JP2001333569A - 磁性流体の駆動装置 - Google Patents

磁性流体の駆動装置

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JP2001333569A
JP2001333569A JP2000148539A JP2000148539A JP2001333569A JP 2001333569 A JP2001333569 A JP 2001333569A JP 2000148539 A JP2000148539 A JP 2000148539A JP 2000148539 A JP2000148539 A JP 2000148539A JP 2001333569 A JP2001333569 A JP 2001333569A
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magnetic
cores
flow path
magnetic fluid
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JP2000148539A
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Tetsushi Saito
哲史 斎藤
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Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁性流体を作動流体として実際に使用可能と
するように電磁石の構成を実用化レベルまで規定すると
ともに、円滑で信頼性の高いクラスタの移動動作が得ら
れる磁性流体の駆動装置およびその駆動方法を提供す
る。 【解決手段】 磁気回路を形成する鉄心にコイルを巻回
した複数の電磁石を磁性流体の流路4に沿って備え、前
記鉄心による磁気回路中に前記磁性流体の流路を配設
し、該流路に対し概ね直交する磁束が生じるように、前
記鉄心を前記流路に沿って配設した磁性流体の駆動装置
3において、前記流路4に沿った一方の側に一方の磁極
を形成する複数の第1鉄心5を一定ピッチpで配設し、
前記流路4の反対側に他方の磁極を形成する複数の第2
鉄心6を前記第1鉄心と同じ一定ピッチpで配設し、前
記第1鉄心5および第2鉄心6の各々にコイル7を巻回
し、前記第1鉄心5同士および第2鉄心同士6を磁気的
に連結するとともに前記第1鉄心5と第2鉄心6とを磁
気的に連結する共通の連結鉄心8を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁石を用いた磁
性流体の駆動装置および駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁性流体は、オイルその他の液体に鉄粉
等の磁性粉を混合したものであり、磁場を印加すると印
加した部分の粘度が高まり流体が硬くなった状態のクラ
スタが形成される。磁場の印加位置を移動させることに
よりクラスタを移動させて磁性流体を移動させたり外部
に対するクラスタによる駆動力を得ることができる。
【0003】このような磁性流体を作動流体として用い
た磁性流体アクチュエータや磁性流体ポンプが特開平1
−234608号公報および特開平3−128491号
公報等に記載されている。
【0004】これらの公報には、磁性流体を流動させ又
は圧力を発生させる手段に対し、電磁石とこの電磁石へ
の通電を制御する制御系を用いて移動磁界を発生させ、
これを磁性流体に印加することが記載されている。
【0005】磁性流体によるアクチュエータやポンプ等
の磁性流体駆動装置を実現するためには、磁性流体の流
路におけるクラスタの形成や磁性流体の見掛け粘度の上
昇等を制御してクラスタを滑らかに移動させ断続的な動
きや逆転動作を排除しなければならない。このためには
磁極鉄心の大きさや配置あるいは磁気回路の構成を実用
化レベルに規定しなければならない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報には、電磁石の磁気回路を形成する磁極鉄心の大きさ
や配置、すなわち流体が移動する流路に対する磁束の方
