JP2001329985A - 真空ポンプにおける冷却構造 - Google Patents

真空ポンプにおける冷却構造

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JP2001329985A
JP2001329985A JP2000149239A JP2000149239A JP2001329985A JP 2001329985 A JP2001329985 A JP 2001329985A JP 2000149239 A JP2000149239 A JP 2000149239A JP 2000149239 A JP2000149239 A JP 2000149239A JP 2001329985 A JP2001329985 A JP 2001329985A
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cooling
rotating shafts
rotating shaft
oil
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Hitoshi Shoji
仁 正路
Osamu Uchiyama
理 内山
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Toyota Industries Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガス移送体を収容するハウジングとガス移送体
との間の所望のクリアランスの設定の容易性を向上す
る。 【解決手段】ギヤハウジング33内に突出する回転軸1
9,20の突出端部には歯車34,35が互いに噛合し
た状態で止着されている。回転軸19,20には冷却孔
50,51が形成されている。冷却孔50,51は、ギ
ヤ収容室331に突出する回転軸19,20の突出端部
192,202の端面から回転軸19,20の軸線19
1,201に沿ってポンプ室43に対応する回転軸1
9,20の部位に達している。冷却孔50,51の開口
501,511は、回転軸19,20の突出端部19
2,202の端面にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転軸の回転に基
づいてガス移送体を動かし、前記ガス移送体の動作によ
ってガスを移送して吸引作用をもたらす真空ポンプにお
ける冷却構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平5−118290号公報に開示さ
れる真空ポンプでは、隣合って2個で組をなすロータが
噛合した状態で回転される。噛合しながら回転する2個
のロータの回転動作は、ガスを移送する。このような真
空ポンプでは、排ガスを圧縮する行程で発生する熱を除
去するための冷却構造が用いられる。冷却構造は、ロー
タを内蔵するロータハウジングの表面を冷却するものが
一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ロータハウジングとロ
ータとの間のクリアランスの設定は、高圧側から低圧側
への排ガスの逆流を防止し、かつロータハウジングとロ
ータとの摺接による摩耗を回避するために厳密性を要求
される。ロータハウジングの表面を冷却する方式では、
ロータ、及びロータを回転させる回転軸の冷却が行えな
い。そのため、ロータ及び回転軸は、排ガスを圧縮する
行程で発生する熱によって膨張するが、冷却されるロー
タハウジングはあまり熱膨張しない。ロータ及び回転軸
と、ロータハウジングとの間の熱膨張のアンバランス
は、前記クリアランスを小さくするように大きく変化さ
せる。温度変化に伴うクリアランスの大きな変化は、ロ
ータハウジングとロータとの間のクリアランスの所望の
設定を困難にする。
【0004】本発明は、ガス移送体を収容するハウジン
グとガス移送体との間の所望のクリアランスの設定の容
易性を向上することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】そのために本発明は、回
転軸の回転に基づいてガス移送体を動かし、前記ガス移
送体の動作によってガスを移送して吸引作用をもたらす
真空ポンプを対象とし、請求項1の発明では、熱を放散
するための放熱空間に隔壁を介して前記回転軸を突出さ
せ、前記放熱空間に突出する前記回転軸の突出端部に開
口を有するように前記回転軸内に冷却孔を設けた。
【0006】放熱空間に通じる冷却孔の存在は、回転軸
