JP2001347317A - 矯正機 - Google Patents
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- JP2001347317A JP2001347317A JP2000171259A JP2000171259A JP2001347317A JP 2001347317 A JP2001347317 A JP 2001347317A JP 2000171259 A JP2000171259 A JP 2000171259A JP 2000171259 A JP2000171259 A JP 2000171259A JP 2001347317 A JP2001347317 A JP 2001347317A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 被加工材料に付与する加工歪を、各矯正ロー
ルの関係においてのみ設定することで精度の良い矯正を
行なう。 【解決手段】 矯正機20は、被加工材料10のパスラ
インの上下位置に、複数の上矯正ロール12および複数
の下矯正ロール14が、材料送給方向に千鳥状に配置さ
れる。最終の上矯正ロール12は、最終の下矯正ロール
14より下流側に位置するよう設定される。下矯正ロー
ル群では、最初の下矯正ロール14の上端レベルが搬入
ロール16の上端レベルと同一に設定されたもとで、以
降の各下矯正ロール14の上端レベルが被加工材料10
の入側から出側に向かうにつれて徐々に上昇するよう設
定される。最終の下矯正ロール14の上端レベルが、搬
出ロール18の上端レベルより設定量だけ高くなるよう
設定される。
ルの関係においてのみ設定することで精度の良い矯正を
行なう。 【解決手段】 矯正機20は、被加工材料10のパスラ
インの上下位置に、複数の上矯正ロール12および複数
の下矯正ロール14が、材料送給方向に千鳥状に配置さ
れる。最終の上矯正ロール12は、最終の下矯正ロール
14より下流側に位置するよう設定される。下矯正ロー
ル群では、最初の下矯正ロール14の上端レベルが搬入
ロール16の上端レベルと同一に設定されたもとで、以
降の各下矯正ロール14の上端レベルが被加工材料10
の入側から出側に向かうにつれて徐々に上昇するよう設
定される。最終の下矯正ロール14の上端レベルが、搬
出ロール18の上端レベルより設定量だけ高くなるよう
設定される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、矯正機に関し、
更に詳細には、被加工材料のパスラインを挟む上下位置
に複数の矯正ロールを千鳥状に配置し、これら矯正ロー
ル間に曲がり等を有する板状の被加工材料を通過させる
ことで真直に矯正する矯正機に関するものである。
更に詳細には、被加工材料のパスラインを挟む上下位置
に複数の矯正ロールを千鳥状に配置し、これら矯正ロー
ル間に曲がり等を有する板状の被加工材料を通過させる
ことで真直に矯正する矯正機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】曲がり等を有する板状の被加工材料を真
直に矯正する矯正機としては、例えば図3に示す如く、
被加工材料10のパスラインを挟む上下位置に、複数の
上矯正ロール12および下矯正ロール14が、材料送給
方向に千鳥状に配置された構造のものが広く知られてい
る。また全ての下矯正ロール14の上端レベルは、矯正
機の材料入側および出側に配置される搬入ロール16お
よび搬出ロール18の上端レベル(基準レベル)と同一に
なるよう位置決めされると共に、各上矯正ロール12が
パスラインと直交する方向に移動調節可能に構成され、
上下の矯正ロール12,14により被加工材料10に付
与する変形量(加工歪)を調節し得るようになっている。
直に矯正する矯正機としては、例えば図3に示す如く、
被加工材料10のパスラインを挟む上下位置に、複数の
上矯正ロール12および下矯正ロール14が、材料送給
方向に千鳥状に配置された構造のものが広く知られてい
る。また全ての下矯正ロール14の上端レベルは、矯正
機の材料入側および出側に配置される搬入ロール16お
よび搬出ロール18の上端レベル(基準レベル)と同一に
なるよう位置決めされると共に、各上矯正ロール12が
パスラインと直交する方向に移動調節可能に構成され、
上下の矯正ロール12,14により被加工材料10に付
与する変形量(加工歪)を調節し得るようになっている。
【0003】このように構成した矯正機に被加工材料1
0を送給すると、図に示す如く、該材料10には、先ず
材料10が有している曲がり等を打ち消すよりも大きな
加工歪(変形)が付与されて、材料各部の曲率を均一化さ
