JP2001345473A - 太陽電池モジュール、該太陽電池モジュールの製造方法および施工方法、該太陽電池モジュールを用いた屋根および発電装置 - Google Patents

太陽電池モジュール、該太陽電池モジュールの製造方法および施工方法、該太陽電池モジュールを用いた屋根および発電装置

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JP2001345473A
JP2001345473A JP2000163905A JP2000163905A JP2001345473A JP 2001345473 A JP2001345473 A JP 2001345473A JP 2000163905 A JP2000163905 A JP 2000163905A JP 2000163905 A JP2000163905 A JP 2000163905A JP 2001345473 A JP2001345473 A JP 2001345473A
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cell module
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light receiving
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Masahiro Mori
昌宏 森
Meiji Takabayashi
明治 高林
Kimitoshi Fukae
公俊 深江
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  • Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気出力端子箱をなくすことにより、製造費
用の削減、設置作業性の向上が図れる。しかし、電気出
力線を予め有した太陽電池モジュールにおいて、電気出
力端子箱を用いることなく、製造費用の削減を達成し、
かつ、十分な防水性及び電気出力線の耐引張り強度を確
保した太陽電池モジュールが提案されていない。 【解決手段】 光起電力素子、被覆材、電気出力線を有
した太陽電池モジュールにおいて、電気出力端子部は、
被覆材のうち、光起電力素子の配置されてなる領域から
その外側の領域に亘って連続的に配置される受光面側の
被覆材及び非受光面側の被覆材によって被覆され、受光
面側の被覆材と非受光面側の被覆材の間より外部に延出
される電気出力線の一部は、被覆材に設けられた固定部
材により、固定されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池モジュー
ルに関し、詳しくは、電気出力端子部に端子箱を用いる
ことなく、防水性及び電気出力線の耐引張り強度を確保
した太陽電池モジュールに関する。
【0002】従来より、太陽電池は、クリーンで非枯渇
性のエネルギー供給源として汎用されており、また、そ
れ自体の開発研究も多種多様に行われているが、地上及
び屋根上等への設置にうまく適合する太陽電池モジュー
ルの開発が盛んに行われている。
【0003】このような太陽電池モジュールは、多様な
用途に多様な形状で使われ始めており、様々な要望が挙
がっている。特に、屋根材の機能も兼用することのでき
る屋根材一体型の太陽電池モジュールの中で、電気出力
端子箱を用いないで済ませたいという要望がある。
【0004】従来の屋根材一体型太陽電池モジュール
は、例えば図13に示すようなものが挙げられる。図1
3は、本従来例の太陽電池モジュール34を裏面側から
見た斜視図であり、35は電気出力端子箱であり、電気
出力線7が導出され、その先端には正極側及び負極側の
コネクタ36及び37が設けられている。本従来例の太
陽電池モジュール34は、従来の金属屋根材の工法であ
る瓦棒葺き工法に適合する寸法形状を有している。しか
し、図14の設置施工断面図に示すように、電気出力端
子箱35が、屋根の野地板13及びルーフィング材14
にぶつかるため、桟木38を用いることによって、太陽
電池モジュール34を嵩上げしているものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、裏面
側に出力端子箱が設けられた太陽電池モジュールにおい
ては、出力端子箱が他の部材にぶつからないように設置
するなどの工夫が必要となる場合がある。その場合に
は、そのための部材とその取付け作業が余計に必要とな
る。
【0006】また、表面側に出力端子箱が設けられてい
る太陽電池モジュールの場合には、デザイン上で好まし
くない、太陽光に曝されているので材料劣化しやすい、
などの問題があり、これを防ぐためには何らかの部材を
用いるなどの工夫を強いられる場合がある。
【0007】さらには、出力端子箱を設けるために発生
する材料費用及び取付け費用は、太陽電池モジュールの
価格を低減させるための大きな障害となっている。出力
端子箱は1個の太陽電池モジュールに対して必要となる
ので、大型の太陽電池モジュールであればその費用割合
は小さいが、太陽電池モジュールが小型化すればするほ
ど、その費用割合は大きくなってしまうという課題もあ
る。
【0008】ここで、電気出力端子箱を用いないで、電
気出力端子部の防水性確保と、電気出力線が引張られた
時の強度確保を考慮した技術が、特開平10−1732
09号公報、及び特開平10−326904号公報に提
案されている。
【0009】しかしこれらの技術は、一旦被覆材によっ
て被覆された太陽電池の内部回路に対して、後付けで電
気出力線を接続する思想である。そのため、太陽電池の
内部回路に電気出力線を接続する電気出力端子部の防水
性を確保するためには、シーラント材、被覆シート材な
どを新たに設けることによって実現している。別の部材
を持ち出して電気出力端子部を被覆するという思想は、
別の部材を用意するという点については、出力端子箱を
用いるのと同様で、そのための材料、取付けの費用が発
生する。
【0010】上記技術は、一旦作製した太陽電池モジュ
ールを切断するなどした上で、所望の場所より電気出力
線を接続して取出すことを前提としているので、太陽電
池モジュールの電気出力端子部の位置が太陽電池モジュ
ールの作製時より確定されており、予め電気出力線が設
けられた太陽電池モジュールについては、さらなる製造
費用削減を考慮した技術が求められるのは当然である。
【0011】また、特開平10−229214号公報で
は、太陽電池モジュールの周縁部に電気出力線を固定す
るための固定部材を設け、その固定部材の内部に電気出
力端子部が存在する構造を提案している。この技術は、
太陽電池モジュールに電気出力端子箱を設けないので、
受光面側及び非受光面側に突出したものが存在しなくな
り、設置の利便性が図れる。
【0012】しかし、製造費用を安価に抑えること、電
気出力線が引張られた時の強度を確保することについて
は、十分に考慮されているとは言い難い。
【0013】製造費用を安価に抑えることが十分でない
場合の可能性について、次のことが考えられる。本技術
例では、固定部材が電気出力線を固定する役割と、電気
出力端子部の防水保護の役割を兼用しているので、電気
出力端子箱と同様に複雑な形状にならざるを得ない可能
性が高い。そのため、数多く販売された安価な市販の部
材をそのまま使用できる可能性が少なく、固定部材を安
価に抑えることができない可能性が高い。
【0014】さらに、固定部材によって電気出力線を固
定する部分は、一個所のみを固定され、この電気出力線
が太陽電池内部回路に電気接続される電気出力端子部と
非常に近接する構成となる可能性が高い。そのため、電
気出力線がその延出方向に引張られる場合に、もし、固
定部材によって電気出力線を固定する力が弱くなった時
に、その引張り力は容易に電気出力端子部に加わってし
まう可能性が高い。
【0015】以上述べたように、電気出力線を予め有し
た太陽電池モジュールにおいて、出力端子箱を用いない
構造が求められているが、その要望に十分応えた太陽電
池モジュールが提供されていないのが現状である。
【0016】つまり、出力端子部に対して出力端子箱、
もしくは新たに被覆するための部材を用いずに、その果
たす機能である、防水性と電気出力線の耐引張り強度を
十分に果たす構造が提案されていない。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、これらの課題
を解決することを目的とする。
【0018】本発明に係わる太陽電池モジュールは、光
起電力素子、光起電力素子の受光面側及び非受光面側を
