JP2001340314A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置

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JP2001340314A JP2000163313A JP2000163313A JP2001340314A JP 2001340314 A JP2001340314 A JP 2001340314A JP 2000163313 A JP2000163313 A JP 2000163313A JP 2000163313 A JP2000163313 A JP 2000163313A JP 2001340314 A JP2001340314 A JP 2001340314A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】静磁場不均一が大きい場合でも適切なアンラッ
プの開始点を決定し、オフセットのない静磁場不均一分
布図を得る磁気共鳴イメージング装置を実現する。 【解決手段】2つの異なるエコー時間TE1、TE2か
ら、画像データS1、S2の互いの位相差分画像602
を得る。この位相差分画像602を静磁場不均一の値が
0となる位置を検出する。画像データS1の位相と、画
像データS2の位相とが共に0とる位置を探し、位相差
分画像602の静磁場不均一の値が0となる位置のう
ち、画像データS1の位相と、画像データS2の位相が
0とが共に0となる位置をアンラップ処理の開始点に設
定する。これにより、静磁場不均一が大きい場合であっ
ても、適切なアンラップの開始点を決定し、オフセット
のない静磁場不均一分布図を得ることが可能な磁気共鳴
イメージング装置を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核磁気共鳴を用い
る磁気共鳴イメージング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、典型的な磁気共鳴イメージング装
置(MRI装置)の構成を図5を参照して説明する。図
5において、磁気共鳴イメージング装置は、被検体30
1の周囲に静磁場を発生する磁石302と、被検体30
1の周囲空間に傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル30
3と、この空間領域に高周波磁場を発生するRFコイル
304と、被検体301が発生するMR信号を検出する
RFプローブ305とを備える。
【0003】傾斜磁場コイル303は、X、Y、Zの3
方向の傾斜磁場コイルで構成され、傾斜磁場電源309
からの信号に応じてそれぞれ傾斜磁場を発生する。ま
た、RFコイル304はRF送信部310の信号に応じ
て高周波磁場を発生する。RFプローブ305からの信
号は、信号検出部306で検出され、信号処理部307
で信号処理され、計算により画像信号に変換される。信
号処理部307で変換された画像は表示部308で表示
される。
【0004】また、傾斜磁場電源309、RF送信部3
10、信号検出部306は、制御部311で、その動作
が制御され、制御のタイムチャートは一般にパルスシー
ケンスと呼ばれている。なお、ベッド312は被検体3
01が横たわるためのものである。
【0005】現在、MRI装置の撮影対象は、臨床で普
及しているものとしては、被検体の主たる構成物質、プ
ロトンである。プロトン密度の空間分布や、励起状態の
緩和現象の空間分布を画像化することで、人体頭部、腹
部、四肢等の形態または、機能を2次元もしくは3次元
的に撮影する。
【0006】次に、撮影方法を説明する。傾斜磁場によ
り異なる位相エンコードを与え、それぞれの位相エンコ
ードで得られるエコー信号を検出する。位相エンコード
の数は通常1枚の画像あたり128、256、512等
の値が選ばれる。各エコー信号は通常128、256、
512、1024個のサンプリングデータからなる時系
列信号として得られる。これらのデータを2次元フーリ
エ変換して1枚のMR画像を作成する。
【0007】MRI装置では、磁石302で発生してい
る静磁場は被検体301の周囲の空間で均一であること
が理想である。しかし、磁石302に歪みがある場合に
は、発生した静磁場自身に不均一が存在することがあ
