JP2001343599A - 表示装置及びその製造方法 - Google Patents

表示装置及びその製造方法

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JP2001343599A
JP2001343599A JP2001090964A JP2001090964A JP2001343599A JP 2001343599 A JP2001343599 A JP 2001343599A JP 2001090964 A JP2001090964 A JP 2001090964A JP 2001090964 A JP2001090964 A JP 2001090964A JP 2001343599 A JP2001343599 A JP 2001343599A
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JP2001090964A
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Yukihisa Takeuchi
幸久 武内
Hiroyuki Tsuji
裕之 辻
Tsutomu Nanataki
七瀧  努
Iwao Owada
大和田  巌
Yoritoshi Toyama
順敏 外山
Shinai Noguchi
信愛 野口
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数の表示用ブロックを配列して大画面表示装
置を作製する際に、これら表示用ブロックの継ぎ目部分
が目立ちにくい大画面表示装置とする。 【解決手段】透明性の板材100a、100b、100
c及び100dを組むことによって構成された枠体10
0に、表示装置本体102が組み込まれることにより構
成される。具体的には、枠体100の開口122内に複
数の表示用ブロック110がマトリクス状に配列され、
更に、各表示用ブロック110の端面部分並びに表示用
ブロック110と枠体100の内壁間に、屈折率の調整
された光透過性のある物質130、例えばアクリル製の
可撓性接着剤130が介在されて構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示装置及びその
製造方法に関し、特に、光源からの光を導入する光導波
板を有する表示素子を多数配列して大画面表示装置を作
製する場合に好適な表示装置及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、表示装置として、陰極線管
(CRT)や液晶表示装置等の表示装置が知られてい
る。
【0003】陰極線管としては、通常のテレビジョン受
像機やコンピュータ用のモニタ装置等が知られている
が、画面は明るいものの、消費電力が大きく、また、画
面の大きさに比較して表示装置全体の奥行きが大きくな
るという問題がある。
【0004】一方、液晶表示装置は、装置全体を小型化
でき、消費電力が少ないという利点があるものの、画面
の輝度が劣り、画面視野角度が狭いという問題がある。
【0005】更にこれら陰極線管や液晶表示装置におい
ては、カラー画面にする場合、画素数を白黒画面の3倍
にしなければならず、このため、装置自体が複雑にな
り、消費電力がかさみ、コストアップが避けられないと
いう問題もあった。
【0006】そこで、本出願人は、前記問題を解決する
べく、新規な表示素子を提案した(例えば、特開平7−
287176号公報参照)。この表示素子は、図73に
示すように、画素毎に配列されたアクチュエータ部40
0を有し、各アクチュエータ部400は、圧電/電歪層
402と該圧電/電歪層402の上面及び下面にそれぞ
れ形成された上部電極404と下部電極406とを具備
したアクチュエータ部本体408と、該アクチュエータ
部本体408の下部に配設された振動部410と固定部
412からなる基体414とを有して構成されている。
アクチュエータ部本体408の下部電極406は振動部
410と接触しており、該振動部410により前記アク
チュエータ部本体408が支持されている。
【0007】前記基体414は、振動部410及び固定
部412が一体となってセラミックスから構成され、更
に、基体414には、前記振動部410が薄肉になるよ
うに凹部416が形成されている。
【0008】また、アクチュエータ部本体408の上部
電極404には、光導波板418との接触面積を所定の
大きさにするための変位伝達部420が接続されてい
る。図73の例では、前記変位伝達部420は、アクチ
ュエータ部400が静止しているオフ選択状態あるいは
非選択状態において、光導波板418に近接して配置さ
れ、オン選択状態において前記光導波板418に光の波
長以下の距離で接触するように配置されている。
【0009】そして、前記光導波板418の例えば端部
から光422を導入する。この場合、光導波板418の
屈折率の大きさを調節することにより、全ての光422
が光導波板418の前面及び背面において透過すること
なく内部で全反射する。この状態で、前記上部電極40
4及び下部電極406を通してアクチュエータ部400
に画像信号の属性に応じた電圧信号を選択的に印加し
て、該アクチュエータ部400にオン選択、オフ選択及
び非選択の各種変位動作を行わせることにより、前記変
位伝達部420の光導波板418への接触・離隔が制御
され、これにより、前記光導波板418の所定部位の散
乱光(漏れ光)424が制御されて、光導波板418に
画像信号に応じた映像の表示がなされる。
【0010】そして、この表示素子でカラー表示を行う
場合は、例えば三原色の光源を切り替えて、光導波板4
18と変位伝達部420との接触時間を発色させる周期
に同期させて、三原色の発光時間を制御する、あるい
は、三原色の発光時間を発色させる周期に同期させて、
光導波板418と変位伝達部420との接触時間を制御
するようにしている。
【0011】そのため、この提案例に係る表示素子にお
いては、カラー表示方式に適用させる場合であっても、
画素数を白黒画面の場合に比して増加させる必要がない
という利点がある。
【0012】また、最近では、上述のようなアクチュエ
ータ部の変位動作に基づいて画素の発光、消光を制御す
るようにした表示装置において、各画素に色フィルタや
有色散乱体を形成することにより、三原色の光源の切換
えを不要とし、より鮮明にカラー画像を表示するように
した表示装置も提案されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、表示素子を
多数配列して大画面表示装置を作製する技術は、従来か
ら多数提案され(例えば実公平4−53675号公報、
特開平8−17086号公報など)、実用化されてい
る。
【0014】しかしながら、上述した光導波板418を
有する表示素子を多数配列して大画面表示装置を作製す
る場合、単純に表示素子を接着剤などで組み付けただけ
では、光導波板418の境界部分(継ぎ目部分)におい
て光が漏れ、継ぎ目部分が目立つという問題が生じる。
【0015】また、不具合となった表示素子を新しいも
のに簡単に交換できることを念頭に入れて設計を行う必
要もある。
【0016】更に、大画面表示装置を様々な地域で設置
する場合に、大画面表示装置を工場で組み立てて運搬す
るよりも、構成部品を現地に運搬し、現地で大画面表示
装置に組み立てられるようになれば、製造コストの低廉
化に有効となる。
【0017】本発明はこのような課題を考慮してなされ
たものであり、複数の表示用ブロックを配列して大画面
表示装置を作製する際に、これら表示用ブロックの継ぎ
目部分が目立ちにくい大画面表示装置とすることができ
る表示装置及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0018】また、本発明の目的は、前記条件に加え
て、不具合となった表示用ブロックを新しいものに簡単
に交換することができ、リペア性に優れた表示装置及び
その製造方法を提供することにある。
【0019】また、本発明の目的は、前記条件に加え
て、現地での組み立てを可能にし、製造コストの低廉を
有効に図ることができる表示装置及びその製造方法を提
供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明に係る表示装置
は、2以上の表示用ブロックが配列されて構成され、少
なくとも各表示用ブロックの端面部分に屈折率の調整さ
れた光透過性のある物質が存在していることを特徴とす
る。
【0021】前記物質の屈折率を表示用ブロックの光透
過部分の屈折率とほぼ同じに調整すれば、複数の表示用
ブロックを配列して大画面表示装置を作製する際に、こ
れら表示用ブロックの継ぎ目部分が目立ちにくい大画面
表示装置とすることができる。
【0022】複数の表示用ブロックを配列して大画面表
示装置とする場合に、表示用ブロックの端面部分に前記
物質を介在させながら積み上げていけばよいため、該大
画面表示装置を様々な地域に設置する場合に、複数の表
示用ブロックを現地に運搬し、現地で表示用ブロックを
積み上げて大画面表示装置を作製することができる。こ
れにより、大画面表示装置自体を運搬するよりも製造コ
ストや運搬にかかるコストを低廉することができる。
【0023】そして、前記表示用ブロックとしては、そ
の一主面に表示素子が固定されるものであって、かつ、
光源からの光が導入される導光板としてもよい。この場
合、複数の前記導光板を配列して大型の導光板を作製
し、前記大型の導光板の一主面に、1以上の表示素子を
1組としたとき、複数組を例えば接着剤にて固定して大
画面表示装置を作製する方法を採用することができる。
【0024】また、前記表示用ブロックとしては、光源
からの光が導入される導光板と、該導光板の一主面に固
定された1以上の表示素子とを有するようにしてもよ
い。この場合、導光板に1以上の表示素子を例えば接着
剤にて固着して1つの表示用ブロックを作製し、複数の
表示用ブロックを配列して大画面表示装置を作製する方
法を採用することができる。
【0025】これらの方法においては、特に、特開平1
0−78549号公報や特開平11−194723号公
報等に記載された表示素子を用いる場合に好適である。
即ち、これらの公報に記載された表示素子は、光源から
の光が導入される光導波板と、該光導波板の背面に対向
して設けられたセラミック基板と、これら光導波板とセ
ラミック基板との間に配列された多数の画素構成体とを
有して構成されている。セラミック基板は、その焼成時
における収縮現象によって反りが発生している場合があ
り、これに起因して、表示素子全体としても反りが発生
している場合がある。
【0026】しかし、本発明の上述の方法を用いた場合
は、導光板に表示素子を接着剤で固着するようにしてい
るため、各表示素子における例えば光導波板の一主面
(表示面)全体が導光板に接着剤を介して固着すること
となり、この段階で、表示素子に発生していた反りが接
着剤によって吸収され、表示素子は導光板に対して強固
に固着されることとなる。
【0027】ここで、屈折率の調整された光透過性のあ
る物質について説明すると、まず、屈折率については、
表示用ブロックにおける継ぎ目の違和感をなくすため
に、表示用ブロックの屈折率に対する前記物質の屈折率
差をできる限り小さくすることが好ましい。許容できる
屈折率差は、表示用ブロックの厚みとも関係するが、表
示用ブロックの導光板の屈折率をN1とすると、前記物
質の屈折率N2を、 0.9N1≦N2≦1.1N1 とすれば、概ね継ぎ目の違和感を感じさせなくすること
ができ、 0.99N1≦N2≦1.01N1 であれば、前記効果に加えて、導光板の厚みを大きくす
ることができ、組立性及び組立後の構造体の安定性が向
上する。
【0028】一方、表示用ブロックの継ぎ目に関して
は、表示用ブロックを配列するという構造上の問題か
ら、継ぎ目を跨ぐ画素のピッチが通常の画素ピッチより
も大きくなり、継ぎ目が目立つということが多い。そこ
で、屈折率を N1<N2≦1.01N1 に調整することが好ましい。これにより、画素から発せ
られた光が継ぎ目部分を通過したとき、前記のように調
整された屈折率の関係によって、光が屈折し、表示面か
ら出射する段階では、継ぎ目を跨ぐ画素のピッチが通常
の画素ピッチに近づいたかたちとなり、継ぎ目の違和感
を緩和させることができる。
【0029】また、前記物質の光透過性については、効
率よく光を表示素子まで導くことができ、かつ、消費電
力を抑えるために、可視光領域の波長において、直角入
射光における透過率が50%以上であることが好まし
く、70%以上であれば更に好ましい。
【0030】前記物質の形態については、上述の条件を
満たせば、気体、液体、固体のいずれであってもよく、
また、これらの混合物であってもよい。
【0031】次に、表示用ブロックの導光板について説
明する。導光板の形状は、直方体、角柱、円柱、角錐台
など、表示素子が固着でき、かつ、安定して積み重ねる
ことができれば、どのような形状でもよいが、加工性、
組立性の面から直方体が好ましい。
【0032】導光板の大きさは、組立性、リペア性の点
から、縦が40mm〜500mmであって、横が40m
m〜500mmの大きさであることが好ましい。また、
厚みについては、組立性と継ぎ目の違和感をなくすこと
を両立させるために、2mm〜40mmであることが好
ましい。
【0033】導光板の材質については、可視光領域の波
長において、光透過性がよければ、無機材料、有機材料
のどちらでもよく、具体的には、ガラス、石英、透光性
アルミナ、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボ
ネート、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル
樹脂、ABS、フッ素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等
の単体もしくは合体が使用できる。中でも、コスト、加
工性の点からガラス、アクリル樹脂、メタクリル樹脂が
好ましい。更に、ガラスにおいては、バイコールガラ
ス、96%珪酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸
ガラス、亜鉛ホウ珪酸ガラス、バリウムホウ珪酸ガラス
等が好ましい。光透過性については、可視光領域の波長
において、垂直入射光における透過率が50%以上であ
ることが好ましく、70%以上であることが更に好まし
い。
【0034】そして、各表示ブロックの端面部分に存在
する前記屈折率の調整された光透過性のある物質を接着
剤としてもよい。
【0035】ここで、表示素子を導光板に固着するため
の接着剤や前記物質としての接着剤について説明する。
ここでの接着剤は、接着剤、粘着剤、硬化後固化する接
着剤、硬化後可撓性を持つ接着剤、ゴム状接着剤、ゲル
状接着剤のものを含む意である。
【0036】硬化方法については、UV硬化、加熱硬
化、常温硬化、縮合型硬化、付加型硬化、二液硬化型
等、特に限定されない。
【0037】材質については、可視光領域の波長におい
て光透過性がよければ、無機材料、有機材料のどちらで
もよく、また、絶縁性が高く、発火性が低いものが好ま
しく、導光板に対して濡れ性に優れ、熱、光、湿気など
に対する長期安定性があるものが更に好ましい。
【0038】具体的には、ユリア樹脂系、フェノール樹
脂系、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、メタクリル樹
脂系、シアノアクリレート系、ポリウレタン系、エマル
ジョン系、ホットメルト系、合成ゴム系、天然ゴム系等
の単体あるいは合体が使用できる。
【0039】特に、表示素子を導光板に固着するための
接着剤については、表示素子の固着ずれを防ぐために、
硬化後固化する接着剤が好ましい。また、熱膨張の緩和
のためには、硬化後可撓性を持つ接着剤、ゴム状接着剤
が好ましい。屈折率の調整された光透過性のある物質と
しての接着剤については、熱膨張の緩和、リペア時の取
り外し性のため、硬化後可撓性を持つ接着剤、ゴム状接
着剤、ゲル状接着剤が好ましい。
【0040】つまり、接着剤として完全に固化するもの
を用いると、各表示用ブロックが接着剤で強固に固着さ
れるため、機械的強度の高い大画面表示装置を得ること
ができる。ただ、不具合となった表示用ブロックを新し
いものに交換することが困難になるため、一括交換を想
定した大画面表示装置に適用すればよい。
【0041】前記接着剤として可撓性のものを用いれ
ば、機械的強度の高い大画面表示装置を得ることができ
ると共に、容易に切断することができるため、不具合と
なった表示用ブロックを新しいものに交換することが容
易になり、リペア性に優れることとなる。また、熱膨張
により発生する熱応力の緩和に有効である。
【0042】また、前記導光板の表面にハードコーティ
ング材を被覆することが好ましい。これにより、導光板
の表面への傷付きを防止することができ、例えば黒を表
示したときの局部的な白点の発生や、全体として輝度が
上がってしまうという現象を事前に防止することができ
る。
【0043】ここでいうハードコーティング材を被覆す
るとは、導光板の材質より硬度の高い材料の皮膜を導光
板表面に形成することである。また、導光板の表裏平面
への被覆は、傷付き防止のため重要であるが、端面への
被覆については必ずしも施す必要はない。ハードコーテ
ィング材としては、具体的には、アクリル系ハードコー
ティング材やシリコーン系ハードコーティング材を使用
することができる。
【0044】また、前記表示素子の光導波板となる表示
用ブロック又は前記導光板の端面に対して鏡面加工を行
うことが好ましい。これにより、導光板の継ぎ目からの
光漏れを違和感のないレベルまで低下させることがで
き、継ぎ目はほとんど目立たないものとなる。また、所
望の視野角も確保することができる。この鏡面加工にお
いては、継ぎ目の違和感をなくすためには、Rmaxを
0.3以下にすることが好ましく、Rmaxを0.05
以下にすることが更に好ましい。
【0045】更に、前記表示素子の光導波板となる表示
用ブロック又は前記導光板を加工するにあたっては、前
記表示用ブロック又は前記導光板の寸法精度を基準寸法
100mmに対して±0.1mm以下、端面同士及び端
面と平面の直角度を0.1mm以下、端面同士及び平面
同士の平行度を0.1mm以下にすることが好ましく、
前記表示用ブロック又は前記導光板の寸法精度を基準寸
法100mmに対して±0.03mm以下、端面同士及
び端面と平面の直角度を0.03mm以下、端面同士及
び平面同士の平行度を0.03mm以下にすることが更
に好ましい。
【0046】これにより、組立て時の表示用ブロックの
累積ピッチ誤差を小さくすることができる。その結果、
画素ピッチずれによる画像の歪みを低減でき、継ぎ目の
隙間ばらつきが小さくなり、継ぎ目を一層目立たなくさ
せることができる。
【0047】また、各表示ブロックの端面部分に存在す
る前記屈折率の調整された光透過性のある物質をマッチ
ングオイルとしてもよい。この場合、得られる機械的強
度は接着剤ほどではないが、不具合となった表示用ブロ
ックを新しいものに交換することが容易になるため、リ
ペア性に優れることとなる。
【0048】もちろん、前記屈折率の調整された光透過
性のある物質として接着剤及びマッチングオイルの両方
を用いるようにしてもよい。例えば、一括交換をしても
よい数分の表示用ブロックを接着剤で固着したもの(表
示用ブロックのかたまり)を複数用意し、これら表示用
ブロックのかたまりを配列する際に、これらの端面部分
にマッチングオイルを介在させるというものである。こ
れにより、機械的強度の確保と、リペア性の向上を達成
させることができる。
【0049】ここでのマッチングオイルは、液体状、グ
リース状の形態であり、可視光領域の波長において光透
過率がよければ、無機材料、有機材料のどちらでもよ
く、また、絶縁性が高く、発火性の低いものが好まし
く、導光板に対して濡れ性に優れ、熱、光、湿気などに
対する長期安定性があるものが更に好ましい。具体的に
は、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコ
