JP2001329105A - シリカゲル複合膜 - Google Patents

シリカゲル複合膜

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JP2001329105A
JP2001329105A JP2000154975A JP2000154975A JP2001329105A JP 2001329105 A JP2001329105 A JP 2001329105A JP 2000154975 A JP2000154975 A JP 2000154975A JP 2000154975 A JP2000154975 A JP 2000154975A JP 2001329105 A JP2001329105 A JP 2001329105A
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gel composite
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Susumu Hara
進 原
Naoto Abe
直人 阿部
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Japan Gore Tex Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリカゲルが本来有する化学的安定性、電気
的性質を有し、しかもハンドリングしやすいシリカゲル
膜を提供する。 【解決手段】 外部に連通する空孔を有する多孔質高分
子膜、及び該空孔に充填されたシリカゲルを含む。前記
シリカゲル複合膜の表面に、さらにシリカゲル層が積層
されていてもよい。本発明のシリカゲル複合膜は、55
0nmの光線透過率が60%以上であることが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリカゲルと多孔
質高分子膜との複合膜に関するもので、さらに詳述する
と、可撓性を有し、ハンドリング性を高めたシリカゲル
複合膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】シリカ
ゲルは、耐熱性、耐寒性、耐薬品性、絶縁性等の優れた
特性を有していることから、乾燥剤や触媒担体等、さら
に透明な場合には、断熱ガラスの充填材やソーラーコレ
クターの窓材等、幅広い用途に使用することができる。
【0003】しかしながら、シリカゲルは一般に粒状と
して提供され、粒状のシリカゲルは、容器等に入れる
か、あるいは支持体に支持して用いる必要があるため、
その用途が制限されている。一方、シリカゲルを膜とし
て得ることができれば、基材に貼付するだけでよく、し
かも基材の形状に対する要求が粒状の場合のように厳し
くないので、その用途は格段に広がることとなる。特に
透明なシリカゲル膜は、断熱ガラスの充填材やソーラコ
レクターの窓材などとして、その適用が期待されてい
る。
【0004】テトラエトキシシラン等のケイ素のアルコ
キシドゾルを用い、ゾル−ゲル法によりシリカゲル膜を
得ることができる。しかしながら、焼成によりガラス化
させていないシリカゲル膜、単なる乾コウ体としてのシ
リカゲル膜は、大変もろく、ハンドリングしにくいとい
う問題がある。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、シリカゲルが
本来有する化学的安定性、電気的性質を有し、しかもハ
ンドリングしやすいシリカゲル膜を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、多孔質高
分子膜の空孔内にシリカゲルを充填することにより、可
撓性を有し、しかもハンドリングに耐え得る強度を有す
るシリカゲル膜を得ることができることを見い出し、本
発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明のシリカゲル複合膜は、
外部に連通する空孔を有する多孔質高分子膜、及び該空
孔に充填されたシリカゲルを含むことを特徴とする。前
記シリカゲル複合膜の表面に、さらにシリカゲル層が積
層されていてもよい。
【0008】本発明のシリカゲル複合膜は、550nm
の光線透過率が60%以上であることが好ましい。
【0009】前記多孔質高分子膜は、延伸多孔質ポリテ
トラフルオロエチレン膜であることが好ましく、その膜
厚は、0.5〜20μmであることが好ましい。
【0010】本発明のシリカゲル複合膜は、さらに機能
性付与物質が担持されていてもよい。前記機能性付与物
質としては、導電性物質であってもよいし、触媒であっ
てもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のシリカゲル複合膜は、外
部に連通する空孔を有する多孔質高分子膜の空孔に、シ
