JP2001340830A - ゴミ溶融スラグの結晶化方法 - Google Patents

ゴミ溶融スラグの結晶化方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難結晶化ガラスであるゴミ溶融スラグを少量
の添加成分を加えて焼成することにより結晶化し、資源
として活用できるようにしたゴミ溶融スラグの結晶化方
法を提供する。 【解決手段】 ゴミ溶融スラグに二酸化チタン1〜5w
t%を添加して混練した後、750〜1500℃の温度
で焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難結晶化ガラスで
あるゴミ溶融スラグを少量の添加成分を加えて焼成する
ことにより結晶化し、資源として活用できるようにした
ゴミ溶融スラグの結晶化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自治体のゴミ処理場に集積される一般ゴ
ミは焼却により大幅に減容されて埋め立て処分されてい
たが、このままでは酸性雨等の影響で燃焼灰中の有害物
質(重金属類等)が溶出するため、周辺環境への汚染を
防止するための処理や工事が義務づけられていた。しか
し、最終処分場の残余容量の低減からより一層の減容化
が求められ、またダイオキシン類の分解等を含めた汚染
防止、無害化を目的として、各種の灰溶融炉を用いてゴ
ミの焼却灰を約1200〜1500℃の高温で溶融し、
これを水中で急冷してスラグ化する灰溶融処理が行われ
ている。こうして得られるゴミ溶融スラグは、化学的性
状が安定であって重金属類等が封じ込められ、少なくと
も重金属類の溶出量は土壌環境基準や埋め立て基準を満
足することが多くの文献等にて報告されていた。しか
し、このゴミ溶融スラグは急冷して得られる水砕スラグ
であるため、ガラス質化した粒子が団粒化して極めても
ろく容易に細粒化してしまう。また、ゴミ溶融スラグの
性状は、焼却するゴミの性状に依存して変動してしま
う。さらに、ゴミ溶融スラグ中には、ゴミの分別収集等
の事前処理が行われていてもある程度の不純物の混入が
避けられない。そのため、そのまま路盤材や埋め戻し材
に利用することが安全面で危惧され、より安全性を得る
ためにアスファルト混合物の骨材として利用することが
なされている。即ち、ゴミ溶融スラグをアスファルトコ
ーティングすることにより重金属類の溶出を防止しよう
とする試みがなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ゴミの
性状の多様化の影響のためか、もろいゴミ溶融スラグが
容易に粉砕、細粒化してしまうためか、或いはより進行
した酸性雨等の影響のためか、近年の研究ではこのゴミ
溶融スラグから銅、鉛、亜鉛等の重金属類が溶出するこ
とが明らかになっている。また今後、環境保全を目的と
してより厳しい基準が設定されることを考慮すると、よ
り確実にゴミ溶融スラグ中に含まれる重金属類の溶出を
防止する方法が求められていた。
【0004】一方、前記水砕スラグに対して、空冷スラ
グは、ゴミの焼却灰を溶融した高温のゴミ溶融スラグを
溶融炉から直接空冷コンベア又は容器に受け、自然冷却
させるものである。この空冷スラグは、前記水砕スラグ
に比較して強度が高いため、破砕したのち粒度調整すれ
ば、舗装材料等への再利用が可能となることが報告され
ている。しかし、この空冷スラグでは、高温のゴミ溶融
スラグをそのまま取り出すため取扱いが難しく、装置も
大型となるという問題があった。
【0005】また、徐冷スラグは、ゴミの焼却灰を溶融
した高温のゴミ溶融スラグを保温しながら徐冷させる
か、或いは水砕スラグを再加熱して徐冷させるものであ
る。この徐冷スラグは、天然骨材とほぼ同等の物性を有
する硬質の結晶体である。しかし、この徐冷スラグで
は、冷却速度と結晶化度の間に指数的な相関があり、徐
冷時間が極めて長く、コスト高となり、装置も複雑で大
型のものとなるという問題があった。また、常に同一の
結晶化度を持ったスラグを作成することが難しいという
問題もあった。
【0006】さらに、ゴミ溶融スラグを結晶化すること
は、重金属類を固溶させ、結晶格子内に封じ込めること
ができると考えられるため、さらなる結晶化の研究が進
められている。しかし、ゴミ溶融スラグは難結晶化ガラ
スであり、容易に結晶化しないことが知られ、現段階の
研究ではケイ砂(SiO2)や石灰石(CaCO3)、芒硝
(Na2SO4)、硫化鉄(FeS)等の添加成分を20〜
50wt%も配合して漸く結晶化しているに過ぎない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記に鑑み提案
されたもので、添加成分が極めて少なく、且つ冷却・固
