JP2001327864A - NOx吸蔵材の担持方法及びNOx吸蔵還元型触媒の製造方法 - Google Patents

NOx吸蔵材の担持方法及びNOx吸蔵還元型触媒の製造方法

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JP2001327864A
JP2001327864A JP2000368462A JP2000368462A JP2001327864A JP 2001327864 A JP2001327864 A JP 2001327864A JP 2000368462 A JP2000368462 A JP 2000368462A JP 2000368462 A JP2000368462 A JP 2000368462A JP 2001327864 A JP2001327864 A JP 2001327864A
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Mitsuru Minami
充 南
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Abstract

(57)【要約】 【課題】NOx 吸蔵材を数10nm以下のきわめて微細な粒子
として容易かつ確実に担持する。 【解決手段】水より比誘電率が低い極性溶媒中にNOx
蔵元素の化合物と担体粉末とを懸濁させた状態でCO2
供給する。NOx 吸蔵元素の陽イオンと炭酸イオンとの反
応により生成したNOx 吸蔵元素の炭酸塩は、水より比誘
電率が低い極性溶媒に対する溶解度がきわめて低い。し
たがってCO2 との接触によって核生成が瞬時に起こり、
NOx 吸蔵元素の炭酸塩が高過飽和状態となって多くの核
が生成する。そして水より比誘電率が低い極性溶媒中で
は、溶解・析出の繰り返しが生じないので、生成した核
はほぼそのままの粒径を維持して担体粉末上に担持さ
れ、粒径が数nm程度のきわめて微粒子の状態で担持され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、NOx 吸蔵還元型触
媒などの製造に用いられるNOx 吸蔵材の担持方法と、そ
のNOx 吸蔵還元型触媒の製造方法に関する。本発明の方
法によれば、微細な炭酸塩となったNOx 吸蔵材を担持す
ることができ、高いNOx 吸蔵能を示すNOx吸蔵還元型触
媒を製造することができる。
【0002】
【従来の技術】近年、二酸化炭素による地球温暖化現象
が問題となり、二酸化炭素の排出量を低減することが課
題となっている。自動車においても排ガス中の二酸化炭
素量の低減が課題となり、燃料を酸素過剰雰囲気で希薄
燃焼させるリーンバーンエンジンが開発されている。こ
のリーンバーンエンジンによれば、燃費の向上により二
酸化炭素の排出量を抑制することができる。
【0003】このリーンバーンエンジンにおいて、常時
は酸素過剰の燃料リーン条件で燃焼させ、間欠的に燃料
ストイキ〜リッチ条件とすることにより排ガスを還元雰
囲気として窒素酸化物(NOx )を還元浄化するシステム
が開発され、実用化されている。そしてこのシステムに
最適な触媒として、燃料リーン雰囲気でNOx を吸蔵し、
吸蔵されたNOx を燃料ストイキ〜リッチ雰囲気で放出す
るNOx 吸蔵材を用いたNOx 吸蔵還元型の排ガス浄化用触
媒が開発されている。
【0004】例えば特開平5-317652号公報には、Baなど
のアルカリ土類金属とPtをγ-Al2O3などの多孔質酸化物
担体に担持したNOx 吸蔵還元型触媒が提案されている。
また特開平 6-31139号公報には、Kなどのアルカリ金属
とPtをγ-Al2O3などの多孔質酸化物担体に担持したNOx
吸蔵還元型触媒が提案されている。さらに特開平5-1688
60号公報には、Laなどの希土類元素とPtをγ-Al2O3など
の多孔質酸化物担体に担持したNOx 吸蔵還元型触媒が提
案されている。
【0005】このNOx 吸蔵還元型触媒を用いれば、空燃
比を燃料リーン側からパルス状に燃料ストイキ〜リッチ
側となるように制御することにより、排ガスもリーン雰
囲気からパルス状にストイキ〜リッチ雰囲気となる。し
たがって、リーン側ではNOxがNOx 吸蔵材に吸蔵され、
それがストイキ〜リッチ側で放出されて排ガス中に多量
に含まれる炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)などの還
元性成分と反応して浄化されるため、リーンバーンエン
ジンからの排ガスであってもNOx を効率良く浄化するこ
とができる。また排ガス中のHC及びCOは、貴金属により
酸化されるとともにNOx の還元にも消費されるので、HC
及びCOも効率よく浄化される。
【0006】従来のNOx 吸蔵還元型触媒を製造するに
は、例えば特開平7-171399号公報に示されているよう
に、アルミナなどの担体に例えば酢酸バリウムなどNOx
吸蔵元素の化合物の水溶液を含浸した後に乾燥・焼成す
る蒸発乾固法などによってNOx 吸蔵材を担持する。そし
て蒸発乾固後は、炭酸水素アンモニウム水溶液などによ
って炭酸処理を行い、NOx 吸蔵元素は水に難溶の炭酸塩
とされる。その後貴金属化合物の水溶液を用いて貴金属
を担持する。
