JP2001333424A - 衛星放送システム及びその衛星放送装置と衛星放送受信装置並びにその衛星放送変調形式切換え制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 受信地点の受信状態に合わせて変調形式の切
換えを自動的に制御する。 【解決手段】 衛星放送装置２００は、放送番組のコン
テンツを符号化・多重化した放送信号を生成し、アップ
リンク装置２６０で所定の変調形式で変調した後、送信
アンテナ２７０経由で衛星４００にアップリンクする。
衛星放送受信装置１００は、衛星４００よりダウンリン
クされた放送信号を受信し、電界強度測定手段１２１で
電界強度、及びＣ／Ｎ測定手段１２２でＣ／Ｎ比を測定
し、測定値を測定値送信手段１３０により、インターネ
ット等の通信路３００経由で衛星放送装置２００に送出
する。衛星放送装置２００は、測定値受信手段２１０で
測定値を受信するとともに、関連情報を関連情報取得手
段２２０により取得し、受信状態判定手段２３０によっ
て測定値を統計処理し、必要に応じて関連情報を参照し
て、衛星放送サービスエリアの受信状態を判定する。変
調形式切換え手段２４０は、受信状態の判定に応じて変
調形式の切換えを行なう。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は衛星放送システム及
びその衛星放送装置と衛星放送受信装置並びにその衛星
放送変調形式切換え制御方法に関し、特に放送信号の受
信地点での信号レベル状況に応じて変調形式を切換える
衛星放送システム及びその衛星放送装置と衛星放送受信
装置並びにその衛星放送変調形式切換え制御方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】衛星放送では、放送信号にＳＨＦ（Supe
r High Frequency、マイクロ波）帯の電波を使用するた
め、受信地点の電界強度が気象条件により左右されやす
い。例えば、電波の伝播路に雨等が降り、電波が散乱ま
たは吸収されて減衰する降雨減衰といった現象がよく知
られている。

【０００３】このような降雨減衰等を克服するため、例
えば、階層変調方式といい、ＢＰＳＫ（Binary Phase S
hift Keying）及び８ＰＳＫ（８ Phase Shift Keying）
を混在して放送する方法が考えられている。ＢＰＳＫ
（ＢＰは２相の意味）も８ＰＳＫ（８Ｐは８相の意味）
も、位相変調方式であるが、ＢＰＳＫは８ＰＳＫに比べ
て信号点間のユークリッド距離が大きくとれるために電
界強度が弱く、Ｃ／Ｎ比（Carrier Noise Ratio：放送
搬送波対雑音比）が悪い状態でも信号を良好に復号する
ことができる。一方、ＢＰＳＫは８ＰＳＫに比べて伝送
速度が低く、ＢＰＳＫで受信した情報の品質は８ＰＳＫ
に比べて劣る場合がある。

【０００４】従って、例えば気象予報により、衛星放送
のサービスエリア内で気象条件が悪いことを知った場
合、ＢＰＳＫと８ＰＳＫとを混在させ、例えば、ＢＰＳ
Ｋを１Ｍｂｐｓ、８ＰＳＫを２２Ｍｂｐｓで放送する。
電界強度、Ｃ／Ｎ比が悪い受信地点ではＢＰＳＫで受信
し、気象条件が良好な受信地点では８ＰＳＫで受信する
ことができる。また、気象予報により、サービスエリア
内で気象条件が良好なことを知った場合は、８ＰＳＫの
みで放送することもできる。ＢＰＳＫで受信した情報の
品質は８ＰＳＫで受信した場合に比べて劣ることも考え
られるが、例えば最低限でも音声は受信できないと放送
に支障をきたすような場合においては、好適な方法であ
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような変
調形式の切換えを気象予報によって行なう場合、適切な
切換えを行なうことができないという問題がある。

【０００６】気象条件は、１日のうちで刻々と変化する
ものであるし、また、受信地点によっても変化するた
め、気象予報に基づく切換え制御では、気象条件の変化
に対応することが難しい。また、各地点に置かれた気象
観測装置からの信号で、衛星放送装置の変調形式の切換
えを制御することも考えられるが、衛星放送受信装置の
受信状態と整合性がとれるか否か等の問題がある。