及びガス移送体の冷却に有効である。ガス移送体を内蔵
するハウジングの冷却と、回転軸及びガス移送体の冷却
とを組み合わせれば、回転軸及びガス移送体の熱膨張
と、ガス移送体を収容するハウジングの熱膨張とのアン
バランスを抑制することができる。
【0007】請求項2の発明では、請求項1において、
前記放熱空間は油存在領域とした。回転軸及びガス移送
体は、油を冷却孔に対して出入りさせることによって効
率よく冷却される。
【0008】請求項3の発明では、請求項2において、
前記油存在領域は、前記回転軸を回転可能に支持するた
めの軸受けを収容する領域とした。回転軸及びガス移送
体は、軸受けを潤滑するための油を冷却孔に対して出入
りさせることによって効率よく冷却される。
【0009】請求項4の発明では、請求項2及び請求項
3のいずれか1項において、前記真空ポンプは、複数の
前記回転軸を平行に配置すると共に、前記各回転軸上に
ロータを配置し、隣合う回転軸上のロータを互いに噛み
合わせ、互いに噛み合った状態の複数のロータを1組と
して収容する複数のポンプ室を前記回転軸の軸線方向へ
配列した多段真空ポンプであり、前記複数のポンプ室の
容積は、前記回転軸の軸線方向に沿って前記隔壁に近づ
く順に小さくなってゆき、前記ガスは、前記容積が小さ
くなってゆく順に前記複数のポンプ室を経由して移送さ
れ、前記油存在領域に隣接するポンプ室は最小容積のポ
ンプ室であり、前記冷却孔は、前記油存在領域に隣接す
る最小容積の前記ポンプ室に対応する前記回転軸の部位
に達しているようにした。
【0010】最小容積のポンプ室は最も温度の高くなる
箇所である。少なくとも油存在領域に隣接する最小容積
のポンプ室に収容されたガス移送体の冷却が冷却孔を介
して行える。
【0011】請求項5の発明では、請求項4において、
複数の前記回転軸は、歯車機構を用いて同期して回転さ
れ、前記油存在領域は、前記歯車機構を収容する領域と
し、前記油存在領域には前記歯車機構を潤滑するための
油が貯留されているようにした。
【0012】回転軸及びガス移送体は、歯車機構を潤滑
するための油を冷却孔に対して出入りさせることによっ
て効率よく冷却される。請求項6の発明では、請求項1
乃至請求項5のいずれか1項において、前記放熱空間を
内包する放熱ハウジングの表面には冷却器が設置されて
おり、前記冷却器は前記放熱ハウジングの表面を冷却す
るようにした。
【0013】放熱ハウジングの冷却は、冷却孔内を間接
的に冷却する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明をルーツポンプに具
体化した第1の実施の形態を図1〜図5に基づいて説明
する。
【0015】図1に示すように、多段ルーツポンプ11
のロータハウジング12の前端にはフロントハウジング
13が接合されており、フロントハウジング13には封
鎖体36が接合されている。ロータハウジング12の後
端にはリヤハウジング14が接合されている。ロータハ
ウジング12は、シリンダブロック15と複数の室形成
壁16とからなる。図2(b)に示すように、シリンダ
ブロック15は、一対のブロック片17,18からな
り、室形成壁16は一対の壁片161,162からな
る。図1に示すように、フロントハウジング13と室形
成壁16との間の空間、隣合う室形成壁16の間の空
間、及びリヤハウジング14と室形成壁16との間の空
間は、それぞれポンプ室39,40,41,42,43
となっている。
【0016】フロントハウジング13とリヤハウジング
14とには一対の回転軸19,20がラジアルベアリン
グ21,37,22,38を介して回転可能に支持され
ている。両回転軸19,20は互いに平行に配置されて
いる。回転軸19,20は室形成壁16に通されてい
る。
【0017】回転軸19には複数のロータ23,24,
25,26,27が一体形成されており、回転軸20に
は同数のロータ28,29,30,31,32が一体形
成されている。ロータ23〜32は、回転軸19,20
の軸線191,201の方向に見て同形同大の形状をし
ている。ロータ23,24,25,26,27の厚みは
この順に小さくなってゆくようにしてあり、ロータ2
8,29,30,31,32の厚みはこの順に小さくな
ってゆくようにしてある。ロータ23,28は互いに噛
合した状態でポンプ室39に収容されており、ロータ2
4,29は互いに噛合した状態でポンプ室40に収容さ
れている。ロータ25,30は互いに噛合した状態でポ
ンプ室41に収容されており、ロータ26,31は互い
に噛合した状態でポンプ室42に収容されている。ロー
