JP2001329307A - 球状体の製造方法 - Google Patents

球状体の製造方法

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JP2001329307A JP2000149445A JP2000149445A JP2001329307A JP 2001329307 A JP2001329307 A JP 2001329307A JP 2000149445 A JP2000149445 A JP 2000149445A JP 2000149445 A JP2000149445 A JP 2000149445A JP 2001329307 A JP2001329307 A JP 2001329307A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半田ボールなどの球状体を少ない工程で容易
かつ低コストで製造できる手段を提供する。 【解決手段】 球状体の原料を融液の状態で吐出口より
吐出させ,吐出量が所望の量になった時点で,流体の流
れにより吐出口で融液を分離させ,分離した球状体の原
料を融液の状態において表面張力により球形にさせた
後,冷却して固化させる。吐出口より吐出させた球状体
の原料を融液の状態で流体の流れによって容易に分離で
き,また融液の状態で所望の量に分離させるので,従来
のように半田などの原料を板材や線材に加工する工程が
不要となり,製造工程の短縮化がはかれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,例えばBGA(b
all grid array)やCSP(chip
size package)等の半導体パッケージのバ
ンプ材料に用いられる半田ボールの如き球状体を製造す
る方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体パッケージの分野において
は,内蔵される半導体チップに対し電気的な接続を行う
リードの代わりに半田ボール(半田バンプ)を装着した
BGAと呼ばれるものが知られている。かかるBGAに
利用される半田ボールを製造する場合,従来は箔等の板
材や線材に加工された半田を固体の状態で精密切り出し
や打ち抜き等をすることによって,半田を所望の量の原
料片に分離し,その後,原料片を加熱溶融させて表面張
力により球形化させ,更に冷却して固化させることによ
り,球状に成型した半田ボールを得ている。また,半田
ペースト(クリーム半田)を作成し,これをスクリーン
印刷や一定容積の穴があいた板などに刷り込む方法など
により半田を一定量分離し,その後,半田を加熱溶融さ
せて表面張力により球形化させる方法も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来は,
半田を所望の量ずつに分離する前工程として,板材,線
材や半田ペーストなどに半田を加工しなければならず,
製造工程の短縮化がはかり難かった。しかも半田を正確
に計量するためには,前工程で形成される板材の厚さや
線材等の太さなどについても正確な寸法精度等が要求さ
れるため,半田ボール製造におけるコストアップの要因
となっていた。今日,半田ボールに関しては特性面で大
きな不満はなく,むしろBGAやCSPなどの本格的な
普及期を迎え,価格面で大幅なコストダウンが可能な半
田ボールが求められている。そのためには,従来に比し
てより少ない工程で半田ボールを製造できる手段を確立
することが必要である。
【0004】従って本発明の目的は,半田ボールなどの
球状体を少ない工程で容易かつ低コストで製造できる手
段を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に,請求項1によれば,球状体の原料を融液の状態で吐
出口より吐出させ,吐出量が所望の量になった時点で,
流体の流れにより吐出口で融液を分離させ,分離した球
状体の原料を融液の状態において表面張力により球形に
させた後,冷却して固化させることを特徴とする,球状
体の製造方法が提供される。
【0006】この請求項1の製造方法によって製造され
る球状体としては,例えば請求項6に記載したように,
BGAやCSP等の半導体パッケージのバンプ材料に用
いられる半田ボールの如き球状体が例示される。また請