リカゲルを充填したものである。
【0012】上記多孔質高分子膜としては、外部に連通
する空孔を有する高分子膜であればよい。高分子膜とし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロ
ピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂膜;ポリスチ
レン等のスチレン系樹脂膜;ポリテトラフルオロエチレ
ン、フッ化エチレン/フッ化プロピレン共重合体等のフ
ッ素系樹脂膜;ポリエステル膜;ポリアミド膜などが挙
げられる。これらの高分子膜の多孔質膜を得るために
は、成膜時に延伸する方法、発泡させる方法、成膜後に
空孔形成材を抽出する方法などの公知の方法を用いるこ
とができる。
【0013】これらのうち、耐熱性、耐寒性、耐薬品
性、低摩擦特性、非粘着性、絶縁性などの優れた特性を
有するという理由から、フッ素系高分子膜が好ましく用
いられ、特に延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン
(以下「ePTFE」という)膜が好ましく用いられ
る。
【0014】ePTFEとは、ポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)のファインパウダーを成形助剤と混合
することにより得られるペーストの成形体から、成形助
剤を除去した後あるいは除去せずに延伸し、さらに必要
に応じて焼成することにより得られるもので、一軸延伸
の場合、フィブリルが延伸方向に配向するとともに、フ
ィブリル間が空孔となった繊維質構造となっている。ま
た、二軸延伸の場合には、フィブリルが放射状に広が
り、ノード及びフィブリルで画された空孔が多数存在す
るクモの巣状の繊維質構造となっている。図1は、二軸
延伸のePTFE膜1を示している。このePTFE膜
1は、ノード及びフィブリルが骨格2を形成し、骨格2
間間隙に相当するフィブリル間またはノード及びフィブ
リルで画された部分が空孔3となっている。
【0015】本発明で使用する多孔質高分子膜の膜厚、
空孔度等は、高分子膜の種類、得られる複合膜の用途等
に応じて、適宜選択すればよい。例えば、可撓性を要す
る場合には、可撓性が保持される程度の厚みとする必要
がある。また高分子膜の膜厚により光線透過率が変わる
ので、透明性を要する用途に使用する場合には、ある程
度の光線透過率を有する厚みとすることが好ましい。
【0016】具体的には、ePTFE膜の場合、空孔率
20〜98%程度が好ましく、空孔の大きさは、最大孔
径が0.2〜6.5μmであることが好ましい。ここ
で、空孔率(%)は、下式から求められる。式中、真比
重とあるのは、ポリテトラフルオロエチレンの比重であ
る2.2となる。 空孔率=(真比重−見かけの比重)÷真比重×100 空孔の最大孔径は、下式に示すバブルポイントから求め
られた値である。式中、B.P.は膜の上面に2−プロ
パノールを注ぎ、下面から空気を圧入したときに連続し
た気泡が発生するときの圧力である 最大孔径=0.65÷B.P.
【0017】また、ePTFE膜を用いて、透明性を有
するシリカゲル複合膜を得たい場合、550nmの光線
透過率が10%以上、特に50%以上のePTFE膜を
用いることが好ましい。具体的には、膜厚は0.5〜2
0μmが好ましく、より好ましくは0.5〜5μmであ
る。ePTFE膜の光線透過率は、主としてePTFE
膜の厚みに依存するため、上記光線透過率を確保するた
めには、20μm以下とする必要があるからである。一
方、0.5μm未満のePTFE膜の製造は現在のとこ
ろ困難だからである。
【0018】以上のような構成を有する多孔質高分子膜
の空孔にシリカゲルを充填するには、シリカゲルの原料
となるケイ素のアルコキシド溶液から調製したゾルに、
多孔質高分子膜を浸漬し、乾燥するだけでよい。
【0019】シリカゲルの原料となるケイ素のアルコキ
シドとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラ
エトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ
ブトキシシランなどのテトラアルコキシシランが挙げら
れる。これらのうち、テトラエトキシシランが好ましく
用いられる。
【0020】ケイ素のアルコキシド溶液は、アルコキシ
ゾルとして使用する。ケイ素のアルコキシゾルは、ケイ
素のアルコキシドに、アルコール、さらには加水分解に
必要な水、触媒としての酸あるいは塩基を加えて、室温
〜80℃で0.5〜24時間程度反応することにより得
られる。このような条件下では、アルコキシドの加水分
解と重縮合を行なわれて、Si−O結合によるオリゴマ
ー化、さらにはポリマー化したシロキサンが生成されて
いる。
【0021】使用するアルコールとしては、メタノー