せる。そして、被加工材料10に付与される加工歪の大
きさを徐々に小さくすることにより、最終的に真直な製
品が得られる。
0を送給すると、図に示す如く、該材料10には、先ず
材料10が有している曲がり等を打ち消すよりも大きな
加工歪(変形)が付与されて、材料各部の曲率を均一化さ
せる。そして、被加工材料10に付与される加工歪の大
きさを徐々に小さくすることにより、最終的に真直な製
品が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記矯正機として、後
工程での処理の関係から、図3に示すように、最終の上
矯正ロール12を最終の下矯正ロール14より下流側に
配置し、矯正機から搬出ロール18に向けて被加工材料
10が下向きに排出されるようにした構成のものが求め
られる場合がある。しかるにこの構成では、最終の下矯
正ロール14と搬出ロール18の上端レベルが同一であ
るため、図4に二点鎖線で示すように、下向きに排出さ
れる被加工材料10の先端が搬出ロール18に当接し、
これが上向きに案内されてしまう(実線の状態)。すなわ
ち、最終の上下矯正ロール12,14および搬出ロール
18の3本のロールにより被加工材料10に加工歪が加
えられることとなり、該材料10の真直度が低下する問
題がある。
工程での処理の関係から、図3に示すように、最終の上
矯正ロール12を最終の下矯正ロール14より下流側に
配置し、矯正機から搬出ロール18に向けて被加工材料
10が下向きに排出されるようにした構成のものが求め
られる場合がある。しかるにこの構成では、最終の下矯
正ロール14と搬出ロール18の上端レベルが同一であ
るため、図4に二点鎖線で示すように、下向きに排出さ
れる被加工材料10の先端が搬出ロール18に当接し、
これが上向きに案内されてしまう(実線の状態)。すなわ
ち、最終の上下矯正ロール12,14および搬出ロール
18の3本のロールにより被加工材料10に加工歪が加
えられることとなり、該材料10の真直度が低下する問
題がある。
【0005】ここで、前記矯正機では、最終の上下矯正
ロール12,14および上流側の上矯正ロール12の3
本のロールにより被加工材料10に付与する加工歪を最
終加工歪として、この最終加工歪を被加工材料10に付
与することで曲がり零(真直)となるように、最終の上矯
正ロール12の調節位置が設定される。しかるに、前記
搬出ロール18により不要な加工歪が付与されてしまう
構成では、該搬出ロール18による加工歪を考慮して最
終の上矯正ロール12の調節位置を設定しなければなら
なくなる。しかし、搬出ロール18の直径や最終の下矯
正ロール14からの離間距離等は、矯正機における下矯
正ロール14の直径や各下矯正ロール14,14間の離
間距離とは異なるため、上矯正ロール12の調節位置を
設定するための計算の条件を、矯正機に配設される各矯
正ロールの関係のみで設定するものに対して変更しなけ
ればならず、煩雑となる問題が指摘される。また、搬出
ロール18は被加工材料10を矯正することを前提とし
て設けられるものではないため、強度不足に起因して定
常的に精度良く加工歪を付与することができなかった
り、あるいは被加工材料10の当接により破損や変形す
るおそれもある。
ロール12,14および上流側の上矯正ロール12の3
本のロールにより被加工材料10に付与する加工歪を最
終加工歪として、この最終加工歪を被加工材料10に付
与することで曲がり零(真直)となるように、最終の上矯
正ロール12の調節位置が設定される。しかるに、前記
搬出ロール18により不要な加工歪が付与されてしまう
構成では、該搬出ロール18による加工歪を考慮して最
終の上矯正ロール12の調節位置を設定しなければなら
なくなる。しかし、搬出ロール18の直径や最終の下矯
正ロール14からの離間距離等は、矯正機における下矯
正ロール14の直径や各下矯正ロール14,14間の離
間距離とは異なるため、上矯正ロール12の調節位置を
設定するための計算の条件を、矯正機に配設される各矯
正ロールの関係のみで設定するものに対して変更しなけ
ればならず、煩雑となる問題が指摘される。また、搬出
ロール18は被加工材料10を矯正することを前提とし
て設けられるものではないため、強度不足に起因して定
常的に精度良く加工歪を付与することができなかった
り、あるいは被加工材料10の当接により破損や変形す
るおそれもある。
【0006】
【発明の目的】この発明は、従来の技術に係る矯正機に
内在している前記欠点に鑑み、これを好適に解決するべ
く提案されたものであって、被加工材料に付与する加工
歪を、各矯正ロールの関係においてのみ設定することで
精度の良い矯正を行なうことができ、また自動化が可能