【0007】この製造方法によれば、貴金属の担持工程
において貴金属化合物の水溶液中にNOx 吸蔵材が溶出す
るのが防止されるため、NOx 吸蔵材を高密度で担持する
ことができ、かつ貴金属がNOx 吸蔵材で覆われるような
不具合もない。したがってNO x 浄化活性に優れたNOx
蔵還元型触媒を製造することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが蒸発乾固法で
NOx 吸蔵材を担持する場合、NOx 吸蔵材には必然的に結
晶の成長が生じ、担持される酸化物の粒径は比較的大き
なものとなる。そして炭酸処理を行う場合には、NOx
蔵材が水溶液中への溶解・析出を繰り返し、小さな粒子
が溶解し大きな粒子には粒成長が生じるという現象が生
じる。したがって担持される炭酸塩の粒径はさらに大き
なものとなる。
【0009】そして炭酸塩化されたNOx 吸蔵材は、難溶
性といえども水に対して若干の溶解性をもつため、貴金
属の担持時に貴金属化合物の水溶液中である程度溶解・
析出を繰り返し、得られるNOx 吸蔵還元型触媒に担持さ
れているNOx 吸蔵元素の炭酸塩の粒度分布は粒径がさら
に大きな側に偏ってしまう。例えば上記担持方法で担持
された炭酸バリウムなどは、TEMで観察できる範囲で
は、数10nm〜数 100nmの範囲の粒径のものが多く、中に
はμmレベルのものも存在する。
【0010】NOx 吸蔵材へのNOx の吸蔵は、NOx 吸蔵材
粒子の表面から起こるため、上記した従来の製造方法で
形成されたNOx 吸蔵還元型触媒では、NOx 吸蔵材粒子の
表面積が小さくNOx 吸蔵能には限界があった。
【0011】そこで特開平8-24643号公報には、微細な
粉末状の炭酸塩を用いてNOx 吸蔵材を担持する方法が記
載されている。しかしながら粉末状の炭酸塩を用いてNO
x 吸蔵材を担持する方法では、その粒径を微細にするに
も限界があり、数10nm以下の粒径のNOx 吸蔵材を担持す
ることは困難である。
【0012】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、NOx 吸蔵材を数10nm以下のきわめて微細な
粒子として容易かつ確実に担持することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明のNOx 吸蔵材の担持方法の特徴は、水より比誘電率が
低い極性溶媒中にNOx 吸蔵元素の化合物と担体粉末とを
懸濁させた状態でCO2を供給し、微細なNOx 吸蔵元素の
炭酸塩を担体粉末上に担持することにある。
【0014】また本発明のもう一つのNOx 吸蔵材の担持
方法の特徴は、水より比誘電率が低い極性溶媒中にNOx
吸蔵元素の化合物を懸濁させて懸濁液を調製し、懸濁液
中にCO2 を供給してNOx 吸蔵元素を炭酸塩化するととも
に懸濁液中に金属アルコキシドを混合して金属アルコキ
シドを加水分解し、次いで乾燥・焼成することによって
担体粉末を形成するとともに担体粉末に微細なNOx 吸蔵
元素の炭酸塩を担持することにある。
【0015】そして本発明のNOx 吸蔵還元型触媒の製造
方法の特徴は、上記した製造方法により得られたNOx
蔵元素の炭酸塩を担持した担体にさらに貴金属を担持す
ることにある。
【0016】さらに本発明のもう一つのNOx 吸蔵材の担
持方法の特徴は、基材に担体粉末を主成分とするコート
層を形成する工程と、NOx 吸蔵元素の化合物を水より比
誘電率が低い極性溶媒中に懸濁させた懸濁液を調製する
工程と、コート層をもつ基材を懸濁液と接触させコート
層にNOx 吸蔵元素の化合物を担持して化合物担持担体と
する工程と、水より比誘電率が低い極性溶媒中にCO2
溶解させた溶液を化合物担持担体に接触させて担持され
ているNOx 吸蔵元素の化合物を炭酸塩化する工程と、NO
x 吸蔵元素の炭酸塩が担持されたコート層をもつ基材を
乾燥・焼成する工程と、よりなることにある。
【0017】そして本発明のもう一つのNOx 吸蔵還元型
触媒の製造方法の特徴は、上記製造方法で得られたNOx
吸蔵元素の炭酸塩が担持されたコート層をもつ基材のコ
ート層に貴金属を担持することにある。
【0018】また本発明のもう一つのNOx 吸蔵還元型触
媒の製造方法の特徴は、水より比誘電率が低い極性溶媒
中にNOx 吸蔵元素の化合物と担体粉末に貴金属を予め担
持した触媒粉末とを懸濁させた状態でCO2 を供給し、微
細なNOx 吸蔵元素の炭酸塩を触媒粉末上に担持すること
にある。
【0019】上記NOx 吸蔵材の担持方法及びNOx 吸蔵還
元型触媒の製造方法において、水より比誘電率が低い極
性溶媒はアルコール系溶媒及びアセトンから選ばれる少
なくとも一種であることが望ましく、NOx 吸蔵元素はア
ルカリ土類金属であることが望ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明のNOx 吸蔵材の担持方法で
は、先ず、水より比誘電率が低い極性溶媒中にNOx 吸蔵
元素の化合物と担体粉末とを懸濁させ、そこへCO2 を供
給している。NOx 吸蔵元素の化合物としては酸化物、水
酸化物などが用いられ、これらの化合物は、水より比誘
電率が低い極性溶媒中ではほぼイオン状態となって懸濁