タ27,32は互いに噛合した状態でポンプ室43に収
容されている。
【0018】リヤハウジング14にはギヤハウジング3
3が組み付けられている。回転軸19,20は、リヤハ
ウジング14を貫通してギヤハウジング33内に突出し
ており、各回転軸19,20の突出端部には歯車34,
35が互いに噛合した状態で止着されている。ギヤハウ
ジング33には電動モータMが組み付けられている。回
転軸19は、電動モータMによって図2(a),
(b),(c)の矢印R1の方向に回転される。回転軸
20は、歯車34,35を介して電動モータMから駆動
力を得ており、回転軸20は図2(a),(b),
(c)の矢印R2で示すように回転軸19とは逆方向に
回転する。即ち、回転軸19,20は、歯車34,35
を用いて同期して回転される。
【0019】図1に示すように、電動モータMの出力軸
44と回転軸19とは直列関係にあり、出力軸44と回
転軸19との間には軸継ぎ手45が介在されている。軸
継ぎ手45は、電動モータMの出力軸44に止着された
筒形状の回転伝達体46と、回転軸19に止着された筒
形状の回転受承体48と、回転伝達体46と回転受承体
48との間に介在されたリング形状の緩衝体47とから
なる。
【0020】図4に示すように、回転伝達体46には複
数の係合突起461(本実施の形態では3つ)が形成さ
れている。係合突起461は、筒形状の回転伝達体46
の軸線の周りに120°の角度間隔で配列されている。
回転受承体48には複数の係合突起481(本実施の形
態では3つ)が形成されている。係合突起481は、回
転受承体48の軸線の周りに120°の角度間隔で配列
されている。リング形状の緩衝体47の外周面には複数
の緩衝突起471(本実施の形態では6つ)が形成され
ている。緩衝突起471は、緩衝体47の軸線の周りに
60°の角度間隔で配列されている。
【0021】緩衝突起471は、回転伝達体46側の係
合突起461と回転受承体48側の係合突起481との
間にある。各係合突起461,481は、隣合う緩衝突
起471の間に嵌めこまれている。出力軸44、回転軸
19,20、回転伝達体46及び回転受承体48は金属
製であり、緩衝体47は合成樹脂製である。出力軸44
の回転は、回転伝達体46、緩衝体47及び回転受承体
48を介して回転軸19に伝達される。合成樹脂製の緩
衝体47は、電動モータMの出力軸44の回転を回転伝
達体46から回転受承体48へ緩衝しながら伝える。回
転軸19は、回転駆動手段である電動モータMの出力軸
44から軸継ぎ手45を介して駆動力を得ている。回転
軸20は、電動モータMの出力軸44から軸継ぎ手4
5、回転軸19及び歯車34,35からなる歯車機構を
介して駆動力を得る。
【0022】図3に示すように、回転受承体48には複
数の通路溝482が形成されている。通路溝482は、
回転受承体48の筒内とギヤ収容室331とを連通す
る。歯車34,35からなる歯車機構を収容するギヤ収
容室331内には潤滑油Yが貯留されている。潤滑油Y
は、歯車34と一体的に回転する油かき上げ体49の回
転動作によってかき上げられる。潤滑油Yは、歯車3
4,35、ラジアルベアリング37,38を潤滑する。
又、潤滑油Yは、ラジアルベアリング37,38とロー
タ27,32との間にあるリップシール56,57を潤
滑する。リップシール56,57は、潤滑油Yが回転軸
19,20の周面に沿ってポンプ室43側へ侵入するこ
とを防止する。
【0023】図1及び図2(b)に示すように、室形成
壁16内には通路163が形成されている。図2(b)
に示すように、室形成壁16には通路163の入口16
4及び出口165が形成されている。隣合うポンプ室3
9,40,41,42,43は、通路163を介して連
通している。
【0024】図2(a)に示すように、ブロック片18
には導入口181がポンプ室39に連通するように形成
されている。図2(c)に示すように、ブロック片17
には排出口171がポンプ室43に連通するように形成
されている。導入口181からポンプ室39に導入され
たガスは、ロータ23,28の回転によって室形成壁1
6の入口164から通路163を経由して出口165か
ら隣のポンプ室40へ移送される。以下、同様にガス
は、ポンプ室の容積が小さくなる順、即ちポンプ室4
0,41,42,43の順に移送される。ポンプ室43
へ移送されたガスは、排出口171から外部へ排出され
る。ロータ23〜32は、ガスを移送するガス移送体で
ある。
【0025】図1及び図3に示すように、回転軸19,
20には冷却孔50,51が形成されている。冷却孔5