る。また、被検体301を挿入したときに、被検体30
1の部位ごとに帯磁率が異なることによって静磁場に不
均一が生じることもある。
【0008】MRIの視野(Field of Vie
w:FOV)での静磁場の不均一はMR信号の周波数を
変化させ、得られた画像に位置ずれや流れ等の画質劣化
を引き起こす。
【0009】また、静磁場の不均一により、画像の位相
が変化するため、画像間で複素演算を行う場合、特にD
ixon法と呼ばれる水−脂肪分離法を行う場合に、正
しい結果が得られなくなる。
【0010】そこで、付加的なコイル(シムコイル)を
用いてFOV内の静磁場の不均一を直接補正するオート
シミングを行ったり、画像に後処理を施して静磁場不均
一の影響を補正したりする。
【0011】いずれの場合においても、FOV内で静磁
場の不均一がどのような状態になっているかを知る必要
がある。FOV内で静磁場の不均一は画像の位相となっ
て表れるため、画像の位相からFOV内での静磁場不均
一の分布を知ることができる。
【0012】なお、静磁場不均一の分布図の作成法につ
いては、「“Rapid in Vivo Proto
n Shimming”;Erika Schneid
erand Gary Glover;Magneti
c Resoance in Medicine,Vo
l.18,335−347(1991)」、「“MR
Susceptibility Misregistr
ation Correction”;Thilaka
S.Sumanaweera et al.;IEE
E Transactions on Medical
Imaging, Vol.12,251−259
(1993)」等に記載されている。
【0013】スピンエコー(SE)シーケンス、あるい
はグラジエントエコー(GrE)シーケンスで、エコー
時間(TE)を変えて2回撮影を行う。マルチエコータ
イプのSE、GrEシーケンスで、2つのエコーを発生
させ、1回の撮影で済ませてもよい。
【0014】それぞれのエコー時間TEをTE1、TE
2とすると、TE=TE1の画像の位相とTE=TE2
の画像の位相との差分を取ることによって、静磁場不均
一の分布図が得られる。位相は−πから+πまでの値で
あれば、一義的に決定される。
【0015】しかし、静磁場不均一が大きかったり、エ
コー時間TE1とTE2との時間間隔が開いていたりし
て、ある位置での位相が−π以下、あるいは+π以上に
なった場合には、その位置での位相値が折り返されて−
πから+πまでの値が得られてしまう。
【0016】上述した様子を図6に示す。図6におい
て、横軸は位置を示し、縦軸は静磁場不均一による位相
の回転量を表している。101がFOV内の静磁場不均
一による位相回転量の分布を示す。
【0017】図6に示すように、位相値が+π以上とな
っている102で示す部分は折り返されて103で示す
値を取る。また、−π以下である104、105で示す
部分は折り返されて、それぞれ106、107で示す値
となり、位相値に不連続な飛びが生じる。
【0018】しかし、実際の磁場では不連続な飛びが生
じることはありえない。そこで、不運続な飛びを除去
し、滑らかな静磁場不均一分布図を得るために、アンラ
ップ(巻き戻し)処理を行う。
【0019】アンラップ処理の方法は、上記の文献でも
触れてあるが、それら以外にも次に示す文献に記されて
いる。 「“Direct Calculation of W
rap−Free Phase Image”;M.P
atel and X.HU;Proceedings
of Annual Meetings of th
e Society of Magnetic Res
onance in Medicine(=SMR
M),No.721,1993」,「“Phase u
nwrapping in the Three−po
int Dixon Methodfor Fat S
uppresion MR Imaging”;Jer
zySzumowski et al.;Radiol
ogy,Vol.192,555−561(199
4)」。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した文
献に示されたアンラップ処理方法では、いずれも、シー