な矯正機を提供することを目的とする。
内在している前記欠点に鑑み、これを好適に解決するべ
く提案されたものであって、被加工材料に付与する加工
歪を、各矯正ロールの関係においてのみ設定することで
精度の良い矯正を行なうことができ、また自動化が可能
な矯正機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、初期
の目的を達成するため、本発明に係る矯正機は、被加工
材料のパスラインを挟む上側に位置する複数の上矯正ロ
ールと下側に位置する複数の下矯正ロールとを、材料送
給方向に千鳥状に配置すると共に、最終の上矯正ロール
が最終の下矯正ロールより下流側に位置するよう設定さ
れ、前記パスラインと直交する方向に各上矯正ロールを
位置決め調節したもとで、これら上下の矯正ロール間を
通過する被加工材料に所要の加工歪を付与することで矯
正を行なう矯正機において、前記複数の下矯正ロール
は、材料入側から出側に向かうにつれて徐々に上端レベ
ルが高くなるよう配置されると共に、前記最終の下矯正
ロールの上端レベルが、該ロールの下流側に配置される
搬出ロールの上端レベルより所定高さだけ高くなるよう
設定されていることを特徴とする。
の目的を達成するため、本発明に係る矯正機は、被加工
材料のパスラインを挟む上側に位置する複数の上矯正ロ
ールと下側に位置する複数の下矯正ロールとを、材料送
給方向に千鳥状に配置すると共に、最終の上矯正ロール
が最終の下矯正ロールより下流側に位置するよう設定さ
れ、前記パスラインと直交する方向に各上矯正ロールを
位置決め調節したもとで、これら上下の矯正ロール間を
通過する被加工材料に所要の加工歪を付与することで矯
正を行なう矯正機において、前記複数の下矯正ロール
は、材料入側から出側に向かうにつれて徐々に上端レベ
ルが高くなるよう配置されると共に、前記最終の下矯正
ロールの上端レベルが、該ロールの下流側に配置される
搬出ロールの上端レベルより所定高さだけ高くなるよう
設定されていることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る矯正機につ
き、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら詳
細に説明する。なお、図3を参照して従来の技術の項で
説明した既出の部材と同一の部材については、同じ符号
で指示するものとする。
き、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら詳
細に説明する。なお、図3を参照して従来の技術の項で
説明した既出の部材と同一の部材については、同じ符号
で指示するものとする。
【0009】図1は、実施例に係る矯正機の概略構成を
示すものであって、該矯正機20は、被加工材料10の
パスラインの上方位置に、複数(実施例では5本)の上矯
正ロール12が所定間隔で配設されると共に、パスライ
ンの下方位置に、複数(実施例では4本)の下矯正ロール
14が所定間隔で配設される。そして、これら上下の矯
正ロール12,14が、材料送給方向に千鳥状に配置さ
れると共に、最終の上矯正ロール12が最終の下矯正ロ
ール14より下流側に位置するよう設定される。すなわ
ち、矯正機20により最終加工歪が付与された被加工材
料10は、後述する搬出ロール18に向けて下向きに排
出されるようになっている。また各上矯正ロール12
は、適宜の調節装置(図示せず)によりパスラインと直交
する方向に位置決め調節可能に構成され、後述する基準
レベルMに対する下端レベルの位置(ロール隙)を任意に
設定し得るようになっている。
示すものであって、該矯正機20は、被加工材料10の
パスラインの上方位置に、複数(実施例では5本)の上矯
正ロール12が所定間隔で配設されると共に、パスライ
ンの下方位置に、複数(実施例では4本)の下矯正ロール
14が所定間隔で配設される。そして、これら上下の矯
正ロール12,14が、材料送給方向に千鳥状に配置さ
れると共に、最終の上矯正ロール12が最終の下矯正ロ
ール14より下流側に位置するよう設定される。すなわ
ち、矯正機20により最終加工歪が付与された被加工材
料10は、後述する搬出ロール18に向けて下向きに排
出されるようになっている。また各上矯正ロール12
は、適宜の調節装置(図示せず)によりパスラインと直交
する方向に位置決め調節可能に構成され、後述する基準
レベルMに対する下端レベルの位置(ロール隙)を任意に
設定し得るようになっている。
【0010】なお実施例では、上下の矯正ロール12,
14に関係なく、矯正機20の材料入側から出側に向け
て配置される矯正ロールに関し、第1矯正ロール(No.