化方式(水冷、空冷、徐冷)を問わないゴミ溶融スラグ
の結晶化方法を提案するものであって、ゴミ溶融スラグ
に二酸化チタン1〜5wt%を添加して混練した後、7
50〜1500℃の温度で焼成することを特徴とする。
尚、焼成は750〜1100℃の温度でも良く、熱エネ
ルギー的な見地からはこちらの方が望ましい。後述する
実施例においてはこの条件にて行った。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に適用されるゴミ溶融スラ
グは、自治体のゴミ処理場に集積される一般ゴミの焼却
灰を、1200〜1500℃の高温で溶融し、これを水
中で急冷してスラグ化したものであり、一般的にガラス
ビーズ状などとして供され、都市ゴミ溶融スラグともい
われる。一般的なストーカ方式のゴミ焼却施設炉から排
出されるゴミ焼却灰は、含有水分と金属塩以外では、主
成分的にはSiO2とCaO及びAl23であり、自然石に
類似した成分的な特性を有する。その他、若干量の焼却
未燃物(カーボン)と金属酸化物及び金属塩類が含有さ
れている。これを高温で保持して溶融させると、火山噴
火口のマグマ状の物質となり、水槽にて急冷して砂状の
水砕スラグ(ゴミ溶融スラグ)を得ることができる。こ
の水砕スラグは、各成分が化合物レベルでの結合をとっ
た人工鉱物である。
【0009】このゴミ溶融スラグを、表面積を大きくし
て焼成時の反応性を高めるため、粉砕してふるいにか
け、さらにセラミック鉢等を用いて細かく粉砕したもの
を用いる。ふるいは149μm(100メッシュ)程度
のもので行えば良く、最初から十分に細かい粉末が得ら
れるような粉砕装置を使用するならば、ふるい工程は省
略しても構わない。
【0010】本発明に用いる二酸化チタン(TiO2
は、核形成促進剤として知られているが、そもそも核形
成促進剤(nucleation agent)とは、ガラスを軟化変形
することなく微細な結晶粒子の集合体に変化させる作用
を果たすもので、特に二酸化チタンは高温でガラス融液
の粘性を高めず、寧ろガラスの溶融をし易くする作用を
示す。
【0011】本発明の結晶化方法の一例を図1のフロー
チャートに示す。まず粉砕、ふるい、再粉砕をしたゴミ
溶融スラグに、二酸化チタン1〜5wt%を添加して混
練するが、混練はセラミック鉢等を用いて行えばよい。
続いて750〜1500℃の温度で焼成し、アノーサイ
ト(灰長石)、ゲーレナイト、オージャイト(輝石)、
ヘマタイト(赤鉄鉱)から構成される結晶相が得られ
る。二酸化チタンを添加しない場合には、750〜15
00℃、1〜6時間の何れの条件の焼成を施しても結晶
相は観察されず、X線的に非晶質を示す。また、二酸化
チタンの添加量を5wt%より多くしても結晶化は殆ど
変わらないので、コスト的には無駄になる。より好まし
くは二酸化チタンを3wt%程度添加し、結晶化温度は
800℃付近とする。そして冷却するのであるが、水冷
でも空冷でも徐冷でも良い。
【0012】このように本発明のゴミ溶融スラグの結晶
化方法は、難結晶性ガラスであるゴミ溶融スラグを少量
の添加成分(二酸化チタン)とともに焼成することによ
り結晶化することができるので、銅、鉛、亜鉛等の重金
属類が結晶相に固溶し、結晶格子内に封じ込まれ、その
溶出を抑制し、安定化させることができる。また、本発
明は、焼成時間も短く、長時間にわたる徐冷を必要とせ
ず水冷等の冷却でもよいので、単位時間当りの処理量が
極めて大きいものである。さらに、本発明より得られる
結晶化物(焼成体)は、原材料であるゴミ溶融スラグの
うちの水冷スラグや空冷スラグ等に比べて強度が高く、
そのまま路盤材や埋め戻し材に利用することもできる
し、アスファルト混合物やコンクリート混合物の骨材と
して利用することもできる。
【0013】
【実施例】 1.原材料 ゴミ焼却灰溶融スラグ :前田道路株式会社 二酸化チタン(TiO2)、試薬特級:片山化学株式会社
【0014】 2.実験装置 電気炉 :明文館機器興業(株)製 プログラム電気炉 内寸法 W100×H100×D100 使用温度 通常1000℃ 最高1500℃ 発熱体 シリコニット A8-2L ヤマト科学(株)製 Muttle Furnace FM37 ヤマト科学(株)製 Muttle Furnace FM38 KOYO社製 高温用マッフル炉 TKM-1 DRY OVEN:ヤマト科学(株)製 ドライオーブン DS-42 使用温度 40℃〜 250℃ X線解析システム:マックサイエンス(株) MXP3システム 示差熱分析装置 :理学電気社製 熱天秤(TG)及びDTA共用装置 横河北辰電気社製 Type3066フラットヘッドペンレコーダ
【0015】3.原料の調合 前記ゴミ焼却灰溶融スラグを粉砕し、100メッシュの
ふるいにかけ、さらにセラミック鉢を用いて細かく粉砕