被覆する被覆材、電気出力線を有し、電気出力線が太陽
電池モジュールの内部回路に電気的に接続される出力端
子部は、被覆材のうち、光起電力素子の配置されてなる
領域からその外側の領域に亘って連続的に配置されてな
る受光面側の被覆材及び非受光面側の被覆材によって被
覆され、電気出力線は、受光面側の被覆材と非受光面側
の被覆材の間より外部に延出され、かつ、電気出力線の
一部は、受光面側の被覆材もしくは非受光面側の被覆材
に設けられた固定部材により固定されていることを特徴
とする。
【0019】かかる構成によれば、出力端子部が受光面
側の被覆材及び非受光面側の被覆材によって被覆されて
いることによって、出力端子部に水が侵入してくるのを
防止することができる。出力端子部に水が侵入した場合
には、水を媒体として電気的短絡及び漏電等の問題を起
こす可能性がある。しかし本発明においては、出力端子
部は被覆材によって防水されており、このような問題を
解消することができる。
【0020】従来の太陽電池モジュールにおいては、受
光面側の被覆材もしくは非受光面側の被覆材に穴をあけ
て、電気出力端子部と電気出力線の接続を行っている場
合が多いため、シーラント材を用いて防水処理する工程
が付加されてしまうが、本発明においては、そのような
工程を付加する必要はない。
【0021】また、上記従来例においては、電気出力端
子部を被覆して防水するためにシーラント材、被覆シー
ト材などを新たに設けているが、本発明においては、光
起電力素子を被覆するために必要とする被覆材を用いて
電気出力端子部を被覆しているので、この点においても
本発明は優れているものである。
【0022】さらに、本発明における電気出力線は、被
覆材の間より外部に延出され、かつ、電気出力線の一部
は、固定部材により固定されているので、次のような利
点がある。
【0023】設置施工時などで、電気出力線が引張られ
てしまうような事が発生した場合においても、その引張
り力を、固定部材によって固定されているところで受け
て耐えてくれるので、太陽電池モジュールの内部回路と
電気出力線が電気的に接続される出力端子部に力が加わ
ることを防止してくれる。
【0024】もし、出力端子部にこの引張り力が加わっ
た場合には、太陽電池モジュールの内部回路にもこの力
が加わることを意味する。通常、太陽電池モジュールの
内部回路はこのような力に耐えるように作られていない
場合が多く、従来の太陽電池モジュールでは電気出力端
子箱が、この力を受けて耐えてくれる役割を果たしてく
れる。
【0025】つまり、従来の太陽電池モジュールは、出
力端子部が直接的もしくは間接的に電気出力端子箱に固
定されているので、電気出力端子箱が壊れたり、太陽電
池モジュールからはずれたりしない限り、前記引張り力
を電気出力端子箱が受けて耐えてくれるものである。
【0026】しかし本発明においては、固定部材がこの
役割を果たしてくれるので、出力端子箱がなくとも、出
力端子部及び太陽電池モジュールの内部回路に引張り力
が加わることにより損傷することを、防止することがで
きる。
【0027】よって、本発明によれば、出力端子箱を設
けることなく、出力端子部における防水性と電気出力線
の耐引張り強度を十分に確保できる構造が実現される。
これにより、出力端子箱の材料費用、防水のためのシー
ラント材の材料費用及び取付け費用を削減でき、太陽電
池モジュールを安価に作製することができる。さらに、
太陽電池モジュールの出張り部分をなくすことができ、
太陽電池モジュールの設置施工時の利便性を向上させる
ことができる。
【0028】一方、電気出力線が太陽電池モジュールの
側部より延出されていることにより、同様に太陽電池モ
ジュールの出張り部分をなくすことができ、同様に太陽
電池モジュールの設置施工時の利便性を向上させること
を期待できる。
【0029】加えて、電気出力線が受光面側の被覆材と
非受光面側の被覆材の間より外側に延出されていること
により、受光面側と非受光面側の好ましい側に電気出力
線を延出させることができる。
【0030】受光面側の被覆材を非受光面側の被覆材よ
り外側へ延出させて、受光面側の被覆材に固定部材を設
けることによって、実質的に、電気出力線を太陽電池モ
ジュールの非受光面側より取出す構成となり、その逆に
すれば、電気出力線を太陽電池モジュールの受光面側よ
り取出すことができる。
【0031】このように、電気出力線の取出しを容易に
選択できることによって、太陽電池モジュールの形状、
設置施工法において、様々な形態・方法を採用できる可
能性が広がる。
【0032】本発明の太陽電池モジュールにおいて、電
気出力線は、導線に絶縁材が被覆された被覆導線であ
り、この電気出力線の絶縁材と、この絶縁材に接するこ
とになる光起電力素子が配置されてなる領域からその外
側の領域に亘って連続的に配置されてなる受光面側の被
覆材及び非受光面側の被覆材の両方は、熱可塑性樹脂で
あることが好ましい。
【0033】これにより、光起電力素子を被覆する工程
において加熱することによって、電気出力線の絶縁材と
被覆材の両方が軟化して密着する。このように密着して
作製された太陽電池モジュールにおいては、これら絶縁
材と被覆材の界面より水分が侵入してくる可能性が非常
に小さく、発電性能の低下の懸念が非常に小さい太陽電
池モジュールを得ることができる。
【0034】また、固定部材が設けられる被覆材は、光
起電力素子の配置されてなる領域からその外側の領域に
亘って連続的に配置されてなる受光面側の被覆材及び非
受光面側の被覆材のうち、最外側に設けられる被覆材で
あり、かつ、固定部材が設けられる領域は、固定部材が
設けられる被覆材がその他の被覆材より外側に延出され
た領域であることが好ましい。
【0035】最外側に設ける被覆材には構造強度的に十
分なものを用いる場合が多いため、上記の構成とするこ
とにより固定部材を堅固に支持することが可能であり、
その固定部材が電気出力線を固定してかつ、電気出力線
への引張り力を受けて耐えることができる。さらに、固
定部材が設けられる領域は、固定部材が設けられる被覆
材がその他の被覆材より外側に延出された領域であるこ
とにより、固定部材を被覆材に設けるために、他の被覆
材を剥がしたりする必要がなく、被覆材に固定部材を設
ける場所を選ぶ自由度が非常に大きくなり、個別の太陽
電池モジュールの構造、寸法形状に合った最適な設置場
所を選ぶことができる。結果的には、電気出力線の耐引
張りに対して十分な強度を持つ、太陽電池モジュールを
得ることができる。
【0036】また、1本の電気出力線は、少なくとも2
個所を固定部材で固定されることが好ましい。これによ
り、1個所のみを固定した場合に比べ、出力端子部に引
張り力が加わることのない安全率が高くなる。
【0037】電気出力線が1個所のみ固定されている場
合、この固定部材が損傷するなどによって電気出力線の
固定が緩んだ時には、出力端子部に引張り力が加わる可
能性が高い。しかし、少なくとも2個所を固定していれ
ば、その懸念は非常に小さくなる。さらに、電気出力線
を複数個所で固定することにより、電気出力線を所望の
形状に固定し、所望の方向に延出することができる。こ
れにより、太陽電池モジュールの形状、設置施工法にお
いて、様々なものを採用できる可能性が広がる。
【0038】また、非受光面側の被覆材は金属製板であ
り、金属製板の一部を用いて固定部材を形成することも
好ましい。これにより、別途に固定部材を設ける必要が
なく、その分、太陽電池モジュールの製造費用を安価に
抑えることができる可能性が非常に大きい。
【0039】また、太陽電池モジュールは、建材一体型
であることも好ましい。建材一体型とすることにより、
太陽電池モジュールを建物の屋根、壁などの外囲体とし
て直接用いることが可能となるが、電気出力端子箱が出
張って設けられている従来例の太陽電池モジュールでは
不都合が多い。一方、本発明の太陽電池モジュールでは
電気出力端子箱を無くした構造であるため、専用の架台
を設けることなく、建物側の構造に合わせて設置施工す
ることが可能である。このように、建材一体型太陽電池
モジュールにおいて、本発明の電気出力端子箱をなくす
ことのできる構造は、非常に有用である。
【0040】本発明に係わる太陽電池モジュールの製造
方法は、光起電力素子、光起電力素子の受光面側及び非
受光面側を被覆する被覆材、電気出力線を有した太陽電
池モジュールの製造方法において、電気出力線を出力端
子部において太陽電池モジュールの内部回路に電気的に
接続させる工程の後に、光起電力素子および出力端子部
を、光起電力素子の配置されてなる領域からその外側の
領域に亘って連続的に配置する受光面側の被覆材及び非
受光面側の被覆材によって被覆する工程を有し、この被
