuに代えて、Mo、Cr、
Wのうちの1種または2種以上を含有し、組織をフェラ
イト+マルテンサイトの複合組織とすることにより、予
歪を付加し低温での熱処理を施すと、マルテンサイト中
に極微細な炭化物が歪誘起析出し引張強さが上昇するこ
とを見いだした。この低温加熱時の歪誘起微細析出は、
Mo、Cr、Wのうちの1種または2種以上に加えてNb、
V、Tiのうちの1種または2種以上を含有することによ
りさらに顕著となることも見いだした。
【0021】本発明は、上記した知見に基づき、さらに
検討して完成されたものであり、本発明の要旨は下記の
とおりである。 (1)組織が、フェライト相と、面積率で、2%以上の
マルテンサイト相を含む第2相との複合組織を有するこ
とを特徴とするプレス成形性に優れ、かつΔTS:80MP
a 以上になる歪時効硬化特性に優れた冷延鋼板。
【0022】(2)(1)において、前記組織に加え
て、質量%で、C:0.15%以下、Si:2.0 %以下、Mn:
3.0 %以下、P:0.1 %以下、S:0.02%以下、Al:0.
1 %以下、N:0.02%以下、Cu:0.5 〜3.0 %を含み、
残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有するこ
とを特徴とするプレス成形性に優れ、かつΔTS:80MP
a 以上になる歪時効硬化特性に優れた冷延鋼板。
【0023】(3)(2)において、前記組成に加えて
さらに、質量%で、次A群〜C群 A群:Ni:2.0 %以下 B群:Cr、Moのうちの1種または2種を合計で2.0 %以
下 C群:Nb、Ti、Vのうちの1種または2種以上を合計で
0.2 %以下 のうちの1群または2群以上を含有することを特徴とす
るプレス成形性に優れ、かつΔTS:80MPa 以上になる
歪時効硬化特性に優れた冷延鋼板。
【0024】(4)(1)において、前記組織に加え
て、質量%で、C:0.15%以下、Si:2.0 %以下、Mn:
3.0 %以下、P:0.1 %以下、S:0.02%以下、Al:0.
1 %以下、N:0.02%以下を含み、さらに、Mo:0.05〜
2.0 %、Cr:0.05〜2.0 %、W:0.05〜2.0 %のうちか
ら選ばれた1種または2種以上を含有し、残部がFeおよ
び不可避的不純物からなる組成を有することを特徴とす
るプレス成形性に優れ、かつΔTS:80MPa 以上になる
歪時効硬化特性に優れた冷延鋼板。
【0025】(5)(4)において、前記組成に加えて
さらに、質量%で、Nb、Ti、Vのうちの1種または2種
以上を合計で2.0 %以下を含有することを特徴とするプ
レス成形性に優れ、かつΔTS:80MPa 以上になる歪時
効硬化特性に優れた冷延鋼板。(6)質量%で、C:0.
15%以下、Si:2.0 %以下、Mn:3.0 %以下、P:0.1
%以下、S:0.02%以下、Al:0.1 %以下、N:0.02%
以下、Cu:0.5 〜3.0%を含み、あるいはさらに、次A
群〜C群 A群:Ni:2.0 %以下 B群:Cr、Moのうちの1種または2種を合計で2.0 %以
下 C群:Nb、Ti、Vのうちの1種または2種以上を合計で
0.2 %以下 のうちの1群または2群以上を含有し、好ましくは残部
がFeおよび不可避的不純物からなる組成の鋼スラブを素
材とし、該素材に熱間圧延を施し熱延板とする熱延工程
と、該熱延板に冷間圧延を施し冷延板とする冷延工程
と、該冷延板に再結晶焼鈍を行い冷延焼鈍板とする再結
晶焼鈍工程とを順次施す冷延鋼板の製造方法において、
前記再結晶焼鈍をAc1 変態点〜Ac3 変態点の温度範囲の
フェライト+オーステナイトの2相域で行うことを特徴
とするプレス成形性に優れ、かつΔTS:80MPa 以上に
なる歪時効硬化特性に優れた冷延鋼板の製造方法。
【0026】(7)(6)において、前記組成を有する
鋼スラブに代えて、質量%で、C:0.15%以下、Si:2.
