JP2001342978A - スクロール流体機械の駆動軸 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】スクロール流体機械において、モータ直結構成
にあって軸方向の長さ寸法を最大限に縮小し、部品点数
と部品数を出来るだけ少なくし、大幅なコストダウンを
計画し実行できることを目的とした。 【解決手段】駆動軸の駆動軸部の中心にモータ軸１１を
嵌入し、その外径にケーシング１に固定する軸受５を１
ヵ所設け、並列にバランスウェイト７を嵌着させ、前
記、軸受５の内輪を固定させ偏心軸部２Ａをすぐ隣接に
設け、モータ端面より流体機械端面迄を大幅に短縮させ
る構成にした。 【効 果】流体機械全体の軸方向長さを大幅に縮小で
き、更に軸受固定間隔を短く設定できたので、運転の安
定性が向上し、軸受１ケとカップリングをなくすること
ができ大幅なコストダウンができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ブロワや真空ポン
プに用いられる揺動式スクロール流体機械の駆動軸構成
に関する。

【０００２】

【従来の技術】揺動式スクロール流体機械は、円を基準
とするインボリュート曲線によるスクロールを構成する
形式と、半円弧の組合せ合成にて構成する円弧スクロー
ルの形式があるが、両形式ともケーシングに固定スクロ
ールを装着し、この固定スクロールに係合する揺動スク
ロールを、偏心軸を備えた駆動軸の揺動で構成される三
日月形の圧縮室を外周より中心に向かって、順次圧縮す
る構造になっている。これらのメカニズムをモータを中
心として連結し、稼働させる一般的な方法は従来の技術
として、図３はブロワを例としての構成を示したもの
で、駆動源の１０モータを２Ｂ駆動軸を介して、２Ａ偏
心軸にて３揺動スクロールを揺動させるには、１１Ａフ
レキシブルカップリングで連結する構成とした必要性か
ら１ケーシングには間隔を保った５、６軸受を装備し、
その軸受間に７バランスウェイトを嵌着させ全体構成を
保っている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の技術に示したも
のは、駆動する種々なる問題、例えば振動や偏心軸部の
ミソすり現象をなくする為の手段であるが、一方コスト
は重要視されておらず、１０モータと３揺動スクロール
迄の連結が、極めて長いスパンを保たれ、且、５、６軸
受ハウジングの加工精度や、１１Ａフレキシブルカップ
リング等コストが掛る構成となっている。本発明はこれ
らのコスト要因を排除すると共に運転駆動精度や加工精
度も保てることを主眼とする課題を構成するものであ
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前項に記した課題を解決
する手段として１０モータと３揺動スクロールとの装着
間隔を最も短い構成とすると共に、１ケーシングより２
駆動軸の安定回転を保つ５軸受を１ヵ所にし、１１Ａフ
レキシブルカップリングを無くして、２駆動軸中心に直
接、１１モータ軸を嵌合、固定し、２Ａ偏心軸を備えた
２駆動軸が短く構成すると共に安定した揺動機能を有す
る構成を、請求項１の発明とした。

【０００５】

【作用】前記、課題を解決する手段に示した構成による
作用にあって、従来構造は図３に示すように、ケーシン
グに一定の間隔をあけて２つの軸受で駆動軸を支承する
構造のため、両軸受間の寸法精度と、そこに嵌入する駆
動軸の支承寸法との精度保持が厳しく精度を要求され
る。更に、バランスウェイトが２つの軸受の中間に嵌着
されるので、軸方向固定が、ケーシングに作業孔を大き
くあけて行なわれないと取り付けられない欠点をもって
いる。その上全体に駆動軸が長くなり、その分だけ材料
費、加工費等コストアップになる。然るに本発明はケー
シングで駆動軸を保持する軸受は１ヵ所であり、精度を
出しやすいのは勿論のこと、駆動軸の駆動軸部は２つの
構成をもち１つは中心にモータ軸を嵌入、固定する孔部
を構成し、更に該駆動軸部の外径は、前記した軸受を支
承すると共に、軸方向並列にバランスウェイトをケーシ
ングのモータ装着部より簡単に嵌装できる。その上駆動
軸の偏心軸部は、このケーシング軸受支承のところから
最短の位置に構成されているのと、フレキシブルカップ
リングを付帯せずに計画しているのとを合せて、軸方向
構成の全体は極めて短かく成している。このことは、材
料費も少なく、加工費も安価で従来構造に比較し、特段
のコストダウンになっている。

