JP2001330289A - 多目的換気システム及び多目的換気システム用送風ユニット - Google Patents

多目的換気システム及び多目的換気システム用送風ユニット

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JP2001330289A
JP2001330289A JP2001074555A JP2001074555A JP2001330289A JP 2001330289 A JP2001330289 A JP 2001330289A JP 2001074555 A JP2001074555 A JP 2001074555A JP 2001074555 A JP2001074555 A JP 2001074555A JP 2001330289 A JP2001330289 A JP 2001330289A
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ventilation
duct
path
room
air
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Application number
JP2001074555A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Higuchi
祥明 樋口
Noriyuki Takahashi
紀行 高橋
Masahiro Yamaoka
正洋 山岡
Hirotaka Konishi
弘高 小西
Yoshihiro Katsuragawa
佳裕 桂川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takenaka Komuten Co Ltd
Original Assignee
Takenaka Komuten Co Ltd
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  • Air Filters, Heat-Exchange Apparatuses, And Housings Of Air-Conditioning Units (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】室内領域Aからの排熱機能、該領域A内の空気
質の維持機能、或いは、前記室内領域Aに隣接する非室
内領域Bからの排熱機能の何れかを有する、機能的に異
なる複数の換気経路を有する多目的換気システムであっ
て換気設備の重複を除去したもの、及び該システムに使
用する送風ユニットを提供して、設備費及び工事費の軽
減を図る。 【解決手段】 前記複数の換気経路の共通経路部分とし
て、前記非室内領域B内にメインダクト33を設けると共
に、該メインダクトに換気ファン32を、又、前記共通経
路部分を除く各独自換気経路部分内に、経路切替えダン
パー39をそれぞれ付設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、多目的換気シス
テム及び該多目的換気システム用送風ユニットに係る。
【0002】
【従来の技術】近年の気密性の高い住宅、特に、マンシ
ョンなどの集合住宅では、良好な居住性を提供するた
め、次の如く様々な換気システムが取り入れられてい
る。 (1) 室内空気質維持のためのシステム これは、居住者の呼気等による空気の汚れを除くために
季節を問わず使用されるシステムであり、常時室内へ弱
風を通風させるように構成されている。 (2) 居住室内からの排熱のためのシステム これは、主に夏期に冷房と併せて使用されるシステムで
あり、必要時にのみ、特に、室内に蓄積された熱を冷房
だけで処理しようとすると冷房負荷が大きくなり過ぎる
ときにのみ、室内へ強風を通風させるように構成されて
いる。 (3) 隣接非居住領域からの排熱のためのシステム これは、日中には冷房を必要とするが夜間には戸外から
涼風の吹込みを期待できる季節に使用されるシステムで
あり、夜間の戸外からの通風で冷やされた隣接領域が日
中に居住室から熱を奪い、冷房負荷を減らすように構成
されている。 (4) 複数の居住室の間の室温のばらつきを軽減するため
のシステム これは、主に冬期において、日当たり良好な南向きの部
屋と日当たり不良の北向きの部屋との間で室内空気を循
環させ、室温を平均化するシステムである。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】上記各換気システム
は、従来、別々のものとして、独自に換気経路及び換気
ファンを形成していたために、設備の重複を生じ、設備
費の高騰を招いていた。
【0004】又、システムを構築する作業現場では、各
換気経路ごとに、該経路を構成する換気ダクトに対し
て、換気ファンなどの必要機器を取り付けていたため、
作業効率が低下し、人件費などの増加を招いた。
【0005】そこで、本願発明は、機能を異にする複数
の換気経路から成る多目的換気システムにおいて、上記
換気経路の各一部を共通経路部分として該部分内に換気
ファンを設置することにより、該ファン及びダクトの重
複を減らして設備費を軽減し、及び、必要によって、各
換気経路の切替え用ダンパーと上記換気ファンとを一個
の送風ユニットとして上記共通経路部分に据え付け可能
とすることで、施工費用をも軽減し、以て、上記換気シ
ステム導入に要するイニシャル・コストを低減すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決する手段】第1の手段は、室内領域Aから
の排熱機能、室内領域内の空気質の維持機能、或いは、
上記室内領域Aに隣接する非室内領域Bからの排熱機能
の何れかを有する、機能的に異なる複数の換気経路の一
部を共通経路部分として、該部分を上記非室内領域内に
設け、かつ、該共通経路部分内に換気ファン32を設け、
又、上記共通経路部分を除く各独自換気経路部分内に、
経路切替えダンパー39をそれぞれ付設して成る。
【0007】第2の手段は、上記第1の手段を具備し、
かつ、上記室内領域Aを、天井板3と床板4と壁板5と
で仕切られる空間で形成すると共に、上記非室内領域B
を、上記天井板上方又は床板下方に設け、かつ、上記室
内領域Aと非室内領域Bとを区切る上記天井板3又は床
板4には、吹込み孔11及び吹出し孔12を、又、上記非室
内領域Bと外界とを隔てる外壁には、外気取入口21及び
排気口22を、それぞれ、形成し、かつ、上記各換気経路
の共通経路部分を、上記外気取入口21に連通させたメイ
ンダクト33で形成し、該メインダクト内の換気ファンよ
りも下流側のメインダクト部分33aから、上記独自換気
経路部分一部としての、経路切替えダンパー付きの第1
分岐ダクト36を引き出して、該ダクトの先端を、上記吹
込み孔11に接続することで構成される。
【0008】第3の手段は、上記第2の手段を具備し、
かつ、上記複数の換気経路は、上記室内領域Aからの排
熱用の室内換気経路P1と、上記非室内領域Bからの排熱
用の室外換気経路P3とを有し、上記室内換気経路P1は、
前述のメインダクト33と、第1分岐ダクト36と、吹込み
孔11と吹出し孔12との間の室内領域A部分と、上記吹出
し孔12と排気口22との間の非室内領域B部分とにより構
成し、又、上記室外換気経路P3は、上記メインダクト33
と、上記換気ファンの下流側のメインダクト部分33aか
ら引き出された排気用第2分岐ダクト37と、該ダクト先
端と上記排気口22との間の非室内領域B部分とで構成
し、かつ、上記第2分岐ダクト37内に上記経路切替えダ
ンパー39を設けることで成る。
【0009】第4の手段は、上記第2の手段を具備し、
かつ、上記室内領域Aは、仕切り壁7にて、日照条件を
含む外的要因により気温の高低を生じ易い暖室8と冷室
9とに分割されており、かつ、これら各部屋と上記非室
内領域とを区切る天井板部分又は床板部分には、それぞ
れ、上記吹込み孔11と吹出し孔12とを、又、暖室側の天
井板部分又は床板部分には吸出し孔13を、更に、上記仕
切り壁7には通気孔10を、それぞれ穿孔することで形成
され、上記非室内領域Bは、上記暖室側の吸出し孔13
を、吸引用第3分岐ダクト38を介して、上記換気ファン
の上流側のメインダクト部分33bに接続すると共に、換
気ファン下流側のメインダクト部分33aを、上記第1分
岐ダクト36を介して、上記二部屋の各吹込み孔11に接続
することで形成され、上記複数の換気経路は、上記各部
屋内部からの排熱用の室内換気経路P1と、暖室及び冷室
間の室温差解消用の室間換気経路P2とを有し、上記室内
換気経路P1は、前述のメインダクト33と、第1分岐ダク
