JP2001336406A - 電磁駆動弁を有する内燃機関 - Google Patents

電磁駆動弁を有する内燃機関

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JP2001336406A
JP2001336406A JP2000159227A JP2000159227A JP2001336406A JP 2001336406 A JP2001336406 A JP 2001336406A JP 2000159227 A JP2000159227 A JP 2000159227A JP 2000159227 A JP2000159227 A JP 2000159227A JP 2001336406 A JP2001336406 A JP 2001336406A
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Japan
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valve
armature
intake
core
internal combustion
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Application number
JP2000159227A
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English (en)
Inventor
Tomoumi Yamada
智海 山田
Isao Matsumoto
功 松本
Kazuhiko Shiratani
和彦 白谷
Masaji Katsumata
正司 勝間田
Keiji Yotsueda
啓二 四重田
Hideyuki Nishida
秀之 西田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、潤滑油供給機能を備えた電磁駆動
式動弁機構において、摺動体が開弁側変位端又は閉弁側
変位端に位置する部材と潤滑油の膜を介して密着するこ
とを防止し、以て吸排気弁の開閉タイミングの遅延や摺
動体の脱調を防止することを課題とする。 【解決手段】 本発明に係る電磁駆動弁を有する内燃機
関は、内燃機関の吸気弁又は排気弁と連動して摺動する
摺動体と、前記摺動体の開弁側変位端又は閉弁側変位端
に配置された電磁石との少なくとも一方の表面に、凹部
およびまたは貫通孔を設けることにより、前記摺動体と
前記電磁石が当接する際に、それらの間に介在する潤滑
油を凹部又は貫通孔へ流入させ、摺動体と電磁石との間
における油膜の形成を抑制し、以て摺動体と電磁石が油
膜により密着することを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁力を利用して
吸気弁およびまたは排気弁を開閉駆動する電磁駆動式動
弁機構を備えた内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車などに搭載される内燃機関
では、吸排気弁の開閉駆動に起因した機械損失の防止、
吸気のポンピング損失の防止、正味熱効率の向上等を目
的として、吸気弁及び排気弁の開閉タイミングを任意に
変更可能な電磁駆動式動弁機構の開発が進められてい
る。
【0003】電磁駆動式動弁機構としては、例えば、磁
性体を具備するとともに吸排気弁と連動して摺動する摺
動体と、励磁電流が印加されたときに前記摺動体を閉弁
方向へ変位させる電磁力を発生する閉弁用電磁石と、励
磁電流が印加されたときに前記摺動体を開弁方向へ変位
させる電磁力を発生する開弁用電磁石と、前記摺動体を
開弁側変位端と閉弁側変位端との中立位置に弾性支持す
る弾性部材とを備えたものが提案されている。
【0004】このような電磁駆動式動弁機構によれば、
従来の動弁機構のように機関出力軸(クランクシャフ
ト)の回転力を利用して吸排気弁を開閉駆動させる必要
がないため、吸排気弁の駆動に起因した機械損失が防止
される。
【0005】更に、上記した電磁駆動式動弁機構によれ
ば、機関出力軸の回転動作と独立して吸排気弁を開閉駆
動させることが可能となるため、吸排気弁の開閉時期や
開度を制御する場合の自由度が高い等、種々の利点があ
る。
【0006】一方、上記したような電磁駆動式動弁機構
では、摺動体が変位する際に該摺動体の摺動部位に摩擦
が発生するため、その摩擦に抗して摺動体を変位させる
べく、開弁用電磁石及び閉弁用電磁石に比較的多量の励
磁電流を印加しなければならないという問題があった。
【0007】このような問題に対して、従来では、特開
平11−36829号公報に記載されたような電磁駆動
弁が提案されている。前記公報に記載された電磁駆動弁
は、弁体に電磁力を伝達する軸部材と、その軸部材を摺
動自在に保持する軸受け部とを備えた電磁駆動弁であっ
て、前記軸受け部に潤滑油を供給する機構を備えたもの
である。すなわち、前記公報に記載された電磁駆動弁
は、電磁力を受けたときに弁体と連動して摺動する摺動
体の摺動部位に潤滑油を供給する機構を備えたものであ
る。
【0008】このような電磁駆動弁によれば、潤滑機構
によって供給される潤滑油により、摺動体の摺動部位に
おける摩擦の発生が抑制されるため、摺動体を変位させ
る場合に開弁用電磁石及び閉弁用電磁石に対して多量の
励磁電流を印加する必要がない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したよ
うな電磁駆動式動弁機構としては、摺動体の開弁側変位
端及び閉弁側変位端に電磁石が配置された電磁駆動式動
弁機構が知られている。そのような電磁駆動式動弁機構
では、摺動体が開弁側変位端又は閉弁側変位端へ変位し
たときに、該摺動体と電磁石とが互いに当接することに
なる。その際、摺動体と電磁石との少なくとも一方に潤
滑油が付着していると、その潤滑油が摺動体と電磁石と
