JP2001330127A - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置

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JP2001330127A JP2000151696A JP2000151696A JP2001330127A JP 2001330127 A JP2001330127 A JP 2001330127A JP 2000151696 A JP2000151696 A JP 2000151696A JP 2000151696 A JP2000151696 A JP 2000151696A JP 2001330127 A JP2001330127 A JP 2001330127A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車両減速中のドライバビリティの悪化を好適に
回避しつつ、無段変速機の変速応答性を向上することが
できる無段変速機の変速制御装置を提供する。 【解決手段】変速機用ECU31は車両減速時におい
て、CVT14の目標入力回転速度をそのときの車速に
おける最低回転速度よりも増大させるとともに、ロック
アップクラッチ機構12の係合が解除される第1の車速
から該第1の車速よりも高い第2の車速までの車速域に
おいてCVT14の目標入力回転速度の増大量が車速の
低下に応じて徐々に小さくなるように目標入力回転速度
を設定する。そして、変速機用ECU31はCVT14
の入力回転速度が目標入力回転速度となるようにCVT
14の変速比を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載される
無段変速機の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特開平2−72268号公報にお
いて、車両用エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に
ロックアップクラッチ付きトルクコンバータを介設する
とともに、トルクコンバータの出力軸側に変速比を連続
的に変更することができる無段変速機(CVT)を設け
た車両が開示されている。この車両では、車両減速中に
おいてロックアップクラッチを係合させれば、駆動輪の
回転が直接的にエンジンへと伝達される。そのため、エ
ンジンを稼動しなくてもエンジン回転速度をアイドル回
転速度以上に引き上げてその回転を維持することがで
き、燃料カット領域を拡大して、燃費の向上を図ること
ができる。また、こうしたCVTを搭載した車両では、
アクセル低開度時において変速比をできるだけ低回転ハ
イギヤ側に切り換えてエンジンを運転させることにより
燃費の良い運転となる。そのため、車両減速時には、C
VTの入力回転速度がそのときの車速での最低回転速度
となるようにCVTの変速比を制御している。このよう
にして、車両減速時に変速比が徐々に増大されることと
なり、これに伴いエンジンブレーキが増大することとな
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記車両に
おいては、車両減速時、CVTの変速比が低回転ハイギ
ヤであればあるほど、CVTの変速速度が遅くなること
から、再加速時にはCVTの変速応答性及び駆動応答性
が悪くなり、また、車両の急停止時にはCVTの変速比
のローギヤ側への戻りが悪くなる。そこで、車両を高回
転ローギヤ側で運転させてロックアップクラッチを低車
速まで係合させようとすると、減速加速度の増大を招
き、ドライバビリティが悪化するという問題があった。
【0004】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、車両減速中のドライバビリ
ティの悪化を好適に回避しつつ、無段変速機の変速応答
性を向上することができる無段変速機の変速制御装置を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1に記載の発明は、車両減速時に係合されて原動機と
駆動輪との間の動力伝達経路を接続するクラッチ機構の
入力側又は出力側に接続され、かつ原動機側の入力回転
速度を無段階に変速して駆動輪側の出力回転速度として
出力する無段変速機の変速制御装置において、車両減速
時において、前記無段変速機の目標入力回転速度をその
ときの車速における最低回転速度よりも増大させるとと
もに、前記クラッチ機構の係合が解除される第1の車速
から該第1の車速よりも高い第2の車速までの車速域に
おいて前記目標入力回転速度の増大量が車速の低下に応
じて徐々に小さくなるように前記目標入力回転速度を設
定する設定手段と、前記無段変速機の入力回転速度が前
記目標入力回転速度となるように前記無段変速機の変速
比を制御する制御手段とを備えることを要旨とする。
【0006】従って、請求項1に記載の発明によれば、
車両減速時、無段変速機の目標入力回転速度がそのとき
の車速における最低回転速度よりも増大されるので、無