【０００７】また、衛星放送装置に衛星放送受信機能を
設け、衛星を経由した放送信号を受信し、この受信信号
の信号レベルに応じて、送信信号を制御するものもあ
る。しかしながら、この方法では、受信地点での受信状
態を知ることができないため、適切な制御を行なうこと
が難しい。

【０００８】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、受信地点の受信状態に合わせて変調形式の切
換えを自動的に制御する衛星放送システム及びその衛星
放送装置と衛星放送受信装置並びにその衛星放送変調形
式切換え制御方法を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、放送信号の受信地点での信号レベル状況
に応じて変調形式を切換える衛星放送システムにおい
て、前記放送信号が受信可能な衛星放送サービスエリア
内の任意の受信地点に配置され、前記放送信号の受信地
点での信号レベルを測定する信号レベル測定手段と、前
記信号レベル測定手段により測定された信号レベルの測
定値を所定の通信路を介して送信する測定値送信手段
と、を備えた衛星放送受信装置と、前記所定の通信路に
接続して前記測定値を受信する測定値受信手段と、前記
受信した測定値を統計処理して前記衛星放送サービスエ
リア内の受信状態を判定する受信状態判定手段と、前記
受信状態判定手段により判定された受信状態に応じて前
記放送信号の変調形式の切換えを行なう変調形式切換え
手段と、を備えた衛星放送装置と、を有することを特徴
とする衛星放送システム、が提供される。

【００１０】このような構成の衛星放送システムでは、
衛星放送サービスエリア内にある衛星放送受信装置は、
衛星放送装置から送出された放送信号の受信信号レベル
を信号レベル測定手段により測定する。測定された信号
レベルの測定値は、測定値送信手段によって、所定の通
信路経由で衛星放送装置に送信される。衛星放送装置
は、測定値受信手段により、衛星放送サービスエリア内
の所定の受信地点における信号レベル測定値を収集す
る。受信状態判定手段は、収集した測定値を統計処理
し、衛星放送サービスエリア内の受信状態を判定し、そ
の結果を変調形式切換え手段に送る。変調形式切換え手
段は、受信状態に応じて放送信号の変調形式の切換えを
行なう。変調形式切換え手段により選択された変調形式
によって放送信号の変調が行なわれ、変調された放送信
号は通信衛星を経由し、衛星放送受信装置に送出され
る。

【００１１】また、上記課題を解決するために、放送信
号の受信地点での信号レベル状況に応じて変調形式を切
換える衛星放送装置において、前記衛星放送装置の衛星
放送サービスエリア内にある衛星放送受信装置において
測定された受信信号レベルの測定値を所定の通信路経由
で受信する測定値受信手段と、前記受信した測定値を統
計処理して前記衛星放送サービスエリア内の受信状態を
判定する受信状態判定手段と、前記受信状態判定手段に
より判定された受信状態に応じて前記放送信号の変調形
式の切換えを行なう変調形式切換え手段と、を有するこ
とを特徴とする衛星放送装置、が提供される。

【００１２】このような構成の衛星放送装置では、測定
値受信手段は、衛星放送サービスエリア内の任意の地点
に設置された衛星放送受信装置の測定した受信地点での
信号レベルの測定値を受信し、受信状態判定手段へ送
る。受信状態判定手段は、収集した測定値を統計処理
し、衛星放送サービスエリア内の受信状態を判定する。
変調形式切換え手段は、判定に応じて変調形式の切換え
を行なう。選択された変調形式により放送信号の変調が
行なわれ、アップリンクされる。

【００１３】また、上記課題を解決するために、放送信
号の受信地点での信号レベル状況に応じて変調形式を切
換える衛星システムの衛星放送受信装置において、前記
放送信号が受信可能な衛星放送サービスエリア内の任意
の受信地点に配置され、前記放送信号の受信地点での信
号レベルを測定する信号レベル測定手段と、前記信号レ
ベル測定手段により測定された信号レベルの測定値を所
定の通信路経由で前記放送信号を送出する衛星放送装置
に向けて送信する測定値送信手段と、を有することを特
徴とする衛星放送受信装置、が提供される。

【００１４】このような構成の衛星放送受信装置では、
信号レベル測定手段は、受信地点での放送信号の信号レ
ベルを測定し、測定値送信手段へ送る。測定値送信手段
は、信号レベル測定値を所定の通信路を経由して衛星放
送装置へ送出する。