する。そこへCO2 を供給すると、NOx 吸蔵元素の陽イオ
ンと炭酸イオンとの反応によりNOx 吸蔵元素の炭酸塩が
生成する。
【0021】生成したNOx 吸蔵元素の炭酸塩は、水より
比誘電率が低い極性溶媒に対する溶解度がきわめて低
い。したがって懸濁しているNOx 吸蔵元素の化合物とCO
2 との接触によって核生成が瞬時に起こり、炭酸塩が高
過飽和状態となって多くの核が生成する。そして水より
比誘電率が低い極性溶媒中では、溶解・析出の繰り返し
が生じないので、生成した核はほぼそのままの粒径を維
持して担体粉末上に担持され、NOx 吸蔵元素の炭酸塩は
粒径が数nm程度のきわめて微粒子の状態で担持される。
【0022】また本発明のもう一つのNOx 吸蔵材の担持
方法では、懸濁液中に担体源としての金属アルコキシド
を混合し、金属アルコキシドを加水分解して乾燥・焼成
することで担体粉末とするとともに、形成された担体粉
末に上記と同様の作用によって微細なNOx 吸蔵元素の炭
酸塩を担持している。この方法によれば、NOx 吸蔵元素
の炭酸塩は担体粉末の内部にまで均一に担持することが
でき、かつ加水分解で形成される担体粉末の粒径は微細
であるので、NOx 吸蔵材を担持した担体粉末をきわめて
均一で微細な状態で製造することができる。したがって
前述の担体粉末を混合する方法に比べてNOx 吸蔵材が一
層微細化されるので、NOx 吸蔵能がさらに向上したNOx
吸蔵還元型触媒を製造することができる。
【0023】そして本発明のNOx 吸蔵還元型触媒の製造
方法では、本発明の製造方法によって形成され微細なNO
x 吸蔵元素の炭酸塩を担持した担体粉末に貴金属を担持
している。貴金属を担持するには、従来と同様に貴金属
化合物の水溶液などを用いて担持することができる。NO
x 吸蔵元素の炭酸塩は貴金属化合物の水溶液に溶出しに
くいので、炭酸塩となっても微細な状態を維持できる。
またNOx 吸蔵元素の炭酸塩が貴金属化合物の水溶液中へ
の溶解・析出を繰り返したとしても、担持されている炭
酸塩自体の粒径が元々微細であるので、粒成長が生じて
も従来に比べて微細となる。これにより微細なNOx 吸蔵
材が担持されるため、高いNOx 吸蔵能をもち、NOx 浄化
性能に優れたNOx 吸蔵還元型触媒を製造することができ
る。
【0024】さらに本発明のもう一つのNOx 吸蔵還元型
触媒の製造方法では、水より比誘電率が低い極性溶媒に
NOx 吸蔵元素の化合物とともに懸濁される担体粉末とし
て、予め貴金属が担持された担体粉末を用い、上記した
NOx 吸蔵材の担持方法と同様にしてNOx 吸蔵材を担持し
ている。このようにすれば担持されたNOx 吸蔵元素の炭
酸塩が水溶液と接触するのを回避でき、NOx 吸蔵元素が
再び溶出することがないので、一層微細なNOx 吸蔵材を
担持したNOx 吸蔵還元型触媒を製造することができる。
また生産性も向上する。
【0025】上記した担持方法又は製造方法により製造
されるNOx 吸蔵材が担持された担体又はNOx 吸蔵還元型
触媒は粉末状であるので、これをペレット形状とした
り、ペレット基材表面にコートすればペレット触媒とし
て用いることができる。また耐熱性セラミックスあるい
はメタルから形成されたハニカム形状のモノリス基材に
コートすれば、ハニカム触媒として用いることができ
る。コート法としては、得られた触媒粉末をスラリー化
し、モノリス基材をそのスラリー中に浸漬して表面をス
ラリーで被覆し、それを乾燥・焼成することで行うこと
ができる。
【0026】ところで、担体粉末をスラリー化してコー
トする場合、アルミナゾルや硝酸アルミニウムなどのバ
インダーを添加するのが一般的である。ところがこの方
法を上記した本発明の方法で得られた担体粉末又は触媒
粉末のコートに適用した場合には、担持されているNOx
吸蔵元素の炭酸塩の一部が硝酸塩となって溶出するた
め、NOx 吸蔵材の担持量が減少するという不具合があ
る。そのためベーマイトなどの非硝酸性バインダーを用
いると、スラリーの粘性の調整が難しく、強度が安定し
たコート層を形成することが困難となるという問題があ
る。
【0027】そこで本発明のもう一つのNOx 吸蔵材の担
持方法では、予め基材にコート層を形成している。この
場合には、コート層からの溶出が無いので、硝酸性バイ
ンダーを用いる従来の方法によって強度が安定したコー
ト層を形成することができる。そしてNOx 吸蔵元素の化
合物を水より比誘電率が低い極性溶媒中に懸濁させた懸
濁液を用いてコート層にNOx 吸蔵元素の化合物を担持
し、水より比誘電率が低い極性溶媒中にCO2 を溶解させ
た溶液をそれに接触させて担持されているNOx 吸蔵元素
の化合物を炭酸塩化し、次いで乾燥・焼成している。
【0028】この方法によれば、既に形成されているコ
ート層にNOx 吸蔵元素の化合物を担持し、次いでそれを
炭酸塩化し、焼成によって炭酸塩をコート層に固定して
いるので、NOx 吸蔵材の担持量の減少あるいはコート層
の強度の低下などの不具合が回避できる。
【0029】またNOx 吸蔵材が担持された担体粉末から
コート層を形成する方法では、コート層の厚さ方向でNO
x 吸蔵材は均一に分布しているが、予めコート層を形成
しておく方法によれば、NOx 吸蔵元素の化合物はコート