向や流路に沿った電磁石の鉄心のピッチあるいはコイル
の形状等について記載がなく、従来から知られた磁性流
体の駆動原理のみが実質上示されるのみであって、これ
らに基づいて磁性流体の駆動装置を実現することは困難
である。
【0007】また、上記公報以外にも磁性流体の駆動装
置の原理や使用目的等については開示されるものの、磁
性流体を駆動する電磁石のコイルや鉄心について実用化
レベルの構成は開示されてなく、したがって現在までこ
のような磁性流体の駆動装置は実用化されていない。
【0008】本発明者は、このような磁性流体の駆動装
置を実用化可能とするため、図6に示すように、磁性流
体の流路1に対し直交する磁束を形成する複数の電磁石
2を流路1に沿って配設し、順次電磁石の励磁位置を切
換えて磁界を移動させる磁性流体の駆動装置を別途提案
している。
【0009】図6は〜は、励磁する電磁石2の位置
を順番に示すものであり、励磁した電磁石の鉄心間に生
じる磁束によりクラスタを流路1の軸方向に沿って矢印
で示すように移動させて磁性流体を流路に沿って移動さ
せる。
【0010】しかしながら、このように流路に対し丁度
対向位置の鉄心からなる電磁石2を順次切換えて移動さ
せると、電磁石の鉄心配置ピッチが広くなった場合に、
磁束が断続的に移動し鉄心間でクラスタが崩れるおそれ
があり、また場合によってはクラスタが逆進するおそれ
もある。
【0011】本発明は上記従来技術を考慮したものであ
って、磁性流体を作動流体として実際に使用可能とする
ように電磁石の構成を実用化レベルまで規定するととも
に、円滑で信頼性の高いクラスタの移動動作が得られる
磁性流体の駆動装置およびその駆動方法の提供を目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、磁気回路を形成する鉄心にコイルを巻
回した複数の電磁石を磁性流体の流路に沿って備え、前
記鉄心による磁気回路中に前記磁性流体の流路を配設
し、該流路に対し概ね直交する磁束が生じるように、前
記鉄心を前記流路に沿って配設した磁性流体の駆動装置
において、前記流路に沿った一方の側に一方の磁極を形
成する複数の第1鉄心を一定ピッチで配設し、前記流路
の反対側に他方の磁極を形成する複数の第2鉄心を前記
第1鉄心と同じ一定ピッチで配設し、前記第1鉄心およ
び第2鉄心の各々にコイルを巻回し、前記第1鉄心同士
および第2鉄心同士を磁気的に連結するとともに前記第
1鉄心と第2鉄心とを磁気的に連結する共通の連結鉄心
を備えたことを特徴とする磁性流体の駆動装置を提供す
る。
【0013】この構成によれば、磁性流体の流路を挟ん
で対向する第1の鉄心群および第2の鉄心群の各鉄心に
コイルが巻回され且つ第1及び第2の鉄心群が連結鉄心
により磁気的に連結されるため、第1及び第2の鉄心及
びそれらに巻回されたコイルにより電磁石が形成され、
これにより磁性流体の流路に対し直角方向に流路断面を
横断する磁束が形成される。この磁束により流路断面全
体を覆ってシールするクラスタが形成される。
【0014】したがって、流路に沿った第1及び第2の
鉄心からなる電磁石に順次電流を印加することにより、
このクラスタを流路に沿って移動させて、磁性流体を効
率よく駆動することができる。この場合、連結鉄心によ
り第1の鉄心同士および第2の鉄心同士が磁気的に連結
されるため、1つの鉄心側から対向する側の2つの鉄心
に対し磁気回路を形成することができる。これにより、
第1の鉄心および第2の鉄心をそれぞれ順次切換えて励
磁しながら磁気回路を移動させる場合に、第1の鉄心の
切換え動作及び第2の鉄心の切換え動作を交互に行うと
ともに、各鉄心の切換え動作時に相手側の隣接する2つ
の鉄心との間で磁気回路を形成しながら交互に順次励磁
して、第1及び第2の鉄心のうち一方は常に励磁された
状態で交互にジグザグ状の軌跡で連続的に磁気回路を移
動させることが可能になり、クラスタの移動を円滑に且
つシール性を充分保持して行うことが可能になる。
【0015】好ましい構成例では、前記第1鉄心と第2
鉄心は、前記一定ピッチの半ピッチ量だけ相互にずれて
配設されたことを特徴としている。
【0016】この構成によれば、第1鉄心と第2鉄心を
交互に励磁して移動させるときに半ピッチずつ交互にジ
グザグ状に進行するため移動が滑らかに行われる。