段変速機の変速比が高回転ローギヤ側とされることとな
る。従って、車両の再加速時には無段変速機の変速応答
性及び駆動応答性が向上し、また、急減速時の変速比の
最ローギヤ側への戻り性能が向上される。また、クラッ
チ機構が解除される第1の車速付近の車速において目標
入力回転速度の増大量が小さくなるように設定されてい
るので、クラッチ機構が係合されているときの無段変速
機のローギヤ側への変速比の変化を抑えることができる
ようになり、減速加速度の増大を緩和することができ、
ドライバビリティの悪化を抑制することができるように
なる。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の無段変速機の変速制御装置において、前記設定手段
は、車両減速中において、車速が前記第2の車速よりも
高い第3の車速を下回ったことに基づいて前記無段変速
機構の目標入力回転速度をそのときの車速における最低
回転速度よりも増大させるものであることを要旨とす
る。
【0008】従って、請求項2に記載の発明によれば、
車両減速時、車速が第3の車速を下回るまでの間は無段
変速機構の目標入力回転速度はそのときの車速における
最低回転速度に設定されているので、無段変速機の変速
比はハイギヤ側となり、燃費の良い運転となる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の無段変速機を搭載
した車両の制御装置を具体化した一実施形態について、
図面を参照して詳細に説明する。
【0010】図1は、本実施形態にかかる無段変速機搭
載車両及びその制御装置を示す概略構成図である。ま
ず、この車両においてその原動機としてのエンジン10
と駆動輪17との間の動力伝達を司る動力伝達系の構成
を説明する。
【0011】図1に示すように、エンジン10の出力軸
10aは、トルクコンバータ11に連結されている。こ
のトルクコンバータ11は、入力された回転を流体(オ
イル)を媒介して伝達する流体継ぎ手の一種であり、流
体を媒介することによってエンジン出力軸10aの回転
トルクを適宜に調整して駆動輪17側へと伝達するよう
にしている。
【0012】このトルクコンバータ11は、ロックアッ
プクラッチ機構12を備えている。このロックアップク
ラッチ機構12は、油圧制御回路19による油圧制御に
基づき作動して、トルクコンバータ11のエンジン10
側と駆動輪17側との直接的な動力伝達を可能としてい
る。
【0013】また、こうしたロックアップクラッチ機構
12を備えるトルクコンバータ11の駆動輪17側は、
車両後進時にエンジン10側から入力される回転の方向
を反転する前進後進切替機構13に連結されており、そ
の更に駆動輪17側は、変速を行うための無段変速機
(CVT)14に連結されている。従って、ロックアッ
プクラッチ機構12の係合によってエンジン10の出力
軸とCVT14とが直結され、ロックアップクラッチ機
構12の係合解除によって、エンジン10とCVT14
との接続が断たれる。
【0014】そしてそのロックアップクラッチ機構12
を作動して、上記トルクコンバータ11の流体(オイ
ル)を媒介しない、エンジン10とCVT14との間の
直接的な動力伝達を許容する、いわゆる「ロックアッ
プ」が実行されるようにしている。そうしたロックアッ
プを実行することで、トルクコンバータ11内での流体
すべりによる動力伝達効率の低下を好適に回避し、エン
ジン10の燃費向上を図ることができるようになる。
【0015】本実施形態の車両では、上記CVT14と
して、互いに巻掛けられたベルト14aによって駆動連
結された駆動プーリ14bと従動プーリ14cとを備え
ている。それら駆動及び従動プーリ14b、14cは、
油圧によってベルト14aの挟み幅を変更することがで
きるように構成されている。そして、油圧制御回路19
による油圧制御によって、両プーリ14b、14cにお
けるベルト14aの挟み幅を変更し、ベルト14aの巻
き掛け半径を可変とすることで、連続的に変速比を変更
するようにしている。
【0016】また、このCVT14の駆動輪17側は、
エンジン10側からの回転を減速して伝達する減速機構
15、及び左右の駆動輪17の差動を許容するためのデ
ィファレンシャル(差動機車装置)16を介して駆動輪
17に連結されている。
【0017】こうして、エンジン10と駆動輪17との
間では、ロックアップクラッチ機構12を備えるトルク
コンバータ11、CVT14等を通じて動力伝達が行わ
れるようになる。
【0018】続いて、こうしたクラッチ機構付き車両に
おいて、上記ロックアップクラッチ機構12やCVT1
4などの駆動伝達系や、エンジン10などを制御する制
御系の構成について、同図1に基づき説明する。
【0019】本実施形態にかかる車両では、上記の制御
系として役割を司る電子制御装置(ECU)として、主
にエンジン10の運転制御を行うエンジン用ECU
(「E/G ECU」)30、主に上記駆動伝達系の制
御を行う変速機用ECU(「CVT ECU」)31を
備えている。各ECU30,31はそれぞれ、車内ネッ
トワーク回線を通じて電気的に接続されている。