の間で押し広げられて油膜を形成し、その油膜により前
記摺動体と前記電磁石とが密着される場合がある。
【0010】このように摺動体と電磁石とが油膜を介し
て密着すると、摺動体が電磁石から離脱する際に、油膜
が摺動体との剥離に抗する圧力、及び電磁石との剥離に
抗する圧力を発生するため、摺動体が電磁石から離脱し
難くなり、その結果、摺動体が電磁石から離脱するタイ
ミングが遅延してしまうことが想定される。
【0011】摺動体が電磁石から離脱するタイミングが
遅延すると、それに応じて吸排気弁の開閉タイミングが
遅延してしまう。更に、摺動体が電磁石から脱離するタ
イミングが遅延すると、電磁石に対する励磁電流の印加
タイミングと摺動体の動作タイミングとを同調させるこ
とが困難となり、摺動体が制御不能な状態に陥る、いわ
ゆる脱調が発生する虞がある。
【0012】本発明は、上記したような種々の事情に鑑
みてなされたものであり、潤滑剤供給機能を備えた電磁
駆動式動弁機構において、摺動体が開弁側変位端又は閉
弁側変位端の部材と潤滑剤の膜を介して密着することを
防止する技術を提供することにより、吸排気弁の開閉タ
イミングの遅延や摺動体の脱調を防止することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した課題
を解決するために以下のような手段を採用した。すなわ
ち、本発明に係る電磁駆動弁を有する内燃機関は、磁性
体を具備するとともに内燃機関の吸気弁又は排気弁と連
動して摺動する摺動体と、前記摺動体を開弁側又は閉弁
側へ変位させるための電磁力を発生する電磁石と、前記
摺動体の摺動部位に潤滑剤を供給する潤滑機構と、前記
摺動体とこの摺動体の変位端に位置する部材との少なく
とも一方における他方と接触する部位に設けられた凹部
と、を備えることを特徴としている。
【0014】このように構成された電磁駆動弁を有する
内燃機関では、電磁石が電磁力を発生すると、摺動体が
開弁側変位端又は閉弁側変位端まで変位し、開弁側変位
端又は閉弁側変位端に配置された部材と当接する。
【0015】その際、摺動体において変位端の部材と当
接する部位、およびまたは、変位端の部材において摺動
体と当接する面に、前記潤滑機構から供給された潤滑剤
が付着していると、その潤滑剤が前記摺動体およびまた
は前記部材に設けられた凹部に流入する。
【0016】この結果、摺動体が開弁側変位端又は閉弁
側変位端まで変位した際に、該摺動体と変位端の部材と
の間に油膜が形成され難くなり、前記摺動体と前記部材
とが油膜を介して密着し難くなる。
【0017】尚、本発明に係る電磁駆動弁を有する内燃
機関において、摺動体およびまたは変位端の部材に設け
られる凹部としては、前記摺動体における前記部材との
接触面およびまたは前記部材における前記摺動体との接
触面に設けられた複数の溝、前記摺動体における前記部
材との接触面およびまたは前記部材における前記摺動体
との接触面の中心部から放射状に延びるよう形成された
溝、または、前記摺動体における前記部材との接触面お
よびまたは前記部材における前記摺動体との接触面の複
数箇所に設けられた孔等を例示することができる。
【0018】また、本発明に係る電磁駆動弁を有する内
燃機関では、摺動体において変位端の部材と接触する
面、およびまたは前記部材において前記摺動体と接触す
る面に、凹部の代わりに、前記接触面から該接触面の背
面へ貫通する貫通孔を設けるようにしてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電磁駆動弁を
有する内燃機関の具体的な実施態様について図面に基づ
いて説明する。
【0020】図1及び図2は、本実施の形態に係る内燃
機関とその吸排気系の概略構成を示す図である。図1及
び図2に示す内燃機関1は、4つの気筒21を備えた4
ストローク・サイクルの水冷式ガソリンエンジンであ
る。
【0021】内燃機関1は、4つの気筒21及び冷却水
路1cが形成されたシリンダブロック1bと、このシリ
ンダブロック1bの上部に固定されたシリンダヘッド1
aとを備えている。
【0022】前記シリンダブロック1bには、機関出力
軸たるクランクシャフト23が回転自在に支持され、こ
のクランクシャフト23は、各気筒21内に摺動自在に
装填されたピストン22とコネクティングロッド19を
介して連結されている。
【0023】前記クランクシャフト23の端部には周縁
に複数の歯が形成されたタイミングロータ51aが取り
付けられ、そのタイミングロータ51a近傍のシリンダ
ブロック1bには電磁ピックアップ51bが取り付けら
れている。これらタイミングロータ51aと電磁ピック
アップ51bは、クランクポジションセンサ51を構成
する。
【0024】前記シリンダブロック1bには、前記冷却
水路1c内を流れる冷却水の温度に対応した電気信号を
出力する水温センサ52が取り付けられている。各気筒
21のピストン22上方には、ピストン22の頂面とシ
リンダヘッド1aの壁面とに囲まれた燃焼室24が形成
されている。前記シリンダヘッド1aには、各気筒21
の燃焼室24に臨むよう点火栓25が取り付けられ、こ
の点火栓25には、該点火栓25に駆動電流を印加する
ためのイグナイタ25aが接続されている。
【0025】前記シリンダヘッド1aにおいて各気筒2
1の燃焼室24に臨む部位には、吸気ポート26の開口
端が2つ形成されるとともに、排気ポート27の開口端
が2つ形成されている。そして、前記シリンダヘッド1
aには、前記吸気ポート26の各開口端を開閉する吸気
弁28と、前記排気ポート27の各開口端を開閉する排
気弁29とが進退自在に設けられている。
【0026】前記シリンダヘッド1aには、励磁電流が
印加されたときに発生する電磁力を利用して前記吸気弁
28を進退駆動する電磁駆動機構30(以下、吸気側電
磁駆動機構30と称する)が吸気弁28と同数設けられ
ている。各吸気側電磁駆動機構30には、該吸気側電磁