0,51は、油存在領域であるギヤ収容室331に突出
する回転軸19,20の突出端部192,202の端面
から回転軸19,20の軸線191,201に沿ってポ
ンプ室43に対応する回転軸19,20の部位に達して
いる。冷却孔50,51の開口501,511は、回転
軸19,20の突出端部192,202の端面にある。
冷却孔51は、ギヤ収容室331に連通しており、冷却
孔50は、通路溝482を介してギヤ収容室331に連
通している。
【0026】図3に示すように、ギヤハウジング33の
上面及び下面には冷却器52,53が設置されている。
冷却器52,53には供給管521,531及び排出管
522,532が接続されている。供給管521,53
1は、図示しない冷却液供給源から冷却液を冷却器5
2,53へ送り、排出管522,532は、冷却器5
2,53を通過した冷却液を前記冷却液供給源へ還流す
る。冷却器52,53内を通過する冷却液は、ギヤハウ
ジング33を冷却する。
【0027】図2(a),(b),(c)に示すよう
に、ロータハウジング12の上面及び下面には冷却器5
4,55が設置されている。冷却器54,55には供給
管541,551及び排出管542,552が接続され
ている。供給管541,551は、前記冷却液供給源か
ら冷却液を冷却器54,55へ送り、排出管542,5
52は、冷却器54,55を通過した冷却液を前記冷却
液供給源へ還流する。冷却器54,55内を通過する冷
却液は、ロータハウジング12を冷却する。
【0028】第1の実施の形態では以下の効果が得られ
る。 (1-1)ギヤ収容室331内の雰囲気となる流体は、冷
却孔51に対して出入りする。又、前記雰囲気の流体
は、通路溝482を介して冷却孔50に対して出入りす
る。冷却孔50,51に対して出入りする前記雰囲気の
流体が冷却孔50,51の形成壁面を冷却する。従っ
て、回転軸19,20が内部から冷却され、ロータ23
〜32は根元から冷却される。
【0029】図5の曲線Eは、冷却孔50,51が有る
場合の回転軸19,20の軸線191,201の方向に
沿った位置変化に対する回転軸19,20の温度分布を
表す。横軸は、回転軸19,20の開口501,511
から軸線191,201の方向への距離を表す。縦軸は
温度を表す。曲線Dは、冷却孔50,51が無い従来の
場合の回転軸19,20の軸線191,201の方向に
沿った位置変化に対する回転軸19,20の温度分布を
表す。曲線Hは、回転軸19,20の軸線191,20
1の方向に沿った位置変化に対するロータハウジング1
2の上面及び下面の温度分布の一例を表す。冷却孔5
0,51がある場合には、回転軸19,20の軸線19
1,201の方向の任意の位置における回転軸19,2
0とロータハウジング12との温度差を少なくすること
ができ、かつ前記温度差の変化を少なくすることができ
る。即ち、ロータハウジング12の冷却を行なう場合に
回転軸19,20及びロータ23〜32の冷却を組み合
わせれば、回転軸19,20及びロータ23〜32の熱
膨張と、ロータハウジング12の熱膨張とのアンバラン
スを抑制することができる。その結果、ロータハウジン
グ12とロータ23〜32との間のクリアランス変化が
少なくなり、ロータハウジング12とロータ23〜32
との間の所望のクリアランスの設定の容易性が向上す
る。
【0030】(1-2)冷却器52,53は、放熱ハウジ
ングとなるギヤハウジング33を冷却し、放熱空間とな
るギヤ収容室331内の雰囲気となる流体が冷却器5
2,53の冷却作用によって冷却される。即ち、冷却器
52,53は、冷却孔50,51内を間接的に冷却す
る。冷却器52,53は、回転軸19,20及びロータ
23〜32を効率よく冷却する上で有効である。
【0031】(1-3)歯車機構を構成する歯車34,3
5、ラジアルベアリング37,38及びリップシール5
6,57を潤滑する潤滑油Yは、油かき上げ体49によ
ってかき上げられており、放熱空間となるギヤ収容室3
31内は油雰囲気となっている。潤滑油Yは冷媒として
優れている。回転軸19,20及びロータ23〜32
は、冷媒として優れた潤滑油Yを冷却孔50,51に対
して出入りさせることによって効率よく冷却される。
【0032】(1-4)ポンプ室43は、隔壁となるリヤ
ハウジング14を介してギヤ収容室331に隣接する最
小容積のポンプ室である。最小容積のポンプ室43は最
も温度の高くなる箇所である。ポンプ室43に収容され
たロータ27,32と、冷却されるロータハウジング1
2との間の温度差は、最も大きくなり、ロータ27,3
