JP2001328608A - トップシール式包装装置 - Google Patents

トップシール式包装装置

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JP2001328608A
JP2001328608A JP2000149758A JP2000149758A JP2001328608A JP 2001328608 A JP2001328608 A JP 2001328608A JP 2000149758 A JP2000149758 A JP 2000149758A JP 2000149758 A JP2000149758 A JP 2000149758A JP 2001328608 A JP2001328608 A JP 2001328608A
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tray
film
roller
opening
type packaging
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JP2000149758A
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Minoru Oshita
実 大下
Toshio Oguri
利夫 小栗
Norio Kawanishi
紀男 川西
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Ishida Co Ltd
Original Assignee
Ishida Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トレー毎に型を用意しなくてもトップシール
方式によってフィルム包装することができる包装装置を
提供する。 【解決手段】 包装装置は、上部が開口したトレーTに
対して、トレー内に被包装物を収容した状態で開口をフ
ィルムで覆い、トレーのフランジにフィルムを溶着する
装置である。この包装装置は、ローラと、ローラ旋回機
構と、制御部とを備えている。ローラは、フィルムの上
方からフランジに当接して、フランジを加熱する。ロー
ラ旋回機構は、ローラをフランジに沿って移動させる。
制御部は、ローラ旋回機構によるローラの旋回速度を、
トレーの特性やフィルムの特性に合わせて制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トップシール式包
装装置、特に、上部が開口したトレーに対して、トレー
内に被包装物を収容した状態で開口をフィルムで覆い、
トレーの開口周囲部分にフィルムを溶着するトップシー
ル式包装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、肉や魚などの生鮮食品、また総菜
などの加工食品の包装方式として、オーバーラップ方式
が多く採用されている。このオーバーラップ方式は、ト
レーに被包装物を盛りつけした後に、フィルムによって
トレー全体を包み込む方式である。
【0003】しかし、オーバーラップ方式の場合、トレ
ー及び被包装物全体を包み込まなければならず、またシ
ールするためにフィルムを重ねなければならないので、
トレーの平面的な大きさの数倍の大きさのフィルムが必
要となる。また、フィルムをトレー底面で重ね合わせ、
トレー底面を熱板に押し当てることでシールを行ってい
ることが多く、密封性に劣る。
【0004】これに対し、上面が開口しているトレーの
開口だけにフィルムを持ってきて、トレーの開口周囲部
分とフィルムとを溶着させる方式(以下、トップシール
方式と称する。)が、オーバーラップ方式に代わって一
部で採用されている。このトップシール方式では、オー
バーラップ方式を採用する場合に較べて、使用するフィ
ルム量を半減させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このトップシール方式
は、従来においては、シメジなどキノコ類の包装を中心
に採用されている。その具体的な形態としては、主とし
て、開口周辺のトレー側面に糊をつけておき被せたフィ
ルムの端部をここに接着させる形態と、トレーとトレー
の平面の面積よりも大きなフィルムとを型で挟み込んで
圧力とともに熱を加えることによって熱溶着を行う形態
とが存在する。
【0006】しかしながら、上記のトップシール方式の
形態では、いずれもトレー形状及びトレーサイズに対応
した型が必要となる。このため、多種多様なトレーに被
包装物を盛りつけて包装しなければならず複数のタイプ
のトレーを使う業界では、トップシール方式ではなく、
オーバーラップ方式が採用されていることが多い。フィ
ルムの使用量を低減させシールの密封性を向上させると
いうメリットを持ったトップシール方式であるが、現状
においては、異なる形状及びサイズのトレー毎に型を用
意しなければならないことから採用が見送られているこ
とが多い。
【0007】本発明の課題は、形状及びサイズの異なる
トレー毎に型を用意しなくてもトップシール方式によっ
てトレーに入れられた被包装物をフィルムで包装するこ
とができる包装装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係るトップシ
ール式包装装置は、上部が開口したトレーに対して、ト
レー内に被包装物を収容した状態で開口をフィルムで覆
い、トレーの開口周囲部分にフィルムを溶着する装置で
ある。このトップシール式包装装置は、加熱手段と、移
動手段と、制御部とを備えている。加熱手段は、フィル
ムの上方からトレーの開口周囲部分に当接して、トレー
の開口周囲部分を加熱する。移動手段は、加熱手段をト
レーの開口周囲部分に沿って移動させる。制御部は、移
動手段あるいは加熱手段の動作条件を、トレーの特性及
びフィルムの特性の少なくとも一方に合わせて制御す
る。
【0009】請求項1の包装装置では、フィルムの上か