求項4に記載したように,球状体の原料は例えば金属で
あり,一例として半田(例えばSn−Pb共晶半田)が
例示される。また半田の他,球状体の原料は,請求項5
に記載したように,融液の液相線温度が450℃以下
(450℃以上であっても良い)である単体の金属又は
2種類以上の金属よりなる合金であっても良い。更に,
金属以外の材料を球状体の原料として用いることも可能
である。
【0007】この請求項1の製造方法によれば,吐出口
より吐出させた球状体の原料を融液の状態で流体の流れ
によって融液の状態で容易に所望の量に分離できるの
で,従来のように半田などの原料を板材や線材に加工す
る工程が不要となり,製造工程の短縮化がはかれるよう
になる。また,正確な寸法精度等が要求される板材や線
材に原料を加工しなくて良いので,製造が容易となり,
低コスト化を実現できるようになる。
【0008】請求項2に記載したように,前記流体の流
れが,一定であるか,周期的もしくはパルス的に変化す
るものであっても良い。そのような流体の流れによって
ノズル先端から融液を振り切ることにより,球状体の原
料を融液の状態で所望の量ずつに分離させることが可能
である。なお,球状体の原料は融液の状態でノズルから
連続的に吐出しても良いし,あるいは融液の状態でノズ
ルから断続的に吐出させても良い。
【0009】また請求項3に記載したように,前記流体
は,前記融液と反応しない気体又は液体であることが好
ましい。そうすれば球状体の原料を変質させることなく
分離させることができるようになる。なお,分離した球
状体の原料を融液の状態において表面張力により球形に
させる場合や,その後冷却及び固化させる場合も,球状
体の原料を変質させない雰囲気下で行うことが好まし
い。
【0010】請求項7によれば,球状体の原料を融液の
状態で吐出する原料ノズルと,この原料ノズルに対して
側方から流体を供給する流体ノズルを備えることを特徴
とする,球状体の製造装置が提供される。
【0011】この請求項7の製造装置にあっては,原料
ノズルから吐出させた球状体の原料に対し,原料ノズル
によって側方から流体を供給することにより,融液の状
態において容易に所望の量づつに分離できる。こうして
分離された球状体の原料は,先ず融液の状態のうちに表
面張力により球形に変形する。その後,球状体の原料を
冷却して固化させることにより,球状体を容易に製造で
きるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下,本発明の好ましい実施の形
態を図面を参照にして説明する。図1は,本発明の実施
の形態にかかる球状体の製造装置1の説明図である。こ
の実施の形態では,球状体の一例としてBGAやCSP
等の半導体パッケージのバンプ材料に用いられる半田ボ
ールaを製造する製造装置1について説明する。
【0013】装置本体10のほぼ上半部は成型部11に
なっており,ほぼ下半部は冷却部12になっている。装
置本体10の内部は,半田と反応しない流体であるシリ
コーンオイルによって満たされている。装置本体10の
周面にはバンドヒーター13,14が上下に装着されて
おり,これら各バンドヒーター13,14の加熱温度を
任意に制御することにより,装置本体10内に充填され
ているシリコーンオイル中に温度勾配を形成することが
可能である。上方のバンドヒーター13の加熱温度は下
方のバンドヒーター14の加熱温度よりも高温に設定さ
れており,これにより,装置本体10内上方の成型部1
1においては,シリコーンオイルは半田の融点以上の温
度(例えば190〜200゜C)に保たれている。一
方,装置本体10内下方の冷却部12においては,バン
ドヒーター14の加熱温度が低いため,成型部11にお
いては,シリコーンオイルは半田の融点以下の温度(例
えば160〜170゜C)に保たれている。このよう
に,装置本体10内に充填されているシリコーンオイル
には,上方が半田の融点以上の高温度となり,下方が半
田の融点以下の低温度となるように,緩やかな温度勾配
が形成されている。
【0014】装置本体10内上方の成型部11には,融
液状態の半田が充填された融液容器20と,融液(半
田)を分離させるための流体としてのシリコーンオイル
が充填された流体容器21が設置されている。これら融
液容器20と流体容器21は,半田の融点以上の温度に
保たれた成型部11にあるので,融液容器20内に充填