ル、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノー
ル、ブタノール等が挙げられる。
【0022】必要に応じて添加される触媒としては、塩
酸、硫酸、硝酸、酢酸、ふっ酸等の酸;水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、アンモニア等の塩基類が挙げられ
る。
【0023】上記のようにして調製したアルコキシドゾ
ルに、多孔質高分子膜を浸漬することにより、あるいは
多孔質高分子膜の表面にスプレーやロール等を用いてア
ルコキシゾルを塗布等することにより、多孔質高分子膜
の空孔にアルコキシドゾルが充填、含浸される。また、
多孔質高分子膜の表面に、アルコキシドゾルが塗布され
た状態となる。
【0024】このようにして得られたアルコキシドゾル
が含浸された多孔質高分子膜を乾燥する。乾燥により、
溶媒としてのアルコールが揮発し、加水分解と重合反応
によりゲル化する。すなわちシリカゲルが形成される。
つまり、空孔に充填されていたアルコキシゾルは、空孔
を閉塞するようなシリカゲル膜となり、多孔質高分子膜
表面に付着していたアルコキシゾルは、多孔質高分子膜
表面に、シリカゲルの層を形成することになる。具体的
には、多孔質高分子としてePTFE膜を用いた場合、
図2または図3に示すような複合膜10,10′が得ら
れる。図2に示すシリカゲル複合膜は、ePTFE膜1
の空孔、すなわち骨格2間間隙にシリカゲル4の膜が形
成されている。図3に示すシリカゲル複合膜10′は、
ePTFE膜1の空孔にシリカゲル4が充填されている
だけでなく、ePTFE膜の表面にシリカゲル層5が形
成されている。
【0025】乾燥は、常圧で行ってもよいし、減圧下で
行ってもよいし、さらに真空乾燥してもよい。また乾燥
温度は、室温で放置するだけでもよいし加熱してもよ
い。また、乾燥は、テンションをかけて張った状態で行
うことが好ましい。多孔質高分子膜に予めテンションか
けて張った状態でシリカゾルのアルコール液に浸漬し、
そのままの状態で取出して乾燥してもよい。
【0026】このようにして作成されたシリカゲル複合
膜は、シリカゲル本来の電気的絶縁性、耐熱性、耐薬品
性などの化学的安定性、電気的安定性を有するほか、ハ
ンドリングに困らない程度の強度を有し、しかも可撓性
を有するシリカゲル複合膜が得られる。つまり、本発明
のシリカゲル複合膜は、500〜800℃に焼成されな
い限りは、ガラス化しないため、支持体として使用した
多孔質高分子膜に由来して、可撓性を有している。これ
は、シリカゲルの膜としては、今までになかったユニー
クな膜である。従って、従来シリカゲルが粒状であった
が故に使用が制限されていた分野、用途にも利用するこ
とが可能となる。例えば、容器内壁面に本発明のシリカ
ゲル膜を貼付するだけで、消臭、脱臭、除湿機能を有す
る容器を提供することが可能となる。また、触媒担体と
して用いる場合、膜に触媒を付着させるだけで、触媒機
能を有する膜が得られるので、これを例えばロール状に
巻き付ける等すれば、搬送面をはじめ、取り扱いが便利
になる。
【0027】また、本発明のシリカゲル複合膜は、一般
に多孔質高分子膜単独と比べて、透明性が向上する傾向
にある。例えば、多孔質高分子膜としてePTFE膜を
用いた場合、ePTFE膜の膜厚を選択することにより
(具体的には、20μm以下のePTFE膜を用いるこ
とにより)、550nmの光線透過率が60%以上のシ
リカゲル複合膜を得ることができる。
【0028】このような光線透過率を有するシリカゲル
複合膜であれば、透明性を要求する用途に利用できる。
具体的には、ガラスや液晶のような基材に貼付しても、
基材の模様や透明性等を損なうことなく、シリカゲルの
機能を付与することができる。
【0029】尚、特開平6−32935号に、多孔質高
分子膜を、テトラアルコキシシランのゾルに浸漬した複
合膜が開示されている。この複合膜は、テトラアルコキ
シシランのゾルに浸漬した後、さらに温水に浸漬してア
ルコキシドを加水分解及び重合することにより、多孔質
高分子膜の骨格表面に加水分解物であるシリカを付着さ
せ、空孔内に充填されていたシリカゾルを溶出させてい
る。よって、多孔質高分子膜の骨格表面に、シリカが付
着しただけであって、空孔内にシリカゲルが充填される
ことはなく、多孔質構造が基本的に維持されたものとな
っている。従って、当該公報に開示されている金属酸化
物の複合膜は、金属酸化物としてシリカを用いたとして
も、シリカゲル膜としての機能は示さない。また、シリ
カゲルの充填による光線透過率を向上させる効果もない
ので、多孔質高分子膜本来の光線透過性が維持されるこ
とになり、透明なシリカゲル複合膜(特に透明なシリカ
ゲル−ePTFE複合膜)を得ることができない。
【0030】本発明のシリカゲル複合膜に、機能性付与
物質を担持させて、特殊な機能を有するシリカゲル複合
膜として用いることができる。シリカゲル自体は、化学