らトレーの開口周囲部分に加熱手段を当接させること
で、フィルムとトレーの開口周囲部分とを熱溶着させ
る。そして、移動手段によって加熱手段をトレーの開口
周囲部分に沿って移動させることで、トレーの開口周囲
部分の各部に対して加熱手段を接触させ、トレーの開口
周囲部分の全周に対してフィルムを溶着させることが可
能である。
【0010】このように、ここでは、加熱手段をトレー
の開口周囲部分に接触させて移動手段によって加熱手段
を移動させることで、トレーサイズやトレー形状にかか
わらず、多種多様なトレーを包装することができるよう
になる。すなわち、従来のように種類の異なるトレー毎
に型を用意してトレーに対応させて型交換を行う作業が
不要となり、装置のコストダウンや包装作業の効率化を
図ることができるようになる。
【0011】さらに、請求項1の包装装置では、移動手
段あるいは加熱手段の動作条件を、トレーの特性及びフ
ィルムの特性の少なくとも一方に合わせて制御してい
る。トレーの特性やフィルムの特性によって溶着に必要
な熱量が異なるが、これらの特性に合わせて動作条件を
制御することによって、加熱の過不足による溶着不良を
回避することができる。例えば、移動速度が速すぎれば
必要な熱量が少なくなって溶着されない部分が発生し、
遅すぎれば過剰な熱量を与えることになりフィルムに穴
が開いたりする恐れがある。また、加熱温度が高すぎれ
ばフィルムが溶けすぎて密封性が損なわれたり、低すぎ
れば溶着されなかったりする恐れがある。これらの不具
合は、本請求項の装置のように動作条件を制御すること
によって、抑制することが可能である。さらに、トレー
の各部の強度や形状といったトレーの特性を基に動作条
件を細かく制御することによって、トレーの開口周囲部
分の各部での溶着条件を揃えることも可能である。
【0012】請求項2に係るトップシール式包装装置
は、請求項1に記載の装置であって、加熱手段は、トレ
ーの開口周囲部分の上を転動するローラである。また、
移動手段は、ローラを旋回軸周りに旋回させることによ
って、ローラをトレーの開口周囲部分に沿って移動させ
る。ここでは、ローラを旋回軸周りに旋回させるため、
角形のトレーの場合、旋回速度を一定とすれば、トレー
の開口周囲部分の直線部とコーナー部とでローラの移動
速度に違いが出る。すなわち、コーナー部におけるトレ
ーとローラとの相対移動速度が直線部におけるトレーと
ローラとの相対移動速度よりも速くなるといった違いが
発生する。
【0013】これに対し、本発明に係る装置ではトレー
の各部の強度や形状といったトレーの特性を基に移動手
段や加熱手段の動作条件を細かく制御することが可能な
ので、各部におけるトレーとローラとの相対移動速度を
略一定としたり、トレーとローラとの相対移動速度の違
いをカバーするように加熱手段による加熱をトレーの開
口周囲部分の各部において変えたりすることができるよ
うになる。
【0014】このように、本請求項の装置によれば、ト
レーの開口周囲部分の各部とフィルムとを均等な溶着度
合いでシールすることが可能となる。請求項3に係るト
ップシール式包装装置は、請求項1又は2に記載の装置
であって、制御部が制御する動作条件の少なくとも1つ
は、移動手段による加熱手段の移動速度である。
【0015】請求項4に係るトップシール式包装装置
は、請求項1から3のいずれかに記載の装置であって、
制御部が制御する動作条件の少なくとも1つは、加熱手
段による加熱温度である。請求項5に係るトップシール
式包装装置は、請求項1から4のいずれかに記載の装置
であって、制御部は、動作条件を、トレーの開口周囲部
分の各部において変える制御を行う。
【0016】請求項6に係るトップシール式包装装置
は、上部が開口したトレーに対して、トレー内に被包装
物を収容した状態で開口をフィルムで覆い、トレーの開
口周囲部分にフィルムを溶着する装置である。このトッ
プシール式包装装置は、加熱手段と、移動手段と、角度
調節機構と、制御部とを備えている。加熱手段は、フィ
ルムの上方からトレーの開口周囲部分に当接して、トレ
ーの開口周囲部分を加熱する。移動手段は、加熱手段を
トレーの開口周囲部分に沿って移動させる。角度調整機
構は、トレーの開口周囲部分に対して加熱手段が当接す
る角度の調節を行う。制御部は、角度調整機構による角
度の調整を、トレーの特性及びフィルムの特性の少なく
とも一方に合わせて制御する。
【0017】請求項6の包装装置では、フィルムの上か
らトレーの開口周囲部分に加熱手段を当接させること
で、フィルムとトレーの開口周囲部分とを熱溶着させ
る。そして、移動手段によって加熱手段をトレーの開口
周囲部分に沿って移動させることで、トレーの開口周囲
部分の各部に対して加熱手段を接触させ、トレーの開口
周囲部分の全周に対してフィルムを溶着させることが可
能である。
【0018】このように、ここでは、加熱手段をトレー
の開口周囲部分に接触させて移動手段によって加熱手段
を移動させることで、トレーサイズやトレー形状にかか
わらず、多種多様なトレーを包装することができるよう
になる。すなわち、従来のように種類の異なるトレー毎
に型を用意してトレーに対応させて型交換を行う作業が
不要となり、装置のコストダウンや包装作業の効率化を
図ることができるようになる。
【0019】また、トレーの開口周囲部分に加熱手段を
角度をつけて当てることができるため、加熱手段とトレ
ーの開口周囲部分との間にフィルムが挟まれた状態にお
いて、加熱手段をトレーの開口周囲部分に密着している
フィルムの部分にだけ当て、開口周囲部分に囲まれる開
口を覆っているフィルムの部分には接触させないように
することができる。このため、開口を覆っているフィル
ムが溶けたり、フィルムに微細な穴が開いたりすること
を抑えることができるようになる。
【0020】さらに、この請求項6の包装装置では、ト
レーの特性やフィルムの特性に合わせて角度調整機構に
よる角度の調整を制御している。トレーの特性やフィル
ムの特性によって溶着に必要な圧力が異なるが、これら