ドといわれるアンラップ処理の開始点を撮影者が決定す
ることになっているが、アンラップ開始点決定方法の詳
細には触れられていない。
【0021】しかし、例えば、操作者が画像を見て、定
性的にアンラップ開始点を決定する方法は、静磁場不均
一が比較的小さく、位相が折り返されている箇所が空間
のほんの一部であり、その部分で折り返されていること
が定性的に明らかな場合にのみ有効である。
【0022】そのうえ、静磁場不均一が大きい場合は位
相が折り返されている箇所が空間の大部分を占め、さら
に、位相が2重、3重に折り返されていることがあり、
どこがアンラップの開始点にふさわしいか、位相画像を
見ただけで定性的に決めることができない。
【0023】しかも、アンラップの開始点を誤ると、得
られた静磁場不均一分布図に2π、4π、・・・のオフ
セットがのってしまう。オフセットがのった静磁場不均
一分布図を用いた補正では、予想した効果が得られなか
ったり、逆に画質が劣化する可能性がある。
【0024】特に、Dixon法では、演算の結果、水
画像と脂肪画像とが逆に得られることがあり、考慮が必
要である。
【0025】本発明の目的は、静磁場不均一が大きい場
合であっても、適切なアンラップの開始点を決定し、オ
フセットのない静磁場不均一分布図を得ることが可能な
磁気共鳴イメージング装置を実現することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は次のように構成される。 (1)被検体から発生される磁気共鳴信号を検出する信
号検出部と、この信号検出部が検出した磁気共鳴信号に
所定の信号処理を行う信号処理部とを備える磁気共鳴イ
メージング装置において、上記信号検出部は、エコー時
間が互いに異なる第1の磁気共鳴信号と第2の磁気共鳴
信号とを検出し、上記信号処理部は、上記検出された第
1の磁気共鳴信号と第2の磁気共鳴信号とから第1の画
像データと第2の画像データとを算出するとともに、第
1の画像データと第2の画像データとの位相差分データ
を算出し、算出した位相差分データと、第1の画像デー
タと、第2の画像データとの3種類のデータに基づいて
アンラップ処理の開始点を決定し、アンラップ処理を行
う。
【0027】(2)好ましくは、上記(1)において、
上記信号処理部は、上記位相差分データからアンラップ
処理の開始点を複数選出し、選出した複数のアンラップ
処理の開始点のうちから、上記第1の画像データと第2
の画像データとを用いて、1つのアンラップ処理の開始
点を決定する。
【0028】(3)また、好ましくは、上記(1)又は
(2)において、静磁場不均一の値が0又は0に近い値
をアンラップ処理の開始点と定める。
【0029】(4)また、好ましくは、上記(3)にお
いて、上記静磁場不均一の値が0又は0に近い点は、位
相差分データが0又は0に近い位置のうち、上記第1の
画像データの位相及び第2の画像データの位相が0又は
0に近い位置と定める。
【0030】(5)被検体から発生される磁気共鳴信号
を検出する信号検出部と、この信号検出部が検出した磁
気共鳴信号に所定の信号処理を行う信号処理部とを備え
る磁気共鳴イメージング装置において、上記信号検出部
は、エコー時間が互いに異なる第1の磁気共鳴信号と第
2の磁気共鳴信号とを検出し、上記信号処理部は、上記
検出された第1の磁気共鳴信号と第2の磁気共鳴信号と
から第1の画像データと第2の画像データとを算出する
とともに、第1の画像データと第2の画像データとの位
相差分データを算出し、第1の画像データの絶対値画像
と第2の画像データの絶対値画像との比を算出し、上記
位相差分データが0又は0に近い点であって、算出した
比のうちの相対的に大きい値を示す点を、アンラップ処
理の開始点と決定し、アンラップ処理を行い、静磁場不
均一の分布図を作成し、作成した分布図を用いて静磁場
不均一が画像処理に及ぼす影響を補正する。
【0031】(6)被検体から発生される磁気共鳴信号
を検出する信号検出部と、この信号検出部が検出した磁
気共鳴信号に所定の信号処理を行う信号処理部とを備え
る磁気共鳴イメージング装置において、上記信号検出部
は、エコー時間が互いに異なる第1の磁気共鳴信号と第
2の磁気共鳴信号とを検出し、上記信号処理部は、上記
検出された第1の磁気共鳴信号と第2の磁気共鳴信号と
から第1の画像データと第2の画像データとを算出する