1)、第2矯正ロール(No.2)、第3矯正ロール(No.
3)・・・第n-1矯正ロール(No.n-1)、第n矯正ロー
ル(No.n)とも称する。そして、このように矯正ロー
ルを配置した矯正機20では、第1、第2および第3の
矯正ロールで被加工材料10に1回目の加工歪ε1が付
与され、次に第2、第3および第4の矯正ロールで2回
目の加工歪ε2が付与され、以後順に3本の矯正ロール
により加工歪が付与された後、第n-2、第n-1および第
nの矯正ロールで最終加工歪εn-2が付与されるよう構
成される。
14に関係なく、矯正機20の材料入側から出側に向け
て配置される矯正ロールに関し、第1矯正ロール(No.
1)、第2矯正ロール(No.2)、第3矯正ロール(No.
3)・・・第n-1矯正ロール(No.n-1)、第n矯正ロー
ル(No.n)とも称する。そして、このように矯正ロー
ルを配置した矯正機20では、第1、第2および第3の
矯正ロールで被加工材料10に1回目の加工歪ε1が付
与され、次に第2、第3および第4の矯正ロールで2回
目の加工歪ε2が付与され、以後順に3本の矯正ロール
により加工歪が付与された後、第n-2、第n-1および第
nの矯正ロールで最終加工歪εn-2が付与されるよう構
成される。
【0011】前記矯正機20の上流側には、被加工材料
10の搬入装置を構成する搬入ロール16が回転可能に
配設されると共に、該矯正機20の下流側には、被加工
材料10の搬出装置を構成する搬出ロール18が回転可
能に配設される。両ロール16,18の上端レベルは同
一となるよう位置決めされており、これが基準レベルM
として設定してある。
10の搬入装置を構成する搬入ロール16が回転可能に
配設されると共に、該矯正機20の下流側には、被加工
材料10の搬出装置を構成する搬出ロール18が回転可
能に配設される。両ロール16,18の上端レベルは同
一となるよう位置決めされており、これが基準レベルM
として設定してある。
【0012】前記下矯正ロール群では、最初の下矯正ロ
ール(No.2)14の上端レベルが搬入ロール16の上
端レベル(基準レベルM)と同一に設定されたもとで、以
降の各下矯正ロール14の上端レベルが被加工材料10
の入側から出側に向かうにつれて徐々に上昇するよう設
定される。そして、最終の下矯正ロール(No.n-1)1
4の上端レベルが、図2に示す如く、前記搬出ロール1
8の上端レベル(基準レベルM)より設定量(レベル差)H
だけ高くなるよう設定される。なお設定量Hは、最終の
上下の矯正ロール12,14および搬出ロール18の間
を通過する被加工材料10に加工歪が付与されないか、
あるいは非常に小さい加工歪となるような値に設定され
る。すなわち、前記3本のロール12,14,18により
被加工材料10に加工歪が付与されると仮定した際に、
以下に示す式1により算出される不要加工歪εが零以下
(ε≦0)、あるいは弾性限度内の値となるよう設定され
る。
ール(No.2)14の上端レベルが搬入ロール16の上
端レベル(基準レベルM)と同一に設定されたもとで、以
降の各下矯正ロール14の上端レベルが被加工材料10
の入側から出側に向かうにつれて徐々に上昇するよう設
定される。そして、最終の下矯正ロール(No.n-1)1
4の上端レベルが、図2に示す如く、前記搬出ロール1
8の上端レベル(基準レベルM)より設定量(レベル差)H
だけ高くなるよう設定される。なお設定量Hは、最終の
上下の矯正ロール12,14および搬出ロール18の間
を通過する被加工材料10に加工歪が付与されないか、
あるいは非常に小さい加工歪となるような値に設定され
る。すなわち、前記3本のロール12,14,18により
被加工材料10に加工歪が付与されると仮定した際に、
以下に示す式1により算出される不要加工歪εが零以下
(ε≦0)、あるいは弾性限度内の値となるよう設定され
る。
【0013】 ε=2×(δn+H'+t)×t×100/L'2・・・(式1) ε:不要加工歪 δn:最終の上矯正ロールの下端レベルと基準レベルM
との差(ロール隙) t:被加工材料の板厚 L:隣り合う下矯正ロールの軸心間距離(ロールピッチ)