の特性に合わせて動作条件を制御することによって、圧
力の過不足による溶着不良を回避することができる。例
えば、角度がきつく垂直に近ければ圧力不足となって溶
着されない部分が発生し、角度がゆるく水平に近ければ
開口を覆うフィルムの部分にまで熱や圧力が作用してフ
ィルムにピンホールが開く恐れがある。これらの不具合
は、本請求項の装置のように角度の調整を制御すれば、
抑制することが可能である。さらに、トレーの各部の強
度や形状といったトレーの特性を基に動作条件を細かく
制御することによって、トレーの開口周囲部分の各部で
の溶着条件を揃えることも可能である。
【0021】請求項7に係るトップシール式包装装置
は、請求項6に記載の装置であって、制御部は、角度調
整機構による角度の調整を、トレーの開口周囲部分の各
部において変える制御を行う。形状や材質、厚みなどの
トレーの特性から、トレーの開口周囲部分の強度が各部
において異なることがある。この場合には、トレーの開
口周囲部分に当接する加熱手段の当接角度や圧力が同じ
でも、トレーの開口周囲部分の各部の変形度合いが違う
ため、場所によって溶着の度合いが異なるという不具合
が起こる。
【0022】これに鑑み、本請求項の装置では、角度調
整機構による角度の調整を、トレーの開口周囲部分の各
部において変えている。これにより、トレーの開口周囲
部分の各部とフィルムとをより均等な溶着度合いでシー
ルすることが可能となる。請求項8に係るトップシール
式包装装置は、請求項1から7のいずれかに記載の装置
であって、制御部は、トレー毎に、データファイルを有
している。データファイルには、トレーの特性データ及
びフィルムの特性データの少なくとも一方が記憶されて
いる。
【0023】請求項9に係るトップシール式包装装置
は、請求項8に記載の装置であって、トレーの特性デー
タは、トレーの開口周囲部分の形状、トレーの開口周囲
部分のサイズ、及びトレーの材質の少なくとも1つであ
る。請求項10に係るトップシール式包装装置は、請求
項8に記載の装置であって、フィルムの特性データは、
フィルムの材質から導かれる溶着温度、表面摩擦抵抗、
及び吸湿性の少なくとも1つである。
【0024】
【発明の実施の形態】<装置の概略>本発明の一実施形
態である包装装置を図1に示す。ここに示す包装装置1
は、肉や魚などの生鮮食品や総菜などの加工食品を収容
したトレーTの上部開口oをフィルムFmで覆い(図8
参照)、トレーTの開口oの周囲に位置するフランジf
とフィルムFmとを熱融着させてシールする、いわゆる
トップシール方式の包装装置である。
【0025】<装置の構成>この包装装置1は、図1に
示すように、主として、フレーム1aと、トレーTを保
持する保持部材2と、保持部材2の上方に位置するロー
ラ3と、保持部材2とローラ3との間にフィルムFmを
供給するフィルム供給機構5と、保持部材2を昇降させ
るリフト機構6と、ローラ3を主として上下に移動させ
るローラ上下移動機構7と、ローラ3を旋回させるロー
ラ旋回機構8と、ローラ角度調整機構9(図4参照)
と、各機構の制御を行う制御部10(図7参照)とから
構成されている。
【0026】<各部の構成詳細> (保持部材)保持部材2は、トレーTをその上面に載せ
て保持するものであり、リフト機構6によって昇降させ
られる。この保持部材2に対してトレーTを載せる作業
は、操作者が手作業で行ってもよいし、別に用意された
トレーTの搬送装置のようなものから自動的に移載する
ようにしてもよい。
【0027】また、ここでは採用していないが、四方か
らトレーTの側面に当たりトレーTの位置ズレを防ぐト
レー側面保持部材を設けて、トレーTの位置ズレ、特に
回転方向を含む平面的な位置ズレを防ぐようにすること
もできる。また、トレーTの下面を吸着する吸着装置を
設けて、トレーTの位置ズレを防ぐようにすることもで
きる。
【0028】(ローラ)ローラ3は、円筒状の部材であ
って、後述するローラ上下移動機構7のローラ支持部材
71によって回転自在に軸支されているものである。ロ
ーラ3の表面には、他の部分よりも柔らかい層が形成さ
れている。具体的には、ローラ3の表面は樹脂や合成ゴ
ム等の弾性物により形成されており、トレーTのフラン
ジfの表面に微少な凹凸がある場合にもフィルムFmと
フランジfとの圧着が確保されるようになっている。ま
た、フィルムFmとの摩擦力を確保することにより、ロ
ーラ3を確実に転動させ、ピンホール等のない確実なシ
ールが実現するようにしている。
【0029】このローラ3は、図5に示すように、後述
するローラ旋回機構8の旋回中心軸81に対して1本が
設けられている。ローラ3は、図1に示すように、側面
から見たときに水平面に平行なトレーTの上面に対して
傾斜した状態で、トレーTに押し当たることになる。ト
レーTに押し当たるときの角度は、後述するローラ角度
調整機構9のモータ9aの制御によって調整することが
できる。モータ9aは、図4(b)に示すように、その
回転軸の先端がローラ3を軸支するローラ支持部材71
に固定されており、その回転によってローラ3の角度を
変えることができる。但し、ローラ3の角度(傾斜)
は、旋回中心軸81側のローラ3の端部が他端よりも高
い位置にくるような傾斜に設定される(図1参照)。
【0030】また、ローラ3の内部には、ローラ3を加
熱するヒータ3a(図7参照)が配置されている。この
ヒータ3aの仕様は、シールするトレーTやフィルムF
mの材質に応じ、シールによって奪われる熱量を短時間
で回復できるエネルギーの入力が必要なことを考慮し
て、適当な仕様が選択されている。 (フィルム供給機構)フィルム供給機構5は、トレーT
のサイズに適した量のフィルムFmを、下降状態にある
保持部材2とローラ3との間に繰り出す機構である。こ
のフィルム供給機構5は、フィルムFmをセットするセ
ット部51と、フィルムFmを搬送し且つフィルムFm
を挟み込むことができる搬送部と、トレーTの包装によ
り一部が抜き取られた残りのフィルムFmを巻き取る巻
