JP2001330294A - 空気調和機の集中管理システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 非定常的なメッセージを管理者側から各ユー
ザー側に室内機のリモートコントローラ表示を利用して
容易かつ迅速に送信できるようにする。 【解決手段】 空気調和機の集中制御装置５側に、全て
の室内機２または任意の室内機へ向けて、定常的な制御
および管理用の信号と異なる非定常的なメッセージ信号
を送信することができるメッセージ信号送受信装置６を
設ける。一方、各リモートコントローラ１側には、非定
常的なメッセージ信号を受信することができるメッセー
ジ信号送受信装置１ａを設ける。そして、集中管理装置
側と各リモートコントローラ側との間で非定常メッセー
ジ信号の送受信が可能なネットワークを形成し、リモー
トコントローラ側で受信される信号をその表示部１ｂに
表示する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は例えばテナントビル
等に適用される空気調和機の集中管理システムに係り、
特に管理者側から各部屋のユーザーに向けた非定常的な
管理メッセージの送信を可能として運用上の利便性向上
を図った集中管理システムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、テナントビル等の空気調和機にお
いては、ユーザーの部屋における複数の室内機を信号線
により集中管理装置に接続し、信号送受信により定常的
な運転制御および管理を行う集中管理システムが多く採
用されている。そして、集中管理装置と各室内機との間
において、種々の豊富な情報の送受信が行なわれ、かな
り高度な制御や管理が可能となっている。

【０００３】ただし、このような従来の集中管理システ
ムにおいては、各室内機同士、または室内機と集中管理
装置との通信内容が予め規定されており、定常的な情報
以外の情報の送受信は行えない構成となっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このように、従来の集
中管理システムでは運転の自動制御もある程度までは可
能となっているものの、非定常的な情報伝達、例えば設
定温度が少し過剰気味であること等に対する警告、ある
いは消し忘れに対する警告のほか、メンテナンス等のよ
うに空気調和機の何らかの作業中でリモートコントロー
ラの操作が行えないというように、中央から各部屋に伝
えたい特別の情報の伝達は行えないという不具合があ
る。しかし、今後は上述した温度データや警報のような
定常的な情報から、各種の非定常的な情報伝達の要請が
ますます多様化していくものと考えられる。

【０００５】ところで、このような要請に対して従来の
システムで対応しようとすると、伝達し得る情報の増加
に伴う通信フォーマットの変更が比較的困難であるこ
と、また情報増大に対してリモートコントローラの表示
部の表示能力が対応できないこと等の難点がある。した
がって、前記のメンテナンス等に関する伝達事項が必要
であっても、管理者側から各部屋のユーザー側にネット
ワークを通じた連絡を行うことが困難であり、電話連絡
等を行うし方法がなかった。

【０００６】また、例えばテナント毎の１ヶ月の空調料
金を一定のレベルに抑えようと考えた場合においても、
集中管理装置側において集計途中料金のチェック等は行
うことができるものの、それ以上の料金付加の傾向が見
られても管理者側において一方的に運転停止や出力低下
とすることができず、結局は管理者がそのテナントに
「ちょっと使いすぎみたいなので控えめにしてもらえま
すか」などと電話連絡を行ったり、伝言に出向かなけれ
ばならない等の不具合があった。

【０００７】本発明の課題は、上述の事情を考慮してな
されたものであり、既定のネットワークの機能付加また
は新設等の手段により、非定常的なメッセージを管理者
側から各ユーザー側に室内機のリモートコントローラ表
示を利用して容易かつ迅速に送信できるようにして、運
用上の利便性向上を図った集中管理システムを提供する
ことにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
リモートコントローラを備えた複数の室内機と、信号線
を介して前記室内機に接続され、信号送受信により定常
的な運転制御および管理を行う集中管理装置とを備えた
空気調和機の集中管理システムにおいて、上記集中管理
装置側に、上記全ての室内機または任意の室内機へ向け
て上記定常的な制御および管理用の信号と異なる非定常
的なメッセージ信号を送信することができるメッセージ
信号送信手段を設ける一方、上記各リモートコントロー
ラ側には、上記非定常的なメッセージ信号を受信するこ
とができるメッセージ信号受信手段を設け、これにより
上記集中管理装置側と上記各リモートコントローラ側と
の間で非定常メッセージ信号の送受信が可能な非定常メ
ッセージ信号用ネットワークを形成し、上記各リモート
コントローラで受信される信号をその表示部に表示する
よう構成されたことを特徴とするものである。