覆する工程の前もしくは後に、電気出力線の一部を受光
面側の被覆材もしくは非受光面側の被覆材に設けた固定
部材により固定する工程を有したことを特徴とする。
【0041】電気出力線を出力端子部において太陽電池
モジュールの内部回路に電気的に接続させる工程の後
に、被覆材によって被覆する工程を有することにより、
出力端子部を防水することができる。この被覆する工程
は、光起電力素子を被覆材によって被覆する工程と同じ
であることにより、出力端子部を防水するために新規に
工程を追加する必要がない。
【0042】本発明の太陽電池モジュールの製造方法に
おいて、電気出力線は、導線に絶縁材が被覆された被覆
導線であり、この電気出力線の絶縁材と、この絶縁材に
接することになる光起電力素子の配置されてなる領域か
らその外側の領域に亘って連続的に配置する受光面側の
被覆材及び非受光面側の被覆材として、熱可塑性樹脂を
用いることが好ましい。
【0043】これにより、電気出力線の絶縁材と上記被
覆材を密着させるために、新たな工程を要しない。つま
り、被覆材に熱可塑性樹脂を用いて、加熱することによ
って、光起電力素子を被覆する工程により、電気出力線
の絶縁材を軟化させて被覆材と密着させることが可能と
なる。よって、工程が増えて製造コストが増加すること
を懸念する必要がない。
【0044】また、光起電力素子の配置する領域からそ
の外側の領域に亘って連続的に配置する受光面側の被覆
材及び非受光面側の被覆材のうち、最外側に設けられる
被覆材に、その他の被覆材より外側に延出した領域を設
け、この領域に固定部材を設ける工程を有することが好
ましい。
【0045】これにより、上記したように固定部材を被
覆材に設けるために、他の被覆材を剥がしたりする必要
がなく、被覆材に固定部材を設ける場所を選ぶ自由度が
非常に大きくなり、個別の太陽電池モジュールの構造、
寸法形状に合った最適な固定場所を選ぶことが出来、結
果的には、電気出力線の耐引張りに対して十分な強度を
持つ、太陽電池モジュールを得ることができる。さら
に、この被覆材に固定部材を設ける工程は、随時必要に
応じて追加することができる。特別に電気出力線の耐引
張り強度が要求されるような場合には、後加工によって
固定部材の数を増やして、電気出力線が固定される固定
部分を増やして強度の向上を図ることもできる。
【0046】また、1本の電気出力線を、固定部材を用
いて少なくとも2個所において固定することが好まし
い。太陽電池モジュールの構成としての作用については
上記したとおりであり、その製造方法においては次のよ
うな利点もある。
【0047】電気出力線を複数の場所で固定することに
よって、所望の形状に固定し、所望の方向に延出するこ
とができる。これより、被覆工程に用いる装置や、太陽
電池モジュールの後加工工程に用いる装置に対して、電
気出力線をうまく装置内に納めるなど、都合良く製造す
ることができる。
【0048】また、非受光面側の被覆材として金属製板
を用い、金属製板の一部を用いて固定部材を形成するこ
とが好ましい。太陽電池モジュールの構成としての作用
については上記したとおりであり、その一製造方法にお
いては、金属製板の一部を用いて固定部材を形成するこ
とによって、被覆材と固定部材を固定する工程が必要な
く、太陽電池モジュールの製造方法を簡単にすることが
できる。例えば、被覆材と固定部材を接着剤によって接
着する場合には、接着剤が完全に接着硬化するまで、次
の工程に進めないなどの不都合がある。
【0049】本発明の太陽電池モジュールの製造方法に
おいて、太陽電池モジュールが建材一体型であることに
よって、本発明の特徴が効果的である。太陽電池モジュ
ールを建材として用いる場合には、建物の屋根、壁など
の外囲体として用いる場合がほとんどである。このとき
には、雨水を建物側に漏らさない構造を期待するもので
あり、そのために、隣接する太陽電池モジュールのツナ
ギ部は、複雑な形状をした側部どうしが重なり合うこと
が通常である。よって、建材一体型太陽電池モジュール
は単純な平板形状のものを用いることは少なく、複雑な
形状をしたものが求められる。この複雑な形状の太陽電
池モジュールを成形するには、まず平板状の太陽電池モ
ジュールを作製し、後加工によって、複雑な形状に折り
曲げ加工する方法がよく用いられる。この後加工時に、
電気出力線を所望の形状に固定し、所望の方向に延出さ
せておけば、後加工工程に用いる装置に対して、電気出
力線をうまく装置内に納めるなど、都合良く製造するこ
とができる。
【0050】建材一体型の太陽電池モジュールを施工す
る屋根において、本発明の太陽電池モジュールを用いる
ことによって、より効果的である。本発明の太陽電池モ
ジュールは、電気出力端子箱を用いないので出張り部分
がなく、設置施工のために特別な工夫をしないで済ませ
られる可能性が大きい。よって、建物の屋根を施工する
など、従来の施工構造及び方法を全く変更なく採用でき
る可能性がある。これは、施工後に人が乗るなどの屋根
の強度確認検討が必要ないということである。従来の施
工構造及び方法であれば、長年用いられているもので、
技術的には確立されているからである。
【0051】一方、上記述べたように、電気出力端子箱
を有した建材一体型太陽電池モジュールを、電気出力端
子箱の出張った部分がぶつからないように、嵩上げして
設置施工するような場合は、その嵩上げ方法で強度に問
題がないかを検討する必要がある。
【0052】つまり、本発明の建材一体型太陽電池モジ
ュールを用いたことにより、強度確認の検討をする必要
がなく、結果的には、十分な強度を有した屋根を得るこ
とができる可能性が非常に大きい。
【0053】さらに、建材一体型の太陽電池モジュール
として、非受光面側の被覆材が金属製板であり、長尺で
ある方向を屋根の水流れ方向と一致させて葺く縦葺きタ
イプのものを用い、電気出力線の全ては、水上側に延出
するように設けられ、かつ、金属製板は、水上側におい
て受光面側の被覆材より外側に延出された領域が受光面
側に立ち上がるように折り曲げられていることが好まし
い。これにより、雨水を太陽電池モジュールから建物側
へ漏らさない雨仕舞い構造に優れた屋根を得ることがで
きる。
【0054】水上側において受光面側に立ち上がるよう
に折り曲げられていることにより、水上側に侵入しよう
とする雨水を防ぐことができる。このとき、金属製板が
受光面側の被覆材より外側に延出された領域で折り曲げ
ることにより、所望の形状に成形することができる。も
し、受光面側の被覆材も存在する領域で折り曲げる場合
には、電気出力線をも含んで折り曲げることになる。電
気出力線を含む領域では非常に大きな厚みを有した領域
となり、他の電気出力線を有しない領域と比べると、非
常に不均一となる。そのため、均一に折り曲げることが
非常に困難であり、強制的に折り曲げた場合には、大き
な残留応力が発生して電気出力線に損傷を与えてしまう
可能性が大きい。しかし上記のような構成とすることに
よって、電気出力線は、受光面側と非受光面側の被覆材
に拘束された状態で折り曲げられることはないので、均
一な折り曲げ力を加えて、均一な折り曲げ成形を実施す
ることができる。これにより、残留応力が発生すること
は無いと考えられる。
【0055】太陽電池モジュールの施工方法において、
本発明の太陽電池モジュールを用いることにより、電気
出力端子箱という出張り部分がないので、この出張り部
分がぶつからないように工夫するための、特別な部材
や、特別な施工作業が発生する可能性がないと考えられ
るので、作業効率も良く、容易に、安価に施工できると
考えられる。
【0056】このような本発明の太陽電池モジュールの
施工方法においては、非受光面側の被覆材として金属製
板を有し、長尺である方向を屋根の水流れ方向と一致さ
せて葺く縦葺きタイプであり、電気出力線の全てが、水
上側に延出するように設けられた建材一体型の太陽電池
モジュールを用い、金属製板を、水上側において受光面
側の被覆材より外側に延出された領域において、受光面
側に立ち上がるように折り曲げることが好ましい。
【0057】これにより、水上側に雨水が侵入しない優
れた雨仕舞い構造を作ることができる。このとき、金属
製板を折り曲げる場所は、受光面側の被覆材より外側に
延出された領域とすることにより、上述のように、均一
な折り曲げ力で曲げることができる。よって、特殊な折
り曲げ装置を要することがなく、通常の手段で折り曲げ
ることが可能であると考えられる。よって、従来より金
属製屋根材を折り曲げるために用いられている道具をそ
のまま用いて、施工現場において、実際の屋根の形状寸
法に合わせて折り曲げることができる。これにより、従
来の金属製屋根材の施工方法と同様にすることができ、