き取り部53とから構成されている。セット部51、搬
送部、及び巻き取り部53は、それぞれフレーム1aに
支持されている。搬送部は、保持部材2とローラ3との
間の空間を挟むように配置される搬送ローラ52a,5
2bと、これらに圧着する押さえローラ52c,52d
と、搬送ローラ52a,52bの両端部付近にそれぞれ
掛け渡されている2本のベルトB1と、押さえローラ5
2c,52dの両端部付近にそれぞれ掛け渡されている
2本のベルトB2とを有している。このフィルム供給機
構5では、セット部51にセットされたフィルムFmが
搬送ローラ52a,52bに掛け渡されているベルトB
1及び押さえローラ52c,52dに掛け渡されている
2本のベルトB2により搬送され、巻き取り部53につ
ながる。搬送ローラ52a,52b及び巻き取り部53
は、モータ5a(図7参照)等から成る駆動手段により
作動する。
【0031】搬送部は、後述する制御部10の制御によ
り、包装するトレーTのサイズに応じてフィルムFmの
搬送量を変更することができる。搬送量の変更に関する
制御については、入力されたトレーTのトレー番号を基
にフランジfのデータが呼び出され、そのサイズを考慮
して制御が行われる。また、搬送ローラ52a,52b
に掛け渡されている2本のベルトB1及び押さえローラ
52c,52dに掛け渡されている2本のベルトB2は
フィルムFmの搬送方向(図1の右方から左方へと向か
う方向)に対して概ね直交する方向に移動自在とされて
おり、後述するリフト機構6によってトレーTを上昇さ
せるときに、フィルムFmに張力をかけ、トレーTの開
口o上にしわのないきれいなフィルム面を生じさせるこ
とができる。
【0032】また、フィルムFmを引っ張ることによ
り、フィルムFmの幅を広げ、シール可能なトレーのサ
イズを大きくすることもできる。また、シール終了後に
さらにフィルムFmを引っ張る動作を加えれば、フィル
ムFmの切断をより確実に行うことができる。さらに、
搬送部は、搬送ローラ52a,52bの間に繰り出すフ
ィルムFmの量を変更することで、1サイズのフィルム
幅で多種なサイズのトレーTをシール包装することがで
きる。
【0033】なお、フィルムFmを搬送するベルトB1
はフィルムFmに対してグリップ性のあるものであり、
押さえローラ52c,52dに掛け渡されているベルト
B2との間にフィルムFmを挟持できるような構造とな
っている。(リフト機構)リフト機構6は、トレーTを
フィルムFmに対して突き上げるための機構であり、駆
動モータ61と、フレーム1aに固定されている固定部
62と、固定部62に対して上下に移動する移動部63
とから構成されている。移動部63の上面には、保持部
材2が固定される。すなわち、保持部材2上に載置され
たトレーTは、移動部63の移動にしたがって昇降する
ことになる。
【0034】駆動モータ61は、サーボモータあるいは
ステッピングモータであり、制御部10による制御によ
って回転速度が電気制御される。このように、ここでは
移動部63を移動させる制御として電気制御を採用して
いるため、移動の速度カーブやストロークなどが比較的
容易に設定でき、トレーTのサイズや被包装物に対して
最適な条件でトレーTを昇降させることができる。な
お、移動部63を移動させる機構及び制御としては、上
記の電気制御以外にも、カムやクランク機構によるメカ
ニカル制御、エアーシリンダ等による空気圧制御などを
採用することが可能である。
【0035】(ローラ上下移動機構,ローラ角度調整機
構)ローラ上下移動機構7は、ローラ3の高さ位置を変
えるための機構であって、図1及び図4(a)に示すよ
うに、リンク機構72と、押さえ板73と、押さえ板7
3に上方から力を加えるレバー機構74と、レバー機構
74を作動させるモータ75と、ベース部材79とから
構成されている。
【0036】ローラ角度調整機構9は、ローラ3がトレ
ーTのフランジfに当たる角度を調整するための機構で
あって、モータ9aと、ブラケット9bとから構成され
ている。リンク機構72は、図4(a)に示すように、
ローラ角度調整機構9が固定される第1部材72aと、
一対の第2部材72bと、一端が押さえ板73に接する
第3部材72cとから構成されている。一対の第2部材
72bは、それぞれ、一端が第1部材72aとピン結合
されており、他端がベース部材79にピン結合されてい
る。第3部材72cは、その一端が、上側の第2部材7
2bの他端に回転不能に固定されている。また、第3部
材72cの他端は、押さえ板73の外周部に下方から当
接している。
【0037】押さえ板73は、後述するローラ旋回機構
8の旋回中心軸81に沿って上下移動自在な円板状部材
であり、モータ75により作動するレバー機構74によ
って上方から力が加えられる。リンク機構72の第3部
材72cの他端が押さえ板73によって押し下げられて
いるときには、図4(a)の右側に示すように、ローラ
角度調整機構9、ローラ支持部材71、及びローラ3が
上にあがった状態となる。一方、押さえ板73がリンク
機構72に力を加えなくなると、ローラ角度調整機構
9、ローラ支持部材71、及びローラ3が、自重によっ
て下降する(図4(a)の左側参照)。
【0038】また、ローラ角度調整機構9のモータ9a
は、サーボモータあるいはステッピングモータであり、
制御部10によって制御される(図7参照)。このモー
タ9aは、ブラケット9bによって、第1部材72aに
固定される。 (ローラ旋回機構)ローラ旋回機構8は、ローラ3、ロ
ーラ3を支持するローラ支持部材71、ローラ角度調整
機構9、及びリンク機構72を、シール包装時に所定角
度だけ旋回させる機構である。このローラ旋回機構8
は、旋回中心軸81と、旋回中心軸81を回転させるモ
ータ82とから構成されている。旋回中心軸81は、そ
の下端がリンク機構72を支えるベース部材79に固定
されており、その上端が図示しないタイミングベルト及
びプーリによってモータ82とつながっている。モータ