ーンオイル、グリセリン、ジ2エチルヘキシルフタレー
ト、シリコーングリース、オプティカルジェル等が挙げ
られる。
【0050】なお、液体状のものを使用する場合におい
ては、塗布時に発生する気泡の抜け易さと、流れて垂れ
すぎないことを両立するために、粘度は100〜100
0cStであることが好ましい。
【0051】また、本発明においては、複数の前記表示
用ブロックをマトリクス状に配列させる場合に、少なく
とも2つの表示用ブロック間に、縦罫及び/又は横罫の
支持材を介在させるようにしてもよい。この場合、複数
の前記表示用ブロックをマトリクス状に配列するに先立
って、縦罫及び/又は横罫の支持材を設置し、該支持材
を少なくとも2つの表示用ブロックで挟むように配列し
て大画面表示装置を製造する方法を採用することができ
る。
【0052】この場合、表示用ブロックを積み上げてい
く過程で生じる累積ピッチ誤差が支持材の存在によって
キャンセルされ、しかも、各表示用ブロックの寸法ばら
つきを吸収することができる。その結果、画素ピッチず
れによる画像の歪みを低減でき、継ぎ目の隙間ばらつき
が小さくなり、継ぎ目を一層目立たなくさせることがで
きる。
【0053】ここで、前記支持材のうち、少なくとも前
記表示用ブロックの端面が対向する面を鏡面加工するこ
とが好ましい。これにより、継ぎ目を目立たなくするこ
とができると共に、視野角を確保することができる。
【0054】前記支持材は、格子状に形成されていても
よい。この場合、表示用ブロックを強固に保持すること
ができると共に、垂直方向及び水平方向の累積ピッチ誤
差をなくすことができる。しかも、表示用ブロックの積
み上げが非常に簡単になり、工数を低減させることがで
きる。
【0055】前記支持材は、可視光領域の波長において
光透過性がよければ、無機材料、有機材料のどちらでも
よく、具体的には、ガラス、石英、透光性アルミナ、ア
クリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート、塩化
ビニル樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂、AB
S、フッ素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の単体ある
いは合体が使用できる。
【0056】表示用ブロックの導光板と同一の材料とし
た方が、屈折率が等しい、熱膨張率が等しい等の点から
好ましい。光透過性については、可視光領域の波長にお
いて、垂直入射光における透過率が50%以上であるこ
とが好ましく、70%以上であれば更に好ましい。支持
材の厚みについては、継ぎ目の違和感がなく、かつ、構
造体としての剛性を持たせるためには、0.5〜10m
mであることが好ましい。
【0057】また、本発明では、複数の前記表示用ブロ
ックの主面の配列によって形成される表示面に対して別
の導光板を配し、前記表示面と前記別の導光板との間に
屈折率の調整された光透過性のある物質を存在させるよ
うにしてもよい。この場合、例えば大型の別の導光板を
用意し、前記別の導光板の一主面に、前記表示用ブロッ
クをその表示面を対向させ、これらの面の間に屈折率の
調整された光透過性のある物質を介在させながら、前記
表示用ブロックを前記一主面に沿って配列することによ
り、大画面表示装置を製造する方法を採用することがで
きる。この構成においては、表示用ブロック間の継ぎ目
が目立たないという利点があるほか、組立て性が良好と
なる。特に屈折率の調整された光透過性のある物質とし
てマッチングオイルを用いれば、リペア性も良好とな
る。この場合、マッチングオイルと外気との間にシール
材を介在させることが好ましい。
【0058】シール材は、接着剤、粘着剤、硬化後固化
する接着剤、硬化後可撓性を持つ接着剤、ゴム状接着
剤、ゲル状接着剤のものを含み、また、フィルム状の物
体にこれらの材料を付着させたものでもよい。
【0059】材質は、無機材料、有機材料のどちらでも
よく、接する物質と反応を起こさないものがよい。具体
的には、シリコーン系、変性シリコーン系、ポリサルフ
ァイド系、ポリウレタン系、アクリル系、エポキシ系、
SBR系、ブチルゴム系等が使用できる。
【0060】また、シール材の外気に接する端部につい
ては、導光板内を進む光を適切な角度で反射させるため
に、導光板の平面と面合わせする(面一にする)ことが
好ましい。また、前記端部に光吸収材を塗布すること
で、不適切な角度で進入していくる光を吸収することが
できるため、画質を向上させることができる。この場
合、前記端部を導光板と面合わせする必要がないため、
設計の自由度が広がる。光吸収材としては、例えば顔
料、染料などを使用することができる。
【0061】前記大型の別の導光板は、複数の分割導光
板をマトリクス状に配列し、互いに屈折率の調整された
光透過性のある接着剤で固着して作製するようにしても
よい。
【0062】上述の別の導光板は、可視光領域の波長に
おいて光透過性がよければ、無機材料、有機材料のどち
らでもよく、具体的には、ガラス、石英、透光性アルミ
ナ、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネー
ト、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル樹
脂、ABS、フッ素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の
単体あるいは合体が使用できる。
【0063】表示用ブロックの導光板と同一の材料とし
た方が、屈折率が等しい、熱膨張率が等しい等の点から
好ましい。光透過性については、可視光領域の波長にお
いて、垂直入射光における透過率が50%以上であるこ
とが好ましく、70%以上であれば更に好ましい。別の
導光板の厚みについては、組立性の点から0.5〜10
0mmであることが好ましい。
【0064】また、表示面と別の導光板との間に存在す
る屈折率の調整された光透過性のある物質(便宜的に第
1の物質と記す)は、表示用ブロックの端面部分に存在
させる屈折率の調整された光透過性のある物質(便宜的
に第2の物質と記す)と必ずしも同じものである必要は
ない。
【0065】第1及び第2の物質を異なる材質で用いる
場合において、表示用ブロックの導光板の屈折率を
1、別の導光板の屈折率をN2とすると、第1の物質の
屈折率N 3は、 0.9N1≦N3≦1.1N2(N1≦N2) 又は0.9N2≦N3≦1.1N1(N2≦N1) であることが好ましい。
【0066】これにより、光を十分に表示素子まで導入
することができ、画面の表示輝度を確保できる。更に、
効率よく光を表示素子まで導き、消費電力を抑えるため
には、可視光領域の波長において、垂直入射光における
透過率が50%以上であることが好ましく、70%以上
であれば更に好ましい。
【0067】また、第1及び第2の物質で互いに異なる
材質のものを用い、かつ、両者とも液体の場合は、両者
の間にシール材を存在させることで、互いに混ざり合う
ことを防ぐことができる。少なくともどちらか一方もし
くは両方を固体にすれば、混ざり合うことがないため、
前記シール材の設置を省略することができる。上記の条
件を満たせば、第1及び第2の物質の形態は、気体、液
体、固体のいずれであってもよく、また、これらの混合
物であってもよい。
【0068】また、本発明は、複数の前記表示用ブロッ
クの配列によって構成される表示装置本体が、少なくと
も1つの面が透明性を有する槽の中に収容され、少なく
とも複数の前記表示用ブロックの主面の配列によって形
成される表示面と前記槽における透明性を有する面との
間に屈折率の調整された光透過性のある物質を存在させ
るようにしてもよい。
【0069】この場合、複数の前記表示用ブロックの配
列によって構成される表示装置本体を前記槽の中に収容
し、前記槽内に屈折率の調整された光透過性のある物質
を充填して大画面表示装置を製造する方法を採用するこ
とができる。
【0070】前記槽を構成する面のうち、透明性を有す
る面は、可視光領域の波長において光透過性がよけれ
ば、無機材料、有機材料のどちらでもよく、具体的に
は、ガラス、石英、透光性アルミナ、アクリル樹脂、メ
タクリル樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル樹脂、フ
ェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂、ABS、フッ素樹脂、
不飽和ポリエステル樹脂等の単体あるいは合体が使用で
きる。
【0071】表示用ブロックの導光板と同一の材料とし
た方が、屈折率が等しい、熱膨張率が等しい等の点から
好ましい。光透過性については、可視光領域の波長にお
いて、垂直入射光における透過率が50%以上であるこ
とが好ましく、70%以上であれば更に好ましい。前記
面の厚みについては、組立性の点から0.5〜100m
mであることが好ましい。
【0072】また、透明性を有する板材の一主面に、前
記表示用ブロックをその表示面を対向させ、これらの面
の間に屈折率の調整された光透過性のある物質を介在さ
せながら、前記表示用ブロックを前記一主面に沿って配
列し、前記板材を一構成要素とする槽を作製し、前記槽
内に前記屈折率の調整された光透過性のある物質を充填
して大画面表示装置を製造する方法を採用することがで
きる。
【0073】前記屈折率の調整された光透過性のある物
質として、マッチングオイルを用いた場合、該物質と外
気との間にシール材を介在させる必要があるが、上述の
構成では、マッチングオイルが充填された槽の中に表示
装置本体が収容されたかたちとなるため、前記シール材
は不要となる。また、この構成においても、表示用ブロ
ック間の継ぎ目が目立たないという利点があるほか、組
立て性が良好で、リペア性も良好となる。
【0074】透明性を有する板材として、複数の分割板
をマトリクス状に配列し、互いに屈折率の調整された光
透過性のある接着剤で固着したものを用いてもよい。こ
の場合、板材として、小型で安価なものを用いることが
でき、しかも、内部に気泡や異物などの欠陥が少なく良
質の板材を使用することができる。
【0075】また、上述の構成の変形例として、前記表
示装置本体の前記表示面とは反対の面と前記槽との間
に、前記屈折率の調整された光透過性のある物質とは異
なる物質を存在させるようにしてもよい。この場合、透
明性を有する板材の一主面に、前記表示用ブロックをそ
の表示面を対向させ、これらの面の間に屈折率の調整さ
れた光透過性のある物質を介在させながら、前記表示用
ブロックを前記一主面に沿って配列し、前記板材を一構
成要素とする槽を作製し、前記槽内に前記屈折率の調整
された光透過性のある物質とは別の物質を充填して前記
表示装置を製造する方法を採用することができる。
【0076】この構成の場合、前記屈折率の調整された
光透過性のある物質がマッチングオイルの場合に、前記
マッチングオイルと前記別の物質との間にシール材を介
在させることが好ましい。また、前記構成の場合、屈折
率の調整された光透過性のある物質は高価になりがちで
あるが、この物質の使用範囲を少なくすることができる
ため、製造コストの低廉化に有利となると共に、前記屈
折率の調整された光透過性のある物質に気泡が発生する
ことがないという利点がある。
【0077】なお、槽の中に充填するマッチングオイル
等の光透過性のある物質及び別の物質としては、液体
状、グリース状の形態で、表示素子本体の駆動回路もこ
れらの物質中に入ることから、高い絶縁性を有し、発火
性が低いものを使用することが好ましい。なお、別の物
質として、前記屈折率の調整された光透過性のある物質
と同等の比重のものを使用すれば、表示用ブロックにか
かる圧力が深さに影響されずに均等となるため、好まし
い。
【0078】また、前記表示素子の周部に光吸収部材を
設けることが好ましい。これにより、表示素子の継ぎ目
を通って、表示素子の後方から表示面に入射する漏れ光
を低減することができる。
【0079】特に、前記光吸収部材が、前記表示素子の
周部を封止する封止部材を兼ねるようにすれば、表示ブ
ロック間に存在する屈折率の調整された光透過性のある
物質が表示素子内に入り込むということが防止され、画
質の劣化を防ぐことができる。
【0080】また、前記表示ブロックのうち、明欠陥と
なっている部分に光吸収層を貼着するようにしてもよ
い。明欠陥は、例えば黒表示や暗い背景などを表示して
いる際に、白点として認識される明るい部分をいう。こ
れにより、明欠陥による光点が光吸収層にて吸収され、
表示面からは目立たないものとなる。
【0081】そして、前記明欠陥としては、表示素子
が、光源からの光が導入される光導波板と、該光導波板
の一方の板面に対向して設けられ、かつ多数の画素に対
応した数のアクチュエータ部が配列された駆動部を具備
し、入力される画像信号の属性に応じて前記光導波板に
対する前記アクチュエータ部の接触・離隔方向の変位動
作を制御して、前記光導波板の所定部位の漏れ光を制御
することにより、前記光導波板に前記画像信号に応じた
映像を表示させる表示素子である場合においては、前記
アクチュエータ部が前記光導波板に対して常時接触する
方向に変位していることに基づくものであり、あるい
は、前記表示素子の構成部材の1つである光導波板内に
ある欠陥あるいは前記光源からの光が導入される導光板
内にある欠陥に基づくもの、更には、屈折率の調整され
た光透過性のある物質内に混入した異物に基づくものが
ある。
【0082】特に、前記表示素子の光導波板上に、前記
光吸収層を貼着するようにすれば、分割された表示素子
ごとに、明欠陥の修正が行えるため、表示装置自体が小
型・低コストであり、位置決め精度の点からも有利であ
る。
【0083】また、本発明では、前記表示素子の裏面
に、前記光透過性のある物質が前記表示素子の裏面側に
回り込むのを防止するための堰を設けるようにしてもよ
い。
【0084】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る表示装置及び
その製造方法の実施の形態例について図1〜図72を参
照しながら説明する。
【0085】まず、この実施の形態に係る表示装置に適
用される表示素子14の構成について図1〜図13を参
照しながら説明する。
【0086】この表示素子14は、図1に示すように、
光源16からの光18が導入される光導波板20と、該
光導波板20の背面に対向して設けられ、かつ多数のア
クチュエータ部22が画素に対応してマトリクス状ある
いは千鳥状に配列された駆動部24を有して構成されて
いる。
【0087】画素の配列構成は、例えば図2に示すよう
に、垂直方向に並ぶ2つのアクチュエータ部22にて1
つのドット26が構成され、水平方向に並ぶ3つのドッ
ト26(赤色ドット26R、緑色ドット26G及び青色
ドット26B)で1つの画素28が構成されている。更
に、この表示素子14においては、画素28の並びを水
平方向に16個(48ドット)、垂直方向に16個(1
6ドット)としている。
【0088】また、前記表示素子14においては、各ア
クチュエータ部22上に、それぞれ画素構成体30が積
層されている。画素構成体30は、光導波板20との接
触面積を大きくして画素に応じた面積にする機能を有す
る。
【0089】駆動部24は、例えばセラミックスにて構
成されたアクチュエータ基板32を有し、該アクチュエ
ータ基板32の各画素28に応じた位置にアクチュエー
タ部22が配設されている。前記アクチュエータ基板3
2は、一主面が光導波板20の背面に対向するように配
置されており、該一主面は連続した面(面一)とされて
いる。アクチュエータ基板32の内部には、各画素28
に対応した位置にそれぞれ後述する振動部を形成するた
めの空所34が設けられている。各空所34は、アクチ
ュエータ基板32の他端面に設けられた径の小さい貫通
孔36を通じて外部と連通されている。
【0090】前記アクチュエータ基板32のうち、空所
34の形成されている部分が薄肉とされ、それ以外の部
分が厚肉とされている。薄肉の部分は、外部応力に対し
て振動を受けやすい構造となって振動部38として機能
し、空所34以外の部分は厚肉とされて前記振動部38
を支持する固定部40として機能するようになってい
る。
【0091】つまり、アクチュエータ基板32は、最下
層である基板層32Aと中間層であるスペーサ層32B
と最上層である薄板層32Cの積層体であって、スペー
サ層32Bのうち、アクチュエータ部22に対応する箇
所に空所34が形成された一体構造体として把握するこ
とができる。基板層32Aは、補強用基板として機能す
るほか、配線用の基板としても機能するようになってい
る。なお、前記アクチュエータ基板32は、一体焼成で
あっても、後付けであってもよい。
【0092】ここで、アクチュエータ部22と画素構成
体30の具体例を図3〜図12に基づいて説明する。な
お、図3〜図12の例では、後述する桟42と光導波板
20との間にギャップ形成層44を設けた場合を示す。
このギャップ形成層44としては、光遮蔽層を用いるこ
とが好ましい。光遮蔽層は、Cr、Al、Ni、Ag等
の光吸収能が低い金属や、カーボンブラック、黒顔料、
黒染料を含有する樹脂、あるいは光散乱性の低い透明樹
脂硬化物等を用いることができる。この場合、光遮蔽層
はブラックマトリックスとして機能することになる。
【0093】そして、アクチュエータ部22は、図3に
示すように、前記振動部38と固定部40のほか、該振
動部38上に直接形成された圧電/電歪層や反強誘電体
層等の形状保持層46と、該形状保持層46の上面と下
面に形成された一対の電極48(ロー電極48a及びカ
ラム電極48b)とを有する。
【0094】一対の電極48は、図3に示すように、形
状保持層46に対して上下に形成した構造や片側だけに
形成した構造でもよいし、形状保持層46の上部のみに
一対の電極48を形成するようにしてもよい。
【0095】一対の電極48を形状保持層46の上部の
みに形成する場合、一対の電極48の平面形状として
は、図4に示すように、多数のくし歯が相補的に対峙し
た形状としてもよく、その他、特開平10−78549
号公報にも示されているように、渦巻き状や多枝形状な
どを採用することができる。
【0096】形状保持層46の平面形状を例えば楕円形
状とし、一対の電極48をくし歯状に形成した場合は、
図5A及び図5Bに示すように、形状保持層46の長軸
に沿って一対の電極48のくし歯が配列される形態や、
図6A及び図6Bに示すように、形状保持層46の短軸
に沿って一対の電極48のくし歯が配列される形態など
がある。
【0097】そして、図5A及び図6Aに示すように、
一対の電極48のくし歯の部分が形状保持層46の平面
形状内に含まれる形態や、図5B及び図6Bに示すよう
に、一対の電極48のくし歯の部分が形状保持層48の
平面形状からはみ出した形態などがある。図5B及び図
6Bに示す形態の方がアクチュエータ部22の屈曲変位
において有利である。
【0098】ところで、図3に示すように、一対の電極
48として、形状保持層46の上面に例えばロー電極4
8aを形成し、形状保持層46の下面にカラム電極48
bを形成した場合においては、図1に示すように、アク
チュエータ部22を空所34側に凸となるように一方向
に屈曲変位させることも可能であり、その他、図7に示
すように、アクチュエータ部22を光導波板20側に凸
となるように、他方向に屈曲変位させることも可能であ
る。なお、図7に示す例は、桟42自体に光遮蔽機能を
持たせて、上述したギャップ形成層44(図3参照)を
形成しない場合を示す。
【0099】一方、画素構成体30は、例えば図3に示
すように、アクチュエータ部22上に形成された変位伝
達部としての白色散乱体50と色フィルタ52と透明層
54の積層体で構成することができる。
【0100】更に、図8に示すように、白色散乱体50
の下層に光反射層56を介在させるようにしてもよい。
この場合、光反射層56とアクチュエータ部22間に絶
縁層58を形成することが望ましい。
【0101】画素構成体30の他の例としては、例えば
図9に示すように、アクチュエータ部22上に形成され
