JP2001338957A - 強誘電体キャパシタの評価方法および評価素子を搭載したウエハ - Google Patents

強誘電体キャパシタの評価方法および評価素子を搭載したウエハ

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JP2001338957A JP2000155748A JP2000155748A JP2001338957A JP 2001338957 A JP2001338957 A JP 2001338957A JP 2000155748 A JP2000155748 A JP 2000155748A JP 2000155748 A JP2000155748 A JP 2000155748A JP 2001338957 A JP2001338957 A JP 2001338957A
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グルーバーマン アレクセイ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャパシタ製造工程の早期の段階でキャパシ
タの保持特性の評価を可能にする。 【解決手段】 走査型フォース顕微鏡のピエゾレスポン
スモードを使用して、強誘電体膜表面における一定面積
の構造を調べることによって行う強誘電体キャパシタの
評価方法であって、擬似オーミックコンタクトを形成す
る電極と強誘電体膜とからなる積層構造を用い、強誘電
体膜の選択された結晶粒に、所定の極性の電圧パルスを
印加することで局所分極反転を誘導し、書き込みドメイ
ンの完全な反転までの所定時間でピエゾレスポンス画像
を得て保持時間を決定し、保持作用は切り換えドメイン
の完全な消失までの時間を測定することにより求める。
もしくは分極反転が保持されている領域部分の時間依存
性を測定することにより求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強誘電体キャパシ
タの評価方法および評価素子を搭載したウエハに関し、
詳しくは強誘電体キャパシタの保持特性の評価方法およ
びキャパシタの保持特性を評価するための評価素子を搭
載したウエハに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の強誘電体キャパシタの保持特性の
評価方法は、下部電極上に強誘電体薄膜を形成し、さら
に強誘電体薄膜上に上部電極を形成した後、すなわち、
キャパシタの構成を完成させた後に、上部電極と下部電
極との間にパルス電圧を印加して、ヒステリシスを測定
することによって行っていた。
【0003】近年、強誘電体薄膜は、新世代の不揮発性
記憶装置への応用技術として注目されている。強誘電体
記憶装置の商品化では、保持特性、疲労、リーク特性、
誘電性のブレイクダウン等、強誘電体キャパシタの寿命
特性の改善が求められている。その強誘電体キャパシタ
の評価においては、電極材料が強誘電体キャパシタの電
気的パラメータを制御することが重要な要素となってい
る〔H.N.Al-Shareef et al,J.Mater.Res.9,No11,2968(1
994)参照〕。強誘電体膜と電極との界面は、強誘電体膜
の誘電特性と内部電界の分布状態に強く影響される。
【0004】保持特性は、電圧の切り換え動作後、強誘
電体キャパシタが一定の分極状態を保持する能力として
定義される。それは、白金(Pt)電極と鉛−ジルコネ
ート−チタネート(PZT)系の強誘電体膜とによって
決定される。上記白金電極は、一般的な電極材料として
広く使用されているものであり、保持損失特性を示す
〔J.F.Scott et al,Appl.Phys.66,1444(1989)、R.Nasby
et al,Integrated Ferroelectrics 2,91(1992)参
照〕。強誘電体キャパシタのこの特徴は、膜と電極との
界面におけるデプレッション層の形成のための内部電界
の存在によって説明することができる。
【0005】デプレッション層は、ペロブスカイト強誘
電体膜の半導体特性の結果として、膜/電極界面に現れ
る。金属が半導体と接触したとき、金属の仕事関数と半
導体の仕事関数とは異なるため、その界面においては、
ポテンシャルバリアと空間電荷分布が形成される。デプ
レッション領域における内部電界は、電圧の切り換え動
作後に、極性が反対の領域における核形成のきっかけと
なる。このようにして、保持損失プロセスが始まる。逆
に、もし金属と半導体とがオーミックコンタクトを形成