82は、サーボモータあるいはステッピングモータであ
り、制御部10による制御によって回転速度が電気制御
される。
【0039】制御部10の制御によりモータ82が所定
角度だけ旋回中心軸81を回転させると、ローラ3は旋
回中心軸81を回転中心として所定角度だけ旋回する
(図6参照)。このときの旋回中心軸81の回転速度
は、後述するように制御部10によって細かく制御され
る。 (制御部)図7に示すように、制御部10は、制御部本
体としてCPU11を搭載するとともに、このCPU1
1が制御する主記憶部としてROM12及びRAM13
を搭載している。さらに、制御部10は、操作者への表
示を担うディスプレイ15に対するデータ表示を制御す
る表示制御回路15a、操作者からの入力を受け付ける
キーボード16からのキー入力データを取り込むキーボ
ード回路16a等を備えている。
【0040】また、制御部10は、HDD(ハードディ
スク)14内にトレーマスタファイル14a及びフィル
ムマスターファイル14bを備えている。トレーマスタ
ファイル14a内には、トレー番号毎に、フランジfの
サイズ、フランジfの形状、フランジの強度、トレーの
材質などのデータが格納されている。
【0041】フィルムマスターファイル14b内には、
フィルムの種類毎に、フィルムの材質から導かれる溶着
温度、表面摩擦抵抗、吸湿性などのデータが格納されて
いる。一方、RAM13内には、トレーマスタファイル
14aやフィルムマスターファイル14bから呼び出し
た情報を格納するデータ領域が形成されている。
【0042】そして、CPU11、ROM12、RAM
13、HDD14、及び各回路15a,16aは、アド
レスバス,データバス等のバスラインを介して相互に接
続されている。この制御部10は、図7に示すように、
各機構のモータ及びヒータ3aに接続されており、これ
らの動作を制御する。
【0043】<装置の動作制御の概略>図1に示すよう
にトレーTが保持部材2上に載ると、まず制御部10
は、入力されたトレー番号に基づくフランジfのサイズ
を基にして、フィルム供給機構5によるフィルムFmの
繰り出し量を算出する。この繰り出し量だけフィルム供
給機構5からフィルムFmが繰り出されると、搬送部
は、搬送ローラ52a,52bに掛け渡されている2本
のベルトB1及び押さえローラ52c,52dに掛け渡
されている2本のベルトB2を搬送方向(図5の左右方
向)に対して直交する方向に移動させ、フィルムFmを
幅方向(図5の上下方向)に引き伸ばす。これにより、
フィルムFmには幅方向に沿った張力がかかる。
【0044】制御部10がトレーTのサイズを基に算出
した動作に従ってリフト機構6の移動部63を上昇させ
ると、トレーTがフィルムFmを突き上げて停止する
(図2参照)。このときには、トレーTの突き上げによ
り、フィルムFmには搬送方向に沿った張力がかかる。
次に制御部10は、モータ75を制御し、レバー機構7
4による押さえ板73に対する下方への付勢を解除さ
せ、リンク機構72を開放する。すると、ローラ3が自
重によってトレーTに接触するまで移動する(図3参
照)。
【0045】制御部10は、モータ75を制御してロー
ラ3をトレーTに接触させると同時に、モータ82を制
御して旋回中心軸81を所定角度だけ回転させる。この
所定角度を少なくとも360゜に設定すればトレーTの
周囲全体をローラ3でシールすることが可能であるが、
ここではそれに若干の余裕を持たせた角度としている。
旋回中心軸81に連動してローラ3が図6に示すように
回転し出すと、ローラ3は、トレーTの周囲(フランジ
f)をなぞるように移動し、トレーTとフィルムFmと
を熱融着させてシールしていく。このとき、ローラ3
は、フランジf上を転がりながら移動する。
【0046】ローラ3がトレーTの周囲に沿って移動す
るときの両者の接触部分の近傍を拡大したものを図8に
示す。トレーTはその開口oが前後左右に張力のかかっ
たフィルムFmで覆われた状態にあり、フィルムFmは
トレーTのフランジfに圧着している。そして、フィル
ムFmとフランジfとの接触部分に、ローラ3が斜めに
当たって熱と力とを加えている。これらの熱及び力によ
り、フィルムFmとフランジfとが熱融着する。また、
このときには、トレーTのエッジ部分においてフィルム
Fmに熱及び力が集中することによって、トレーTのエ
ッジ部分でフィルムFmが溶けて切り離される(図9参
照)。
【0047】ローラ3によるトレーTへのフィルムFm
のシールを終えると、ローラ3を引き上げリフト機構6
によってトレーTを下降させた後に、シール包装された
トレーTを保持部材2から取り出し、次のサイクルに移
る。次のサイクルに移るときには、トレーTのシール包
装により一部が熱溶断されて抜かれたフィルムFmは、
巻き取り部53の駆動によって巻き取られる。なお、フ
ィルムFmの幅FhはトレーTの幅Thよりも広く設定
されており(図5参照)、トレーTのシール包装によっ
てフィルムFmの連続性がとぎれることはなく、巻き取
り部53による巻き取りができなくなるという不具合は
発生しない。
【0048】<装置の動作制御の詳細> (トレーの特性及びフィルムの特性に応じたローラ角度
の調整について)包装装置1では、ローラ角度調整機構
9のモータ9aによって、初期設定としてトレーTのフ
ランジfに当たるローラ3の角度を調整することが可能
である。この角度調整は、入力されたトレー番号に基づ
くトレーTの特性(フランジfのサイズ、フランジfの
形状、フランジの強度、トレーの材質)、及びフィルム
セット時に入力されたフィルムFmの種類に基づくフィ
ルムFmの特性(フィルムの材質から導かれる溶着温
度、表面摩擦抵抗、吸湿性)をパラメータとして、制御
部10が行う。例えば、トレーやフィルムの材質からシ
ール時に両者が強く密着されている必要がある場合に
は、比較的水平に近い角度に調整される。また、フラン
ジfの形状から見てローラ3を側方から当てたほうが望
ましい場合には、比較的垂直に近い角度に調整される。