【００１５】また、上記課題を解決するために、衛星放
送による放送信号の受信地点での信号レベル状況に応じ
て変調形式を切換える衛星放送変調形式切換え制御方法
において、前記衛星放送の衛星放送サービスエリア内に
おける任意の受信地点で前記放送信号の信号レベルを測
定し、前記測定した信号レベルの測定値を所定の通信路
を経由して前記放送信号を送出する衛星放送装置に送信
し、前記衛星放送装置が前記受信地点の信号レベルの測
定値を受信し、前記受信した信号レベルの測定値に基づ
いて前記衛星放送サービスエリア内の受信状態を判定
し、前記判定された受信状態に応じて前記放送信号の変
調形式の切換えを行なう手順を有することを特徴とする
衛星放送変調形式切換え制御方法、が提供される。

【００１６】このような手順の衛星放送変調形式切換え
制御方法では、衛星放送のサービスエリア内における任
意の受信地点での信号レベルの測定を行ない、測定結果
を所定の通信路経由で放送信号を送出する衛星放送装置
に対して送信する。衛星放送装置は、任意の受信地点で
の信号レベルの測定値を受信し、測定値に基づいて衛星
放送サービスエリア内の受信状態を判定し、判定に応じ
て衛星放送変調形式の切換えを行なう。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図１は、本発明の一実施の形態で
ある衛星放送システムを構成する衛星放送装置及び衛星
放送受信装置の構成図である。

【００１８】本発明に係る衛星放送システムは、放送信
号を受信する衛星放送受信装置１００、放送信号を送出
する衛星放送装置２００、所定のデータ通信を行なう通
信路３００、及び放送信号のアップリンク及びダウンリ
ンクを行なう衛星４００とから構成される。

【００１９】衛星放送受信装置１００は、衛星放送サー
ビスエリア内の任意の地点に複数台配置される。衛星放
送受信装置１００は、衛星放送を受信する受信アンテナ
１１０、受信した放送信号の電界強度を測定する電界強
度測定手段１２１とＣ／Ｎ比を測定するＣ／Ｎ測定手段
１２２とから構成される信号レベル測定手段１２０、及
び信号レベルの測定値を送信する測定値送信手段１３０
とから構成される。

【００２０】受信アンテナ１１０は、衛星４００の送出
する放送信号を受信し、受信した信号を信号レベル測定
手段１２０へ送る。電界強度測定手段１２１は、受信電
界強度を測定する。また、Ｃ／Ｎ測定手段１２２は、受
信した放送信号のＣ／Ｎ比を測定する。電界強度測定手
段１２１とＣ／Ｎ測定手段１２２は、時々刻々と放送信
号の信号レベルを測定し、その測定値を測定値送信手段
１３０へ送る。測定値送信手段１３０は、時々刻々と変
化する測定値をインターネット等の通信路３００経由で
衛星放送装置２００へ送信する。

【００２１】衛星放送装置２００は、衛星放送受信装置
１００の測定した信号レベルの測定値を受信する測定値
受信手段２１０、信号レベルの関連情報を取得する関連
情報取得手段２２０、放送サービスエリア内の受信状態
を判定する受信状態判定手段２３０、受信状態に応じて
変調形式を切換える変調形式切換え手段２４０、放送信
号を生成する放送信号生成手段２５０、選択された変調
形式で放送信号を変調するアップリンク装置２６０、及
び放送信号を送出する送信アンテナ２７０とから構成さ
れる。