ト36と、各部屋の吹込み孔11と吹出し孔12との間の室内
領域部分と、該吹出し孔12と上記排気口22との間の非室
内領域部分とで構成し、上記室間換気経路P2は、前述の
メインダクト33と、該メインダクトと冷室側の吹込み孔
11との間の第1分岐ダクト36と、上記冷室側の吹込み孔
11と上記通気孔10との間の冷室部分と、上記通気孔と吸
出し孔13との間の暖室部分と、上記第3分岐ダクト38と
により構成することで成る。
【0010】第5の手段は、上記第2の手段を具備し、
かつ、上記室内領域Aは、仕切り壁7にて、日照条件を
含む外的要因により気温の高低を生じ易い暖室8と冷室
9とに分割されており、かつ、該冷室と上記非室内領域
とを区切る天井板部分又は床板部分には、上記吹込み孔
11を、又、暖室と上記非室内領域とを区切る天井板部分
又は床板部分には吸出し孔13を、更に、上記仕切り壁7
には通気孔10を、それぞれ穿孔することで形成され、上
記非室内領域Bは、上記暖室側の吸出し孔13を、吸引用
第3分岐ダクト38を介して、上記換気ファンの上流側の
メインダクト部分33bに接続すると共に、換気ファン下
流側のメインダクト部分33aを、上記第1分岐ダクト36
を介して、上記冷室側の吹込み孔11に接続することで形
成され、上記複数の換気経路は、上記暖室及び冷室間の
室温差解消用の室間換気経路P2と、上記非室内領域Bか
らの排熱用の室外換気経路P3とを有し、上記室間換気経
路P2は、前述のメインダクト33と、該メインダクトと冷
室側の吹込み孔11との間の第1分岐ダクト36と、上記冷
室側の吹込み孔11と上記通気孔10との間の冷室部分と、
上記通気孔と吸出し孔13との間の暖室部分と、上記第3
分岐ダクト38とで構成し、又、上記室外換気経路P3は、
上記メインダクト33と、上記換気ファンの下流側のメイ
ンダクト部分33aから引き出された排気用第2分岐ダク
ト37と、該ダクト先端と上記排気口22との間の非室内領
域B部分とで構成し、かつ、上記第2分岐ダクト37内に
上記経路切替えダンパー39を設けることで成る。
【0011】第6の手段は、上記第3又は第5の手段を
具備し、かつ、上記非室内領域B内には、上記外気取入
口21を介して室外換気経路P3内へ引き込んだ外気との間
での熱量交換が可能な蓄熱材23を設け、外気温度が低い
ときに、上記蓄熱材23が上記外気から冷熱を吸収し、
又、外気温度と共に室内領域の気温が上昇したときに、
非室内領域Bと室内領域Aとを区切る上記天井板又は床
板を通して上記蓄熱材23が室内領域Aへ冷熱を放出する
ことで、該室内領域内における冷房負荷を減少するよう
に構成した。
【0012】第7の手段は、上記第3又は第5の手段を
具備し、かつ、換気ファン上流側のメインダクト部分33
bに経路切替えダンパー39付きの吸気用第4分岐ダクト
41を形成すると共に、既述排気口22を外気流入兼用口に
形成して、これら外気流入兼用口と第4分岐ダクトとの
間を、第2分岐ダクト37と排気口22との間が形成する室
外換気経路P3部分を、部分的に共有する外気取入経路P4
となし、上記第4分岐ダクト41閉鎖時に冷気が上記共通
経路部分を通過することで該共通経路部分に蓄積される
冷熱を、第2分岐ダクト37を閉鎖し、かつ、第4分岐ダ
クトを開放して行う上記外気取入経路P4からの外気取入
時に放出可能に形成した。
【0013】第8の手段は、上記第3又は第5の手段を
具備し、かつ、上記非室内領域B内では、上記第2分岐
ダクト37の先端部分を延長して、該延長部分を、該部分
内を通る空気との熱量交換が可能な蓄熱ダクト51に形成
し、該蓄熱ダクトの先端部51aを上記非室内領域の外界
へ連通させると共に、蓄熱ダクトの基端部51bと上記換
気ファン上流側のメインダクト部分33bとを、経路切替
えダンパー39付きの補助ダクト52で連通させており、外
気温度が低いときに、上記外気取入口21よりメインダク
ト33及び第2分岐ダクト37を介して蓄熱ダクト51を通過
する外気から、該蓄熱ダクトが冷熱を吸収し、又、外気
温度と共に室内領域の気温が上昇したときに、上記蓄熱
ダクト51、補助ダクト52、該補助ダクトとの合流点より
下流側のメインダクト部分、及び、上記第1分岐ダクト
36を介して、上記吹込み孔11より室内領域Aへ外気を流
入させると共に、該流入の際に上記蓄熱ダクト51が上記
外気へ冷熱を放出することで、上記室内領域Aにおける
冷房負荷を軽減するように構成した。
【0014】第9の手段は、上記第3又は第4の手段を
具備し、かつ、上記換気ファン32を風量可変ファンと
し、かつ、上記室内換気経路P1内の風量を調整すること
で、該経路内における換気を、室内空気質の維持のため
に上記室内領域へ常時弱風を送風する24時間少風量換
気と、室内領域からの排熱のために必要時にのみ強風を
送風する排熱換気との間で切換え可能に構成した。
【0015】第10の手段は、室内領域Aからの排熱機
能、該室内領域内の空気質維持機能、又は上記室内領域
に隣接する非室内領域Bからの排熱機能の何れかを有す
る、機能的に異なる複数換気経路から成る多目的換気シ
ステムにおいて、上記複数換気経路は、上記非室内領域
B内に配置された送風ユニット61の内部を共通経路部分
とすると共に、該送風ユニット61と上記室内領域Aとの
間の各換気経路部分を、それぞれダクト67…で形成して
おり、上記送風ユニット61は、ケーシング62の一部に複
数の吸込口64を、又、ケーシング他部に複数の吹出口66
をそれぞれ開口すると共に、これら吹込み口又は吹出口
内へ上記各ダクト先端部を連結可能に形成し、かつ、上
記ケーシング62内に、上記吸込口64及び吹出口66の間に
設けた換気ファン32と、上記複数吸込口の一つを換気フ
ァンへ連通させる第1経路切替えダンパー39aと、上記
換気ファン32を上記複数吹出口の一つへ連通させる第2
経路切替えダンパー39bと、これら両経路切替えダンパ
ーの動作及び上記換気ファン32の風量を制御する制御手
段70とを組み込んでいる。
【0016】第11の手段は、ケーシング62の一部に、複
数換気経路からの吸気用の複数吸込口64…を、又、ケー
シング他部に、複数吹出口66…をそれぞれ開口させると
共に、上記ケーシング62内に、上記各吸込口と吹出口と
の間の共通経路部分内に配置することで各換気経路兼用
とした換気ファン32と、上記複数吸込口の一つを換気フ
ァンへ連通させる第1経路切替えダンパー39aと、上記
換気ファン32を上記複数吹出口の一つへ連通させる第2
経路切替えダンパー39bと、これら両ダンパーの動作と
換気ファン32の風量とを調整する制御手段70とを組み込
んでいる。
【0017】第12の手段は、上記第11の手段を有し、か
つ、上記送風ユニット61は、上記吸込口64から流入する
気流に対する吸熱及び放熱を行うための蓄熱手段68を更
に具備しており、該手段は、上記気流に対して垂直又は
平行な複数の熱交換用板部81…を相互に空気流通用の間
隙82をあけて上記ケーシング62内に並設してなる。
【0018】第13の手段は、上記第11の手段を有し、か
つ、上記ケーシング62の前壁63に2つの吸込口64a,64b
を開口すると共に、これら両口の開閉状態を切替え可能
に上記前壁63に付設されたスライド板又は揺動板により
上記第1経路切替えダンパー39aを形成している。
【0019】第14の手段は、上記第11の手段を有し、か
つ、上記ケーシング62を、左右両側壁74,74 を鉛直壁部
とする直方体形状に形成すると共に、ケーシング後壁65
に3つの吹出口66a,66b,66c を左右方向に並べて開口
し、かつ、上記各吹出口間の後壁部分内面に縦設した枢
着軸91,91 から上記ケーシング左右両側壁74,74 内面
へ、経路開閉用の左右一対の揺動板を上面ハ字形状に突
出して第2経路切替えダンパー39b,39b となし、上記ハ
字状態で、上記吸込口64から中央吹出口66b へ至る経路
のみを開放すると共に、左右両吹出口66a,66c へ至る経
路を閉じ、又、上記両第2経路切替えダンパーの一方を
回動させて該一方ダンパー先端部を他方第2経路切替え
ダンパーの前面へ当接させた状態で、該一方第2経路切
替えダンパーに対応する左又は右吹出口66a,66c へ至る
経路のみを開放して、他の吹出口へ至る経路を閉塞する
ように構成している。
【0020】第15の手段は、送風ユニット61を内装した
ケーシング62と、該ケーシング後部にダンパー保持部93
を介在して付設された吹出口付きカバー部材94とで構成
され、上記ケーシング62は、少なくとも、上記カバー部
材94と対面するケーシング後壁65後面を平面に形成し
て、該後壁に3つの通気口75…を左右方向に並設すると
共に、上記後壁を除くケーシング外壁に、複数換気経路
からの吸気用の複数吸込口64…を開口して、これら吸込