層の表層に多く内部に少ないという分布をもって担持さ
れるので、NOx 吸蔵材もそのような分布をもって担持さ
れることになる。したがって排ガスとの接触確率が高い
コート層の表層にNOx吸蔵材が多く担持されるので、NOx
吸蔵に有利であり、担持されているNOx 吸蔵材を有効
にNOx 吸蔵に使用することができる。
【0030】したがってこの方法により製造された担体
に貴金属を担持することで、NOx 浄化活性がさらに向上
したNOx 吸蔵還元型触媒を製造することができる。
【0031】なお、コート層にNOx 吸蔵元素の化合物を
担持して化合物担持担体とする工程と、担持されている
NOx 吸蔵元素の化合物を炭酸塩化する工程とは、共に極
性溶媒中で連続的に行うこともできる。しかしこの場合
には、極性溶媒中に懸濁又は溶解するNOx 吸蔵元素の化
合物が多くなるため、コート層への担持量が減少する場
合がある。したがって両工程の間に化合物担持担体から
溶媒を除去する乾燥工程を行い、その後極性溶媒中にCO
2 を溶解させた溶液を接触させることが好ましい。これ
によりNOx 吸蔵元素の化合物の溶出を抑制することがで
きる。
【0032】コート層をもつ基材と懸濁液とを接触させ
るには、あるいはCO2 を溶解した溶液を化合物担持担体
と接触させるには、懸濁液又は溶液に基材を浸漬する方
法、懸濁液又は溶液をコート層に含浸する方法などがあ
る。
【0033】極性溶媒としては、水より比誘電率が低い
ものが用いられる。極性溶媒の比誘電率は無機塩の溶解
性を左右し、比誘電率が低ければ無機塩の溶解度が著し
く低下するので、生成する炭酸塩を高過飽和状態とする
ことができ、NOx 吸蔵元素の炭酸塩をきわめて微細な状
態で担持することができる。
【0034】上記極性溶媒としては、アルコール系溶媒
及びアセトンから選ばれる少なくとも一種を用いること
が好ましい。アルコール系溶媒としては、メタノール、
エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのア
ルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、グレセリンなどのグリコール類、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソ
ルブ類などが例示される。またこれらの混合溶媒を用い
てもよいし、場合によっては水を混合することもでき
る。因みに比誘電率(ε)は、水が 78.54であるが、メ
タノールは31.5、エタノールは24.3、アセトンが19.1で
あって、これらの極性溶媒はいずれも水より低い比誘電
率を有している。
【0035】NOx 吸蔵元素としては、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれる少なくとも
一種を用いることができる。アルカリ金属としては、L
i、Na、K、Csが例示される。アルカリ土類金属とは周
期表2A族元素をいい、Ba、Be、Mg、Ca、Srなどが例示さ
れる。また希土類元素としては、Sc、Y、La、Ce、Pr、
Nd、Dy、Ybなどが例示される。このうち、アルカリ土類
金属を用いるのが特に好ましい。アルカリ土類金属の炭
酸塩は上記極性溶媒中でイオン化しやすく、かつ極性溶
媒への炭酸塩の溶解度がきわめて小さいので、微粒子状
の炭酸塩を効率よく担持することができるからである。
中でもNOx 吸蔵・放出能に優れたBaが最も望ましい元素
である。
【0036】そしてNOx 吸蔵元素の化合物としては、水
より比誘電率が低い極性溶媒中でほぼイオン状態となっ
て懸濁するものが望ましく、酸化物、水酸化物が特に好
ましい。懸濁液中のNOx 吸蔵元素の化合物の濃度は、沈
殿が生じない範囲でできるだけ多くすることが望まし
い。これにより生成する炭酸塩を高過飽和状態とするこ
とができ、NOx 吸蔵材の炭酸塩をきわめて微細な状態で
担持することができる。
【0037】担体粉末としては、 Al2O3、SiO2、ZrO2
TiO2、ゼオライトなど触媒担体として公知の酸化物から
選択して用いることができる。そして担体粉末に予め貴
金属を担持するには、貴金属化合物の水溶液などの所定
量を担体粉末に含浸させ、蒸発・乾固する方法で担持す
ることができる。担体粉末又は貴金属を担持した担体粉
末とNOx 吸蔵元素の化合物との混合比率は、目的とする
NOx 吸蔵還元型触媒の特性に応じて種々設定することが
でき、特に制限はない。
【0038】またコート層を形成する基材としては、コ
ージェライトなどの耐熱性セラミックスあるいはメタル
などがあり、その形状はペレット状又はハニカム状とす
ることができる。そしてコート層の材質としては、上記
担体粉末に例示したものを主成分とするものであり、ア
ルミナゾル、シリカゾル、硝酸アルミニウム、硝酸ジル
コニウムなどのバインダを含むことができる。コート層
の形成量は、通気抵抗に支障がない範囲であれば特に制
限はない。
【0039】懸濁液にCO2 を供給するには、炭酸ガスを
供給してバブリングする方法、炭酸水素アンモニウム、
重炭酸アンモニウムなどのCO2 源を混合しそれを分解し
てCO 2 を発生させる方法、ドライアイスを混合する方法
などの方法から選択して用いることができる。