た変位伝達部を兼ねる有色散乱体60と透明層54の積
層体で構成することもできる。この場合も図10に示す
ように、アクチュエータ部22と有色散乱体60との間
に光反射層56と絶縁層58を介在させるようにしても
よい。
【0102】また、この表示素子14においては、図
1、図3及び図7に示すように、光導波板20とアクチ
ュエータ基板32との間において、画素構成体30以外
の部分に形成された桟42を有して構成され、図7の例
では、桟42の上面に直接光導波板20が固着された場
合を示している。桟42の材質は、熱、圧力に対して変
形しないものが好ましい。
【0103】桟42は、例えば画素構成体30の四方に
形成することができる。ここで、画素構成体30の四方
とは、図11に示すように、例えば画素構成体30が平
面ほぼ矩形あるいは楕円であれば、各コーナー部に対応
した位置などが挙げられ、1つの桟42が隣接する画素
構成体30と共有される形態を示す。
【0104】桟42の他の例としては、図12に示すよ
うに、桟42に少なくとも1つの画素構成体30を囲む
窓部42aを有するように構成してもよい。代表的な構
成例としては、例えば、桟42自体を板状に形成し、更
に画素構成体30に対応した位置に画素構成体30の外
形形状に類似した形状の窓部(開口)42aを形成す
る。これによって、画素構成体30の側面全部が桟42
によって囲まれたかたちになり、アクチュエータ基板3
2と光導波板20との固着が更に強固なものとなる。
【0105】ここで、表示素子14の各構成部材、特に
各構成部材の材料等の選定について説明する。
【0106】まず、光導波板20に入射される光18と
しては、紫外域、可視域、赤外域のいずれでもよい。光
源16としては、白熱電球、重水素放電ランプ、蛍光ラ
ンプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハロゲンラ
ンプ、キセノンランプ、トリチウムランプ、発光ダイオ
ード、レーザー、プラズマ光源、熱陰極管(又はフィラ
メント状熱陰極の代わりに、カーボンナノチューブ−フ
ィールドエミッタを配置したもの)、冷陰極管などが用
いられる。
【0107】振動部38は、高耐熱性材料であることが
好ましい。その理由は、アクチュエータ部22を有機接
着剤等の耐熱性に劣る材料を用いずに、固定部40によ
って直接振動部38を支持させる構造とする場合、少な
くとも形状保持層46の形成時に、振動部38が変質し
ないようにするため、振動部38は、高耐熱性材料であ
ることが好ましい。
【0108】また、振動部38は、アクチュエータ基板
32上に形成される一対の電極48におけるロー電極4
8aに通じる配線とカラム電極48bに通じる配線(例
えばデータ線)との電気的な分離を行うために、電気絶
縁材料であることが好ましい。
【0109】従って、振動部38は、高耐熱性の金属あ
るいはその金属表面をガラス等のセラミック材料で被覆
したホーロー等の材料であってもよいが、セラミックス
が最適である。
【0110】振動部38を構成するセラミックスとして
は、例えば安定化された酸化ジルコニウム、酸化アルミ
ニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、スピネル、ム
ライト、窒化アルミニウム、窒化珪素、ガラス、これら
の混合物等を用いることができる。安定化された酸化ジ
ルコニウムは、振動部38の厚みが薄くても機械的強度
が高いこと、靭性が高いこと、形状保持層46及び一対
の電極48との化学反応性が小さいこと等のため、特に
好ましい。安定化された酸化ジルコニウムとは、安定化
酸化ジルコニウム及び部分安定化酸化ジルコニウムを包
含する。安定化された酸化ジルコニウムでは、立方晶等
の結晶構造をとるため、相転移を起こさない。
【0111】一方、酸化ジルコニウムは、1000℃前
後で、単斜晶と正方晶とで相転移し、この相転移のとき
にクラックが発生する場合がある。安定化された酸化ジ
ルコニウムは、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸
化イットリウム、酸化スカンジウム、酸化イッテルビウ
ム、酸化セリウム又は希土類金属の酸化物等の安定化剤
を、1〜30モル%含有する。振動部38の機械的強度
を高めるために、安定化剤が酸化イットリウムを含有す
ることが好ましい。このとき、酸化イットリウムは、好
ましくは1.5〜6モル%含有し、更に好ましくは2〜
4モル%含有することであり、更に0.1〜5モル%の
酸化アルミニウムが含有されていることが好ましい。
【0112】また、結晶相は、立方晶+単斜晶の混合
相、正方晶+単斜晶の混合相、立方晶+正方晶+単斜晶
の混合相などであってもよいが、中でも主たる結晶相
が、正方晶、又は正方晶+立方晶の混合相としたもの
が、強度、靭性、耐久性の観点から最も好ましい。
【0113】振動部38がセラミックスからなるとき、
多数の結晶粒が振動部38を構成するが、振動部38の
機械的強度を高めるため、結晶粒の平均粒径は、0.0
5〜2μmであることが好ましく、0.1〜1μmであ
ることが更に好ましい。
【0114】固定部40は、セラミックスからなること
が好ましいが、振動部38の材料と同一のセラミックス
でもよいし、異なっていてもよい。固定部40を構成す
るセラミックスとしては、振動部38の材料と同様に、
例えば、安定化された酸化ジルコニウム、酸化アルミニ
ウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、スピネル、ムラ
イト、窒化アルミニウム、窒化珪素、ガラス、これらの
混合物等を用いることができる。
【0115】特に、この表示素子14で用いられるアク
チュエータ基板32は、酸化ジルコニウムを主成分とす
る材料、酸化アルミニウムを主成分とする材料、又はこ
れらの混合物を主成分とする材料等が好適に採用され
る。その中でも、酸化ジルコニウムを主成分としたもの
が更に好ましい。
【0116】なお、焼結助剤として粘土等を加えること
もあるが、酸化珪素、酸化ホウ素等のガラス化しやすい
ものが過剰に含まれないように、助剤成分を調節する必
要がある。なぜなら、これらガラス化しやすい材料は、
アクチュエータ基板32と形状保持層46とを接合させ
る上で有利ではあるものの、アクチュエータ基板32と
形状保持層46との反応を促進し、所定の形状保持層4
6の組成を維持することが困難となり、その結果、素子
特性を低下させる原因となるからである。
【0117】即ち、アクチュエータ基板32中の酸化珪
素等は重量比で3%以下、更に好ましくは1%以下とな
るように制限することが好ましい。ここで、主成分と
は、重量比で50%以上の割合で存在する成分をいう。
【0118】形状保持層46は、上述したように、圧電
/電歪層や反強誘電体層等を用いることができるが、形
状保持層46として圧電/電歪層を用いる場合、該圧電
/電歪層としては、例えば、ジルコン酸鉛、マグネシウ
ムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、
マンガンニオブ酸鉛、マグネシウムタンタル酸鉛、ニッ
ケルタンタル酸鉛、アンチモンスズ酸鉛、チタン酸鉛、
チタン酸バリウム、マグネシウムタングステン酸鉛、コ
バルトニオブ酸鉛等、又はこれらの何れかの組合せを含
有するセラミックスが挙げられる。
【0119】主成分がこれらの化合物を50重量%以上
含有するものであってもよいことはいうまでもない。ま
た、前記セラミックスのうち、ジルコン酸鉛を含有する
セラミックスは、形状保持層46を構成する圧電/電歪
層の構成材料として最も使用頻度が高い。
【0120】また、圧電/電歪層をセラミックスにて構
成する場合、前記セラミックスに、更に、ランタン、カ
ルシウム、ストロンチウム、モリブデン、タングステ
ン、バリウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン等の
酸化物、若しくはこれらの何れかの組合せ、又は他の化
合物を、適宜、添加したセラミックスを用いてもよい。
例えば、マグネシウムニオブ酸鉛とジルコン酸鉛及びチ
タン酸鉛とからなる成分を主成分とし、更にランタンや
ストロンチウムを含有するセラミックスを用いることが
好ましい。
【0121】圧電/電歪層は、緻密であっても、多孔質
であってもよく、多孔質の場合、その気孔率は40%以
下であることが好ましい。
【0122】形状保持層46として反強誘電体層を用い
る場合、該反強誘電体層としては、ジルコン酸鉛を主成
分とするもの、ジルコン酸鉛とスズ酸鉛とからなる成分
を主成分とするもの、更にはジルコン酸鉛に酸化ランタ
ンを添加したもの、ジルコン酸鉛とスズ酸鉛とからなる
成分に対してジルコン酸鉛やニオブ酸鉛を添加したもの
が望ましい。
【0123】特に、下記の組成のようにジルコン酸鉛と
スズ酸鉛からなる成分を含む反強誘電体膜をアクチュエ
ータ部22のような膜型素子として適用する場合、比較
的低電圧で駆動することができるため、特に好ましい。
【0124】Pb0.99Nb0.02[(Zrx Sn1-x1-y
Tiy0.983 但し、0.5 <x< 0.6,0.05<y< 0.063,0.01<Nb
< 0.03 また、この反強誘電体膜は、多孔質であってもよく、多
孔質の場合には気孔率30%以下であることが望まし
い。
【0125】そして、振動部38の上に形状保持層46
を形成する方法としては、スクリーン印刷法、ディッピ
ング法、塗布法、電気泳動法等の各種厚膜形成法や、イ
オンビーム法、スパッタリング法、真空蒸着法、イオン
プレーティング法、化学気相蒸着法(CVD)、めっき
等の各種薄膜形成法を用いることができる。
【0126】この実施の形態においては、振動部38上
に前記形状保持層46を形成するにあたっては、スクリ
ーン印刷法やディッピング法、塗布法、電気泳動法等に
よる厚膜形成法が好適に採用される。
【0127】これらの手法は、平均粒径0.01〜5μ
m、好ましくは0.05〜3μmの圧電セラミックスの
粒子を主成分とするペーストやスラリー、又はサスペン
ション、エマルジョン、ゾル等を用いて形成することが
でき、良好な圧電作動特性が得られるからである。
【0128】特に、電気泳動法は、膜を高い密度で、か
つ、高い形状精度で形成することができることをはじ
め、「電気化学および工業物理化学 Vol.53,N
o.1(1985),p63〜68 安斎和夫著」ある
いは「第1回電気泳動法によるセラミックスの高次成形
法 研究討論会 予稿集(1998),p5〜6,p2
3〜24」等の技術文献に記載されるような特徴を有す
る。従って、要求精度や信頼性等を考慮して、適宜、手
法を選択して用いるとよい。
【0129】また、前記振動部38の厚みと形状保持層
46の厚みは、同次元の厚みであることが好ましい。な
ぜなら、振動部38の厚みが極端に形状保持層46の厚
みより厚くなると(1桁以上異なると)、形状保持層4
6の焼成収縮に対して、振動部38がその収縮を妨げる
ように働くため、形状保持層46とアクチュエータ基板
32界面での応力が大きくなり、はがれ易くなる。反対
に、厚みの次元が同程度であれば、形状保持層46の焼
成収縮にアクチュエータ基板32(振動部38)が追従
し易くなるため、一体化には好適である。具体的には、
振動部38の厚みは、1〜100μmであることが好ま
しく、3〜50μmが更に好ましく、5〜20μmが更
になお好ましい。一方、形状保持層46は、その厚みと
して5〜100μmが好ましく、5〜50μmが更に好
ましく、5〜30μmが更になお好ましい。
【0130】前記形状保持層46の上面及び下面に形成
されるロー電極48a及びカラム電極48b、あるいは
形状保持層46上に形成される一対の電極48は、用途
に応じて適宜な厚さとするが、0.01〜50μmの厚
さであることが好ましく、0.1〜5μmが更に好まし
い。また、前記ロー電極48a及びカラム電極48b
は、室温で固体であって、導電性の金属で構成されてい
ることが好ましい。例えば、アルミニウム、チタン、ク
ロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モ
リブデン、ルテニウム、ロジウム、銀、スズ、タンタ
ル、タングステン、イリジウム、白金、金、鉛等を含有
する金属単体又は合金が挙げられる。これらの元素を任
意の組合せで含有していてもよいことはいうまでもな
い。
【0131】また、これらの金属単体及び合金に、酸化
アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セ
リウム、酸化銅等の金属酸化物を添加することが好まし
く、更には、金属単体及び合金に対して上述した振動部
38の材料及び/又は形状保持層46(例えば圧電/電
歪層)の構成材料と同じ材料を分散させたサーメットと
することも好ましい。特に、電極としてサーメットを用
いた場合には、形状保持層46を作動させたときの、変
位動作の経時的な劣化を効果的に抑制することができ好
ましい。
【0132】光導波板20は、その内部に導入された光
18が前面及び背面において光導波板20の外部に透過
せずに全反射するような光屈折率を有するものであり、
導入される光18の波長領域での透過率が均一で、かつ
高いものであることが必要である。このような特性を具
備するものであれば、特にその材質は制限されないが、
具体的には、例えばガラス、石英、アクリル等の透光性
プラスチック、透光性セラミックスなど、あるいは異な
る屈折率を有する材料の複数層構造体、又は表面にコー
ティング層を設けたものなどが一般的なものとして挙げ
られる。
【0133】また、画素構成体30に含まれる色フィル
タ52及び有色散乱体60等の着色層とは、特定の波長
領域の光だけを取り出すために用いられる層であり、例
えば特定の波長の光を吸収、透過、反射、散乱させるこ
とで発色させるものや、入射した光を別の波長のものに
変換させるものなどがある。透明体、半透明体及び不透
明体を単独、もしくは組み合わせて用いることができ
る。
【0134】構成は、例えば染料、顔料、イオンなどの
色素や蛍光体を、ゴム、有機樹脂、透光性セラミック
ス、ガラス、液体等の内部に分散、溶解したものや、そ
れらの表面に塗布したもの、更には上述の色素や蛍光体
等の粉末を焼結させたり、プレスして固めたものなどが
ある。材質及び構造については、これらを単独で用いて
もよいし、これらを組み合わせて用いてもよい。
【0135】色フィルタ52と有色散乱体60との違い
は、光18を導入した光導波板20に画素構成体30を
接触させて発光状態にしたときに、着色層のみでの反
射、散乱による漏れ光の輝度値が、画素構成体30及び
アクチュエータ部22を含めた全構成体の反射、散乱に
よる漏れ光の輝度値の0.5倍以上であれば、その着色
層は有色散乱体60であると定義し、0.5倍未満であ
ればその着色層は色フィルタ52であると定義する。
【0136】測定法の具体例を挙げると、光18が導入
された光導波板20の背面に、前記着色層単体を接触さ
せたとき、該着色層から該光導波板20を通過し、前面
に漏れ出した光の正面輝度がA(nt)であり、また、
該着色層の光導波板20と接する反対側の面に更に画素
構成体30を接触させたとき、前面に漏れ出した光の正
面輝度がB(nt)であったとすると、A≧0.5×B
を満たすときは、前記着色層は有色散乱体60であり、
A<0.5×Bを満たすときは色フィルタ52である。
【0137】上述の正面輝度とは、輝度を測定する輝度
計と前記着色層とを結ぶ線が、前記光導波板20の前記
着色層と接する面に対して垂直であるように輝度計を配
置(輝度計の検出面は光導波板20の板面に平行)して
計測した輝度である。
【0138】有色散乱体60の利点は、層の厚みにより
色調や輝度が変化しにくいことであり、そのための層形
成法として、層厚の厳密な制御は難しいが、コストが安
いスクリーン印刷など、多種の適用が可能である。
【0139】また、有色散乱体60が変位伝達部を兼ね
ることにより、層形成プロセスを簡略化できるほか、そ
れら全体の層厚を薄くできるため、表示素子14全体の
厚みを薄くすることが可能であり、また、アクチュエー
タ部22の変位量低下の防止及び応答速度の向上が可能
である。
【0140】色フィルタ52の利点は、光導波板20が
フラットで表面平滑性が高いため、光導波板20側に層
を形成するときには、層形成が容易になり、プロセスの
選択の幅が広がり、安価になるだけでなく、色調、輝度
に影響を及ぼす層厚の制御が容易になる。
【0141】なお、色フィルタ52や有色散乱体60等
の着色層の膜形成法としては、特に制限はなく、公知の
各種の膜形成法を適用することができる。例えば光導波
板20やアクチュエータ部22の面上に、チップ状、フ
ィルム状の着色層を直接貼り付けるフィルム貼着法のほ
か、着色層の原材料となる粉末、ペースト、液体、気
体、イオン等を、スクリーン印刷、フォトリソグラフィ
法、スプレー・ディッピング、塗布等の厚膜形成手法
や、イオンビーム、スパッタリング、真空蒸着、イオン
プレーティング、CVD、めっき等の薄膜形成手法によ
り成膜し、着色層を形成する方法がある。
【0142】また、前記画素構成体30としてその全部
あるいは一部に発光層を設けるようにしてもよい。この
発光層としては蛍光体層が挙げられる。この蛍光体層
は、不可視光(紫外線や赤外線)によって励起され、可
視光を発光するものや、可視光によって励起されて可視
光を発光するものがあるが、いずれでもよい。
【0143】また、前記発光層として、蛍光顔料も用い
ることができる。この蛍光顔料を用いると、顔料自体の
色、即ち、反射色にほぼ一致する波長の蛍光が加わるも
のは、それだけ色刺激が大きく、鮮やかに発光するた
め、表示素子やディスプレイの高輝度化に対してより好
ましく用いられ、一般的な昼光蛍光顔料が好ましく用い
られる。
【0144】また、発光層として、輝尽性蛍光体や、燐
光体、あるいは蓄光顔料も用いられる。これらの材料
は、有機材料、無機材料のいずれでもよい。
【0145】そして、上述した発光材料を単独で用いて
発光層を形成したもの、これらの発光材料を樹脂に分散
させたものを用いて発光層を形成したもの、あるいはこ
れらの発光材料を樹脂に溶解させたもので発光層を形成
したものが好ましく用いられる。
【0146】発光材料の残光時間としては、1秒以下が
好ましく、より好ましくは30m秒がよい。更に好まし
くは数m秒以下がよい。
【0147】そして、画素構成体30の全部あるいはそ
の一部として前記発光層を用いた場合は、光源16とし
て、前記発光層を励起する波長の光を含み、励起に十分
なエネルギー密度を有していれば、特に制限はない。例
えば、冷陰極管、熱陰極管(又はフィラメント状熱陰極
の代わりに、カーボンナノチューブ−フィールドエミッ
タを配置したもの)、メタルハライドランプ、キセノン
ランプ、赤外線レーザを含むレーザ、ブラックライト、
ハロゲンランプ、白熱電球、重水素放電ランプ、蛍光ラ
ンプ、水銀ランプ、トリチウムランプ、発光ダイオー
ド、プラズマ光源などが用いられる。
【0148】次に、前記表示装置の動作を図1を参照し
ながら簡単に説明する。この動作説明においては、図1
3に示すように、各アクチュエータ部22のロー電極4
8aに印加されるオフセット電位として例えば50Vを
使用し、各アクチュエータ部22のカラム電極48bに
印加されるオン信号及びオフ信号の電位としてそれぞれ
60V及び0Vを使用した例を示す。
【0149】従って、カラム電極48bにオン信号が印
加されたアクチュエータ部22においては、カラム電極
48b及びロー電極48a間に低レベル電圧(−10
V)がかかり、カラム電極48bにオフ信号が印加され
たアクチュエータ部22においては、カラム電極48b
及びロー電極48a間に高レベル電圧(50V)がかか
ることになる。
【0150】そして、まず、光導波板20の例えば端部
から光18が導入される。この場合、画素構成体30が
光導波板20に接触していない状態で、光導波板20の
屈折率の大きさを調節することにより、全ての光18が
光導波板20の前面及び背面において透過することなく
内部で全反射させるようにする。光導波板20の反射率
nとしては、1.3〜1.8が望ましく、1.4〜1.