の半分 L':最終の下矯正ロールと搬出ロールとの軸心間距離
の半分 H':最終の下矯正ロールの上端レベル位置と搬出ロー
ルの上端レベル位置とを結ぶ線分を斜辺とすると共に基
準レベルMを底辺とし、前記設定値Hを高さとする直角
三角形において、最終の下矯正ロールの軸心から前記距
離Lだけ下流側に離間した垂直線と斜辺との交点位置か
ら底辺(基準レベルM)までの高さn:矯正機20におけ
る全ての矯正ロールの数(実施例では9)
との差(ロール隙) t:被加工材料の板厚 L:隣り合う下矯正ロールの軸心間距離(ロールピッチ)
の半分 L':最終の下矯正ロールと搬出ロールとの軸心間距離
の半分 H':最終の下矯正ロールの上端レベル位置と搬出ロー
ルの上端レベル位置とを結ぶ線分を斜辺とすると共に基
準レベルMを底辺とし、前記設定値Hを高さとする直角
三角形において、最終の下矯正ロールの軸心から前記距
離Lだけ下流側に離間した垂直線と斜辺との交点位置か
ら底辺(基準レベルM)までの高さn:矯正機20におけ
る全ての矯正ロールの数(実施例では9)
【0014】また、矯正機20における最終の上下矯正
ロール12,14および上流側の上矯正ロール12の3
本のロールにより被加工材料10に付与する最終加工歪
εn- 2は、以下の式2により算出される。 εn-2=2×[(δn-2+δn)/2+H+t]×t×100/L2・・・(式2) ここで、実施例ではδn-2は第7矯正ロールのロール隙
であり、δnは第9矯正ロール(最終の上矯正ロール)の
ロール隙である。なお、矯正機20の各矯正ロール1
2,14により被加工材料10に付与する最終加工歪εn
-2以外の他の加工歪(ε1〜εn-3)に関しては、既知の矯
正理論により得られる理論計算式に基づいて算出され
る。
ロール12,14および上流側の上矯正ロール12の3
本のロールにより被加工材料10に付与する最終加工歪
εn- 2は、以下の式2により算出される。 εn-2=2×[(δn-2+δn)/2+H+t]×t×100/L2・・・(式2) ここで、実施例ではδn-2は第7矯正ロールのロール隙
であり、δnは第9矯正ロール(最終の上矯正ロール)の
ロール隙である。なお、矯正機20の各矯正ロール1
2,14により被加工材料10に付与する最終加工歪εn
-2以外の他の加工歪(ε1〜εn-3)に関しては、既知の矯
正理論により得られる理論計算式に基づいて算出され
る。
【0015】従って、必要な最終加工歪εn-2を被加工
材料10に付与するための最終の上矯正ロール12の前
記ロール隙δnは、前記(式2)より、 δn=εn-2×L2/(100×t)−δn-1−2×(H+t)・・・(式3) と計算される。なお、最初の上矯正ロール12のロール
隙δ1については、被加工材料10の矯正機20への確
実な導入を図るために、該材料10の厚み寸法と同一
(−t)に設定される。また、その他の上矯正ロール12
のロール隙δ3,δ5,δ7は、上矯正ロール2本、下矯正
ロール1本で与える必要な加工歪値ε2,ε4,ε6・・・を基
に、既知の理論計算式より算出される。更に、各上矯正
ロール12のロール隙に関しては、前記基準レベルMよ
り上側を(−)側とし、下側を(+)側としている。
材料10に付与するための最終の上矯正ロール12の前
記ロール隙δnは、前記(式2)より、 δn=εn-2×L2/(100×t)−δn-1−2×(H+t)・・・(式3) と計算される。なお、最初の上矯正ロール12のロール
隙δ1については、被加工材料10の矯正機20への確
実な導入を図るために、該材料10の厚み寸法と同一
(−t)に設定される。また、その他の上矯正ロール12
のロール隙δ3,δ5,δ7は、上矯正ロール2本、下矯正
ロール1本で与える必要な加工歪値ε2,ε4,ε6・・・を基
に、既知の理論計算式より算出される。更に、各上矯正
ロール12のロール隙に関しては、前記基準レベルMよ
り上側を(−)側とし、下側を(+)側としている。
【0016】
【実施例の作用】次に、前述した実施例に係る矯正機に
つき、その作用を説明する。前記矯正機20を実働させ
るのに先立ち、各上矯正ロール12については、夫々パ