【０００９】請求項２記載の発明は、請求項１に記載の
発明において、非定常メッセージ信号用ネットワークで
は、一定バイト長のエリアをフリーメッセージ用として
確保した通信フレームを使用し、集中管理装置から各リ
モートコントローラへ個々に任意の文字列または記号を
ドットパターンで送信して表示させることを特徴とする
ものである。

【００１０】請求項３記載の発明は、請求項１または２
に記載の発明において、集中管理装置のメッセージ信号
送信手段およびリモートコントローラのメッセージ信号
受信手段はメッセージ信号送受信手段であり、これらの
メッセージ信号送受信手段では、集中管理装置の自動検
知に基づく自動送信、管理者の操作に基づく送信、また
はリモートコントローラ側からの返信による相互通信が
可能であることを特徴とするものである。

【００１１】請求項１記載の発明によれば、下記の作用
がある。

【００１２】既定のネットワークの機能付加または新設
等の手段により、非定常的なメッセージを管理者側から
各ユーザー側に室内機のリモートコントローラ表示を利
用して容易かつ迅速に送信するようにして、運用上の利
便性向上を図ることができる。

【００１３】請求項２および３記載の発明によれば、下
記の作用がある。

【００１４】通信フレームの中に一定のバイト長のエリ
アをフリーメッセージ用として確保し、集中管理装置か
らリモートコントローラへ任意の文字列をドットパター
ンで送信して表示することができ、集中管理装置側で何
らかの判断によって自動的に送信することもできる。ま
た、管理者が装置画面等を見て自由なメッセージを入力
し、全部屋に一斉に送信したり、その返信を受けること
もできる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に基づいて説明する。図１は空気調和機と集中管理装
置とを含む全体の系統図であり、図２は通信フレーム構
成の一例を示す説明図である。図３は集中管理装置から
メッセージを送信して各部屋のリモートコントローラに
それが表示されるときの情報の流れを示す説明図であ
り、図４はリモートコントローラへの表示状態等を示す
説明図である。

【００１６】図１に示すように、本実施の形態の空気調
和機においては、リモートコントローラ１をそれぞれ備
えた複数の室内機２と、これらの室内機２に信号線３お
よび通信アダプタ４を介して接続され、定常的な運転制
御および管理を行うことができる集中管理装置５とが備
えられている。

【００１７】集中管理装置５には、全ての室内機２また
は任意の室内機２へ向けて定常的な制御および管理用の
信号と異なる非定常的なメッセージ信号を送信すること
ができるメッセージ信号送受信装置６が設けられるとと
もに、このメッセージ信号送受信装置６には入出力装置
７が接続され、管理担当者がこれを見たり操作すること
ができるようになっている。

【００１８】一方、各室内機側２には、非定常的なメッ
セージ信号を受信することができるメッセージ信号送受
信装置２ａが設けられ、更に、室内機２が備えるリモー
トコントローラ１に、上記非定常的なメッセージ信号を
受信することができるメッセージ信号送受信装置１ａが
設けられている。これにより、集中管理装置５側と各リ
モートコントローラ１側との間で室内機２を介し、非定
常メッセージ信号の送受信が可能な非定常メッセージ信
号用ネットワークが形成されている。リモートコントロ
ーラ１側で受信される信号は、その表示部１ｂに表示さ
れ、ユーザーがこれを日常、見たり操作することができ
るようになっている。また、図１においては、室外機の
図示を省略している。

【００１９】上述した非定常メッセージ信号用ネットワ
ークにおいては、一定バイト長のエリアをフリーメッセ
ージ用として確保した通信フレームが使用され、集中管
理装置５から各室内機２のリモートコントローラ１へ個
々に任意の文字列または記号をドットパターンで送信し
て表示させるようになっている。

【００２０】図２によって、この通信フレームについて
説明する。

【００２１】通信フレーム１０は、ヘッダとして、送信
元（集中管理装置側）アドレス（ＳＡ）エリア１１、送
信先（室内機側）アドレス（ＤＡ）エリア１２、通信フ
レームが何バイトかを示すフレーム長さ（ＢＣ）エリア
１３、通信フレームにおけるコマンドの種類などの制御
を行う制御コード（ＣＣ）エリア１４、および通信フレ
ームのコマンドの種類によってデータ部の書式等を規定
するコマンド（ＣＭＤ）エリア１５を有する。

【００２２】また、通信フレーム１０はデータ部（Ｍ
１，Ｍ２，…Ｍ１６）として、メッセージ送信コマンド
におけるメッセージエリア１６を有する。このメッセー
ジエリア１６は、下記の図３に示すように、８×１６ド
ットで表示される１文字における上から下までの１〜１
６段のドットパターンである。さらに通信フレーム１０
は、送受信時のデータ誤りを検出するためのフレームチ
ェックコード（ＦＣＣ）１７を有する。

