JP2001335733A - ボールペン用水性インキ組成物 - Google Patents

ボールペン用水性インキ組成物

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JP2001335733A JP2000159111A JP2000159111A JP2001335733A JP 2001335733 A JP2001335733 A JP 2001335733A JP 2000159111 A JP2000159111 A JP 2000159111A JP 2000159111 A JP2000159111 A JP 2000159111A JP 2001335733 A JP2001335733 A JP 2001335733A
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Naoyuki Murata
直之 村田
Yasuyuki Yoshimura
保幸 吉村
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Sakura Color Products Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 顔料の長期分散安定性を保持しつつ、シュー
ドプラスチック性を発揮し、かつ品質にバラツキがな
く、腐敗が生じないゲル状のボールペン用水性インキ組
成物を提供する。 【解決手段】 着色剤と、水溶性樹脂と、水及び又は水
溶性有機溶剤を含有し、上記水溶性樹脂の増粘樹脂成分
としてポリN−ビニルアセトアミドとアクリル酸との共
重合体を含有し、インキ粘度が20℃において1000
〜10000mPa・sである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるシュード
プラスチック性(pseudoplasticity)を有する高粘度の
いわゆるゲル状のボールペン用水性インキ組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ボールペン用水性インキとして、
筆記しない静置状態ではインキタンク内において高粘度
に保持され流動性を発揮しないが、筆記すると、ボール
ペンのチップ先端部にあるボールの回転によってインキ
に剪断力が作用して粘性が低下し、流動性を発揮するい
わゆるシュードプラスチック性(擬塑性流動性)を持っ
た高粘度のいわゆるゲル状のボールペン用水性インキが
提供されている。この性質をもつ水性インキを用いる
と、筆記しないときは、上記の通り、インキがインキタ
ンク(インキ収容部)内に保持されているためインキ漏
れを防止することができ、一方、筆記時にはボールの回
転によって剪断力が働いてインキが流動し、インキがボ
ール表面から紙面に流出して行くものである。
【0003】従来、この性質を与えるため、各種の水溶
性増粘性樹脂が用いられている。例えば、キサンタンガ
ム(特開昭59−74175号公報)、ラムザンガム
(特開平2−279777号公報)、ウェランガム(特
開平4−214782号公報)、サクシノグリカン(特
開平6−88050号公報)などの天然多糖類が好適に
用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、水溶性樹脂と
して天然多糖類を水性インキの主要成分として用いる
と、それが天然素材であるため、品質にバラツキが生じ
易いほか、水及び又は水溶性有機溶剤を含有する組成で
あるため、長期の保存等によって細菌や黴などによって
腐敗などを受け易いと考えられる。かかる点より、上記
の天然多糖類を合成の増粘樹脂に代えることにより、品
質のばらつき及び腐敗等を解決することができるが、か
かる合成の水溶性増粘樹脂として、どのような樹脂が好
適であるかは未だ不明である。特に、本ボールペン用水
性インキの場合、前記のシュードプラスチック性(チキ
ソトロピック性)を発揮して、静置時では高粘性下でイ
ンキ洩れを防止することができ、筆記時ではインキに流
動性が生じて筆記特性に優れ、しかも長期にわたって顔
料の分散安定性が良好であり、かつインキの粘度安定性
がすぐれていることが必要不可欠である。
【0005】本発明の目的は、顔料の長期分散安定性を
保持しつつ、シュードプラスチック性を発揮し、かつ品
質にバラツキがなく、腐敗が生じない高粘度のボールペ
ン用水性インキ組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、水溶性増粘樹脂としてポリN−ビニルアセトア
ミドとアクリル酸との共重合体を含有し、インキ粘度が
20℃において1000〜10000mPa・sであるボー