作業効率良く、雨仕舞い構造の優れた屋根を施工するこ
とができる。
【0058】太陽電池モジュールと、太陽電池モジュー
ルに接続された電力変換装置とを有する発電装置におい
て、本発明の太陽電池モジュールを用いることによっ
て、信頼性が向上すると考えられる。電気出力線が引張
られるような力を受けても、その力を出力端子部及び太
陽電池モジュールの内部回路に伝える可能性が非常に小
さい。よって、発電装置の点検などで、電気出力線を引
張ってしまうようなことが発生しても、太陽電池モジュ
ールの発電性能に影響を与える可能性は非常に小さく、
発電装置の発電性能に支障をきたすことはないと考えら
れる。
【0059】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
実施形態の一例を説明する。
【0060】図1は、本発明の実施形態に係わる太陽電
池モジュールを表す斜視図、図2は、図1の切断線A
A’での拡大断面図である。
【0061】本例の太陽電池モジュールは、従来の金属
屋根材の瓦棒葺き工法に適合する寸法形状をした屋根材
一体型太陽電池モジュールであり、最非受光面側に設け
る被覆材として、金属製補強板を用い、この金属製補強
板に電気出力線を固定する固定部材を接着したことを特
徴とする。
【0062】以下、図を用いて簡単に説明する。本例の
太陽電池モジュール1は、光起電力素子2を、最受光面
側にはフッ素樹脂フィルム3を、最非受光面側には金属
製補強板である塗装溶融亜鉛めっき鋼板4を用いて、透
光性樹脂であるEVA樹脂5で一体的に接着積層するこ
とによって被覆保護したものである。
【0063】ここで、光起電力素子2は厚さ150μm
のステンレス基板上にアモルファスシリコン半導体層を
形成するアモルファスシリコン光起電力素子、フッ素樹
脂フィルム3は厚さ50μm、塗装溶融亜鉛めっき鋼板
4は厚さ0.4mm、EVA樹脂5(エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体)は厚さ450μmのものを光起電力素子
2の表裏に用いる。
【0064】光起電力素子2からの電気出力は、銅箔6
を用いて行われる。正極側の出力は銅箔6a、負極側の
出力は銅箔6bである。この銅箔6a,6bに、電気出
力線7a及び7bの導線9が半田8によって接続され
る。このように、電気出力線7の導線9が銅箔6に接続
されることによって、太陽電池モジュールの内部回路か
ら電気出力線という外部回路への接続が行われている部
分を、本例においては、出力端子部10と呼ぶ。
【0065】この出力端子部10は、受光面側と非受光
面側ともに被覆材に覆われて防水されている。電気出力
線7が被覆材の外部へ延出されている被覆材端部12に
おいても、被覆材は電気出力線7と隙間を作ることなく
被覆しているので、電気出力線7の表面を伝わって水分
が侵入してくる心配がないと考えられる。
【0066】本例における電気出力線の固定部材11
は、図3に示すように市販されているクランプを用いる
もので、不図示の両面接着テープで塗装溶融亜鉛めっき
鋼板4の表面に固定されるものである。その固定個所
は、図1に示すように、1本の電気出力線に対して2個
所固定される。出力端子部10に近い方の固定部材は、
電気出力線7が被覆材により被覆接着固定された状態か
ら真っ直ぐに延出されたところで固定される。そして、
出力端子部10から遠い方の固定部材は、正極側及び負
極側の電気出力線を太陽電池モジュールの幅方向の中央
部によせるように固定される。
【0067】このように固定することによって、次のよ
うな効果を期待するものである。
【0068】まず固定部材が2個あることによって、も
し一方が壊れた場合においても、残る一方での固定を期
待することができる。本例の場合、出力端子部から遠い
方の固定部材より外側において、電気出力線に外力が加
わるのが通常であると考えられる。電気出力線が被覆材
より外側に延出されてから、出力端子部から遠い方の固
定部材に固定されるまでの領域においては、電気出力線
が金属製補強板に近接しているので、何らかの部材等が
引っかかるようなことにより電気出力線が引張られる可
能性は極めて少ない。よって通常は、電気出力線が引張
り力を受けて耐えてくれるのは、出力端子部から遠い方
の固定部材による固定を期待するもので、もしこの固定
部材が損傷するなどの事故が発生した場合は、出力端子
部から近い方の固定部材による固定を期待するものであ
る。
【0069】さらに、出力端子部、出力端子部から近い
方及び遠い方の固定部材が一直線上に並んでいないこと
によって、次のことを期待する。
【0070】もしこれらが一直線上に並んでいて、電気
出力線がその延出方向に引張り力を受けた時、何らかの
原因で両方の固定部材の電気出力線の挟持力が弱くなっ
てしまって滑るという状態では、引張り力が出力端子部
に直接的にかかってしまう可能性がある。しかし、本例
のように一直線上に並んでいない場合には、引張り力の
方向と、電気出力線の延出方向が全て一致しているわけ
ではないので、何らかの原因で固定部材の電気出力線の
挟持力が弱くなってしまって滑るという状態でも、引張
り力が直接的に出力端子部にかからないことを期待でき
る。さらには、出力端子部に近い方の固定部材から遠い
方の固定部材に至る電気出力線は、直線的ではなく、弛
んだ状態で固定されるようにすることも好ましい。この
ようにすれば、もし、出力端子部から遠い方の固定部材
の挟持力が弱っていて滑ったとしても、この弛み部分で
引張り力をある程度吸収するを期待でき、出力端子部に
近い方の固定部材にまで力が加わらない可能性もある。
【0071】以上説明した本実施形態例の太陽電池モジ
ュールの製作費用については、従来の電気出力端子箱を
用いる太陽電池モジュールに比べ、安価に作製出来る可
能性が非常に大きくなる。それは、本例で固定部材とし
て用いた市販のクランプが非常に安価であるためであ
る。汎用な部品として大量に生産されて販売されている
ために安価である。一方、従来の電気出力端子箱は、市
販のものを使用したとしても、その販売数量が少ないこ
と、クランプに比べ体積が大きくなってしまうこと、な
どの理由によりクランプより高価である場合がほとんど
である。その上、電気出力端子箱を用いる場合には、防
水のためのシーラント材が必要となる場合が非常に多
く、その場合には、材料費用及び充填作業費用が必要と
なる。
【0072】このような理由により、本例のように1本
の電気出力線に対して2個の固定部材を用いたとして
も、従来の電気出力端子箱を用いる太陽電池モジュール
に比べ、安価に作製出来る可能性が非常に大きくなるも
のである。
【0073】次に、本例の建材一体型太陽電池モジュー
ル1を設置施工する方法を図4および図5を参照に述べ
る。
【0074】図4は、本例の屋根材一体型太陽電池モジ
ュールを設置施工した屋根の斜視図、図5は、図4の切
断線BB’における断面図である。
【0075】野地板13の上にルーフィング材14を敷
き、その上に本例の建材一体型太陽電池モジュール1を
載置するものである。このとき、モジュール底面部15
の非受光面側が、桟木などの部材を間に設けることなく
ルーフィング材14の上に直に置かれる。そして、同様
に隣接設置されるモジュールの立ち上っている部分16
に吊り子17を係合させ、ドリルビス18により固定す
る。さらに、固定材19を載せてドリルビス20で固定
した上に、キャップ材21を取付けるものである。
【0076】上記のように底面部15の非受光面側に部
材を設けることなくルーフィング材14の上に直に置く
ことができるのは、電気出力端子箱がモジュール底面部
15の非受光面側に設けられていないためである。
【0077】これは、本例の建材一体型太陽電池モジュ
ールの特徴であり、このために、電気出力端子箱が野地
板にぶつからないように、太陽電池モジュールを嵩上げ
する設置構造をとる必要がないので、作業性が非常に良
い。
【0078】次に、棟部の設置構造について述べる。
【0079】本実施例においては、光起電力素子2の端
部に近接して棟カバー部材41が設けられているので、
上記した銅箔6の一部が見えるのみで、固定部材11及
び電気出力線7は棟カバー部材41によって覆われ保護
される。
【0080】以上のように設置施工された後に、建材一
体型太陽電池モジュール1からのそれぞれの電気出力線
7は、棟部で所望の電圧を出力する太陽電池モジュール
アレイとなるように直、並列接続される。そして、これ
ら数グループの太陽電池モジュールアレイの正極及び負
極からの出力は、断路器を有した接続箱を経由して、直
流電力を交流電力に変換する電力変換装置に接続され