した。次に、二酸化チタン(TiO2)を0(無添加)、
1、2、3、4、5wt%の割合で添加し、セラミック
鉢で十分に混練した。
【0016】4.結晶化(焼成) 調合された原料をアルミナボートを用いて750〜11
00℃の範囲で50℃ごとに電気炉で焼成し、室温にて
放冷した。焼成条件は、大気圧下、焼成時間4時間であ
る。また、二酸化チタンを3wt%添加したものについ
ては、焼成時間による結晶化の進行状態を見るために、
1000℃で、15、30、45、60、120、18
0、240分の各時間ごとに電気炉で焼成した。
【0017】5.粉末X線回折 得られた焼成体をセラミック鉢で細かく粉砕し、X線回
折装置にかけ粉末X線図により同定を行った。回折条件
は以下に示すとおりである。 マックサイエンス MXP3システム Target :Cu/1.54050Å Filter :Ni Monochrometer :use Voltage :40KV Current :20mA Scale :auto scale Scanning Speed :4.000deg/min Samoling Width :0.020deg Slit :1.000deg,0.30nm,1.000deg
【0018】6.示差熱分析(DTA) 示差熱分析で用いた条件は以下に示すとおりである。 TG−DTA試料ホルダユニット部 示差熱電対 高温型 PtPh13%-Pt-PtPh13% 使用温度範囲 低温型〜1100℃ 使用ホルダー 白金ホルダー 天秤制御回路部 DTA RANGE 100±μV UPPER PRESET 41.96mV HEATING RATE 10K/min ペンレコーダーチャート部 DTA RANGE 0.5mV UPPER PRESET 2.5mV/cm CHART SPEED 20cm/h
【0019】7.結果及び考察 〔粉末X線回折(XRD)〕前記のように粉末X線回折
を行い、その結果を図2〜9に示す。尚、同定の結果、
晶出した主な結晶はヘマタイト(Hematite[Fe
23])、オージャイト(Augite[Ca(Fe,Mg)SiO2
6])、アノーサイト(Anorthite[CaAl2Si
28])、ゲーレナイト(Gehlenite[Ca2Al2Si
7])であった。この同定結果は都市ゴミ溶融スラグ
の主成分であるCaO-Al23-SiO2三成分系の相平衡
図からも推測される。この三成分系の相平衡図を図11
に示す。
【0020】二酸化チタン無添加(0wt%添加)の都
市ゴミ溶融スラグを焼成しても全ての条件(750〜1
100℃、1〜6時間)で結晶相は認められず、X線的
に非晶質を示した。(図2)
【0021】二酸化チタンを1、2wt%添加して焼成
した場合にはともに800℃までの焼成温度ではX線的
に非晶質であったが、850℃で焼成したところ、ヘマ
タイトとオージャイトが晶出しており、結晶化温度は8
00〜850℃の間であると考えられる。また、900
℃で焼成すると、さらにアノーサイトとゲーレナイトが
確認された。(図3、4)
【0022】二酸化チタンを3wt%添加して焼成した
場合には、750℃までの焼成温度ではX線的に非晶質
であったが、800℃で焼成したところ、ヘマタイトと
オージャイトが晶出し始め、850℃付近ではアノーサ
イトが、900℃付近ではゲーレナイトが確認された。
(図5)
【0023】二酸化チタンを4、5wt%添加して焼成
した場合には、3%添加した場合と同様に750℃まで
の焼成温度ではX線的に非晶質であったが、800℃で
ヘマタイトが晶出し始め、850℃付近ではオージャイ
トが、900℃付近ではアノーサイト、ゲーレナイトが
確認された。(図6、7)
【0024】二酸化チタンを1〜5wt%添加した焼成
体の結晶化温度を比較するために、800℃の焼成温度
でのXRD結果を図8にまとめて示す。二酸化チタンを
1、2wt%添加して焼成した場合は、非晶質を示して
おり、結晶化してないことがわかる。二酸化チタンを3
〜5wt%添加して焼成した場合は、何れも800℃で
ヘマタイトを晶出しており、オージャイトを確認するこ
とができたのは二酸化チタン3wt%添加した場合のみ
であった。
【0025】二酸化チタンを1〜5wt%添加した何れ
の場合においても900℃以上の焼成温度ではX線的に
はピークの変化は殆ど見られず、900℃以上において
は結晶化の進行状態は二酸化チタンの添加量に依存しな
いといえる。しかし、都市ゴミ溶融スラグのより低温で
の結晶化、即ちより低いエネルギーの処理が望ましいこ
とを考慮すると、800℃の焼成温度でヘマタイト、オ
ージャイトを晶出した二酸化チタン3wt%添加の場合
が最も適しているといえる。
【0026】次に、1000℃で15〜240分の焼成
条件にて得られた焼成体のXRD結果を図9に示す。こ