駆動30に励磁電流を印加するための駆動回路30a
(以下、吸気側駆動回路30aと称する)が電気的に接
続されている。
【0027】前記シリンダヘッド1aには、励磁電流が
印加されたときに発生する電磁力を利用して前記排気弁
29を進退駆動する電磁駆動機構31(以下、排気側電
磁駆動機構31と称する)が排気弁29と同数設けられ
ている。各排気側電磁駆動機構31には、該排気側電磁
駆動機構31に励磁電流を印加するための駆動回路31
a(以下、排気側駆動回路31aと称する)が電気的に
接続されている。
【0028】上記した吸気側電磁駆動機構30と排気側
電磁駆動機構31とは、本発明に係る電磁駆動式動弁機
構を実現するものである。内燃機関1のシリンダヘッド
1aには、4つの枝管からなる吸気枝管33が接続さ
れ、前記吸気枝管33の各枝管は、各気筒21の吸気ポ
ート26と連通している。
【0029】前記シリンダヘッド1aにおいて前記吸気
枝管33との接続部位の近傍には、その噴孔が吸気ポー
ト26内に臨むよう燃料噴射弁32が取り付けられてい
る。前記吸気枝管33は、吸気の脈動を抑制するための
サージタンク34に接続されている。前記サージタンク
34には、吸気管35が接続され、吸気管35は、吸気
中の塵や埃等を取り除くためのエアクリーナボックス3
6と接続されている。
【0030】前記吸気管35には、該吸気管35内を流
れる空気の質量(吸入空気質量)に対応した電気信号を
出力するエアフローメータ44が取り付けられている。
前記吸気管35において前記エアフローメータ44より
下流の部位には、該吸気管35内を流れる吸気の流量を
調整するスロットル弁39が設けられている。
【0031】前記スロットル弁39には、ステッパモー
タ等からなり印加電力の大きさに応じて前記スロットル
弁39を開閉駆動するスロットル用アクチュエータ40
と、前記スロットル弁39の開度に対応した電気信号を
出力するスロットルポジションセンサ41とが取り付け
られている。
【0032】前記スロットル弁39には、該スロットル
弁39と独立に回動自在であり、且つアクセルペダル4
2に連動して回動する図示しないアクセルレバーが取り
付けられ、そのアクセルレバーには、該アクセルレバー
の回動量に対応した電気信号を出力するアクセルポジシ
ョンセンサ43が取り付けられている。
【0033】一方、前記内燃機関1のシリンダヘッド1
aには、4本の枝管が内燃機関1の直下流において1本
の集合管に合流するよう形成された排気枝管45が接続
され、前記排気枝管45の各枝管が各気筒21の排気ポ
ート27と連通している。
【0034】前記排気枝管45は、排気浄化触媒46を
介して排気管47に接続され、排気管47は、下流にて
図示しないマフラーと接続されている。前記排気枝管4
5には、該排気枝管45内を流れる排気、言い換えれ
ば、排気浄化触媒46に流入する排気の空燃比に対応し
た電気信号を出力する空燃比センサ48が取り付けられ
ている。
【0035】ここで、上記した排気浄化触媒46として
は、例えば、該排気浄化触媒46に流入する排気の空燃
比が理論空燃比近傍の所定の空燃比であるときに排気中
に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒
素酸化物(NOx)を浄化する三元触媒、該排気浄化触
媒46に流入する排気の空燃比がリーン空燃比であると
きは排気中に含まれる窒素酸化物(NOx)を吸蔵する
とともに該排気浄化触媒46に流入する排気の空燃比が
理論空燃比もしくはリッチ空燃比であるときは吸蔵して
いた窒素酸化物(NOx)を放出しつつ還元・浄化する
吸蔵還元型NOx触媒、該排気浄化触媒46に流入する
排気の空燃比が酸素過剰状態にあり且つ所定の還元剤が
存在するときに排気中の窒素酸化物(NOx)を還元・
浄化する選択還元型NOx触媒、もしくは上記した各種
の触媒を適宜組み合わせてなる触媒である。
【0036】上記したように構成された内燃機関1に
は、該内燃機関1の運転状態を制御するための電子制御
ユニット(Electronic Control Unit:ECU)20が
併設されている。
【0037】前記ECU20には、スロットルポジショ
ンセンサ41、アクセルポジションセンサ43、エアフ
ローメータ44、空燃比センサ48、クランクポジショ
ンセンサ51、水温センサ52等の各種センサが電気配
線を介して接続され、各センサの出力信号がECU20
に入力されるようになっている。
【0038】前記ECU20には、イグナイタ25a、
吸気側駆動回路30a、排気側駆動回路31a、燃料噴
射弁32、スロットル用アクチュエータ40等が電気配
線を介して接続され、ECU20は、上記した各種セン
サの出力信号値をパラメータとして、イグナイタ25
a、吸気側駆動回路30a、排気側駆動回路31a、燃
料噴射弁32、或いはスロットル用アクチュエータ40
を制御することが可能になっている。次に、本実施の形
態に係る吸気側電磁駆動機構30及び排気側電磁駆動機
構31の具体的な構成について述べる。尚、吸気側電磁
駆動機構30と排気側電磁駆動機構31とは同様の構成
であるため、吸気側電磁駆動機構30のみを例に挙げて
説明する。
【0039】図3は、吸気側電磁駆動機構30の構成を
示す断面図である。図3において内燃機関1のシリンダ
ヘッド1aは、シリンダブロック1bの上面に固定され
るロアヘッド10と、このロアヘッド10の上部に設け
られたアッパヘッド11とを備えている。
【0040】前記ロアヘッド10には、各気筒21毎に
2つの吸気ポート26が形成され、各吸気ポート26の
燃焼室24側の開口端には、吸気弁28の弁体28aが
着座するための弁座12が設けられている。
【0041】前記ロアヘッド10には、各吸気ポート2
6の内壁面から該ロアヘッド10の上面にかけて断面円
形の貫通孔が形成され、その貫通孔には筒状のバルブガ
イド13が挿入されている。前記バルブガイド13の内
孔には、吸気弁28の弁軸28bが貫通し、前記弁軸2