【0040】また水より比誘電率が低い極性溶媒中にCO
2 を溶解させた溶液は、上記した極性溶媒中に炭酸ガス
を供給してバブリングする方法、炭酸水素アンモニウ
ム、重炭酸アンモニウムなどのCO2 源を混合しそれを分
解してCO2 を発生させる方法、ドライアイスを混合する
方法などの方法で調製することができる。
【0041】CO2 を供給してほぼイオン化しているNOx
吸蔵元素の化合物を炭酸塩化する場合、温度はできるだ
け低い方が望ましい。温度が高いと生成した炭酸塩の溶
解度が増大して過飽和状態の程度が低くなるため、炭酸
塩の粒径が大きくなってしまう場合がある。またCO2
一度に供給し、瞬時に多量の炭酸塩の核を生成すること
が望ましい。炭酸塩が徐々に生成すると、粒成長が生じ
て炭酸塩の粒径が大きくなってしまうからである。
【0042】懸濁状態のNOx 吸蔵元素の化合物が、担体
粉末又は貴金属を担持した担体粉末の存在下でCO2 と接
触するように構成すれば、担体粉末又は貴金属を担持し
た担体粉末の混合時期は特に制限されないが、NOx 吸蔵
元素の炭酸塩の生成の前後とすることが望ましい。例え
ば担体粉末又は貴金属を担持した担体粉末とNOx 吸蔵元
素の化合物とを共に極性溶媒中に懸濁させておき、そこ
へCO2 を供給することができる。また極性溶媒中にNOx
吸蔵元素の化合物を懸濁させておき、そこへ担体粉末又
は貴金属を担持した担体粉末とCO2 を同時に供給しても
よい。
【0043】金属アルコキシドとしては、アルミニウム
アルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、シリコンア
ルコキシド、チタニウムアルコキシドなどから選択して
用いることができる。この金属アルコキシドとNOx 吸蔵
元素の化合物との混合比率は、上記と同様に目的とする
NOx 吸蔵還元型触媒の特性に応じて種々設定することが
でき、特に制限はない。また金属アルコキシドの添加時
期は、CO2 の供給時に存在していれば特に制限されず、
例えば金属アルコキシドとNOx 吸蔵元素の化合物とを共
に極性溶媒中に混合しておき、そこへCO2 を供給するこ
とができる。また極性溶媒中にNOx 吸蔵元素の化合物を
懸濁させておき、そこへ金属アルコキシドとCO2 を同時
に供給してもよい。
【0044】金属アルコキシドを加水分解するには、水
を添加してもよいし、極性溶媒中に水を混合しておきそ
の水を利用することもできる。なお金属アルコキシドを
加水分解する時期は、NOx 吸蔵元素の化合物の炭酸塩化
と同時又はそれより後に行うことが望ましい。したがっ
て水の供給は、CO2 の供給と同時又はそれ以後に行うこ
とが望ましい。加水分解がNOx 吸蔵元素の化合物の炭酸
塩化より前に行われると、担体粉末の内部にまでNOx
蔵材を担持することが困難となり、担持が不均一になる
ためNOx 吸蔵材の凝集が生じて粒径が粗大化する場合が
ある。
【0045】得られたNOx 吸蔵材を担持した担体粉末又
は触媒粉末を含む懸濁液からは、その後の工程で溶媒が
除去される。溶媒の除去は蒸発・乾固法によってもよい
が、温度上昇による溶解度の上昇によって炭酸塩化され
ているNOx 吸蔵材の溶媒中への溶解・析出が繰り返され
る場合がある。したがって吸引濾過法、真空乾燥法ある
いは遠心分離法などによって溶媒を除去することが望ま
しい。
【0046】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。
【0047】(実施例1)加熱脱水した酸化バリウム
( BaO)粉末 0.2モルと、2100mlのメタノールとを、図
1に示す容器1中に混合し、撹拌機2によって高速撹拌
して、乳濁状の懸濁液3を調製した。
【0048】一方、 120gの Al2O3粉末(比表面積100m
2/g)に所定濃度のジニトロジアンミン白金水溶液の所
定量を含浸させ、 120℃で1時間と 500℃で1時間蒸発
・乾固してPtを2g担持したPt/Al2O3粉末を調製した。
【0049】そして上記懸濁液3中にPt/Al2O3粉末全量
を投入して撹拌し、容器1の下部からCO2 ガス(99.9
%)を1L/分の流量で液中に20分間バブリングした。こ
れによりBa2+イオンと CO3 2-イオンの過飽和状態が作ら
れ、 BaCO3が析出する。析出した BaCO3は、共存する高
比表面積のPt/Al2O3粉末に付着して担持される。なおバ
ブリング初期において析出した BaCO3はきわめて微細で
あり、TEMで観察した限りでは50nm以下の微粒子であ
った。
【0050】次に容器1の内容物を取り出し、遠心分離
によってメタノールをある程度除去した後、真空乾燥を
3時間行ってメタノールを完全に除去した。そして残留
物を300℃で加熱処理し、Ptを2gと BaCO3を 0.2モル
担持した粉末状のNOx 吸蔵還元型触媒を得た。
【0051】(比較例1)実施例1と同様の Al2O3粉末
120gに所定濃度の酢酸バリウム水溶液の所定量を含浸
させ、蒸発・乾固してBaを 0.2モル担持したBa/Al2O3
末を調製した。
【0052】次に、上記Ba/Al2O3粉末全量に所定濃度の
ジニトロジアンミン白金水溶液の所定量を含浸させ、 1
20℃で1時間と 500℃で1時間蒸発・乾固してPtを2g