するような仕事関数を有するものであるならば、ビルト
イン電界が存在していないため、その保持作用は重要な
ものとなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の強誘電体キャパ
シタの保持特性の評価は、前述したように、キャパシタ
構造、すなわち下部電極、強誘電体膜、上部電極の積層
構造を形成した後、上部電極と下部電極との間に電極パ
ルスを印加して、強誘電体膜のヒステリシス特性を評価
していた。そのため、キャパシタ製造工程の早期の段階
でキャパシタの保持特性を評価することは困難であっ
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされた強誘電体キャパシタの評価方法お
よび評価用ウエハである。
【0008】本発明の強誘電体キャパシタの評価方法
は、走査型フォース顕微鏡(ScanningForce Microscop
y)のピエゾレスポンスモードを使用して、強誘電体膜
表面における一定面積の構造を調べることによって行う
強誘電体キャパシタの評価方法であって、評価素子に電
極と強誘電体膜とが擬似オーミックコンタクトを形成す
る積層構造を用い、固定した試験チップを通して、強誘
電体膜の選択された結晶粒に所定の極性の電圧パルスを
印加することによって局所分極反転を誘導し、書き込み
ドメインの完全な反転までの所定時間でピエゾレスポン
ス像を得ることによって保持時間を決定し、保持特性
は、切り換えドメインの完全な消失までの時間を測定す
ることによって、もしくは分極反転が保持されている領
域部分の時間依存性を測定することによって決定すると
いう評価方法である。
【0009】上記強誘電体キャパシタの評価方法では、
上部電極を形成するまでに至ることなく、強誘電体膜を
形成した後、下部電極と強誘電体膜とを積層した状態
で、キャパシタの保持特性の評価を行う。そのため、キ
ャパシタの製造工程の途中におけるキャパシタの性能を
評価することが可能になる。
【0010】本発明の評価素子を搭載したウエハは、半
導体ウエハ上に形成した下部電極と、前記下部電極上に
形成した擬似オーミックコンタクトを有する強誘電体膜
とからなるキャパシタの保持特性の評価素子を備えたも
のである。
【0011】上記評価素子を搭載したウエハでは、下部
電極と強誘電体膜とからなる評価素子によって、キャパ
シタを完成する前に強誘電体キャパシタの性能評価を行
うことが可能になる。そのため、製造工程中で不良を早
期に発見することが可能になるので、不良が生じていた
場合には、不良の早期発見により、製造コストの削減が
可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の強誘電体キャパシタの評
価方法に係る実施の形態を、以下に説明する。
【0013】強誘電体キャパシタの評価方法では、走査
型フォース顕微鏡のピエゾレスポンスモードを使用し
て、強誘電体膜表面における一定面積の構造を調べるこ
とによって行う。その評価素子には、電極と強誘電体膜
とが擬似オーミックコンタクトを形成する積層構造のも
のを用いる。そして、固定した試験チップを通して、強
誘電体膜の選択された結晶粒に所定の極性の電圧パルス
を印加することによって局所分極反転を誘導し、書き込
みドメインの完全な反転までの所定時間でピエゾレスポ
ンス像を得ることによって保持時間を決定し、保持特性
は、切り換えドメインの完全な消失までの時間を測定す
ることによって、もしくは分極反転が保持されている領
域部分の時間依存性を測定することによって決定する、
という評価方法である。
【0014】本発明は、電極と強誘電体膜との接合に係
る電気的特性が強誘電体キャパシタの保持特性を評価す
る上で重要な役割を果たすことを利用している。上記電
気的特性は、電極の仕事関数と強誘電体膜の仕事関数の
差によって決まる。また、ショットキーバリアは、仕事
関数が金属電極よりも大きいp型半導体強誘電体膜によ
って形成されている。そして、強誘電体膜/電極界面近
傍の内部電界は、負の分極に転換したことが消失のきっ
かけとなる。
【0015】この影響は、図1に示されている。図1
は、保持損失が観察されるSrBi2Ta2 9 (SB
T)/Ptヘテロ構造を走査型フォース顕微鏡によって
観察した結果の画像を示している。その画像では、
(a)に示すように、電圧パルスを印加する前の状態で
は、分極反転は生じていない。そして(b)に示すよう
に、−6Vの電圧パルスを印加することにより、ドメイ
ンに自発的な分極反転(図中、中央の結晶の白い部分)
が観察される。そのことは、ショットキー型コンタクト