0 %以下、Mn:3.0 %以下、P:0.1 %以下、S:0.02
%以下、Al:0.1 %以下、N:0.02%以下を含み、さら
に、Mo:0.05〜2.0 %、Cr:0.05〜2.0 %、W:0.05〜
2.0 %のうちから選ばれた1種または2種以上を含有
し、あるいはさらにNb、Ti、Vのうちの1種または2種
以上を合計で2.0 %以下を含有し、好ましくは残部がFe
および不可避的不純物からなる組成の鋼スラブとするこ
とを特徴とするプレス成形性に優れ、かつΔTS:80MP
a 以上になる歪時効硬化特性に優れた冷延鋼板の製造方
法。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の冷延鋼板は、引張強さT
S:440MPa以上の高張力冷延鋼板であり、プレス成形性
に優れ、かつプレス成形後の比較的低い温度での熱処理
により引張強さが顕著に上昇し、ΔTS:80MPa 以上に
なる歪時効硬化特性に優れた鋼板である。
【0028】本発明でいう、「歪時効硬化特性に優れ
た」とは、上記したように、引張塑性歪量5%以上の予
変形処理後、150 〜 350℃の範囲の温度で保持時間:30
s以上の熱処理を施したとき、この熱処理前後の引張強
さ増加量ΔTS{=(熱処理後の引張強さ)−(予変形
処理前の引張強さ)}が80MPa 以上となることを意味す
る。なお、望ましくはΔTSは100 MPa 以上である。こ
の熱処理により降伏応力も上昇し、ΔYS{=(熱処理
後の降伏強さ)−(予変形処理前の降伏強さ)}: 80
MPa 以上が得られることはいうまでもない。
【0029】歪時効硬化特性を規定する場合、予歪(予
変形)量は重要な因子である。本発明者らは、自動車用
鋼板が適用される変形様式を想定して、予歪量がその後
の歪時効硬化特性に及ぼす影響について調査した。その
結果、極めて深い絞り加工以外はおおむね1軸相当歪
(引張歪)量で整理できること、また、実部品において
は、この1軸相当歪量がおおむね5%を上回っているこ
と、また、部品強度が予歪5%の歪時効処理後に得られ
る強度と良く対応すること、が明らかになった。これら
のことから、本発明では、熱処理の予歪(変形)を5%
以上の引張塑性歪とした。
【0030】従来の塗装焼付処理条件は、170 ℃×20mi
n が標準として採用されているが、本発明におけるよう
に、極微細Cuの析出強化を利用する場合には、熱処理温
度は150 ℃以上が必要となる。一方、350 ℃を超える条
件では、その効果が飽和し、逆にやや軟化する傾向を示
す。また、350 ℃を超える温度に加熱すると、熱歪やテ
ンパーカラーの発生などが顕著となる。このようなこと
から、本発明では、歪時効硬化のための熱処理温度は15
0 〜350 ℃とした。なお、熱処理温度における保持時間
は30s以上とする。熱処理の保持時間については、150
〜350 ℃ではおおむね30s程度以上保持すれば、ほぼ十
分な歪時効硬化が達成される。よりおおきな安定した歪
時効硬化を得たい場合には保持時間は60s以上とするの
が望ましく、より好ましくは300 s以上である。
【0031】予変形後の熱処理における加熱方法は、と
くに限定されないが、通常の塗装焼付処理におけるよう
に、炉による雰囲気加熱以外に、たとえば誘導加熱、無
酸化炎、レーザー、プラズマなどによる加熱などがいず
れも好適である。また、鋼板の温度を高めてプレスす
る、いわゆる温間プレスも、本発明においては極めて有
効な方法である。
【0032】まず、本発明鋼板の組織について説明す
る。本発明の冷延鋼板は、組織が、フェライト相と、面
積率で2%以上のマルテンサイト相を含む第2相との複
合組織を有する。低い降伏強さYSと高い延性(El)
を有し、優れたプレス成形性を有する冷延鋼板とするた
めに、本発明では鋼板の組織を、主相であるフェライト
相と、マルテンサイトを含む第2相との複合組織とする
必要がある。主相であるフェライトは、面積率で50%以
上とするのが好ましい。フェライトが、50%未満では、