【0020】各ECU30,31の入力ポートには、車
両の走行速度(車速)を検知する速度センサ33をはじ
めとして、車両やエンジン10の運転状態を検知する各
種センサの出力が入力される。更に、それらの入力ポー
トには、アクセルペダル34の踏み込み量(アクセル踏
込量)を検知するアクセルセンサ35などの運転者の操
作状態を検知する各種センサの出力も入力される。
【0021】一方、各ECU30,31の出力ポートに
は、エンジン10の制御にかかる各種アクチュエータ
や、上記油圧制御回路19などを駆動する各駆動回路な
どが接続されている。そしてエンジン用ECU30は、
上記各種センサの出力に基づき、燃料噴射などのエンジ
ン10の運転制御を実行する。また、変速機用ECU3
1は、油圧制御回路19を駆動制御してCVT14の変
速制御を実行するほか、ロックアップクラッチ機構12
の制御なども実行する。
【0022】次に、車両減速時における変速機用ECU
31の各種制御態様について、図2〜図4を参照して詳
細に説明する。上述したように、車両減速中にロックア
ップクラッチ機構12を係合させれば、駆動輪17から
エンジン10側へと直接的に動力が伝達されて、同エン
ジン10を稼動しなくてもエンジン回転速度がアイドル
回転速度以上に引き上げられてその回転が維持されるよ
うになる。そのため、こうした車両減速中の燃料カット
の実施に際して、ロックアップクラッチ機構12を係合
作動させれば、燃料カット領域を拡大して、燃費の向上
を図ることができるようになる。
【0023】特に、本実施形態のようなCVT14を備
える車両では、ロックアップクラッチ機構12を作動さ
せたままでの変速が可能なため、より長期間に亘って車
両減速中の同ロックアップクラッチ機構12の係合を保
持し、燃料カット領域をより拡大することが可能であ
る。
【0024】アクセルペダル34がオフとされて、車両
が減速状態にされると、エンジン10の燃料カットを実
施すると共に、ロックアップクラッチ機構12を係合作
動させて、燃料カット領域を拡大するようにしている。
【0025】一方、車両の減速状態において低速度とな
ると、再加速時の動力性能を確保するため、CVT14
の変速比をローギヤ側に設定するようにしている。ま
た、本実施形態の無段変速機搭載車両の制御装置では、
図4に示すように、ロックアップクラッチ機構12のロ
ックアップが解除される車速(ロックアップOFF車
速)V0を設定し、車両減速中において車速がその車速
V0を下回れば、ロックアップクラッチ機構12の係合
を解除するようにしている。こうして、車両の減速加速
度が過大となる前に、車両のエンジン10側と駆動輪1
7側との直接的な駆動連結を解放することで、ドライバ
ビリティの悪化を防止するようにしている。
【0026】以下、本実施形態での車両減速時における
CVT14の変速比制御を行うためのCVT14の目標
入力回転速度の設定態様について説明する。図2は、こ
うした目標入力回転速度の設定にかかる「目標入力回転
速度設定ルーチン」の処理手順を示すフローチャートで
ある。本ルーチンは、変速機用ECU31によって所定
時間毎に周期的に実行される。
【0027】さて、処理が本ルーチンに移行すると、変
速機用ECU31は、まずステップ110において基本
目標入力回転速度を算出する。この基本目標入力回転速
度は、アクセル踏込量や車速などの車両の運転状態に基
づき算出され、アクセル踏込量が大きくなればなるほ
ど、また、車速が高くなればなるほど高い値として算出
される。そして、基本目標入力回転速度は、アクセル踏
込量が小さいときにはできるだけ低回転とされ、そのと
きの車速における最低回転速度もしくはその近傍の値が
設定される。車速における最低回転速度はCVT14の
変速比を最ハイギヤ側の変速比γmin に設定したときに
実現される値である。図4に示すように車両減速中にお
ける回転速度がアイドル回転速度NE0を下回るとエン
ジン10が停止してしまうため、車速Vが低下して車速
V2(>V0)に達した時点で基本目標入力回転速度は
NE0に固定されてガードされるようになっている。
【0028】そして、次のステップ120において、変
速機用ECU31はアクセルセンサ35の検出信号に基
づいてアクセルペダル34が踏み込まれていない(OF
F状態)、即ち、車両減速中であるか否かを判断する。
そして、アクセルOFFでなければ、ステップ140に
進む。ステップ140で変速機用ECU31は目標回転
速度アップ量を「0」に設定した後、処理をステップ1
50に移行する。
【0029】一方、ステップ120においてアクセルO
FFであれば、車両減速中であるため、ステップ130
に進む。ステップ130において、変速機用ECU31
は図3に示すマップを参照してそのときの車速に応じた
目標回転速度アップ量UNEを算出した後、処理をステ
ップ150に移行する。このマップは、車両減速中にお
ける車速Vに基づいて設定されており、目標回転速度ア
ップ量UNEは車速Vが車速V3(>V2)から車速V
2までの車速域において車速Vの低下に応じて所定回転
速度UNE1まで増加するように設定され、車速Vが車
