JP2001333691A - 油ちょう品用ベーキングパウダー及びそれを用いた油ちょう品 - Google Patents
油ちょう品用ベーキングパウダー及びそれを用いた油ちょう品Info
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Abstract
の油の吸収量を低減し、膨脹剤の膨張作用力を低下させ
ないで、食感、外観、風味に優れ且つ、前記の条件を満
足させる組織を形成するドーナツ等の油ちょう品用のベ
ーキングパウダーを提供することにある。 【解決手段】 この発明は、ドーナツ等の油ちょう品の
ベーキングパウダーにおいて、重曹と、速効性の酸性剤
と中間性の酸性剤からなる膨張剤と、α化澱粉とを含有
したことを特徴とするドーナツ等の油ちょう品の油の吸
収量を低減させるベーキングパウダーによりその目的を
達成した。
Description
ちょう品(多量の油に浸漬して油で揚げる)の油の吸収
量を低減することを目的としたベーキングパウダーに関
する。さらに詳細には、ベーキングパウダーにα化澱粉
を添加した、ドーナツ等の油ちょう品の油の吸収量を低
減させるベーキングパウダー及び該ベーキングパウダー
を使用するドーナツ等の油ちょう品の製造方法及び該製
造方法で製造したドーナツ等の油ちょう品に関する。
中で老若男女を問わず好まれている食品の1つであり、
日本国内で製造販売されているドーナツ類は種々のもが
ある。例えばケーキドーナツ、フレンチドーナツ、イー
ストドーナツ、餡入りドーナツ、フライ饅頭、ベビード
ーナツ、フライ調理パン(カレー、ソセージ等のフィリ
ング材入り)などがある。これ等のものは、小麦粉等の
原料生地に膨張剤を混練し、これを成型して、油ちょう
(油で揚げる)する。この調理加工の際し、原料生地を
膨張させるが、膨張剤として、ベーキングパウダーを使
用するもの、イーストを使用する場合、イーストとベー
キングパウダーとを併用する場合がある。
パウダーは、重曹と、速効性の酸性剤のフマル酸や酒石
酸を主体としたベーキングパウダーが多く用いられてい
るが、その機能はドーナツを単に膨らませる為の膨張剤
として利用されていた。このベーキングパウダーは、生
地に混練して、生地を高温の油の中に入れると、主成分
である重曹と酸性剤が、油を介して原料生地の中で中和
反応して炭酸ガスを発生させ、生地の中に小さな気泡を
無数に形成して、原料生地を膨張させ組織をスポンジ状
に変える。この為これ等油ちょう品は、スポンジ状の組
織が大量の揚げ油を吸収含有する結果となる。
び栄養知識の普及により、油の摂りすぎが、体内にコレ
ステロールの蓄積を助長し、その結果、健康を害するこ
とが懸念されてきている。しかしながら、ドーナツ等の
油ちょう品は、油で揚げる為、油を大量に含有した食品
である。この為、ドーナツ等の油ちょう品も、できるだ
け油の含有量を低減した製品であることが望まれてい
る。そこでこの観点から、フライ製品の油の含有量の低
減方法等が提案されている。例えば、豆類や穀類から抽
出・調整された食物繊維をパン粉に加えて、油ちょう物
の衣への吸油率を低減することが報告されている(特開
平2−20258号公報及び特開平5−61号公報)。
また、食物繊維に加えて、大豆蛋白を添加して衣の吸油
量を低減する低吸油性パン粉の提案もされている(特開
平7−246072号公報)。これらは何れも、油ちょ
う品の衣であるパン粉の油分吸収量を抑制するものであ
って、油ちょう品そのものの油の吸収量を抑制するもの
ではなく、根本的な解決策となっていないという問題点
がある。
記の提案があるが、これ等の提案はフライ製品の衣の油
の吸収量を低減するが、油調品の自体の油の吸収量の低
減を図るものでなく、また、ドーナツ等油ちょう品自体
の油の吸収量を低減する試みはされていないという問題
点があった。そこで、この発明の目的は、ドーナツ等の
油ちょう品の油の吸収量を低減し、膨脹剤の膨張作用力
を低下させないで、食感、外観、風味に優れ且つ、前記
の条件を満足させる組織を形成するドーナツ等の油ちょ
う品用のベーキングパウダーを提供することにある。