口及び通気口の間の共通経路部分に上記換気ファン32を
配置することで、該ファンを各換気経路兼用となし、か
つ、上記複数吸込口64…から換気ファン32へ至る経路を
切り替える第1経路切替えダンパー39aを内装すること
で形成され、上記ダンパー保持部93は、少なくとも上記
ケーシング後部に対して支持された上下一対の対向平板
95内面前部に案内溝92を穿設してなる保持手段97と、上
記両ガイド溝内に上下両端部を嵌合させた、通気孔98付
きスライド板で形成される第2経路切替えダンパー39b
とを具備し、該ダンパーの左右摺動により、上記3つの
通気口75…のうちの1つの任意通気口と上記通気孔98と
を連通させると共に、他の通気口を第2経路切替えダン
パー39b前面で閉塞することが可能に構成しており、
又、上記吹出口付きカバー部材94は、少なくとも、上記
ダンパー保持部93の上記両対向平板95と連結させた後板
99を有すると共に、該後板を貫通する3つの取付筒69…
を、上記各通気口75の左右方向位置に対応させて配置さ
せ、これら取付筒69の各前端面を上記第2経路切替えダ
ンパー39b後面にほぼ気密に当接させることで、上記通
気口75の一つを上記通気孔98及び取付筒69筒孔を介して
外部に連通可能に構成している。
【0021】
【発明の実施の形態】まず、図1から図5に基づき、第
1実施形態を説明する。
【0022】1は、集合住宅を形成するコンクリート躯
体であり、又、2は、コンクリート躯体が有するスラブ
である。両スラブ間に形成される各住戸スペースは、天
井板3を境として、室内領域Aと非室内領域Bとに分か
れている。尚、これら両領域は、戸建住宅の内部に形成
しても良い。又、本明細書において、室内領域とは、居
間や寝室など、人が日常生活を営むための空間をいうも
のとする。
【0023】上記室内領域Aは、上記天井板3の下面
と、床板4の上面と、これら両面の間において室内領域
の四方を遮る壁板5の内面とで形成されている。該壁板
の少なくとも前後両壁部分は、図示の如く、上記コンク
リート躯体の外壁の一部を構成しており、かつ、これら
両壁部分には、それぞれ、前後一対の窓6が形成されて
いる。又、図示例では、上記室内領域Aを、該領域の前
後方向中間部に設けた仕切り壁7で分割してあり、該室
内領域の前後両部分が、それぞれ、日当たり良好な暖室
8及び日照不良の冷室9となっている。又、上記仕切り
壁の下部には、通気孔10を穿設している。又、冷室側の
天井板部分には、室内領域への吹込み孔11と、該室内領
域からの吹出し孔12とを、又、暖室側の天井板部分に
は、上記吹込み孔11と、上記吹出し孔12と、室内空気吸
引用の吸出し孔13とを、それぞれ、穿設している。
【0024】上記非室内領域Bは、上記壁板を上方へ延
長して、該延長板部の内面と、天井板3の上面と、非室
内領域上方のスラブ2下面とで仕切られる空間で形成さ
れている。又、上記非室内領域Bと外界とを隔てる延長
板部分には、図示の如く、外気取入口21及び排気口22を
開口している。尚、本実施形態において、非室内領域B
の内面に現れるコンクリート躯体部分は、後述の室外換
気の空気流との間で熱量を交換する蓄熱手段としての機
能を有する。尚、該躯体部分とは別個に、非室内領域の
適所に、例えば、図1に想像線で示すように、天井板の
上面又はスラブ2下面に、蓄熱材23を取り付けてもよ
い。
【0025】上記非室内領域Bには、後述の各種換気経
路の一部として、ダクト構造体31を設ける。該構造体
は、全ての換気経路の共通経路部分として、換気ファン
32を付設したメインダクト33を有し、該ダクトの一端部
から、メインダンパー34付きの延長ダクトを引き出し
て、上記外気取入口21へ接続している。上記換気ダクト
よりも下流側(図示例では後側)のメインダクト部分33
aからは、室内領域への外気吹込み用の第1分岐ダクト
36及び排気用の第2分岐ダクト37を引き出して、上記第
1分岐ダクト36を、それぞれ、上記暖室及び冷室の各吹
込み孔11へ接続し、又、第2分岐ダクト37を上記排気口
22へ連通させている。更に、上記換気ダクトよりも上流
側(図示例では前側)のメインダクト部分33bからは、
吸引用第3分岐ダクト38を引き出して、上記吸出し孔13
へ接続させている。
【0026】上記換気ファン32は、風量可変ファンとし
てあり、後述の如く、大風量の換気と小風量の換気とを
随意に切り換えることができるように構成されている。
尚、上記風量可変ファンは、例えば、風量一定のファン
と風量調整用ダンパーとの組合わせとして形成しても良
い。
【0027】上記第1分岐ダクト36、 第2分岐ダクト3
7、 及び、第3分岐ダクト38の内部には、それぞれ、経
路切替えダンパー39が設けられており、これらダンパー
で各分岐ダクトを開閉することで、後述の室内換気経
路、室間換気経路、室外換気経路の一つ、或いは、所要
の組み合わせを選択して、所望の経路内に外気を流すこ
とができるように構成されている。
【0028】上記室内換気経路P1は、図2に実線矢印で
示す如く、上記外気取入口21に接続された既述延長ダク
ト、 メインダクト33、 第1分岐ダクト36、 吹込み孔11と
吹出し孔12との間の室内領域部分、及び、吹出し孔12と
排気口22との間の非室内領域部分とにより、構成されて
いる。
【0029】又、上記室間換気経路P2は、図4に白抜き
矢印で示す如く、前述のメインダクト33と、該メインダ
クトと冷室側の吹込み孔11との間の第1分岐ダクト36
と、上記冷室側の吹込み孔11と上記通気孔10との間の冷
室部分と、上記通気孔と吸出し孔13との間の暖室部分
と、上記第3分岐ダクト38とで構成されている。
【0030】更に、又、室外換気経路P3は、図5に白抜
き矢印で示す如く、前述のメインダクト33と、上記第2
分岐ダクト37と、該ダクト先端と上記排気口22との間の
非室内領域B部分とで構成されている。
【0031】以上の構成において、上記各ダンパー34、3
9 のうち、第2、第3分岐ダクト37、38 内の経路切替え
ダンパーのみを閉として、他のダンパーを全て開とする
と、図2の如く、上記室内換気経路P1のみが開通する。
該開通状態で、常時、換気ファン32の送風量を小として
おくと、図2に実線矢印で示す弱風が、室内領域A内か
ら、空気中の汚れ物質を吹出し孔12を経て外方へ押し出
すので、室内空気質が維持される。又、外界から室内領
域A内への貫入熱量が大であるときには、必要な時間だ
け、上記換気ファン32の送風量を大とすると、図3に白
抜き矢印で示す強風が、室内領域A内に蓄積された熱を
外方へ運び去る。
【0032】又、図2の状態から、図4に示す如く、上
記第3分岐ダクト38の経路切替えダンパー39を開とする
と、図2に示す空気流に加えて、暖室8内から吸出し孔
13を経て暖気が換気ファン32に吸引された後、第1分岐
ダクト36及び吹込み孔11を介して冷室9内へ吹き込ま
れ、かつ、冷室9内から通気孔10を介して冷気が暖室8
内へ流入することで、これら両室内の室温が平均化され
る。
【0033】又、例えば、外気温度の低い夜間におい
て、図2の状態から、上記第2分岐ダクト37の経路切替
えダンパー39を開とすると、図5の如く、外気取入口21
から吸い込んだ戸外の冷気が、上記メインダクト33を介
して、第2分岐ダクト37の先端開口から吹き出され、か
つ、この吹き出した冷気が非居室領域B内を通って排気
口22より排気されるときに、上記非居室領域の周囲のコ
ンクリート躯体部分などから熱を奪う。該躯体部分は、
放熱により生じた低エネルギーの熱的状態に維持するこ
とで、いわゆる冷熱を蓄積し、かつ、朝方以降、外気温
度と共に室内領域A内の室温が上昇すると、上記冷熱の
放出により、該室内領域から熱を奪い、冷房負荷を減少
させる。尚、本願明細書において、「蓄熱」という用語
の意味は、冷熱を蓄積すること、即ち、前述の低エネル
ギーの熱的状態を維持することを含むものとする。
【0034】以上の換気過程では、何れも、単一の換気
ファン32により、機能的に異なる換気が行われ、各換気
ごとに換気設備を設ける場合に比べて、設備費が大幅に
軽減される。
【0035】次に、図6及び図7に基づいて、本願発明
の第2実施形態を説明する。
【0036】該形態は、上記第1実施形態の構成に加え
て、上記換気ファン32よりも上流側のメインダクト部分
33bから、図示の如く、経路切替えダンパー39付きの吸
気用第4分岐ダクト41を突設したものである。以下、第
1実施形態と同じ構成は同一の符号を付することで説明
を省略する。
【0037】本実施形態では、既述の排気口22を外気流
入兼用口に形成して、図7に示す如く、これら外気流入
兼用口と上記第4分岐ダクト41との間に外気取入経路P4
を設けている。又、図示の如く、上記外気流入兼用口と
