JP2001334675A - インクジェットヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッドおよびその製造方法

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Kenichi Ono
健一 大野
Kenichiro Suzuki
健一郎 鈴木
Yuji Akimoto
裕二 秋本
Torahiko Kanda
虎彦 神田
Yasuhiro Otsuka
泰弘 大塚
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    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2002/14419Manifold

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 占有平面積が小さく、気泡排出性に優れ、イ
ンク淀みを生じずに、均一性の高いチャンバを得る。 【解決手段】 チャンバは、その断面積がノズル開口か
ら漸増し、ある地点から漸減する形状とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインク液滴を記録媒
体へ飛翔させ、画像記録等を行うインクジェットヘッド
とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェットヘッドで、基板に
ノズルを形成したものは、図10および図11に示すよ
うに、例えば、特開平9−57981号公報、特開平9
−76492号公報で開示されている。これらはいずれ
も結晶板の一面にノズルが設けられ、ノズル下部に例え
ばテーパ形状や釣り鐘形状の空間を持つものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術において、ノズル下部に釣り鐘形状の空間を配
したものは等方性エッチング等によって形成されるた
め、均一な形状を得ることが困難であり、また、ノズル
下部にテーパ形状の空間を配したものは、圧力を伝達す
る薄膜との間に鋭角が形成されてしまい、インク淀みや
気泡排出性悪化等の課題が生じる。
【0004】本発明の目的は、チャンバを、断面積がノ
ズル開口から漸増し、ある地点から漸減するような形状
とすることにより、占有平面積が小さく、気泡排出性に
優れ、インク淀みを生じずに、均一性の高いチャンバが
得られるインクジェットヘッドおよびその製造方法を提
供することにある。本発明は、ノズル開口部の静電気に
よる帯電を回避することができるインクジェットヘッド
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の観点は、
インクジェットヘッドであって、本発明の構造の全般に
ついての特徴としては、基板に、インクが吐出するノズ
ル開口部と、このノズル開口部に連通して形成され充填
されたインクに圧力が与えられるインクチャンバとが設
けられ、このインクチャンバは、ノズル開口部から深さ
方向にその断面積が漸増し途中から漸減する断面に形成
されたところにある。
【0006】具体的構造としては、シリコン基板の一面
から{100}面に対して垂直方向にノズル開口部が形
成され、このノズル開口部に連通して充填したインクに
圧力が与えられるインクチャンバが設けられ、このイン
クチャンバの断面は異方性エッチングによりその壁面に
{111}面が現れ前記ノズル開口部から深さ方向にそ
の断面積が漸増し途中から漸減する断面に形成されたこ
とを特徴とする。
【0007】前記インクチャンバ底面は、エッチングに
抵抗して残った薄膜により覆われることが望ましい。
【0008】インクチャンバに隣接しインク供給孔で連
通し、インクチャンバにインクを供給するインクプール
が設けられることが望ましい。
【0009】このような構造とすることにより、完全な
末広がり形状と比較して占有平面積が小さく、また、イ
ンク流路と連結していない頂角は全て鈍角で形成されて
いるため気泡排出性に優れ、インク淀みが生じない、さ
らに異方性エッチングにより自ずと面方位に起因した形
状となるため、均一性の高いチャンバが得られる。
【0010】さらに、インクチャンバ内のインクに圧力
を伝達する薄膜として、エッチングに抵抗して残った薄
膜を用いることにより、圧力伝達板の接合が不要となる
ため、接着剤のはみ出し等がない高精度なインクチャン
バを形成できる。
【0011】例えば、必要とする底面積が例えば400
μmであった場合に、完全な逆テーパ形状では基板厚さ
を0.3mmまで薄くしなければならず、ハンドリング
が困難である。対して本発明の形状の場合は基板を厚く
することが可能で、作業性に優れる。
【0012】本発明の第二の観点は、インクジェットヘ