【0049】(ローラ旋回機構によるローラの移動速度
の制御について)包装装置1では、ローラ旋回機構8の
モータ82によって、トレーTのフランジfに沿って移
動するローラ3の移動速度を調整することが可能であ
る。まず、この包装装置1では、初期設定として、全体
としてローラ3の移動速度を速く設定するか遅く設定す
るかを決める。この基本となる移動速度の設定について
は、トレーやフィルムの材質から熱溶着のし易さを求
め、それに応じて移動速度を決定する。例えば、比較的
熱溶着し易い場合には移動速度を速く設定し、熱溶着し
難い場合には移動速度を遅く設定する。
【0050】また、包装装置1では、ローラ3をトレー
Tのフランジfに沿って1周させるときの移動速度(フ
ランジfとローラ3との相対移動速度)を、旋回中心軸
81の回転速度を制御することによって、略一定に保つ
ようにしている。すなわち、包装装置1のようにローラ
3を旋回中心軸81周りに旋回させる構造の場合、角形
のトレーTであれば旋回速度を一定とするとフランジf
の直線部とコーナー部とでローラ3の移動速度に違いが
出るが、旋回速度(旋回中心軸81の回転速度)を制御
することによってローラ3のフランジfに対する移動速
度を略一定に保つようにしている。これにより、従来よ
りもフランジf各部での溶着度合いが均等に近づくこと
になる。
【0051】具体的には、溶着部が旋回中心軸81から
離れ、旋回速度一定ならばフランジfに対するローラ3
の移動速度が直線部よりも速くなるフランジfのコーナ
ー部においては、図11(b)に示すように、旋回速度
(図11(b)の縦軸)を小さくしている。言い換えれ
ば、制御部10は、モータ82を制御して、ローラ3が
フランジfの直線部にあるときの旋回速度を速くし、ロ
ーラ3がコーナー部にあるときの旋回速度を遅くしてい
る。より詳細には、図11(b)に示す速度制御カーブ
になるように、モータ82の回転を制御している。これ
により、フランジfとローラ3との相対速度がフランジ
f各部において略一定に保たれる。
【0052】なお、制御部10は、このモータ82の速
度制御カーブを、トレーマスタファイル14aから呼び
出したフランジfのサイズ及び形状に基づいて決定して
いる。これらの情報を基に、溶着部の旋回中心軸81か
らの距離を算出して、それに応じて速度制御カーブを割
り出している。 <装置の特徴> (1)この装置1では、トレーTに当たるローラ3をト
レーTのフランジf上面に接触させながら回転移動させ
るため、特別な形状でない限りは、トレーTの大きさや
形状にかかわらずシール包装を行うことができる。この
装置1が平面的に見てシールできる範囲は、図10
(b)において斜線のハッチングで示す範囲A(ドーナ
ツ状の範囲)になる。したがって、図10(a)に示す
形状及び大きさのトレーTに限らず、図10(b)にお
いて点線で示す大きなトレーT2、1点鎖線で示す8角
形のトレーT3、2点鎖線で示す長方形のトレーT4
等、上記範囲Aに収まる形状であればトレーTの大きさ
や形状にかかわらずシール包装が可能である。
【0053】これにより、多種多様なトレーを必要とす
る業界においても型等の部品交換を行うことなく本装置
1によって効率的にシールを行うことが可能となり、フ
ィルムの使用量が少なくなる省資源包装が促進されると
ともに、完全密封の包装により食品に対する安全性も向
上する。 (2)この装置1では、ローラ3をフランジfに対して
斜めに(水平面に対して傾斜した状態で)当てているた
め、ローラ3はフランジf上のフィルムFmだけに当た
り、トレーTの開口oを覆っているフィルムFmには接
触しない(図8及び図9参照)。このため、開口oを覆
っているフィルムFmが溶けたり、フィルムFmに微細
な穴が開いたりすることが抑えられる。
【0054】(3)この装置1では、トレーの特性やフ
ィルムの特性に合わせてローラ3がトレーTのフランジ
fに当たる角度を調整しているため、トレーの特性やフ
ィルムの特性によって異なる溶着に必要な圧力に対応で
き、圧力の過不足による溶着不良を回避することができ
る。具体的には、圧力が足りず溶着されない部分が発生
したり、開口を覆うフィルムの部分にまで熱や圧力が作
用してピンホールが開いたりする不具合を回避すること
ができている。
【0055】(4)この装置1では、ローラ旋回機構8
のモータ82の回転速度を、ローラ3をトレーTのフラ
ンジfに沿って1周させるときにおいて、フランジfと
ローラ3との相対移動速度が略一定となるように制御を
行っている。具体的には、図11に示すような速度制御
カーブとなるようにしている。したがって、フランジf
とローラ3との相対移動速度がフランジfの各部でばら
つくことによる加熱の過不足で溶着不良が発生すること
を抑えることができる。例えば、相対移動速度が速すぎ
れば必要な熱量が少なくなって溶着されない部分が発生
し、遅すぎれば過剰な熱量を与えることになりフィルム
に穴が開いたりする恐れがあるが、装置1では相対移動
速度を適切に且つフランジf各部で一定とすることがで
きるため、種々のトレーTに対して、常に好ましい溶着
状態を確保することができる。
【0056】[他の実施形態] (A)上記実施形態では、1つの旋回中心軸81と1つ
のローラ3とを備えた包装装置1に対して本発明を適用
しているが、1つの旋回中心軸に対して複数のローラが
対応している包装装置、複数の旋回中心軸を持ち且つそ
れぞれの旋回中心軸にローラが対応している包装装置、
旋回中心軸が平面移動するタイプの包装装置などに対し
ても本発明の適用が可能である(旋回軸を複数有する包
装装置や旋回軸を平面移動させる包装装置の例について
は、特願2000−113549号を参照)。
【0057】(B)上記実施形態では、ローラ3に内蔵
されたヒータ3aによるローラ3の加熱温度を特には制
御していないが、ローラ旋回機構8のモータ82の回転
速度制御に加えて、あるいは代えて、ローラ3の加熱温
度を細かく制御することもできる。まず、初期設定とし