て、電力会社の配電線に繋ぐ逆潮流可能な発電システム
となっている。
【0081】上記のような設置施工時において、電気出
力線を誤って引張ってしまうような事が発生したとして
も、その力は固定部材が受けて耐えてくれるので、電気
出力端子部に力が加わることを防止してくれる。これに
より、太陽電池モジュールの内部回路に力が加わること
で太陽電池モジュールが損傷するという心配がないと考
える。また、設置施工完了後、定期点検時などに、電気
出力線を引張ってしまう事が発生しても、その引張り力
は出力端子部及び太陽電池モジュールの内部回路に伝わ
らないので、発電性能に支障をきたす可能性が非常に小
さい。
【0082】以下に、本例の太陽電池モジュールを作製
する方法を簡単に説明する。
【0083】まず、出力端子部10において、銅箔6と
電気出力線7の導線9を半田付けする工程と、固定部材
11を金属製補強板4に取付ける工程を完了させてお
く。
【0084】次に、上記説明した材料を加熱圧着するこ
とにより、樹脂封止して作製する。図6は当該封止用治
具の斜視図であり、図7は治具の上に太陽電池モジュー
ルを作製するための材料を載せていく過程を示すところ
の、図6の線CC’部分相当となる断面図である。治具
22は、アルミニウム製の板で作られており、その上に
上記光起電力素子と電気出力線、及びその被覆材となる
べきものを載せて用いられる。そしてそのアルミニウム
製の板には、治具としての機能を果たすために、光起電
力素子、電気出力線及び被覆材を載せる領域を囲むよう
にその外側に溝が設けられ、この溝には耐熱性の樹脂に
より作製されたOリング24がおかれる。Oリング24
のすぐ内側には、真空にするための吸気口25が設けら
れ、それは管26につながり、管26はさらに不図示の
真空ポンプにつながる。
【0085】当該治具を使用しての太陽電池モジュール
の作製は、つぎのように行われる。
【0086】まず、治具22の上に上記材料を次のよう
に積み重ねる。即ち、最初に、離型用のテフロン(登録
商標)フィルム27を一番下に敷く。これは、透光性樹
脂がはみ出して、治具にくっつかないようにするためで
ある。次に、上記説明したように光起電力素子と一体的
に接着して太陽電池モジュールを形成するものを順次積
み重ねる。即ち、一番下に金属製補強板として、厚さ
0.4mmの塗装溶融亜鉛めっき鋼板、その上に透光性
樹脂として、厚さ450μmのシートに形成したEVA
樹脂、アモルファスシリコン光起電力素子、同EVA樹
脂、厚さ50μmのフッ素樹脂フィルムと順に積み重ね
る。その上に、同テフロンフィルム27を用いる。これ
は、一番下に敷いた離型用のテフロンフィルム27と同
様に、透光性樹脂がはみ出してその他の材料部材にくっ
つかないようにするためである。このとき、フッ素樹脂
フィルムとEVA樹脂シートを同じ寸法にしているの
で、作製後には、図2に示すようにEVA樹脂5が僅か
にフッ素樹脂フィルム3よりはみ出している。
【0087】この積み重ね工程において、上記出力端子
部10に既に接続された電気出力線7を、金属製補強板
4に接着固定された固定部材11に固定する。
【0088】このように積み重ねた上に最後にシリコン
ラバー28を載せる。これで、治具22上への材料の積
み重ねは終わる。この状態で不図示の真空ポンプを動作
させ、バルブ23を開く。そうすると、シリコンラバー
28はOリング24と密着して、シリコンラバー28と
Oリング24と治具22のアルミニウム製の板との間で
密閉された空間が形成され、その中は真空状態となる。
これにより、金属製補強板、透光性樹脂、光起電力素
子、電気出力線、透光性樹脂、透光性表面保護フィルム
は、シリコンラバー28を介して、一様に大気圧により
治具22に押し付けられる。このような状態にある治具
を、真空ポンプを動作させ、真空状態を保持したまま加
熱炉に投入する。加熱炉内の温度は、上記透光性樹脂の
融点を超える温度に保持されている。加熱炉内で透光性
樹脂が融点を超えて柔らかくなり、かつ、十分な接着力
を発揮するための化学変化が完了する時間が経過した
後、加熱炉より、上記真空状態に保持したままの治具を
取り出す。これを室温まで冷却した後、真空ポンプの動
作を停止し、シリコンラバー28を取り除くことにより
真空状態より開放する。
【0089】このようにして、本例の曲げ加工前の平板
状の太陽電池モジュールが作製される。
【0090】以上のように作製された平板状の太陽電池
モジュールをロール成形機により折り曲げ加工するもの
である。ロール成形機とは、上下のローラー対により被
加工物を挟持搬送しながら、徐々に折り曲げ加工する機
械であり、従来より金属板の折り曲げ加工に広く用いら
れているものである。
【0091】このとき、太陽電池モジュールの立ち上っ
ている部分16の近傍は、折り曲げ加工のためのローラ
ーが挟持搬送する部分であるため、電気出力線が存在す
ると、ぶつかってしまい加工できない。そこで、従来の
このような場合には、電気出力線を粘着テープなどを用
いて、太陽電池モジュールの幅方向中央部によせて固定
し、ローラーから逃がすような工夫をしている。しかし
本例においては、既に、電気出力線を太陽電池モジュー
ルの幅方向中央部によせて、固定部材により固定してい
るので、上記粘着テープなどを用いた固定作業を付加す
ることなく、容易にローラー成形加工できる。
【0092】以上説明したように、本例の太陽電池モジ
ュールにおいては、電気出力端子箱をなくした上で、出
力端子部の防水性及び耐引張り強度を確保できる構造を
提案できる。よって、太陽電池モジュールを安価に作製
出来る可能性が非常に大きくなる。さらにその製造にお
いて、まず平板状の太陽電池モジュールを作製した上で
後加工で折り曲げ成形を実施する場合に、電気出力線が
成形機にぶつからないようにするための工程を付加する
必要がない。
【0093】その上、設置施工時に誤って電気出力線を
引張ってしまう事が発生した場合においても、太陽電池
モジュールを損傷させてしまう懸念が極めて少なくな
る。
【0094】次に、本発明に用いられる各要素につい
て、説明する。
【0095】〔光起電力素子〕本発明に係わる太陽電池
モジュールにおける光起電力素子については、特に限定
はない。光起電力素子の例としては、例えば、結晶シリ
コン光起電力素子、多結晶シリコン光起電力素子、アモ
ルファスシリコン光起電力素子、銅インジウムセレナイ
ド光起電力素子、化合物半導体光起電力素子等を用いる
ことができる。
【0096】なお、本発明に係わる太陽電池モジュール
では、可撓性を有する光起電力素子を用いることが好ま
しい。可撓性を有する光起電力素子と、非受光面側に補
強材としての機能も兼ねた金属製板などの可撓性を有し
た被覆材料とを、組み合わせて用いた場合には、可撓性
を有した太陽電池モジュールを得ることができる。可撓
性を有した太陽電池モジュールは、湾曲することによっ
て損傷する懸念が少ないのでロール成形、プレス成形な
どの後加工を実施できる可能性が広がる。
【0097】よって、電気出力線を固定することによっ
て、加工装置への適合性に優れた本発明の太陽電池モジ
ュールの特徴をより効果的に生かすことができる。
【0098】〔被覆材〕本発明における太陽電池モジュ
ールの被覆材は、光起電力素子を被覆保護する機能と、
出力端子部を防水するために、水を透さない性質を有し
たほうが好ましい。
【0099】さらに、固定部材を設ける被覆材について
は、固定部材を十分に支持・固定することができ、電気
出力線を引張った時の力が固定部材を介して伝わったと
しても、それに耐えられるだけの機械構造強度を有して
いることが好ましい。
【0100】加えて、それぞれの被覆材について、求め
られる性質を述べる。
【0101】まず、受光面側に設けられる被覆材として
は、光起電力素子に損失なく太陽光が届くように透光性
に優れていることが好ましい。次に、鋭利な部材によっ
て太陽電池モジュール表面を引っ掻くような事故が発生
したとしても、光起電力素子を保護できるように、十分
な耐引っ掻き強度を有していることが好ましい。さら
に、太陽光に曝されるなど、常に屋外環境を直接的に受
けるので、耐候性に優れていることが好ましい。
【0102】例示するならば、最受光面側に用いる被覆
材としては、ガラス板、透明樹脂板、透明樹脂フィルム
などが挙げられ、固定部材を固定しない場合には、フッ
素樹脂フィルムが軽量であり、耐候性に優れているの
で、好ましいと考えられる。
【0103】最受光面側に用いる被覆材と光起電力素子
との中間に位置する被覆材は、光起電力素子の表面凹凸
を埋めて接着させる役割を求められ、その材料として
は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビ
ニルブチロール、シリコン樹脂等が挙げられる。
【0104】また、以下のような目的で、これら透光性
樹脂材料の保持材を用いることもある。
【0105】上記説明したような太陽電池モジュールの
製造工程において、透光性樹脂材料を保持して流れ出す
のを抑えることを目的とする。または、鋭利な物体で被
覆材表面が傷つけられる事故が発生した場合に光起電力
素子を保護する能力である耐引っ掻き性を向上させる役
目を果たすことを目的とする。材料としては、ガラス繊
維不織布、ガラス繊維織布、有機材料の不織布などが挙
げられるが、これに限るものではない。
【0106】また、非受光面側の最も外側に設ける被覆
材としては、金属製補強板を用いることが好ましい。
【0107】金属製補強板は、十分な構造強度を有して
いるので、固定部材を固定支持して引張り力を受けて耐
えることができる。その上、太陽電池モジュール自体の
構造強度を向上させることができる。そして、材料を例
示するならば、金属材料の中でも、耐候性、耐食性に優
れたものが好ましく、例えば、亜鉛メッキ鋼板やそれら
の上にさらにフッ素樹脂や塩化ビニルなどの耐候性物質
を有した鋼板や、ステンレス鋼板等が挙げられる。
【0108】最非受光面側の被覆材と光起電力素子との
間に設ける被覆材については、十分な接着性を有した樹
脂が好ましく、透光性は要求されることはないが、耐候
性に優れるなどの理由により、上記と同様、エチレン−
酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルブチロー
ル、シリコン樹脂等を例示することができる。
【0109】〔電気出力線〕本発明における太陽電池モ
ジュールの電気出力線は、特に限定されるものではない
が、導線に絶縁材が被覆された被覆導線が好ましい。被
覆導線を用いることにより、被覆材及び固定部材に導電
性のものなど、多様な材料を用いることができる。ま
た、単心であるか2心であるかも限定されるものではな
い。単心のものを太陽電池モジュールの正極側及び負極
側にそれぞれ1本ずつ用いても良いし、2心のものを用
いて、太陽電池モジュールの外部に延出される電気出力
線は1本となるように構成しても良い。
【0110】被覆導線の絶縁材の材料については、その
軟化温度が200℃程度以下であることが好ましい。太
陽電池モジュールは、上記したように加熱圧着して作製
することが多く、その際の加熱温度でこの被覆材が軟化
することによって、EVA樹脂等の太陽電池モジュール
の被覆材とより一体的に密着し、より強固に接着するこ
とを期待できる。
【0111】また、電気出力線の先端部は切りっぱなし
の状態でも良いし、コネクタ部材が設けられていても良
い。太陽電池モジュールを設置施工して、電気接続する
ために必要となる電気出力線の長さが予めわかっている
場合には、コネクタ部材を設けておくと、電気接続作業
を効率化できる。必要となる電気出力線の長さが予めわ
かっていない場合には、先端部が切りっぱなしの状態の
電気出力線を所望の長さに切った上で、電気接続するの
が適当であると考えられる。
【0112】〔出力端子部〕本発明における太陽電池モ
ジュールの出力端子部は、電気出力線が太陽電池モジュ
ールの内部回路に電気的に接続する部分のことをいう。
【0113】その構造は様々なものが考えられ、上記実
施形態例のように光起電力素子から外側に延出された銅
箔に対して電気的に接続された場合もあれば、光起電力
素子の非受光面側や端部など、光起電力素子に近接した
位置に設けられる場合も考えられる。
【0114】〔固定部材〕本発明における太陽電池モジ
ュールの固定部材は、受光面側もしくは非受光面側の被
覆材に設けられ、電気出力線が引張り力を受けた時に、
この力を受けて耐えることによって太陽電池モジュール
の内部回路側へ伝えることのないように電気出力線を支
持固定できることを求められる。
【0115】よって、電気出力線を支持固定する方法は
限定されるものではなく、例えば、1個の固定部材のみ
で電気出力線を支持固定するのではなく、固定部材を複
数個用いて、それら固定部材の相互作用により支持固定
しても良い。
【0116】また、固定部材は、容易に安価に作製及び
被覆材への固定が実施できることが求められるものであ
り、そのためには、例えば、被覆材として金属製板を用
いてその一部で固定部材を形成することも考えられる。
【0117】あるいは、固定部材、被覆材ともに金属製
として、これらを互いに溶接によって固定することによ
って、より強固に固定された固定部材を得ることができ
る。
【0118】また一方、固定部材によって電気出力線を
固定する方法としては、上記のように挟持することによ
って固定する方法が考えられるが、その他には、固定部
材に電気出力線を巻き付けることも考えられる。巻き付
けることによって、確実に大きな固定強度を得ることが
できる。
【0119】
【実施例】以下、実施例に基づいて、本発明に係わる太
陽電池モジュールを説明する。なお、本発明に係わる太
陽電池モジュールは、これらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0120】(実施例1)本実施例の太陽電池モジュー
ルは、光起電力素子として多結晶シリコン光起電力素子
を、最受光面側の被覆材としてガラス板を用いたことを
特徴とする。その他、特記しない点については、上記発
明の実施の形態と同様である。
【0121】以下、図8に基づいて簡単に説明する。本
実施例の光起電力素子は多結晶シリコン光起電力素子を
用いているので、可撓性がなく、湾曲される力が加わる
と容易に割れて性能劣化する可能性がある。そのため、
剛体であるガラス板29を補強材として最受光面側に設
けるものである。このガラス板は、非受光面側の被覆材
より外側に延出されており、上記と同様の固定部材(ク
ランプ)11が不図示の両面接着テープにより固定され
ている。この固定部材11によって、受光面側と非受光
面側の間より延出されている電気出力線7を固定するも
のである。なお、最非受光面側に設けるフィルム30
は、フッ素樹脂/アルミ箔/フッ素樹脂の積層フィルム
であり、水分をほとんど透さないことを期待している。
【0122】以上のように、ガラス板を最受光面側の被
覆材として用いた本実施例の太陽電池モジュールにおい
ても、上記発明の実施の形態と同様に、電気出力端子箱
をなくした上で、電気出力端子部の防水性及び耐引張り
強度を確保できる構造を提案できる。よって、太陽電池
モジュールを安価に作製出来る可能性が非常に大きくな
る。
【0123】(実施例2)本実施例の太陽電池モジュー
ルは、最非受光面側に設ける被覆材として金属製補強板
を用い、この金属製補強板の一部を用いて固定部材を形
成したことを特徴とする。その他、特記しない点につい
ては、上記発明の実施の形態と同様である。
【0124】図9は、本実施例の太陽電池モジュールを
示す斜視図、図11は、図9の切断線DD’での拡大断
面図、図10は、図11に示す部分を上から見た平面図
である。
【0125】本実施例における固定部材31は、金属製
補強板4を切起こして形成したもので、その断面形状は
図11に示すように逆Uの字状であり、その内側に電気
出力線7が支持固定されるものである。穴部32は、固
定部材31を切り起こすことによってできた穴である。
図11に示す状態は、電気出力線7の支持固定作業が完
了した様子を示すものである。電気出力線7を支持固定
する前の固定部材31の曲げ具合は、電気出力線7を固
定部材31の内側に容易に配置出来る程度に、緩く湾曲
させている程度であり、電気出力線7を配置した後に治
具を用いて固定部材31を深く折り曲げるものである。
【0126】電気出力線7の固定は、上記実施の形態で
示したように1本の電気出力線に対して2個の固定部材
で固定するものである。例えば、正極側の電気出力を行
う出力線7aについて説明すると次のようである。
【0127】受光面側及び非受光面側の被覆材の間より
延出された電気出力線7aは、太陽電池モジュールの幅
方向、少し外側へ寄った場所で第1番目の固定部材によ
って支持固定される。この時の断面形状は、図11の固
定部材31b及び電気出力線7bに示すと同様の形状と
なる。つまり、太陽電池モジュールの幅方向内側に固定
部材の壁部分があり、外側が開放されている。電気出力
線は外側から固定部材の内側に配置され、固定されるこ
とになる。その次の固定部材は、図11の31a及び7
aに示すように前記のものと対称形状であり、電気出力
線は内側から配置され、固定される。このとき、この第
2番目の固定部材は太陽電池モジュールの幅方向中央部
にかなりよせて固定しているので、電気出力線は、図9
