JP2001326377A - 光受信回路および光受信回路アレー - Google Patents

光受信回路および光受信回路アレー

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JP2001326377A
JP2001326377A JP2000142765A JP2000142765A JP2001326377A JP 2001326377 A JP2001326377 A JP 2001326377A JP 2000142765 A JP2000142765 A JP 2000142765A JP 2000142765 A JP2000142765 A JP 2000142765A JP 2001326377 A JP2001326377 A JP 2001326377A
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optical receiving
receiving circuit
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parallel feedback
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JP2000142765A
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Tatsushi Nakahara
達志 中原
Noboru Ishihara
昇 石原
Hiroyuki Tsuda
裕之 津田
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動作速度が速く、受光感度が高く、インピー
ダンス変換利得が大きく、かつ、多チャンネル化した際
のチャンネル間クロストークの小さい小型の光受信回路
を実現する。 【解決手段】 ウェーハボンディングを用いたハイブリ
ッド集積法によってフォトダイオードをアンプ回路基板
上に直接貼り合わせ、かつ、そのフォトダイオードと前
記アンプ回路とをアンプ回路基板上の電極パッドを利用
して電気的に結合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速に強度変調さ
れた光信号を受光して電気信号に変換する光受信回路お
よび光受信回路アレーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光受信回路は、フォトダイオード(以
下、PDと称す)と、トランスインピーダンス型のアン
プ(以下、TIAと称す)回路とを電気的に接続するこ
とにより構成され、低コスト化を重要視する場合は、低
コストなシリコンのTIA回路と化合物半導体のPDと
を、ハイブリッドに集積する方法が用いられてきた。
【0003】その際、PDとTIA回路を接続する方法
として、化合物半導体のPDを集積したチップと、シリ
コンのTIA回路を集積したチップを、別々に用意し、
これら2つのチップを金属ワイヤまたは半田でボンディ
ングする方法が用いられていた。
【0004】光受信回路の特性を良くする、すなわち、
動作速度を速くし受光感度を高くするためには、PDの
等価容量を低減することが有効である。ここに言う等価
容量とは、PDが本来有するpn接合の容量と、電極パ
ッドなどに由来する寄生容量の和のことである。図3
に、厚さ3μmの吸収層を持つPDの容量と、シリコン
CMOSプロセスにおける電極パッドの容量の、各々の
サイズ依存特性を示す。
【0005】PDは円形、電極パッドは正方形を仮定し
ている。PDの直径は入射光信号のスポット径よりも大
きい必要があるが、レンズを用いて光結合する場合は直
径20μm、マルチモード導波路からの入射光をレンズ
なしで受光する場合においても、PDと導波路間の距離
を近付ければ80μmもあれば十分である。従って、P
D本来の容量は、10fFから200fFの範囲に小さ
く抑えられた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属ワ
イヤや半田を用いて、化合物半導体PDのチップとシリ
コンTIA回路のチップをボンディングする場合、各々
のチップ上に、100μm四方程度以上の大きな電極パ
ッドを要するため、電極パッドや配線に由来する寄生容
量が合計1pF以上にも達し、光受信回路の良好な特性
が得られない問題があった。また、電極パッドが大きい
ために、PDとTIA回路各々のチップ面積が大きくな
り、かつ、複数のチップを用いるため、小型のモジュー
ルにすることが難しい問題があった。更に、電極パッド
間の容量性結合が大きいために、受信回路をアレー化し
た場合に、チャンネル間のクロストークが大きい問題が