て、全体としてローラ3の加熱温度を高く設定するか低
く設定するかを決めることができる。この基本となる加
熱温度の設定については、トレーやフィルムの材質から
熱溶着のし易さを求め、それに応じて決定する。例え
ば、比較的熱溶着し易い場合には加熱温度を低く設定
し、熱溶着し難い場合には加熱温度を高く設定する。こ
れにより、加熱の過不足による溶着不良を回避すること
ができる。例えば、加熱温度が高すぎればフィルムが溶
けすぎて密封性が損なわれたり、低すぎれば溶着されな
かったりする恐れがあるが、これらの不具合はローラ3
の加熱温度を制御することによって抑制することができ
る。
【0058】また、ローラ3をトレーTのフランジfに
沿って1周させるときの旋回中心軸81の回転速度を制
御することに代えて、すなわちモータ82による旋回中
心軸81の回転速度を一定としておいて、ローラ3とフ
ランジfとの相対速度の違いをローラ3の加熱温度の制
御で補うことも考えられる。包装装置1のようにローラ
3を旋回中心軸81周りに旋回させる構造の場合、角形
のトレーTであれば旋回速度を一定とするとフランジf
の直線部とコーナー部とでローラ3の移動速度に違いが
出るが、ローラ3を加熱するヒータ3aを制御すること
によって、フランジf各部での溶着度合いを略均等とす
ることができる。
【0059】具体的には、溶着部が旋回中心軸81から
離れ、旋回速度一定ならばフランジfに対するローラ3
の移動速度が直線部よりも速くなるフランジfのコーナ
ー部において、ローラ3の加熱温度を高くすることが考
えられる。但し、現段階においては、ヒータ3aの制御
によるローラ3の加熱温度の変更は応答性に難があるた
め、ヒータ3aを制御するよりもローラ旋回機構8のモ
ータ82を制御するほうが現実的である。
【0060】(C)上記実施形態では、ローラ角度調整
機構9のモータ9aによって、初期設定としてトレーT
のフランジfに当たるローラ3の角度を調整している
が、さらにローラ3をトレーTのフランジfに沿って1
周させるときのフランジf各部でのローラ3の角度調整
を細かく制御することも可能である。
【0061】このようにフランジf各部に対してローラ
3の当たる角度を変化させる制御を行う動機としては、
次のことが挙げられる。その動機は、形状や材質、厚み
などのトレーTの特性から、トレーTのフランジfの強
度が直線部やコーナー部といった各部において異なるこ
とがあるが、この場合には、フランジfに当たるローラ
3の角度が同じでもフランジf各部の変形度合いが違う
ため、場所によって溶着の度合いが異なるという不具合
が起こることである。
【0062】ローラ3を旋回させている途中でローラ3
の角度を細かく制御してやれば、フランジf各部の変形
度合いの違いに基づく溶着度合いのバラツキを補正する
ことが可能である。このフランジf各部の変形度合いが
トレーTやフランジfの形状、材質、厚みなどから算出
される強度に関連することから、ローラ角度調整機構9
のモータ9aを制御する際には、トレーマスタファイル
14aからこれらのデータを呼び出して制御を行うこと
になる。これにより、フランジf各部とフィルムFmと
を、より均等な溶着度合いでシールすることができるよ
うになる。
【0063】(D)上記実施形態では、キーボード16
から入力されたトレー番号などからトレーマスタファイ
ル14aに記憶されているデータを呼び出して、それを
基に制御部10が各種制御を行っているが、CCDカメ
ラ等の撮像手段で撮像したトレーTの画像処理結果から
認識されるトレー形状からトレーマスタファイル14a
内の各情報を呼び出したり、センサーでトレーTの幅方
向を走査してトレー幅寸法を検出するとともにトレーT
の搬入の際にトレーTの奥行き寸法を検出するようにし
て、トレーマスタファイル14a内の各情報を呼び出し
たりすることもできる。
【0064】(E)上記実施形態ではフィルムFmとの
摩擦抵抗を増大させローラを確実に転動させる目的でロ
ーラ3の表面に他の部分よりも柔らかい層を形成してい
るが、逆にローラ3の表面に抵抗を小さくする加工を施
してシール条件を変更することも可能である。
【0065】(F)上記実施形態においてはリフト機構
6の移動部63を上昇させトレーTによってフィルムF
mを突き上げてフィルムFmに張力がかかるようにして
いるが、フィルムFmの強度や張力の大きさによっては
フィルムFmが損傷したりトレーTが不要に変形したり
する恐れがある。これを抑えるために、リフト機構6の
移動部63の上昇時において、トレーTとフィルムFm
が接触するタイミングで、搬送ローラ52a,52bの
位置を変えたり押さえローラ52c,52dによるフィ
ルムFmの保持度合いを変更したりして、フィルムFm
に過剰な張力がかからないようにすることもできる。
【0066】(G)上記実施形態においてはフィルムF
mの幅FhをトレーTの幅Thよりも広く設定している
が(図5参照)、フィルムFmの幅FhがトレーTの幅
Thよりも狭い場合であっても、フィルムFmに幅方向
に沿った張力をかけた状態で幅FhがトレーTの幅Th
よりも広くなれば、トレーTのシール包装によってフィ
ルムFmの連続性がとぎれることはなく、巻き取り部5
3による巻き取りができなくなるという不具合は発生し
ない。
【0067】
【発明の効果】本発明では、移動手段、加熱手段、ある
いは角度調整機構の動作条件を、トレーの特性やフィル
ムの特性に合わせて制御しているため、加熱や加圧の過
不足による溶着不良を回避することができる。また、ト
レーの各部の強度や形状といったトレーの特性を基に動
作条件を細かく制御することによって、トレーの開口周
囲部分の各部での溶着条件を揃えることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る包装装置の概略図。
【図2】包装装置の一状態図。
【図3】包装装置の一状態図。
【図4】(a)ローラ上下移動機構の動作説明図。 (b)図4(a)のb-b矢視図。
【図5】トレーとフィルムとの平面配置図。