7がより望ましい。
【0151】この例においては、アクチュエータ部22
の自然状態において、画素構成体30の端面が光導波板
20の背面に対して光18の波長以下の距離で接触して
いるため、光18は、画素構成体30の表面で反射し、
散乱光62となる。この散乱光62は、一部は再度光導
波板20の中で反射するが、散乱光62の大部分は光導
波板20で反射されることなく、光導波板20の前面
(表面)を透過することになる。これによって、全ての
アクチュエータ部22がオン状態となり、そのオン状態
が発光というかたちで具現され、しかも、その発光色は
画素構成体30に含まれる色フィルタ52や有色散乱体
60あるいは上述した発光層の色に対応したものとな
る。この場合、全てのアクチュエータ部22がオン状態
となっているため、表示素子14の画面からは白色が表
示されることになる。
【0152】この状態から、あるドット26に対応する
アクチュエータ部22にオフ信号が印加されると、当該
アクチュエータ部22が図1に示すように、空所34側
に凸となるように屈曲変位、即ち、一方向に屈曲変位し
て、画素構成体30の端面が光導波板20から離間し、
当該アクチュエータ部22がオフ状態となり、そのオフ
状態が消光というかたちで具現される。
【0153】つまり、この表示素子14は、画素構成体
30の光導波板20への接触の有無により、光導波板2
0の前面における光の発光(漏れ光)の有無を制御する
ことができる。
【0154】特に、この表示素子10では、光導波板2
0に対して画素構成体30を接近・離隔方向に変位動作
させる1つの単位を垂直方向に並べたものを1ドットと
し、このドットが水平方向に3つ並んだもの(赤色ドッ
ト26R、緑色ドット26G及び青色ドット26B)を
1画素とし、この画素を多数マトリクス状、あるいは各
行に関し千鳥状に配列するようにしているため、入力さ
れる画像信号の属性に応じて各画素での変位動作を制御
することにより、陰極線管や液晶表示装置並びにプラズ
マディスプレイと同様に、光導波板20の前面、即ち、
表示面に画像信号に応じたカラー映像(文字や図形等)
を表示させることができる。
【0155】そして、第1の実施の形態に係る表示装置
10Aは、図14に示すように、透明性の板材100
a、100b、100c及び100dを組むことによっ
て構成された枠体100に、表示装置本体102が組み
込まれて構成されている。
【0156】枠体100は、例えば角柱状を有するアク
リル製の上板100a、下板100b、2つの側板10
0c及び100dを枠状に組み立てることで構成されて
いる。枠体100の各外側面には、それぞれ光源104
が取り付けられるようになっている。各光源104は、
例えば多数本の冷陰極管106と、これら冷陰極管10
6からの光を枠体100側に反射させるリフレクタ10
8とを有して構成されている。
【0157】表示装置本体102は、複数の表示用ブロ
ック110がマトリクス状に配列されて構成されてい
る。各表示用ブロック110は、1以上の表示素子14
が固着される程度の大きさ(面積)を有し、例えば図1
5に示すように、光源104からの光が導入される例え
ばアクリル製の分割導光板112と、該分割導光板11
2の一主面に固着された1以上の表示素子14とを有し
て構成されている。図15の例では、分割導光板112
に4つの表示素子14を2行2列で配列させ、各表示素
子14のアクチュエータ基板32の裏面に配線基板11
4を取り付けた例を示す。
【0158】なお、配線基板114は、表示素子14の
ロー電極48a及びカラム電極48bを駆動するための
複数の駆動用IC116と、これら駆動用IC116
を、グループ単位に信号処理を行うためのドライバー・
ボード118(図14参照)に接続するコネクタ120
とを有する。各ドライバー・ボード118は、表示のた
めの所定の画像データ処理を行う図示しない表示コント
ローラに接続されている。
【0159】図14の例では、枠体100の端面を通じ
て光源104からの光が各分割導光板112及び各表示
素子14の光導波板20に導入される例を示している
が、枠体100の端面に加えて、外周部分に配置された
表示素子14の光導波板20の端面を通じて光源104
からの光が分割導光板112及び各表示素子14の光導
波板20に導入される場合もある。
【0160】また、表示用ブロック110としては、図
15に示すように、分割導光板112に光導波板20と
アクチュエータ基板32を有する表示素子14と配線基
板114を貼り付けて構成するようにしてもよいし、あ
るいは図16に示すように、分割導光板112に光導波
板20が省略された表示素子14と配線基板114を貼
り付けて構成するようにしてもよい。
【0161】そして、この第1の実施の形態に係る表示
装置10Aは、枠体100の開口122内に複数の表示
用ブロック110がマトリクス状に配列され、更に、図
17に示すように、各表示用ブロック110の端面部分
並びに表示用ブロック110と枠体100の内壁間に、
屈折率の調整された光透過性のある物質130が介在さ
れて構成されている。
【0162】物質130の屈折率は、表示用ブロック1
10における継ぎ目の違和感をなくすために、表示用ブ
ロック110の屈折率に対する前記物質130の屈折率
差をできる限り小さくすることが好ましい。許容できる
屈折率差は、表示用ブロック110の厚みとも関係する
が、表示用ブロック110の分割導光板112の屈折率
をN1とすると、前記物質130の屈折率N2を、 0.9N1≦N2≦1.1N1 とすれば、概ね継ぎ目の違和感を感じさせなくすること
ができ、 0.99N1≦N2≦1.01N1 であれば、前記効果に加えて、分割導光板112の厚み
を大きくすることができ、組立性及び組立後の構造体の
安定性が向上する。
【0163】一方、表示用ブロック110の継ぎ目に関
しては、表示用ブロック110を配列するという構造上
の問題から、図18に示すように、継ぎ目を跨ぐ画素の
ピッチPbが通常の画素ピッチPaよりも大きくなり、
継ぎ目が目立つということが多い。そこで、物質130
の屈折率N2をN1<N2≦1.01N1に調整することが
好ましい。これにより、画素から発せられた光が継ぎ目
の部分を通過したとき、前記のように調整された屈折率
1とN2の関係によって、光が屈折し、表示面から出射
する段階では、継ぎ目を跨ぐ画素のピッチPc及びPd
が通常の画素ピッチPaに近づいたかたちとなり(Pa
<Pc<Pb、Pa<Pd<Pb)、継ぎ目の違和感を
緩和させることができる。
【0164】また、前記物質130の光透過性について
は、効率よく光を表示素子14まで導くことができ、か
つ、消費電力を抑えるために、可視光領域の波長におい
て、垂直入射光における透過率が50%以上であること
が好ましく、70%以上であれば更に好ましい。
【0165】前記物質130の形態については、上述の
条件を満たせば、気体、液体、固体のいずれであっても
よく、また、これらの混合物であってもよい。
【0166】分割導光板112の形状は、直方体、角
柱、円柱、角錐台など、表示素子14が固着でき、か
つ、安定して積み重ねることができれば、どのような形
状でもよいが、加工性、組立性の面から直方体が好まし
い。
【0167】分割導光板112の大きさは、組立性、リ
ペア性の点から、縦が40mm〜500mmであって、
横が40mm〜500mmの大きさであることが好まし
い。また、厚みについては、組立性と継ぎ目の違和感を
なくすことを両立させるために、2mm〜40mmであ
ることが好ましい。
【0168】分割導光板112の材質並びに枠体100
を構成する上板100a、下板100b及び側板100
c及び100dの材質については、可視光領域の波長に
おいて、光透過性がよければ、無機材料、有機材料のど
ちらでもよく、具体的には、ガラス、石英、透光性アル
ミナ、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネー
ト、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル樹
脂、ABS、フッ素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の
単体もしくは合体が使用できる。中でも、コスト、加工
性の点からガラス、アクリル樹脂、メタクリル樹脂が好
ましい。更に、ガラスにおいては、バイコールガラス、
96%珪酸ガラス、アルミノ珪酸ガラス、ホウ珪酸ガラ
ス、亜鉛ホウ珪酸ガラス、バリウムホウ珪酸ガラス等が
好ましい。光透過性については、可視光領域の波長にお
いて、垂直入射光における透過率が50%以上であるこ
とが好ましく、70%以上であることが更に好ましい。
【0169】そして、前記物質130としては、枠体1
00や分割導光板112の屈折率とほぼ同じ屈折率を有
する接着剤を用いることができる。
【0170】ここで、表示素子14を分割導光板112
に固着するための接着剤、上板100a、下板100b
及び側板100c及び100dを組み立てて枠体100
とするための接着剤並びに前記物質130としての接着
剤について説明する。
【0171】ここでの接着剤は、接着剤、粘着剤、硬化
後固化する接着剤、硬化後可撓性を持つ接着剤、ゴム状
接着剤、ゲル状接着剤のものを含む意である。
【0172】硬化方法については、UV硬化、加熱硬
化、常温硬化、縮合型硬化、付加型硬化、二液硬化型
等、特に限定されない。
【0173】材質については、可視光領域の波長におい
て光透過性がよければ、無機材料、有機材料のどちらで
もよく、また、絶縁性が高く、発火性が低いものが好ま
しく、導光板に対して濡れ性に優れ、熱、光、湿気など
に対する長期安定性があるものが更に好ましい。
【0174】具体的には、ユリア樹脂系、フェノール樹
脂系、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、メタクリル樹
脂系、シアノアクリレート系、ポリウレタン系、エマル
ジョン系、ホットメルト系、合成ゴム系、天然ゴム系等
の単体あるいは合体が使用できる。
【0175】特に、表示素子14を分割導光板112に
固着するための接着剤については、表示素子14の固着
ずれを防ぐために、硬化後固化する接着剤が好ましい。
また、熱膨張の緩和のためには、硬化後可撓性を持つ接
着剤、ゴム状接着剤が好ましい。前記物質130として
の接着剤については、熱膨張の緩和、リペア時の取り外
し性のため、硬化後可撓性を持つ接着剤、ゴム状接着
剤、ゲル状接着剤が好ましい。
【0176】つまり、前記物質130で使用される接着
剤として完全に固化するタイプのものを使用した場合、
各表示用ブロック110が接着剤で強固に固着されるた
め、機械的強度の高い表示装置10Aを得ることができ
る。ただ、不具合となった表示用ブロック110を新し
いものに交換することが困難になるため、一括交換を想
定した表示装置に適用すればよい。
【0177】前記接着剤として可撓性のものを用いれ
ば、機械的強度の高い表示装置10Aを得ることができ
ると共に、容易に切断することができるため、不具合と
なった表示用ブロック110を新しいものに交換するこ
とが容易になり、リペア性に優れることとなる。
【0178】また、前記物質130として、すべて完全
に固化するタイプのものにしたり、あるいはすべて可撓
性のものにしてもよいが、例えば、1つのドライバー・
ボード118が受け持つ複数の表示用ブロック110
(図14の例では垂直方向の3ブロック)を完全に固化
するタイプの接着剤で固着して1つのかたまりとし、複
数のかたまりの端面部分並びに前記かたまりと枠体10
0との間に可撓性の接着剤130を介在させるようにし
てもよい。
【0179】次に、この第1の実施の形態に係る表示装
置10Aの製造方法を説明する。まず、各表示用ブロッ
ク110の分割導光板112に対して表面処理を行う。
具体的には、分割導光板112の表面にハードコーティ
ング材によるコーティングを行う。これによって、分割
導光板112の表面への傷付きを防止することができ、
例えば黒を表示したときの局部的な白点の発生や、全体
として輝度が上がってしまうという現象を事前に防止す
ることができる。
【0180】ここで、ハードコーティング材をコーティ
ングするとは、分割導光板112の材質より硬度の高い
材料の皮膜を分割導光板112の表面に形成することで
ある。また、分割導光板112の表裏平面へのコーティ
ングは、傷付き防止のため重要であるが、端面へのコー
ティングについては必ずしも施す必要はない。ハードコ
ーティング材としては、具体的には、アクリル系ハード
コーティング材やシリコーン系ハードコーティング材を
使用することができる。
【0181】次に、分割導光板112の端面を鏡面加工
する。これにより、分割導光板112の継ぎ目からの光
漏れを違和感のないレベルまで低下させることができ、
継ぎ目はほとんど目立たないものとなる。分割導光板1
12の端面を鏡面加工することによって、光源104か
らの光がすべての表示用ブロック110に行き渡るた
め、所望の視野角(表示用ブロック110の数に応じた
視野角)を確保することができる。この鏡面加工におい
ては、継ぎ目の違和感をなくすためには、Rmaxを
0.3以下にすることが好ましく、Rmaxを0.05
以下にすることが更に好ましい。
【0182】特に、分割導光板112を加工するにあた
っては、分割導光板112の寸法精度を、基準寸法10
0mmに対して±0.1mm以下、端面同士及び端面と
平面の直角度を0.1mm以下、端面同士及び平面同士
の平行度を0.1mm以下にすることが好ましく、分割
導光板112の寸法精度を基準寸法100mmに対して
±0.03mm以下、端面同士及び端面と平面の直角度
を0.03mm以下、端面同士及び平面同士の平行度を
0.03mm以下にすることが更に好ましい。
【0183】これにより、枠体100の開口122内に
表示用ブロック110を積み上げていったときの累積ピ
ッチ誤差を小さくすることができる。その結果、画素ピ
ッチずれによる画像の歪みを低減でき、継ぎ目の隙間ば
らつきが小さくなる。しかも、分割導光板112の厚み
ばらつきも小さくなり、段差から生じる光の漏れを抑え
ることができる。このようなことから、上述の加工条件
を満足させることにより、継ぎ目を一層目立たなくさせ
ることができる。
【0184】なお、各表示素子14における画素のピッ
チは、表示素子14の継ぎ目部分における画素間の距離
に合わせることが好ましい。これにより、表示素子14
内での画素ピッチと表示素子14の継ぎ目での画素ピッ
チとのずれをなくすことができ、画像の歪みを低減する
ことができる。
【0185】次に、各分割導光板112の一主面に表示
素子14を固着する。この場合、分割導光板112と表
示素子14の光導波板20とを対向させて、これら分割
導光板112と光導波板20との間に例えば完全に固化
するタイプの接着剤(例えばアーデル社製のベネフィク
スVLやベネフィクスα等)を塗布し、これら分割導光
板112と光導波板20とを貼り合わせた後、接着剤を
硬化させる。
【0186】ところで、表示素子14を構成するアクチ
ュエータ基板32は、その焼成時における収縮現象によ
って反りが発生している場合があり、これに起因して、
表示素子14全体としても反りが発生している場合があ
る。
【0187】しかし、上述のように、分割導光板112
に表示素子14を接着剤で固着すれば、光導波板20の
一主面(表示面)全体が分割導光板112に接着剤を介
して固着されることとなり、この段階で、表示素子14
に発生していた反りが接着剤によって吸収され、表示素
子14は分割導光板112に対して強固に固着されるこ
ととなる。
【0188】次に、下板100bに2つの側板100c
及び100dを例えば完全に固化するタイプの接着剤で
固着して、コ字状の枠体を作製する。
【0189】次に、コ字状の枠体における下板100b
の上面を積み上げ基点として、複数の表示用ブロック1
10を順次積み上げていく。このとき、下板100bと
表示用ブロック110間、側板100c及び100dと
表示用ブロック110間、そして、各表示ブロック11
0の端面間に例えば可撓性接着剤130(例えば協立化
学産業社製のXSG−1、XVL−14SG2やスリー
ボンド社製の3088B等)を介在させながら積み上げ
ていく。
【0190】すべての表示用ブロック110を積み上げ
た後、図14に示すように、枠体100を構成する上板
100aを積み上げる。このとき、上板100aと側板
100c及び100dとの間に例えば完全に固化するタ
イプの接着剤を塗布し、上板100aと表示用ブロック
110間に例えば可撓性接着剤を介在させ、上方からあ
る程度の荷重をかけて各表示用ブロック110間の間隔
をほぼ均一にさせる。その後、上板100aと側板10
0c及び100dとを強固に固着させる。
【0191】この段階で、複数の表示用ブロック110
の各主面の配列によって表示面が形成されることになる
が、表示用ブロック110を構成する分割導光板112
の厚みばらつきに起因して表示面に微小段差が形成され
る場合がある。この場合は、例えば研磨によって前記微
小段差をなくすことが好ましい。これにより、継ぎ目が
目立たなくなる。
【0192】そして、各表示素子14の配線基板114
にドライバー・ボード118を取り付けて電気的に接続
することにより、第1の実施の形態に係る表示装置10
Aが完成する。
【0193】このように、第1の実施の形態に係る表示
装置10Aにおいては、各表示用ブロック110の端面
部分に分割導光板112とほぼ同じ屈折率を有する例え
ば可撓性接着剤130を介在させるようにしたので、複
数の表示用ブロック110を配列して表示装置10Aを
作製する際に、これら表示用ブロック110の継ぎ目部
分が目立ちにくい表示装置10Aとすることができる。
【0194】複数の表示用ブロック110を配列して表
示装置10Aとする場合に、表示用ブロック110の端
面部分に前記接着剤130を介在させながら積み上げて
いけばよいため、該表示装置10Aを様々な地域に設置
する場合に、複数の表示用ブロック110を現地に運搬
し、現地で表示用ブロック110を積み上げて表示装置
10Aを作製することができる。これにより、表示装置
10A自体を運搬するよりも、製造コストや運搬にかか
るコストを低廉することができる。
【0195】次に、第1の実施の形態に係る表示装置1
0Aのいくつかの変形例について図19〜図23を参照
しながら説明する。これらの変形例の説明では、光源1
04やドライバー・ボード118の記述を省略する。
【0196】まず、第1の変形例に係る表示装置10A
aは、図19に示すように、上述した第1の実施の形態
に係る表示装置10Aとほぼ同様の構成を有するが、表
示用ブロック110を構成する分割導光板112の縦方
向の長さが枠体100の開口122における垂直方向
(縦方向)の長さとほぼ同一である点で異なる。
【0197】この場合、表示用ブロック110の数が第
1の実施の形態に係る表示装置10Aの場合よりも少な
くて済むため、組立工数を大幅に低減することができ
る。また、縦方向に積み上げる必要がないため、累積ピ
ッチ誤差をより小さくすることができる。
【0198】第2の変形例に係る表示装置10Abは、
図20に示すように、上述した第1の実施の形態に係る
表示装置10Aとほぼ同様の構成を有するが、表示用ブ
ロック110を構成する分割導光板112の横方向の長
さが枠体100の開口122における水平方向(横方
向)の長さとほぼ同一である点で異なる。
【0199】この場合も、表示用ブロック110の数が
第1の実施の形態に係る表示装置10Aの場合よりも少
なくて済むため、組立工数を大幅に低減することができ
る。また、水平方向の配列ずれがほとんどなくなるた
め、累積ピッチ誤差をより小さくすることができる。
【0200】第3の変形例に係る表示装置10Acは、
図21に示すように、上述した第1の実施の形態に係る