8bが軸方向へ摺動自在となっている。
【0042】前記アッパヘッド11において前記バルブ
ガイド13と軸心が同一となる部位には、第1コア30
1及び第2コア302が嵌入される断面円形のコア取付
孔14が設けられている。前記コア取付孔14の下部1
4bは、その上部14aに比して径大に形成されてい
る。以下では、前記コア取付孔14の下部14bを径大
部14bと称し、前記コア取付孔14の上部14aを径
小部14aと称する。
【0043】前記径小部14aには、軟磁性体からなる
環状の第1コア301と第2コア302とが所定の間隙
303を介して軸方向に直列に嵌挿されている。これら
の第1コア301の上端と第2コア302の下端には、
それぞれフランジ301aとフランジ302aが形成さ
れており、第1コア301は上方から、また第2コア3
02は下方からそれぞれコア取付孔14に嵌挿され、フ
ランジ301aとフランジ302aがコア取付孔14の
縁部に当接することにより第1コア301と第2コア3
02の位置決めがなされて、前記間隙303が所定の距
離に保持されるようになっている。
【0044】前記第1コア301の上部には、コア取付
孔14の径大部14bより径大な外径を有する環状体か
らなるアッパプレート318が配置され、そのアッパプ
レート318の上部には、筒状体の下端に前記アッパプ
レート318と略同径の外径を有するフランジ305a
が形成されたアッパキャップ305が配置されている。
【0045】前記したアッパキャップ305及びアッパ
プレート318は、アッパキャップ305のフランジ3
05a上面からアッパプレート318を介してアッパヘ
ッド11の内部へ貫通するボルト304によりアッパヘ
ッド11の上面に固定されている。
【0046】この場合、アッパキャップ305及びアッ
パプレート318は、フランジ部305aを含むアッパ
キャップ305の下端がアッパプレート318の上面に
当接すると同時に、アッパプレート318の下面が第1
コア301の上面周縁部に当接した状態でアッパヘッド
11に固定されることになり、その結果、第1コア30
1がアッパヘッド11に固定されることになる。
【0047】前記第2コア302の下部には、コア取付
孔14の径大部14bと略同径の外径を有する環状体か
らなるロアプレート307が設けられている。このロア
プレート307は、該ロアプレート307の下面からア
ッパヘッド11へ貫通するボルト306により、前記径
小部14aと径大部14bの段部における下向きの段差
面に固定されている。この場合、ロアプレート307が
第2コア302の下面周縁部に当接した状態で固定され
ることになり、その結果、第2コア302がアッパヘッ
ド11に固定されることになる。
【0048】前記第1コア301の前記間隙303側の
面に形成された溝部には、第1の電磁コイル308が把
持されており、前記第2コア302の間隙303側の面
に形成された溝部には第2の電磁コイル309が把持さ
れている。その際、第1の電磁コイル308と第2の電
磁コイル309とは、前記間隙303を介して向き合う
位置に配置されるものとする。そして、第1及び第2の
電磁コイル308、309は、前述した吸気側駆動回路
30aと電気的に接続されている。
【0049】前記した第1コア301と第1の電磁コイ
ル308は、本発明に係る電磁石を実現するものであ
り、前記した第2コア302と第2の電磁コイル309
も、本発明に係る電磁石を実現するものである。
【0050】前記間隙303には、該間隙303の内径
より径小な外径を有する環状の軟磁性体からなるアーマ
チャ311が配置されている。このアーマチャ311の
中空部には、前記第1コア301及び前記第2コア30
2の中空部より径小な外径を有する円柱状の非磁性体か
らなるアーマチャシャフト310が前記アーマチャ31
1の軸心に沿って上下方向に延出するよう固定されてい
る。
【0051】その際、前記アーマチャシャフト310
は、その上端が前記第1コア301の中空部を通ってア
ッパキャップ305内まで至るとともに、その下端が第
2コア302の中空部を通って径大部14b内まで至る
よう形成されるものとする。
【0052】これに対応して、前記第1コア301の中
空部の上端と前記第2コア302の中空部の下端との各
々には、前記アーマチャシャフト310の外径と略同径
の内径を有する環状のアッパブッシュ319とロアブッ
シュ320とが設けられ、これらアッパブッシュ319
とロアブッシュ320とにより前記アーマチャシャフト
310が軸方向へ摺動自在に保持されている。
【0053】前記アッパキャップ305内に延出したア
ーマチャシャフト310の上端部には、円板状のアッパ
リテーナ312が接合されるとともに、前記アッパキャ
ップ305の上部開口部にはアジャストボルト313が
螺着され、これらアッパリテーナ312とアジャストボ
ルト313との間には、アッパスプリング314が介在
している。また、前記アジャストボルト313と前記ア
ッパスプリング314との当接面には、前記アッパキャ
ップ305の内径と略同径の外径を有するスプリングシ
ート315が介装されている。
【0054】前記径大部14b内に延出したアーマチャ
シャフト310の下端部には、吸気弁28の弁軸28b
の上端部が当接している。前記弁軸28bの上端部の外
周には、円盤状のロアリテーナ28cが接合されてお
り、そのロアリテーナ28cの下面とロアヘッド10の
上面との間には、ロアスプリング316が介在してい
る。
【0055】このように構成された吸気側電磁駆動機構
30では、吸気側駆動回路30aから第1の電磁コイル
308及び第2の電磁コイル309に対して励磁電流が
印加されていないときは、アッパスプリング314から
アーマチャシャフト310に対して下方向(すなわち、
吸気弁28を開弁させる方向)への付勢力が作用すると
ともに、ロアスプリング316から吸気弁28に対して
上方向(すなわち、吸気弁28を閉弁させる方向)への