ルペン用水性インキ組成物であれば、顔料の分散安定性
及びインキの粘度安定性を保持しつつ、シュードプラス
チック性を発揮し、かつ品質にバラツキがなく、腐敗が
生じない高粘度のボールペン用水性インキ組成物を提供
することができることを見出した。
【0007】本発明は、着色剤と、水溶性樹脂と、水及
び又は水溶性有機溶剤を含有し、上記水溶性樹脂の増粘
樹脂成分として、ポリN−ビニルアセトアミドとアクリ
ル酸との共重合体を含有し、インキ粘度が20℃におい
て1000〜10000mPa・sであるボールペン用水性
インキ組成物である。
【0008】
【発明の実施の形態】(ポリN−ビニルアセトアミドと
アクリル酸との共重合体)ポリN−ビニルアセトアミド
とアクリル酸との共重合体は、ホモのN−ビニルアセト
アミドポリマー鎖に、アクリル酸が付加重合して得られ
るブロック共重合体である。この共重合体を水性インキ
中に含ませると、インキ粘度が20℃で1000〜10
000mPa・sである高粘度の領域において、顔料の分散
安定性及びインキの粘度安定性を保持しつつ、インキに
好適なシュードプラスチック性を与えることができる。
【0009】これは、同一高分子鎖上に、ブロック化さ
れたポリN−ビニルアセトアミドとポリアクリル酸とが
配列しているためと考えられる。すなわち、極性の大き
なポリN−ビニルアセトアミドと、親水性の大きなポリ
アクリル酸とが同一高分子鎖上に配列されたこのブロッ
ク共重合体の場合、それぞれのポリマーが水性インキ中
で別々に併存する場合と比較して、高分子鎖同士の相互
作用が強くなってネットワーク化し、高粘度化する一
方、N−ビニルアセトアミド鎖とアクリル鎖とが同一高
分子鎖上にブロック状に配列されているポリマーである
ため、ボールの回転によって剪断力が作用すると、上記
高分子鎖同士の相互作用が解消され易く、低粘度化し流
動化し易いのではないかと推測される。また、同一高分
子鎖上に、ブロック化されたポリN−ビニルアセトアミ
ドとポリアクリル酸とが配列しているこの共重合体の場
合、既述の通り、高分子鎖同士の相互作用が強くなって
ネットワーク化しやすいため、顔料粒子の沈降を抑制す
る傾向が強いものと推定される。また、この共重合体
は、水性乃至水溶性であるため、顔料分散剤としても作
用する。
【0010】ポリN−ビニルアセトアミドと、ポリアク
リル酸との割合は、特に制限されないが、ポリアクリル
酸を共重合させることが既述の通り重要である。具体的
には、例えば商品名「GE−167L」(昭和電工株式
会社製)を用いることができる。
【0011】また、本発明では、ポリN−ビニルアセト
アミドとアクリル酸との共重合体は、インキ組成物全量
に対して0.5〜6重量%含有することが好ましく、1
〜5重量%が最適範囲である。ポリN−ビニルアセトア
ミドとアクリル酸との共重合体が、インキ組成物全量に
対して0.5重量%未満では、着色剤、特に顔料の分散
性が低下し、長期間の保存で顔料が沈降する傾向が生じ
る。一方、ポリN−ビニルアセトアミドとアクリル酸と
の共重合体の割合がインキ組成物全量に対して6重量%
を越えると、インキ組成物の粘度が高くなりすぎ、ボー
ルの回転によって剪断力がインキに作用しても粘度の低
下が不十分となり、チップ先端部に装填されたボールか
らのインキの流動性乃至流出性が必ずしも十分でなく筆
記性が低下する。なお、このポリN−ビニルアセトアミ
ドとアクリル酸との共重合体は、公知の方法により調製
することができる。
【0012】(着色剤)本発明で用いられる着色剤とし
ては、特に制限されず、水性インキに対して分散性又は
溶解性が良好であれば特に制限なく使用できる。着色剤
は水溶性であってもよい。着色剤としては、顔料(無機
顔料、有機顔料、蛍光顔料など)、染料(例えば、直接
染料、酸性染料、塩基性染料など)のほか、顔料又は染
料により着色されたプラスチックピグメント、着色エマ
ルジョンなどを用いることができる。また、金属で被覆
された無機顔料も用いることができる。好ましい着色剤
としては顔料が挙げられる。具体的には、着色剤として
は、例えば、カーボンブラック、酸化チタンなどの無機
顔料、銅フタロシアニン系顔料、スレン系顔料、アゾ系
顔料、キナクリドン系顔料、アンスラキノン系顔料、ジ
オキサン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔
料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、インドレノン系
顔料、アゾメチン系顔料などの有機顔料などが挙げられ
る。また、ガラスフレーク顔料、アルミニウム粉顔料、
金属被覆無機顔料、パール顔料等の金属粉顔料乃至鱗片