【００２２】測定値受信手段２１０は、通信路３００経
由で測定値を受信する。測定値は、衛星放送サービスエ
リア内の複数の衛星放送受信装置１００から送られてく
るので、これらを収集する。収集された測定値は、受信
状態判定手段２３０へ送る。関連情報取得手段２２０
は、必要に応じて、例えば気象情報等の受信信号レベル
に影響を与える要因に関する関連情報を取得する。関連
情報は、さまざまな経路で入手する。例えば、インター
ネット等の通信路３００に接続する気象情報サーバ等か
ら気象情報を取得する。取得した関連情報は、受信状態
判定手段２３０へ送る。受信状態判定手段２３０は、受
信した測定値について各地域毎に統計処理を行ない、こ
の衛星放送サービスエリア内の受信状態を判定する。具
体的には、各地の電界強度やＣ／Ｎ比の平均値を時間平
均したり、時間平均された電界強度とＣ／Ｎ比とを重み
付け加算する等の処理を行なう。このとき、必要に応じ
て関連情報取得手段２２０から入力した関連情報が参照
される。判定結果は、変調形式切換え手段２４０へ送ら
れる。変調形式切換え手段２４０は、判定結果に基づ
き、放送信号の変調形式を、雑音耐性の大きい変調方式
あるいは小さい変調方式に切換える。放送信号生成手段
２５０は、所定の放送番組のコンテンツ及び番組関連情
報を符号化・多重化して放送信号を生成し、アップリン
ク装置２６０へ送出する。アップリンク装置２６０は、
符号化・多重化された放送信号を、変調形式切換え手段
２４０により選択された変調形式にて変調し、送信アン
テナ２７０経由で、衛星４００へアップリンクする。

【００２３】通信路３００は、気象状況等に影響されな
い、インターネット等の通信路である。衛星放送受信装
置１００の測定値送信手段１３０より送信された測定値
を衛星放送装置２００へ伝達する。また、必要に応じ
て、通信路３００に接続する気象情報サーバの供給する
情報等の関連情報を、衛星放送装置２００の関連情報取
得手段２２０へ伝達する。

【００２４】衛星４００は、衛星放送装置２００からア
ップリンクされた放送信号を衛星放送受信装置１００へ
向けてダウンリンクする。このような構成の衛星放送シ
ステムの動作について説明する。

【００２５】衛星放送装置２００は、放送信号生成手段
２５０により放送番組のコンテンツを符号化・多重化し
た放送信号を生成し、アップリンク装置２６０で所定の
変調形式で変調した後、送信アンテナ２７０経由で衛星
４００にアップリンクする。衛星４００は、衛星放送受
信装置１００に向けて放送信号をダウンリンクする。衛
星放送受信装置１００は、放送信号を受信アンテナ１１
０で受信し、電界強度測定手段１２１で電界強度、及び
Ｃ／Ｎ測定手段１２２でＣ／Ｎ比を測定して、その受信
信号レベルを測定する。測定値は、測定値送信手段１３
０により、インターネット等の通信路３００経由で衛星
放送装置２００に送出される。衛星放送装置２００は、
測定値受信手段２１０で測定値を受信するとともに、必
要に応じて関連情報を関連情報取得手段２２０により取
得し、受信状態判定手段２３０へ送る。受信状態判定手
段２３０は、測定値を統計処理し、必要に応じて関連情
報を参照して、衛星放送サービスエリアの受信状態を判
定する。変調形式切換え手段２４０は、受信状態の判定
に応じて変調形式の切換えを行なう。例えば、受信状態
の悪化に応じて、８ＰＳＫ等の雑音耐性の小さい変調方
式から、ＢＰＳＫ＋８ＰＳＫ等の雑音耐性の大きい変調
方式に切換える。

【００２６】このようにして切換えられた変調方式の電
波は、通信衛星４００を介して衛星放送受信装置１００
の配置されている各地域に送られ、最適な受信状態で一
般の衛星放送受信機に受信されることになる。衛星放送
の視聴に用いる一般の衛星放送受信機は、８ＰＳＫもＢ
ＰＳＫも受信可能であり、電界強度及びＣ／Ｎ比により
受信する変調方式を自動選択して受信する。このため、
気象条件の悪い地域はＢＰＳＫで受信し、良い地域は８
ＰＳＫで受信する。

【００２７】次に、本発明に係る衛星放送システムの全
体構成について説明する。図２は、本発明の一実施の形
態である衛星放送システムの全体図である。図１と同じ
ものは同じ番号を付し、説明は省略する。

【００２８】本発明に係る衛星放送システムでは、衛星
放送装置２００の衛星放送サービスエリアは、複数の地
域、例えば、地域Ａ（１０００ａ）と地域Ｂ（１０００
ｂ）にまたがって放送信号を送出している。