スラインと直交する方向に移動調節することでロール隙
を設定する。すなわち、上矯正ロール12である第1矯
正ロール(No.1)のロール隙δ1については、被加工材
料10の矯正機20への確実な導入を図るために、該材
料10の厚み寸法と同一(−t)に設定される。また第3
矯正ロール(No.3)以降の上矯正ロール12に関して
は、予め算出された加工歪に基づいて理論計算式により
夫々ロール隙を設定する。この場合に、最終の上矯正ロ
ール12(No.n)のロール隙δnに関しては、前記搬出
ロール18の存在を考慮することなく、前記式3により
算出することができる。
つき、その作用を説明する。前記矯正機20を実働させ
るのに先立ち、各上矯正ロール12については、夫々パ
スラインと直交する方向に移動調節することでロール隙
を設定する。すなわち、上矯正ロール12である第1矯
正ロール(No.1)のロール隙δ1については、被加工材
料10の矯正機20への確実な導入を図るために、該材
料10の厚み寸法と同一(−t)に設定される。また第3
矯正ロール(No.3)以降の上矯正ロール12に関して
は、予め算出された加工歪に基づいて理論計算式により
夫々ロール隙を設定する。この場合に、最終の上矯正ロ
ール12(No.n)のロール隙δnに関しては、前記搬出
ロール18の存在を考慮することなく、前記式3により
算出することができる。
【0017】全ての上矯正ロール12の位置調節が行な
われた状態で、前記被加工材料10を矯正機20に送給
すれば、該材料10には適切な加工歪が順次に付与され
て真直に矯正される。前述したように、最終の下矯正ロ
ール14の上端レベルは、前記搬出ロール18の上端レ
ベルより設定値Hだけ高くなっているから、最終加工歪
εn-2が付与されて下向きに排出される被加工材料10
の先端が搬出ロール18に当接することなく、円滑に下
流側に案内される。すなわち、最終加工歪εn- 2が付与
されて真直に矯正された被加工材料10に不要加工歪ε
が加わることはなく、真直な製品が得られる。
われた状態で、前記被加工材料10を矯正機20に送給
すれば、該材料10には適切な加工歪が順次に付与され
て真直に矯正される。前述したように、最終の下矯正ロ
ール14の上端レベルは、前記搬出ロール18の上端レ
ベルより設定値Hだけ高くなっているから、最終加工歪
εn-2が付与されて下向きに排出される被加工材料10
の先端が搬出ロール18に当接することなく、円滑に下
流側に案内される。すなわち、最終加工歪εn- 2が付与
されて真直に矯正された被加工材料10に不要加工歪ε
が加わることはなく、真直な製品が得られる。
【0018】オーダ変更に伴い被加工材料10の諸条件
(板厚,鋼種,前処理等)が変わった場合は、矯正機20の
図示しない制御装置に新たなデータを入力すれば、前記
各上矯正ロール12が位置調節される。この場合に、搬
出ロール18の存在を考慮することなく、矯正機20に
配設される矯正ロール12,14の関係のみで各上矯ロ
ール12のロール隙(加工歪)を設定し得るから、その計
算等が簡単になる。すなわち、被加工材料10の条件別
に、該材料10に付与する加工歪パターンを予め設定し
ておけば、オーダ変更に際しては任意の加工歪パターン
を選択するだけで各上矯正ロール12のロール隙を自動
的に設定することができ、オーダ変更に要する時間を短
縮して製造効率の向上を図ることができる。従って、多
品種・少ロットで被加工材料10を処理する場合に極め
て有利となる。
(板厚,鋼種,前処理等)が変わった場合は、矯正機20の
図示しない制御装置に新たなデータを入力すれば、前記
各上矯正ロール12が位置調節される。この場合に、搬
出ロール18の存在を考慮することなく、矯正機20に
配設される矯正ロール12,14の関係のみで各上矯ロ
ール12のロール隙(加工歪)を設定し得るから、その計
算等が簡単になる。すなわち、被加工材料10の条件別
に、該材料10に付与する加工歪パターンを予め設定し
ておけば、オーダ変更に際しては任意の加工歪パターン
を選択するだけで各上矯正ロール12のロール隙を自動