表示装置10Aとほぼ同様の構成を有するが、枠体10
0の開口122内に複数の支持材132及び134を配
置した点で異なる。この例では、支持材132及び13
4を格子状に組んだもの(格子状支持材136)を配置
した場合を示す。格子状支持材136の1つの開口(格
子窓136a)の大きさは、表示用ブロック110とほ
ぼ同じか僅かに大とされている。
【0201】格子状支持材136を製造する場合は、例
えば透明性の樹脂で一体成形するようにしてもよいし、
板状の支持材132及び134の所要箇所に切込みを入
れ、各支持材132及び134の切込み同士を合わせな
がら差し込むことによって構成するようにしてもよい。
格子状支持材136と枠体100とは、例えば完全に固
化するタイプの接着剤や可撓性接着剤を用いて固着する
ようにしてもよく、あるいは格子状支持材136を枠体
100に固着せずに開口122内おいて浮遊状態にして
もよい。
【0202】次に、この第3の変形例に係る表示装置1
0Acの製造方法を説明する。表示用ブロック110を
構成する分割導光板112の表面処理、端面の鏡面加工
を経て、格子状支持材136を構成する支持材132及
び134の表面処理を行う。この場合、支持材132及
び134の表面にハードコーティング材によるコーティ
ングを行う。これによって、支持材132及び134の
表面への傷付きを防止することができ、例えば黒を表示
したときの局部的な白点の発生や、全体として輝度が上
がってしまうという現象を事前に防止することができ
る。
【0203】次に、支持材132及び134の表面に対
してRmaxが0.3以下の鏡面加工を行う。これによ
り、継ぎ目はほとんど目立たないものとなり、所望の視
野角も確保することができる。また、支持材132及び
134の寸法精度も分割導光板112と同様に、基準寸
法100mmに対して±0.1mm以下、端面同士及び
端面と平面の直角度を0.1mm以下、端面同士及び平
面同士の平行度を0.1mm以下にすることが好まし
く、支持材132及び134の寸法精度を基準寸法10
0mmに対して±0.03mm以下、端面同士及び端面
と平面の直角度を0.03mm以下、端面同士及び平面
同士の平行度を0.03mm以下にすることが更に好ま
しい。
【0204】次に、下板100bに2つの側板100c
及び100dを例えば完全に固化するタイプの接着剤で
固着して、コ字状の枠体を作製する。その後、支持材1
32及び134を格子状に組み立てて格子状支持材13
6とし、この格子状支持材136を枠体100内に設置
する。このとき、格子状支持材136を枠体100に固
着するようにしてもよい。
【0205】次に、格子状支持材136の格子窓136
a内に表示用ブロック110を挿入しながら、複数の表
示用ブロック110を順次積み上げていく。このとき、
下板100bと表示用ブロック110間、側板100c
及び100dと表示用ブロック110間、そして、格子
状支持材136と各表示ブロック110の端面間に例え
ば可撓性接着剤130を介在させながら積み上げてい
く。
【0206】すべての表示用ブロック110を積み上げ
た後、枠体100を構成する上板100aを積み上げ固
着する。続いて、表示面に形成された分割導光板112
の厚みばらつきに起因する微小段差を研磨によってなく
し、次いで、各表示素子14の配線基板114にドライ
バー・ボード118を取り付けて電気的に接続すること
により、第3の変形例に係る表示装置10Acが完成す
る。
【0207】この第3の変形例に係る表示装置10Ac
においては、枠体100の開口122内に格子状支持材
136を配置し、格子状支持材136の各格子窓136
a内に表示用ブロック110を挿入しながら組み立てる
ようにしたので、表示用ブロック110の積み上げ作業
が容易になり、作業時間の短縮化を図ることができる。
特に、表示用ブロック110を積み上げていく過程で生
じる累積ピッチ誤差が格子状支持材136の存在によっ
てキャンセルされ、しかも、各表示用ブロック110の
寸法ばらつきを吸収することができる。その結果、画素
ピッチずれによる画像の歪みを低減でき、継ぎ目の隙間
ばらつきが小さくなり、継ぎ目を一層目立たなくさせる
ことができる。
【0208】第4の変形例に係る表示装置10Adは、
図22に示すように、上述の第3の変形例に係る表示装
置10Acとほぼ同じ構成を有するが、格子状支持材1
36の代わりに、複数の板状の支持材132をそれぞれ
縦向きに設置した点で異なる。
【0209】この場合、水平方向の配列ずれが支持材1
32の存在によってキャンセルされるため、累積ピッチ
誤差をより小さくすることができる。
【0210】第5の変形例に係る表示装置10Aeは、
図23に示すように、上述の第3の変形例に係る表示装
置10Acとほぼ同じ構成を有するが、格子状支持材1
36の代わりに、複数の板状の支持材134をそれぞれ
横向きに設置した点で異なる。
【0211】この場合、積み上げ時の縦方向の配列ずれ
が支持材134の存在によってキャンセルされるため、
累積ピッチ誤差をより小さくすることができる。
【0212】次に、第2の実施の形態に係る表示装置1
0Bについて図24を参照しながら説明する。
【0213】この第2の実施の形態に係る表示装置10
Bは、図24に示すように、上述の第1の実施の形態に
係る表示装置10Aとほぼ同様の構成を有するが、主
に、表示用ブロック110が分割導光板112のみで構
成されている点で異なる。
【0214】即ち、枠体100の開口122内におい
て、分割導光板112を積み上げることによって、枠体
100と多数の分割導光板112とで1つの大型導光板
140が完成することとなる。そして、複数の表示素子
14がモジュール光導波板142に貼り合わされて1つ
のモジュール144が構成され、このモジュール144
を大型導光板140に貼り付けることによって、この第
2の実施の形態に係る表示装置10Bが構成されること
になる。この構成においても、枠体100と分割導光板
112間並びに分割導光板112の端面間に例えば可撓
性接着剤130が介在される。
【0215】モジュール光導波板142は、分割導光板
112あるいは表示素子14の大きさの整数倍の大きさ
を有する。好ましくは、モジュール光導波板142の継
ぎ目と分割導光板112の継ぎ目が重なるような整数倍
を選ぶことが望ましい。図24の例では、モジュール光
導波板142は、表示素子14を構成する光導波板20
とほぼ同一の厚みを有し、かつ、分割導光板112を縦
方向に1列分だけ並べた大きさを有する。従って、縦方
向に配列された1列分の分割導光板112について1つ
のモジュール144が割り当てられて固着されることと
なる。
【0216】この第2の実施の形態に係る表示装置10
Bにおいても、上述の第1の実施の形態に係る表示装置
10Aと同様に、複数の表示用ブロック110を配列し
て表示装置10Bを作製する際に、これら表示用ブロッ
ク110の継ぎ目部分が目立ちにくい表示装置10Bと
することができ、しかも、リペア性に優れ、更に、現地
での組み立てを可能にし、製造コストの低廉を有効に図
ることができる。
【0217】また、モジュール光導波板142に表示素
子14を例えば完全に固化するタイプの接着剤で固着す
ることにより、表示素子14の反りを吸収することがで
き、表示素子14をモジュール光導波板142に強固に
固着することができる。
【0218】特に、この第2の実施の形態に係る表示装
置10Bにおいては、分割導光板112を積み上げて大
型導光板140を作製した後に、モジュール144を固
着するようにしているため、分割導光板112の積み上
げに伴う累積ピッチ誤差は各表示素子14の配列に影響
せず、画質の向上を図ることができる。
【0219】次に、第2の実施の形態に係る表示装置1
0Bのいくつかの変形例を図25〜図29を参照しなが
ら説明する。以下の説明では、モジュール144及びド
ライバー・ボード118の記述を省略する。
【0220】第6の変形例に係る表示装置10Baは、
図25に示すように、上述した第2の実施の形態に係る
表示装置10Bとほぼ同様の構成を有するが、分割導光
板112の縦方向の長さが枠体100の開口122にお
ける垂直方向(縦方向)の長さとほぼ同一である点で異
なる。この場合、表示用ブロック110の数が第2の実
施の形態に係る表示装置10Bよりも少なくて済むた
め、組立工数を大幅に低減することができる。
【0221】第7の変形例に係る表示装置10Bbは、
図26に示すように、上述した第2の実施の形態に係る
表示装置10Bとほぼ同様の構成を有するが、分割導光
板112の横方向の長さが枠体100の開口122にお
ける水平方向(横方向)の長さとほぼ同一である点で異
なる。この場合も、組立工数を大幅に低減することがで
きる。
【0222】第8の変形例に係る表示装置10Bcは、
図27に示すように、上述した第2の実施の形態に係る
表示装置10Bとほぼ同様の構成を有するが、第3の変
形例に係る表示装置10Acと同様に、枠体100の開
口122内に格子状支持材136を配置し、該格子状支
持材136の格子窓136aにそれぞれ分割導光板11
2を挿入している点で異なる。もちろん、枠体100と
分割導光板112間並びに格子状支持材136と分割導
光板112の端面間には例えば可撓性接着剤130が介
在している。この場合、表示用ブロック110の積み上
げ作業が容易になり、作業時間の短縮化を図ることがで
きる。
【0223】第9の変形例に係る表示装置10Bdは、
図28に示すように、上述の第8の変形例に係る表示装
置10Bcとほぼ同じ構成を有するが、格子状支持材1
36の代わりに、複数の板状の支持材132をそれぞれ
縦向きに設置した点で異なる。
【0224】第10の変形例に係る表示装置10Be
は、図29に示すように、上述の第8の変形例に係る表
示装置10Bcとほぼ同じ構成を有するが、格子状支持
材136の代わりに、複数の板状の支持材134をそれ
ぞれ横向きに設置した点で異なる。
【0225】次に、第3の実施の形態に係る表示装置1
0Cについて図30〜図34を参照しながら説明する。
【0226】この第3の実施の形態に係る表示装置10
Cは、図30及び図31に示すように、アクリル製の上
板100a、下板100b、側板100c及び100d
並びに前面パネル100eから構成される背面開口の筐
体150内に、例えば第1の実施の形態に係る表示装置
10Aの表示用ブロック110を多数マトリクス状に配
列することによって構成される表示装置本体102が収
容されて構成されている。
【0227】筐体150は、上板100a、下板100
b並びに側板100c及び100dからなる枠体100
に前面パネル100eが例えば完全に固化するタイプの
接着剤で固着されて構成されている。
【0228】前記表示装置本体102は、その表示面が
前面パネル100eに対向するように収容され、表示面
と前面パネル100eとの間、並びに各表示用ブロック
110の端面間に屈折率の調整された光透過性のある物
質152が介在されており、表示面と前面パネル100
eとが前記物質152を介して互いに密着し、更に、各
表示用ブロック110の端面が前記物質152を介して
互いに密着したかたちとなっている。
【0229】即ち、この第3の実施の形態に係る表示装
置10Cは、各表示用ブロック110の前面(表示面)
に筐体150の前面パネル100eを配することによっ
て、各表示用ブロック110を構成する分割導光板11
2に導光に必要な板厚を持たせた構造となっている。
【0230】前記物質152としては、マッチングオイ
ルを使用することができる。ここで、マッチングオイル
は、液体状、グリース状の形態であり、可視光領域の波
長において光透過率がよければ、無機材料、有機材料の
どちらでもよく、また、絶縁性が高く、発火性の低いも
のが好ましく、導光板に対して濡れ性に優れ、熱、光、
湿気などに対する長期安定性があるものが更に好まし
い。具体的には、ジメチルシリコーンオイル、メチルフ
ェニルシリコーンオイル、グリセリン、ジ2エチルヘキ
シルフタレート、シリコーングリース、オプティカルジ
ェル等が挙げられる。
【0231】なお、液体状のものを使用する場合におい
ては、塗布時に発生する気泡の抜け易さと、流れて垂れ
すぎないことを両立するために、粘度は100〜100
0cStであることが好ましい。
【0232】一方、筐体150の前面パネル100e
は、可視光領域の波長において光透過性がよければ、無
機材料、有機材料のどちらでもよく、具体的には、ガラ
ス、石英、透光性アルミナ、アクリル樹脂、メタクリル
樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル樹脂、フェノール
樹脂、酢酸ビニル樹脂、ABS、フッ素樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂等の単体あるいは合体が使用できる。
【0233】分割導光板112と同一の材料とした方
が、屈折率が等しい、熱膨張率が等しい等の点から好ま
しい。光透過性については、可視光領域の波長におい
て、垂直入射光における透過率が50%以上であること
が好ましく、70%以上であれば更に好ましい。前面パ
ネル100eの厚みについては、組立性の点から0.5
〜100mmであることが好ましい。
【0234】更に、図32に示すように、各表示用ブロ
ック110の端面間における前記物質152と外気との
間には、分割導光板112とほぼ同一の屈折率を有する
シール材154が塗られている。
【0235】このシール材154は、接着剤、粘着剤、
硬化後固化する接着剤、硬化後可撓性を持つ接着剤、ゴ
ム状接着剤、ゲル状接着剤のものを含み、また、フィル
ム状の物体にこれらの材料を付着させたものでもよい。
【0236】材質は、無機材料、有機材料のどちらでも
よく、接する物質と反応を起こさないものがよい。具体
的には、シリコーン系、変性シリコーン系、ポリサルフ
ァイド系、ポリウレタン系、アクリル系、エポキシ系、
SBR系、ブチルゴム系等が使用できる。この場合、シ
ール材154は、リペア性、熱膨張の緩和の点から可撓
性のものが好ましい。
【0237】また、シール材154の外気に接する端部
154aについては、分割導光板112内を進む光18
を適切な角度で反射させるために、図32に示すよう
に、分割導光板112の背面112aと面合わせする
(面一にする)ことが好ましい。
【0238】また、後方からの光の進入を阻止するため
に、図33に示すように、表示用ブロック110の端面
間に前記接着剤154を塗布すると共に、分割導光板1
12の周辺部に光吸収材料156を塗布することが好ま
しい。
【0239】この場合、シール材154の端部154a
に光吸収材料156が塗布されることになるため、不適
切な角度で進入してくる光を吸収することができ、画質
を向上させることができる。この場合、前記端部154
aを分割導光板112と面合わせする必要がないため、
設計の自由度が広がる。光吸収材料156としては、例
えば顔料、染料などを使用することができる。
【0240】また、図34に示すように、前面パネル1
00eと分割導光板112との間に存在する屈折率の調
整された光透過性のある物質152(便宜的に第1の物
質152と記す)は、分割導光板112の端面部分に存
在する屈折率の調整された光透過性のある物質153
(便宜的に第2の物質153と記す)と必ずしも同じも
のである必要はない。
【0241】第1及び第2の物質152及び153を異
なる材質で用いる場合において、表示用ブロック110
の分割導光板112の屈折率をN1、前面パネル100
eの屈折率をN2とすると、第1の物質152の屈折率
3は、 0.9N1≦N3≦1.1N2(N1≦N2) 又は0.9N2≦N3≦1.1N1(N2≦N1) であることが好ましい。
【0242】これにより、光18を十分に表示素子14
まで導入することができ、画面の表示輝度を確保でき
る。更に、効率よく光18を表示素子14まで導き、消
費電力を抑えるためには、可視光領域の波長において、
垂直入射光における透過率が50%以上であることが好
ましく、70%以上であれば更に好ましい。
【0243】また、第1及び第2の物質152及び15
3で互いに異なる材質のものを用い、かつ、両者とも液
体の場合は、両者の間にシール材155を存在させるこ
とで、互いに混ざり合うことを防ぐことができる。少な
くともどちらか一方もしくは両方を固体にすれば、混ざ
り合うことがないため、前記シール材155の設置を省
略することができる。上記の条件を満たせば、第1及び
第2の物質152及び153の形態は、気体、液体、固
体のいずれであってもよく、また、これらの混合物であ
ってもよい。
【0244】そして、この第3の実施の形態に係る表示
装置10Cを製造する場合は、前記前面パネル100e
を有する筐体150を用意し、前面パネル100eの一
主面に、各表示用ブロック110をその表示面を対向さ
せ、これらの面の間に前記物質152を介在させなが
ら、各表示用ブロック110を前面パネル100eの一
主面に沿って配列することによって簡単に作製すること
ができる。
【0245】このように、第3の実施の形態に係る表示
装置10Cは、上述の第1の実施の形態に係る表示装置
10Aと同様に、複数の表示用ブロック110を配列し
て表示装置10Cを作製する際に、これら表示用ブロッ
ク110の継ぎ目部分が目立ちにくい表示装置10Cと
することができ、しかも、リペア性に優れる。特に、こ
の第3の実施の形態に係る表示装置10Cにおいては、
前記物質152としてマッチングオイルとした場合に、
該高価なマッチングオイルの使用量を少なくすることが
でき、製造コストの低廉化に有利となる。
【0246】次に、第3の実施の形態に係る表示装置1
0Cの変形例を図35及び図36を参照しながら説明す
る。
【0247】この第11の変形例に係る表示装置10C
aは、図35及び図36に示すように、上述の第3の実
施の形態に係る表示装置10Cとほぼ同様の構成を有す
るが、前面パネル100eが、複数の分割導光板160
をマトリクス状に配列し、各分割導光板160の端面を
例えば完全に固化するタイプの接着剤にて固着して構成
されている点で異なる。
【0248】従って、この第11の変形例に係る表示装
置10Caを製造するにあたっては、前記前面パネル1
00eを作製する工程と、前面パネル100eを枠体1
00に固着して筐体150を作製する工程を経て、上述
の第3の実施の形態に係る表示装置10Cの製造方法と
同様の工程を踏むことになる。
【0249】この第11の変形例に係る表示装置10C
aにおいては、上述の第3の実施の形態に係る表示装置
10Cと同様の効果を奏し、更に、前面パネル100e
が複数の分割導光板160を配列させて構成されている
ため、分割導光板160として、小型で安価なものを用
いることができ、しかも、内部に気泡や異物などの欠陥
が少なく良質の分割導光板を使用することができる。ま
た、現地での組み立ても可能となる。
【0250】ところで、前記第3の実施の形態に係る表
示装置10C並びに第11の変形例に係る表示装置10
Caにおいては、分割導光板112の継ぎ目部分におけ
る画像の違和感をなくすために、図37に示すように、
分割導光板112と前記物質152の屈折率差と分割導
光板112の厚みtを制御する必要がある。ここで、屈
折率差とは、分割導光板112の屈折率N1と物質15
2の屈折率N2との差(N1−N2)を示す。
【0251】分割導光板112の厚みtを厚くすれば、
組立性は向上するが、屈折率差を厳密に小さくしなけれ
ばならない。分割導光板112の厚みtと許容屈折率差
との関係は、下式並びに図38の斜線で示す領域Aで示
すような関係にある。なお、xは分割導光板112の厚
みtであり、yは許容屈折率差である。
【0252】y≦(1.46/x) 分割導光板112と前記物質152の屈折率差(N1
2)を前記許容屈折率差の範囲に設定すれば、継ぎ目
の違和感がなくなる。
