JP2001338685A - ポリマー電解質リチウム二次電池およびその製造方法 - Google Patents
ポリマー電解質リチウム二次電池およびその製造方法Info
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Abstract
ウム二次電池を提供する。 【解決手段】リチウムイオンを吸蔵放出する炭素材料を
用いた負極と、正極との間に、ポリマーの網目構造内に
電解液が保持されてなるポリマー電解質を備えたポリマ
ー電解質リチウム二次電池において、上記ポリマー電解
質のポリマーとして、下記の構成単位(1)および/ま
たは下記の構成単位(2)を含むものを用いる。 【化1】 〔構成単位(1)中、RはHまたはCH3 であり、互い
に同じでも異なっていてもよい。また、nは1〜10の
正数である。〕 【化2】 〔構成単位(2)中、RはHまたはCH3 である。ま
た、nは1〜10の正数である。〕
Description
にポリマー電解質が設けられてなる発電体を備えたポリ
マー電解質リチウム二次電池およびその製造方法に関す
る。
要望の高まりに対応し、ポリマー電解質を用いたリチウ
ム二次電池(ポリマー電解質リチウム二次電池)が実用
化された。ポリマー電解質リチウム二次電池は、エネル
ギー密度が高く、かつ液漏れし難いので、携帯機器用電
源として適しているが、高温で保存した場合に放電容量
の低下が見られるという問題を有している。この原因と
しては、つぎのことが考えられる。
させてなるポリマーの網目構造内に電解液が保持された
構造をしている。このポリマー前駆体としては、一般
に、分子量が500〜1500程度のポリアルキレング
リコールジアクリレート等が単独で用いられているが、
この前駆体から得たポリマーは、ポリマー自体の高温安
定性が悪いので、高温で保存した場合に放電容量が低下
する。
なされたものであって、高温での保存特性に優れたポリ
マー電解質リチウム二次電池およびその製造方法を提供
することを目的とする。
め、請求項1に記載の発明は、リチウムイオンを吸蔵放
出する炭素材料を用いた負極と、正極との間にポリマー
電解質が設けられてなる発電体を備えたポリマー電解質
リチウム二次電池において、上記ポリマー電解質が、ポ
リマーの網目構造内に電解液が保持されてなるものであ
り、上記ポリマーが、下記の構成単位(1)および/ま
たは下記の構成単位(2)を含むものであることを特徴
とする。
に同じでも異なっていてもよい。また、nは1〜10の
正数である。〕
た、nは1〜10の正数である。〕
安定性が向上すること等に起因して、ポリマー自体の高
温安定性が増すと考えられ、高温で保存した場合に放電
容量が低下するといったことがない。よって、高温での
保存特性に優れた電池となる。
の発明において、上記構成単位(1)および/または構
成単位(2)の総質量が、上記ポリマーの全質量の10
〜50%の範囲であることを特徴とする。
定の範囲に設定されているので、高温での保存特性に優
れているとともに、その他の電池特性、例えば負荷特性
等も良好な電池となる。
を吸蔵放出する炭素材料を用いた負極と、正極との間に
ポリマー電解質が設けられてなる発電体を備えたポリマ
ー電解質リチウム二次電池の製造方法において、上記製
造方法が、ポリアルキレングリコールジアクリレートお
よび/またはポリアルキレングリコールジメタクリレー
トからなるA成分と、下記の一般式(3)で表される二
官能性化合物および/または下記の一般式(4)で表さ
れる単官能性化合物からなるB成分とを、電解液に溶解
してポリマー前駆体溶液を作製する工程と、上記ポリマ
ー前駆体溶液中のA成分およびB成分を重合し、ポリマ
ーの網目構造内に電解液を保持させてなるポリマー電解
質を作製する工程とを備えることを特徴とする。
でも異なっていてもよい。また、nは1〜10の正数で
ある。〕
1〜10の正数である。〕
質を形成できるので、高温での保存特性と負荷特性に優
れた電池を容易に得ることができる。
の発明において、上記ポリマー前駆体溶液中のポリマー
前駆体の総質量に対する上記B成分の質量比が、0.1
〜0.5であることを特徴とする。
負荷特性とが好適にバランスした電池を得ることができ
る。
ネート外装体を用いたポリマー電解質リチウム二次電池