高い延性を確保することが困難となりプレス成形性が低
下する。また、さらに良好な延性が要求される場合には
フェライト相の面積率は80%以上とするのが好ましい。
なお、複合組織の利点を利用するために、フェライト相
は98%以下とするのが好ましい。
【0033】また、第2相として、本発明では、マルテ
ンサイトを、面積率で2%以上含有する必要がある。マ
ルテンサイトが2%未満では、低いYSと高いElを同
時に満足させることができない。なお、第2相は、面積
率で2%以上のマルテンサイト相単独としても、あるい
は面積率で2%以上のマルテンサイト相と、副相として
それ以外のパーライト相、ベイナイト相、残留オーステ
ナイト相のいずれかとの混合としてもよく、とくに限定
されない。
【0034】上記した組織を有する冷延鋼板は、低降伏
強さと高延性を有し、プレス成形性に優れ、かつ歪時効
硬化特性に優れた鋼板となる。つぎに、本発明冷延鋼板
の組成限定理由について説明する。なお、質量%は単に
%と記す。 C:0.15%以下 Cは、鋼板の強度を増加し、さらにフェライトとマルテ
ンサイトの複合組織の形成を促進する元素であり、本発
明では複合組織形成の観点から0.01%以上含有するのが
好ましい。一方、0.15%を超える含有は、鋼中の炭化物
の分率が増加し、延性、さらにはプレス成形性を低下さ
せる。さらに、より重要な問題として、C含有量が0.15
%を超えると、スポット溶接性、アーク溶接性等が顕著
に低下する。このため、本発明では、Cは0.15%以下に
限定した。なお、成形性の観点からは0.10%以下とする
のが好ましい。
【0035】Si:2.0 %以下 Siは、鋼板の延性を顕著に低下させることなく、鋼板を
高強度化させることができる有用な強化元素であるが、
その含有量が2.0 %を超えると、プレス成形性の劣化を
招くとともに、表面性状が悪化する。このため、Siは2.
0 %以下に限定した。
【0036】Mn:3.0 %以下 Mnは、鋼を強化する作用があり、さらにフェライト+マ
ルテンサイトの複合組織が得られる臨界冷却速度を低く
し、フェライトとマルテンサイトの複合組織の形成を促
進する作用を有しており、再結晶焼鈍後の冷却速度に応
じ含有するのが好ましい。また、Sによる熱間割れを防
止する有効な元素であり、含有するS量に応じて含有す
るのが好ましい。このような効果は、0.5 %以上の含有
で顕著となる。一方、3.0 %を超える含有は、プレス成
形性および溶接性が劣化する。このため、本発明ではMn
は3.0 %以下に限定した。なお、より好ましくは1.0 %
以上である。
【0037】P:0.10%以下 Pは、鋼を強化する作用があるが、所望の強度に応じて
必要量含有することができるが、過剰に含有するとプレ
ス成形性が劣化する。このため、Pは0.10%以下に限定
した。なお、より優れたプレス成形性が要求される場合
には、0.08%以下とするのが好ましい。
【0038】S:0.02%以下 Sは、鋼板中では介在物として存在し、鋼板の延性、成
形性、とくに伸びフランジ成形性の劣化をもたらす元素
であり、できるだけ低減するのが好ましいが、0.02%以
下に低減するとさほど悪影響をおよぼさなくなるため、
本発明ではSは0.02%を上限とした。なお、優れた伸び
フランジ成形性を要求される場合には、Sは0.010 %以
下とするのが好ましい。
【0039】Al:0.10%以下 Alは、鋼の脱酸元素として添加され、鋼の清浄度を向上
させるのに有用な元素であるが、0.10%を超えて含有し
てもより一層の脱酸効果は得られず、逆にプレス成形性
が劣化する。このため、Alは0.10%以下に限定した。な
お、本発明では、Al脱酸以外の脱酸方法による溶製方法
を排除するものではなく、たとえばTi脱酸やSi脱酸を行
ってもよく、これらの脱酸法による鋼板も本発明の範囲
に含まれる。その際、CaやREM 等を溶鋼に添加しても、
本発明鋼板の特徴はなんら阻害されない。CaやREM 等を
含む鋼板も本発明範囲に含まれるのは、勿論である。
【0040】N:0.02%以下 Nは、固溶強化や歪時効硬化で鋼板の強度を増加させる