ッドの製造方法であって、本発明の特徴とするところ
は、シリコン基板の少なくともノズル開口部を形成しな
い側の面に高濃度不純物拡散層を形成する工程と、前記
シリコン基板表面に耐エッチングマスク膜を形成する工
程と、前記シリコン基板の前記高濃度不純物拡散層が形
成されていない側の面のノズル開口部を形成する箇所に
インクチャンバの深さ方向のほぼ底面近くまでドライエ
ッチングを行う工程と、ノズル開口部を通して異方性エ
ッチングを施すことによりインクチャンバを形成する工
程とを含むところにある。
【0013】さらに、前記シリコン基板の前記ノズル開
口部が形成される面に高濃度不純物拡散層を形成する工
程を含むこともできる。
【0014】あるいは、シリコン基板表面に耐エッチン
グマスク膜を形成する行程と、前記シリコン基板の一面
のノズル開口部を形成する箇所に開口を形成するととも
にこの一面に対向する他面のインクチャンバを形成する
箇所にこのノズル開口部より大きい開口を形成する工程
と、この二つの開口を通して異方性エッチングを施すこ
とによりインクチャンバを形成する工程とを含むところ
にある。
【0015】さらに、前記シリコン基板の少なくとも前
記ノズル開口部が形成される面に高濃度不純物拡散層を
形成する工程を含むこともできる。
【0016】シリコン基板表面は{100}面方位であ
り、異方性エッチングは、インクチャンバの壁面が{1
11}面となるように行われることが望ましい。
【0017】高濃度不純物拡散層は、高濃度ボロン拡散
層であることが望ましい。特に、ノズル開口部に高濃度
不純物拡散層による導電体層が形成されることにより、
ワイピングなどによる摩擦に対して静電気による帯電を
回避する効果が生じる。
【0018】
【発明の実施の形態】(第一実施例)本発明第一実施例
を図1ないし図7を参照して説明する。図1は本発明実
施例のインクジェットヘッドの断面図である。図2は本
発明実施例のインクジェットヘッドの全体を示す概略図
である。図3は本発明実施例のインクジェットヘッドの
部分拡大図である。図4は通常の異方性ウェットエッチ
ングの工程を示す図である。図5はドライエッチングと
異方性ウェットエッチングとを合わせて用いる工程を示
す図である。図6および図7は本発明第一実施例のイン
クジェットヘッドの製造工程を示す図である。
【0019】本発明実施例のインクジェットヘッドは、
図1に示すように、基板にノズル開口が配設されてお
り、ノズル下部には、断面積がノズル開口から漸増し、
ある地点から漸減するような形状のチャンバが配され、
圧力を伝達するための薄膜によって塞がれている。薄膜
には圧力発生機構が設けられている。
【0020】図2および図3に示すように、チャンバに
隣接するようにインクプールが配置され、インクプール
とチャンバとは供給孔で接続されている。
【0021】ヘッド外部に設けられたインクカートリッ
ジ(図示せず)より、インクプール〜供給孔〜チャンバ
にインクを充填した後、圧力発生機構によりチャンバ内
に圧力を発生させる。チャンバ内のインクが加圧され、
ノズル開口より微小滴となって飛翔する。チャンバ内の
圧力が常圧に戻る際には、飛翔した微小滴の体積分だ
け、インクプール内のインクが供給孔を経由してチャン
バに再充填(リフィル)される。
【0022】次に、本発明第一実施例のインクジェット
ヘッドの製造方法を説明する。図4に示すように、通常
の異方性ウェットエッチングでは、Si基板(図4
(1))の表面に、耐エッチングマスク膜を部分的に除
去することにより開口パターンを作成し(図4
(2))、異方性ウェットエッチングを開始すると(図
4(3))、開口から徐々に末窄まりになるようなエッ
チングが行われる(図4(4))。
【0023】これに対し、図5に示すように、Si基板
(図5(1))の表面に、耐エッチングマスク膜を部分
的に除去することにより開口パターンを作成し(図5
(2))、さらに、ドライエッチングによりSi基板の
表面に対して垂直な壁面201を設け(図5(3))、
異方性ウェットエッチングを開始すると(図5
(4))、基板表面に対して平行な方向にも異方性エッ
チングが行われ、{111}面で囲まれた菱形形状が得
られる(図5(5))。本発明第一実施例では、この性
質を利用して樽型のチャンバを作成する。
【0024】まず、図6に示すように、Si基板(図6
(1))の裏面に、高濃度ボロン拡散層による薄膜を形
成する(図6(2))。さらに、Si基板の表面に耐エ
ッチング膜を形成し、この耐エッチングマスク膜を部分
的に除去することにより開口パターンを作成する(図6
(3))。薄膜(高濃度ボロン拡散層)を残す深さのド
ライエッチングを行った後(図6(4))、異方性ウェ
ットエッチングを行うと(図6(5))、斜面と底面の
なす角が125.3゜、斜面と斜面がなす角が109.