【0017】さらに好ましい構成例では前記一定ピッチ
は約6mm以下であることを特徴としている。
【0018】この構成によれば、磁気回路の移動時に第
1及び第2の鉄心が半ピッチずれて配設されているため
実質上3mmピッチ以下で励磁鉄心が移動する。励磁鉄
心間隔を3mm以下のピッチとすることにより、鉄心か
ら鉄心へ磁界を移動するときに、鉄心間の中間位置で磁
界の強度を低下させることなく円滑に切換え移動させる
ことができる。
【0019】この鉄心間のピッチについて以下に説明す
る。
【0020】磁性流体を作動させる駆動装置では、磁界
により磁性流体の流路中にピストン状のクラスタを形成
し、これにより流路に対し磁性流体のシールを行いなが
らクラスタのピストン機能により磁性流体を駆動する。
したがって、クラスタによる磁性流体の駆動力を得るた
めには、クラスタを崩さずに移動させる必要があり、こ
のためにはクラスタを形成する磁界を断続させないで滑
らかに移動させることが必要になる。
【0021】この磁界を作り出す電磁石が流路に沿って
固定配置されている場合、磁気回路を形成する電磁石の
鉄心には厚さがあるため、隣接する磁極までには物理的
にあるピッチが必要になる。このような鉄心配置のピッ
チにより鉄心と鉄心の間の部分で磁界が消失あるいは急
激に弱まると、流路に沿って磁界が断続的あるいはステ
ップ状に移動する。このため、この鉄心と鉄心との間の
中間部分でクラスタが崩れシール性が低下して磁性流体
の駆動力が著しく低下する。
【0022】このような鉄心間でのクラスタの崩れを防
止するためには、磁極となる鉄心と鉄心の間の位置で磁
極の位置と同じ強さの磁束が形成されなければならな
い。このようにするためには、鉄心のピッチを3mm以
下とすることが有効である。このような電磁石の最適な
鉄心ピッチは、数値解析により求められたものである。
【0023】すなわち、磁極のピッチを約3mm以下と
することにより、直線上の任意の点Aにおける磁界の強
さを磁極の位置での磁界の強さと同等にすることができ
る。これにより、流路に沿ってあるピッチで配設された
磁極を介して磁極間の位置で磁界の強さを落とすことな
く、同じ磁界の強さを保って連続して滑らかに磁界を移
動させることができる。
【0024】したがって、電磁石の鉄心ピッチを3mm
以下とすることにより、鉄心間の中間点において各電磁
石で発生する磁界強度を低下させることなく、あたかも
電磁石がそのまま流路に沿って移動したと同じように、
同じ強さの磁界を流路に沿って移動させることができ
る。
【0025】さらに、このように磁極鉄心ピッチを3m
m以下にすることにより、磁極間で磁束が両側に膨らん
で形成される漏れ磁路空間が小さくなり、磁束のエネル
ギーロスが低減して効率よくクラスタ形成ができ、シー
ル性を向上して大きな駆動力を得ることができる。
【0026】なお、好ましいピッチの上限はほぼ3mm
であるが、その下限は、使用する磁極鉄心の厚さにより
定まる。
【0027】本発明ではさらに、上記構成の磁性流体の
駆動装置を用いた磁性流体の駆動方法として、相互に対
向又はほぼ対向する位置の前記第1鉄心および第2鉄心
を前記流路に沿って同じ方向にそれぞれ順次励磁してク
ラスタを移動させる磁性流体の駆動方法において、前記
第1鉄心および第2鉄心のうち一方の鉄心を励磁してい
る間に他方の鉄心の励磁を切換えて交互に励磁鉄心を切
換えて移動させることを特徴とする磁性流体の駆動方法
を提供する。
【0028】この構成によれば、対向する第1および第
2鉄心が交互に切換えられて移動するため、第1および
第2鉄心間の磁気回路が連続的にジグザグ状軌跡で進行
し、クラスタの移動が滑らかに行われる。
【0029】好ましい構成例では、前記励磁する鉄心の
切換え動作を徐々に又は段階的に行い、この切換え動作
中の2つの鉄心に対し相手側の1つの鉄心からそれぞれ
磁気回路が形成されることを特徴としている。
【0030】この構成によれば、一方の鉄心を励磁状態
に維持して他方の鉄心を切換えるときに、切換え動作が
1ステップで行われずアナログ的に又は段階的に行われ
るため、クラスタの移動動作が円滑になる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態について説明する。図1は本発明の実施形態に係