元素であるが、0.02%を超えて含有すると、鋼板中に窒
化物が増加し、それにより鋼板の延性、さらにはプレス
成形性が顕著に劣化する。このため、Nは0.02%以下に
限定した。なお、よりプレス成形性の向上が要求される
場合には0.01%以下とするのが好適である。
【0041】Cu:0.5 〜3.0 % Cuは、鋼板の歪時効硬化(予変形−熱処理後の強度増
加)を顕著に増加させる元素であり、本発明において最
も重要な元素の一つである。Cu含有量が0.5 %未満で
は、たとえ予変形−熱処理条件を変化させても、ΔT
S:80MPa 以上の引張強さの増加は得られない。このた
め、本発明では、Cuは0.5 %以上の含有を必要とする。
一方、3.0 %を超える含有は、効果が飽和し、含有量に
見合う効果が期待できず経済的に不利となるうえ、プレ
ス成形性の劣化を招き、さらに鋼板の表面性状が悪化す
る。このため、Cuは0.5 〜3.0 %に限定した。なお、よ
り大きいΔTSと優れたプレス成形性とを両立させるた
めには、Cuは1.0 〜2.5 %の範囲にするのが好ましい。
【0042】また、本発明では、上記したCuを含有する
組成に加えてさらに、質量%で、次A群〜C群 A群:Ni:2.0 %以下 B群:Cr、Moのうちの1種または2種を合計で2.0 %以
下 C群:Nb、Ti、Vのうちの1種または2種以上を合計で
0.2 %以下のうちの1群または2群以上を含有すること
が好ましい。
【0043】A群:Ni:2.0 %以下 A群:Niは、Cu添加時に鋼板表面に発生する表面欠陥の
防止に有効な元素であり、必要に応じ含有できる。含有
する場合には、その含有量は、Cu含有量に依存し、およ
そCu含有量の半分程度とするのが好ましい。なお、2.0
%を超えて含有しても、効果が飽和し含有量に見合う効
果が期待できなく経済的に不利となるうえ、逆にプレス
成形性が劣化する。このようなことから、Niは2.0 %以
下に限定するのが好ましい。
【0044】B群:Cr、Moのうちの1種または2種を合
計で2.0 %以下 B群:Cr、Moは、いずれもMnと同様に、フェライト+マ
ルテンサイトの複合組織が得られる臨界冷却速度を低く
し、フェライトとマルテンサイトの複合組織の形成を促
進する作用を有しており、必要に応じ含有できる。Cr、
Moのうちの1種または2種が合計で2.0 %超えて含有す
ると、プレス成形性が低下する。このため、B群:Cr、
Moのうちの1種または2種を合計で2.0 %以下に限定す
るのが好ましい。
【0045】C群:Nb、Ti、Vのうちの1種または2種
以上を合計で0.2 %以下 C群:Nb、Ti、Vは、いずれも炭化物形成元素であり、
炭化物の微細分散により高強度化に有効に作用するた
め、必要に応じ選択して含有できる。しかし、Nb、Ti、
Vのうちの1種または2種以上を合計で0.2 %超えて含
有すると、プレス成形性が劣化する。このため、Nb、T
i、Vは合計で0.2 %に限定するのが好ましい。
【0046】また、本発明では、上記したCuの含有に代
えて、Mo:0.05〜2.0 %、Cr:0.05〜2.0 %、W:0.05
〜2.0 %のうちから選ばれた1種または2種以上を合計
で2.0 %以下含有してもよい。 Mo:0.05〜2.0 %、Cr:0.05〜2.0 %、W:0.05〜2.0
%のうちから選ばれた1種または2種以上を合計で2.0
%以下 Mo、Cr、Wはいずれも、鋼板の歪時効硬化を顕著に増加
させる元素で、本発明において最も重要な元素であり、
選択して含有できる。これらMo、Cr、Wのうちの1種ま
たは2種以上を含有させ、さらにフェライトとマルテン
サイトの複合組織とすることにより、予変形−熱処理時
に微細炭化物が歪誘起微細析出し、ΔTS:80MPa 以上
の引張強さの増加が得られる。これら元素の含有量がそ
れぞれ0.05%未満では、予変形−熱処理条件、鋼板組織
を変化させても、ΔTS:80MPa以上の引張強さの増加
は得られない。一方、これら元素の含有量がそれぞれ2.