付勢力が作用し、その結果、アーマチャシャフト310
及び吸気弁28が互いに当接しつつ所定の位置に弾性支
持された状態、いわゆる中立状態に保持されることにな
る。
【0056】尚、アッパスプリング314とロアスプリ
ング316の付勢力は、前記アーマチャ311の中立位
置が前記間隙303において前記第1コア301と前記
第2コア302との中間の位置となるよう設定されてお
り、構成部品の初期公差や経年変化等によってアーマチ
ャ311の中立位置が前記した中間位置からずれた場合
には、アーマチャ311の中立位置が前記した中間位置
と一致するようアジャストボルト313によって調整す
ることが可能になっている。
【0057】前記アーマチャシャフト310及び前記弁
軸28bの軸方向の長さは、前記アーマチャ311が前
記間隙303の中間位置に位置するときに前記弁体28
aが開弁側変位端と閉弁側変位端との中間の位置(以
下、中開位置と称する)となり、且つ、前記アーマチャ
311が第1コア301に当接したときに前記弁体28
aが弁座12に着座するように設定されている。
【0058】前記した吸気側電磁駆動機構30では、吸
気側駆動回路30aから第1の電磁コイル308に対し
て励磁電流が印加されている時は、第1コア301と第
1の電磁コイル308とアーマチャ311との間に、ア
ーマチャ311を第1コア301側へ変位させる方向の
電磁力が発生するため、アーマチャ311は、アッパス
プリング314の付勢力に抗して閉弁側へ変位し、第1
コア301に当接する。 アーマチャ311が第1コア
301に当接した状態にあると、吸気弁28は、ロアス
プリング316の付勢力を受けて退行し、該吸気弁28
の弁体28aが弁座12に着座した状態、すなわち全閉
状態となる。
【0059】また、前記した吸気側電磁駆動機構30で
は、吸気側駆動回路30aから第2の電磁コイル309
に対して励磁電流が印加されている時は、第2コア30
2と第2の電磁コイル309とアーマチャ311との間
に、アーマチャ311を第2コア302側へ変位させる
方向の電磁力が発生するため、アーマチャ311は、ロ
アスプリング316の付勢力に抗して開弁側へ変位し、
第2コア302に当接する。
【0060】アーマチャ311が第2コア302に当接
した状態にあると、アーマチャシャフト310がロアス
プリング316の付勢力に抗して弁軸28bを開弁方向
へ押圧することになり、その押圧力によって吸気弁28
が全開状態に保持される。
【0061】また、上記した吸気側電磁駆動機構30で
は、全閉状態にある吸気弁28を開弁させる場合は、先
ず吸気側駆動回路30aが第1の電磁コイル308に対
する励磁電流の印加を停止する。
【0062】このとき、第1コア301と第1の電磁コ
イル308とアーマチャシャフト310との間でアーマ
チャ311を第1コア301に引き付ける電磁力が消滅
するため、アーマチャ311及び吸気弁28がアッパス
プリング314の付勢力を受けて開弁方向へ変位する。
【0063】吸気側駆動回路30aは、アーマチャ31
1がアッパスプリング314の付勢力を受けて第2コア
302の近傍まで変位した時点で、第2の電磁コイル3
09に対して励磁電流を印加することにより、第2コア
302と第2の電磁コイル309とアーマチャ311と
の間にアーマチャ311を第2コア302に引き付ける
電磁力を発生させる。この電磁力によりアーマチャ31
1が第2コア302と当接する位置(開弁側変位端)ま
で変位し、その結果、吸気弁28が全開状態となる。
【0064】一方、上記した吸気側電磁駆動機構30で
は、全開状態にある吸気弁28を閉弁させる場合は、先
ず吸気側駆動回路30aが第2の電磁コイル309に対
する励磁電流の印加を停止する。
【0065】このとき、第2コア302と第2の電磁コ
イル309とアーマチャシャフト310との間でアーマ
チャ311を第2コア302に引き付ける電磁力が消滅
するため、アーマチャ311及び吸気弁28がロアスプ
リング316の付勢力を受けて閉弁方向へ変位する。
【0066】吸気側駆動回路30aは、アーマチャ31
1がロアスプリング316の付勢力を受けて第1コア3
01の近傍まで変位した時点で、第1の電磁コイル30
8に対して励磁電流を印加することにより、第1コア3
01と第1の電磁コイル308とアーマチャ311との
間に、アーマチャ311を第1コア301へ引き付ける
電磁力を発生させる。この電磁力によりアーマチャ31
1が第1コア301と当接する位置(閉弁側変位端)ま
で変位し、その結果、吸気弁28の弁体28aが弁座1
2に着座する。
【0067】このように吸気側駆動回路30aが第1の
電磁コイル308と第2の電磁コイル309とに対して
所定のタイミングで交互に励磁電流を印加することによ
り、アーマチャ311が閉弁側変位端と開弁側変位端と
の間で進退動作し、それに伴って弁軸28bが進退駆動
されると同時に弁体28aが開閉駆動されることにな
る。
【0068】従って、ECU20が第1の電磁コイル3
08及び第2の電磁コイル309に対する励磁電流の印
加タイミングを変更すべく吸気側駆動回路30aを制御
することにより、吸気弁28の開閉タイミングを任意に
制御することが可能となる。
【0069】一方、上記した吸気側電磁駆動機構30に
は、アーマチャシャフト310とアッパブッシュ318
aとの摺動抵抗、及びアーマチャシャフト310とロア
ブッシュ307aとの摺動抵抗を低減すべく潤滑機構が
設けられている。
【0070】前記した潤滑機構は、前記アッパプレート
318の下面において前記アッパブッシュ319の上面
に臨む部位に設けられた環状のアッパ側凹部318a
と、前記ロアプレート307の上面において前記ロアブ
ッシュ320に臨む部位に設けられた環状のロア側凹部
307aと、図示しないオイルポンプから吐出された潤
滑油を前記アッパ側凹部318aへ導くアッパ側オイル
通路401と、前記オイルポンプから吐出された潤滑油