的、電気的に安定であるため、多孔質高分子膜としてフ
ッ素系高分子膜のように、化学的、電気的に安定な多孔
質高分子膜を用いれば、機能性付与物質の機能を十分に
発揮させることができるからである。かかる意味におい
ても、多孔質高分子膜として、ePTFE膜を用いるこ
とが好ましい。
【0031】使用することができる機能性付与物質とし
ては、導電性物質、触媒、エレクトロクロミック物質、
液晶物質などが挙げられる。
【0032】導電性物質としては、スズドープ酸化イン
ジウムに該当するインジウム・スズ酸化物(ITO)、
フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アンチモンドープ酸
化スズ(ATO)、酸化亜鉛などを用いることができ
る。このような導電性物質を担持することにより、シリ
カゲル複合膜を電磁波遮断膜として利用することができ
る。
【0033】また、シリカゲルを触媒担体として使用す
る場合、ニッケルやコバルト等の反応触媒を担持しても
よい。シリカゲルは従来より触媒担体として用いられる
が、本発明のフレキシブルなシリカゲル複合膜を用いる
ことにより、その形状等により使用が制限されていた用
途にも利用することができる。また、ロール状に巻いて
用いることにより、触媒面積を増やすこともできる。さ
らに、シリカゲル複合膜が透明な場合、酸化チタンや酸
化スズ等の所謂光触媒を用いることも有用である。光触
媒の担持により、本発明の透明なシリカゲル複合膜を紫
外線遮断膜として用いることもできるし、光触媒機能を
有する膜として用いることもできる。
【0034】さらに、酸化タングステンやポリアニリン
等のエレクトロクロミック材料を用いることにより、エ
レクトロクロミック膜が得られる。透明なエレクトロク
ロッミック膜は、窓に貼付することによりスマートウィ
ンドウにすることができる。さらにまた、機能性物質と
して液晶を用いることにより、液晶機能を有する膜を得
られることになる。
【0035】これらの機能性付与物質は、アルコキシド
ゾルに混合して、高分子多孔質膜の空孔に形成されるシ
リカゲル膜中あるいはシリカゲル層内に分散されるよう
にしてもよいし、シリカゲル複合膜を形成した後、機能
性付与物質を含有する溶液等を該複合膜を浸漬あるいは
塗布等することにより、機能性付与物質層を形成するよ
うにしてもよい。機能性付与物質が、反応触媒のよう
に、外部に触れる必要がある場合には、シリカゲル複合
膜の少なくとも一面に、機能性付与物質が高濃度で含ま
れている機能性物質層を形成するようにすることが好ま
しい。
【0036】
【実施例】〔評価、測定方法〕 膜厚 株式会社ミツトヨ製デジマチックマイクロメータNo.
293−421−20を用いて測定した。
【0037】透明性 550nmでの光線透過率を測定し、これを透明性の指
標とした。
【0038】光線透過率は、株式会社島津製作所製紫外
可視分光高度計UV−240を用いて測定した。
【0039】〔シリカゲル複合膜の製造〕 ・複合膜No.1〜3;テトラエトキシシラン(信越シ
リコーン株式会社)100質量部、水52質量部、エタ
ノール133質量部を、塩化カルシウム管により外気か
らの水分供給を遮断した還流下において、80℃、24
時間反応させて、テトラエトキシシランのゾルを調製し
た。このテトラアルコキシシランゾルに、表1に示すよ
うなePTFE膜を10分間浸漬し、ePTFE膜の空
孔にテトラエトキシシランゾルを含浸させた。テトラエ
トキシシランゾルを含浸させたePTFE膜を取出し、
150℃で30分間真空乾燥して、シリカゲル複合膜N
o.1〜3を得た。得られたシリカゲル複合膜の光線透
過率、膜厚、重量増加は、表1に示す通りである。
【0040】・複合膜No.4;複合膜No.1〜3の
製造で調製したテトラエトキシシランゾルに、表1に示
すようなePTFE膜を10分間浸漬し、ePTFE膜
の空孔にテトラアルコキシシランゾルを含浸させた。テ
トラエトキシシランゾル液を含浸させたePTFE膜を
取出し、これを水中に30分間浸漬した。その後、取出
したePTFE膜を150℃で30分間真空乾燥して、
シリカゲル複合膜No.4を得た。得られたシリカゲル
複合膜の光線透過率、膜厚、重量増加は、表1に示す通
りである。
【0041】
【表1】
【0042】上記で製造した複合膜No.1〜4のう
ち、No.1〜3が、本発明の実施例に該当し、テトラ
アルコキシシランゾルを含浸させた後、加水分解により
空孔内のアルコキシドゾルを溶出した複合膜No.4が
比較例に該当する。つまり、No.1〜3は、いずれも
重量増加及び膜厚増加が大きく、空孔内にシリカゲルが
充填され、さらにePTFE膜表面にシリカゲルが積層
されたことがわかる。特に、ePTFE膜の厚みが20
μm以下のNo.1,2では、シリカゲルの充填によ
り、光線透過率は、元のePTFE膜の透過率よりも増
大し、透明性が増大している。