された半田は融液の状態を維持しており,また流体容器
21内に充填されたシリコーンオイルも半田の融点以上
の温度に保たれている。融液容器20と流体容器21
は,例えばSUS304等で構成されており,半田の融
点以上に加熱されても溶融しない。
【0015】融液容器20の上面にはガス配管22が接
続してあり,装置本体10の外部に設置されたガスボン
ベ23から不活性ガスとしての窒素ガスをガス配管22
を介して融液容器20内に供給することにより,融液容
器20内を加圧することが可能である。また同様に,流
体容器21の上面にはガス配管25が接続してあり,装
置本体10の外部に設置されたガスボンベ26から不活
性ガスとしてのアルゴンガスをガス配管25を介して流
体容器21内に供給することにより,流体容器21内を
加圧することが可能である。
【0016】融液容器20の底面には融液配管27が接
続してあり,融液配管27の先端は原料ノズル28に形
成されている。そして,前述のようにガスボンベ23か
ら不活性ガス(窒素ガス)をガス配管22を介して融液
容器20内に供給して加圧することにより,融液容器2
0内に充填されている球状体の原料としての半田を,融
液配管27を介して送液して原料ノズル28から融液の
状態で吐出することが可能である。
【0017】また同様に,流体容器21の底面には流体
配管29が接続してあり,流体配管29の先端は流体ノ
ズル30に形成されている。そして,前述のようにガス
ボンベ26から不活性ガス(アルゴンガス)をガス配管
25を介して流体容器21内に供給して加圧することに
より,流体容器21内に充填されているシリコーンオイ
ルを,流体配管29を介して送液して流体ノズル30か
ら吐出することが可能である。また図示はしないが,ガ
ス配管25にはガス圧を調整するためのバルブが備えら
れており,流体ノズル30から吐出されるシリコーンオ
イルの吐出量を一定にしたり,あるいは所定時間毎に一
定量のシリコーンオイルを吐出するなどといったよう
に,流体ノズル30から吐出されるシリコーンオイルの
吐出量を周期的に変化させることも可能である。なお図
示はしないが,装置本体10は流体ノズル30から吐出
されたシリコーンオイルの吐出量に見合うだけのシリコ
ーンオイルを装置本体10外に排出するためのリーク機
構を備えており,装置本体10内が高圧となることが防
止されている。
【0018】装置本体10内上方の成型部11には,融
液配管27と流体配管29を固定するための支持ブロッ
ク32が設けられている。この支持ブロック32に支持
された融液配管27と流体配管29及び原料ノズル28
と流体ノズル30はいずれも装置本体10内上方の成型
部11に配置されている。
【0019】図2は,原料ノズル28と流体ノズル30
の位置関係を示す拡大図である。前述のように支持ブロ
ック32に支持されることによって,この実施の形態で
は原料ノズル28は水平方向に配置され,流体ノズル3
0は鉛直方向下向きに配置されている。このように原料
ノズル28と流体ノズル30は直交するように配置さ
れ,原料ノズル28先端の吐出口33に対して側方(図
示の例では上方)から流体ノズル30がシリコーンオイ
ルを供給する位置関係に構成されている。
【0020】そして,前述のようにガスボンベ23から
不活性ガスが供給されて融液容器20内が加圧される
と,球状体の原料としての半田a’が原料ノズル28か
ら融液の状態で吐出される。こうして吐出された半田
a’が融液の状態で原料ノズル28の先端の吐出口33
に付着して,半田(融液)a’の液滴が形成されるよう
になっている。また一方で,前述のようにガスボンベ2
6から不活性ガスが供給されて流体容器21内が加圧さ
れると,シリコーンオイルが流体ノズル30から吐出さ
れる。これにより,図2に示すように,原料ノズル28
から吐出させた半田(融液)a’の吐出量が所望の量に
なった時点で,流体ノズル30から吐出されたシリコー
ンオイルの流れによって原料ノズル28先端の吐出口3
3から半田(融液)a’が切り離されて分離され,こう
して分離した半田(融液)a’は,装置本体10内に満
たされたシリコーンオイル中を自重で落下するようにな
っている。
【0021】前述した支持ブロック32で支持されるこ
とにより,融液配管27と流体配管29及び原料ノズル
28と流体ノズル30はいずれも半田の融点以上の温度