に示すように深い角度を有した、くの字形状に支持固定
されるものである。
【0128】上記説明したように、本実施例において
は、電気出力線を固定部材によって完全には挟持固定し
てはいない。しかし、深い角度を有した、くの字形状で
支持固定されているので、電気出力線の延出方向に引張
る力が出力端子部にまで伝わる可能性は非常に小さく、
実際上では問題ないと考える。また、電気出力線を金属
製補強板に対して受光面側に引張る力に対しては、固定
部材が断面逆Uの字形状をしていることにより、十分耐
えうると考える。
【0129】以上説明した本実施例の太陽電池モジュー
ルでは、固定部材として、被覆材である金属製補強板の
一部を用いて形成しているので、別途固定部材を必要と
しないので安価に作製することができる。さらに、固定
部材と被覆材は一つの部材であるために、固定部材と被
覆材を接着(固定)する工程が必要でなく、外れる心配
がないという利点もある。
【0130】(実施例3)本実施例の太陽電池モジュー
ルは、最非受光面側に設ける被覆材として金属製補強板
を用い、この金属製補強板の一部を用いて固定部材を形
成したこと、かつ、電気出力線の固定部分を固定部材を
含めて受光面側の被覆材で被覆することを特徴とする。
その他、特記しない点については、実施例2と同様であ
る。
【0131】図12は、本実施例の太陽電池モジュール
の斜視図である。本実施例の太陽電池モジュールでは、
出力端子部から近い方の固定部材の位置を、発明の実施
の形態と同様に銅箔6の延出方向の延長上に位置するよ
うにしたことが実施例2と異なるものであり、さらに実
施例2では、出力端子部10と第1番目の固定部材との
間で受光面側の被覆材をとどめているが、本実施例で
は、太陽電池モジュールの端部33まで受光面側の被覆
材を設けている。これにより、電気出力線の固定部分は
固定部材を含めて被覆されることになり、穴部32につ
いても被覆される。よって、受光面側から見たときに穴
部32は埋められることになる。
【0132】以上述べた本実施例の太陽電池モジュール
の利点は、実施例2に比較して雨漏り防止に優れている
点である。実施例2においては、金属製補強板を切り起
こして固定部材を形成するので、そのための穴が生じ
る。この穴部が外側に曝されて設置される場合は、当
然、雨漏りすることが考えられ、棟側の部材に覆われる
ように設置施工するなどの工夫が必要となる。しかし、
本実施例においては、この穴部は受光面側の被覆材によ
って塞がれているので、外側に曝されていても雨漏りを
心配する必要がないので、多様な配置方法で設置できる
可能性が広がる。
【0133】(実施例4)本実施例の太陽電池モジュー
ルは、最非受光面側に設ける被覆材として金属製補強板
を用い、固定部材についても金属で作製することによ
り、これらを互いに溶接で固定したことを特徴とする。
その他、特記しない点については、実施例2と同様であ
る。
【0134】本実施例においては、金属製補強板及び固
定部材は、ともに溶融亜鉛めっき鋼板の板厚0.8mm
のものを使用し作製する。このような構成にすることに
より、十分な固定強度を得ることができ、電気出力線の
耐引張り強度も確保できる。本実施例が実施例2に対し
て有用であると思われる点は、固定部材を金属製補強板
に対して固定する位置を決定する時期を遅くすることが
容易である点である。
【0135】実施例2においては、金属製補強板を切り
欠いて固定部材を作製するものであるが、この固定部材
の作製を太陽電池モジュールの設置施工現場で行うこと
は比較的困難である。このため、一般的には予め工場に
おいて固定部材の加工を行うことになる。
【0136】しかし、本実施例においては、建築現場な
どでは通常に用いられる溶接という手段で固定部材の付
設を行うので、太陽電池モジュールの設置施工現場で容
易に実施できる可能性が高い。
【0137】設置施工現場で固定部材の付設を実施でき
ることは、実際の設置場所の寸法形状に対応できるとい
うことであり、非常に有用である。
【0138】(実施例5)本実施例の特徴は、水上側に
おいて、太陽電池モジュールを受光面側に折り曲げたこ
とを特徴とする。その他、特記しない点については、発
明の実施の形態と同様である。
【0139】本実施例においては、発明の実施の形態と
同様に一つの電気出力線に対して二つの固定部材を設け
る。このうち、出力端子部より遠い方の固定部材より外
側に、大きく金属製補強板が延出されており、この領域
で受光面側に立ち上るように折り曲げている。
【0140】図を参照に、以下に簡単に説明する。
【0141】図15は、本実施例の太陽電池モジュール
を葺いた屋根の棟部を示す断面図である。太陽電池モジ
ュールを設置固定している様子は、図5に示す発明の実
施の形態で説明したと同様で、その設置固定された様子
は図4に示すものと同様である。21は、上記設置固定
の方法で述べたキャップ材であり、40は、防水のため
のゴム材、41は、棟カバー部材である。本実施例の太
陽電池モジュール39の金属製補強板4は、出力端子部
より遠い方の固定部材42より水上側で折り曲げ部43
を持つ。このとき、電気出力線7はこの折り曲げ部43
で拘束されていないので、折り曲げは金属製補強板のみ
に実施することとなり、容易に折り曲げすることができ
る。
【0142】本実施例においては、屋根の上で、設置作
業者が手作業で折り曲げ加工しながら設置施工するもの
である。よって、図15のように棟部材44にうまく突
き当てて折り曲げ部43を成形することができる。この
とき、電気出力線7は上記したように折り曲げの影響を
受けないので、残留応力などにより損傷する懸念がない
と考えられる。
【0143】棟部材44は図15において、紙面と垂直
方向に長尺であり、電気出力線7を棟頂部に取り込むた
めに、棟カバー部材41との間に隙間ができるように部
分的に切り欠いている。電気出力線7を取り込まない部
分においては、棟カバー部材41を支持するために切り
欠いていない。
【0144】このように設置施工された本実施例の屋根
は、水上側において優れた雨仕舞い構造を有する。太陽
電池モジュール表面に降った雨水は、防水のためのゴム
材40によって太陽電池モジュールの背面への侵入が防
止される。もし、このゴム材40が脱落した場合でも、
太陽電池モジュール39に設けた立ち上がり部45でせ
きとめることができる。
【0145】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の太陽電池
モジュールにおいては、出力端子部は被覆材によって被
覆され、受光面側の被覆材と非受光面側の被覆材の間よ
り外部に延出される電気出力線の一部は、被覆材に設け
られた固定部材により固定されていることにより、電気
出力端子箱を設けなくとも、出力端子部における防水性
と、電気出力線の耐引張り強度を確保した太陽電池モジ
ュールを得ることができる。
【0146】よって、電気出力端子箱の材料及び取付け
の費用を削減することができ、太陽電池モジュールを安
価に作製することができる。
【0147】さらには、電気出力端子箱の出張り部分が
なくなるので、太陽電池モジュールの設置施工時の利便
性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる太陽電池モジュールの実施形態
を示す斜視図。
【図2】本発明に係わる太陽電池モジュールの実施形態
を示す図1の切断線AA’での拡大断面図。
【図3】本発明の実施形態で用いる固定部材を示す斜視
図。
【図4】本発明に係わる太陽電池モジュールを設置した
屋根の実施形態を示す斜視図。
【図5】本発明に係わる太陽電池モジュールを設置した
屋根の実施形態を示す図4の切断線BB’での拡大断面
図。
【図6】太陽電池モジュールの作製治具を示す斜視図。
【図7】太陽電池モジュールの作製を示す図6の切断線
CC’での拡大断面図。
【図8】本発明の実施例1の太陽電池モジュールを示す
拡大断面図。
【図9】本発明の実施例2の太陽電池モジュールを示す
斜視図。
【図10】本発明の実施例2の太陽電池モジュールを示
す図9の切断線DD’部における拡大平面図。
【図11】本発明の実施例2の太陽電池モジュールを示
す図9の切断線DD’における拡大断面図。
【図12】本発明の実施例3の太陽電池モジュールを示
す斜視図。
【図13】従来の太陽電池モジュールを示す斜視図。
【図14】従来の太陽電池モジュールを設置した屋根示
す断面図。
【図15】実施例5の太陽電池モジュールを葺いた屋根
の棟部を示す断面図。
【符号の説明】