を前記ロア側凹部307aへ導くロア側オイル通路40
2と、前記アッパ側凹部318aへ供給された余剰の潤
滑油を前記ロア側凹部307aへ導く連通路403と、
前記ロア側凹部307aからアーマチャシャフト310
とロアプレート307との間隙等を通って径大部14b
内へ降下した潤滑油を図示しないオイルパンへ戻すリタ
ーン通路404とを備えている。
【0071】図3に示す例では、前記したアッパ側オイ
ル通路401は、オイルポンプからアッパヘッド11、
第1コア301のフランジ301a、及びアッパプレー
ト318の内部を経由して前記アッパ側凹部318aに
至るよう形成され、前記ロア側オイル通路402は、オ
イルポンプからアッパヘッド11、第2コア302、及
びロアプレートの内部を経由してロア側凹部307に至
るよう形成され、連通路403は、アッパ側凹部318
aからアッパプレート318、第1コア301のフラン
ジ301a、アッパヘッド11、第2コア302のフラ
ンジ302a、及びロアプレート307の内部を経由し
てロア側凹部307aへ至るよう形成され、更にリター
ン通路404は、径大部14bからロアヘッド10の内
部を経由してオイルパンへ至るよう形成されている。
【0072】尚、上記したアッパ側オイル通路401、
ロア側オイル通路402、連通路403、及びリターン
通路404の構成は、図3に示した構成に限られるもの
ではないことは勿論である。
【0073】このように構成された潤滑機構では、オイ
ルポンプから吐出された潤滑油がアッパ側オイル通路4
01を介してアッパ側凹部318aへ供給される。アッ
パ側凹部318aに供給された潤滑油は、アーマチャシ
ャフト310の進退動作によって該アーマチャシャフト
310の外周面とアッパブッシュ319の内周面との間
隙に進入し、アーマチャシャフト310の外周面とアッ
パブッシュ319の内周面との間で発生する摩擦を低減
させる。
【0074】また、上記した潤滑機構では、オイルポン
プから吐出された潤滑油がロア側オイル通路402を介
してロア側凹部307aへ供給されるとともに、アッパ
側凹部318aに供給された余剰の潤滑油が前記アッパ
側凹部318aから連通路403を介してロア側凹部3
07aへ供給される。
【0075】ロア側凹部307aに供給された潤滑油
は、アーマチャシャフト310の進退動作によって該ア
ーマチャシャフト310の外周面とロアブッシュ320
の内周面との間隙に進入し、アーマチャシャフト310
の外周面とロアブッシュ319の内周面との間で発生す
る摩擦を低減させる。
【0076】ロア側凹部307aに供給された余剰の潤
滑油は、アーマチャシャフト310とロアプレート30
7との間隙等を経由して径大部14bへ進入し、次いで
ロアヘッド10の上面へ降下する。ロアヘッド10の上
面に降下した潤滑油は、リターン通路404へ流入して
オイルパンへ戻される。
【0077】このような潤滑機構によれば、アーマチャ
シャフト310の摺動抵抗が軽減され、アーマチャシャ
フト310が比較的小さな電磁力によって進退動作可能
となるため、第1の電磁コイル308及び第2の電磁コ
イル309に印加すべき励磁電流量を少なくすることが
できる。
【0078】ところで、上記したような潤滑機構では、
アーマチャシャフト310とアッパブッシュ319との
間に進入した潤滑油がアーマチャシャフト310の外周
面を伝って降下し、アーマチャ311の表面に付着する
場合がある。
【0079】アーマチャ311の表面に潤滑油が存在す
るときに、吸気弁28を閉弁状態又は開弁状態に保持す
べくアーマチャ311が第1又は第2コア301、30
2に引き付けられると、前記した潤滑油がアーマチャ3
11と第1又は第2コア301、302と間で押し広げ
られて油膜を形成し、その油膜により前記アーマチャ3
11と前記第1又は第2コア301、302とが密着さ
れる場合がある。
【0080】ここで、例えば、閉弁状態に保持されてい
る吸気弁28を開弁させるべく、第1の電磁コイル30
8に対する励磁電流の印加が停止されると、通常であれ
ばアーマチャ311が直ちに第1コア301から離脱す
ることになるが、前述したようにアーマチャ311と第
1コア301とが油膜を介して密着している場合は、油
膜がアーマチャ311との剥離に抗する圧力及び第1コ
ア301との剥離に抗する圧力を発生するため、アーマ
チャ311が第1コア301から離脱し難くなり、その
結果、アーマチャ311が変位を開始するタイミング、
言い換えれば吸気弁28が開弁し始めるタイミングが遅
延してしまうことが想定される。
【0081】更に、アーマチャ311が第1コア301
から離脱するタイミングが遅延すると、それに応じてア
ーマチャ311が第2コア302の近傍に到達するタイ
ミングも遅延することになるため、吸気側駆動回路30
aが所定のタイミングで第2の電磁コイル309へ励磁
電流を印加しても、第2コア302及び第2の電磁コイ
ル309が発生した電磁力をアーマチャ311に対して
有効に作用させることが困難となり、アーマチャ311
を開弁側変位端に保持することができなくなる場合があ
る。
【0082】そのような場合には、アーマチャ311が
アッパスプリング314とロアスプリング316との付
勢力を受けて振動し、最終的に中立位置に収束する、い
わゆる脱調が発生する虞がある。
【0083】尚、上記したような問題は、開弁状態にあ
る吸気弁28を閉弁させる場合にも発生し得る問題であ
るとともに、排気側電磁駆動機構31において排気弁2
9を開弁又は閉弁させる場合にも発生し得る問題であ
る。
【0084】そこで、本実施の形態では、吸気側電磁駆
動機構30及び排気側電磁駆動機構31において、アー
マチャ311の上面およびまたは下面に、図4に示すよ
うに、アーマチャ311の中心から周縁にかけて放射状
に伸びる溝311aを設けるようにした。
【0085】このように構成されたアーマチャ311で
は、該アーマチャ311が第1又は第2コア301、3