あった。
【0007】本発明の目的は、化合物半導体のPDとT
IA回路をハイブリッドに集積する光受信回路におい
て、動作速度が速く、受光感度が高く、インピーダンス
変換利得が大きく、かつ、多チャンネル化した際のチャ
ンネル間クロストークの小さい、小型の光受信回路およ
び光受信回路アレーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】このために請求項1の発明の光受信回路
は、光−電流変換機能を持つフォトダイオードと電流−
電圧変換機能を持つトランスインピーダンス型のアンプ
回路とをハイブリッドに結合して構成した光受信回路に
おいて、前記フォトダイオードが、ウェーハボンディン
グを用いたハイブリッド集積法によって前記アンプ回路
基板上に直接貼り合わされ、かつ、前記フォトダイオー
ドと前記アンプ回路とを電気的に結合するために、前記
アンプ回路基板上に専用の電極パッドを設けて構成し
た。
【0009】請求項2の発明の光受信回路は、請求項1
の発明において、前記トランスインピーダンス型のアン
プ回路を、シリコンCMOSのインバータ回路をN段
(Nは奇数)直列に接続した回路の入出力間に並列帰還
インピーダンスを接続した回路であるよう構成した。
【0010】請求項3の発明の光受信回路は、請求項2
の発明の光受信回路の後段に、並列帰還インピーダンス
を設けないM段(Mは自然数)のCMOSインバータ回
路を直列に接続して構成した。
【0011】請求項4の発明の光受信回路は、請求項2
又は3の発明において、前記並列帰還インピーダンスと
して純抵抗を用いた。
【0012】請求項5の発明の光受信回路は、請求項
2,3又は4の発明の光受信回路の後段に、チップ外の
インピーダンスとインピーダンス整合したオフチップド
ライバ回路を設けて構成した。
【0013】請求項6の発明の光受信回路は、請求項3
又は4の発明において、前記並列帰還インピーダンスを
設けたN段のインバータ回路部分に対する電源供給線と
グランド線の対と、前記並列帰還インピーダンスを設け
ないM段のインバータ回路部分に対する電源供給線とグ
ランド線の対を、回路チップ上において電気的に絶縁分
離し、回路チップ外に前記各対を個別に取り出して構成
した。
【0014】請求項7の発明の光受信回路は、請求項5
の発明において、前記並列帰還インピーダンスを設けた
N段のインバータ回路部分に対する電源供給線とグラン
ド線の対、前記並列帰還インピーダンスを設けないM段
のインバータ回路部分に対する電源供給線とグランド線
の対、前記オフチップドライバ回路に対する電源供給線
とグランド線の対のうち、少なくとも2対を回路チップ
上において電気的に絶縁分離し、回路チップ外に取り出
す前記対の数を少なくとも2対とした。
【0015】請求項8の発明の光受信回路アレーは、請
求項1,2,3,4,5,6又は7の発明の光受信回路
をアレー状に複数並べて多チャンネル化して構成した。
【0016】
【発明の実施の形態】[光受信回路の構造の実施形態]
図1に、請求項1の発明の光受信回路の実施形態の断面
構造を示す。201はシリコン回路基板、PAD1は基
板201上に設けたPDのカソード専用電極パッド、P
AD2は基板201上に設けたPDのアノード専用電極
パッド、213〜217および221〜223はPDを
構成する後記する層、218はPDとTIA回路を機械
的に接着するためのウェーハボンディング用ポリイミ
ド、224はPDとTIA回路を電気的に結合するため
の金メッキ配線である。
【0017】このような構造を用いれば、電極パッドP
AD1、PAD2の面積を、1個あたり、大きくとも4
00μm2以下にできるため、PDの等価容量は、PD
本来の容量に、高々20fF程度の値しか持たない電極
パッドPAD2の容量を足し合わせた値、すなわち30
fFから220fF程度に低く抑えられる。ここでは大
きな電極パッドや長い配線やボンディングワイヤは存在
しないため、それらに付随する寄生容量は足し合あわさ
れない。従って、金属ワイヤや半田を用いた構造に比べ
て、光受信回路の特性を良くすることができる。この特
性向上効果を以下に具体的な回路を用いて説明する。
【0018】[光受信回路の回路構成の第1実施形態]
図2に、請求項2の光受信回路の実施形態の回路図を示
す。TIA回路は、シリコンCMOSのインバータをN
段(Nは奇数)直列に接続した回路の入出力間に1個の
並列帰還インピーダンスを設けたアンプ回路である。図
2において、PDはフォトダイオード、Vdd1は電源供
給線、G1はグランド線、Zf1は並列帰還インピーダ
ンス、Trn(k)は、初段から数えてk段目(kは自然
数)のインバータを構成するn型MOSトランジスタ、
Trp(k)は同じくk段目のインバータを構成するp型M