担持した。これによりPtを2gと BaCO3を 0.2モル担持
した粉末状のNOx 吸蔵還元型触媒を得た。
【0053】<試験例1>実施例1及び比較例1の触媒
について、X線回折により BaCO3の平均粒子径を測定し
た。その結果 BaCO3の平均粒子径は、実施例1の触媒で
は約15nmであり、比較例1の触媒では約45nmであって、
実施例1の触媒における BaCO3の平均粒子径は比較例1
の触媒の1/3であり、きわめて微細な BaCO3が担持さ
れていることがわかった。
【0054】<試験例2>
【0055】
【表1】
【0056】実施例1及び比較例1の触媒をそれぞれ定
法でペレット化し、実験室用反応器にそれぞれ配置し
た。そして触媒入りガス温度 600℃、ガス空間速度50,0
00h-1の条件で、表1に示すモデルガスに SO2を300ppm
さらに加えたモデルガスを、Leanガス55秒−Richガス5
秒の周期で繰り返し4時間導入する硫黄被毒耐久試験を
行った。
【0057】そして硫黄被毒耐久試験後のそれぞれの触
媒について、表1に示すモデル排ガスをガス空間速度5
0,000h-1の条件で導入し、触媒入りガス温度 300℃、
400℃及び 450℃の3水準で、Richガス定常状態からLea
nガス定常状態にガスを切り換えて、排出ガスのNOx
度が定常になるまでに触媒が吸蔵したNOx 量(飽和NOx
吸蔵量)をそれぞれ測定した。またLeanガス定常状態か
ら5秒間Richガスを導入し、再びLeanガスに切り換えた
際のNOx 吸蔵量(リッチスパイク(RS)NOx 吸蔵量)を
それぞれ測定した。各触媒の結果を、それぞれ図2及び
図3に示す。
【0058】図2及び図3より、実施例1の触媒は比較
例1の触媒に比べてNOx 吸蔵能に格段に優れ、これは担
持されている BaCO3の粒径の差に起因するものであるこ
とが明らかである。すなわち実施例1の製造方法によれ
ば、NOx 吸蔵能に優れたNOx吸蔵還元型触媒を確実に製
造することができる。
【0059】(実施例2)水酸化バリウム( Ba(OH)2
粉末 0.2モルと、メタノール2100mlとを、図1に示す容
器1中に混合し、撹拌器2によって高速撹拌して、乳濁
状の懸濁液を調製した。そして容器1の下部からCO2
ス(99.9%)を1L/分の流量で液中に20分間バブリング
した。これによりBa2+イオンと CO3 2-イオンの過飽和状
態が作られ、 BaCO3が析出した懸濁液が調製された。
【0060】この懸濁液に、 480gのアルミニウムトリ
イソプロポキシドを 700mlのイソプロパノールに溶解し
た溶液全量を速やかに混合し、80℃に加温しながら1時
間撹拌した。その後さらに 254mlの水を加え、80℃で3
時間撹拌混合して加水分解を行った。
【0061】その後、エバポレータによって脱アルコー
ルを行い、さらに真空乾燥してアルコールを完全に除去
した。これを 120℃で1時間乾燥し、 500℃で1時間焼
成して、 120gの Al2O3に 0.2モルの BaCO3が担持され
たBa/Al2O3粉末を得た。
【0062】このBa/Al2O3粉末に所定濃度のジニトロジ
アンミン白金水溶液の所定量を含浸させ、 120℃で1時
間と 500℃で1時間蒸発・乾固して、 Al2O3に 0.2モル
の BaCO3と2gのPtを担持した粉末状のNOx 吸蔵還元型
触媒を得た。
【0063】(実施例3)実施例2と同様にして BaCO3
が析出した懸濁液を調製し、これに実施例1と同様の A
l2O3粉末 120gを加えて撹拌混合した。その後実施例2
と同様にして脱アルコールし、乾燥・焼成を経て 120g
の Al2O3に 0.2モルの BaCO3が担持されたBa/Al2O3粉末
を得た。このBa/Al2O3粉末に、実施例2と同様にしてPt
を担持し、実施例3のNOx 吸蔵還元型触媒とした。
【0064】(比較例2)実施例1と同様の Al2O3粉末
120gに所定濃度の酢酸バリウム水溶液の所定量を含浸
させ、 120℃で1時間と 550℃で2時間蒸発・乾固して
Baを 0.2モル担持したBa/Al2O3粉末を調製した。これを
炭酸水素アンモニウムが0.22モル溶解した水溶液中で処
理してBaを BaCO3とし、吸引濾過後 250℃で1時間乾燥
した。これに実施例2と同様にしてPtを担持し、比較例
2のNOx 吸蔵還元型触媒とした。
【0065】<試験例3>実施例2、実施例3及び比較
例2の触媒をそれぞれ定法でペレット化し、実験室用反
応器にそれぞれ配置した。そして試験例2と同様にして
硫黄被毒耐久試験を行い、同様にして飽和NOx 吸蔵量と
リッチスパイクNOx 吸蔵量を測定した。結果を図4及び
図5に示す。
【0066】図4及び図5から、各触媒のNOx 吸蔵能
は、実施例2>実施例3>比較例2の順序であり、実施
例2及び実施例3の触媒は比較例2の触媒に比べてNOx
吸蔵能に優れていることがわかる。これは担持されてい
る BaCO3の粒径の差に起因するものである。
【0067】また実施例2の触媒の方が実施例3の触媒
より優れたNOx 吸蔵能を示している。これは、実施例2
の触媒では BaCO3が Al2O3中に均一に分散担持され、凝
集した状態のBaCO3が少ないために、脱アルコールや乾