0%を超えて含有しても、上記した効果は飽和し含有量
に見合う効果が期待できず経済的に不利となるうえ、プ
レス成形性の劣化を招く。このため、Mo、Cr、Wは、M
o:0.05〜2.0 %、Cr:0.05〜2.0 %、W:0.05〜2.0
%の範囲に限定する。なお、プレス成形性の観点から、
Mo、Cr、Wの含有量の合計は2.0 %以下に限定した。
【0047】Nb、Ti、Vのうちの1種または2種以上を
合計で2.0 %以下 Nb、Ti、Vは、いずれも炭化物形成元素であり、Mo、C
r、Wのうちの1種または2種以上を含有する場合に、
必要に応じ選択して含有できる。これらNb、Ti、Vのう
ちの1種または2種以上を含有させ、さらにフェライト
とマルテンサイトの複合組織とすることにより、予変形
−熱処理時に微細炭化物が歪誘起微細析出し、ΔTS:
80MPa 以上の引張強さの増加が得られる。しかし、Nb、
Ti、Vのうちの1種または2種以上を合計で2.0 %超え
て含有すると、プレス成形性が劣化する。このため、N
b、Ti、Vは、合計で2.0 %以下に限定するのが好まし
い。
【0048】なお、上記した成分以外に、とくに限定し
てはいないが、B:0.1 %以下、Zr:0.1 %以下、Sb:
0.1 %以下、Ca:0.1 %以下、REM :0.1 %以下等を含
有してもなんら問題はない。上記した成分以外の残部は
Feおよび不可避的不純物である。不可避的不純物として
は、Pb:0.01%以下、Sn:0.1 %以下、Zn:0.01%以
下、Co:0.1 %以下が許容できる。
【0049】つぎに、本発明の冷延鋼板の製造方法につ
いて説明する。本発明の冷延鋼板は、上記した範囲内の
組成を有する鋼スラブを素材とし、該素材に熱間圧延を
施し熱延板とする熱延工程と、該熱延板に冷間圧延を施
し冷延板とする冷延工程と、該冷延板に再結晶焼鈍を行
い冷延焼鈍板とする再結晶焼鈍工程とを順次施すことに
より製造される。
【0050】使用する鋼スラブは、成分のマクロ偏析を
防止するために連続鋳造法で製造するのが好ましいが、
造塊法、薄スラブ連鋳法で製造してもよい。また、鋼ス
ラブを製造したのち、いったん室温まで冷却し、その後
再加熱する従来法に加え、冷却しないで、温片のままで
加熱炉に挿入する、あるいはわずかの保熱を行った後に
直ちに圧延する直送圧延・直接圧延などの省エネルギー
プロセスも問題なく適用できる。
【0051】上記した素材(鋼スラブ)を加熱し、熱間
圧延を施し熱延板とする熱延工程を施す。熱延工程は所
望の板厚の熱延板が製造できる条件であれば通常公知の
条件でとくに問題はない。なお、好ましい熱延条件は下
記のとおりである。スラブ加熱温度:900 ℃以上スラブ
加熱温度は、Cuを含有する組成の場合には、Cu起因の表
面欠陥を防止するために低いほうが望ましい。しかし、
加熱温度が900 ℃未満では、圧延荷重が増大し、熱間圧
延時のトラブル発生の危険が増大する。なお、酸化重量
の増加にともなうスケールロスの増大などから、スラブ
加熱温度は1300℃以下とすることが望ましい。
【0052】なお、スラブ加熱温度を低くし、かつ熱間
圧延時のトラブルを防止するといった観点から、シート
バーを加熱する、いわゆるシートバーヒーターを活用す
ることは、有効な方法であることはいうまでもない。 仕上圧延終了温度:700 ℃以上 仕上圧延終了温度FDTを700 ℃以上とすることによ