点を解決したのであって、油ちょう物の原料生地の膨張
に使用するベーキングパウダーの改良により、油ちょう
物自体の油の吸収量を抑制する組成にすることを目的と
するものである。本発明者等は、ベーキングパウダーの
膨張剤としての効果はそのまま保持し、しかも油の吸収
量を低減する効果のあるドーナツ等の油ちょう物用のベ
ーキングパウダーを鋭意研究した結果、本発明に至っ
た。重曹と、速効性の酸性剤と中間性の酸性剤から構成
された膨張剤に、α化澱粉を加えて、生地の膨張機能に
影響を与えることなく、油の吸収量を低減できることを
見出した。そして、さらに詳しくは、重曹と速効性の酸
性剤である酒石酸又は/及び酒石酸水素カリウムと、中
間性の酸性剤の酸性ピロリン酸ナトリウムを組み合わせ
たベーキングパウダーに、α化澱粉を加えて、ドーナツ
等の油ちょう物の油の吸収量を、従来品より、より一層
低減する新しい知見を得て、本発明を完成した。
グパウダーにおいて、重曹と、速効性の酸性剤と中間性
の酸性剤からなる膨張剤と、α化澱粉とを含有したこと
を特徴とするドーナツ等の油ちょう品の油の吸収量を低
減させるベーキングパウダーであり、速効性の酸性剤
は、酒石酸又は酒石酸水素カリュウムで、中間性の酸性
剤は酸性ピロリン酸ナトリウムであることを特徴とした
上記記載のドーナツ等の油ちょう品の油の吸収量を低減
させるベーキングパウダーである。また他の発明は、原
料小麦粉に対し、重曹0、3〜1、0質量%と、酒石酸
又は酒石酸水素カリュウム0.05〜1質量%と、酸性
ピロリン酸ナトリウム0.2〜1質量%と、α化澱粉1
〜3質量%とを含有したことを特徴とする上記記載のド
ーナツ等の油ちょう品の油の吸収量を低減するベーキン
グパウダーである、
ツ等のちょう調品の原料小麦粉に添加し、調味し、加水
し、混捏し、成型して、次いで常法により油調したこと
を特徴とするドーナツ等の油ちょう品の油の吸収量を低
減するドーナツ等の油ちょう品の製造方法である。さら
に他の発明は、上記記載の製造方法により製造したこと
を特徴とするドーナツ等の油ちょう品の油の吸収量を低
減したドーナツ等の油ちょう品でもある。
品は、小麦粉を主原料とし、これに食塩、ベーキングパ
ウダーと水とを加え、更に他の公知の副原料を必要に応
じて配合し、これを混捏して得た生地を、常法により分
割・成型した後、必要に応じてホイロで充分発酵させ又
は原料生地を膨張させて、油ちょうした(油で揚げたも
の)ものを言う。即ち、ベーキングパウダーとイースト
を併用したもの又はベーキングパウダーのみでイースト
を併用しないものや、フィリング材を使用するもの(ド
ーナツの中身に餡やカレー等の惣菜を加える)又は使用
しないもの等前記のドーナツ等の油調品の内、ベーキン
グパウダーを使用する総てのドーナツ等の油ちょう品に
適用できる。
間性の酸性剤からなる膨張剤に、α化澱粉を添加した構
成のベーキングパウダーである。添加するα化澱粉は、
保水性に優れた澱粉であり、α化澱粉の添加量は、小麦
粉に対して1〜3質量%、好ましくは1.5〜2.5質
量%である。また、添加量が1質量%以下では、効果が
得られず、3質量%を超えると風味悪くなり、また組織
が硬くなり製品に悪影響を及ぼす。α化澱粉と併用する
重曹の添加量は、小麦粉に対し0、3〜1、0質量%、
好ましくは0、4〜0、8質量%である。また、添加量
が0、3以下では効果が得られず1質量%を超えると風
味が悪くなり、かつ組織が硬くなり製品に悪影響を及ぼ
す。重曹と反応する酸製剤においては、酸性剤の酒石酸
及び/又は酒石酸水素カリウムの添加量は、小麦粉に対
し0.05〜1質量%、好ましくは0.2〜0.8質量
%である。また、添加量が0.05質量%以下では、効
果が得られず、1質量%を超えると風味が悪くなり、ま
た組織が硬くなり製品に悪影響を及ぼす。
の酒石酸、酒石酸水素カリウムは、d型及びL型の光学
異性体の何れの型でも使用できる。酒石酸、酒石酸水素
カリウムと併用する中速効性の酸性剤の酸性ピロリン酸
の添加量は、小麦粉に対し0.2〜1質量%、好ましく
は0.5質量%〜1質量%である。また、添加量が0.