る磁性流体駆動装置の構成を説明するための斜視図であ
る。
【0032】この実施形態の磁性流体駆動装置3は、磁
性流体が流れるパイプ材からなる流路4に沿って、一方
の側に複数の第1鉄心5からなる第1鉄心群5aをピッ
チpの一定間隔で配設し、流路4を挟んでその反対側に
複数の第2鉄心6からなる第2鉄心群6aを同じ一定ピ
ッチpで配設したものである。各第1鉄心5とその対向
位置の第2鉄心6は半ピッチ(p/2)だけずれて配設
される。各第1鉄心5および第2鉄心6にはそれぞれコ
イル7が巻回され電磁石を構成する。これらの第1鉄心
群5aおよび第2鉄心群6aの一方の端部間に流路4が
配置され、反対側の端部に板状の連結鉄心8が接合され
る。この連結鉄心8は、第1鉄心5同士および第2鉄心
6同士を磁気的に連結するとともに第1鉄心群5aおよ
び第2鉄心群6aを磁気的に連結する。
【0033】このような構成により、半ピッチずれて対
向する第1鉄心5および第2鉄心6のコイル7に通電し
て両鉄心5,6からなる電磁石により磁気回路を形成
し、これらの第1および第2鉄心5,6の端部間に、第
1鉄心5側をNSのうち一方の磁極とし第2鉄心6側を
他方の磁極とする磁場が形成される。この磁場により流
路4を概ね直角方向に横断する磁束が生じ、これにより
半ピッチずれた第1鉄心5と第2鉄心6の端部間の流路
4内にクラスタが形成される。第1コイル5および第2
コイル6の両コイル7への通電を並列して流路4に沿っ
て移動させることにより、クラスタが流路4に沿って移
動する。
【0034】本発明では、連結板8により隣接する第1
鉄心同士および隣接する第2鉄心6同士が磁気的に連結
されるため、1つの第1鉄心5または6に対し、これに
対向する2つの相手側の鉄心を磁極とする2つの磁気回
路を同時に形成することができる。これにより、後述の
ように、対向する鉄心を交互に励磁してクラスタをジグ
ザグ状に移動させることができる。
【0035】本実施形態では、第1鉄心群5aおよび第
2鉄心群6aの各鉄心の配設ピッチpを約6mm以下と
する。これにより、第1鉄心5および第2鉄心6を交互
に時間差を持って切換えながらジグザグ状にクラスタを
移動させるときに、鉄心は実質上半ピッチの3mmずつ
移動することになり、前述のように、3mm以下のピッ
チで配設した鉄心と同じ作用効果が得られ、鉄心から鉄
心へ励磁を切換えたときに磁界の強さが低下することな
く磁束が移動し、クラスタによるシールが崩れず安定し
て滑らかに磁性流体を移動させることができる。
【0036】図2および図3は、上記磁性流体駆動装置
の制御系の構成図である。なお、図2および図3のA部
同士が接続される。前述のように半ピッチずつずれて対
向配置された鉄心群5a,6aおよび各鉄心に巻回した
コイル7(図1)からなる電磁石群は、電気的に接続さ
れそれぞれ同じ通電状態となる鉄心A,B,C,…から
なる電磁石を1組として繰返し配設してある。流路4内
には磁性流体11が充填されるとともにピストン9が装
着される。このピストン9に連結されたロッド10を介
して荷重Wを駆動する。
【0037】各電磁石は、図3に示すように、電気的に
接続された鉄心A,B,C,…ごとに、D/Aコンバー
タおよび増幅器からなるD/Aアンプ12に接続され
る。各D/Aアンプ12は制御回路13を介してパソコ
ン14に接続される。パソコン14は予め設定されたプ
ログラムにしたがって制御回路13およびD/Aアンプ
12を介して各鉄心のコイルに所定の順序で所定時間通
電して移動磁界を発生させる。この場合、D/Aアンプ
12は、制御回路13からのデジタル信号をアナログ信
号に変換することによりステップ状の信号波形を滑らか
な波形に変換し、前述の鉄心ピッチの設定による移動磁
界の円滑な連続移動の作用に加え、さらに磁界の移動動
作を滑らかな連続動作にする。また、増幅器により、低
圧の信号電流を電磁石駆動に必要な高出力にする。
【0038】各D/Aアンプ12は、2個の直流電源の
間を接地した電源回路15に接続される。D/Aアンプ
12に対し正側電源と接地電位を接続することにより電
磁石に正方向の電流が印加され、負側電源と接地電位を
接続することにより電磁石に負方向の電流が印加され
る。正負の切換えは制御回路13により行われる。