り、冷延および再結晶焼鈍後に優れた成形性が得られる
均一な熱延母板組織を得ることができる。一方、、仕上
圧延終了温度が700 ℃未満では、熱延母板組織が不均一
となるとともに、熱間圧延時の圧延負荷が高くなり、熱
間圧延時のトラブルが発生する危険性が増大する。この
ようなことから、熱延工程のFDTは700 ℃以上とする
のが好ましい。
【0053】巻取温度:800 ℃以下 巻取温度は、800 ℃以下とするのが好ましく、より好ま
しくは200 ℃以上である。巻取温度が800 ℃を超える
と、スケールが増加しスケールロスにより歩留りが低下
する傾向となる。なお、巻取温度が200 ℃未満となる
と、鋼板形状が顕著に乱れ、実際の使用にあたり不具合
を生じる危険性が増大する。
【0054】このように、本発明の熱延工程では、スラ
ブを900 ℃以上に加熱した後、仕上圧延終了温度:700
℃以上とする熱間圧延を施し、800 ℃以下好ましくは20
0 ℃以上の巻取温度で巻き取り熱延板とするのが好まし
い。なお、本発明における熱延工程では、熱間圧延時の
圧延荷重を低減するために仕上圧延の一部または全部を
潤滑圧延としてもよい。潤滑圧延を行うことは、鋼板形
状の均一化、材質の均一化の観点からも有効である。な
お、潤滑圧延の際の摩耗係数は0.25〜0.10の範囲とする
ことが好ましい。また、相前後するシートバー同士を接
合し、連続的に仕上圧延する連続圧延プロセスとするこ
とが好ましい。連続圧延プロセスを適用することは、熱
間圧延の操業安定性の観点からも望ましい。
【0055】ついで、熱延板に、冷延工程を施す。冷延
工程では、熱延板に冷間圧延を施し冷延板とする。冷間
圧延条件は、所望の寸法形状の冷延板とすることができ
ればよく、とくに限定されないが、冷間圧延時の圧下率
は40%以上とすることが好ましい。圧下率が40%未満で
は、後工程である再結晶焼鈍時に、再結晶が均一に起こ
りにくくなるからである。
【0056】ついで、冷延板に再結晶焼鈍を行い冷延焼
鈍板とする再結晶焼鈍工程を施す。再結晶焼鈍は、連続
焼鈍ラインまたは連続溶融亜鉛めっきラインのいずれか
で行うのが好ましい。再結晶焼鈍の焼鈍温度はAc1 変態
点〜Ac3 変態点の温度範囲の(α+γ)2相域で行うこ
とが好ましい。焼鈍温度がAc1 変態点未満では、フェラ
イト単相となり、一方、Ac3 変態点を超える高温では、
結晶粒が粗大化するとともに、オーステナイト単相域と
なり、プレス成形性が著しく劣化する。また、(α+
γ)2相域で焼鈍することにより、フェライト+マルテ
ンサイトの複合組織が得られるとともに、高いΔTSが
得られる。
【0057】なお、再結晶焼鈍時の冷却は、マルテンサ
イト形成の観点から、1℃/s以上とするのが好まし
い。また、再結晶焼鈍工程後に、形状矯正、表面粗度等
の調整のために、10%以下の調質圧延工程を加えてもよ
い。なお、本発明の冷延鋼板は、加工用鋼板としてのみ
ならず、加工用表面処理鋼板の原板としても適用でき
る。表面処理としては、亜鉛めっき(合金系を含む)、
すずめっき、ほうろう等がある。
【0058】また、本発明の冷延鋼板には、亜鉛めっき
後、化成処理性、溶接性、プレス成形性および耐食性等
の改善のために特殊な処理を施してもよい。
【0059】
【実施例】(実施例1)表1に示す組成の溶鋼を転炉で
溶製し、連続鋳造法でスラブとした。ついで、これら鋼
スラブを1150℃に加熱したのち、仕上圧延終了温度: 9