とともに、第1の画像データと第2の画像データとの位
相差分データを算出し、算出した位相差分データと、第
1の画像データと、第2の画像データの位相回転量が共
に実質的に0となる位置を求める。エコー時間が互いに
異なる2つの磁気共鳴信号から得られる第1、第2の画
像データの互いの位相差分データを算出し、位相差分デ
ータと、第1の画像データと、第2の画像データとの3
種類のデータに基づいてアンラップ処理の開始点を決定
するように構成したので、静磁場不均一が大きい場合で
あっても、適切なアンラップ処理の開始点を決定し、オ
フセットのない静磁場不均一分布図を得ることが可能な
磁気共鳴イメージング装置を実現することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形
態である磁気共鳴イメージング装置の静磁場不均一の分
布図を得るための手順を示す図である。この図1に示し
た手順は、図5に示した磁気共鳴イメージング装置の信
号処理部307、表示部308、制御部311により処
理される。
【0033】図1において、まず、SEシーケンスか、
あるいはGrEシーケンスにて、エコー時間TEをTE
1、TE2に設定して、2回の撮影を行う。
【0034】エコー時間TE2は、エコー時間TE1よ
り長くとる。なお、2回の撮影を行う代わりに、マルチ
エコータイプのSEシーケンス又はGrEシーケンスで
複数のエコーを発生させ、そのうちの2つのエコーをエ
コー時間TE1とTE2とに発生させて、1回の撮影で
済ませることも可能である。
【0035】人体等、撮影対象が水と脂肪からなる場合
は、静磁場不均一の分布図から化学シフトの影響を排除
するために、例えば、エコー時間TE2とTE1との差
を1/△fの整数倍に設定する。ここで、△fは水と脂
肪との化学シフトによる共鳴周波数の差である。
【0036】また、水と脂肪とのT2、T2*の違いが
静磁場不均一の分布図に与える影響を排除するために、
エコー時間TE1を1/2△fの整数倍に設定すること
もできる。エコー時間TE=TE1の撮影で得たMR信
号(磁気共鳴信号)をs1とし、エコー時間TE=TE
2の撮影で得たMR信号をs2とする。
【0037】MR信号s1及びs2にフーリエ変換を施
して、第1の画像データS1、第2の画像データS2を
得る。得られた第1及び第2の画像データS1、S2は
複素データである。この第1及び第2の画像データS1
とS2とを位相表示して位相の差分をとると、位相差分
画像602が得られる。
【0038】このとき、画像データS1、S2をそれぞ
れ位相表示するステッブ601は省略してもよい。得ら
れた位相差分画像602では、たいていの場合、FOV
内で位相が−π以下、あるいは+π以上の部分が存在
し、その箇所で折り返しが生じて不連続な飛びが存在す
る。そのうえ、静磁場不均一が大きいか、またはエコー
時間TE1とTE2との間隔が長い場合には、位相が複
数回折り返されることもありうる。
【0039】そこで、アンラップ処理603を行い、静
磁場不均一分布図604を得るのが従来の方法である。
【0040】本発明の第1の実施形態では、従来のアン
ラップ処理603に加え、アンラップ処理603の開始
点の定量的な決定をする処理部分605を追加する。
【0041】具体的には、静磁場不均一が0となる位置
をアンラップ処理の開始点とする。さらに、静磁場不均
一が0となる位置を探すのに、位相差分画像602だけ
でなく、画像データS1、S2も考慮する。具体例とし
ては、位相差分画像602で位相が0になる位置の中か
ら、さらに画像データS1とS2との位相が共に0とな
る位置を探し、その位置をアンラップ処理の開始点と設
定する処理606である。
【0042】以下、円形の断面を持つ物体を撮影する場
合を例として本発明の第1の実施形態を説明する。FO
V内に、x方向にxの一次の関数となるような静磁場の
不均一が存在している、と仮完する。そのような静磁場
不均一による位相回転量は、図2に示すようになる。な
お、図2の縦軸は位相回転量を示し、横軸は、x方向の
位置を示す。
【0043】図2において、201、202、203は
エコー時間TEを順に長くしていったときの位相回転量
の変化を表す直線である。同一の位置での位相回転量は
エコー時間TEに比例する。この図2では折り返しを考