について、実施例に基づいて具体的に説明する。
施例1の電池の概要を説明する。図1は、このポリマー
電解質リチウム二次電池の外観を示す正面図である。図
2は、ラミネート外装体の収納空間を示す断面図であ
る。図3は、ラミネート外装体を構成するラミネート材
の積層構造を示す断面図である。図4は、ラミネート外
装体内に収納する発電素体(ポリマー電解質が配置され
ていないもの)の構造を示す断面図であり、図5は、こ
の発電素体の斜視図である。
下端と中央部とが封止部4a・4b・4cで封口されて
なるラミネート外装体3の収納空間2に、ポリマー電解
質を介して正負電極が対向配置されてなる発電体が収納
された構造をしている。なお、図4、図5はポリマー電
解質を配置する前の図(発電素体1)であるが、ポリマ
ー電解質が配置された発電体も概ねこの図と同様であ
る。以下、各部材毎にその内容を説明する。
ての黒鉛粉末およびケッチェンブラックと、結着剤とし
てのフッ素樹脂(PVdF)とを、90:3:2:5の
質量比で混合したものを、ドクターブレード法により、
厚み20μmのアルミニウム箔からなる正極集電体22
の片面に塗布した。その後、150℃で真空加熱処理し
て、厚み80μm、表面積52cm2 の正極活物質層9
を有する正極5を作製した。
2)面の面間隔d002が3.356Å、結晶子厚みLc
値が800Å以上、平均粒子径8μm〕と、結着剤とし
てのフッ素樹脂(PVdF)とを、95:5の質量比で
混合したものを、ドクターブレード法により、厚み16
μmの銅箔からなる負極集電体23の片面に塗布した。
その後、150℃で真空加熱処理して、厚み65μm、
表面積58cm2 の負極活物質層10を有する負極6を
作製した。
変性ポリプロピレンからなる接着剤層12・12(厚み
5μm)を介してポリプロピレンからなる樹脂層13・
13(厚み30μm)が接着された構造のラミネートシ
ートを準備し、両端を重ね合わせ、その重ね合わせ部を
接着し筒状体を形成した(図2参照)。
溶媒(体積比で40:60)に、LiPF6 を1M(モ
ル/リットル)の割合で溶かすことにより、電解液を準
備し、この電解液に、A成分として、構成単位中にアル
キレングリコール単位を複数個有し、両末端にアクリレ
ート単位を有する化合物であるポリアルキレングリコー
ルジアクリレートと、B成分として、上記一般式(3)
で表される二官能性化合物との質量比が90(A成
分):10(B成分)である二成分ポリマー前駆体を、
質量比で、10(電解液):1(ポリマー前駆体)の割
合で混合した。さらに、この混合液に、重合開始剤とし
てt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.5質量%
(5000ppm)添加して、ポリマー前駆体溶液を作
製した。
される二官能性化合物に代えて、前記一般式(4)で表
される単官能性化合物を用いてもよく、二官能性化合物
と単官能性化合物とを併用してもよい。
クリレートに代えて、構成単位中にアルキレングリコー
ル単位を複数個有し、両末端にメタクリレート単位を有
する化合物であるポリアルキレングリコールジメタクリ
レートを用いてもよく、ポリアルキレングリコールジア
クリレートとポリアルキレングリコールジメタクリレー
トとを併用してもよい。また、本発明の目的を損なわな
いのであれば、その他のモノマーを用いてもよい。
取り付けた後、これらの電極を、ポリエチレン製の多孔
質フィルム21を間に挟み込んだ状態で、正負極活物質
面を対向させ重ね合わせて発電素体1を構成した。これ
を上記外装体3の収納空間2内に挿入した。その後、外
装体3の封口部4aを熱溶着し、外装体3の収納空間2
内にポリマー前駆体溶液を3ml注入し、外装体を60
℃で3時間加熱して、ポリマー前駆体を重合した。これ
により、電池容量が150mAhであるポリマー電解質
リチウム二次電池を作製した。
方法で、充電保存特性試験、負荷特性試験を行った。
5℃、1C(150mAh)定電流、4.1V定電圧の
条件で充電した。ついで、充電した電池を60℃で20
日間保存した後、放電終止電圧が2.75Vになるまで
1Cで放電して放電容量を測定した。そして、保存前の
電池容量に対する保存後の電池容量の割合〔保存後の電
池容量/保存前の電池容量×100(%)〕を求め、こ