1 太陽電池モジュール 2 光起電力素子 3 フッ素樹脂フィルム(最受光面側の被覆材) 4 金属製補強板(最非受光面側の被覆材) 5 EVA樹脂(被覆材) 6 銅箔 7 電気出力線 8 半田 9 導線 10 出力端子部 11 固定部材 12 被覆材端部 13 野地板 14 ルーフィング材 15 底面部 16 立ち上っている部分 17 吊り子 18 ドリルビス 19 固定材 20 ドリルビス 21 キャップ材 22 治具 23 バルブ 24 Oリング 25 吸気口 26 管 27 離型フィルム 28 シリコンラバー 29 ガラス板(最受光面側の被覆材) 30 積層フィルム(最非受光面側の被覆材) 31 固定部材 32 穴部 33 被覆材端部 34 太陽電池モジュール 35 電気出力端子箱 36 正極側コネクタ 37 負極側コネクタ 38 桟木 39 太陽電池モジュール 40 ゴム材 41 棟カバー部材 42 固定部材 43 折り曲げ部 44 棟部材 45 立ち上がり部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深江 公俊 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2E108 KK04 LL03 MM03 NN07 5F051 AA05 BA03 BA11 BA18 GA02 JA04 JA05 JA06

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光起電力素子、該光起電力素子の受光面
    側及び非受光面側を被覆する被覆材、電気出力線を有し
    た太陽電池モジュールにおいて、 該電気出力線が太陽電池モジュールの内部回路に電気的
    に接続される出力端子部は、該被覆材のうち、該光起電
    力素子の配置されてなる領域からその外側の領域に亘っ
    て連続的に配置されてなる受光面側の被覆材及び非受光
    面側の被覆材によって被覆され、 該電気出力線は、該受光面側の被覆材と非受光面側の被
    覆材の間より外部に延出され、かつ、該電気出力線の一
    部は、該受光面側の被覆材もしくは非受光面側の被覆材
    に設けられた固定部材により固定されていることを特徴
    とする太陽電池モジュール。
  2. 【請求項2】 前記電気出力線は、導線に絶縁材が被覆
    された被覆導線であり、該絶縁材と該絶縁材に接する前
    記光起電力素子の配置されてなる領域からその外側の領
    域に亘って連続的に配置されてなる受光面側の被覆材及
    び非受光面側の被覆材は、熱可塑性樹脂であることを特
    徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 【請求項3】 前記固定部材が設けられる被覆材は、前
    記光起電力素子の配置されてなる領域からその外側の領
    域に亘って連続的に配置されてなる受光面側の被覆材及
    び非受光面側の被覆材のうち、最外側に設けられる被覆
    材であり、かつ、該固定部材が設けられる領域は、該固
    定部材が設けられる被覆材がその他の被覆材より外側に
    延出された領域であることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の太陽電池モジュール。
  4. 【請求項4】 前記1本の電気出力線は、少なくとも2
    個所を前記固定部材によって固定されたことを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれかに記載の太陽電池モジュー
    ル。
  5. 【請求項5】 前記非受光面側の被覆材は金属製板であ
    り、該金属製板の一部を用いて前記固定部材を形成した
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の太
    陽電池モジュール。
  6. 【請求項6】 前記太陽電池モジュールは、建材一体型
    であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記
    載の太陽電池モジュール。
  7. 【請求項7】 光起電力素子、該光起電力素子の受光面
    側及び非受光面側を被覆する被覆材、電気出力線を有し
    た太陽電池モジュールの製造方法において、該電気出力
    線を出力端子部において太陽電池モジュールの内部回路
    に電気的に接続させる工程の後に、該光起電力素子およ
    び該出力端子部を、該光起電力素子の配置されてなる領
    域からその外側の領域に亘って連続的に配置する受光面
    側の被覆材及び非受光面側の被覆材によって被覆する工
    程を有し、 該被覆する工程の前もしくは後に、該電気出力線の一部
    を受光面側の被覆材もしくは非受光面側の被覆材に設け
    た固定部材により固定する工程を有したことを特徴とす
    る太陽電池モジュールの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記電気出力線は、導線に絶縁材が被覆
    された被覆導線であり、該絶縁材と該絶縁材に接する前
    記光起電力素子の配置されてなる領域からその外側の領
    域に亘って連続的に配置する受光面側の被覆材及び非受
    光面側の被覆材は、熱可塑性樹脂であることを特徴とす
    る請求項7に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記光起電力素子の配置する領域からそ
    の外側の領域に亘って連続的に配置する受光面側の被覆
    材及び非受光面側の被覆材のうち、最外側に設けられる
    被覆材に、その他の被覆材より外側に延出した領域を設
    け、該領域に前記固定部材を設けることを特徴とする請
    求項7又は8に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記1本の電気出力線を、前記固定部
    材を用いて少なくとも2個所において固定することを特
    徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の太陽電池モ
    ジュールの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記非受光面側の被覆材として金属製
    板を用い、該金属製板の一部を用いて前記固定部材を形
    成する工程を有したことを特徴とする請求項7乃至10
    のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記太陽電池モジュールは、建材一体
    型であることを特徴とする請求項7乃至11のいずれか
    に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項6に記載の建材一体型の太陽電
    池モジュールを施工したことを特徴とする屋根。
  14. 【請求項14】 前記建材一体型の太陽電池モジュール
    は、前記非受光面側の被覆材として金属製板を有し、長
    尺である方向を屋根の水流れ方向と一致させて葺く縦葺
    きタイプであり、 前記電気出力線の全ては、水上側に延出するように設け
    られ、かつ、該金属製板は、水上側において前記受光面
    側の被覆材より外側に延出されて設けられており、該外
    側に延出された領域が受光面側に立ち上がるように折り
    曲げられていることを特徴とする請求項13に記載の屋
    根。
  15. 【請求項15】 請求項1乃至6のいずれかに記載の太
    陽電池モジュールを用いたことを特徴とする太陽電池モ
    ジュールの施工方法。
  16. 【請求項16】 前記太陽電池モジュールは、前記非受
    光面側の被覆材として金属製板を有し、長尺である方向
    を屋根の水流れ方向と一致させて葺く縦葺きタイプであ
    り、かつ、前記電気出力線の全てが、水上側に延出する
    ように設けられた建材一体型の太陽電池モジュールであ
    り、 該金属製板を、水上側において前記受光面側の被覆材よ
    り外側に延出された領域において、受光面側に立ち上が
    るように折り曲げたことを特徴とする請求項15に記載
    の太陽電池モジュールの施工方法。
  17. 【請求項17】 請求項1乃至6のいずれかに記載の太
    陽電池モジュールと、該太陽電池モジュールに接続され
    た電力変換装置とを有することを特徴とする発電装置。
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