状顔料も用いることができる。また、着色剤として、顔
料分散剤や界面活性剤により分散された顔料分散体も使
用することができる。
【0013】着色剤は単独で又は二種以上組み合わせて
使用できる。着色剤の含有量は、その種類に応じて適宜
選択することができ、例えば、インキ組成物全量に対し
て15重量%を超えない範囲で含有することが望まし
い。具体的にはインキ組成物全量に対して0.05〜1
5重量%、好ましくは1〜10重量%である。着色剤の
含有量がインキ組成物全量に対して0.05重量%未満
の場合、着色剤の濃度が低く、視認できなくなる。一
方、着色剤の含有量がインキ組成物全量に対して15重
量%を超えると、固形分が多くなり、またポリN−ビニ
ルアセトアミドとアクリル酸との共重合体における比較
的大きな増粘作用も相俟って、インキ組成物の粘度・流
動性に影響が生じ、粘度の上昇や流動性の低下により、
筆記性などが低下する。
【0014】(水溶性樹脂)本発明では、既述した増粘
樹脂成分以外の他の水溶性樹脂、例えば顔料分散樹脂や
皮膜形成樹脂を用いることができる。これらの水溶性樹
脂を用いることにより、一層、顔料の分散性を高め、ま
た筆跡の皮膜の形成を行うことができる。これらの水溶
性樹脂としては、合成樹脂、半合成樹脂が好適に用いら
れる。合成樹脂としては、例えば、アクリル系合成樹
脂、ビニル系合成樹脂などが挙げられ、半合成樹脂とし
ては、例えば、セルロース系半合成樹脂などが挙げられ
る。
【0015】アクリル系合成樹脂には、例えば、ポリア
クリル酸、カルボキシビニルポリマーなどが含まれる。
ビニル系合成樹脂には、例えば、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテルなどが
含まれる。
【0016】セルロース系半合成樹脂としては、例え
ば、メチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロ−ス、
ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロ−ス又はその塩(ナトリウ
ム塩など)などが挙げられる。
【0017】また、これらの水溶性樹脂には、例えば、
エチレン−マレイン酸共重合体、ポリエチレンオキサイ
ド、合成樹脂エマルジョンなども含まれる。
【0018】これらの水溶性樹脂は単独で又は二種以上
組み合わせて使用できる。これらの水溶性樹脂の使用量
は、特に制限されず、その種類に応じて適宜選択するこ
とができ、例えば、インキ組成物全量に対して40重量
%以下の範囲から選択することができる。水溶性樹脂の
使用量は、インキ組成物全量に対して1〜40重量%、
好ましくは5〜20重量%であることが望ましい。水溶
性樹脂の使用量がインキ組成物全量に対して40重量%
を超えると、ポリN−ビニルアセトアミドとアクリル酸
との共重合体の比較的大きな増粘作用も相俟って、イン
キ組成物の粘度・流動性に影響が生じ、粘度の上昇や流
動性の低下により、筆記性などが低下する。
【0019】(水溶性有機溶剤)本発明では水溶性有機
溶剤を用いることができる。水溶性有機溶剤は、特に制
限されないが、水と混和し、インキの乾燥や低温時の凍
結を防止できるものが好適に用いられる。水溶性有機溶
剤は湿潤剤としての機能も有しているものが好適であ
る。また、水溶性有機溶剤としては安全性の高いものを
用いることも重要である。
【0020】水溶性有機溶剤としては、例えば、1価ア
ルコール類(例えば、メタノール、エタノールなど)、
多価アルコール類(例えば、グリセリン、トリメチロー
ルプロパンなど)、グリコール類(例えば、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ヘキシレングリコールなど)、グリコールエーテル
類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロ
ピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエ
ーテルなど)などを好適に用いることができる。好まし
い水溶性有機溶剤としては、炭素数1〜4の脂肪族アル
コール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
グリセリンなどが挙げられる。水溶性有機溶剤は単独で
又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0021】水溶性有機溶剤の含有量は、特に制限され
ず、その種類に応じて適宜選択することができる。ま
た、水溶性有機溶剤を含有しないインキ組成物であって
も差し支えない。しかし、インキの乾燥防止及び凍結防