【0043】一方、複合膜No.4は、厚み及び重量の
増大はほとんど認められず、シリカゲルは、ePTFE
膜のフィブリル表面に付着した程度であると考えられ
る。すなわちePTFE膜の多孔質構造が維持されてい
ると考えられる。そして、ePTFE膜の厚みが20μ
m以下であるにもかかわらず、光線透過率の増大も認め
られなかった。一方、複合膜No.4は水に対する濡れ
性が大きく、親水性が向上していた。
【0044】〔機能性付与物質を担持したシリカゲル複
合膜の製造〕 ・複合膜No.5;住友金属鉱山株式会社製インジウム
・スズ酸化物(ITO)インクであるITO・M6に和
光純薬工業株式会社ポリビニルブチラール2000(平
均重合度1900〜2100)を1g/dm3の濃度に
なるように調製した。このITO液に、上記で製造した
シリカゲル複合膜No.1を浸漬した後、150℃で3
0分間真空乾燥することにより、ITOを担持したシリ
カゲル複合膜を得た。この膜の光線透過率は69%、膜
厚は5ミクロン、表面抵抗率は6.9×105Ω/□で
あった。
【0045】
【発明の効果】本発明のシリカゲル複合膜は、可撓性を
有し、しかもハンドリングできる程度の強度を有してい
るので、従来ガラス状又は粒状でしか得られなかったシ
リカゲルが、薄膜として得られる。よって、基材に貼付
したりするだけで、シリカゲルの機能を基材に付与する
ことができるので、複雑な形状の基材や容器であって
も、シリカゲルとしての機能を均等に付与することがで
きる。
【0046】また、シリカゲル複合膜、特に化学的、電
気的に安定なフッ素系高分子の多孔質膜と組み合せるこ
とにより、担体として安定なシリカゲル複合膜を得るこ
とができるので、これに機能性付与物質を担持すれば、
当該機能を有する薄膜が得られることになる。
【0047】さらに、透明なシリカゲル複合膜では、基
材の模様や風合いなどが重視される場合や、基材がガラ
スのように透明性を要求される場合にも使用することが
でき、貼付するだけで、透明性を損なうことなく、シリ
カゲルの機能を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる多孔質高分子膜の一例であ
るePTFE膜の構成を示す模式断面図である。
【図2】多孔質高分子膜としてePTFE膜を用いた場
合のシリカゲル複合膜の一実施形態を示す模式断面図で
ある。
【図3】多孔質高分子膜としてePTFE膜を用いた場
合のシリカゲル複合膜の別の実施形態を示す模式断面図
である。
【符号の説明】
1 ePTFE膜 2 骨格 3 空孔 4 シリカゲル 5 シリカゲル層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA39 AC32 CA02 CA03 CE15 CE37 CE74 CE75 CE94 CE98 DA23 DA32 DA59 4G066 AA22B AB18A AC15C BA03 BA05 BA20 BA38 CA02 CA43 DA03 FA09 FA12 FA21 4G069 AA01 AA03 BA03A BA03B BA04A BA22A BA22B BA38 BA48A BB02A BB04A BC22A BC67A BC68A BE34A BE34B EA08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部に連通する空孔を有する多孔質高分
    子膜、及び該空孔に充填されたシリカゲルを含むことを
    特徴とするシリカゲル複合膜。
  2. 【請求項2】 前記シリカゲル複合膜の表面に、さらに
    シリカゲル層が積層されている請求項1に記載のシリカ
    ゲル複合膜。
  3. 【請求項3】 550nmの光線透過率が60%以上で
    ある請求項1又は2に記載のシリカゲル複合膜。
  4. 【請求項4】 前記多孔質高分子膜は、延伸多孔質ポリ
    テトラフルオロエチレン膜である請求項1〜3のいずれ
    かに記載のシリカゲル複合膜。
  5. 【請求項5】 前記延伸多孔質ポリテトラフルオロエチ
    レン膜の膜厚は、0.5〜20μmである請求項4に記
    載のシリカゲル複合膜。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のシリカ
    ゲル複合膜に、機能性付与物質が担持されているシリカ
    ゲル複合膜。
  7. 【請求項7】 前記機能性付与物質は、導電性物質であ
    る請求項6に記載のシリカゲル複合膜。
  8. 【請求項8】 前記機能性付与物質は、触媒である請求
    項6に記載のシリカゲル複合膜。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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