【００２３】次に、図３（ａ），（ｂ）および図４によ
って、集中管理装置５からメッセージを送信して各部屋
のリモートコントローラ１にそれが表示されるときの手
順および情報の流れ、リモートコントローラへ１の表示
状態等について説明する。

【００２４】いま、集中管理装置５から、リモートコン
トローラ１へ「温度設定が低すぎます」と表示させたい
場合を考える（例えば夏期の冷房時であれば、設定温度
が２５℃以下の部屋を集中管理装置５側で自動的に検知
し、このようなメッセージを自動で送信することができ
る。この「しきい値」である２５℃は管理者が任意に設
定可能である）。

【００２５】まず、上記メッセージにおける最初の文字
は「設」であるから、図３（ｂ）のようなドットパター
ンに置き換え、送信先のリモートコントローラ１めがけ
て最上行の１バイトのデータから順に１６バイトまでの
データを送信する。このデータは、図３（ａ）に示すよ
うに、集中管理装置５から通信線３および通信アダプタ
４を介し、室内機２で中継された後、リモートコントロ
ーラ１へ届けられる。リモートコントローラ１において
は、このドットパターンから文字を再構築し、液晶表示
装置などにより構成された表示部１ｂに「設」なる文字
が表示される。

【００２６】次に，「定」の文字をパターン化して上記
同様の作用が行なわれ、他の文字についても順次必要な
文字数だけ通信および表示が行なわれ、最終的には図４
に示すように、リモートコントローラ１の表示部１ｂに
「温度設定が低すぎます」との表示がなされる。

【００２７】なお、通信フレームのコマンドエリア１５
等の中に、文字を表示する桁位置を指定する機能を埋め
込むことによって、１文字目（１桁目）もしくは途中桁
の文字から書き直すとか、桁を飛ばすことで空白を入れ
るとか、ある程度自由なレイアウトで表示することが可
能である。

【００２８】また、リモートコントローラ１側に「確
認」ボタンを設け、ユーザーがこれを押してレスポンス
信号を中央側へ返すことで、前述した方法で中央からメ
ッセージを消すようにすれば、簡易なコミュニケーショ
ンが可能となる。

【００２９】本実施の形態では、１バイトが８ビットで
１６バイト（８×１６ドット；１ドットが１バイトに相
当）として例示しているが、受け手側であるリモートコ
ントローラ１の表示部１ｂの表示能力がこれ以下の場合
には、ＢＣエリア１３でデータ長が指定できるので、任
意の解像度で送信することができる。

【００３０】本実施の形態においては、１フレームでは
１文字しか送信できないので、例えば１５文字表示させ
たければ、１５フレームを送信する必要がある。そのと
きに、これから何文字を送るのかをコマンドエリア１５
に付加することで、１〜１５文字の全ての桁を順次に表
示させたり、任意桁目の文字から送り直したりすること
ができる。

【００３１】また、すでに表示させたメッセージを単に
全消去したいときは、全ドット０のデータを全文字数分
だけ送ってもよい。ただし、それは不経済であると考え
られることから、ＢＣエリア＝３（データ部なし）で送
ってもよいし、コマンドエリア１５の中に「全消去」を
識別するコードを付加してもよい。

【００３２】なお、図２に示したフレーム構成は一例に
すぎず、ヘッダ要素等については、種々変更することが
できるのは勿論である。

【００３３】また、ユーザーは、中間期以外はリモート
コントローラ１を略毎日見ると考えられるが、メッセー
ジを点滅等によって表示するようにすれば、いっそう認
識度は高くなる。ただし、リモートコントローラ１側に
おける表示部１ｂには、所定の仕様（ドット数や解像度
など）が求められるのは勿論である。

【００３４】本実施の形態においては、集中管理装置５
において設定温度が自動検知され、メッセージの自動送
信が行なわれる例について説明したが、集中管理装置５
側に、管理者が自由な文字列を入力する画面を設けて送
信できるようにしておけば、用途をさらに拡大すること
ができる。

【００３５】さらに、所要文字数のメッセージを文字列
として送信することが面倒である場合には、管理者とテ
ナント側とで独自に取り決めた「記号」等を送信するこ
とも可能である。例えば、「￥」マークを送信した場合
には、「近々集金にうかがいます」というようなもので
ある。なお、前述したように、リモートコントローラ１
の表示部１ｂに所定の表示能力が求められ、本実施の形
態例の場合には１文字が８×１６ドットで表示される文
字が１５桁（文字）出せるだけの表示能力が必要とな
る。表示能力（領域）が少ない場合には制限があるにせ
よ、いくらかのメッセージは送ることができ、この場合
においては前述したように、独自に定めた記号を使用し
てメッセージを送る方法を採用することが有用となる。