【００２９】地域Ａ（１０００ａ）、及び地域Ｂ（１０
００ｂ）には、サービスエリア内の各地域における受信
電界強度とＣ／Ｎ比をもっとも代表する受信地点に配置
される衛星放送受信装置１００ａ、１００ｂと、衛星放
送を受信して視聴を行なう衛星放送受信機５１０ａ、５
２０ａ、５１０ｂ、５２０ｂとが混在している。一般の
衛星放送受信機は、電界強度測定装置とＣ／Ｎ測定装置
を具備している場合が多く、一般の衛星放送受信機を衛
星放送受信装置１００ａ、１００ｂに転用することもで
きる。また、衛星放送受信装置１００ａ、１００ｂは、
各地域に複数台備えることが望ましい。

【００３０】衛星放送装置２００は、各サービスエリア
の受信信号レベルの測定値を収集し、それぞれのサービ
スエリアに適した変調形式の切換えを行なう。上記説明
のように、衛星放送受信装置１００ａ、１００ｂは、受
信信号のレベルを測定し、測定値をリアルタイムで衛星
放送装置２００に送信する。この衛星放送受信装置１０
０ａ、１００ｂは、サービスエリア内の各地域にある一
般の衛星放送受信機の受信する電界強度とＣ／Ｎ比とを
代表しているので、衛星放送装置２００は、放送サービ
スエリア内に最適な電界強度とＣ／Ｎ比が得られる変調
形式の放送信号を時々刻々と変化する気象条件に対応し
て供給することができる。この結果、視聴者は常に品質
の優れた衛星放送を受信することができる。

【００３１】また、衛星放送受信装置１００の受信信号
レベルを測定する電界強度測定手段とＣ／Ｎ測定手段
は、一般の衛星放送受信機のものを流用することができ
るため、新たに装置を開発することなく、測定値の収集
が可能となる。さらに通信路として、一般的なインター
ネット等を用いれば、本発明に係る衛星放送システムを
安価に構築することができる。

【００３２】次に、衛星放送装置で行なわれる衛星放送
変調形式切換え制御方法の一例について説明する。図３
は、本発明の一実施の形態である衛星放送変調形式切換
え制御のフローチャートである。

【００３３】処理が開始されると（Ｓ０１）、サービス
エリア内の各地域に設置された受信信号レベルを測定す
る特定の衛星放送受信装置から通信路を経由して送信さ
れた電界強度とＣ／Ｎ比の情報を統計処理し、サービス
エリアの受信状態を判定する（Ｓ０２）。このとき、例
えば、受信信号レベルが所定のレベル未満であれば、気
象条件が悪いと判定し、所定のレベル以上であれば気象
条件が良いというように判定される。

【００３４】次に、関連情報として気象予報を取得した
場合、気象予報を参照し、Ｓ０２で算出された統計情報
による判定結果が妥当なものであるかをチェックする
（Ｓ０３）。統計情報から得られた判定と気象予報が一
致した場合、妥当であると判断し、Ｓ０４へ進む。一致
していない場合、Ｓ０７へ進む。この気象予報は、気象
条件が悪い、良いというように前もって２値化されてい
るとする。

【００３５】判定と気象予報が一致した場合、受信状態
が良好であるかどうかをチェックする（Ｓ０４）。判定
出力が所定レベル以上で、受信状態が良好であると判断
された場合、気象条件が良いとして、例えば８ＰＳＫの
みの変調形式への切換えが行なわれる（Ｓ０５）。ま
た、判定出力が所定レベル未満で、受信状態が悪いと判
断された場合、気象条件が悪いとして、例えば８ＰＳＫ
＋ＢＰＳＫの変調形式への切換えが行なわれる（Ｓ０
６）。変調形式切換え後、処理は終了する（Ｓ１０）。

【００３６】統計情報と気象予報とが一致しなかった場
合、所定の時間Ｔだけ待機して、様子を見る（Ｓ０
７）。予報と実際の気象とは時間のずれがあるからであ
る。所定時間が経過した後、再び、気象予報を参照し、
統計情報による判定結果が妥当なものであるかのチェッ
クが行なわれる（Ｓ０８）。統計情報から得られた判定
と気象予報が一致した場合、妥当であると判断し、Ｓ０
４へ進む。一方、一致していない場合、安全のため、耐
雑音性の大きい８ＰＳＫ＋ＢＰＳＫ変調方式への切換え
を行ない（Ｓ０９）、処理を終了する（Ｓ１０）。