02に引き付けられた際に、アーマチャ311の表面に
存在する潤滑油が前記アーマチャ311と第1又は第2
コア301、302との間で圧迫される。その際、アー
マチャ311表面において溝311a以外の部位(以
下、平面部311bと称する)と第1又は第2コア30
1、302との間の圧力は、前記溝311aと第1又は
第2コア301、302との間の圧力に比して高くなる
ため、前記平面部311bと第1又は第2コア301、
302との間に位置していた潤滑油は、前記溝部311
aと第1又は第2コア301、302との間へ流入する
ことになる。そして、前記溝311aと第1又は第2コ
ア301、302との間に流入した余剰の潤滑油は、該
溝311aを伝ってアーマチャ311の周縁に流出す
る。
【0086】この結果、アーマチャ311と第1又は第
2コア301、302との間に油膜が形成され難くな
り、アーマチャ311が第1又は第2コア301、30
2から離脱する際に、前記アーマチャ311の離脱に対
する抗力の発生が抑制される。
【0087】従って、本実施の形態に係る電磁駆動弁を
有する内燃機関によれば、吸気側電磁駆動機構30及び
排気側電磁駆動機構31において、閉弁状態又は開弁状
態にある吸排気弁28、29を開閉動作させるべく第1
又は第2の電磁コイル308、309に対する励磁電流
の印加が停止された場合に、アーマチャ311が速やか
に第1又は第2コア302から離脱することになるた
め、吸排気弁28、29の開閉タイミングが遅延するこ
とがなくなるとともに、脱調を発生を防止することが可
能となる。
【0088】尚、本実施の形態では、アーマチャ311
と第1又は第2コア301、302との間に油膜が形成
されるのを防止する構成として、アーマチャ311の表
面に放射状の溝311aを設ける構成を例に挙げたが、
これに限られるものではなく、例えば、図5に示すよう
にアーマチャ311に該アーマチャ311を軸方向に貫
通する小径の貫通孔311cを複数設けるようにしても
よい。
【0089】この場合、アーマチャ311が第1又は第
2コア301、302に引き付けれると、アーマチャ3
11の表面において貫通孔311cが設けられていない
部位(以下、平面部311dと称する)の潤滑油が貫通
孔311cへ流入し、次いで貫通孔311cからアーマ
チャ311の背面へ排出されることになるため、アーマ
チャ311と第1又は第2コア301、302との間に
油膜が形成され難くなる。
【0090】また、アーマチャ311と第1又は第2コ
ア301、302との間に油膜が形成されるのを防止す
る構成としては、図6に示すように、アーマチャ311
の表面に該アーマチャ311の中心から周縁へかけて放
射状に延びる溝311aを設けるとともに、その溝31
1a内にアーマチャ311を軸方向に貫通する貫通孔3
11cを設けるような構成であってもよい。
【0091】この場合、アーマチャ311が第1又は第
2コア301、302に引き付けれると、アーマチャ3
11表面の平面部311bに存在する潤滑油が溝311
aへ流入し、溝311aに流入した余剰の潤滑油が該溝
311aからアーマチャ311の周縁へ排出されるとと
もに貫通孔311cを介してアーマチャ311の背面へ
排出されることになるため、アーマチャ311と第1又
は第2コア301、302との間に油膜が形成され難く
なる。
【0092】また、アーマチャ311と第1又は第2コ
ア301、302との間に油膜が形成されるのを防止す
る構成としては、図7に示すように、アーマチャ311
を、その厚さが中心から周縁に向かって徐々に薄くなる
テーパー状をなすように形成するとともに、アーマチャ
311に該アーマチャ311を軸方向に貫通する貫通孔
311cを複数設けるような構成であってもよい。
【0093】このように構成されたアーマチャ311に
よれば、該アーマチャ311が第1又は第2コア30
1、302に引き付けられた際に、アーマチャ311の
中心部分のみが第1又は第2コア301、302と当接
し、その他の部位が第1又は第2コア301、302と
接触しなくなる。そして、アーマチャ311表面の中心
部近傍に位置する潤滑油は、アーマチャ311と第1又
は第2コア301、302との間で圧迫され、アーマチ
ャ311の中心部から周縁に向かって放射状に押し出さ
れることになるが、そのような潤滑油は、貫通孔311
cを介してアーマチャ311の背面へ導かれるため、ア
ーマチャ311と第1又は第2コア301、302との
間の広い範囲で油膜が形成されるようなことがない。
【0094】また、アーマチャ311と第1又は第2コ
ア301、302との間に油膜が形成されるのを防止す
る構成としては、アーマチャ311に溝や貫通孔等を設
ける代わりに、第1又は第2コア301、302の表面
に、溝や凹部を設けるような構成であってもよい。
【0095】例えば、図8に示すように、第1又は第2
コア301、302の表面に、該第1又は第2コア30
1、302の中心から周縁にかけて放射状に延びる溝5
00を設けるようにしてもよく、あるいは、第1又は第
2コア301、302の表面の複数箇所に径小な半球状
の凹部510を設けるようにしてもよい。
【0096】一方、アーマチャ311と第1又は第2コ
ア301、302との間に油膜が形成されるのを防止す
る構成としては、上記したような構成に加えて、図10
に示すように、アーマチャ311におけるアーマチャシ
ャフト310の極近傍の部位に、該アーマチャ311を
軸方向に貫通するオイル通路311eを複数設けるよう
にしてもよく、或いは、図11に示すように、アーマチ
ャシャフト310の周壁においてアーマチャ311の上
方から下方にかけて軸方向に延びるオイル溝310aを
周方向に複数設けるようにしてもよい。
【0097】この場合、アッパブッシュ319とアーマ
チャシャフト310との間隙からアーマチャシャフト3
10を伝ってアーマチャ311の位置まで降下してきた
潤滑油は、前記オイル通路311e又は前記オイル溝3