上記第4分岐ダクト41との間に第2分岐ダクト37を配置
させることにより、上記外気取入経路P4と既述室外換気
経路P3とは、該経路の一部を、即ち、第2分岐ダクトと
排気口22との間の室外換気経路P3部分を共有しており、
該共有経路部分内を、室内領域内からの排気及び室内領
域内への吸気が共に通過するように構成している。又、
該共有経路部分は、蓄熱手段である既述コンクリート躯
体などに近接させて設けることが好ましい。
【0038】又、図示例では、天井板3の上方には、既
述ダクト構造体31収納用の第1の非室内領域B1を、又、
床板4の下方に、排気用チャンバーを形成する第2の非
室内領域B2を、それぞれ設けると共に、天井板3に室内
領域への吹込み孔11を、又、床板4に室内領域からの吹
出し孔12を、更に、床板下方の第2非室内領域B2と外界
とを区切る外壁に床下換気口42を、それぞれ形成してい
る。尚、図示例とは反対に、上記吹込み孔11を床板4
に、又、吹出し孔12を天井板3に設けても良い。又、上
記排気用チャンバーとしての第2の非室内領域を設ける
代わりに、図9に想像線で示す如く、既述壁板5に、床
上換気口43を穿設しても良く、もちろん、第1実施形態
と同様に、天井板に吹込み孔11及び吹出し孔12を設けて
も良い。
【0039】上記構成によれば、まず、上記外気取入経
路P4が、第2分岐ダクト37と排気口22との間の室外換気
経路部分を共有するので、該共有経路部分の周囲の非室
内領域B1部分に冷熱を蓄熱することが可能となる。即
ち、外気温度が低い夜間などに、図6に示す如く、外気
取入口21から吸入した戸外の冷気を、第2分岐ダクト37
と排気口22との間で通風させることで、これら両者間の
非室内領域部分、例えば、コンクリート躯体から熱を奪
って、該躯体等を冷却し、次に、外気温度と共に室内領
域の室温が上昇し、冷房が必要となったときには、図7
に示す如く、上記外気流入兼用口、即ち、排気口22から
流入した暖気が、上記共有経路部分を通る際に、上記コ
ンクリート躯体などに熱を放出し、冷気となって、メイ
ンダクト33及び第1分岐ダクト36を介して室内領域A内
へ流入する。又、図示例では、上記冷気が、天井板3に
開孔した吹込み孔11から、床板4に開孔した吹出し孔12
へと、室内領域を縦断して通過するので、換気の効果を
室内領域の隅々まで行き渡らせることができる。
【0040】次に、図8及び図9に基づいて、本願発明
の第3実施形態を説明する。
【0041】該形態は、図1の構成のうち、排気用の第
2分岐ダクト37の先端部分を延長させて、該延長部分を
蓄熱ダクト51と成し、該蓄熱ダクトの先端部51aを、上
記コンクリート躯体1の外壁部分を貫通させて建物の外
方へ開口すると共に、上記第2分岐ダクトの上部から蓄
熱ダクトと反対側へ突出した補助ダクト52を、上記換気
ファンよりも上流側のメインダクト部分33bに接合させ
ることで、該部分と蓄熱ダクトの基端部51bとを連通さ
せたものである。上記補助ダクト52の内部には経路切替
えダンパー39を設ける。その他の構造は、第1の実施形
態のものと同じなので、同一の符号を付すことで、説明
を省略する。
【0042】本実施形態では、まず、夜間においては、
図8の如く、上記補助ダクト52内のダンパー39を閉、排
気用の第2分岐ダクト37内のダンパー39を開としてお
き、戸外の冷気が外気取入口21から上流側メインダクト
部分33bを介して換気ファン32へ吸引され、該ファンか
ら排出された冷気の一部が、排気用の第2分岐ダクト37
から上記蓄熱ダクト51を介して外部へ排出される際に、
該蓄熱ダクトから熱を奪い、而して、蓄熱ダクトは、エ
ネルギーの低い熱的状態に維持される。次に、朝方以
後、図9に示す如く、補助ダクト52内のダンパーを開
と、又、排気用第2分岐ダクト37内のダンパーを閉とし
て、蓄熱ダクトの先端部51aから、戸外の暖かい外気を
換気ファン32で吸引すると、上記蓄熱ダクト51が流入し
た外気から熱を奪い、しかして、冷却された外気が第1
分岐ダクト36を経て室内領域A内へ流入することで、冷
房負荷が軽減される。
【0043】次に、図10に基づいて、本願発明の第4
の実施形態を説明する。該形態は、既述第1の実施形態
において天井板3の上方に設けた非室内領域Bを、床板
4下面と該板下方のスラブ2の上面との間に設けたもの
である。その他の点については、第1実施形態と同じで
あるので説明を省略する。
【0044】図11から図14は、本発明の第5の実施形態
を示している。
【0045】該形態は、上記第1〜第4実施形態におい
て各換気経路の独立経路部分に取り付けられていた流路
切替えダンパーを、換気ファンと共に、一個の送風ユニ
ットとして纏めたものである。
【0046】尚、本明細書において、送風ユニットの構
造について前後、左右、上下という用語を使用する場合
には送風ユニットの部材相互の位置関係を示すために使
用するものとし、建物に対して送風ユニットの向きなど
を限定するものではない。
【0047】送風ユニット61は、換気ファン32及び経路
切替えダンパー39を予め内蔵したケーシング62、好まし
くは長方体形のケーシングを有しており、該ケーシング
の前壁63に複数の吸込口64…が、又、後壁65に複数の吹
出口66…がそれぞれ穿設されている。該送風ユニット61
は、非室内領域B、図示の例では床下スラブ2上に配置
され、上記各吸込口64及び吹出口66を、それぞれダクト
67…を介して或いは直接に、室内領域Aの暖室8又は冷
室9乃至外気に連通させ、上記経路切替えダンパー39作
動により所要換気経路に切替え可能に構成されている。
図示の例では、上記ケーシング前壁63には二つの吸込口
64を、ケーシング後壁65には三つの吹出口66を設けてお
り、第1の吸込口64aを室内換気経路P1及び室外換気経
路P3共有の外気吸入口とすると共に、第2の吸込口64b
と暖室8からの吸出し孔13との間を、室間換気経路P2
一部としてのダクト67aで連結している。更に、第1の
吹出口66aと室内領域Aの暖室8及び冷室9への吹込み
孔11との間は、室内換気経路P1の一部として二股に分か
れたダクト67bで、又、第2の吹出口66bと上記冷室9
への吹出し孔11との間は、上記室間換気経路P2部分形成
用のダクト67cで、更に、第3の吹出口66cと建物外壁
に開口する排気口42との間は、室外換気経路P3部分形成
用のダクト67dで、それぞれ接続している。尚、上記第
1吸込口64aに対向する建物外壁には、外気取入口21を
開口すると共に、これら両口間のスラブ2部分上面に
は、蓄熱手段68が、好ましくは、水・パラフィンなどを
使用した潜熱蓄熱材が配置されている。又、上記冷室9
の天井には、室内換気経路P1の一部としての吹出し孔12
を、又、上記温室8には、室内換気経路P1及び室間換気
経路P2の一部として吹出し孔及び吸込み孔を兼ねる通気
孔10を、それぞれ穿設している。
【0048】上記ケーシング62は、縦に狭い床下乃至天
井裏のスペースに対応して、縦断面図である図13の如く
背の低い偏平箱形に形成することが望ましい。このた
め、横断面図である図14に示す如く横長の前壁63に第
1、第2吸込口64a,64bを、又、同じく横長の後壁65に
第1〜第3吹出口66aから66cをそれぞれ水平方向に並
べて開口させている。
【0049】これら各吸込口64内には第1経路切替えダ
ンパー39aが、又、吹出口66…内には、第2経路切替え
ダンパー39bがそれぞれ設けられている。これら経路切
替えダンパーは風量調整ダンパーとすると良い。又、図
示例の流路切替えダンパーは、各吸込口又は吹出口内へ
嵌挿させた取付筒69内に装着させているが、該筒を省略
して吸込口又は吹出口の開口内へ直接設けても良い。
又、上記各吸込口64及び吹出口66の孔縁には、上記ダク
ト67の端部を、嵌挿或いはボルト止めなどにより容易に
連結できるように構成することが望ましい。
【0050】上記ケーシング62の前後方向中間部分に
は、上記換気ファン32と、制御手段70とが設けられてい
る。該制御手段は、所要の換気の種類に応じて換気ファ
ンの風量及び各経路切替えダンパーの開度を制御するよ
うに構成されている。又、上記複数吸込口64…と換気フ
ァン32及び制御手段70との間には、フィルター71が設け
られている。
【0051】上記構成において、換気システムを設置す
る際には、送風ユニット61をスラブ2上に据え付けると
共に、該送風ユニットの吸込口64…乃至吹出口66…に各
ダクト67…の一端部を、床板に穿設した吹込み孔11、吹
出し孔12、或いは吸出し孔13に各ダクトの他端部をそれ
ぞれ連結するだけで良く、システム設置の現場において
各ダクトごとに流路切替えダンパー39を取り付ける作業
が必要ない。