【００３７】上記説明の、ＢＰＳＫ及び８ＰＳＫの切換
え及び統計処理の方法は、本発明の一実施の形態であ
り、本発明はこれに限定されない。また、本発明は、複
数の通信衛星を用いて複数のサービスエリアに放送を提
供する衛星放送システムにも適用することができる。

【００３８】なお、上記の処理機能は、コンピュータに
よって実現することができる。その場合、衛星放送装置
及び衛星放送受信装置が有すべき機能の処理内容は、コ
ンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されたプロ
グラムに記述しておく。そして、このプログラムをコン
ピュータで実行することにより、上記処理がコンピュー
タで実現される。コンピュータで読み取り可能な記録媒
体としては、磁気記録装置や半導体メモリ等がある。市
場に流通させる場合には、ＣＤ−ＲＯＭ(CompactDisc R
ead Only Memory)やフロッピー（登録商標）ディスク等
の可搬型記録媒体にプログラムを格納して流通させた
り、ネットワークを介して接続されたコンピュータの記
憶装置に格納しておき、ネットワークを通じて他のコン
ピュータに転送することもできる。コンピュータで実行
する際には、コンピュータ内のハードディスク装置等に
プログラムを格納しておき、メインメモリにロードして
実行する。

【００３９】

【発明の効果】以上説明したように本発明の衛星放送シ
ステムでは、衛星放送サービスエリア内にある衛星放送
受信装置が、衛星放送装置から送出された放送信号の受
信信号レベルを測定し、通信路経由で衛星放送装置に送
信する。衛星放送装置は、任意の受信地点における信号
レベル測定値を収集し、これを統計処理し、衛星放送サ
ービスエリア内の受信状態を判定し、受信状態に応じて
放送信号の変調形式の切換えを行なう。

【００４０】このように、リアルタイムで衛星放送サー
ビスエリア内の各地域の受信状態に対応して変調形式が
自動選択されて放送されるので、視聴者は常に品質の優
れた衛星放送を受信することができる。

【００４１】また、本発明の衛星放送装置では、衛星放
送サービスエリア内の任意の地点に設置された衛星放送
受信装置の測定した受信地点での信号レベルの測定値を
収集し、これを統計処理して衛星放送サービスエリア内
の受信状態を判定する。判定結果に応じて変調形式を選
択し、選択に従って放送信号の変調を行ない、アップリ
ンクする。

【００４２】このように、衛星放送サービスエリア内の
各地域の受信状態に対応して変調形式を自動選択して放
送するので、品質の優れた衛星放送を供給することがで
きる。

【００４３】また、本発明の衛星放送受信装置では、受
信地点での放送信号の信号レベルを測定し、測定値を所
定の通信路を経由して衛星放送装置へ送出する。このよ
うに、受信地点での放送信号レベルを常に測定し、これ
をリアルタイムで衛星放送装置に送信するため、衛星放
送装置において衛星放送サービスエリア内の受信状態を
常に把握することができる。また、一般に、衛星放送受
信装置には、信号レベルを測定する機能が備わっている
ため、これを利用すれば、安価に装置を構築することが
できる。

【００４４】また、本発明の衛星放送変調形式切換え制
御方法では、衛星放送のサービスエリア内における任意
の受信地点での信号レベルの測定を行ない、測定結果を
通信路経由で衛星放送装置に送信する。衛星放送装置
は、これらの測定値を受信し、測定値に基づいて衛星放
送サービスエリア内の受信状態を判定し、判定に応じて
衛星放送変調形式の切換えを行なう。

【００４５】このように、リアルタイムで衛星放送サー
ビスエリア内の各地域の受信状態に対応して変調形式が
自動選択されて放送されるので、視聴者は常に品質の優
れた衛星放送を受信することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態である衛星放送システム
を構成する衛星放送装置及び衛星放送受信装置の構成図
である。

【図２】本発明の一実施の形態である衛星放送システム
の全体図である。

【図３】本発明の一実施の形態である衛星放送変調形式
切換え制御のフローチャートである。

【符号の説明】

１００…衛星放送受信装置、１１０…受信アンテナ、１
２０…信号レベル測定手段、１２１電界強度測定手段、
１２２…Ｃ／Ｎ測定手段、１３０…測定値送信手段、２
００…衛星放送装置、２１０…測定値受信手段、２２０
…関連情報取得手段、２３０…受信状態判定手段、２４
０…変調形式切換え手段、２５０…放送信号生成手段、
２６０…アップリンク装置、２７０…送信アンテナ、３
００…通信路、４００…衛星