【0253】具体的には、分割導光板112の厚みtを
20mmとすれば、屈折率差は0.05と厳しく、厚み
tを5mmにすれば、屈折率差が0.25まで許容され
る。即ち、分割導光板112と屈折率差は、表示装置の
設置場所での温度等の環境条件、組立性により任意に選
択することができる。
【0254】本実施の形態では、分割導光板112の材
質として、常温での屈折率が1.490のアクリルとし
た場合、前記物質152として、GE東芝シリコーン社
製のTSF434と東レダウコーニング社製のSH55
0の2つのメチルフェニルシリコーンオイルを混合する
ことによって、所定の屈折率(1.485〜1.50
0)のマッチングオイルを得ることができた。
【0255】次に、第4の実施の形態に係る表示装置1
0Dについて図39及び図40を参照しながら説明す
る。
【0256】この第4の実施の形態に係る表示装置10
Dは、図39及び図40に示すように、アクリル製の上
板100a、下板100b、側板100c及び100
d、前面パネル100e並びに背面パネル100fから
構成される完全密閉型の槽170内に、例えば第1の実
施の形態に係る表示装置10Aの表示用ブロック110
を多数マトリクス状に配列することによって構成される
表示装置本体102が収容されて構成されている。もち
ろん、上板100aはなくてもよい。
【0257】槽170は、上板100a、下板100
b、側板100c及び100d、前面パネル100e並
びに背面パネル100f同士が例えば完全に固化するタ
イプの接着剤で固着されて構成されている。なお、背面
パネル100fは透明でなくてもよい。
【0258】そして、前記槽170内には、屈折率の調
整された光透過性のある物質152が充填されており、
表示装置本体102は、表示面と前面パネル100eと
の間、並びに各表示用ブロック110の端面間、並びに
表示用ブロック110の背面と背面パネル100f間に
前記物質152が介在され、表示面と前面パネル100
eとが前記物質152を介して互いに密着し、更に、各
表示用ブロック110の端面が前記物質152を介して
互いに密着したかたちとなっている。この第4の実施の
形態に係る表示装置10Dにおいても、前記物質152
としてマッチングオイルを使用することができる。マッ
チングオイルについては、すでに詳述したので、ここで
はその重複説明を省略する。
【0259】この第4の実施の形態に係る表示装置10
Dを製造する場合は、まず、上板100aを除く、下板
100b、側板100c及び100d、前面パネル10
0e並びに背面パネル100fからなる箱体172を作
製する。その後、複数の表示用ブロック110の配列に
よって構成される表示装置本体102を、前記箱体内1
72に収容する。続いて、箱体172内に前記物質15
2を充填し、次いで、上板100aを固着することによ
って簡単に作製することができる。
【0260】その他の方法としては、例えば、前面パネ
ル100eの一主面に、表示用ブロック110をその表
示面を対向させ、これらの面の間に前記物質152を介
在させながら、複数の表示用ブロック110を前面パネ
ル100eの一主面に沿って密着配列する。その後、図
41に示すように、各表示用ブロック110のコーナー
部における接点部分を接着剤157にて固定する。この
接着剤157としては、熱膨張の緩和の面からも可撓性
のものが好ましい。
【0261】その後、前面パネル100eに下板100
b、側板100c及び100d並びに背面パネル100
fを固着して箱体172を作製し、続いて、箱体172
内に前記物質152を充填し、次いで、上板100aを
固着することによって簡単に作製することができる。
【0262】前記表示用ブロック110の固定の方法と
しては、図41に示す方法のほかに、図42に示すよう
に、表示用ブロック110とドライバー・ボード118
の間に弾性材料159を設置し、表示用ブロック110
を前面パネル100eに押し付けて固定するようにして
もよい。弾性材料159としては、例えばコイルばね、
板ばね、ゴム、圧縮空気(シリンダー)等が使用でき
る。
【0263】このように、第4の実施の形態に係る表示
装置10Dは、上述の第1の実施の形態に係る表示装置
10Aと同様に、複数の表示用ブロック110を配列し
て表示装置10Dを作製する際に、これら表示用ブロッ
ク110の継ぎ目部分が目立ちにくい表示装置10Dと
することができ、しかも、リペア性に優れる。
【0264】通常、マッチングオイルを物体の端面間に
介在させた場合は、マッチングオイルが漏れ出ないよう
にシール材を固定する必要がある。しかし、この実施の
形態では、槽170内に充填した前記物質152内に表
示装置本体102を収容した状態としているため、前記
物質152としてマッチングオイルを使用したとして
も、前記シール材が不要となり、製造工程の簡略化を実
現でき、しかも、シール材の存在に起因する気泡の発生
がないという利点もある。但し、配線基板114、ドラ
イバー・ボード118、表示コントローラが前記物質1
52で充填された箱体172に存在することから、高い
絶縁性を有する物質152を使用することが好ましい。
【0265】次に、第4の実施の形態に係る表示装置1
0Dのいくつかの変形例について図43〜図55を参照
しながら説明する。
【0266】まず、第12の変形例に係る表示装置10
Daは、図43及び図44に示すように、上述の第4の
実施の形態に係る表示装置10Dとほぼ同様の構成を有
するが、槽170を構成する前面パネル100eが複数
の分割導光板160をマトリクス状に配列し、各分割導
光板160の端面を例えば完全に固化するタイプの接着
剤にて固着して構成されている点で異なる。また、この
例では、背面パネル100fが複数の分割板180をマ
トリクス状に配列し、各分割板180の端面を例えば完
全に固化するタイプの接着剤にて固着している。
【0267】従って、この第12の変形例に係る表示装
置10Daを製造するにあたっては、前記前面パネル1
00e及び背面パネル100fを作製する工程と、槽1
70を作製する工程を経て、上述の第4の実施の形態に
係る表示装置10Dの製造方法と同様の工程を踏むこと
になる。
【0268】この第12の変形例に係る表示装置10D
aにおいては、上述の第4の実施の形態に係る表示装置
10Dと同様の効果を奏し、更に、前面パネル100e
が複数の分割導光板160を配列させて構成されている
ため、分割導光板160として、小型で安価なものを用
いることができ、しかも、内部に気泡や異物などの欠陥
が少なく良質の分割導光板160を使用することができ
る。また、現地での組み立ても可能となる。
【0269】第13の変形例に係る表示装置10Db
は、図45及び図46に示すように、上述の第4の実施
の形態に係る表示装置10Dとほぼ同様の構成を有する
が、各表示用ブロック110を構成する分割導光板11
2が薄板の分割導光板112で構成されている点で異な
る。表示装置本体102は、前面パネル100eに密着
するように収容されるよりも、槽170の厚み方向中央
部分に収容されることが好ましい。これにより、光源1
04からの光18が前記物質152を通る部分が多くな
るため、前面パネル100eや薄板の分割導光板112
内の欠陥や汚れの影響を受けにくくなり、画質の向上を
図ることができる。
【0270】この第13の変形例に係る表示装置10D
bを製造する場合、特に、表示装置本体102を槽17
0の厚み方向中央に位置させる場合は、例えば第3の変
形例に係る表示装置10Ac(図21参照)等で用いら
れる格子状支持材136を槽170内に配置することに
よって簡単に構成することができる。例えば、前面パネ
ル100e、上板100a、下板100b並びに側板1
00c及び100dを固着することによって背面開口の
箱体を作製し、この箱体内に格子状支持材136を配置
する。この箱体を前面パネル100eが底面となるよう
に置いて、該箱体内に前記物質152を所定量注入す
る。このとき、前記物質152を、表示装置本体102
が槽170の厚み方向中央部分に位置する程度まで注入
する。
【0271】次いで、各表示用ブロック110を例えば
格子状支持材136の格子窓136aに挿入する。この
とき、表示用ブロック110の表示面が前記物質152
に対向するように挿入する。続いて、箱体内に前記物質
152を充填し、背面パネル100fを固着して槽17
0を構成し、下板100bが底面となるように置くこと
によって、この第13の変形例に係る表示装置10Db
が完成する。
【0272】次に、第14の変形例に係る表示装置10
Dcは、図47及び図48に示すように、上述の第13
の変形例に係る表示装置10Dbとほぼ同様の構成を有
するが、槽170を構成する前面パネル100e及び背
面パネル100fが、それぞれ複数の分割導光板160
及び分割板180をマトリクス状に配列し、各分割導光
板160の端面並びに各分割板180の端面を例えば完
全に固化するタイプの接着剤にて固着して構成されてい
る点で異なる。
【0273】従って、この第14の変形例に係る表示装
置10Dcを製造するにあたっては、前記前面パネル1
00e及び背面パネル100fを作製する工程を経て、
上述の第13の変形例に係る表示装置10Dbの製造方
法と同様の工程を踏むことになる。
【0274】この第14の変形例に係る表示装置10D
cにおいては、上述の第13の変形例に係る表示装置1
0Dbと同様の効果を奏するが、前面パネル100eが
複数の分割導光板160を配列させて構成されているた
め、分割導光板160として、小型で安価なものを用い
ることができ、しかも、内部に気泡や異物などの欠陥が
少なく良質の分割導光板160を使用することができ
る。また、現地での組み立ても可能となる。
【0275】次に、第15の変形例に係る表示装置10
Ddは、図49及び図50に示すように、上述の第4の
実施の形態に係る表示装置10Dとほぼ同様の構成を有
するが、表示面と前面パネル100eとの間、並びに各
表示用ブロック110の端面間には、それぞれ前記物質
152が介在し、表示用ブロック110の背面と背面パ
ネル100f間には前記物質152とは異なる物質19
0が介在されている点で異なる。
【0276】前記物質190としては、液体状、グリー
ス状の形態で、表示装置本体102の駆動回路も前記物
質190中に入ることから、高い絶縁性を有し、発火性
が低いものを使用することが好ましい。
【0277】更に、図51に示すように、各表示用ブロ
ック110の端面間に介在する前記物質152と、表示
用ブロック110の背面と背面パネル100f間に介在
する前記物質190との間には、これら物質152及び
190との混合を防止するためのシール材192が塗ら
れている。
【0278】従って、この第15の変形例に係る表示装
置10Ddを作製する場合は、例えば前面パネル100
eの一主面に、表示用ブロック110をその表示面を対
向させ、これらの面の間に前記物質152を介在させな
がら、複数の表示用ブロック110を前面パネル100
eの一主面に沿って密着配列した後、例えば図41又は
図42に示す手法を用いて表示用ブロック110を固定
する。その後、前面パネル100eに下板100b、側
板100c及び100d並びに背面パネル100fを固
着して箱体172を作製し、続いて、箱体172内に前
記物質190を充填し、次いで、上板100aを固着す
ることによって簡単に作製することができる。
【0279】この第15の変形例に係る表示装置10D
dにおいては、上述の第4の実施の形態に係る表示装置
10Dとほぼ同じ効果を奏するが、特に、前記物質15
2をマッチングオイルとした場合に、該高価なマッチン
グオイル152の使用量を少なくすることができ、ま
た、前記物質190として、安価で絶縁抵抗の高いオイ
ルを使用することができ、製造コストの低廉化に有利と
なる。
【0280】なお、前記物質190として、前記物質1
52と同等の比重のものを使用すれば、表示用ブロック
110にかかる圧力が深さに影響されずに均等となるた
め、好ましい。
【0281】第16の変形例に係る表示装置10De
は、図52及び図53に示すように、上述の第15の変
形例に係る表示装置10Ddとほぼ同様の構成を有する
が、槽170を構成する前面パネル100e及び背面パ
ネル100fが、それぞれ複数の分割導光板160及び
分割板180をマトリクス状に配列し、各分割導光板1
60の端面並びに各分割板180の端面を例えば完全に
固化するタイプの接着剤にて固着して構成されている点
で異なる。
【0282】従って、この第16の変形例に係る表示装
置10Deを製造するにあたっては、前記前面パネル1
00e及び背面パネル100fを作製する工程を経て、
上述の第15の変形例に係る表示装置10Ddの製造方
法と同様の工程を踏むことになる。
【0283】この第16の変形例に係る表示装置10D
eにおいては、上述の第15の変形例に係る表示装置1
0Ddと同様の効果を奏するが、前面パネル100eが
複数の分割導光板160を配列させて構成されているた
め、分割導光板160として、小型で安価なものを用い
ることができ、しかも、内部に気泡や異物などの欠陥が
少なく良質の分割導光板160を使用することができ
る。また、現地での組み立ても可能となる。
【0284】上述の第3の実施の形態に係る表示装置1
0Cあるいは第15の変形例に係る表示装置10Ddに
おいては、図54及び図55に示すような変形例(第1
7の変形例に係る表示装置10Df)も実現させること
ができる。
【0285】即ち、この第17の変形例に係る表示装置
10Dfは、図54及び図55に示すように、例えば上
板100a(側板100c及び100dや下板100b
でもよい)の所定位置に導管200と接続される貫通孔
202を設ける。貫通孔202は、表示装置本体102
の表示面と前面パネル100eとの間を臨む位置に形成
される。また、貫通孔202には前記導管200が接続
され、導管200にはバルブ204を介して図示しない
真空ポンプが接続される。
【0286】そして、表示装置本体102の表示面と前
面パネル100eとの間に前記物質152を充填し、該
物質152を例えばシール材154でシールした後に、
真空ポンプを駆動して、表示装置本体102の表示面と
前面パネル100eとの間の領域(物質152が充填さ
れた領域206)を大気圧よりも減圧した後、バルブ2
04を閉め、減圧状態を維持させる。この段階で、真空
ポンプを切り離すことができる。
【0287】このようにすれば、図55に示すように、
物質152が充填された領域206の圧力が周りの圧力
(大気圧)よりも低いことから、その圧力差によって、
表示用ブロック110は前面パネル100e側に押し付
けられることになる。つまり、シール材154等の強度
のみで行っていた表示用ブロック110の固定を圧力差
によって補完することができ、組立性並びに剛性を向上
させることができる。この場合、圧力計208(図54
参照)で物質152が充填された領域208の圧力を管
理することで、シール材154の劣化状態を把握するこ
とができるため、好ましく採用される。
【0288】上述の第4の実施の形態に係る表示装置1
0D並びに各種変形例に係る表示装置10Da〜10D
fにおいては、すでに説明したように、分割導光板11
2の継ぎ目部分における画像の違和感をなくすために、
図38に示すような関係を満足するように、分割導光板
112と前記物質152の屈折率差と分割導光板112
の厚みtを制御することが好ましい。
【0289】ところで、上述の各表示装置において、分
割導光板112に表示素子14を貼着するに先立って、
図56に示すように、表示素子14の周部に光吸収部材
210を設けるようにしてもよい。これにより、表示素
子14の継ぎ目を通って、表示素子14の後方から分割
導光板に入射する漏れ光212を低減することができ、
継ぎ目の違和感を低減し、コントラストの向上を図るこ
とができる。
【0290】この場合、前記光吸収部材210として、
表示素子14の周部を封止する封止部材を兼ねるように
すれば、分割導光板112と表示素子14間に存するマ
ッチングオイルや接着剤等の物質152が表示素子14
内に入り込むということが防止され、画質の劣化を防ぐ
ことができる。
【0291】ここで、前記封止部材を兼ねる光吸収部材
210としては、例えばエポキシ系の接着剤と、シリカ
の微粉末と、黒顔料又は黒染料を混合したものを用いる
ことができる。この中で、エポキシ系の接着剤は、光吸
収部材210の表示素子14に対する密着性を向上させ
る機能を有し(密着性)、シリカの微粉末は、光吸収部
材210の形状を維持させる機能を有し(非流動性)、
黒顔料又は黒染料は、漏れ光を吸収する機能を有する
(光吸収性)。シリカ微粉末としては、0.1〜10μ
mが好ましく、1〜5μmが更に好ましい。
【0292】そして、前記光吸収部材210の組成は、
エポキシ系の接着剤とシリカの微粉末と黒顔料又は黒染
料との比率で表すと、例えば1:0.5〜2:0.00
5〜0.1であることが好ましく、1:1.4〜1.
8:0.01〜0.05であることが更に好ましい。エ
ポキシ系の接着剤のほかに、シリコーン系、変性シリコ
ーン系、ポリサルファイド系、ポリウレタン系、アクリ
ル系、エポキシ系、SBR系、ブチルゴム系が使用で
き、シリカ微粉末のほかに、樹脂微粉末、セラミック微
粉末、カーボン微粉末等が使用できる。
【0293】また、光吸収部材210の表面には、マッ
チングオイル等の物質152をはじく性質と、マッチン
グオイル等の物質152に劣化しない性質を持たせるた
めに、シリコン系やフッ素系等の撥油剤をコーティング
することが好ましい。
【0294】前記光吸収部材210の形成方法として
は、印刷法、ディスペンサーやスタンピングなどが好ま
しく用いられる。
【0295】また、上述の各表示装置においては、分割
導光板210に表示素子14を貼着するに先立って、図
56に示すように、明欠陥となっている部分に光吸収層
214を貼着することが好ましい。明欠陥は、例えば黒
表示や暗い背景などを表示している際に、白点として認
識される明るい部分である。これにより、明欠陥による
光点が光吸収層214にて吸収され、表示面からは目立
たないものとなる。
【0296】明欠陥としては、例えばアクチュエータ部
22での変位駆動が機能せずに、例えば画素構成体30
の上面が常時光導波板20に接触していることに基づく
ものや、表示素子14の構成部材の1つである光導波板
20内にある欠陥あるいは分割導光板112内にある欠
陥に基づくもの、更には、マッチングオイル等の物質1
52内に混入した異物に基づくものがある。
【0297】そして、明欠陥の部分に光吸収層214を
貼着する場合は、例えば表示素子14を駆動しながら該
表示素子14の表示面側を顕微鏡にて目視、あるいは輝
度計にて測定し、その目視の情報、あるいは輝度情報に
基づいて明欠陥の位置を検出する。そして、表示素子1
4における光導波板20の表面のうち、検出された明欠
陥の位置に対応する箇所に例えば貼着装置を用いて光吸
収層214を貼着する。もちろん、顕微鏡にて目視、あ
るいは輝度計での測定を行いながら人手で光吸収層21
4を貼着するようにしてもよい。
【0298】上述の例では、表示素子14の光導波板2
0に光吸収層214を貼着するようにしたが、その他、
分割導光板112における表示素子14と対向する面に
貼着するようにしてもよい。
【0299】なお、分割導光板112の欠陥に基づく明
欠陥は、分割導光板112の表面(表示面)に光吸収層
214を貼着することで隠すことができる。
【0300】上述の光吸収層214の材料としては、光
の散乱が少ないことと、マッチングオイルや接着剤等の
物質152に劣化しないことが好ましく、例えば黒顔料
又は黒染料を含む樹脂等や金属膜を用いることができ
る。この場合、母材(光導波板20や分割導光板11
2)との濡れ性がよく、付着性が良好であることが好ま
しい。
【0301】前記光吸収層214の厚みとしては、0.