に維持された装置本体10内上方の成型部11に配置さ
れているので,融液配管27から原料ノズル28に送液
される間や原料ノズル28から融液の状態で吐出される
際,及び流体配管29から流体ノズル30に送液される
間や流体ノズル30から吐出される際においても,半田
とシリコーンオイルは半田の融点以上の温度に保たれる
ようになっている。また図2で説明したように,流体ノ
ズル30から吐出されたシリコーンオイルの流れによっ
て原料ノズル28先端の吐出口33から切り離されて分
離された半田(融液)a’は,装置本体10内上方の成
型部11を落下している間は,半田の融点以上の温度に
保たれ,これにより,融液の状態を維持するようになっ
ている。そして,このように融液の状態を維持しながら
落下することにより,半田(融液)a’は装置本体10
内上方の成型部11を落下している間に表面張力によっ
て球形に成型されるようになっている。
【0022】融液配管27と流体配管29は,いずれも
例えばSUS304等で構成され,半田の融点以上に加
熱されても溶融しないようになっている。なおこの実施
の形態では,融液配管27はSUS316製の細管(内
径0.25mm)で構成されている。
【0023】一方,原料ノズル28先端の吐出口33か
ら切り離されて分離された半田(融液)a’は,装置本
体10内上方の成型部11を通過した後,次に装置本体
10内下方の冷却部12を落下するようになっている。
前述したように,装置本体10内下方の冷却部12にお
いては,装置本体10内に満たされているシリコーンオ
イルは半田の融点以下の温度(例えば20〜40゜C)
に保たれているので,このように冷却部12を通過する
際には,半田(融液)a’は,半田の融点以下の温度ま
で冷却されるようになっている。これにより,半田(融
液)a’は装置本体10内下方の冷却部12を落下して
いる間に冷却されて,固化するようになっている。
【0024】さて,以上のように構成された本発明の実
施の形態の製造装置1において,ガスボンベ23から不
活性ガスを供給し,融液容器20内を加圧することによ
り,球状体の原料としての半田a’を原料ノズル28か
ら融液の状態で吐出させる。こうして吐出された半田
a’は,原料ノズル28の先端の吐出口33に付着し,
半田(融液)a’の液滴が形成される。また一方で,ガ
スボンベ26から不活性ガスを供給し,流体容器21内
を加圧することにより,シリコーンオイルを流体ノズル
30から吐出させる。これにより,先に図2で説明した
ように,原料ノズル28から吐出された半田(融液)
a’の吐出量が所望の量になった時点で,流体ノズル3
0から吐出されたシリコーンオイルの流れによって原料
ノズル28先端の吐出口33から半田(融液)a’が切
り離されて分離されることとなる。こうして分離した半
田(融液)a’は,装置本体10内においてシリコーン
オイル中を自重で落下していく。
【0025】こうして,原料ノズル28先端の吐出口3
3から分離して落下していく半田(融液)a’は,先ず
装置本体10内上方の成型部11を通過し,次いで装置
本体10内下方の冷却部12を通過していく。そして,
半田の融点以上の温度に維持された装置本体10内上方
の成型部11を落下している間は,半田(融液)a’は
融液の状態に維持され,その表面張力によって球形に変
形する。そして,こうして球形に変形した半田(融液)
a’は,次に装置本体10内下方の冷却部12を落下し
ていくが,冷却部12ではバンドヒーター14の加熱温
度の加熱温度が低く,半田の融点以下の温度(例えば1
60〜170゜C)となっているため,冷却部12を落
下中に半田(融液)a’は冷却されて固化することとな
る。こうして球状体となった半田ボールaが製造され
て,装置本体10の底部に溜まっていく。この場合,装
置本体10内に満たされているシリコーンオイルには上
方が半田の融点以上の高温度となり,下方が半田の融点
以下の低温度となるように,緩やかな温度勾配が形成さ
れているため,成型部11から冷却部12を落下してい
く半田(融液)a’は,急激な温度変化をうけることな
く,徐々に冷却されるので,温度の急変化による形状不
良等が発生しなくなる。
【0026】以上説明した本発明の実施の形態によれ
ば,原料ノズル28から吐出される半田(融液)a’
を,流体ノズル30から吐出されたシリコーンオイルの
流れによって融液の状態で所望の量ずつ分離させること