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） // Ｈ０４Ｌ 27/18 Ｈ０４Ｂ 7/15 Ｚ

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 放送信号の受信地点での信号レベル状況
   に応じて変調形式を切換える衛星放送システムにおい
   て、 前記放送信号が受信可能な衛星放送サービスエリア内の
   任意の受信地点に配置され、前記放送信号の受信地点で
   の信号レベルを測定する信号レベル測定手段と、前記信
   号レベル測定手段により測定された信号レベルの測定値
   を所定の通信路を介して送信する測定値送信手段と、を
   備えた衛星放送受信装置と、 前記所定の通信路に接続して前記測定値を受信する測定
   値受信手段と、前記受信した測定値を統計処理して前記
   衛星放送サービスエリア内の受信状態を判定する受信状
   態判定手段と、前記受信状態判定手段により判定された
   受信状態に応じて前記放送信号の変調形式の切換えを行
   なう変調形式切換え手段と、を備えた衛星放送装置と、 を有することを特徴とする衛星放送システム。
2. 【請求項２】 前記信号レベル測定手段は、前記放送信
   号の受信電界強度を測定する電界強度測定手段と、 前記放送信号のＣ／Ｎ比（放送搬送波帯雑音比）を測定
   するＣ／Ｎ測定手段と、 を有することを特徴とする請求項１記載の衛星放送シス
   テム。
3. 【請求項３】 前記衛星放送受信装置は、前記衛星放送
   サービスエリア内に複数設置されることを特徴とする請
   求項１記載の衛星放送システム。
4. 【請求項４】 前記測定値を転送する通信路は、インタ
   ーネットであることを特徴とする請求項１記載の衛星放
   送システム。
5. 【請求項５】 前記衛星放送装置は、さらに、気象予報
   を含む前記信号レベルの変動に関する関連情報を取得す
   る関連情報取得手段を有し、 前記受信状態判定手段は、さらに、前記受信した測定値
   に加えて前記関連情報を参照して前記受信状態の判定を
   行なうことを特徴とする請求項１記載の衛星放送システ
   ム。
6. 【請求項６】 放送信号の受信地点での信号レベル状況
   に応じて変調形式を切換える衛星放送装置において、 前記衛星放送装置の衛星放送サービスエリア内にある衛
   星放送受信装置において測定された受信信号レベルの測
   定値を所定の通信路経由で受信する測定値受信手段と、 前記受信した測定値を統計処理して前記衛星放送サービ
   スエリア内の受信状態を判定する受信状態判定手段と、 前記受信状態判定手段により判定された受信状態に応じ
   て前記放送信号の変調形式の切換えを行なう変調形式切
   換え手段と、 を有することを特徴とする衛星放送装置。
7. 【請求項７】 放送信号の受信地点での信号レベル状況
   に応じて変調形式を切換える衛星システムの衛星放送受
   信装置において、 前記放送信号が受信可能な衛星放送サービスエリア内の
   任意の受信地点に配置され、前記放送信号の受信地点で
   の信号レベルを測定する信号レベル測定手段と、 前記信号レベル測定手段により測定された信号レベルの
   測定値を所定の通信路経由で前記放送信号を送出する衛
   星放送装置に向けて送信する測定値送信手段と、 を有することを特徴とする衛星放送受信装置。
8. 【請求項８】 衛星放送による放送信号の受信地点での
   信号レベル状況に応じて変調形式を切換える衛星放送変
   調形式切換え制御方法において、 前記衛星放送の衛星放送サービスエリア内における任意
   の受信地点で前記放送信号の信号レベルを測定し、 前記測定した信号レベルの測定値を所定の通信路を経由
   して前記放送信号を送出する衛星放送装置に送信し、 前記衛星放送装置が前記受信地点の信号レベルの測定値
   を受信し、 前記受信した信号レベルの測定値に基づいて前記衛星放
   送サービスエリア内の受信状態を判定し、 前記判定された受信状態に応じて前記放送信号の変調形
   式の切換えを行なう手順を有することを特徴とする衛星
   放送変調形式切換え制御方法。