【００３６】なお、集中管理装置５側からテナント側に
送信する他のメッセージを具体的に例示すると、例えば
「設定温度が高すぎます」、「空調料金○○円超えまし
た」、「いまリモートコントローラは使えません（点検
中などで）」、「きのう、止め忘れていましたよ」、
「近々集金の予定」、「表示中の警報は、連絡済み」、
「戻られたら連絡下さい」等が考えられる。

【００３７】以上の本実施の形態によれば、通信フレー
ム１０の中に一定のバイト長のエリア１６をフリーメッ
セージ用として確保し、集中管理装置５からリモートコ
ントローラ１へ任意の文字列をドットパターンで送信し
て表示できるようにしたことにより、集中管理装置５側
で何らかの判断によって自動的に送信することもでき、
また管理者が集中管理装置５の画面等を見て自由なメッ
セージを入力し、全部屋に一斉に送信することもでき
る。

【００３８】しかも、伝達し得る情報の増加に伴う通信
フォーマットの変更が容易に行えるとともに、従来と同
様のリモートコントローラにおける表示部１ｂの表示能
力に容易に対応することができ、したがってメンテナン
ス等に関する伝達等について、管理者側から各部屋のユ
ーザー側にネットワークを通じた容易かつ確実な連絡を
行うことが可能となる。

【００３９】

【発明の効果】以上で詳述したように、本発明によれ
ば、既定のネットワークの機能付加または新設等の手段
により、非定常的なメッセージを管理者側から各ユーザ
ー側に室内機のリモートコントローラ表示を利用して容
易かつ迅速に送信することができ、これにより運用上の
利便性向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る空気調和機の集中管理システムの
一実施の形態を示すもので、空気調和機と集中管理装置
とを含む全体の系統図である。

【図２】前記実施の形態における通信フレーム構成の一
例を示す説明図である。

【図３】（ａ）は前記実施の形態における集中管理装置
からメッセージを送信する場合の情報の流れを示す説明
図であり、（ｂ）はリモートコントローラへのメッセー
ジ表示を示す説明図である。

【図４】前記実施の形態におけるリモートコントローラ
への表示位置等を示す説明図である。

【符号の説明】

１ リモートコントローラ １ａ メッセージ信号送受信装置 １ｂ 表示部 ２ 室内機 ２ａ メッセージ信号送受信装置 ４ 通信アダプタ ５ 集中管理装置 ６ メッセージ信号送受信装置 ７ 入出力装置 １０ 通信フレーム １６ メッセージエリア

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 リモートコントローラを備えた複数の室
   内機と、信号線を介して前記室内機に接続され、信号送
   受信により定常的な運転制御および管理を行う集中管理
   装置とを備えた空気調和機の集中管理システムにおい
   て、 上記集中管理装置側に、上記全ての室内機または任意の
   室内機へ向けて上記定常的な制御および管理用の信号と
   異なる非定常的なメッセージ信号を送信することができ
   るメッセージ信号送信手段を設ける一方、上記各リモー
   トコントローラ側には、上記非定常的なメッセージ信号
   を受信することができるメッセージ信号受信手段を設
   け、これにより上記集中管理装置側と上記各リモートコ
   ントローラ側との間で非定常メッセージ信号の送受信が
   可能な非定常メッセージ信号用ネットワークを形成し、
   上記各リモートコントローラで受信される信号をその表
   示部に表示するよう構成されたことを特徴とする空気調
   和機の集中管理システム。
2. 【請求項２】 非定常メッセージ信号用ネットワークで
   は、一定バイト長のエリアをフリーメッセージ用として
   確保した通信フレームを使用し、集中管理装置から各リ
   モートコントローラへ個々に任意の文字列または記号を
   ドットパターンで送信して表示させることを特徴とする
   請求項１に記載の空気調和機の集中管理システム。
3. 【請求項３】 集中管理装置のメッセージ信号送信手段
   およびリモートコントローラのメッセージ信号受信手段
   はメッセージ信号送受信手段であり、これらのメッセー
   ジ信号送受信手段では、集中管理装置の自動検知に基づ
   く自動送信、管理者の操作に基づく送信、またはリモー
   トコントローラ側からの返信による相互通信が可能であ
   ることを特徴とする請求項１又は２に記載の空気調和機
   の集中管理システム。