【0039】図4〜は、上記本発明の実施形態に係
る磁性流体の駆動装置の動作を順番に示す動作説明図で
ある。前述のように、6mmピッチの第1および第2鉄
心群5a,6aが、相互に半ピッチ(3mm)ずつずれ
て磁性流体の流路4の両側に対向して配置されている
る。
【0040】では、半ピッチずれて対向する鉄心A,
Bを励磁し、これらの鉄心A,B間に磁場を形成して磁
束Zを発生させる。これによりこの磁束Zに対応して流
路4内にクラスタ(不図示)が形成される。
【0041】次にでは、鉄心Bのコイルに通電したま
ま、これに対向する相手側の鉄心AおよびCのコイルに
通電する。これにより、鉄心B,A間および鉄心B,C
間に2つの磁気回路が形成され、合成した磁束Zが形成
される。このとき、鉄心Aのコイルへの通電量を徐々に
又は段階的に減らし、これに対応して鉄心Cのコイルへ
の通電量を徐々にまたは段階的に増加して、鉄心A,C
合計の通電量は一定に維持したまま鉄心の励磁をAから
Cに移行して電磁石を切換える。
【0042】は、コイルへの通電が鉄心Aから鉄心C
に切換えられた状態を示す。これにより、クラスタが鉄
心B,A間から鉄心B,C間に移行する。この場合、鉄
心Bの位置ではクラスタが移動しないため、クラスタの
シールが崩れることはない。また、鉄心A,C間の移行
についても、鉄心B,A間およびB,C間のピッチが実
質上3mm以下となるように配設されているため、前述
のように移行動作中に磁界強度が低下することはなく、
したがってクラスタのシールを崩すことなくこれを鉄心
Aから鉄心Cに移行できる。
【0043】続いてでは、鉄心Cのコイルに通電した
まま、相手側の2つの鉄心B,Dのコイルに通電する。
この場合、前述のの場合と同様に、励磁する鉄心を鉄
心Bから鉄心Dに徐々にまたは段階的に切換えることに
より、クラスタを鉄心B,C間から鉄心C,D間に移行
させる。これにより、と同様の磁束状態に戻る。以下
同様にして第1鉄心群5aと第2鉄心群6aの各鉄心の
コイルへの通電の切換えを交互に時間差を持って行うこ
とにより、ジグザク状の軌跡でクラスタが流路4の軸に
沿って矢印のように進行する。
【0044】図5は、上記図2および図3の制御系を用
いて図4の動作をさせる磁性流体の駆動制御方法のタイ
ムチャートである。図示したように、一定時間ごと(こ
の例では0.05秒ごと)に各鉄心A,B,C,…のコ
イルに対する通電が切換えられる。この場合、各鉄心の
コイルに対し、最初の0.05秒間は通常の動作電流の
半分の弱い電流を通電し、続く0.15秒間は通常の動
作電流を通電し、その後0.05秒間は再び通常の動作
電流の半分の弱い電流を通電する。このように2段階で
電流を切換えることにより、クラスタの移動が円滑に行
われる。
【0045】例えば、最初鉄心Aに通電を開始し、0.
1秒経過した時間t1で鉄心Aが通常の励磁状態とな
り、鉄心Bへの通電が始まる。時間t2で鉄心A,Bが
ともに通常の励磁状態となり鉄心A,B間に磁束が形成
される(図4の状態)。続いて、時間t3で、鉄心B
は通常の励磁状態のままの状態で、鉄心Aの電流が弱ま
り、鉄心Cに弱い電流が通電され、鉄心BとAおよび鉄
心BとCの間に磁気回路が形成される(図4の状
態)。続いて、時間t4で鉄心Aへの通電が終了し、鉄
心BとCのみが励磁され鉄心B,C間に磁束が形成され
る(図4の状態)。次に、時間t5で、鉄心Bの電流
が低下し、鉄心Dへの通電が開始される。これにより、
鉄心BとCおよび鉄心CとDの間に磁気回路が形成され
る(図4の状態)。
【0046】このように各鉄心A,B,C,…への通電
シーケンスを制御することにより、図4で示したような
ジグザグ状の軌跡でクラスタを移動させることができ
る。
【0047】上記構成の実施形態に係る磁性流体の駆動
装置および駆動方法の適用例としては、図2のピストン
9の往復動作による外部機構への各種アクチュエータと
して利用でき、また往復動作を回転動作に変換してモー
タやポンプの回転駆動源として利用できる。また、磁性
流体自体を循環させるポンプとして用い、磁性流体を媒
体とする熱交換器等に利用できる。あるいはクラスタの
移動によるリニアモータとしても利用できる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、磁性