的に設定することができ、オーダ変更に要する時間を短
縮して製造効率の向上を図ることができる。従って、多
品種・少ロットで被加工材料10を処理する場合に極め
て有利となる。
【0019】(実験例)上下合わせて9本の矯正ロールを
図1のように配置した矯正機において、L=235m
m、L'=290mm、第4矯正ロール(No.4)のレベ
ル差(下矯正ロール14の上端レベルと基準レベルMと
の差)h=5mm、第6矯正ロール(No.6)のレベル差
h=10mm、第8矯正ロール(No.8)のレベル差h
=15mmに設定したもとで、被加工材料10に付与す
る加工歪パターンNo.1,No.2において、t=1
0mm、t=30mmの各被加工材料10を矯正した
結果(発明例)を、表1に示す。また、同一の条件で全て
の下矯正ロール14の上端レベルを基準レベルMに一致
させた従来の矯正機での矯正結果(従来例)を、表2に示
す。なお、実験例におけるε8が、最終の上下矯正ロー
ル12,14および搬出ロール18により被加工材料1
0に付与されると仮定される不要加工歪である。
図1のように配置した矯正機において、L=235m
m、L'=290mm、第4矯正ロール(No.4)のレベ
ル差(下矯正ロール14の上端レベルと基準レベルMと
の差)h=5mm、第6矯正ロール(No.6)のレベル差
h=10mm、第8矯正ロール(No.8)のレベル差h
=15mmに設定したもとで、被加工材料10に付与す
る加工歪パターンNo.1,No.2において、t=1
0mm、t=30mmの各被加工材料10を矯正した
結果(発明例)を、表1に示す。また、同一の条件で全て
の下矯正ロール14の上端レベルを基準レベルMに一致
させた従来の矯正機での矯正結果(従来例)を、表2に示
す。なお、実験例におけるε8が、最終の上下矯正ロー
ル12,14および搬出ロール18により被加工材料1
0に付与されると仮定される不要加工歪である。
【0020】
【0021】
【0022】すなわち、最終の上下矯正ロール12,1
4と搬出ロール18の3本のロール間を通過する際に被
加工材料10に付与される不要加工歪ε8は、発明例に
おいては何れも零以下または弾性限度内であるのに対
し、従来例では零以上で弾性限度を越えるものもあり、
不要な加工歪が加えられていることが判明した。
4と搬出ロール18の3本のロール間を通過する際に被
加工材料10に付与される不要加工歪ε8は、発明例に
おいては何れも零以下または弾性限度内であるのに対
し、従来例では零以上で弾性限度を越えるものもあり、
不要な加工歪が加えられていることが判明した。
【0023】なお、実施例では上矯正ロールと下矯正ロ
ールとの数が異なる場合で説明したが、最終の上矯正ロ
ールが最終の下矯正ロールより下流側に位置していれ
ば、両ロールが同数であってもよい。
ールとの数が異なる場合で説明したが、最終の上矯正ロ
ールが最終の下矯正ロールより下流側に位置していれ
ば、両ロールが同数であってもよい。
【0024】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明に係る矯正
機によれば、搬出ロールの影響を考慮することなく、矯
正機に配設される矯正ロールの関係のみで被加工材料に
付与する加工歪(上矯正ロールのロール隙)を設定するこ
とができ、計算等の作業が簡単になると共に精度の良い
矯正が達成される。また、被加工材料の条件(鋼種等)別
に加工歪パターンを設定しておけば、各上矯正ロールの
位置調節を自動的に行なうことができ、自動化が可能と
なる。従って、被加工材料のオーダ変更に伴う上矯正ロ
ールの位置調節に要する時間を短縮して、作業能率を向
上させ得る。
機によれば、搬出ロールの影響を考慮することなく、矯
正機に配設される矯正ロールの関係のみで被加工材料に
付与する加工歪(上矯正ロールのロール隙)を設定するこ
とができ、計算等の作業が簡単になると共に精度の良い
矯正が達成される。また、被加工材料の条件(鋼種等)別
に加工歪パターンを設定しておけば、各上矯正ロールの
位置調節を自動的に行なうことができ、自動化が可能と
なる。従って、被加工材料のオーダ変更に伴う上矯正ロ