【0052】又、上記システムにより室内空気質の維持
のために24時間小風量換気を行う場合には、換気ファン
32を駆動すると共に、図14(a) に示す如く第1吸込口64
aを半開、第1吹出口66aを全開とすると共に、その他
の吸込口及び吹出口を閉とするように各口内のダンパー
の開度を調節すれば良い。そうすると、図11に細線矢印
1で示す如く、外気取入口21から吸入された弱風が、第
1吸込口64aより送風ユニット61内を通って第1吹出口
66aから吹き出し、該空気は、吹込み孔11,11,室内空間
A、吹出し孔12,12,天井裏を順次通って、室内空間内の
汚れ物質と共に天井側の排気口22から排気される。
【0053】次に、室内領域Aの除熱のために換気を行
う場合には、上記図14(a) の状態から、図14(b) の如く
第1吸込口64aを全開の状態とすれば良い。そうする
と、黒太の矢印2として図示する強風が図14(a) の場合
と同じ流路と経て送風され、上記室内空間A内に籠もっ
た熱が強制的に排気される。
【0054】上記小風量換気に加えて、夜間に屋外の冷
熱を非室内領域Bに蓄えるために室外換気を行う場合に
は、図14(c) の如く第1吸込口64a及び第3吹出口66c
を全開とすると共に、第1吹出口66aを半開状態とすれ
ば良い。こうすると、比較的大風量の冷気が図11に白抜
き矢印3及び細線矢印1で表す強弱の各気流の総和とし
て外気取入口21から第1吸込口64aへ吸引されると共
に、該冷気と蓄熱手段68との間の熱交換により、該手段
に冷熱が蓄積される。而して、上記冷気の大部分は、上
記白抜き矢印3に示す如く第3吹出口66cからダクト67
dを介して床下換気口42から排気され、冷気の残りは、
細線矢印1に示す如く、第1吹出口66aから室内領域A
を通って上記天井側の排気口22から排気される。而し
て、昼間外気温度が上昇してからは、図14(b) の如く各
吸込口64及び吹出口66の開閉状態を調節して除熱換気を
行えば良く、これにより、外気取入口21から流入した空
気が蓄熱手段68により冷却され、涼風として室内領域A
内へ送り込まれる。
【0055】更に、上記小風量換気に加えて、冬季に温
室と冷室との間の温度差を解消する室間換気を行うため
には、図14(d) の如く第2吸込口64b及び第2吹出口66
bを全開とすれば良い。すると図11に矢印4で示す如く
温室8内の暖かい空気が吸込み孔13から第2吸込口64b
を介して送風ユニット61内へ吸引されると共に、第2吹
出口66bからダクト67c及び吹出し孔11を介して冷室9
内へ流入し、又、冷室9内の空気が吹出口12、天井裏及
び通気孔10を通って温室8内へ流入することで、両室内
の空気が混合され、各室温が均一化される。尚、図示例
では上記第2吹出口66bとダクト67cとを上記室間換気
専用経路としているが、上記図14(a),(b) に示す24時間
小換気及び排熱換気の際に第1吹出口66aと共に第2吹
出口66bを全開することで、第1、第2吹出口66a,66b
から送風を行うこともできる。
【0056】図15から図17は、本発明の第6実施形態に
係る各種送風ユニットを示している。
【0057】該実施形態は、上記第5実施形態における
送風ユニットに、更に蓄熱手段を組み込んで、システム
の組立現場における作業効率を高めるようにしたもので
ある。尚、上記蓄熱手段以外の構成は基本的に第5実施
形態と同じである。
【0058】図15(a) は、最も基本的な実施の態様に係
る送風ユニットの縦断面図であり、換気ファン32と吹出
口66との間のケーシング62底壁部分上に板形状の蓄熱手
段68を設置したものを示している。
【0059】又、図15(b) は、ケーシング62を前後両面
開口の管壁で形成するとともに該管壁を蓄熱材料で成形
したものを示している。
【0060】図15(c) は、蓄熱材料で形成された複数の
熱交換用板部81…を、ケーシング内の気流の向き(特に
図示の場合には水平方向)に対して直角に並設した例を
示している。これら熱交換用板部81…は、ケーシング61
内面のうち対向する2面から、互い違いにかつほぼ等間
隔をあけて内方突出している。図示例では、上記熱交換
用板部を、ケーシング底壁上面から突出する起立板部、
及び、頂壁下面から突出する垂下板部としているが、例
えば、ケーシングの左右側壁内面から内方突出しても良
い。而して、隣り合う熱交換用板部の先端部、図示例で
は熱交換用起立板部の上端部と熱交換用垂下板部の下端
部とは前後方向から見て重なりあっており、これら両端
部間の間隙82を介して気流が蛇行することで、蓄熱手段
内部の空気の流通時間を長くして、蓄熱効果が大となる
ように構成されている。
【0061】図16は、蓄熱材料で形成された複数の熱交
換用板部81…を、ケーシング内の気流の向きに対して平
行に並設した例を示している。図示の熱交換用板部は、
1枚の蓄熱用帯状シートを、各板間に気流通過用間隙を
存して折り返してなる短冊形の多重水平板部としてお
り、ケーシング内へ流入した気流が上記各間隙内へ分流
することで、空気と蓄熱材料との接触面積を大として蓄
熱効果を高めている。
【0062】図17は、第1吸込口64aの前面に付設した
複数の整流板を、蓄熱材料で形成することで、蓄熱手段
68とした例である。
【0063】図18は、本発明の第7実施形態を示してい
る。該形態は、上記第5実施形態に係る送風ユニットに
おいて、上記両吸込口それぞれに設けていた第1経路切
替えダンパーを両吸込口兼用ダンパーに変更したものの
各種の例を示している。これらダンパーの動作は、上記
制御手段により制御されるものとし、ダンパー以外の送
風ユニットの構造は、特に断らない限り第5実施形態の
ものと同じとする。
【0064】図18(a) は、両吸込口兼用の揺動式第1経
路切替えダンパー39aを使用したものである。該ダンパ
ーは、上記両吸込口間のケーシング前壁部分内面に縦設
した枢軸部91から突出した揺動板で形成されている。該
揺動板は、上記ケーシング62の底壁72上面と頂壁73下面
との距離とほぼ等しい上下長さを有しており、揺動板の
先端部がケーシング62の左右側壁の一方内面へ当接した
状態から、図18(a) に想像線で示す如く上記左右側壁内
面へ当接した状態から、同図に想像線で示す如く上記左
右側壁多面内面へ当接した状態へ旋回することで、経路
の切替えが可能に構成している。
【0065】図18(b) は、両吸込口兼用のスライド式第
1経路切替えダンパー39aを使用したものである。該ダ
ンパーは、上記ケーシング62の底壁72及び頂壁73各前端
部内面に穿設した案内溝92内へ上下両端部を嵌合させた
スライド板で形成されるものであり、上記各吸込口が有
する取付筒69後面を上記スライド板の前面で閉塞可能に
配置し、該板の左右揺動により経路の切替え可能に構成
されている。
【0066】図19は、本発明の第8実施形態を示してい
る。該形態は、上記第5実施形態に係る送風ユニットに
おいて、上記3つの吹出口のそれぞれに設けていた第2
経路切替えダンパーを、複数吹出口兼用ダンパーに変更
したものの各種の例を示している。
【0067】図19(a) は、3つの吹出口66a,66b,66c に
対して2つの揺動式ダンパー39b,39b を使用したもので
ある。これらダンパーは、隣り合う吹出口間のケーシン
グ後壁部分内面に縦設した枢着軸91、91 から、ハ字形に
突出した左右一対の揺動板で形成されている。これら揺
動板は、各板先端部を上記ケーシング62の左右両側壁7
4、74内面へそれぞれ当接させると共に、上記ケーシン
グ62の底壁72上面と頂壁73下面との間の距離とほぼ等し
い上下長さを有しており、上記ハ字形状態で、上記吸込
口64から中央吹出口66b へ至る経路を開くと共に、左右
両吹出口66a.66cへ至る経路を閉じ、又、上記揺動板の
一方を回動させて板先端部を他方揺動板の前面へ当接さ
せた状態で、該一方揺動板に対応する左又は右吹出口66
a,66c へ至る経路を開口して他の吹出口へ至る経路を閉
じるように構成している。
【0068】図19(b) は、上記3つの吹出口に対して1
つのスライド式ダンパーを使用した送風ユニットを示し
ている。この送風ユニットは、既述ケーシング62と、該
ケーシングの後部に、ダンパー保持部93を介して付設さ
れた吹出口付きカバー部材94とで構成されている。
【0069】上記ケーシング62は、好ましくは直方体形
状のケーシングの後壁65に3つの通気口75…を左右方向
に並設すると共に、ケーシング前壁に、複数換気経路か
らの吸気用の複数吸込口64…を開口している。
【0070】又、上記ダンパー保持部93と吹出口付きカ
バー部材94とは、図示例では一体として形成されてい
る。即ち、これら両者は、図示の通り上記ケーシング62