燥・焼成時に凝集物が結晶へと変化することが少なく、
実施例3の触媒に比べて BaCO3の粒径が小さいことに起
因していると考えられる。
【0068】(実施例4)実施例1と同様の Al2O3粉末
100重量部と、アルミナゾル( Al2O3を40重量%含有)
7.5重量部と、硝酸アルミニウム12重量部と、水77重量
部を混合し、スラリーを調製した。そしてコージェライ
ト製のハニカム基材( 400セル, 1.3L)をこのスラリ
ー中に浸漬し、引き上げて余分なスラリーを吸引除去し
た後、乾燥・焼成して、ハニカム基材表面にコート層を
形成した。コート層の形成量は、ハニカム基材1L当た
り 120gである。
【0069】一方、水酸化バリウム 0.2モルをメタノー
ル2100ml中に混合して撹拌し、懸濁液を調製した。この
懸濁液中に上記のコート層をもつハニカム基材を浸漬
し、懸濁液の全量をコート層に含浸させた。次いで、ハ
ニカム通路内に通気してメタノールを揮散させた後、 1
20℃で乾燥した。
【0070】次に図6に示すように、メタノール4中に
CO2 ガスをバブリングしてCO2 を溶解させた。この溶液
を、コート層に水酸化バリウムを担持したハニカム基材
5に循環させ、コート層に担持されている水酸化バリウ
ムを炭酸化して、炭酸バリウムの沈殿をコート層内に担
持した。
【0071】溶液を所定時間循環させた後、ハニカム基
材5を取り出し、ハニカム通路内に通気してメタノール
を揮散させた後、 120℃で乾燥し 350℃で焼成した。そ
の後、白金アンミン薬液を用いてコート層にPtを担持
し、 120℃で乾燥後 500℃で焼成して触媒とした。この
触媒では、触媒1L当たりPtが2g、炭酸バリウムが
0.2モル担持されている。
【0072】(実施例5)水酸化バリウム 0.2モルをメ
タノール2100ml中に混合して撹拌し、懸濁液を調製し
た。
【0073】一方、CO2 ガスを導入可能な配管を設置し
た反応容器に 120gの実施例1と同様の Al2O3粉末を入
れ、ここに上記懸濁液を加えて速やかに撹拌し、同時に
反応容器内にCO2 ガスをバブリング導入して、水酸化バ
リウムを炭酸塩化するとともにアルミナ粉末上に担持し
た。
【0074】反応終了後、エバポレータにてメタノール
を除去し、 120℃で乾燥後 350℃で焼成した。得られた
炭酸バリウム担持 Al2O3粉末 100重量部と、ベーマイト
9重量部と、水77重量部を混合してスラリーを調製し
た。
【0075】このスラリーを用いたこと以外は実施例4
と同様にして、コート層を形成した。そしてCO2 を溶解
させた溶液を循環しなかったこと以外は実施例4と同様
にしてPtを担持し、実施例5の触媒を調製した。この触
媒では、触媒1L当たりPtが2g、炭酸バリウムが 0.2
モル担持されている。
【0076】<試験例4>実施例4及び実施例5の触媒
をコンバータ容器にそれぞれ収納し、4気筒1800CCのエ
ンジンからのストイキ雰囲気の排ガスを、入りガス温度
450℃で通過させるエージングを行った。次いで排ガス
温度を 500℃を超える温度まで昇温し、その後 250℃以
下まで降温させたときの、各温度における飽和NOx 吸蔵
量を測定した。結果を図7に示す。
【0077】図7より、実施例4の触媒は実施例5の触
媒よりNOx 吸蔵量が多いことがわかる。Pt及びBaの担持
量は各触媒とも同一であるから、この差はNOx 吸蔵材の
担持方法にあることが明らかである。つまり、予め形成
されたコート層に水酸化バリウムを担持した後に炭酸塩
化した実施例4の触媒では、NOx 吸蔵材がコート層の表
層に多く担持されているため、実施例5の触媒に比べて
NOx 吸蔵材の利用効率が高まったと考えられる。
【0078】
【発明の効果】すなわち本発明の製造方法によれば、粒
径が約20nm以下の微細なNOx 吸蔵材を担持した担体粉末
及びNOx 吸蔵還元型触媒粉末を確実にかつ容易に製造す
ることができる。そして得られたNOx 吸蔵還元型触媒
は、きわめて高いNOx 吸蔵能を有し高いNOx 浄化性能を
有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に用いた反応装置の概略説明
図である。
【図2】実施例1及び比較例1の触媒の飽和NOx 吸蔵量
を示すグラフである。
【図3】実施例1及び比較例1の触媒のリッチスパイク
NOx 吸蔵量を示すグラフである。
【図4】実施例2,実施例3及び比較例2の触媒の飽和
NOx 吸蔵量を示すグラフである。
【図5】実施例2,実施例3及び比較例2の触媒のリッ
チスパイクNOx 吸蔵量を示すグラフである。
【図6】本発明の実施例で用いた循環装置の概略説明図
である。
【図7】実施例4及び実施例5の触媒の飽和NOx 吸蔵量
を示すグラフである。
【符号の説明】
1:容器 2:撹拌機 3:懸