慮していないが、実際には破線の位置(−π、π、3
π、5π)で折り返しが生じる。
【0044】204に示す位置では静磁場不均一の値が
0であり、いかなるTEエコー時間で撮影を行っても静
磁場不均一による位相回転量は0となる。
【0045】次に、物体の撮影を行う。図3の(a)、
(b)に示した401、402は、それぞれ、エコー時
間TE=TE1、エコー時間TE=TE2で撮影を行っ
たときの画像データの位相を表示したもので、図1に示
した画像データS1の位相画像607と、画像データS
2の位相画像608とに対応する。
【0046】また、画像データの位相401の中心線4
03における断面でのプロファイルが405であり、画
像データの位相402の中心線404における断面での
プロファイルが406である。プロファイル405、4
06には、それぞれ折り返しが発生している。
【0047】また、エコー時間が、TE1<TE2よ
り、同じ位置での位相回転量はプロファイル405の場
合にくらべ、プロファイル406の場合のほうが大き
い。画像データの位相401と402との差分を取って
表示したものが、図3の(c)に示す位相差分407
で、図1に示した位相差分画像602に対応する。位相
差分407の中心線408における断面でのプロファイ
ルが409である。
【0048】位相差分407にアンラップ処理を施す
際、その開始点の位置をどこに取るかによってアンラッ
プ処理の結果が異なってくる。その状況を図4に詳細に
示す。静磁場不均一の値が0となる位置では静磁場不均
一による位相回転量は0となるので、位相差分407で
位相が0になる位置では静磁場不均一が0であると考え
られる。
【0049】しかし、折り返しが生じることにより、静
磁場不均一が0でなくても、位相が0になる場合があ
る。中心線408における断面でのプロファイル409
では507、508、509の3箇所で位相がゼロとな
り、アンラップ処理開始点の候補となる。
【0050】候補点507のようにアンラップ処理の開
始点が501に示す範囲にある場合、アンラップ処理の
結果として504が得られる。しかし、他の候補点50
8や509のように、アンラップ処理の開始点が502
または503の範囲にある場合は、処理結果として、そ
れぞれ505、506が得られてしまう。
【0051】図4に示す例の場合、正しい処理結果は5
04である。505、506ではオフセットがのってし
まい、オフセットの値は、505では2π、506では
4πとなる。
【0052】以下に、正しい結果を得るためのアンラッ
プ処理の開始点を決定する方法を述べる。図2に示すよ
うに、折り返しがないとした場合、静磁場不均一が0で
ない位置では、エコー時間TEに比例して静磁場不均一
による位相回転量が増大する。
【0053】一方、図2の204のように、静磁場不均
一が0となる位置では、いかなるエコー時間TEで撮影
しても、静磁場不均一による位相回転量は0である。す
なわち、画像データの位相401と402との双方にお
いて共に静磁場不均一による位相回転量が0となるよう
な点では、静磁場不均一が0であると考えられる。
【0054】画像データの位相401と402とに折り
返しが生じる場合、ある位置で画像データの位相401
と402との双方において共に静磁場不均一による位相
回転量が0と求められたにも関わらず、その位置での静
磁場不均一が0でない可能性もある。
【0055】しかし、静磁場不均一の分布は一般に複雑
であるので、そのような可能性は非常に低い。そこで、
位相差分407で位相が0になる位置の中で、さらに、
画像データの位相401と402との双方において共に
静磁場不均一による位相回転量が0になる位置を探し
て、アンラップ処理の開始点とする。このような処理方
法により、オフセットのない、静磁場不均一分布図を得
ることができる。
【0056】FOV内において静磁場不均一の値が0で
ある位置は1点とは限らないため、本発明の実施形態に
おいて、抽出される開始点の候補は1つとは限らない。
複数の位置が候補としてあがった場合は、さらに候補を
絞り込む必要がある。例えば、画像の信号の絶対値が最
大のものを選ぶ、もしくは、候補が密集している場合は
その中央を選ぶ、等の処理を付加する。
【0057】以上のように、本発明の第1の実施形態に
よれば、2つの異なるエコー時間TE1、TE2から得