よりも左右方向に長い函体に形成されており、該函体の
前板の左右中央部を切り欠くと共に、例えば該切欠き口
縁から嵌合短筒を前方突出して、該短筒内へ上記ケーシ
ング62後部を嵌め込むなどして、該ケーシングに固定さ
れている。上記函体の底板及び天板で形成する上下一対
の対抗平板95、95 の前端部内面には、左右方向に伸びる
案内溝92、92 を穿設することで、ダンパー保持手段97と
している。而して上記両案内溝92、92 内には、通気孔98
付きのスライド板の上下両端部を摺動自在に嵌挿させ
て、第2経路切替えダンパー39bとなし、該ダンパーの
摺動により上記3つの通気口75…のうちの1つの任意通
気口と上記通気孔98とを連通させると共に、他の通気口
を第2経路切替えダンパー39b前面で閉塞することが可
能に構成している。
【0071】又、上記カバー部材94の後板99には、上記
各通気口75…の左右方向位置に対応させて、吹出口66a,
66b,66c をそれぞれ開口すると共に、各吹出口へ嵌挿さ
せた取付筒69の前端面を上記第2経路切替えダンパー後
面にほぼ気密に当接させることで、上記通気口75の一つ
を上記通気孔98及び取付筒69の筒孔を介して外部へ連通
可能に構成している。
【0072】
【発明の効果】本願発明は、如上の構成のものであり、
請求項1記載の発明によれば、室内領域Aからの排熱、
室内空気質の維持、或いは、室内領域に隣接する非室内
領域Bからの排熱の何れかの機能を有する、機能的に異
なる複数の換気経路の一部を、共通経路部分とし、か
つ、該部分に換気ファンを設けたから、該共通経路部分
及び換気ファンを各経路で共有することができ、各経路
毎に独立した換気システムを構成する場合に比べ、設備
の重複を省いて設備費を軽減することができる。
【0073】請求項2の発明によれば、天井板3の上方
又は床板4の下方に設けた非室内領域Bと外界とを隔て
る外壁に、外気取入口21と排気口22とを、又、上記天井
板3又は床板4に、吹込み孔11と吹出し孔12とを、それ
ぞれ形成し、かつ、上記共通経路部分を、上記外気取入
口21に連通させたメインダクト33として、換気ファン32
よりも下流側のメインダクト部分33aを上記吹込み孔11
に接続したから、外気取入口21から室内領域への吹込み
孔11までの換気経路部分を外気押込み用のダクト経路と
することにより、室内領域Aから排気口22までの経路部
分にダクトを形成しなくとも空気の外方放出が可能とな
ってダクトの所要長さを短くすることが出来、しかも、
前述の外気取入口21から吹込み孔11までの区間では、前
述の如く、複数の換気経路用ダクトを一つのメインダク
ト33に纏めることができるので、ダクト設置の材料費や
工事費等を最小限度に切り詰めることができる。
【0074】請求項3の発明によれば、複数の換気経路
として、室内換気経路P1と室外換気経路P3とを設けたか
ら、室内の空気質を常時良好に維持しつつ、夜間の戸外
の冷気を利用して冷房負荷の軽減を図ることができる。
【0075】請求項4の発明によれば、複数の換気経路
として、室内換気経路P1と室間換気経路P2とを設けたか
ら、室内の空気質を常時良好に維持しつつ、暖室8と冷
室9との間の温度のムラを解消して、快適な室温を維持
することができる。
【0076】請求項5の発明によれば、複数の換気経路
として、室間換気経路P2と室外換気経路P3とを設けたか
ら、暖室8と冷室9との間の温度のムラを解消して、快
適な室温を維持すると共に、夜間の戸外の冷気を利用し
て冷房負荷の軽減を図ることができる。
【0077】請求項6の発明によれば、上記非室内領域
B内に蓄熱材23を設けたから、夜間の戸外の冷気を有効
に利用して、一層冷房負荷の軽減を図ることができる。
【0078】請求項7の発明によれば、換気ファン上流
側のメインダクト部分33bに経路切替えダンパー39付き
の吸気用第4分岐ダクト41を形成すると共に、既述排気
口22を外気流入兼用口に形成して、これら外気流入兼用
口と第4分岐ダクトとの間を、第2分岐ダクト37と排気
口22との間が形成する室外換気経路P3部分を、部分的に
共有する外気取入経路P4としたから、上記第4分岐ダク
ト41を閉鎖させた状態で、戸外の冷気が上記共通経路部
分を通過することで該共通経路部分に冷熱を蓄積させた
後、第2分岐ダクト37を閉鎖し、かつ、第4分岐ダクト
を開放して、上記外気取入経路P4から吸引する暖気に対
して上記冷熱を放出することができ、非室内領域内の冷
熱が天井板などを介して室内領域へ伝播するようにした
上記請求項6の構成に比べて、より迅速に冷房負荷を低
減することができる。
【0079】請求項8の発明によれば、排熱用の第2分
岐ダクト37の先端を延長させて蓄熱ダクト51とし、夜間
の戸外の冷気を上記外気取入口21から引き込んで上記蓄
熱ダクト内に流通させるようにしたから、上記冷気と蓄
熱材である蓄熱ダクトとの熱的接触を密とすることで、
負の熱量をより多量に蓄熱ダクトに蓄えることができ、
更に一層冷房負荷の軽減が図られる。
【0080】請求項9の発明によれば、上記換気ファン
32を風量可変ファンとしたから、該ファンの送風量を、
大と小との間で切り換えることで、前述の室内換気経路
P1における換気を、大風量により室内領域A内に蓄積さ
れた熱を直接排気する排熱換気と、小風量により室内領
域内の空気の汚れを徐々に排気する空気質維持用の換気
との何れかに、容易に変更することができる。
【0081】請求項10の発明及び請求項11の発明によれ
ば、ケーシング62内に、少なくとも換気ファン32と、第
1、第2経路切替えダンパー39a,39b と、これら換気フ
ァン及び両経路切替えダンパーの制御手段70とを組み込
んで、一個の送風ユニット61としたから、工場で製造し
た送風ユニットを、換気システムの設置現場に持ち込む
と共に、該ユニットの吸込口64及び吹出口66に複数の換
気用ダクトの先端部を取り付けることで、換気システム
を構築することができ、設置現場で各換気用ダクトに経
路切替えダンパーを取り付ける必要がないので、作業効
率を大幅に向上させることができる。
【0082】請求項12の発明によれば、潜熱蓄熱材で形
成した複数の熱交換用板部81…の間を空気が流通するよ
うに設けたから、該空気が放出する温熱乃至冷熱を効率
良く熱交換用板部81…に蓄えることができる。
【0083】請求項13の発明によれば、複数の換気経路
に兼用される換気ファン32をケーシング62内に配置する
と共に、該ケーシングに開口した2つの吸込口64a,64b
の開閉状態を一枚のスライド板又は揺動板で切替え可能
として、第1経路切替えダンパーを構成したから、各経
路ごとに吸込口側ダンパーを設置する場合に比べてダン
パーの個数を減らすことができ、更に設備費を軽減する
ことができる。
【0084】請求項14及び請求項15の発明によれば、複
数の換気経路に兼用される換気ファン32をケーシング62
内に配置すると共に、該ケーシングに開口した3つの吹
出口66a,66b,66c の開閉状態を一枚のスライド板又は2
枚の揺動板で切替え可能として、第2経路切替えダンパ
ーを構成したから、各経路ごとに吹出口側ダンパーを設
置する場合に比べてダンパーの個数を減らすことがで
き、更に設備費を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の第1の実施形態に係る換気システ
ムの断面図である。
【図2】 図1の換気システムの使用状態説明図であ
る。
【図3】 図1の換気システムの他の使用状態説明図で
ある。
【図4】 図1の換気システムの更に他の使用状態説明
図である。
【図5】 図1の換気システムの更に別異の使用状態説
明図である。
【図6】 本願発明の第2実施形態に係るシステムの使
用状態説明図である。
【図7】 図6の換気システムの他の使用状態説明図で
ある。
【図8】 本願発明の第3実施形態に係るシステムの使
用状態説明図である。
【図9】 図8のシステムの他の使用状態説明図であ
る。
【図10】 本願発明の第4の実施形態に係る換気システ
ムの断面図である。
【図11】 本願発明の第5の実施形態に係る換気システ
ムの断面図である。
【図12】 図11の換気システムに使用する送風ユニット
の水平断面図である。
【図13】 図12の送風ユニットの縦断面図である。
【図14】 図12の送風ユニット内の通風状態を各種換気
モードごとに示す説明図である。
【図15】 本願発明の第6の実施形態に係る各種送風ユ
ニットの縦断面図である。
【図16】 第6実施形態に係る送風ユニットの更に他の
変形形態である。
【図17】 第6実施形態に係る送風ユニットの更に他の
実施形態である。
【図18】 第7実施形態に係る各種送風ユニットの要部
拡大図である。