濁液 4:メタノール 5:ハニカム基材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 37/03 B01J 37/04 102 37/04 102 F01N 3/08 A F01N 3/08 3/10 Z 3/10 B01D 53/36 101Z Fターム(参考) 3G091 AA12 AB06 AB09 BA01 BA07 BA11 BA14 BA39 CB02 DA01 DA02 DB10 EA30 FB10 FB12 GA01 GA06 GB01X GB03Y GB05W GB10X GB10Y GB13Y GB17X HA18 4D048 AA06 AB02 AB03 BA01Y BA02Y BA15X BA15Y BA30X BA31Y BA32Y BA33Y BA34Y BA45X BB01 BB02 CC38 EA04 4G066 AA16B AA20C AA28D AA43B AB24A CA28 DA02 FA03 FA15 FA22 FA34 FA37 4G069 AA03 AA08 AA09 AA12 BA01B BA27A BA27B BA27C BA37 BB16A BB16B BB16C BC08A BC13B BC32A BC33A BC69A BC75B DA06 EA01Y EA19 EB18Y EC03Y FB05 FB08 FC02 FC10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水より比誘電率が低い極性溶媒中にNOx
    吸蔵元素の化合物と担体粉末とを懸濁させた状態でCO2
    を供給し、微細な該NOx 吸蔵元素の炭酸塩を該担体粉末
    上に担持することを特徴とするNOx 吸蔵材の担持方法。
  2. 【請求項2】 水より比誘電率が低い極性溶媒中にNOx
    吸蔵元素の化合物を懸濁させて懸濁液を調製し、該懸濁
    液中にCO2 を供給して該NOx 吸蔵元素を炭酸塩化すると
    ともに該懸濁液中に金属アルコキシドを混合して該金属
    アルコキシドを加水分解し、次いで乾燥・焼成すること
    によって担体粉末を形成するとともに該担体粉末に微細
    な該NOx 吸蔵元素の炭酸塩を担持することを特徴とする
    NOx 吸蔵材の担持方法。
  3. 【請求項3】 基材に担体粉末を主成分とするコート層
    を形成する工程と、NOx 吸蔵元素の化合物を水より比誘
    電率が低い極性溶媒中に懸濁させた懸濁液を調製する工
    程と、該コート層をもつ該基材を該懸濁液中と接触させ
    該コート層に該NOx 吸蔵元素の化合物を担持して化合物
    担持担体とする工程と、水より比誘電率が低い極性溶媒
    中にCO2 を溶解させた溶液を該化合物担持担体に接触さ
    せて担持されている該NOx 吸蔵元素の化合物を炭酸塩化
    し次いで乾燥・焼成する工程と、よりなることを特徴と
    するNOx 吸蔵材の担持方法。
  4. 【請求項4】 水より比誘電率が低い極性溶媒はアルコ
    ール系溶媒及びアセトンから選ばれる少なくとも一種で
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    NOx 吸蔵材の担持方法。
  5. 【請求項5】 前記NOx 吸蔵元素はアルカリ土類金属で
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    NOx 吸蔵材の担持方法。
  6. 【請求項6】 請求項1又は請求項2に記載の方法で得
    られた前記NOx 吸蔵元素の炭酸塩を担持した前記担体粉
    末に貴金属を担持することを特徴とするNOx吸蔵還元型
    触媒の製造方法。
  7. 【請求項7】 水より比誘電率が低い極性溶媒中にNOx
    吸蔵元素の化合物と担体粉末に貴金属を予め担持した触
    媒粉末とを懸濁させた状態でCO2 を供給し、微細な該NO
    x 吸蔵元素の炭酸塩を該触媒粉末上に担持することを特
    徴とするNOx吸蔵還元型触媒の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項3に記載の方法で得られた前記NO
    x 吸蔵元素の炭酸塩が担持された前記コート層をもつ基
    材の前記コート層に貴金属を担持することを特徴とする
    NOx 吸蔵還元型触媒の製造方法。
  9. 【請求項9】 水より比誘電率が低い極性溶媒はアルコ
    ール系溶媒及びアセトンから選ばれる少なくとも一種で
    あることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の
    NOx 吸蔵還元型触媒の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記NOx 吸蔵元素はアルカリ土類金属で
    あることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の
    NOx 吸蔵還元型触媒の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009233560A (ja) * 2008-03-27 2009-10-15 Toshiba Corp 微粒子担持装置および微粒子担持方法
JP2013112527A (ja) * 2011-11-29 2013-06-10 Toshiba Corp シート処理装置

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