止の点からは、水溶性有機溶剤をインキ組成物に含ませ
ることが望ましい。水溶性有機溶剤の含有量は、インキ
組成物全量に対して1〜40重量%、好ましくは5〜2
0重量%含有することが望ましい。水溶性有機溶剤の含
有量がインキ組成物全量に対して1重量%未満の場合、
インキが乾燥しやすくなり、また樹脂成分や着色剤など
の溶解性や分散性が低下する。一方、水溶性有機溶剤の
含有量がインキ組成物全量に対して40重量%より多い
と、筆記乃至塗布後、インキが乾燥しにくくなり、また
筆跡乃至塗膜の濃度が低下する。
【0022】(水)本発明の水性インキ組成物は水を含
むことが好ましい。水としては、慣用的に用いられてい
る水(例えば、イオン交換水、蒸留水など)が使用され
る。水の含有量は、特に制限されず、他の成分(ポリN
−ビニルアセトアミドとアクリル酸との共重合体、着色
剤、水溶性樹脂、水溶性有機溶剤など)の種類及びその
含有量や、目的とするインキ組成物の粘度などに応じて
適宜選択することができる。水の使用量は、広い範囲、
例えば、インキ組成物全量に対して1〜95重量%、好
ましくは20〜90重量%から選択することができる。
【0023】本発明の水性インキ組成物には、必要に応
じて、潤滑剤、防錆剤、防腐防黴剤、分散剤、界面活性
剤、湿潤剤、消泡剤、レベリング剤、凝集防止剤、pH
調整剤等の慣用の添加剤を添加してもよい。
【0024】本発明の水性インキ組成物の粘度は、着色
剤等が沈降せず、筆記性に適した粘度であれば格別制限
されないが、本発明の水性インキ組成物は、水溶性増粘
樹脂としてポリN−ビニルアセトアミドとアクリル酸と
の共重合体を含有しているため、いわゆる「ゲルタイ
プ」の水性インキ組成物、中でも20℃において、10
00〜10000mPa・s、好ましくは2000〜800
0mPa・sのボールペン用水性インキ組成物に好適に用い
ることができる。ポリN−ビニルアセトアミドとアクリ
ル酸との共重合体はこの粘度範囲においてインキに好適
なチキソトロピー性、すなわち好適なシュードプラスチ
ック性を与えることができる。なお、本発明における
「粘度」は、すべてELD型粘度計を用い、コーン:3
°R14コーン、回転数:0.5rpm、温度:20℃
にて測定した場合の数値である。
【0025】(製造方法)本発明の水性インキ組成物
は、例えば、着色剤と水を混合し、その後ポリN−ビニ
ルアセトアミドとアクリル酸との共重合体更に混合して
分散させた後、必要に応じて水溶性有機溶剤や各種の添
加剤を混合することによって調製することができる。な
お、着色剤は予め分散剤などにより分散させた顔料分散
体として用いてもよい。
【0026】なお、インキ組成物の調製に際して行う分
散、脱泡、濾過などの方法は、慣用の方法により行うこ
とができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例に基づい
てより詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定さ
れるものではない。
【0028】(実施例1)表1に示す割合(表中の各種
成分の配合量はいずれも「重量部」である)で配合して
インキ組成物を調製した。具体的には、下記に示す顔料
分散体及び水(イオン交換水)を混合し、室温(20
℃)で1時間攪拌して分散させた後、水溶性樹脂を投入
し、室温(20℃)で1時間撹拌する。その後、必要に
応じて水溶性有機溶剤及びその他の添加剤を投入し、室
温(20℃)で1時間攪拌して、水性インキ組成物を得
た。なお、pH調整剤として水酸化ナトリウムを用い、
適宜添加してインキのpHを8〜9に調整した。
【0029】(実施例2〜4)表1に示す割合であるこ
と以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜4に係る
水性インキ組成物を調製した。
【0030】(比較例)表1に示す組成及び割合である
こと以外は、実施例1と同様にして、比較例に係る水性
インキ組成物を調製した。
【0031】
【表1】
【0032】(着色剤の調製)なお、表1中の着色剤と
しては、以下の予め調製された顔料分散体aと、以下の
顔料分散体bを用いた。
【0033】顔料分散体a:黒色顔料ベース カーボンブラック 5重量部 スチレン−アクリル共重合体 1重量部 上記の割合にて水酸化ナトリウムを加えて溶解した後、
ボールミルにて分散を行い、顔料粒子の平均粒径が0.
08μm及び固形分濃度10重量%の顔料分散体aを得
た。
【0034】顔料分散体b:赤色顔料ベース ナフトールアゾ 5重量部 スチレン−アクリル共重合体 1重量部 上記の割合にて水酸化ナトリウムを加えて溶解した後、
ボールミルにて分散を行い、顔料粒子の平均粒径が0.