ができるので,従来のように原料を板材や線材に加工す
る工程が不要となり,半田ボールaの製造工程の短縮化
がはかれるようになる。また,正確な寸法精度等が要求
される板材や線材に原料を加工しなくて良いので,容易
に半田ボールaを製造でき,低コスト化を実現できる。
なお,製造される半田ボールaの大きさは,ガスボンベ
23やガスボンベ6からの不活性ガスの供給圧を変えて
融液配管27への半田(融液)a’の送液量や流体配管
29へのシリコーンオイルの送液量を適宜変更すること
により,調整することができる。また,流体ノズル30
から吐出されるシリコーンオイルの吐出量を一定にした
り,流体ノズル30から吐出されるシリコーンオイルの
吐出量を周期的に変化させることによって半田ボールa
の大きさを調整することも可能である。
【0027】以上,本発明の好ましい実施の形態の一例
を説明したが,本発明はここで説明した形態に限定され
ない。例えば原料ノズル28の先端は,図3に示すよう
に,内径が一定のパイプ状の吐出口33としても良い
が,図4,5に示すように,原料ノズル28の内面を先
端に行くほど内径が狭くなるテーパー状の吐出口33と
しても良い。なお,原料ノズル28先端の吐出口33か
ら半田(融液)a’を分離しやすくするためには,図5
に示すように,原料ノズル28の内面をなるべく大きな
テーパー角度にするのが好ましい。
【0028】また図示の形態では,原料ノズル28を水
平方向に配置し,流体ノズル30を鉛直方向下向きに配
置した例を説明したが,例えば原料ノズル28を鉛直方
向下向きに配置し,流体ノズル30を水平方向に配置し
ても良い。また原料ノズル28と流体ノズル30は必ず
しも直交させて配置しなくても良い。いずれにしても,
原料ノズル28の先端の吐出口33に付着している半田
(融液)a’の液滴を,流体ノズル30から吐出される
シリコーンオイルの流れによって切り離して分離できれ
ば良い。なお,半田(融液)a’の液滴を吐出口33か
ら切り離しやすくするためには,原料ノズル28と半田
(融液)a’との濡れ性が低いことが好ましく,例えば
原料ノズル28をステンレスで構成すると良い。
【0029】また以上の実施の形態では,球状体の一例
として半田ボールを製造する例について説明したが,球
状体の原料は,半田以外の金属や金属以外の材料などで
も良い。また,流体ノズル30から吐出される流体はシ
リコーンオイルに限らず他の液体や気体であっても良
い。更に,流体の流れの中に複数の吐出口が配置されて
いても良く,多数の吐出口からそれぞれ球状体の原料を
融液の状態で分離させることにより,短時間でより多く
の半田ボールを製造することが可能となる。
【0030】
【実施例】(実施例1)図1等で説明した本発明の実施
の形態の製造装置1を実際に用いて半田ボールを製造し
た。球状体の原料は,Sn−37Pbはんだを用いた。
また流体として,シリコーンオイル(東芝シリコーン社
製 TSF458−100)を用いた。流体ノズルから
吐出されるシリコーンオイルの流れの中に,SUS31
6製の細管(内径0.25mm,直管)を配置し,細管
先端に対して直交するようにシリコーンオイルを供給し
た。窒素ガスボンベより供給した窒素ガスにより配管系
を窒素置換した。次いで流体容器にシリコーンオイルを
充填した後,シリコーンオイルで満たした装置本体内に
流体容器,融液容器,各配管及び支持ブロックを浸漬せ
しめ,装置本体に装着した各バンドヒーターにて加熱し
て,装置本体内に充填されているシリコーンオイル中に
おいて,上方(成型部)が半田の融点以上の高温度とな
り,下方(冷却部)が半田の融点以下の低温度となるよ
うに,緩やかな温度勾配を形成する。そして,流体容器
内のシリコーンオイルと融液容器内の半田(融液)の温
度が195〜210℃になったことを確認した後,各ガ
スボンベより所定圧力で加圧し,融解容器内の半田(融
液)を5.0g/minで送液し,流体容器内のシリコ
ーンオイルを49cm/secで送液した。こうして,
原料ノズルから吐出させた半田(融液)を所望の量ごと
にシリコーンオイルの流れによって分離し,分離した半
田(融液)をシリコーンオイル中にて自重で落下させ
て,成型部において表面張力によって球形に変形させた
半田(融液)を冷却部において冷却固化せしめた。図6
は,この実施例1によって得られた半田ボールの外観を