を形成することとして知られている〔J.F.Scott et al,
Ferroelectrics 225,83(1999)参照〕。さらに(c)に
示すように、局所分極反転(ポーリング)後2分が経過
した状態では、まだ分極反転(図中、中央の結晶の白い
部分)が生じている。その後(d)に示すように、局所
分極反転(ポーリング)後4分が経過した状態で、分極
反転が消失していることが観察された。
【0016】このように、短時間で強誘電体キャパシタ
の保持特性の評価を行うことが可能になる。
【0017】次に、図2と図3とによって、走査型フォ
ース顕微鏡のピエゾレスポンスモードを使って評価し
た、Ir電極上にSBT膜を堆積した構造の負のドメイ
ンと正のドメインの安定性について説明する。
【0018】図2に示されているように、Ir電極上の
SBT膜(負のドメイン)の保持特性は、(b)に示す
初期状態から(d)に示す96時間まではほとんど分極
反転(図中、中央の白い部分)の消失は見て取れない。
すなわち、10Vの外部パルス電圧を印加することによ
って書き込みを行った後、安定した保持特性が96時間
維持されていることが示されている。同様に、図3に示
されているPt電極上のSBT膜(正のドメイン)の保
持特性を見ると、(b)に示すように初期状態では分極
反転(図中、中央の白い部分)が生じているが、(d)
に示す局所分極反転(ポーリング)後96時間の状態で
も安定した保持特性が維持されていることが示されてい
る。このように、Ir電極上のSBT膜の保持特性は、
Pt電極上のSBT膜の保持特性と比較して、非常に優
れていることがわかる。なお、図2および図3の各
(a)図は、電圧印加前の状態を示しており、見やすく
するために、結晶粒界部分を黒線で示し、分極反転は生
じていないが結晶粒部分を白く示した。
【0019】ここで、SBT/Pt膜の保持特性とSB
T/Ir膜の保持特性との違いを図4によって説明す
る。なお、図4の(a)は、SBT/Pt膜の保持特性
を表した図面であって、縦軸に標準化した保持分極を示
し、横軸に時間を示す。また図4の(b)は、SBT/
Ir膜の保持特性を表した図面であって、縦軸に標準化
した保持分極を示し、横軸に時間を示す。
【0020】図4に示すように、SBT/Pt膜の保持
特性と比較してSBT/Ir膜の保持特性が長時間にわ
たって安定していることがわかる。特に、負のドメイン
に対する保持特性の安定性が優れていることがわかる。
【0021】ところで、Ir電極は、成膜プロセスの間
に容易に酸化しやすい。この影響は、電極の仕事関数の
増加を導き、オーミックコンタクトの形成を導く。その
結果、内部電界は膜内部に入り込まない。しかも、Ir
電極/SBT膜/Ir電極構造のキャパシタの保持特性
は、Pt電極/SBT膜/Pt電極構造のキャパシタの
保持特性と比較して改善される。
【0022】上記説明したような本発明の強誘電体キャ
パシタの評価方法は、一例として、半導体デバイスの生
産ラインにおける強誘電体膜キャパシタの製造工程中に
行われる。もしくは、強誘電体キャパシタの強誘電体膜
を形成した後に行われる。
【0023】このように、キャパシタの上部電極を形成
する前の製造工程の途中で、強誘電体キャパシタの保持
特性を評価することができるので、製造工程中の不良を
早期に発見することが可能になる。そのため、今まで
は、不良が生じていた状態で上部電極を形成する工程を
行っていたが、不良の早期発見により、上部電極を形成
する前に不良が発見されるので、製造コストの削減が可
能になる。
【0024】次に、本発明の評価素子を搭載したウエハ
について以下に説明する。
【0025】評価素子を搭載したウエハは、例えば半導
体ウエハ上に評価素子が所定の位置に形成されている。
この評価素子は、デバイスとして機能する強誘電体キャ
パシタの下部電極と例えば同時に形成された下部電極
と、その下部電極上に形成された強誘電体膜とから構成
されている。しかも、上記下部電極と上記強誘電体膜と
は擬似オーミックコンタクトを有する。
【0026】上記評価素子を搭載したウエハでは、下部
電極と強誘電体膜とからなる評価素子によって、キャパ
シタを完成する前に強誘電体キャパシタの性能評価を行
うことが可能になる。そのため、製造工程中で不良を早
期に発見することが可能になるので、不良が生じていた
場合には、不良の早期発見により、製造コストの削減が
可能になる。
【0027】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の強誘電体
キャパシタの評価方法によれば、強誘電体膜を形成した