流体の流路を挟んで対向する第1の鉄心群および第2の
鉄心群の各鉄心にコイルが巻回され且つ第1及び第2の
鉄心群が連結鉄心により磁気的に連結されるため、第1
及び第2の鉄心及びそれらに巻回されたコイルにより電
磁石が形成され、これにより磁性流体の流路に対し直角
方向に流路断面を横断する磁束が形成される。この磁束
により流路断面全体を覆ってシールするクラスタが形成
される。したがって、流路に沿った第1及び第2の鉄心
からなる電磁石に順次電流を印加することにより、この
クラスタを流路に沿って移動させて、磁性流体を効率よ
く駆動することができる。
【0049】この場合、連結鉄心により第1の鉄心同士
および第2の鉄心同士が磁気的に連結されるため、1つ
の鉄心側から対向する側の2つの鉄心に対し磁気回路を
形成することができる。これにより、第1の鉄心および
第2の鉄心をそれぞれ順次切換えて励磁しながら磁気回
路を移動させる場合に、第1の鉄心の切換え動作及び第
2の鉄心の切換え動作を交互に行うとともに、各鉄心の
切換え動作時に相手側の隣接する2つの鉄心との間で磁
気回路を形成しながら交互に順次励磁して、第1及び第
2の鉄心のうち一方は常に励磁された状態で交互にジグ
ザグ状の軌跡で連続的に磁気回路を移動させることが可
能になり、クラスタの移動を円滑に且つシール性を充分
保持して行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る磁性流体の駆動装
置の要部斜視図。
【図2】 図1の駆動装置の制御系の構成説明図。
【図3】 図1の駆動装置の制御系の構成説明図。
【図4】 図1の駆動装置の動作説明図。
【図5】 図2及び図3の制御系の制御動作のタイムチ
ャート。
【図6】 本発明者により提案されている別の磁性流体
駆動装置の動作説明図。
【符号の説明】
1:流路、2:電磁石、3:磁性流体駆動装置、4:流
路、5:第1鉄心、6:第2鉄心、7:コイル、8:連
結鉄心、9:ピストン、10:ロッド、11:磁性流
体、12:D/Aアンプ、13:制御回路、14:パソ
コン、15:電源回路。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気回路を形成する鉄心にコイルを巻回し
    た複数の電磁石を磁性流体の流路に沿って備え、前記鉄
    心による磁気回路中に前記磁性流体の流路を配設し、該
    流路に対し概ね直交する磁束が生じるように、前記鉄心
    を前記流路に沿って配設した磁性流体の駆動装置におい
    て、 前記流路に沿った一方の側に一方の磁極を形成する複数
    の第1鉄心を一定ピッチで配設し、 前記流路の反対側に他方の磁極を形成する複数の第2鉄
    心を前記第1鉄心と同じ一定ピッチで配設し、 前記第1鉄心および第2鉄心の各々にコイルを巻回し、 前記第1鉄心同士および第2鉄心同士を磁気的に連結す
    るとともに前記第1鉄心と第2鉄心とを磁気的に連結す
    る共通の連結鉄心を備えたことを特徴とする磁性流体の
    駆動装置。
  2. 【請求項2】前記第1鉄心と第2鉄心は、前記一定ピッ
    チの半ピッチ量だけ相互にずれて配設されたことを特徴
    とする請求項1に記載の磁性流体の駆動装置。
  3. 【請求項3】前記一定ピッチは約6mm以下であること
    を特徴とする請求項2に記載の磁性流体の駆動装置。
  4. 【請求項4】相互に対向又はほぼ対向する位置の前記第
    1鉄心および第2鉄心を前記流路に沿って同じ方向にそ
    れぞれ順次励磁してクラスタを移動させる磁性流体の駆
    動方法において、 前記第1鉄心および第2鉄心のうち一方の鉄心を励磁し
    ている間に他方の鉄心の励磁を切換えて交互に励磁鉄心
    を切換えて移動させることを特徴とする請求項1,2ま
    たは3に記載の磁性流体の駆動装置の駆動方法。
  5. 【請求項5】前記励磁する鉄心の切換え動作を徐々に又
    は段階的に行い、この切換え動作中の2つの鉄心に対し
    相手側の1つの鉄心からそれぞれ磁気回路が形成される
    ことを特徴とする請求項4に記載の磁性流体の駆動方
    法。
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