1〜100μmがよく、好ましくは1〜50μmであ
る。また、前記光吸収層214の貼着の方法は、印刷
法、ディスペンサー、スタンピング、フォトリソグラフ
ィー等を用いることができる。
【0302】次に、表示素子14の好ましい構成例につ
いて説明する。まず、第1の構成例としては、図56〜
図57Cに示すように、表示素子14の構成部材の1つ
である光導波板20のうち、大型導光板140と対向す
る面に突部216を設けることである。
【0303】突部216の構成としては、図57Aに示
すような突起216aや、図57Bに示すように帯状に
延びる突部216bや、図57Cに示すように枠状の突
部216cなどがある。
【0304】突部216として前記突起216aを設け
る場合は、図57Aに示すように、3つ以上の突起21
6aを設けることが好ましい。具体的には、例えば図5
8Aに示すように、4つの突起216aを表示素子14
における光導波板20の四隅にそれぞれ対応させて設け
る方法や、図58Bに示すように、多数の突起216a
を光導波板20の辺に沿って形成する方法などがある。
【0305】また、他の方法としては、図59Aに示す
ように、4つの突起216aを光導波板20の四隅にそ
れぞれ対応させて設け、更に、他の1つの突起216a
を光導波板20の中央に設ける方法や、図59Bに示す
ように、多数の突起216aをマトリクス状に設ける方
法などがある。突起216aの数を少なくすれば、マッ
チングオイル等の物質130の流動性が向上すると共
に、大型導光板140の局所的な凹凸やマッチングオイ
ル等の物質130中に混入した異物の影響を受けにくく
することができる。突起216aの数を多くすれば、大
型導光板140の変形から受ける応力を分散させること
ができる。
【0306】なお、突部216として帯状に延びる突部
216bを設ける場合は、1本の突部216bでもよい
が、好ましくは図57Bに示すように2本以上の突部2
16bをある程度間隔を置いて設けることである。
【0307】次に、第2の構成例としては、図示しない
が、大型導光板140のうち、表示素子14と対向する
面であって、かつ、1つの表示素子14に対応する区画
内に3つ以上の前記突部216を設けることである。
【0308】これらの構成例において、特に、突部21
6として突起216aを設ける場合は、図57Aに示す
ように、表示素子14の長辺の長さをLとしたとき、前
記3つ以上の突起216aは、表示素子14の各辺のう
ち、最も近接する辺からL/3以下の距離に対応した箇
所に設けられていることが好ましい。
【0309】更に好ましくは、表示素子14内に設けら
れた桟42(図1参照)の形成位置と対応する位置に、
前記突起216aを設けることが望ましい。この場合、
後述するように、大型導光板140の変形によって突起
216aに押圧力がかかったとしても、前記桟42によ
って支えられるため、光導波板20が変形するというこ
とがなく、また、画素からの発光が突起216aによっ
て一部散乱されるというおそれもなくなるからである。
【0310】次に、第3の構成例としては、図60に示
すように、分割導光板112と表示素子14との間に存
するマッチングオイル等の物質152中にビーズ220
を混入することである。ここで、ビーズ220の形状
は、球形、円柱状、角柱状等、特に問わないが、球状や
円柱状のものが好ましい。また、ビーズ220の比重は
マッチングオイル等の物質152と同等であることが好
ましい。
【0311】上述の各表示装置においては、表示素子1
4の駆動や光源16からの光18がブラックマトリクス
等に吸収されることによって発生する熱により、分割導
光板112に反りが生じることがある。この場合、表示
素子14と分割導光板112間に存する例えばマッチン
グオイル等の物質152にかかる内部圧力に、表示素子
14の周辺部分と中央部分とで差が生じることとなる。
【0312】そのため、表示素子14と分割導光板11
2間に存するマッチングオイル等の物質152のうち、
圧力が小さい部分に外部から気泡が混入するという現象
が生じるおそれがある。表示素子14と分割導光板11
2間に気泡が混入すると、表示素子14からマッチング
オイル等の物質152を通過する光が気泡に当たること
により、散乱あるいは屈折されて、本来の画素ではな
く、隣接する画素等での発光として認識されるいわゆる
クロストークや黒点欠陥が発生することになる。
【0313】しかし、本実施の形態では、光導波板20
あるいは大型導光板140に対する突部216の形成、
あるいはマッチングオイル等の物質152にビーズ22
0を混入させたことにより、表示素子14と分割導光板
112との間に隙間が生じることから、表示素子14と
分割導光板112との間に存するマッチングオイル等の
物質152の流動性がよくなる。その結果、例えば表示
装置の駆動時における分割導光板112の変形により、
マッチングオイル等の物質152の内部に圧力差が生じ
ても、マッチングオイル等の物質152が前記圧力差を
緩和するように流動し、マッチングオイル等の物質15
2への気泡の混入は生じなくなる。
【0314】しかも、マッチングオイル等の物質152
の流動性が良好になることから、表示素子14を取り外
すことが簡単になり、表示素子14のリペアが容易にな
る。
【0315】ここで、突部216及びビーズ220は、
可視光領域の波長において光透過性が良好で、かつ、マ
ッチングオイル等の物質152とほぼ同等の屈折率を有
することが好ましい。高さは、数μm〜1mmが好まし
く、更に好ましくは20μm〜500μmである。
【0316】これらの材料としては、無機材料、有機材
料のどちらでもよく、例えばガラス、石英、透光性アル
ミナ、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、
メタクリル樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル樹脂、
フェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂、ABS、フッ素樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂等の単体あるいは合体ある
いは混合物が使用でき、マッチングオイル等の物質15
2に膨潤しないものが挙げられる。
【0317】そして、これらの材料を接着固定してもよ
いし、液体状の前駆体を塗布した後、硬化させること
で、前記突部216を形成してもよい。後者の場合、母
材(光導波板20や分割導光板112)との密着性と形
状(高さ)を維持することができるように、突部216
の前駆体としてはチクソ性を有することが好ましい。
【0318】なお、前記突部216を光吸収性の部材で
構成することにより、ブラックマトリクスとしての機能
を有することになり、コントラストの向上を図ることが
できる。
【0319】突部216を形成する方法としては、突部
216の前駆体を印刷法、ディスペンサーあるいはスタ
ンピングにて形成し、その後、前駆体を固めることによ
って突部216を形成することができる。
【0320】次に、第4の構成例は、各表示素子14の
裏面に、分割導光板112と表示素子14間に存在する
マッチングオイルや接着剤等の物質152が表示素子1
4の裏面側に回り込むのを防止するための堰222A及
び222Bを設けるようしたものである。堰222A及
び222Bは、表示素子14の裏面の周部上であって、
表示素子14の周縁に沿って形成され、特に、図56、
図60及び図61の例では、2重の堰222A及び22
2Bを設けた場合を示す。堰222A及び222Bの高
さは、図56及び図60に示すように、外側の堰222
Aを低く、内側の堰222Bを高くするようにしてもよ
いし、その反対に、図61に示すように、外側の堰22
2Aを高く、内側の堰222Bを低くするようにしても
よい。
【0321】マッチングオイル等の物質152の回り込
みを有効に防止するには、複数の堰222A及び222
Bを設けた方がよい。但し、複数の堰222A及び22
2Bを設けた場合、例えば後述するように、図61aに
示すようなシール構造を採用する場合、一方の堰222
Aと他方の堰222Bとの間に第2のシール材226が
入り込むとき、その部分に気泡が残留しやすく、特に、
気泡が光導波板20の表面に移動した場合に、画質を劣
化させるおそれがある。従って、この気泡を抜けやすく
するために、図56や図61等のように、複数の堰22
2A及び222Bにおける各高さに差を付けることが肝
要である。
【0322】上述のように、堰222A及び222Bを
設けることにより、第2のシール材226のシール性を
阻害するマッチングオイルや接着剤等の物質130が表
示素子14の裏面側に回り込むのが防止され、表示素子
14のシール性を確保することができると共に、表示素
子14の裏面に実装されたIC等をマッチングオイル等
の物質130の浸漬から保護することができる。更に、
堰222A及び222Bをつまみ上げることで、表示素
子14を取り外すことが簡単になり、リペアが容易にな
る。
【0323】堰222A及び222Bの材料としては、
シリコーンやエポキシ樹脂等であって、マッチングオイ
ル等の物質152に膨潤しないものが挙げられる。形状
的に高くする必要から、流動性を有しないものが好まし
い。
【0324】堰222A及び222Bの形成方法として
は、例えばディスペンサーやスタンピング等が好ましく
用いられる。また、壁状の構造部材を接着固定して堰2
22A及び222Bとして構成するようにしてもよい。
【0325】そして、実際に表示素子間をシールする場
合は、例えば図62に示すように、各表示素子14の周
辺部に設けられた光吸収部材210間に第1のシール材
224を設けて表示素子14間をシールし、更に、第1
のシール材224を含む表示素子14の周辺部分(図6
2の例では、堰222A及び222Bを含む部分)に第
2のシール材226を設けて表示素子14間を二重にシ
ールする。
【0326】前記第1のシール材224は、マッチング
オイル等の物質152への混入を最小限に抑えるため
に、マッチングオイル等の物質152より比重が軽く、
紫外線や可視光照射による比較的硬化速度の速い材料が
好ましい。また、たとえマッチングオイル等の物質15
2に混入しても目立たないように、透明で、マッチング
オイル等の物質152と同等の屈折率を有する材料が好
ましい。
【0327】一方、第2のシール材226は、第1のシ
ール材224によってマッチングオイル等の物質152
のにじみ出しが防止されているため、表示素子14の裏
面の一部まで覆うように塗布することができ、しかも、
密着性、機械的強度に優れた材料を、光学特性の如何に
関わりなく選択できる。
【0328】ところで、図63に示すように、表示ブロ
ック110を多数配列して構成した表示装置10を縦置
きにして設置した場合、分割導光板112と表示素子1
4間に存するマッチングオイル等の物質152が自重に
より下がり、分割導光板112を多数配列して構成され
る大型の導光板140の下部において、マッチングオイ
ル等の物質152による膨らみが生じる。このとき、大
型の導光板140の上部における内圧が下がり、シール
の弱い部分から空気が入り込むおそれがある。
【0329】そこで、図64〜図65Bに示すような第
1及び第2の対策構成を採用することが好ましい。第1
の対策構成は、図63に示すように、各表示素子14を
大型の導光板140に対してリペア性に影響しない程度
に接着剤にて固定する。例えば1つの表示素子14につ
いて4箇所程度の接着ポイント228を設定して接着剤
にて固定する。これにより、大型の導光板140の下部
におけるマッチングオイル等の物質152による膨らみ
を緩和することができる。
【0330】また、第2の対策構成は、図65A及び図
65Bに示すように、大型の導光板140と多数の表示
素子14間におけるマッチングオイル等の物質152の
存在するエリアを接着剤層230にて複数に分離する構
成である。この図65A及び図65Bの例では、十文字
状に接着剤層230を設けることにより、前記マッチン
グオイル等の物質152の存在するエリアを4分割した
場合を示す。この接着剤層230の塗布面積を小さくす
ることにより、リペア性を十分に確保することができ、
しかも、大型の導光板140の下部におけるマッチング
オイル等の物質152による膨らみを緩和することがで
きる。
【0331】ここで、上述した各表示装置を一括して表
示装置10と記したとき、多数の表示素子14を配列し
て表示装置10を構成する場合は、ある規則性をもって
配列することが好ましい。その配列決定方法について図
66〜図70Bを参照しながら説明する。
【0332】この配列決定方法は、図66に示すよう
に、まず、ステップS1において、各表示素子14につ
いてそれぞれ特性値を得る。特性値としては、表示素子
14を構成する複数のドット26の平均輝度と、ドット
26の欠損数が挙げられる。例えば、表示素子14内の
数点のドット26について、輝度を測定し、その平均値
を取得し、該平均値を平均輝度とする。
【0333】その後、ステップS2において、前記得ら
れた特性値に基づいて表示素子14をランク分けする。
ランク分けは、例えば図67Aに示すように、平均輝度
が1000以上で、かつ、欠損数が1以下の場合にAラ
ンク、平均輝度が900以上、1000未満で、かつ、
欠損数が2以上、5以下の場合にBランク、平均輝度が
900未満で、かつ、欠損数が6以上の場合にCランク
とする。
【0334】更に、これら表示素子14について、得ら
れたランク(個別ランク)に基づいて平均輝度を優先さ
せて見た場合の総合ランクにランク分けする。例えば、
図67Bに示すように、総合ランクAは、平均輝度によ
るランクがAランクであって、かつ、欠損数によるラン
クがAランクのものが選ばれ、総合ランクBは、平均輝
度によるランクがAランクであって、かつ、欠損数によ
るランクがBランクのものが選ばれる。同様に、総合ラ
ンクCは、平均輝度によるランクがBランクであって、
かつ、欠損数によるランクがAランクのものが選ばれ、
総合ランクDは、平均輝度によるランクがBランクであ
って、かつ、欠損数によるランクがBランクのものが選
ばれる。
【0335】その後、図66のステップS3において、
表示装置10における複数の表示素子14の配列領域を
区分して、各領域に配列すべき表示素子14のランクを
指定し、次いで、ステップS4において、前記指定に従
って表示素子14を配列して表示装置10を作製する。
【0336】一例として、図68A及び図68Bに示す
ように、表示装置10(10a及び10b)における表
示素子14の配列領域Z10を中央部分Z11と周辺部
分Z12に区分し、中央部分Z11に欠損数によるラン
クの高い表示素子14を配列し、周辺部分Z12に欠損
数によるランクの低い表示素子14を配列する。
【0337】例えば、1台目の表示装置10aについて
は、中央部分Z11に総合ランクAの表示素子14を配
列し、周辺部分Z12に総合ランクBの表示素子14を
配列する。2台目の表示装置10bについては、中央部
分Z11に総合ランクCの表示素子14を配列し、周辺
部分Z12に総合ランクDの表示素子14を配列する。
【0338】1台目の表示装置10aは、平均輝度のラ
ンクがAランクである表示素子14で統一しており、2
台目の表示装置10bは、平均輝度のランクがBランク
である表示素子14で統一している。そのため、各表示
装置10a及び10bにおいては、輝度分布のばらつき
が抑えられ、画質の向上を図ることができると共に、表
示素子14の継ぎ目が目立たないものとなる。
【0339】そして、例えば中央部分Z11に表示素子
14を配列していく場合においては、例えば図69Aに
示すように、中央から渦巻き状に配列したり、図69B
に示すように、十文字順に配列することが好ましい。図
69A及び図69Bにおいて、連番は、総合ランクで順
序付けられた番号であり、表示素子14の配列の順番を
示す番号である。一方、周辺部分Z12に表示素子14
を配列していく場合においては、図70Aに示すよう
に、1つの辺から順番に並べていく方法や、図70Bに
示すように、十文字順に配列することが好ましい。
【0340】このように、ランク分けされた表示素子1
4を、指定された領域に配列する際に、同一ランク内に
おいて順序付けされた表示素子14を所定の規則に従っ
て配列することにより、表示装置10全体としてみたと
き、滑らかな輝度分布にすることができる。
【0341】特に、表示素子14の配列領域Z10を中
央部分Z11と周辺部分Z12に区分し、中央部分Z1
1にランクの高い表示素子14を配列し、周辺部分Z1
2にランクの低い表示素子14を配列するという手法
は、周辺が暗くても人の目では気づきにくいという特性
を利用したもので、人の目に対する違和感をなくす上で
有効となる。
【0342】なお、上述した特性値は、前記平均輝度及
び欠損数のほかにも、表示素子14内でのドットの輝度
等のばらつきなども利用することができる。また、領域
区分も中央部分Z11と周辺部分Z12の2つに分ける
ほか、様々な区分が考えられる。
【0343】更に、上述した各表示装置10において
は、多数の表示素子14が配列されたいわゆる分割パネ
ル方式のディスプレイであることから、以下のような構
成例並びに使用形態が可能となる。
【0344】まず、第1の構成例は、図71に示すよう
に、横方向にあるいは縦方向に長細いディスプレイ30
0とする例である。このディスプレイ300を用いた使
用形態としては、該ディスプレイ300を例えば通路の
壁に設置し、更に、人が通過するのを感知するセンサも
設置する。
【0345】そして、ディスプレイ300のそばを人が
通過するのをセンサで検知し、人の進行方向に合わせて
広告等のメッセージをスクロール表示する。これによ
り、ディスプレイ300に表示されたメッセージが人の
進行に合わせて追従していく形態となる。
【0346】次に、第2の構成例は、図72に示すよう
に、大型導光板140に多数の表示素子14を様々な組
合せで貼り合わせる例である。図72の例では、多数の
表示素子14を組み合わせて構成した横長のディスプレ
イブロック302と、多数の表示素子14を組み合わせ
て例えば16:9のワイド型ディスプレイブロック30
4を大型導光板140に貼り合わせた例を示す。なお、
ワイド型ディスプレイブロック304の任意の位置に数
10個のディスプレイを組み合わせて構成された小型の
横長ディスプレイブロック306をはめ込むようにして
もよい。
【0347】そして、横長のディスプレイブロック30
2や小型の横長ディスプレイブロック306を、例えば
単色(例えば白色)のメッセージ表示領域として使用
し、ワイド型ディスプレイブロック304を、例えば高
精細度のカラー動画表示領域として使用する。
【0348】この場合、横長のディスプレイブロック3
02及び小型の横長ディスプレイブロック306におい
て、白画素は発光効率が高いので、行走査しても十分な
輝度を得ることができる。従って、1/(行走査数)の
ドライバICを組み込めばよく、インターフェースとし
ては、RS−422や485あるいはLANでJPEG
の静止画像を表示させるようにしてもよい。また、高精
細度を必要しない場合は、画素サイズを大きくしてもよ
い。
【0349】一方、ワイド型ディスプレイブロック30
4は、高精細度の動画像を表示することから、インター
フェースとしては、ビデオ信号やRGB信号に対応した
ものを使用できるほか、LANでMPEGによる動画像
を表示させるようにしてもよい。
【0350】なお、小型の横長ディスプレイブロック3
06の代わりに単なる表示盤(例えば広告主のロゴなど
が表示された板)を貼り付けてもよい。
【0351】従来では、1つの大画面ディスプレイでメ
ッセージ表示領域と動画像領域を得るためには、文字表
示用のLEDディスプレイと、高精細度のカラー動画用
PDP並びに固定メッセージ看板の3つを組み合わせる
必要があったが、前記第2の構成例では、多数の表示素
子14を様々な形態に組み合わせることでメッセージ表
示領域と動画像領域を併せ持つディスプレイを容易に作
製することができる。
【0352】本実施の形態に係る表示装置10のよう
に、分割導光板112を配列して構成される大型導光板
140に対して多数の表示素子14を貼り合わせて構成
されるいわゆる分割パネル方式のディスプレイにおいて
は、大型導光板140に貼り合わせる表示素子14の数
量や貼り合わせ位置を自在に設計することができるた
め、ディスプレイの大きさ、アスペクト比、形状等を自
由に設計することができる。
【0353】また、上述の例では、例えば図24に示す
ように、大型導光板140として、主面が平板とされた
大型導光板140を使用した例を示したが、その他、主
面が曲面を有する導光板を使用するようにしてもよい。
【0354】このような導波板を用いた場合は、設置ス
ペースもしくは曲面を主にしたディスプレイの形状規格
に対応させることが可能である。例えばプラネタリウム
で天体を表示する大画面ディスプレイでは曲面が要求さ
れるが、このようなディスプレイにも対応が可能とな
る。この場合、導光板の端面から入射した光が曲面形状
の主面から漏れないように入射角制御が必要となる。
【0355】なお、この発明に係る表示装置及びその製
造方法は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨
を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもち
ろんである。
【0356】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る表示
装置及びその製造方法によれば、複数の表示用ブロック
を配列して表示装置を作製する際に、これら表示用ブロ
ックの継ぎ目部分が目立ちにくい表示装置とすることが
でき、しかも、リペア性に優れ、更に、現地での組み立
てを可能にし、製造コストの低廉を有効に図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る表示装置を構成する表示素
子を示す構成図である。
【図2】表示素子の画素構成を示す説明図である。
【図3】アクチュエータ部と画素構成体の第1の構成例
を示す断面図である。
【図4】アクチュエータ部に形成される一対の電極の平
面形状の一例を示す図である。
【図5】図5Aは形状保持層の長軸に沿って一対の電極
のくし歯を配列させた1つの例を示す説明図であり、図
5Bは他の例を示す説明図である。
【図6】図6Aは形状保持層の短軸に沿って一対の電極
のくし歯を配列させた1つの例を示す説明図であり、図
6Bは他の例を示す説明図である。
【図7】表示素子の他の構成を示す断面図である。