後、下部電極と強誘電体膜とを積層した状態で、キャパ
シタの保持特性の評価を行うことができるため、キャパ
シタの製造工程の途中におけるキャパシタの性能を評価
することが可能になる。よって、製造工程中で不良を早
期に発見することが可能になるので、不良が生じていた
場合には、不良の早期発見により、製造コストの削減が
可能になる。
【0028】本発明の評価素子を搭載したウエハによれ
ば、下部電極と強誘電体膜とからなる評価素子によっ
て、キャパシタが完成する前に強誘電体キャパシタの性
能評価を行うことが可能になる。そのため、製造工程中
で不良を早期に発見することができるので、不良が生じ
ていた場合には、不良の早期発見により、製造コストの
削減が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】保持損失が観察されるSrBi2 Ta2
9 (SBT)/Ptヘテロ構造の観察画像を示す図面で
ある。
【図2】局所分極反転(ポーリング)後のSrBi2
2 9 (SBT)/Irヘテロ構造における負のドメ
インの安定性を示すピエゾレスポンスの観察画像の図面
である。
【図3】局所分極反転(ポーリング)後のSrBi2
2 9 (SBT)/Irヘテロ構造における正のドメ
インの安定性を示すピエゾレスポンスの観察画像の図面
である。
【図4】SBT膜/Pt膜とSBT膜/Ir膜の正およ
び負のドメインにおける時間の関数で表した保持分極を
示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4M106 AA01 AA07 AB08 AB12 BA14 CA70 DH01 DH50 5F083 FR01 JA15 JA17 JA38 MA01 MA15 ZA20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走査型フォース顕微鏡のピエゾレスポン
    スモードを使用して、強誘電体膜表面における一定面積
    の構造を調べることによって行う強誘電体キャパシタの
    評価方法であって、 評価素子に電極と強誘電体膜とが擬似オーミックコンタ
    クトを形成する積層構造を用い、 固定した試験チップを通して、前記強誘電体膜における
    選択された結晶粒に、所定の極性の電圧パルスを印加す
    ることで局所分極反転を誘導し、 書き込みドメインの完全な反転までの所定時間でピエゾ
    レスポンス像を得ることによって保持時間を決定し、 保持特性は、切り換えドメインの完全な消失までの時間
    を測定することによって、もしくは分極反転が保持され
    ている領域部分の時間依存性を測定することによって決
    定することを特徴とする強誘電体キャパシタの評価方
    法。
  2. 【請求項2】 前記評価素子は、 下部電極と、 前記下部電極上に堆積した擬似オーミックコンタクトを
    有する強誘電体薄膜とからなることを特徴とする請求項
    1記載の強誘電体キャパシタの評価方法。
  3. 【請求項3】 走査型フォース顕微鏡のピエゾレスポン
    スモードを使用して、前記強誘電体膜表面における一定
    面積の構造を調べることによって行う強誘電体キャパシ
    タの評価方法であって、 評価素子に電極と強誘電体膜とが擬似オーミックコンタ
    クトを形成する積層構造を用い、 固定した試験チップを通して、前記強誘電体膜における
    選択された結晶粒に、所定の極性の電圧パルスを印加す
    ることによって局所分極反転を誘導し、 書き込みドメインの完全な反転までの所定時間でピエゾ
    レスポンス像を得ることによって保持時間を決定し、 保持特性は、切り換えドメインの完全な消失までの時間
    を測定することによって、もしくは分極反転が保持され
    ている領域部分の時間依存性を測定することによって決
    定する強誘電体キャパシタの評価方法を、 半導体デバイスの生産ラインにおける強誘電体膜キャパ
    シタの製造工程中、もしくは前記強誘電体膜を形成した
    後に行うことを特徴とする請求項1記載の強誘電体キャ
    パシタの評価方法。
  4. 【請求項4】 半導体ウエハ上に形成した下部電極と、 前記下部電極上に形成した擬似オーミックコンタクトを
    有する強誘電体膜とからなるキャパシタの保持特性の評
    価素子を備えたことを特徴とする評価素子を搭載したウ
    エハ。
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