の結果より、焼成時間の違いによるピークの変化は確認
できなかったが、それぞれの焼成体を比較したところ、
焼成時間が長くなるほど焼成体の色が赤茶色から黄土色
に変化しており、強度も明らかに焼成時間が長くなるほ
ど増していた。
【0027】〔示差熱分析(DTA)〕前記のように示
差熱分析を行い、その結果を図10に示す。この結果よ
り、900℃付近で発熱ピークが確認された。固体反応
において低温安定相から高温安定相への転移現象の場合
は吸熱を示し、ガラスなどの非晶質な物質の結晶化の場
合は発熱を示すとされている。またガラス転移点でも発
熱を示す。そのため、この900℃付近での発熱ピーク
は、結晶化によるものと推測されるが、しかし、先に述
べたように二酸化チタン無添加の都市ゴミ溶融スラグに
750〜1100℃、1〜6時間の焼成を施しても、X
RD結果より非晶質であり、結晶相は認められなかった
ため、この発熱ピークはガラス転移点に相当するもので
あると考えられる。二酸化チタンを1〜5wt%添加し
た都市ゴミ溶融スラグの示差熱分析結果を図10にまと
めて示す。二酸化チタンを1〜5wt%添加した場合は
全て共通して900℃付近で発熱ピークが確認され、二
酸化チタン3〜5wt%添加した場合については730
℃付近に吸熱ピークが確認された。まず、900℃での
発熱ピークについては、この発熱ピークは二酸化チタン
無添加の都市ゴミ溶融スラグの発熱ピークと一致してい
る。一方、XRD結果より二酸化チタンを添加した場合
は結晶化しており、二酸化チタンを添加しても示差熱分
析では動的加熱を行うので結晶化時間が十分でなく、そ
のため無添加の場合と同様にガラス転移点を捕らえてい
るものと推測される。730℃付近での吸熱ピークにつ
いては、二酸化チタンの相平衡図より、おそらく二酸化
チタンのアナターゼ(anatase)からルチル(rutile)へ
の相転移によるものであると考えられる。二酸化チタン
の相平衡図を図12に示す。尚、実験は750〜110
0℃の温度で行った。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明のゴミ溶融ス
ラグの結晶化方法は、難結晶化ガラスであるゴミ溶融ス
ラグを少量の添加成分(二酸化チタン)とともに焼成す
ることにより結晶化し、しかも従来の空冷スラグや徐冷
スラグのように大型の処理装置を必要としないし、長時
間にわたる冷却を必要とせず水冷等の冷却でもよいの
で、単位時間当りの処理量が極めて大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の結晶化方法の一例を示すフローチャー
トである。
【図2】実施例における粉末X線回折(XRD)結果
(TiO2無添加)を示すチャートである。
【図3】実施例における粉末X線回折(XRD)結果
(TiO21wt%添加)を示すチャートである。
【図4】実施例における粉末X線回折(XRD)結果
(TiO22wt%添加)を示すチャートである。
【図5】実施例における粉末X線回折(XRD)結果
(TiO23wt%添加)を示すチャートである。
【図6】実施例における粉末X線回折(XRD)結果
(TiO24wt%添加)を示すチャートである。
【図7】実施例における粉末X線回折(XRD)結果
(TiO25wt%添加)を示すチャートである。
【図8】実施例における粉末X線回折(XRD)結果
(TiO21〜5wt%添加,焼成温度800℃)を示す
チャートである。
【図9】実施例における粉末X線回折(XRD)結果
(焼成温度1000℃,焼成時間15〜240分)を示
すチャートである。
【図10】実施例における示差熱分析(DTA)結果
(TiO20〜5wt%添加)を示すチャートである。
【図11】CaO-Al23-SiO2三成分系の相平衡図で
ある。
【図12】Ti−TiO2系の相平衡図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F23G 5/00 115 B09B 3/00 ZAB Fターム(参考) 3K061 AB03 AC03 BA01 BA08 BA10 DA03 DA14 4D004 AA43 AB03 AB07 BA02 CA04 CA29 CA30 CB13 CB32 CC11 DA03 DA06 DA10 DA11 4G012 JD03 JE02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴミ溶融スラグに二酸化チタン1〜5w
    t%を添加して混練した後、750〜1500℃の温度
    で焼成することを特徴とするゴミ溶融スラグの結晶化方
    法。
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