10aによってアーマチャ311下方のアーマチャシャ
フト310へ導かれるため、アーマチャ311の表面に
潤滑油が停滞し難くなる。
【0098】この結果、アーマチャ311が第1又は第
2コア301、302に引き付けられた際に、それらア
ーマチャ311と第1又は第2コア301、302との
間に油膜が形成され難くい。
【0099】尚、上記したような構成は、適宜組み合わ
されるようにしてもよいことは勿論である。
【0100】
【発明の効果】本発明に係る電磁駆動弁を有する内燃機
関では、摺動体が開弁側変位端又は閉弁側変位端へ変位
して、その変位端に配置された部材と当接する際に、た
とえ前記摺動体と前記部材との少なくとも一方に潤滑剤
が付着していても、その潤滑剤が前記摺動体およびまた
は前記部材に設けられた凹部又は貫通孔に流入すること
になるため、前記摺動体と前記部材との間に油膜が形成
され難い。
【0101】この結果、前記摺動体と前記部材とが油膜
を介して密着し難くなるため、摺動体が開弁側変位端又
は閉弁側変位端から離脱する際に、摺動体の離脱に対す
る抗力の発生が抑制される。
【0102】従って、本発明に係る電磁駆動弁を有する
内燃機関によれば、潤滑剤供給機能を備えた電磁駆動式
動弁機構において、摺動体を開弁側変位端又は閉弁側変
位端から速やかに離脱させることが可能となり、以て吸
排気弁の開閉タイミングの遅延や摺動体の脱調が防止さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る内燃機関の概略構成を示す平面
【図2】 本発明に係る内燃機関の概略構成を示す断面
【図3】 吸気側電磁駆動機構の内部構成を示す図
【図4】 本実施の形態に係るアーマチャの構成を示す
図(1)
【図5】 本実施の形態に係るアーマチャの構成を示す
図(2)
【図6】 本実施の形態に係るアーマチャの構成を示す
図(3)
【図7】 本実施の形態に係るアーマチャの構成を示す
図(4)
【図8】 本実施の形態に係る第1又は第2コアの構成
を示す図(1)
【図9】 本実施の形態に係る第1又は第2コアの構成
を示す図(2)
【図10】 本実施の形態に係るアーマチャの構成を示
す図(5)
【図11】 本実施の形態に係るアーマチャシャフトの
構成を示す図
【符号の説明】
1・・・・・内燃機関 20・・・・ECU 25・・・・点火栓 26・・・・吸気ポート 27・・・・排気ポート 28・・・・吸気弁 29・・・・排気弁 30・・・・吸気側電磁駆動機構 30a・・・吸気側駆動回路 31・・・・排気側電磁駆動機構 31a・・・排気側駆動回路 32・・・・燃料噴射弁 301・・・第1コア 302・・・第2コア 308・・・第1の電磁コイル 309・・・第2の電磁コイル 310・・・アーマチャシャフト 310a・・オイル溝 311・・・アーマチャ 311a・・溝 311c・・貫通孔 311e・・オイル通路 500・・・溝 510・・・凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白谷 和彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 勝間田 正司 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 四重田 啓二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 西田 秀之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G013 AA06 BA01 BC18 BD00 BD47 3G018 AA06 AB09 BA38 CA12 DA38 DA41 DA68 DA83 DA85 GA04 3H106 DA07 DA25 DB02 DB14 DB26 DB32 DC02 DC17 DD09 EE04 EE48 GA20 KK17

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体を具備するとともに内燃機関の吸
    気弁又は排気弁と連動して摺動する摺動体と、 前記摺動体を開弁側又は閉弁側へ変位させるための電磁
    力を発生する電磁石と、 前記摺動体の摺動部位に潤滑剤を供給する潤滑機構と、 前記摺動体とこの摺動体の変位端に位置する部材との少
    なくとも一方の表面に設けられた凹部と、を備えること
    を特徴とする電磁駆動弁を有する内燃機関。
  2. 【請求項2】 前記凹部は、前記摺動体と前記部材との
    少なくとも一方における他方との接触面に設けられた複
    数の溝であることを特徴とする請求項1に記載の電磁駆
    動弁を有する内燃機関。
  3. 【請求項3】 前記溝は、前記接触面の中心部から放射
    状に延びるよう形成されることを特徴とする請求項2に
    記載の電磁駆動弁を有する内燃機関。
  4. 【請求項4】 前記凹部は、前記摺動体と前記部材との
    少なくとも一方における他方との接触面の複数箇所に形
    成された孔であることを特徴とする請求項1に記載の電
    磁駆動弁を有する内燃機関。
  5. 【請求項5】 磁性体を具備するとともに内燃機関の吸
    気弁又は排気弁と連動して摺動する摺動体と、 前記摺動体を開弁側又は閉弁側へ変位させるための電磁
    力を発生する電磁石と、 前記摺動体の摺動部位に潤滑剤を供給する潤滑機構と、 前記摺動体とこの摺動体の変位端に位置する部材との少
    なくとも一方における他方と接触する面に設けられ、前
    記接触面から該接触面の背面へ貫通する貫通孔と、を備
    えることを特徴とする電磁駆動弁を有する内燃機関。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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