12μm及び固形分濃度10重量%の顔料分散体bを得
た。
【0035】また、表1中の原料は下記の通りである。 (水溶性樹脂) ・水溶性樹脂a:ポリN−ビニルアセトアミドとアクリ
ル酸との共重合体(商品名「GE−167L」、昭和電
工社製) ・水溶性樹脂b:キサンタンガム(商品名「KELZA
N」、三晶社製) ・水溶性樹脂c:カチオン化グアーガム(商品名「KT-9
308M」、大日本製薬社製)
【0036】(水溶性有機溶剤) ・水溶性有機溶剤a:グリセリン ・水溶性有機溶剤b:エチレングリコール (防腐防黴剤) ・1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン (防錆剤) ・ペンゾトリアゾール (潤滑剤) ・マレイン酸モノアミド
【0037】(インキ組成物の評価)実施例及び比較例
に係る水性インキ組成物について、それぞれ、ステンレ
ス製ボールペンチップ(ボールの材質:超硬合金)を一
端に連設したポリプロピレン製の中空軸筒よりなるボー
ルペン用インキ収容部に充填し、インキ中の気泡を遠心
分離により除去してボールペンの試験サンプルを作製
し、以下の保存安定性試験を行い評価した。なお、その
結果は表1に併記した。
【0038】(保存安定性試験)各試験サンプルを、室
温で6ヶ月保存後、インキ収容部内に収容されたインキ
の状態を目視で観察して、以下の評価基準により、保存
安定性を評価した。 (評価基準) ・○:インキ中の顔料の凝集は見られず、分散に異常は
見られなかった。 ・×:インキ中の顔料が凝集し、分散状態の破壊が観察
された。
【0039】(結果)実施例1のインキは、分散状態が
良好で筆跡が黒色のインキであった。このインキの場
合、室温6ヶ月保存後の状態も顔料粒子の分散に異常は
見られなかった。実施例2のインキは、分散状態が良好
な筆跡が赤色のインキであった。このインキの室温6ヶ
月保存後の状態も顔料粒子の分散に異常は見られなかっ
た。そして、これらの各実施例のインキが収容されてい
るボールペンを用いて筆記したところ、インキはインキ
製造時の初期状態と同様に擬塑性流動性を示した。
【0040】これに対して、インキ製造時の初期におい
て分散状態が良好であって筆跡が黒色の比較例1のイン
キの場合、室温6ヶ月保存後の状態は、インキ中の顔料
が凝集し、分散状態の破壊を観察した。また、インキ製
造時の初期において分散状態が良好であって筆跡が赤色
の比較例2のインキの場合も、室温6ヶ月保存後の状態
は、インキ中の顔料が凝集し、分散状態の破壊を観察し
た。
【0041】比較例3は、実施例及び他の比較例と異な
り、防腐防黴剤を配合したインキであるが、このインキ
には防腐防黴剤が含まれているため、分散に異常は認め
られなかった。このことから、天然水溶性増粘樹脂を含
むインキの場合では、防腐防黴剤を配合する必要がある
が、本発明の水溶性樹脂の場合では、防腐防黴剤を別途
配合しなくても、細菌や黴などによる腐敗の発生を抑え
ることができ、優れた長期保存安定性が確保されること
を確認した。
【0042】
【発明の効果】本発明は、水溶性増粘樹脂としてポリN
−ビニルアセトアミドとアクリル酸との共重合体を含有
するボールペン用水性インキ組成物であるので、顔料の
長期分散安定性を保持することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J039 AB02 AD06 AD07 AD09 AD12 BA04 BA06 BA13 BA25 BC07 BC09 BC14 BC15 BC39 BC60 BE01 BE02 BE03 BE04 BE05 CA03 EA44 EA48 GA27

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色剤と、水溶性樹脂と、水及び又は水
    溶性有機溶剤を含有し、上記水溶性樹脂の増粘樹脂成分
    として、ポリN−ビニルアセトアミドとアクリル酸との
    共重合体を含有し、インキ粘度が20℃において100
    0〜10000mPa・sであるボールペン用水性インキ組
    成物。
  2. 【請求項2】 インキ組成物全量に対して、ポリN−ビ
    ニルアセトアミドとアクリル酸との共重合体を0.5〜
    6重量%含有する請求項1記載のボールペン用水性イン
    キ組成物。
  3. 【請求項3】 インキ組成物全量に対して、さらに顔料
    分散樹脂を1.0〜40重量%、着色剤を0.05〜1
    5重量%、水及び又は水溶性有機溶剤を50〜95重量
    %含有する請求項2記載のボールペン用水性インキ組成
    物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002088297A (ja) * 2000-09-11 2002-03-27 Showa Denko Kk 表面保護材

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JP2002088297A (ja) * 2000-09-11 2002-03-27 Showa Denko Kk 表面保護材

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