速V2から車速V1(<V2)までの車速域において所
定回転速度UNE1に固定されている。また、目標回転
速度アップ量は車速Vが車速V1から車速V0(<V
1)までの車速域において車速Vの低下に応じて所定回
転速度UNE1から0まで徐々に減少するように設定さ
れている。
【0030】そして、ステップ150において、変速機
用ECU31は上記ステップ110にて算出した基本目
標入力回転速度に対して上記ステップ130又はステッ
プ140にて算出した回転速度アップ量を加算すること
により目標入力回転速度を算出する。従って、車両が減
速中である場合には、目標入力回転速度TNEは車速V
に基づく最低回転速度NE0に対して目標回転速度アッ
プ量を加えたものとなる。すなわち、車速Vが車速V3
から車速V1までの車速域において、目標入力回転速度
TNEは一定値NE1(NE0+UNE1)となる。ま
た、車速Vが車速V1から車速V0までの車速域におい
て、目標入力回転速度TNEは車速Vの低下に応じて一
定値NE1からNE0まで徐々に減少する。
【0031】ここで車速V1からV0の車速域において
車速Vの低下に伴ってアップ量UNEを0まで低下する
ように設定するのは、次の理由による。すなわち、車両
減速中において車速VがV3を下回ると、目標入力回転
速度TNEを一定値NE1(NE0+UNE1)に設定
するようにしている。これは、車両減速を行う場合、次
の加速時において良好な加速性能、すなわち変速応答性
及び駆動応答性を得るためにはCVT14の変速比γを
ローギヤ側の変速比とする必要があり、また、車両の急
減速時においてはCVT14の変速比γの最ローギヤ側
の変速比γmaxへの戻り性能を確保するためである。
【0032】しかし、目標入力回転速度TNEを一定値
NE1に維持したままでロックアップクラッチ機構12
を低車速まで係合させようとすると、変速比のローギヤ
側への変化に伴い減速加速度の増大を招き、ドライバビ
リティの悪化を招く。そこで、車速VがV1を下回る
と、車速Vの低下に応じて目標入力回転速度TNEをN
E0まで徐々に低下するように設定し、この目標入力回
転速度TNEとなるようにCVT14の変速比をローギ
ヤ側の変速比となるように制御している。CVT14の
変速比をローギヤ側に制御すると減速加速度は大きくな
るが、車速V1未満における目標回転速度アップ量を低
下させるようにしているので、CVT14の変速比のロ
ーギヤ側への変化量を小さくすることができ、減速加速
度の増大を緩和してドライバビリティの悪化を抑制する
ことができるのである。
【0033】以上説明したように、本実施形態の無段変
速機の変速制御装置によれば、以下に記載する効果を得
ることができるようになる。 ・ 本実施形態では、車両減速時、CVT14の目標入
力回転速度TNEがそのときの車速における最低回転速
度よりも増大され、CVT14の変速比が高回転ローギ
ヤ側とされるので、車両の再加速時にはCVT14の変
速応答性及び駆動応答性を向上することができ、また、
急減速時のCVT14の変速比の最ローギヤ側への戻り
性能を向上することができる。また、ロックアップクラ
ッチ機構12が解除される第1の車速V0から第2の車
速V1までの車速域において車速の低下に応じて目標入
力回転速度TNEのアップ量UNEが徐々に小さくなる
ように設定されているので、ロックアップクラッチ機構
12が係合されているときの急減速時のCVT14のロ
ーギヤ側への変速比の変化を抑えることができるように
なり、減速加速度の増大を緩和することができ、ドライ
バビリティの悪化を抑制することができるようになる。
【0034】・ 本実施形態では、車両減速中におい
て、車速が第2の車速V1よりも高い第3の車速V3を
下回ったことに基づいて減速時のCVT14の目標入力
回転速度TNEをそのときの車速における最低回転速度
よりも増大させるようにしているので、第3の車速V3
よりも高車速側ではCVT14の変速比はハイギヤ側と
なり、燃費の良い運転を行うことができる。
【0035】・ 本実施形態では、アクセルペダル34
がOFFされることに基づいて車両が減速中であるか否
かを判断するようにしている。そのため、運転者の意図
を適切に把握して、車両の減速状態か否かを的確に判断
することができるようになる。
【0036】なお、以上説明した本実施形態のクラッチ
機構付き車両の制御装置は、以下のように変更すること
もできる。 ・ 上記実施形態では、車速V3から車速V1までの車
速域において目標入力回転速度が一定値となるように目
標回転速度アップ量UNEを設定したが、図3に鎖線で
示すように車速V3から車速V2´(>V2)までの車
速域においては車速Vの低下に伴ってアップ量を増加さ
せ、車速V2´から車速V1までの車速域においては車
速Vの低下に伴ってアップ量を低下させるようにしても
よい。なお、車速V2´から車速V1までの車速域にお
けるアップ量の低下度合いは、車速V1から車速V0ま
での車速域におけるアップ量の低下度合いよりも変化の
小さいものとするのがよい。このようにすれば、車両が
低車速ほど減速加速度の体感度合いは大きくなるが、ロ