【図19】 図7実施形態に係る各種送風ユニットの要部
拡大図である。
【符号の説明】
A…室内領域 B…非室内領域 P1…室内換気経路 P2…室間換気経路 P3
…室外換気経路 1…コンクリート躯体 2…スラブ 3
…天井板 4…床板 5…壁板 6
…窓 7…仕切り壁 8…暖室 9
…冷室 10…通気孔 11…吹込み孔 12
…吹出し孔 13…吸出し孔 21…外気取入口 22…排気口 23
…蓄熱材 31…ダクト構造体 32…換気ファン 33
…メインダクト 33a…下流側メインダクト部分 33b…上流側メイン
ダクト部分 34…メインダンパー 36…第1分岐ダクト 37
…第2分岐ダクト 38…第3分岐ダクト 39…経路切替えダンパー 41
…第4分岐ダクト 42…床下換気口 43…床上換気口 51
…蓄熱ダクト 51a…先端部 51b…基端部 52
…補助ダクト 61…送風ユニット 62…ケーシング 63…前壁
64…吸込口 65…後壁 66…吹出口 67…ダクト
68…蓄熱手段 69…取付筒 70…制御手段 71…フィル
ター 72…底壁 73…頂壁 74…左右側
壁 75…通気口 81…熱交換用板部 82…間隙 91…枢着軸 92…案内溝 93…ダンパ
ー保持部 94…吹出口付きカバー部材 95…対向平
板 97…保持手段 98…通気孔 99…後板
フロントページの続き (72)発明者 山岡 正洋 千葉県印西市大塚一丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 小西 弘高 愛知県名古屋市中区錦一丁目18番22号 株 式会社竹中工務店名古屋支店内 (72)発明者 桂川 佳裕 愛知県名古屋市中区錦一丁目18番22号 株 式会社竹中工務店名古屋支店内 Fターム(参考) 3L051 BD02 BD03 3L054 BH04 3L081 AA03 AB02

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室内領域Aからの排熱機能、該室内領域
    内の空気質の維持機能、或いは、上記室内領域Aに隣接
    する非室内領域Bからの排熱機能の何れかを有する、機
    能的に異なる複数の換気経路の一部を共通経路部分とし
    て、該部分を上記非室内領域内に設け、かつ、該共通経
    路部分内に換気ファン32を設け、又、上記共通経路部分
    を除く各独自換気経路部分内に、経路切替えダンパー39
    をそれぞれ付設したことを特徴とする、多目的換気シス
    テム。
  2. 【請求項2】 上記室内領域Aを、天井板3と床板4と
    壁板5とで仕切られる空間で形成すると共に、上記非室
    内領域Bを、上記天井板上方又は床板下方に設け、 かつ、上記室内領域Aと非室内領域Bとを区切る上記天
    井板3又は床板4には、吹込み孔11及び吹出し孔12を、
    又、上記非室内領域Bと外界とを隔てる外壁には、外気
    取入口21及び排気口22を、それぞれ、形成し、 かつ、上記各換気経路の共通経路部分を、上記外気取入
    口21に連通させたメインダクト33で形成し、該メインダ
    クト内の換気ファンよりも下流側のメインダクト部分33
    aから、上記独自換気経路部分一部としての、経路切替
    えダンパー付きの第1分岐ダクト36を引き出して、該ダ
    クトの先端を、上記吹込み孔11に接続したことを特徴と
    する、請求項1記載の多目的換気システム。
  3. 【請求項3】 上記複数の換気経路は、上記室内領域A
    からの排熱用の室内換気経路P1と、上記非室内領域Bか
    らの排熱用の室外換気経路P3とを有し、 上記室内換気経路P1は、前述のメインダクト33と、第1
    分岐ダクト36と、吹込み孔11と吹出し孔12との間の室内
    領域A部分と、上記吹出し孔12と排気口22との間の非室
    内領域B部分とにより構成し、 又、上記室外換気経路P3は、上記メインダクト33と、上
    記換気ファンの下流側のメインダクト部分33aから引き
    出された排気用第2分岐ダクト37と、該ダクト先端と上
    記排気口22との間の非室内領域B部分とで構成し、か
    つ、上記第2分岐ダクト37内に上記経路切替えダンパー
    39を設けたことを特徴とする、請求項2記載の多目的換
    気システム。
  4. 【請求項4】 上記室内領域Aは、仕切り壁7にて、日
    照条件を含む外的要因により気温の高低を生じ易い暖室
    8と冷室9とに分割されており、かつ、これら各部屋と
    上記非室内領域とを区切る天井板部分又は床板部分に
    は、それぞれ、上記吹込み孔11と吹出し孔12とを、又、
    暖室側の天井板部分又は床板部分には吸出し孔13を、更
    に、上記仕切り壁7には通気孔10を、それぞれ穿孔する
    ことで形成され、 上記非室内領域Bは、上記暖室側の吸出し孔13を、吸引
    用第3分岐ダクト38を介して、上記換気ファンの上流側
    のメインダクト部分33bに接続すると共に、換気ファン
    下流側のメインダクト部分33aを、上記第1分岐ダクト
    36を介して、上記二部屋の各吹込み孔11に接続すること
    で形成され、上記複数の換気経路は、上記各部屋内部か
    らの排熱用の室内換気経路P1と、暖室及び冷室間の室温
    差解消用の室間換気経路P2とを有し、 上記室内換気経路P1は、前述のメインダクト33と、第1
    分岐ダクト36と、各部屋の吹込み孔11と吹出し孔12との
    間の室内領域部分と、該吹出し孔12と上記排気口22との
    間の非室内領域部分とで構成し、 上記室間換気経路P2は、前述のメインダクト33と、該メ
    インダクトと冷室側の吹込み孔11との間の第1分岐ダク
    ト36と、上記冷室側の吹込み孔11と上記通気孔10との間
    の冷室部分と、上記通気孔と吸出し孔13との間の暖室部
    分と、上記第3分岐ダクト38とにより構成したことを特
    徴とする、請求項2記載の多目的換気システム。
  5. 【請求項5】 上記室内領域Aは、仕切り壁7にて、日
    照条件を含む外的要因により気温の高低を生じ易い暖室
    8と冷室9とに分割されており、かつ、該冷室と上記非
    室内領域とを区切る天井板部分又は床板部分には、上記
    吹込み孔11を、又、暖室と上記非室内領域とを区切る天
    井板部分又は床板部分には吸出し孔13を、更に、上記仕
    切り壁7には通気孔10を、それぞれ穿孔することで形成
    され、 上記非室内領域Bは、上記暖室側の吸出し孔13を、吸引
    用第3分岐ダクト38を介して、上記換気ファンの上流側
    のメインダクト部分33bに接続すると共に、換気ファン
    下流側のメインダクト部分33aを、上記第1分岐ダクト
    36を介して、上記冷室側の吹込み孔11に接続することで
    形成され、 上記複数の換気経路は、上記暖室及び冷室間の室温差解
    消用の室間換気経路P2と、上記非室内領域Bからの排熱
    用の室外換気経路P3とを有し、 上記室間換気経路P2は、前述のメインダクト33と、該メ
    インダクトと冷室側の吹込み孔11との間の第1分岐ダク
    ト36と、上記冷室側の吹込み孔11と上記通気孔10との間
    の冷室部分と、上記通気孔と吸出し孔13との間の暖室部
    分と、上記第3分岐ダクト38とで構成し、 又、上記室外換気経路P3は、上記メインダクト33と、上
    記換気ファンの下流側のメインダクト部分33aから引き
    出された排気用第2分岐ダクト37と、該ダクト先端と上
    記排気口22との間の非室内領域B部分とで構成し、か
    つ、上記第2分岐ダクト37内に上記経路切替えダンパー
    39を設けたことを特徴とする、請求項2記載の多目的換
    気システム。
  6. 【請求項6】 上記非室内領域B内には、上記外気取入
    口21を介して室外換気経路P3内へ引き込んだ外気との間
    での熱量交換が可能な蓄熱材23を設け、外気温度が低い
    ときに、上記蓄熱材23が上記外気から冷熱を吸収し、
    又、外気温度と共に室内領域の気温が上昇したときに、
    非室内領域Bと室内領域Aとを区切る上記天井板又は床
    板を通して上記蓄熱材23が室内領域Aへ冷熱を放出する
    ことで、該室内領域内における冷房負荷を減少するよう
    に構成した、請求項3又は請求項5記載の多目的換気シ
    ステム。
  7. 【請求項7】 換気ファン上流側のメインダクト部分33
    bに経路切替えダンパー39付きの吸気用第4分岐ダクト