ールの位置調節に要する時間を短縮して、作業能率を向
上させ得る。
【0025】また、被加工材料の先端が搬出ロールに当
接しないので、該ロールが破損したり変形する等の事態
を未然に防止することができる。
接しないので、該ロールが破損したり変形する等の事態
を未然に防止することができる。
【図1】本発明の好適な実施例に係る矯正機の概略構成
図である。
図である。
【図2】実施例に係る矯正機における排出側の要部概略
構成図である。
構成図である。
【図3】従来の技術に係る矯正機の概略構成図である。
【図4】従来の技術に係る矯正機における排出側の要部
概略構成図である。
概略構成図である。
10 被加工材料 12 上矯正ロール 14 下矯正ロール 18 搬出ロール H 設定量(レベル差)
Claims (2)
- 【請求項1】 被加工材料(10)のパスラインを挟む上側
に位置する複数の上矯正ロール(12)と下側に位置する複
数の下矯正ロール(14)とを、材料送給方向に千鳥状に配
置すると共に、最終の上矯正ロール(12)が最終の下矯正
ロール(14)より下流側に位置するよう設定され、前記パ
スラインと直交する方向に各上矯正ロール(12)を位置決
め調節したもとで、これら上下の矯正ロール(12,14)間
を通過する被加工材料(10)に所要の加工歪を付与するこ
とで矯正を行なう矯正機において、 前記複数の下矯正ロール(14)は、材料入側から出側に向
かうにつれて徐々に上端レベルが高くなるよう配置され
ると共に、 前記最終の下矯正ロール(14)の上端レベルが、該ロール
(14)の下流側に配置される搬出ロール(18)の上端レベル
より所定高さ(H)だけ高くなるよう設定されていること
を特徴とする矯正機。 - 【請求項2】 前記最終の下矯正ロール(14)と搬出ロー
ル(18)とのレベル差(H)は、最終の上矯正ロール(12)、
最終の下矯正ロール(14)および搬出ロール(18)の間を通
過する被加工材料(10)に加工歪(ε)を付与しない値に設
定される請求項1記載の矯正機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000171259A JP2001347317A (ja) | 2000-06-07 | 2000-06-07 | 矯正機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000171259A JP2001347317A (ja) | 2000-06-07 | 2000-06-07 | 矯正機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001347317A true JP2001347317A (ja) | 2001-12-18 |
Family
ID=18673837
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000171259A Pending JP2001347317A (ja) | 2000-06-07 | 2000-06-07 | 矯正機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001347317A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106825119B (zh) * | 2017-02-15 | 2018-06-12 | 四川建筑职业技术学院 | 一种消除钨钼复合板剪切分张后不平度的工艺 |
-
2000
- 2000-06-07 JP JP2000171259A patent/JP2001347317A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106825119B (zh) * | 2017-02-15 | 2018-06-12 | 四川建筑职业技术学院 | 一种消除钨钼复合板剪切分张后不平度的工艺 |
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