示すSEM写真のスケッチである。写真倍率から粒径を
評価したところ,半田ボールの直径は0.76±0.0
2mm,真球度>95%であった。ここでの真球度は以
下の式で定義した。 真球度(%)=[1−(長径−短径)÷{(長径+短
径)÷2}]×100
【0031】(実施例2)実施例1と同様に,図1等で
説明した本発明の実施の形態の製造装置1を実際に用い
て半田ボールを製造した。融解容器内の半田(融液)を
5.0g/minで送液したのに対し,流体容器内のシ
リコーンオイルを78cm/secで送液して,原料ノ
ズルから吐出させた半田(融液)をシリコーンオイルの
流れによって分離した。その他の条件は,先に説明した
実施例1と同様である。図7は,この実施例2によって
得られた半田ボールの外観を示すSEM写真のスケッチ
である。写真倍率から粒径を評価したところ,半田ボー
ルの直径は0.50±0.02mm,真球度>95%で
あった。ここでの真球度は先と同様に定義した。
【0032】
【発明の効果】請求項1〜7によれば,球状体の原料を
融液の状態で流体の流れによって容易に分離でき,また
融液の状態で所望の量に分離させるので,従来のように
半田などの原料を板材や線材に加工する工程が不要とな
り,製造工程の短縮化がはかれるようになる。また,正
確な寸法精度等が要求される板材や線材に原料を加工し
なくて良いので,製造が容易となり,低コスト化を実現
できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる球状体の製造装置
の説明図である。
【図2】原料ノズルと流体ノズルの位置関係を示す拡大
図である。
【図3】原料ノズルの先端の拡大断面図である。
【図4】他の形状の原料ノズルの先端の拡大断面図であ
る。
【図5】他の形状の原料ノズルの先端の拡大断面図であ
る。
【図6】実施例1によって得られた半田ボールの外観を
示すSEM写真のスケッチである。
【図7】実施例2によって得られた半田ボールの外観を
示すSEM写真のスケッチである。
【符号の説明】
1 製造装置 a 半田ボール a’ 半田(融液) 10 装置本体 11 成型部 12 冷却部 13,14 バンドヒーター 20 融液容器 21 流体容器 22,25 ガス配管 23,26 ガスボンベ 27 融液配管 28 原料ノズル 29 流体配管 30 流体ノズル 32 支持ブロック 33 吐出口

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球状体の原料を融液の状態で吐出口より
    吐出させ,吐出量が所望の量になった時点で,流体の流
    れにより吐出口で融液を分離させ,分離した球状体の原
    料を融液の状態において表面張力により球形にさせた
    後,冷却して固化させることを特徴とする,球状体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記流体の流れが,一定であるか,周期
    的もしくはパルス的に変化することを特徴とする,請求
    項1の球状体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記流体は,前記融液と反応しない気体
    又は液体であることを特徴とする,請求項1又は2の球
    状体の製造方法。
  4. 【請求項4】 球状体の原料が金属であることを特徴と
    する,請求項1,2又は3のいずれかの球状体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 球状体の原料が,融液の液相線温度が4
    50゜C以下である単体の金属又は2種以上の金属より
    なる合金であることを特徴とする,請求項4の球状体の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記球状体は,半田ボールであることを
    特徴とする,請求項1,2,3,4又は5のいずれかの
    球状体の製造方法。
  7. 【請求項7】 球状体の原料を融液の状態で吐出する原
    料ノズルと,この原料ノズルに対して側方から流体を供
    給する流体ノズルを備えることを特徴とする,球状体の
    製造装置。
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