られる磁気共鳴信号の画像データS1、S2の互いの位
相差分データを算出し、この位相差分データの静磁場不
均一の値が0となる位置のうち、画像データS1の位相
と、画像データS2の位相が0とが共に0となる位置
を、アンラップ処理の開始点に設定若しくは決定するよ
うに構成したので、静磁場不均一が大きい場合であって
も、適切なアンラップの開始点を決定し、オフセットの
ない静磁場不均一分布図を得ることが可能な磁気共鳴イ
メージング装置を実現することができる。
【0058】なお、位相差分データは、離散値であるの
で、静磁場不均一の値が0となるデータが必ず存在する
というわけではない。静磁場不均一の値が0となる位相
差分データが存在しない場合は、位相差分データと、画
像データS1の位相と、画像データS2の位相とに基づ
いて、得られた候補点のうち、0に最も近い点をアンラ
ップ処理の開始点とすることができる。
【0059】次に、本発明の第2実施形態について説明
する。なお、この第2の実施形態においても、磁気共鳴
イメージング装置の構成は、第1の実施形態と同様とな
るので、図示及びその説明は省略する。
【0060】本発明の第2の実施形態は、エコー時間T
E1で得られた第1の絶対値画像と、エコー時間TE2
で得られた第2の絶対値画像とを得る。そして、第1絶
対値画像と、第2の絶対値画像との比(すなわち、減衰
率)を求める。比は、TE1、TE2のうちのあとに取
得した画像の絶対値を分子として求める。
【0061】一方、2つの異なるエコー時間TE1、T
E2から得られる画像データS1、S2の互いの位相差
分データを算出する。
【0062】そして、第1絶対値画像と第2の絶対値画
像との比の値が比較的に大きく、画像データS1、S2
の互いの位相差分データがほぼ0であり、FOVのほぼ
中央にある点をアンラップ処理の開始点と設定する。
【0063】これは、以下の理由によるものである。静
磁場を与える磁石302は、内部の空間のほぼ中央で、
静磁場不均一の値が0となるように、すなわち、磁石3
02内部の空間のほぼ中央で、水素原子核の共鳴周波数
と照射するRF信号の周波数とが等しくなるように調整
されている。
【0064】また、人体等、撮影対象が水と脂肪からな
る場合、脂肪の方が水に比してT2緩和値が短いため、
減衰のより大きいピクセルは脂肪が多く、減衰のより小
さいピクセルは水が多いと考えられる。また、エコー時
間TE1、TE2から得られる画像データS1、S2
は、水部分の位相が等しくなるように取得している。
【0065】したがって、第1絶対値画像と第2の絶対
値画像との比の減衰率が比較的に小さく、画像データS
1、S2の互いの位相差分データがほぼ0であり、FO
Vのほぼ中央にある点は、アンラップ処理の開始点にふ
さわしい点といえる。
【0066】以上のように、本発明の第2の実施形態に
おいても、上述した第1の実施形態と同様な効果を得る
ことができる。
【0067】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、静磁場不均一が大きい場合であっても、適切なアン
ラップの開始点を決定し、オフセットのない静磁場不均
一分布図を得ることが可能な磁気共鳴イメージング装置
を実現することができる。
【0068】また、オフセットのない静磁場不均一の分
布図を求めることができるので、オートシムや画像の後
処理による補正を正しく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である磁気共鳴イメー
ジング装置の静磁場不均一の分布図を得るための手順を
示す図である。
【図2】FOV内の静磁場不均一分布の一例の説明図で
ある。
【図3】画像データの位相を示す図である。
【図4】アンラップ処理の開始点によって処理結果が異
なる状況の説明図である。
【図5】本発明が適用されるMRI装置の概略構成図で
ある。
【図6】FOV内の静磁場不均一分布の一例を示す図で
ある。
【符号の説明】
301 被検体 302 静磁場磁石 303 傾斜磁場コイル 304 RFコイル 305 RFプローブ 306 信号検出部 307 信号処理部 308 表示部 309 傾斜磁場電源 310 RF送信部 311 制御部 312 ベッド