    41を形成すると共に、既述排気口22を外気流入兼用口に
    形成して、これら外気流入兼用口と第4分岐ダクトとの
    間を、第2分岐ダクト37と排気口22との間が形成する室
    外換気経路P3部分を、部分的に共有する外気取入経路P4
    となし、上記第4分岐ダクト41閉鎖時に冷気が上記共通
    経路部分を通過することで該共通経路部分に蓄積される
    冷熱を、第2分岐ダクト37を閉鎖し、かつ、第4分岐ダ
    クトを開放して行う上記外気取入経路P4からの外気取入
    時に放出可能に形成したことを特徴とする、請求項3又
    は請求項5記載の多目的換気システム。
  8. 【請求項8】 上記非室内領域B内では、上記第2分岐
    ダクト37の先端部分を延長して、該延長部分を、該部分
    内を通る空気との熱量交換が可能な蓄熱ダクト51に形成
    し、該蓄熱ダクトの先端部51aを上記非室内領域の外界
    へ連通させると共に、蓄熱ダクトの基端部51bと上記換
    気ファン上流側のメインダクト部分33bとを、経路切替
    えダンパー39付きの補助ダクト52で連通させており、外
    気温度が低いときに、上記外気取入口21よりメインダク
    ト33及び第2分岐ダクト37を介して蓄熱ダクト51を通過
    する外気から、該蓄熱ダクトが冷熱を吸収し、又、外気
    温度と共に室内領域の気温が上昇したときに、上記蓄熱
    ダクト51、補助ダクト52、該補助ダクトとの合流点より
    下流側のメインダクト部分、及び、上記第1分岐ダクト
    36を介して、上記吹込み孔11より室内領域Aへ外気を流
    入させると共に、該流入の際に上記蓄熱ダクト51が上記
    外気へ冷熱を放出することで、上記室内領域Aにおける
    冷房負荷を軽減するように構成したことを特徴とする、
    請求項3又は請求項5記載の多目的換気システム。
  9. 【請求項9】 上記換気ファン32を風量可変ファンと
    し、かつ、上記室内換気経路P1内の風量を調整すること
    で、該経路内における換気を、室内空気質の維持のため
    に上記室内領域へ常時弱風を送風する24時間少風量換
    気と、室内領域からの排熱のために必要時にのみ強風を
    送風する排熱換気との間で切換え可能に構成したことを
    特徴とする、請求項3又は請求項4記載の多目的換気シ
    ステム。
  10. 【請求項10】 室内領域Aからの排熱機能、該室内領域
    内の空気質維持機能、又は上記室内領域に隣接する非室
    内領域Bからの排熱機能の何れかを有する、機能的に異
    なる複数換気経路から成る多目的換気システムにおい
    て、 上記複数換気経路は、上記非室内領域B内に配置された
    送風ユニット61の内部を共通経路部分とすると共に、該
    送風ユニット61と上記室内領域Aとの間の各換気経路部
    分を、それぞれダクト67…で形成しており、 上記送風ユニット61は、ケーシング62の一部に複数の吸
    込口64を、又、ケーシング他部に複数の吹出口66をそれ
    ぞれ開口すると共に、これら吹込み口又は吹出口内へ上
    記各ダクト先端部を連結可能に形成し、かつ、上記ケー
    シング62内に、上記吸込口64及び吹出口66の間に設けた
    換気ファン32と、上記複数吸込口の一つを換気ファンへ
    連通させる第1経路切替えダンパー39aと、上記換気フ
    ァン32を上記複数吹出口の一つへ連通させる第2経路切
    替えダンパー39bと、これら両経路切替えダンパーの動
    作及び上記換気ファン32の風量を制御する制御手段70と
    を組み込んだことを特徴とする、多目的換気システム。
  11. 【請求項11】 ケーシング62の一部に、複数換気経路か
    らの吸気用の複数吸込口64…を、又、ケーシング他部
    に、複数吹出口66…をそれぞれ開口させると共に、上記
    ケーシング62内に、上記各吸込口と吹出口との間の共通
    経路部分内に配置することで各換気経路兼用とした換気
    ファン32と、上記複数吸込口の一つを換気ファンへ連通
    させる第1経路切替えダンパー39aと、上記換気ファン
    32を上記複数吹出口の一つへ連通させる第2経路切替え
    ダンパー39bと、これら両ダンパーの動作と換気ファン
    32の風量とを調整する制御手段70とを組み込んだことを
    特徴とする、多目的換気システム用送風ユニット。
  12. 【請求項12】 上記送風ユニット61は、上記吸込口64か
    ら流入する気流に対する吸熱及び放熱を行うための蓄熱
    手段68を更に具備しており、該手段は、上記気流に対し
    て垂直又は平行な複数の熱交換用板部81…を相互に空気
    流通用の間隙82をあけて上記ケーシング62内に並設して
    なることを特徴とする、請求項11記載の多目的換気シス
    テム用送風ユニット。
  13. 【請求項13】 上記ケーシング62の前壁63に2つの吸込
    口64a,64b を開口すると共に、これら両口の開閉状態を
    切替え可能に上記前壁63に付設されたスライド板又は揺
    動板により上記第1経路切替えダンパー39aを形成した
    ことを特徴とする、請求項11記載の多目的換気システム
    用送風ユニット。
  14. 【請求項14】上記ケーシング62を、左右両側壁74,74 を
    鉛直壁部とする直方体形状に形成すると共に、ケーシン
    グ後壁65に3つの吹出口66a,66b,66c を左右方向に並べ
    て開口し、かつ、上記各吹出口間の後壁部分内面に縦設
    した枢着軸91,91 から上記ケーシング左右両側壁74,74
    内面へ、経路開閉用の左右一対の揺動板を上面ハ字形状
    に突出して第2経路切替えダンパー39b,39b となし、上
    記ハ字状態で、上記吸込口64から中央吹出口66b へ至る
    経路のみを開放すると共に、左右両吹出口66a,66c へ至
    る経路を閉じ、又、上記両第2経路切替えダンパーの一
    方を回動させて該一方ダンパー先端部を他方第2経路切
    替えダンパーの前面へ当接させた状態で、該一方第2経
    路切替えダンパーに対応する左又は右吹出口66a,66c へ
    至る経路のみを開放して、他の吹出口へ至る経路を閉塞
    するように構成したことを特徴とする、請求項11記載の
    多目的換気システム用送風ユニット。
  15. 【請求項15】 送風ユニット61を内装したケーシング62
    と、該ケーシング後部にダンパー保持部93を介在して付
    設された吹出口付きカバー部材94とで構成され、 上記ケーシング62は、少なくとも、上記カバー部材94と
    対面するケーシング後壁65後面を平面に形成して、該後
    壁に3つの通気口75…を左右方向に並設すると共に、上
    記後壁を除くケーシング外壁に、複数換気経路からの吸
    気用の複数吸込口64…を開口して、これら吸込口及び通
    気口の間の共通経路部分に上記換気ファン32を配置する
    ことで、該ファンを各換気経路兼用となし、かつ、上記
    複数吸込口64…から換気ファン32へ至る経路を切り替え
    る第1経路切替えダンパー39aを内装することで形成さ
    れ、 上記ダンパー保持部93は、少なくとも上記ケーシング後
    部に対して支持された上下一対の対向平板95内面前部に
    案内溝92を穿設してなる保持手段97と、上記両ガイド溝
    内に上下両端部を嵌合させた、通気孔98付きスライド板
    で形成される第2経路切替えダンパー39bとを具備し、
    該ダンパーの左右摺動により、上記3つの通気口75…の
    うちの1つの任意通気口と上記通気孔98とを連通させる
    と共に、他の通気口を第2経路切替えダンパー39b前面
    で閉塞することが可能に構成しており、 又、上記吹出口付きカバー部材94は、少なくとも、上記
    ダンパー保持部93の上記両対向平板95と連結させた後板
    99を有すると共に、該後板を貫通する3つの取付筒69…
    を、上記各通気口75の左右方向位置に対応させて配置さ
    せ、これら取付筒69の各前端面を上記第2経路切替えダ
    ンパー39b後面にほぼ気密に当接させることで、上記通
    気口75の一つを上記通気孔98及び取付筒69筒孔を介して
    外部に連通可能に構成したことを特徴とする、多目的換
    気システム用送風ユニット。
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