ックアップOFF車速付近での減速加速度の変化を低減
することができるようになり、ドライバビリティの悪化
を好適に抑制することができる。
【0037】・ 上記実施形態では、CVT14として
ベルト式のものを採用したが、トロイダル式CVTを採
用してもよい。 ・ 上記実施形態では、ロックアップクラッチ機構12
と駆動輪17との間にCVT14を配設した構成、すな
わちロックアップクラッチ機構12の出力軸側にCVT
14を接続した構成の車両に具体化したが、CVTと駆
動輪との間にロックアップクラッチ機構を配設する構
成、すなわちロックアップクラッチ機構の入力軸側にC
VT14を接続する構成の車両に具体化してもよい。
【0038】・ 上記実施形態の制御装置が適用される
無段変速機搭載車両では、クラッチ機構として油圧作動
式の摩擦クラッチ機構を採用しているが、クラッチ機構
の構成は任意であり、電磁クラッチなどのその他のクラ
ッチ機構を採用するようにしてもよい。要は、エンジン
と変速機とを断接するクラッチ機構として採用する車両
であれば、上記各実施形態と同様、或いはそれに準じた
制御装置を適用することができる。
【0039】次に、上記実施形態から把握できる他の技
術的思想を以下に記載する。 ・ 請求項2に記載の無段変速機の変速制御装置におい
て、前記設定手段は、前記第2の車速から前記第3の車
速までの車速域において前記目標入力回転速度が所定回
転速度になるように目標回転速度の増大量を設定するも
のである無段変速機の変速制御装置。
【0040】・ 請求項2に記載の無段変速機の変速制
御装置において、前記設定手段は、前記第2の車速から
前記第3の車速までの車速域の中間において前記目標入
力回転速度の増大量が最大になるように該増大量を設定
するものである無段変速機の変速制御装置。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施形態についてその無
段変速機搭載車両及びその制御装置の概略構成図。
【図2】同実施形態についてその目標入力回転速度の設
定手順を示すフローチャート。
【図3】車両減速中における目標回転速度アップ量の算
出に用いるマップの一例を示す説明図。
【図4】車両減速中における車速と目標入力回転速度と
の制御態様の一例を示す説明図。
【符号の説明】
10…エンジン、14…無段変速機(CVT)、12…
ロックアップクラッチ機構(クラッチ機構)、17…駆
動輪、19…油圧制御回路、30…エンジン用ECU、
31…変速機用ECU(設定手段、制御手段)、33…
車速センサ、35…アクセルセンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 63:06 F16H 63:06 (72)発明者 井上 大輔 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 山本 良明 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 Fターム(参考) 3J552 MA07 MA12 MA26 NA01 NB01 PA15 PA20 PA59 RB07 RB18 SA36 SB02 SB10 TB06 UA02 VA32W VA32Y VB01W VD02Z VD05W

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両減速時に係合されて原動機と駆動輪と
    の間の動力伝達経路を接続するクラッチ機構の入力側又
    は出力側に接続され、かつ原動機側の入力回転速度を無
    段階に変速して駆動輪側の出力回転速度として出力する
    無段変速機の変速制御装置において、 車両減速時において、前記無段変速機の目標入力回転速
    度をそのときの車速における最低回転速度よりも増大さ
    せるとともに、前記クラッチ機構の係合が解除される第
    1の車速から該第1の車速よりも高い第2の車速までの
    車速域において前記目標入力回転速度の増大量が車速の
    低下に応じて徐々に小さくなるように前記目標入力回転
    速度を設定する設定手段と、 前記無段変速機の入力回転速度が前記目標入力回転速度
    となるように前記無段変速機の変速比を制御する制御手
    段とを備える無段変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の無段変速機の変速制御装
    置において、 前記設定手段は、車両減速中において、車速が前記第2
    の車速よりも高い第3の車速を下回ったことに基づいて
    前記無段変速機構の目標入力回転速度をそのときの車速
    における最低回転速度よりも増大させるものである無段
    変速機の変速制御装置。
JP2000151696A 2000-05-23 2000-05-23 無段変速機の変速制御装置 Expired - Fee Related JP4449165B2 (ja)

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