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検体から発生される磁気共鳴信号を検出
    する信号検出部と、この信号検出部が検出した磁気共鳴
    信号に所定の信号処理を行う信号処理部とを備える磁気
    共鳴イメージング装置において、 上記信号検出部は、エコー時間が互いに異なる第1の磁
    気共鳴信号と第2の磁気共鳴信号とを検出し、 上記信号処理部は、上記検出された第1の磁気共鳴信号
    と第2の磁気共鳴信号とから第1の画像データと第2の
    画像データとを算出するとともに、第1の画像データと
    第2の画像データとの位相差分データを算出し、算出し
    た位相差分データと、第1の画像データと、第2の画像
    データとの3種類のデータに基づいてアンラップ処理の
    開始点を決定し、アンラップ処理を行うことを特徴とす
    る磁気共鳴イメージング装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置
    において、上記信号処理部は、上記位相差分データから
    アンラップ処理の開始点を複数選出し、選出した複数の
    アンラップ処理の開始点のうちから、上記第1の画像デ
    ータと第2の画像データとを用いて、1つのアンラップ
    処理の開始点を決定することを特徴とする磁気共鳴イメ
    ージング装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の磁気共鳴イメージン
    グ装置において、静磁場不均一の値が0又は0に近い値
    をアンラップ処理の開始点と定めることを特徴とする磁
    気共鳴イメージング装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の磁気共鳴イメージング装置
    において、上記静磁場不均一の値が0又は0に近い点
    は、位相差分データが0又は0に近い位置のうち、上記
    第1の画像データの位相及び第2の画像データの位相が
    0又は0に近い位置と定めることを特徴とする磁気共鳴
    イメージング装置。
  5. 【請求項5】被検体から発生される磁気共鳴信号を検出
    する信号検出部と、この信号検出部が検出した磁気共鳴
    信号に所定の信号処理を行う信号処理部とを備える磁気
    共鳴イメージング装置において、 上記信号検出部は、エコー時間が互いに異なる第1の磁
    気共鳴信号と第2の磁気共鳴信号とを検出し、 上記信号処理部は、上記検出された第1の磁気共鳴信号
    と第2の磁気共鳴信号とから第1の画像データと第2の
    画像データとを算出するとともに、第1の画像データと
    第2の画像データとの位相差分データを算出し、第1の
    画像データの絶対値画像と第2の画像データの絶対値画
    像との比を算出し、上記位相差分データが0又は0に近
    い点であって、算出した比のうちの相対的に大きい値を
    示す点を、アンラップ処理の開始点と決定し、アンラッ
    プ処理を行い、静磁場不均一の分布図を作成し、作成し
    た分布図を用いて静磁場不均一が画像処理に及ぼす影響
    を補正することを特徴とする磁気共鳴イメージング装
    置。
  6. 【請求項6】被検体から発生される磁気共鳴信号を検出
    する信号検出部と、この信号検出部が検出した磁気共鳴
    信号に所定の信号処理を行う信号処理部とを備える磁気
    共鳴イメージング装置において、 上記信号検出部は、エコー時間が互いに異なる第1の磁
    気共鳴信号と第2の磁気共鳴信号とを検出し、 上記信号処理部は、上記検出された第1の磁気共鳴信号
    と第2の磁気共鳴信号とから第1の画像データと第2の
    画像データとを算出するとともに、第1の画像データと
    第2の画像データとの位相差分データを算出し、算出し
    た位相差分データと、第1の画像データと、第2の画像
    データの位相回転量が共に実質的に0となる位置を求め
    ることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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