れを容量維持率とした。なお、この容量維持率が大きい
ほど充電保存特性に優れた電池といえる。
℃、1C(150mAh)定電流、4.1V定電圧の条
件で充電した。ついで、充電した電池について、放電終
止電圧が2.75Vになるまで0.2Cで放電した時の
放電容量(0.2C容量)と、放電終止電圧が2.75
Vになるまで3Cで放電したときの放電容量(3C容
量)とを測定した。そして、0.2C容量に対する3C
容量の割合〔3C容量/0.2C容量×100(%)〕
を求め、これを負荷率とした。なお、この負荷率が大き
いほど負荷特性に優れた電池といえる。
4%であり、負荷率は81%であった。この結果より、
実施例1の電池は、充電保存特性と負荷特性とが好適に
バランスした電池であることが確認できた。
の部においては、ポリマー前駆体の組成と、充電保存特
性および負荷特性との関係を調べた。
ングリコールジアクリレート(PPGDA、分子量10
00)と下記の化学式(5)で表される化合物との質量
比を95:5、90:10、80:20、70:30、
60:40、50:50、60:40、70:30にし
たものを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリマ
ー電解質リチウム二次電池を作製した。そして、これら
の電池を用いて、上記実施例1と同様な方法で、充電保
存特性試験および負荷特性試験を行い、その結果を下記
の表1に示した。
と下記の化学式(6)で表される化合物との質量比を9
5:5、90:10、80:20、70:30、60:
40、50:50、60:40、70:30にしたもの
を用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリマー電解
質リチウム二次電池を作製した。そして、これらの電池
を用いて、上記実施例1と同様な方法で、充電保存特性
試験および負荷特性試験を行い、その結果を下記の表2
に示した。
のみを用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリマー
電解質リチウム二次電池を作製した。そして、この電池
を用いて、上記実施例1と同様な方法で、充電保存特性
試験および負荷特性試験を行い、その結果を下記の表2
に示した。
物または特定の単官能性化合物を用いたNo.1〜16
の電池は、それらを用いていないNo.17の電池と比
べ、充電保存特性が良好であることがわかった。また、
ポリマー前駆体に対する特定の二官能性化合物等の質量
比が0.1〜0.5であるNo.2〜6、No.10〜
14の電池は、充電保存特性が良好であることに加え
て、負荷特性も良好であることがわかった。これは、ポ
リプロリレングリコールジアクリレートから誘導される
構成単位と、特定の二官能性化合物から誘導される上記
特定の構成単位(1)等との割合が、好適にバランスし
ていたためと考えられる。
電素体とポリマー前駆体溶液を電池ケース(ラミネート
外装体)に収納した後にゲル化処理(重合硬化)を行っ
たが、これに限定するものではなく、ポリマー電解質を
予め作製しておき、それを正負電極の間に配置した後、
電池ケースに収納する方法を採用してもよい。
1〜図5に示す構造に限定されず、また正極、負極等に
ついても、上記に記載したものに限定されない。上記以
外の正極活物質としては、例えば、LiNiO2 、Li
MnO2 、LiFeO2 、LiMn2 O4 等が使用で
き、負極活物質としては、天然黒鉛や人造黒鉛等の黒鉛
質材料、部分的に黒鉛構造を持つ炭素質材料等のリチウ
ムイオンを吸蔵放出することのできる炭素材料等が使用
できる。
ネートとジエチルカーボネートの混合溶媒にLiPF6
を溶かしたものに限定されない。例えば、ビニレンカー
ボネート、プロピレンカーボネート、γ―ブチロラクト
ン等の有機溶媒や、これらとジメチルカーボネート、エ
チルメチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、
1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン等
の低沸点溶媒との混合溶媒に、LiBF4 、LiClO
4 、LiCF3 SO3 、LiN(CF3 SO2)2 、L