2とロータハウジング12との間は、前記クリアランス
の変化が最も生じやすい箇所である。従って、ポンプ室
43に収容されたロータ27,32は、最も冷却を要す
る箇所である。冷却孔50,51は、ポンプ室43に対
応する回転軸19,20の部位に達しており、最小容積
のポンプ室43に収容されたロータ27,32の冷却が
冷却孔50,51を介して効率よく行える。
【0033】次に、図6の第2の実施の形態を説明す
る。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が付し
てある。回転軸19,20の軸線191,201上には
大径孔581,591及び小径孔582,592からな
る冷却孔58,59が形成されている。大径孔581,
591は、ポンプ室43に対応する回転軸19,20の
部位に達しており、小径孔582,592は、ポンプ室
42に対応する回転軸19,20の部位に達している。
大径孔581,591の表面積は小径孔582,592
の表面積よりも大きいため、大径孔581,591の冷
却作用は小径孔582,592の冷却作用よりも強い。
このように冷却作用に違いを持たせた構成は、回転軸1
9,20の軸方向における温度分布のきめ細かな制御を
可能にする。回転軸19,20の軸方向における温度分
布のきめ細かな制御は、回転軸19,20の軸線19
1,201の方向の任意の位置における回転軸19,2
0とロータハウジング12との温度差及びこの温度差の
変化を少なくすることを可能にする。
【0034】次に、図7の第3の実施の形態を説明す
る。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が付し
てある。ラジアルベアリング37,38とリップシール
56,57との間の回転軸19,20の部位には通路1
93,203が形成されている。通路193は、ラジア
ルベアリング37とリップシール56との間の空間と冷
却孔50とを連通している。通路203は、ラジアルベ
アリング38とリップシール57との間の空間と冷却孔
51とを連通している。通路193内の雰囲気の流体
は、回転軸19の回転による遠心力によって回転軸19
外へ放出され、通路203内の雰囲気の流体は、回転軸
20の回転による遠心力によって回転軸20外へ放出さ
れる。従って、冷却孔50,51内の雰囲気の流体が速
やかに入れ替わり、冷却孔50,51における冷却効率
が第1の実施の形態の場合よりも向上する。又、潤滑油
Yがリップシール56,57へ効率よく供給され、リッ
プシール56,57が十分に潤滑される。
【0035】次に、図8の第4の実施の形態を説明す
る。第3の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が付し
てある。冷却孔50,51の内周面には螺旋溝502,
512が形成されている。螺旋溝502の螺旋の向き
は、回転軸19の回転方向R1へ辿るにつれて冷却孔5
0の底部側から開口501側へ移行する向きである。螺
旋溝512の螺旋の向きは、回転軸20の回転方向R2
へ辿るにつれて冷却孔51の底部側から開口511側へ
移行する向きである。螺旋溝502,512は、ギヤ収
容室331内の雰囲気の流体を開口501,511から
冷却孔50,51内へ送り込む作用をもたらす。従っ
て、冷却孔50,51内の雰囲気の流体が速やかに入れ
替わり、冷却孔50,51における冷却効率が第3の実
施の形態の場合よりも向上する。
【0036】次に、図9の第5の実施の形態を説明す
る。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が付し
てある。冷却孔60,61は回転軸19,20を貫通し
ている。冷却孔60に螺着された押さえねじ62,63
は、抜け止め体64,65を回転軸19,20の端面に
押接する。抜け止め体64,65は、回転軸19,20
からのラジアルベアリング21,22の抜けを防止す
る。押さえねじ62,63の頭部とフロントハウジング
13との間にはシールリング66,67が介在されてい
る。シールリング66,67は、冷却孔60,61から
ラジアルベアリング21,22側への油洩れを防止す
る。ラジアルベアリング21,22は、封入されたグリ
ースによって潤滑されている。
【0037】冷却孔60,61は、全てのポンプ室39
〜43内のロータ23〜32の冷却の制御に有効であ
る。本発明では以下のような実施の形態も可能である。 (1)回転軸19,20内の冷却孔を油の存在しない空
間に連通し、この空間から熱を放散させること。 (2)第5の実施の形態において、リヤハウジング14