00℃、巻取温度: 600℃とする熱間圧延を施す熱延工程
により、板厚4.0mm の熱延鋼帯(熱延板)とした。引き
続き、これら熱延鋼帯(熱延板)に酸洗、冷間圧延を施
す冷延工程により、板厚1.2mm の冷延鋼帯(冷延板)と
した。ついで、これら冷延鋼帯(冷延板)に、連続焼鈍
ラインで、表2に示す焼鈍温度で再結晶焼鈍を施した。
得られた鋼帯(冷延焼鈍板)に、さらに伸び率:0.8 %
の調質圧延を施した。
【0060】得られた鋼帯から試験片を採取し、微視組
織、引張特性、歪時効硬化特性、穴拡げ性を調査した。
なお、プレス成形性は、伸びEl(延性)と降伏強さお
よび穴拡げ率から評価した。 (1)微視組織 得られた鋼帯から試験片を採取し、圧延方向に直交する
断面(C断面)について、光学顕微鏡あるいは走査型電
子顕微鏡を用いて微視組織を撮像し、画像解析装置を用
いて主相であるフェライトの組織分率および第2相の種
類と組織分率を求めた。
【0061】(2)引張特性 得られた鋼帯から、JIS 5号引張試験片を採取し、JIS
Z 2241の規定に準拠して引張試験を行い、降伏強さY
S、引張強さTS、伸びEl、降伏比YRを求めた。 (3)歪時効硬化特性 得られた鋼帯(冷延焼鈍板)からJIS 5号試験片を圧延
方向に採取し、予変形(引張予歪)として5%の塑性変
形を与えて、ついで250 ℃×20min の熱処理を施したの
ち、引張試験を実施し、熱処理後の引張特性(降伏応力
YSHT、引張強さTSHT)を求め、ΔYS=YSHT−Y
S、ΔTS=TSHT−TSを算出した。なお、YSHT
TSHTは予変形−熱処理後の降伏応力、引張強さであ
り、YS、TSは鋼帯(冷延焼鈍板)の降伏強さ、引張
強さである。
【0062】(4)穴拡げ性 得られた鋼帯から採取した試験片に、10mmφのポンチで
打ち抜いてポンチ穴を形成したのち、頂角60°の円錐ポ
ンチを用い、ばりが外側になるようにして、板厚を貫通
する割れが発生するまで穴拡げを行い、穴拡げ率λを求
めた。穴拡げ率λは、λ(%)={(d−d0 )/
0 }×100 で求めた。なお、d0 :初期穴径(ポンチ
穴)、d:割れ発生時の内穴径である。
【0063】これらの結果を表3に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】本発明例は、いずれも、低い降伏強さYS
と高い伸びElと、低い降伏比YRを有し、さらに大き
な穴拡げ率λを示して、伸びフランジ成形性を含むプレ
ス成形性に優れるとともに、極めて大きなΔTSを示
し、歪時効硬化特性に優れた鋼板となっている。これに
対し、本発明の範囲を外れる比較例では、降伏強さYS
が高いか、伸びElが低いか、あるいは穴拡げ率λが小
さいか、ΔTSが小さく、プレス成形性、歪時効硬化特
性が低下した鋼板となっている。
【0068】(実施例2)表4に示す組成の溶鋼を転炉
で溶製し、連続鋳造法でスラブとした。ついで、これら
鋼スラブを1250℃に加熱したのち、仕上圧延終了温度:
900℃、巻取温度: 600℃とする熱間圧延を施す熱延工
程により、板厚4.0mm の熱延鋼帯(熱延板)とした。引
き続き、これら熱延鋼帯(熱延板)に酸洗、冷間圧延を
施す冷延工程により、板厚1.2mm の冷延鋼帯(冷延板)
とした。ついで、これら冷延鋼帯(冷延板)に、連続焼
鈍ラインで、表5に示す焼鈍温度で再結晶焼鈍を施し
た。得られた鋼帯(冷延焼鈍板)に、さらに伸び率:0.