iN(C2 F5 SO2 )2 等の溶質を溶かした溶液等も
用いることができる。
ラミネート材からなるものに限定されない。また、5層
構造に限定されるものでもない。ただし、柔軟で形状自
由性が大きいことからアルミニウムラミネート材が好ま
しく、この場合、腐食防止性や電気絶縁性の観点から、
アルミニウム層を樹脂層で覆った3層構造以上のものが
好ましい。
ー電解質の網目構造を構成するポリマーの高温安定性が
改善されるので、高温下で保存した場合に放電容量が低
下せず、保存特性に優れた電池を提供できる。特に、ポ
リアルキレングリコールジアクリレート等と特定の二官
能性化合物等とを特定の割合で用いた場合には、保存特
性と負荷特性とが好適にバランスした電池を提供でき
る。
ム二次電池の外観を示す正面図である。
る。
材の断面図である。
示す断面模式図である。
示す斜視図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 リチウムイオンを吸蔵放出する炭素材料
を用いた負極と、正極との間にポリマー電解質が設けら
れてなる発電体を備えたポリマー電解質リチウム二次電
池において、 上記ポリマー電解質が、ポリマーの網目構造内に電解液
が保持されてなるものであり、 上記ポリマーが、下記の構成単位(1)および/または
下記の構成単位(2)を含むものである、ことを特徴と
するポリマー電解質リチウム二次電池。 【化1】 〔構成単位(1)中、RはHまたはCH3 であり、互い
に同じでも異なっていてもよい。また、nは1〜10の
正数である。〕 【化2】 〔構成単位(2)中、RはHまたはCH3 である。ま
た、nは1〜10の正数である。〕 - 【請求項2】 上記構成単位(1)および/または構成
単位(2)の総質量が、上記ポリマーの全質量の10〜
50%の範囲である、請求項1記載のポリマー電解質リ
チウム二次電池。 - 【請求項3】 リチウムイオンを吸蔵放出する炭素材料
を用いた負極と、正極との間にポリマー電解質が設けら
れてなる発電体を備えたポリマー電解質リチウム二次電
池の製造方法において、上記製造方法が、ポリアルキレ
ングリコールジアクリレートおよび/またはポリアルキ
レングリコールジメタクリレートからなるA成分と、下
記の一般式(3)で表される二官能性化合物および/ま
たは下記の一般式(4)で表される単官能性化合物から
なるB成分とを、電解液に溶解してポリマー前駆体溶液
を作製する工程と、上記ポリマー前駆体溶液中のA成分
およびB成分を重合し、ポリマーの網目構造内に電解液
を保持させてなるポリマー電解質を作製する工程と、を
備えることを特徴とするポリマー電解質リチウム二次電
池の製造方法。 【化3】 CH2 =CR−CO−O−Cn H2n−O−CO−CR=CH2 …(3) 〔式(3)中、RはHまたはCH3 であり、互いに同じ
でも異なっていてもよい。また、nは1〜10の正数で
ある。〕 【化4】 CH2 =CR−CO−O−Cn H2n−O−CH3 …(4) 〔式(4)中、RはHまたはCH3 である。また、nは
1〜10の正数である。〕 - 【請求項4】 上記ポリマー前駆体溶液中のポリマー前
駆体の総質量に対する上記B成分の質量比が、0.1〜
0.5である、請求項3に記載のポリマー電解質リチウ
ム二次電池の製造方法。
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JP2000161515A JP4245256B2 (ja) | 2000-05-31 | 2000-05-31 | ポリマー電解質リチウム二次電池およびその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2004311307A (ja) * | 2003-04-09 | 2004-11-04 | Sony Corp | 電池 |
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2000
- 2000-05-31 JP JP2000161515A patent/JP4245256B2/ja not_active Expired - Fee Related
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