側からフロントハウジング13側へ向かうにつれて冷却
孔60,61の径を段階的に小さくしてゆくこと。 (3)ルーツポンプ以外の真空ポンプに本発明を適用す
ること。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように本発明では、熱を放
散するための放熱空間に隔壁を介して回転軸を突出さ
せ、前記放熱空間に突出する前記回転軸の突出端部に開
口を有するように前記回転軸内に冷却孔を設けたので、
ガス移送体を収容するハウジングとガス移送体との間の
所望のクリアランスの設定の容易性を向上し得るという
優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示す多段ルーツポンプ11
全体の平断面図。
【図2】(a)は図1のA−A線断面図。(b)は図1
のB−B線断面図。(c)は図1のC−C線断面図。
【図3】図1のD−D線断面図。
【図4】要部分解斜視図。
【図5】温度分布を表すグラフ。
【図6】第2の実施の形態を示す要部平断面図。
【図7】第3の実施の形態を示す要部平断面図。
【図8】第4の実施の形態を示す要部平断面図。
【図9】第5の実施の形態を示す平断面図。
【符号の説明】
11…真空ポンプである多段ルーツポンプ。14…隔壁
となるリヤハウジング。19,20…回転軸。23,2
4,25,26,27,28,29,30,31,32
…ガス移送体となるロータ。33…放熱ハウジングとな
るギヤハウジング。331…油存在領域となるギヤ収容
室。34,35…歯車機構を構成する歯車。37,38
…軸受けであるラジアルベアリング。39〜43…ポン
プ室。50,51…冷却孔。501,511…開口。5
2,53…冷却器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H003 AA05 AB06 AC01 BD09 BE07 CA01 CA02 CD01 3H029 AA06 AA09 AA16 AA21 AB06 BB01 BB12 CC08 CC09 CC16 CC17 CC48

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸の回転に基づいてガス移送体を動か
    し、前記ガス移送体の動作によってガスを移送して吸引
    作用をもたらす真空ポンプにおいて、 熱を放散するための放熱空間に隔壁を介して前記回転軸
    を突出させ、前記放熱空間に突出する前記回転軸の突出
    端部に開口を有するように前記回転軸内に冷却孔を設け
    た真空ポンプにおける冷却構造。
  2. 【請求項2】前記放熱空間は油存在領域である請求項1
    に記載の真空ポンプにおける冷却構造。
  3. 【請求項3】前記油存在領域は、前記回転軸を回転可能
    に支持するための軸受けを収容する領域である請求項2
    に記載の真空ポンプにおける冷却構造。
  4. 【請求項4】前記真空ポンプは、複数の前記回転軸を平
    行に配置すると共に、前記各回転軸上にロータを配置
    し、隣合う回転軸上のロータを互いに噛み合わせ、互い
    に噛み合った状態の複数のロータを1組として収容する
    複数のポンプ室を前記回転軸の軸線方向へ配列した多段
    真空ポンプであり、前記複数のポンプ室の容積は、前記
    回転軸の軸線方向に沿って前記隔壁に近づく順に小さく
    なってゆき、前記ガスは、前記容積が小さくなってゆく
    順に前記複数のポンプ室を経由して移送され、前記油存
    在領域に隣接するポンプ室は最小容積のポンプ室であ
    り、前記冷却孔は、前記油存在領域に隣接する最小容積
    の前記ポンプ室に対応する前記回転軸の部位に達してい
    る請求項2及び請求項3のいずれか1項に記載の真空ポ
    ンプにおける冷却構造。
  5. 【請求項5】複数の前記回転軸は、歯車機構を用いて同
    期して回転され、前記油存在領域は、前記歯車機構を収
    容する領域とし、前記油存在領域には前記歯車機構を潤
    滑するための油が貯留されている請求項4に記載の真空
    ポンプにおける冷却構造。
  6. 【請求項6】前記放熱空間を内包する放熱ハウジングの
    表面には冷却器が設置されており、前記冷却器は前記放
    熱ハウジングの表面を冷却する請求項1乃至請求項5の
    いずれか1項に記載の真空ポンプにおける冷却構造。
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