8 %の調質圧延を施した。
【0069】得られた鋼帯から試験片を採取し、実施例
1と同様に、微視組織、引張特性、歪時効硬化特性、穴
拡げ性を調査した。なお、プレス成形性は、伸びEl
(延性)と降伏強さおよび穴拡げ率から評価した。これ
らの結果を表6に示す。
【0070】
【表4】
【0071】
【表5】
【0072】
【表6】
【0073】本発明例は、いずれも、低い降伏強さYS
と高い伸びElと、低い降伏比YRを有し、さらに大き
な穴拡げ率λを示して、伸びフランジ成形性を含むプレ
ス成形性に優れるとともに、極めて大きなΔTSを示
し、歪時効硬化特性に優れた鋼板となっている。これに
対し、本発明の範囲を外れる比較例では、降伏強さYS
が高いか、伸びElが低いか、あるいは穴拡げ率λが小
さいか、ΔTSが小さく、プレス成形性、歪時効硬化特
性が低下した鋼板となっている。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、優れたプレス成形性を
維持しつつ、プレス成形後の熱処理により引張強さが顕
著に上昇する冷延鋼板を、安定して製造することが可能
となり、産業上格段の効果を奏する。本発明の冷延鋼板
を自動車部品用に適用した場合、プレス成形が容易で、
かつ完成後の部品特性を安定して高くでき、自動車車体
の軽量化に十分に寄与できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】予変形−熱処理後のΔTSと再結晶焼鈍温度の
関係におよぼすCu含有量の影響を示すグラフである。
【図2】予変形−熱処理後のΔTSと熱処理温度の関係
におよぼすCu含有量の影響を示すグラフである。
【図3】λとYRとの関係におよぼすCu含有量の影響を
示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂田 敬 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 古君 修 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4K037 EA01 EA04 EA05 EA06 EA11 EA13 EA15 EA16 EA17 EA18 EA19 EA20 EA23 EA25 EA27 EA28 EA31 EA32 EA33 EC01 EC02 FA01 FA02 FC02 FC03 FC04 FE01 FE02 FE03 FG01 FH01 FJ05 FJ06 GA05 JA06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組織が、フェライト相と、面積率で2%
    以上のマルテンサイト相を含む第2相との複合組織を有
    することを特徴とするプレス成形性に優れ、かつΔT
    S:80MPa 以上になる歪時効硬化特性に優れた冷延鋼
    板。
  2. 【請求項2】 質量%で、 C:0.15%以下、 Si:2.0 %以下、 Mn:3.0 %以下、 P:0.1 %以下、 S:0.02%以下、 Al:0.1 %以下、 N:0.02%以下、 Cu:0.5 〜3.0 % を含み、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を
    有することを特徴とする請求項1に記載の冷延鋼板。
  3. 【請求項3】 前記組成に加えてさらに、質量%で、下
    記A群〜C群のうちの1群または2群以上を含有するこ
    とを特徴とする請求項2に記載の冷延鋼板。 記 A群:Ni:2.0 %以下 B群:Cr、Moのうちの1種または2種を合計で2.0 %以
    下 C群:Nb、Ti、Vのうちの1種または2種以上を合計で
    0.2 %以下
  4. 【請求項4】 質量%で、 C:0.15%以下、 Si:2.0 %以下、 Mn:3.0 %以下、 P:0.1 %以下、 S:0.02%以下、 Al:0.1 %以下、 N:0.02%以下 を含み、さらに、 Mo:0.05〜2.0 %、Cr:0.05〜2.0 %、W:0.05〜2.0
    %のうちから選ばれた1種または2種以上を含有し、残
    部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有すること
    を特徴とする請求項1に記載の冷延鋼板。
  5. 【請求項5】 前記組成に加えてさらに、質量%で、N
    b、Ti、Vのうちの1種または2種以上を合計で2.0 %
    以下を含有することを特徴とする請求項4に記載の冷延
    鋼板。
  6. 【請求項6】 質量%で、 C:0.15%以下、 Si:2.0 %以下、 Mn:3.0 %以下、 P:0.1 %以下、 S:0.02%以下、 Al:0.1 %以下、 N:0.02%以下、 Cu:0.5 〜3.0 % を含む組成の鋼スラブを素材とし、該素材に熱間圧延を
    施し熱延板とする熱延工程と、該熱延板に冷間圧延を施
    し冷延板とする冷延工程と、該冷延板に再結晶焼鈍を行
    い冷延焼鈍板とする再結晶焼鈍工程とを順次施す冷延鋼
    板の製造方法において、前記再結晶焼鈍をAc1 変態点〜
    Ac3 変態点の温度範囲のフェライト+オーステナイトの
    2相域で行うことを特徴とするプレス成形性とΔTS:
    80MPa 以上になる歪時効硬化特性に優れた冷延鋼板の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記組成の鋼スラブに代えて、質量%
    で、 C:0.15%以下、 Si:2.0 %以下、 Mn:3.0 %以下、 P:0.1 %以下、 S:0.02%以下、 Al:0.1 %以下、 N:0.02%以下 を含み、さらに、 Mo:0.05〜2.0 %、Cr:0.05〜2.0 %、W:0.05〜2.0
    %のうちから選ばれた1種または2種以上を含有する組
    成の鋼スラブとすることを特徴とする請求項6に記載の
    冷延鋼板の製造方法。
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