【０００６】

【実施例】図１、２の参照による実施例にて構成を説明
する。図１は本発明のスクロール流体機械をブロワとし
た実施例で、構成全体を表し、８吸入クリーナより吸気
した流体は、３揺動スクロールが１２ピンクランクで自
転を防止し、２駆動軸に偏心して連なる２Ａ偏心軸が、
ｍ偏心量を半径として旋回することにより、４固定スク
ロールと係合して揺動し、吸入した流体を９吐出口より
吐出する構成を示している。図２は駆動軸を中心とした
構成を拡大した断面で表したもので、２駆動軸の内部中
心には１１モータ軸を嵌入固定し、外径には１ケーシン
グに取付けた５軸受を嵌装し、モータ軸受（図示せず）
と相俟って、２駆動軸が軸方向に移動せぬよう固定して
いる。５軸受には並列に７バランスウェイトを嵌着し
て、５軸受の内輪を固定している。２駆動軸にはｍ偏心
量を介して、５軸受と隣接するように２Ａ偏心軸を設
け、３揺動スクロールを２つの軸受で揺動に支承してい
る。４は固定スクロールで３揺動スクロールと係合構成
に装着する。本発明は実施例に示す如く、１１モータ軸
と５軸受並びに７バランスウェイトを短い軸方向スペー
ス内に合理的に簡単に構成しており、従ってモータ端面
よりスクロール吐出側端面迄の寸法を従来の構造では考
えられない程、短く設定されている。

【０００７】

【発明の効果】以上の如く本発明によれば、駆動軸の構
成における駆動軸部が中心と外径の二つの軸方向にモー
タ軸とケーシング軸受固定、並びにバランスウェイトと
小さな軸方向スペースに、重要メカニズムを構成してい
ることによって、流体機械全体の軸方向長さを縮小する
ことができる。更に、軸受固定間隔を短くできることに
よって振動が少なく、運転安定性が向上する。又最も優
位なことは駆動軸の加工費が僅少ですみ、ケーシング固
定の軸受が１ヵ所にできたこと及び、フレキシブルカッ
プリングの使用が必要ないこと等により、従来型と比較
し、大幅なコストダウンができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係わる揺動式スクロール流体機械の
ブロワとしての全体構成図。

【図２】 本発明に係わる図１の駆動軸の構成拡大図。

【図３】 従来構造の揺動式スクロール流体機械のブロ
ワとしての全体構成図。

【符号の説明】

１………ケーシング ２………駆動軸 ２Ａ……駆動軸の偏心軸部 ３………揺動スク
ロール ４………固定スクロール ５………軸受 ６………第２軸受（従来構造） ７………バランス
ウェイト ８………吸入ストレーナ ９………吐出口 １０………モータ １１………モータ
軸 １２………ピンクランク １３………作業孔 ｍ………偏心量

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】固定スクロール、揺動スクロール、ケーシ
   ング及び偏心軸をもった駆動軸と各軸受より成り、固定
   スクロールと係合する揺動スクロールは、駆動軸上で一
   定の偏心量を半径として揺動運動を行う偏心軸を中心に
   ボス部を備えた構成とし、係合する両スクロールラップ
   部を、固定スクロールの外周より中心部に移動させて、
   圧縮室を構成する揺動式スクロール流体機械にあって、
   偏心軸をもった駆動軸の駆動軸部には中心にモータ軸を
   嵌合して固定し、該、駆動軸部外径にはケーシングに固
   定する軸受を嵌入すると共に、並列にバランスウェイト
   を嵌着して軸受の内輪を固定し、駆動軸部よりスクロー
   ルの偏心量ｍを偏心させた偏心軸部を、該、駆動軸部よ
   り延長して構成すると共に、偏心軸部には揺動スクロー
   ルを嵌装し、揺動する構成としたことを特徴とする揺動
   式スクロール流体機械の駆動軸。