2質量%以下では、効果が得られず、1質量%を超える
と風味悪くなり、また組織が硬くなり製品に悪影響を及
ぼす。また、この発明で使用する酒石酸、酒石酸水素カ
リウム、酸性ピロリン酸及びα化澱粉は、市販されてい
るものを使用し、特別に調整したものではない。
が、油ちょう物の生地が膨張して生地に気泡を形成する
際、無数の気泡からなるスポンジ状の組織の形成に影響
を及ぼして、油調の際、油の吸収量が少なく、且つ油切
れの良い油ちょう品が得られる、新しい機能を持ったベ
ーキングパウダーである。
標準的なベーキングパウダーとして、下記の膨張剤を添
加して、実施例1の配合、工程により、常法によりスト
レート法(全材料を一括ミキシングする方法)で、ドー
ナツを製造し、実施例1〜3の対照品とした。%は原料
小麦粉に対する質量%を表す。
従い、常法によりストレート法(全材料を一括ミキシン
グする方法)で、ドーナツを製造した。
を生地に混練した。%は原料小麦粉に対する質量%を表
す。
ベーキングパウダーを生地に混練した。実施例1の工程
表に従い、常法によりストレート法(全材料を一括ミキ
シングする方法)で、ドーナツを製造した。%は原料小
麦粉に対する質量%を表す。
ベーキングパウダーを生地に混練した。実施例1の工程
表に従い、常法によりストレート法(全材料を一括ミキ
シングする方法)で、ドーナツを製造した。%は原料小
麦粉に対する質量%を表す。
程でドーナツを製造した。比較例は、α化澱粉及び酸性
ピロリン酸ナトリウムを添加しない市販のドーナツ用ベ
ーキングパウダーを使用した(オリエンタル酵母製BP
M)を用いた。なお、油の吸収率の測定は次の計算方
法に従って行った。
のオーブンで3時間加熱処理した時の重量差をもって計
算した。
油の吸収率が12〜20%低減されていて、また高い比
容積を示した。更にドーナツの組織も良好となり、軟ら
かさも向上していた。試食した結果も、油切れが良く、
ベトつかず、油っぽくなく、ソフトな食感を呈した。風
味も良好であった。実施例1〜3及び比較例の評価結果
は表1の通り。
重曹と、速効性の酸性剤である酒石酸又は/及び酒石酸
水素カリウムと、中間性の酸性剤である酸性ピロリン酸
ナトリウムを組み合わせた膨脹剤に、α化澱粉を加えた
ベーキングパウダーは、ドーナツ等の油ちょう品の油の
吸収量をより低減すると共に、比容積の増大や食感の改
善された、ふっくらとした柔らかなドーナツ等の油ちょ
う品が得られる効果がある。また、従来のベーキングパ
ウダーによるドーナツ等の油ちょう品に比べ、膨張作用
等に影響がなく、従来の食感を損なうことなく、油切れ
も良好で、しかもベトつかない、且つ油っぽさを感じな
い、ソフトな食感を呈するドーナツ等の油ちょう品が得
られた。油ちょう品の油の吸収量が低減されたので、従
来品よりも低カロリーで健康に良く、食感的にも優れた
ドーナツ等の油ちょう品が得られる効果がある。
Claims (5)
- 【請求項1】 ドーナツ等の油ちょう品のベーキングパ
ウダーにおいて、重曹と、速効性の酸性剤と中速効性の
酸性剤からなる膨張剤と、α化澱粉とを含有したことを
特徴とするドーナツ等の油ちょう品の油の吸収量を低減
させるベーキングパウダー。 - 【請求項2】 速効性の酸性剤は、酒石酸又は酒石酸水
素カリウムで、中間性の酸性剤は酸性ピロリン酸ナトリ
ウムであることを特徴とした請求項1記載のドーナツ等
の油ちょう品の油の吸収量を低減させるベーキングパウ
ダー。 - 【請求項3】 原料小麦粉に対し、重曹0、3〜1、0
質量%と、酒石酸又は酒石酸水素カリウム0.05〜1
質量%と、酸性ピロリン酸ナトリウム0.2〜1質量%
と、α化澱粉1〜3質量%とを含有したことを特徴とす
る請求項1記載のドーナツ等の油ちょう品の油の吸収量
を低減するベーキングパウダー。 - 【請求項4】 請求項1〜3記載のベーキングパウダー
を、ドーナツ等の油ちょう品の原料小麦粉に添加し、調
味し、加水し、混捏し、成型して、次いで常法により油
ちょうしたことを特徴とするドーナツ等の油ちょう品の
油の吸収量を低減するドーナツ等の油ちょう品の製造方
法。 - 【請求項5】 請求項4記載の製造方法により製造した
ことを特徴とするドーナツ等の油ちょう品の油の吸収量
を低減したドーナツ等の油ちょう品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000155927A JP4179730B2 (ja) | 2000-05-26 | 2000-05-26 | 油ちょう品用ベーキングパウダー及びそれを用いた油ちょう品 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001333691A true JP2001333691A (ja) | 2001-12-04 |
JP4179730B2 JP4179730B2 (ja) | 2008-11-12 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000155927A Expired - Lifetime JP4179730B2 (ja) | 2000-05-26 | 2000-05-26 | 油ちょう品用ベーキングパウダー及びそれを用いた油ちょう品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4179730B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2253217A2 (en) | 2009-05-19 | 2010-11-24 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Dough composition for frying comprising water-soluble cellulose ether |
WO2018005480A1 (en) | 2016-06-30 | 2018-01-04 | Cargill, Incorporated | Fried dough products |
-
2000
- 2000-05-26 JP JP2000155927A patent/JP4179730B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2253217A2 (en) | 2009-05-19 | 2010-11-24 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Dough composition for frying comprising water-soluble cellulose ether |
WO2018005480A1 (en) | 2016-06-30 | 2018-01-04 | Cargill, Incorporated | Fried dough products |
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