【図8】アクチュエータ部と画素構成体の第2の構成例
を示す断面図である。
【図9】アクチュエータ部と画素構成体の第3の構成例
を示す断面図である。
【図10】アクチュエータ部と画素構成体の第4の構成
例を示す断面図である。
【図11】画素構成体の四方にそれぞれ桟を形成した場
合の構成を示す説明図である。
【図12】桟の他の構成を示す説明図である。
【図13】ロー電極駆動回路から出力されるオフセット
電位(バイアス電位)と、カラム電極駆動回路から出力
されるオン信号及びオフ信号の電位並びにロー電極とカ
ラム電極間に加わる電圧の関係の一例を示す表図であ
る。
【図14】第1の実施の形態に係る表示装置を示す構成
図である。
【図15】表示用ブロックの一例を示す構成図である。
【図16】表示用ブロックの他の例を示す構成図であ
る。
【図17】枠体内に表示用ブロックを積み上げて固着し
た例を示す説明図である。
【図18】表示用ブロックにおける継ぎ目部分の画素ピ
ッチを示す説明図である。
【図19】第1の変形例に係る表示装置を一部省略して
示す構成図である。
【図20】第2の変形例に係る表示装置を一部省略して
示す構成図である。
【図21】第3の変形例に係る表示装置を一部省略して
示す構成図である。
【図22】第4の変形例に係る表示装置を一部省略して
示す構成図である。
【図23】第5の変形例に係る表示装置を一部省略して
示す構成図である。
【図24】第2の実施の形態に係る表示装置を一部省略
して示す構成図である。
【図25】第6の変形例に係る表示装置を一部省略して
示す構成図である。
【図26】第7の変形例に係る表示装置を一部省略して
示す構成図である。
【図27】第8の変形例に係る表示装置を一部省略して
示す構成図である。
【図28】第9の変形例に係る表示装置を一部省略して
示す構成図である。
【図29】第10の変形例に係る表示装置を一部省略し
て示す構成図である。
【図30】第3の実施の形態に係る表示装置を一部省略
して示す断面図である。
【図31】第3の実施の形態に係る表示装置を一部省略
して示す平面図である。
【図32】表示用ブロックの端面部分の一例を示す拡大
図である。
【図33】表示用ブロックの端面部分の他の例を示す拡
大図である。
【図34】表示用ブロックの端面部分の更に他の例を示
す拡大図である。
【図35】第11の変形例に係る表示装置を一部省略し
て示す断面図である。
【図36】第11の変形例に係る表示装置を一部省略し
て示す平面図である。
【図37】分割導光板の厚みと物質(マッチングオイ
ル)の屈折率との関係を説明するための図である。
【図38】分割導光板の厚みと、分割導光板の屈折率と
物質(マッチングオイル)の屈折率との差の関係を示す
特性図である。
【図39】第4の実施の形態に係る表示装置を一部省略
して示す断面図である。
【図40】第4の実施の形態に係る表示装置を一部省略
して示す平面図である。
【図41】表示用ブロックの固定方法の一例を示す説明
図である。
【図42】表示用ブロックの固定方法の他の例を示す説
明図である。
【図43】第12の変形例に係る表示装置を一部省略し
て示す断面図である。
【図44】第12の変形例に係る表示装置を一部省略し
て示す平面図である。
【図45】第13の変形例に係る表示装置を一部省略し
て示す断面図である。
【図46】第13の変形例に係る表示装置を一部省略し
て示す平面図である。
【図47】第14の変形例に係る表示装置を一部省略し
て示す断面図である。
【図48】第14の変形例に係る表示装置を一部省略し
て示す平面図である。
【図49】第15の変形例に係る表示装置を一部省略し
て示す断面図である。
【図50】第15の変形例に係る表示装置を一部省略し
て示す平面図である。
【図51】第15の変形例に係る表示装置において、表
示用ブロックの端面部分の一例を示す拡大図である。
【図52】第16の変形例に係る表示装置を一部省略し
て示す断面図である。
【図53】第16の変形例に係る表示装置を一部省略し
て示す平面図である。
【図54】第17の変形例に係る表示装置を一部省略し
て示す平面図である。
【図55】第17の変形例に係る表示装置を一部省略し
て示す断面図である。
【図56】表示素子間の構造を示す断面図である。
【図57】図57Aは突部として表示素子の光導波板に
3つの突起を設けた例を示す平面図であり、図57Bは
突部として表示素子の光導波板に帯状の突部を設けた例
を示す平面図であり、図57Cは突部として表示素子の
光導波板に枠状の突部を設けた例を示す平面図である。
【図58】図58Aは光導波板に突起を設ける第1の構
成例を示す平面図であり、図58Bは光導波板に突起を
設ける第2の構成例を示す平面図である。
【図59】図59Aは光導波板に突起を設ける第3の構
成例を示す平面図であり、図59Bは光導波板に突起を
設ける第4の構成例を示す平面図である。
【図60】マッチングオイル等の物質中にビーズを混入
させた構成例を示す断面図である。
【図61】表示素子の裏面に堰を設けた他の構成例を示
す断面図である。
【図62】表示素子間のシール構造を示す断面図であ
る。
【図63】大型の導光板の下部におけるマッチングオイ
ル等の物質の膨らみを示す説明図である。
【図64】第1の対策構成を示す正面図である。
【図65】図65Aは第2の対策構成を示す正面図であ
り、図65Bは図65AにおけるXXXXXXVB−X
XXXXXVB線上の断面図である。
【図66】表示素子の配列決定方法の一例を示すフロー
チャートである。
【図67】図67Aは特性値に基づく表示素子のランク
分けの基準の一例を示す表図であり、図67Bは総合ラ
ンクへのランク分けの内訳を示す表図である。
【図68】図68Aは1台目のディスプレイに対する表
示ユニットの配列形態を示す説明図であり、図68Bは
2台目のディスプレイに対する表示ユニットの配列形態
を示す説明図である。
【図69】図69Aは表示ユニットを配列領域の中央部
分に配列する場合の順序の一例を示す説明図であり、図
69Bはその他の例を示す説明図である。
【図70】図70Aは表示ユニットを配列領域の周辺部
分に配列する場合の順序の一例を示す説明図であり、図
70Bはその他の例を示す説明図である。
【図71】分割パネル方式のディスプレイにおける第1
の構成例を示す説明図である。
【図72】分割パネル方式のディスプレイにおける第2
の構成例を示す説明図である。
【図73】従来例に係る表示素子を示す構成図である。
【符号の説明】 10A、10Aa〜10Ae、10B、10Ba〜10
Be、10C、10Ca、10D、10Da〜10De
…表示装置 14…表示素子 20…光導波板 30…画素構成体 32…アクチュエー
タ基板 100…枠体 102…表示装置本
体 104…光源 110…表示用ブロ
ック 112…分割導光板 114…配線基板 122…開口 130…可撓性接着
剤 132、134…支持材 136…格子状支持
材 136a…格子窓 150…箱体 100e…前面パネル 152…物質 160…分割導光板 190…物質 210…光吸収部材 214…光吸収層 216…突起 220…ビーズ 222A、222B…堰 224…第1のシー
ル材 226…第2のシール材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 七瀧 努 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 大和田 巌 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 外山 順敏 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 野口 信愛 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内

Claims (46)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2以上の表示用ブロックが配列されて構成
    され、 少なくとも各表示用ブロックの端面部分に屈折率の調整
    された光透過性のある物質が存在していることを特徴と
    する表示装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の表示装置において、 前記表示用ブロックは、それ自身が光導波板として表示
    素子の構成部材となることを特徴とする表示装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の表示装置において、 前記表示用ブロックは、その一主面に表示素子が固定さ
    れるものであって、かつ、光源からの光が導入される導
    光板であることを特徴とする表示装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載の表示装置において、 前記表示用ブロックは、光源からの光が導入される導光
    板と、該導光板の一主面に固定された1以上の表示素子
    とを有することを特徴とする表示装置。
  5. 【請求項5】請求項3又は4記載の表示装置において、 前記表示素子は接着剤にて導光板に固着されることを特
    徴とする表示装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示
    装置において、 前記屈折率の調整された光透過性のある物質が少なくと
    も接着剤であることを特徴とする表示装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示
    装置において、 前記屈折率の調整された光透過性のある物質が少なくと
    もマッチングオイルであることを特徴とする表示装置。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示
    装置において、 複数の前記表示用ブロックがマトリクス状に配列される
    場合に、 少なくとも2つの表示用ブロック間に、縦罫及び/又は
    横罫の支持材が介在されていることを特徴とする表示装
    置。
  9. 【請求項9】請求項8記載の表示装置において、 前記支持材は、格子状に形成されていることを特徴とす
    る表示装置。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれか1項に記載の表
    示装置において、 複数の前記表示用ブロックの主面の配列によって形成さ
    れる表示面に対して別の導光板が配され、 前記表示面と前記別の導光板との間に屈折率の調整され
    た光透過性のある物質が存在していることを特徴とする
    表示装置。
  11. 【請求項11】請求項10記載の表示装置において、 前記屈折率の調整された光透過性のある物質がマッチン
    グオイルであることを特徴とする表示装置。
  12. 【請求項12】請求項11記載の表示装置において、 前記マッチングオイルと外気との間にシール材が介在し
    ていることを特徴とする表示装置。
  13. 【請求項13】請求項10〜12のいずれか1項に記載
    の表示装置において、 前記別の導光板は、複数の分割導光板が、マトリクス状
    に配列され、互いに屈折率の調整された光透過性のある
    接着剤で固着されて構成されていることを特徴とする表
    示装置。
  14. 【請求項14】請求項1〜9のいずれか1項に記載の表
    示装置において、 複数の前記表示用ブロックの配列によって構成される表
    示装置本体が、少なくとも1つの面が透明性を有する槽
    の中に収容され、 少なくとも複数の前記表示用ブロックの主面の配列によ
    って形成される表示面と前記槽における透明性を有する
    面との間に屈折率の調整された光透過性のある物質が存
    在していることを特徴とする表示装置。
  15. 【請求項15】請求項14記載の表示装置において、 前記槽内に屈折率の調整された光透過性のある物質が充
    填されていることを特徴とする表示装置。
  16. 【請求項16】請求項14記載の表示装置において、 前記表示装置本体の前記表示面とは反対の面と前記槽と
    の間に、前記屈折率の調整された光透過性のある物質と
    は異なる物質が存在していることを特徴とする表示装
    置。
  17. 【請求項17】請求項14〜16のいずれか1項に記載
    の表示装置において、 前記屈折率の調整された光透過性のある物質がマッチン
    グオイルであることを特徴とする表示装置。
  18. 【請求項18】請求項16記載の表示装置において、 前記屈折率の調整された光透過性のある物質がマッチン
    グオイルの場合に、 前記マッチングオイルと前記別の物質との間にシール材
    が介在していることを特徴とする表示装置。
  19. 【請求項19】請求項14〜18のいずれか1項に記載
    の表示装置において、 前記槽は、少なくとも該槽における透明性を有する面を
    構成する板材が、複数の分割板がマトリクス状に配列さ
    れ、互いに屈折率の調整された光透過性のある接着剤で
    固着されて構成されていることを特徴とする表示装置。
  20. 【請求項20】請求項2〜19のいずれか1項に記載の
    表示装置において、 前記表示素子の周部に光吸収部材が設けられていること
    を特徴とする表示装置。
  21. 【請求項21】請求項20記載の表示装置において、 前記光吸収部材は、前記表示素子の周部を封止する封止
    部材を兼ねることを特徴とする表示装置。
  22. 【請求項22】請求項1〜21のいずれか1項に記載の
    表示装置において、 前記表示ブロックのうち、明欠陥となっている部分に光
    吸収層が貼着されていることを特徴とする表示装置。
  23. 【請求項23】請求項22記載の表示装置において、 表示素子が、光源からの光が導入される光導波板と、該
    光導波板の一方の板面に対向して設けられ、かつ多数の
    画素に対応した数のアクチュエータ部が配列された駆動
    部を具備し、入力される画像信号の属性に応じて前記光
    導波板に対する前記アクチュエータ部の接触・離隔方向
    の変位動作を制御して、前記光導波板の所定部位の漏れ
    光を制御することにより、前記光導波板に前記画像信号
    に応じた映像を表示させる表示素子である場合に、 前記明欠陥は、前記アクチュエータ部が前記光導波板に
    対して常時接触する方向に変位していることに基づくも
    のであることを特徴とする表示装置。
  24. 【請求項24】請求項22記載の表示装置において、 前記明欠陥は、前記表示素子の構成部材の1つである光
    導波板内にある欠陥あるいは前記光源からの光が導入さ
    れる導光板内にある欠陥に基づくものであることを特徴
    とする表示装置。
  25. 【請求項25】請求項22〜24のいずれか1項に記載
    の表示装置において、 前記表示素子の光導波板上に、前記光吸収層が貼着され
    ていることを特徴とする表示装置。
  26. 【請求項26】請求項2〜25のいずれか1項に記載の
    表示装置において、 前記表示素子の裏面に、前記光透過性のある物質が前記
    表示素子の裏面側に回り込むのを防止するための堰が設
    けられていることを特徴とする表示装置。
  27. 【請求項27】2以上の表示用ブロックを配列して表示
    装置を製造するにあたって、 少なくとも各表示用ブロックの端面部分に屈折率の調整
    された光透過性のある物質を存在させながら積み上げて
    前記表示装置を製造することを特徴とする表示装置の製
    造方法。
  28. 【請求項28】請求項27記載の表示装置の製造方法に
    おいて、 前記表示用ブロックが、光導波板として表示素子の構成
    部材となる場合に、 前記表示用ブロックを用いて前記表示素子を構成した
    後、 複数の表示素子を配列して前記表示装置を製造すること
    を特徴とする表示装置の製造方法。
  29. 【請求項29】請求項27記載の表示装置の製造方法に
    おいて、 前記表示用ブロックが、その一主面に表示素子が固定さ
    れるものであって、かつ、光源からの光が導入される導
    光板である場合に、 複数の前記導光板を配列して大型の導光板を作製し、 前記大型の導光板の一主面に、1以上の表示素子を組と
    して複数組固定して前記表示装置を製造することを特徴
    とする表示装置の製造方法。
  30. 【請求項30】請求項27記載の表示装置の製造方法に
    おいて、 前記表示用ブロックが、光源からの光が導入される導光
    板と、該導光板の一主面に固定された1以上の表示素子
    とを有する場合に、 複数の前記表示用ブロックを配列して前記表示装置を製
    造することを特徴とする表示装置の製造方法。
  31. 【請求項31】請求項28〜30のいずれか1項に記載
    の表示装置の製造方法において、 前記表示素子の光導波板となる表示用ブロック又は前記
    導光板の表面にハードコーティング材を被覆することを
    特徴とする表示装置の製造方法。
  32. 【請求項32】請求項28〜31のいずれか1項に記載
    の表示装置の製造方法において、 前記表示素子の光導波板となる表示用ブロック又は前記
    導光板の端面に対してRmaxが0.3以下の鏡面加工
    を行うことを特徴とする表示装置の製造方法。
  33. 【請求項33】請求項28〜32のいずれか1項に記載
    の表示装置の製造方法において、 前記表示素子の光導波板となる表示用ブロック又は前記
    導光板を加工するにあたって、 前記表示用ブロック又は前記導光板の寸法精度を基準寸
    法100mmに対して±0.1mm以下、端面同士及び
    端面と平面の直角度を0.1mm以下、端面同士及び平
    面同士の平行度を0.1mm以下にすることを特徴とす
    る表示装置の製造方法。
  34. 【請求項34】請求項27〜33のいずれか1項に記載
    の表示装置の製造方法において、 前記屈折率の調整された光透過性のある物質として少な
    くとも接着剤を用いることを特徴とする表示装置の製造
    方法。
  35. 【請求項35】請求項27〜34のいずれか1項に記載
    の表示装置の製造方法において、 前記屈折率の調整された光透過性のある物質として少な
    くともマッチングオイルを用いることを特徴とする表示
    装置の製造方法。
  36. 【請求項36】請求項27〜35のいずれか1項に記載
    の表示装置の製造方法において、 複数の前記表示用ブロックをマトリクス状に配列するに
    先立って、 縦罫及び/又は横罫の支持材を設置し、該支持材を少な
    くとも2つの表示用ブロックで挟むように配列して前記
    表示装置を製造することを特徴とする表示装置の製造方
    法。
  37. 【請求項37】請求項36記載の表示装置の製造方法に
    おいて、 前記支持材のうち、少なくとも前記表示用ブロックの端
    面が対向する面に対してRmaxが0.3以下の鏡面加
    工を行うことを特徴とする表示装置の製造方法。
  38. 【請求項38】請求項27〜37のいずれか1項に記載
    の表示装置の製造方法において、 大型の別の導光板を用意し、 前記別の導光板の一主面に、前記表示用ブロックをその
    表示面を対向させ、これらの面の間に屈折率の調整され
    た光透過性のある物質を介在させながら、前記表示用ブ
    ロックを前記一主面に沿って配列することにより、前記
    表示装置を製造することを特徴とする表示装置の製造方
    法。
  39. 【請求項39】請求項38記載の表示装置の製造方法に
    おいて、 複数の分割導光板をマトリクス状に配列し、互いに屈折
    率の調整された光透過性のある接着剤で固着して前記大
    型の別の導光板を作製することを特徴とする表示装置の
    製造方法。
  40. 【請求項40】請求項27〜37のいずれか1項に記載
    の表示装置の製造方法において、 複数の前記表示用ブロックの配列によって構成される表
    示装置本体を、少なくとも1つの面が透明性を有する槽
    の中に収容し、 前記槽内に屈折率の調整された光透過性のある物質を充
    填して前記表示装置を製造することを特徴とする表示装
    置の製造方法。
  41. 【請求項41】請求項27〜37のいずれか1項に記載
    の表示装置の製造方法において、 透明性を有する板材の一主面に、前記表示用ブロックを
    その表示面を対向させ、これらの面の間に屈折率の調整
    された光透過性のある物質を介在させながら、前記表示
    用ブロックを前記一主面に沿って配列し、 前記板材を一構成要素とする槽を作製し、 前記槽内に前記屈折率の調整された光透過性のある物質
    を充填して前記表示装置を製造することを特徴とする表
    示装置の製造方法。
  42. 【請求項42】請求項27〜37のいずれか1項に記載
    の表示装置の製造方法において、 透明性を有する板材の一主面に、前記表示用ブロックを
    その表示面を対向させ、これらの面の間に屈折率の調整
    された光透過性のある物質を介在させながら、前記表示
    用ブロックを前記一主面に沿って配列し、 前記板材を一構成要素とする槽を作製し、 前記槽内に前記屈折率の調整された光透過性のある物質
    とは別の物質を充填して前記表示装置を製造することを
    特徴とする表示装置の製造方法。
  43. 【請求項43】請求項41又は42記載の表示装置の製
    造方法において、 複数の分割板をマトリクス状に配列し、互いに屈折率の
    調整された光透過性のある接着剤で固着して前記板材を
    作製することを特徴とする表示装置の製造方法。
  44. 【請求項44】請求項28〜43のいずれか1項に記載
    の表示装置の製造方法において、 前記表示素子の周部に光吸収部材を設ける工程を有する
    ことを特徴とする表示装置の製造方法。
  45. 【請求項45】請求項44記載の表示装置の製造方法に
    おいて、 前記光吸収部材は、前記表示素子の周部を封止する封止
    部材を兼ねることを特徴とする表示装置の製造方法。
  46. 【請求項46】請求項27〜45のいずれか1項に記載
    の表示装置の製造方法において、 前記表示ブロックのうち、明欠陥となっている部分に光
    吸収層を貼着する工程を有することを特徴とする表示装
    置の製造方法。
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