4゜の空間が得られる(図6(6))。
【0025】この場合、底面積はノズル開口と概ね同寸
法である。この後、基板を傾けた状態でドライエッチン
グを行い(図6(7))、薄膜と接している斜面301
の結晶方位を崩し、再度異方性ウェットエッチングを行
うことにより、{111}面で囲まれた、断面積がノズ
ル開口から漸増し、ある地点から漸減するような形状の
チャンバが得られる(図6(8))。この後、耐エッチ
ング膜を除去する(図6(9))。
【0026】なお、図6(2)の状態で、Si基板の両
面に高濃度ボロン拡散層を形成してもよい。この場合に
は、異方性ウェットエッチング終了後におけるノズル開
口部は、図7に示すように、高濃度ボロン拡散層すなわ
ち導電体層によって形成される。高濃度ボロン拡散層に
は導電性があり、ノズル開口のワイピングなどの際に、
静電気による帯電が回避できる。
【0027】(第二実施例)次に、本発明第二実施例の
インクジェットヘッドの製造方法を、図8および図9を
参照して説明する。図8および図9は本発明第二実施例
のインクジェットヘッドの製造工程を示す図である。イ
ンクジェットヘッドの構成は本発明第一実施例と同様で
ある。まず、Si基板(図8(1))の両面に耐エッチ
ング膜を形成し、この耐エッチングマスク膜を部分的に
除去することにより開口パターンを作成する(図8
(2))。このときに、一面にノズル開口を、この一面
に対応するもう一方の面にノズル開口より大きな開口を
それぞれドライエッチングで形成する(図8(3))。
この後、異方性ウェットエッチングを行うと、ノズル開
口の底面401は基板表面に対して垂直方向(紙面下方
向)にエッチングされ、ノズル開口より大きな開口の底
面402は基板表面に対して垂直方向(紙面上方向)に
エッチングされる(図8(4))。エッチングを続ける
と2つの開口は連通する(図8(5))。さらにエッチ
ングを続けると、{111}面で囲まれた、断面積がノ
ズル開口から漸増し、ある地点から漸減するような形状
のチャンバが得られる(図8(6))。この後、耐エッ
チング膜を除去する(図8(7))。
【0028】なお、図8(2)の状態で、耐エッチング
マスク膜に開口パターンを作成する前に、Si基板の表
面に高濃度ボロン拡散層を形成してもよい。この場合に
は、異方性ウェットエッチング終了後におけるノズル開
口部は、図9に示すように、高濃度ボロン拡散層すなわ
ち導電体層によって形成される。高濃度ボロン拡散層に
は導電性があり、ノズル開口のワイピングなどの際に、
静電気による帯電が回避できる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
チャンバを、断面積がノズル開口から漸増し、ある地点
から漸減するような形状とすることにより、占有平面積
が小さく、気泡排出性に優れ、インク淀みを生じずに、
均一性の高いチャンバが得られる。ノズル開口部の静電
気による帯電を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のインクジェットヘッドの断面
図。
【図2】本発明実施例のインクジェットヘッドの全体を
示す概略図。
【図3】本発明実施例のインクジェットヘッドの部分拡
大図。
【図4】通常の異方性ウェットエッチングの工程を示す
図。
【図5】ドライエッチングとウェットエッチングとを合
わせて用いる工程を示す図。
【図6】本発明第一実施例のインクジェットヘッドの製
造工程を示す図。
【図7】本発明第一実施例のインクジェットヘッドの製
造工程を示す図。
【図8】本発明第二実施例のインクジェットヘッドの製
造工程を示す図。
【図9】本発明第二実施例のインクジェットヘッドの製
造工程を示す図。
【図10】従来のインクジェットヘッドの構成を示す
図。
【図11】従来のインクジェットヘッドの構成を示す
図。
【符号の説明】
101 高濃度不純物拡散層 201 壁面 301 斜面 401、402 底面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋本 裕二 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 神田 虎彦 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 大塚 泰弘 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF34 AF93 AG32 AG40 AP02 AP32 AP34 AP56 AP73 AQ02 BA04 BA14