【図6】ローラの旋回動作図。
【図7】包装装置の制御ブロック図。
【図8】ローラ接触時のトレーのフランジ近傍拡大図。
【図9】フィルム熱融着時のトレーのフランジ近傍拡大
図。
【図10】包装装置が対応可能なトレーの平面形状を示
す図。
【図11】ローラ旋回機構のモータの速度制御カーブを
示す図。
【符号の説明】
1 包装装置 3 ローラ 3a ヒータ 8 ローラ旋回機構(移動手段) 9 ローラ角度調整機構(角度調整機構) 10 制御部 14a トレーマスタファイル(データファイル) 14b フィルムマスタファイル(データファイル) 81 旋回中心軸(旋回軸) Fm フィルム T トレー f フランジ(開口周囲部分) o 開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川西 紀男 滋賀県栗太郡栗東町下鈎959番地の1 株 式会社イシダ滋賀事業所内 Fターム(参考) 3E049 AA01 AB03 BA04 CA10 DB02 EA02 EA07 EB03 EC02 FA07 3E094 AA04 BA12 CA08 CA15 DA02 GA11 HA08 HA10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上部が開口したトレーに対して、前記トレ
    ー内に被包装物を収容した状態で前記開口をフィルムで
    覆い、前記トレーの開口周囲部分に前記フィルムを溶着
    するトップシール式包装装置であって、 前記フィルムの上方から前記トレーの開口周囲部分に当
    接して加熱する加熱手段と、 前記加熱手段を前記トレーの開口周囲部分に沿って移動
    させる移動手段と、 前記移動手段あるいは前記加熱手段の動作条件を、前記
    トレーの特性及び前記フィルムの特性の少なくとも一方
    に合わせて制御する制御部と、を備えたトップシール式
    包装装置。
  2. 【請求項2】前記加熱手段は、前記トレーの開口周囲部
    分の上を転動するローラであり、 前記移動手段は、前記ローラを旋回軸周りに旋回させる
    ことによって、前記ローラを前記トレーの開口周囲部分
    に沿って移動させる、請求項1に記載のトップシール式
    包装装置。
  3. 【請求項3】前記動作条件の少なくとも1つは、前記移
    動手段による前記加熱手段の移動速度である、請求項1
    又は2に記載のトップシール式包装装置。
  4. 【請求項4】前記動作条件の少なくとも1つは、前記加
    熱手段による加熱温度である、請求項1から3のいずれ
    かに記載のトップシール式包装装置。
  5. 【請求項5】前記制御部は、前記動作条件を、前記トレ
    ーの開口周囲部分の各部において変える制御を行う、請
    求項1から4のいずれかに記載のトップシール式包装装
    置。
  6. 【請求項6】上部が開口したトレーに対して、前記トレ
    ー内に被包装物を収容した状態で前記開口をフィルムで
    覆い、前記トレーの開口周囲部分に前記フィルムを溶着
    するトップシール式包装装置であって、 前記フィルムの上方から前記トレーの開口周囲部分に当
    接して加熱する加熱手段と、 前記加熱手段を前記トレーの開口周囲部分に沿って移動
    させる移動手段と、 前記トレーの開口周囲部分に対して前記加熱手段が当接
    する角度の調節を行う角度調節機構と、 前記角度調整機構による前記角度の調整を、前記トレー
    の特性及び前記フィルムの特性の少なくとも一方に合わ
    せて制御する制御部と、を備えたトップシール式包装装
    置。
  7. 【請求項7】前記制御部は、前記角度調整機構による前
    記角度の調整を、前記トレーの開口周囲部分の各部にお
    いて変える制御を行う、請求項6に記載のトップシール
    式包装装置。
  8. 【請求項8】前記制御部は、前記トレー毎に、前記トレ
    ーの特性データ及び前記フィルムの特性データの少なく
    とも一方が記憶されたデータファイルを有している、請
    求項1から7のいずれかに記載のトップシール式包装装
    置。
  9. 【請求項9】前記トレーの特性データは、前記トレーの
    開口周囲部分の形状、前記トレーの開口周囲部分のサイ
    ズ、及び前記トレーの材質の少なくとも1つである、請
    求項8に記載のトップシール式包装装置。
  10. 【請求項10】前記フィルムの特性データは、前記フィ
    ルムの材質から導かれる溶着温度、表面摩擦抵抗、及び
    吸湿性の少なくとも1つである、請求項8に記載のトッ
    プシール式包装装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ITSA20090001A1 (it) * 2009-01-21 2010-07-22 Vincenzo Castrataro Sistema e mezzi per il confezionamento automatico di vaschette alimentari anche con atmosfera modificata.
CN116101580A (zh) * 2023-04-10 2023-05-12 金乡县建华建材有限公司 一种基于封口机控制端的运行任务设计系统

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ITSA20090001A1 (it) * 2009-01-21 2010-07-22 Vincenzo Castrataro Sistema e mezzi per il confezionamento automatico di vaschette alimentari anche con atmosfera modificata.
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