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に、インクが吐出するノズル開口部
    と、このノズル開口部に連通して形成され充填されたイ
    ンクに圧力が与えられるインクチャンバとが設けられ、
    このインクチャンバは、ノズル開口部から深さ方向にそ
    の断面積が漸増し途中から漸減する断面に形成されたこ
    とを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 シリコン基板の一面から{100}面に
    対して垂直方向にノズル開口部が形成され、このノズル
    開口部に連通して充填したインクに圧力が与えられるイ
    ンクチャンバが設けられ、このインクチャンバの断面は
    異方性エッチングによりその壁面に{111}面が現れ
    前記ノズル開口部から深さ方向にその断面積が漸増し途
    中から漸減する断面に形成されたことを特徴とするイン
    クジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記インクチャンバ底面は、エッチング
    に抵抗して残った薄膜により覆われた請求項2記載のイ
    ンクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 インクチャンバに隣接しインク供給孔で
    連通し、インクチャンバにインクを供給するインクプー
    ルが設けられた請求項1または2記載のインクジェット
    ヘッド。
  5. 【請求項5】 シリコン基板の少なくともノズル開口部
    を形成しない側の面に高濃度不純物拡散層を形成する工
    程と、 前記シリコン基板表面に耐エッチングマスク膜を形成す
    る工程と、 前記シリコン基板の前記高濃度不純物拡散層が形成され
    ていない側の面のノズル開口部を形成する箇所にインク
    チャンバの深さ方向のほぼ底面近くまでドライエッチン
    グを行う工程と、 ノズル開口部を通して異方性エッチングを施すことによ
    りインクチャンバを形成する工程とを含むことを特徴と
    するインクジェットヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記シリコン基板の前記ノズル開口部が
    形成される面に高濃度不純物拡散層を形成する工程を含
    む請求項5記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 シリコン基板表面に耐エッチングマスク
    膜を形成する工程と、前記シリコン基板の一面のノズル
    開口部を形成する箇所に開口を形成するとともにこの一
    面に対向する他面のインクチャンバを形成する箇所にこ
    のノズル開口部より大きい開口を形成する工程と、 この二つの開口を通して異方性エッチングを施すことに
    よりインクチャンバを形成する工程とを含むことを特徴
    とするインクジェットヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記シリコン基板の少なくとも前記ノズ
    ル開口部が形成される面に高濃度不純物拡散層を形成す
    る工程を含む請求項7記載のインクジェットヘッドの製
    造方法。
  9. 【請求項9】 シリコン基板表面は{100}面方位で
    あり、異方性エッチングは、インクチャンバの壁面が
    {111}面となるように行われる請求項5ないし8の
    いずれかに記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 高濃度不純物拡散層は、高濃度ボロン
    拡散層である請求項5、6、8のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッドの製造方法。
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