OSトランジスタ、V1は出力電圧である。
【0019】図4に、図2に示した光受信回路における
−3dB帯域とZf1との関係を見積もる。ここに、N
=1とし、初段のn型MOSトランジスタTrn(1)のゲ
ート幅を10μmと仮定した。また、Zf1には帰還抵
抗を用いると仮定した。図にはPDの等価容量が50f
Fの場合と1pFの場合のグラフを示した。−3dB帯
域はフロントエンドの入力容量と帰還抵抗Zf1とのC
R時定数で制限されるため、同じ帰還抵抗値に対して、
PDの等価容量が50fFの方が約1桁高い帯域を達成
しており、PDの低容量化が広帯域化に有効であること
が示されている。逆に言うと、同じ帯域を達成するの
に、大きな帰還抵抗値を用いることができるため、PD
の低容量化は、アンプの利得を大きくできる効果も持
つ。更に、帰還抵抗値を大きくすることは、以下に図5
で説明するように、最小受光感度を小さくする(高感度
にする)ことにも寄与する。
【0020】図5に、図2に示した光受信回路における
最小受光感度と初段のn型MOSトランジスタTrn(1)
のゲート幅との関係を見積もる。ここに、N=1および
−3dB帯域1GHzを仮定した。また、Zf1には帰
還抵抗を用いると仮定した。更にPDの光電変換効率は
0.4A/Wと仮定した。PDの暗電流は充分小さく雑
音源にはならないと仮定し、雑音源として帰還抵抗Zf
1の熱雑音とトランジスタのチャンネル雑音を考慮し
た。PDの等価容量が50fF、400fF、1pFの
場合のグラフを示した。PDの等価容量が小さい程、同
じ帯域を達成する帰還抵抗値を大きく設定できるため、
熱雑音、チャネル雑音共に低く抑えられ、最小受光感度
を小さくできる(高感度にできる)ことが示されてい
る。
【0021】初段インバータのトランジスタの入力容量
は、PDの等価容量と足し算された形で、帰還抵抗Zf
1とのCR時定数により受信回路の−3dB帯域を制限
するが、PDの等価容量が50fFと充分小さい場合
は、初段トランジスタの容量が相対的に大きな比重を占
めるため、初段トランジスタのゲート幅の縮小効果が顕
著である。図5の50fFのグラフに示されるように、
初段トランジスタのゲート幅を5μmとすれば、1GH
zの帯域において、−27dBmの高感度が見込まれ
る。
【0022】これに対し、PDの等価容量がpFオーダ
ー程度に大きい場合は、初段トランジスタのゲート幅の
縮小効果は、20μm以上の比較的大きなサイズ領域で
のみ有効となる。これは、CR時定数におけるPDの等
価容量の比重が大きいために、トランジスタのゲート幅
を20μm程度以下に小さくした場合、サイズ縮小によ
る帰還抵抗の高抵抗化とそれに伴う高感度化効果より
も、サイズ縮小によるトランジスタのトランスコンダク
タンスの低下とそれに伴うチャネル雑音の増大効果の方
が顕著になり、受光感度は逆に大きくなってしまう(低
感度になってしまう)ためである。
【0023】例えば、PDの等価容量が1pFの場合
は、初段トランジスタのゲート幅が20μmのときに最
も高感度となり、1GHzの帯域において−19.4d
Bmの感度が見込まれる。これは先の値−27dBmと
比較して7dB以上悪い感度であり、またトランジスタ
のサイズも大きくなっている。
【0024】従って、PDの等価容量を低減すること
は、受信回路の最小受光感度を小さくする(高感度にす
る)と同時に、回路の小型化にも有効であると言える。
【0025】以上に説明したように、請求項1、2に記
載の光受信回路を用いることにより、受信回路の広帯域
化、高利得化、高感度化、トランジスタサイズの小型化
を図ることができる。
【0026】[光受信回路の回路構成の第2実施形態]
インピーダンス変換利得を大きくしたい場合には、アン
プを直列に多段接続することが有効である。図6に、こ
のようにした請求項3の光受信回路の実施形態を示す。
これは図2に示した光受信回路の後段に、並列帰還イン
ピーダンスを設けないM段(Mは自然数)のCMOSイ
ンバータ回路を直列に接続した回路である。Vdd2、G
2は、並列帰還インピーダンスZf1を設けないM段の
直列接続インバータ回路部分に対する、各々、電源供給
線、グランド線であり、V2は出力電圧である。
【0027】このような構成では、後段のM段のインバ
ータがアンプとして働き、受信回路の利得を更に高くす
ることができる。このように、並列帰還インピーダンス
Zf1を接続したN段のCMOSインバータ回路に並列
帰還インピーダンスを接続しないM段のCMOSインバ
ータ回路を接続した光受信回路を用いることにより、受
信回路の更なる高利得化を図ることができる。
【0028】[光受信回路の回路構成の第3実施形態]
請求項5に記載のように、前記した図2,図6の光受信
回路の後段に、チップ外のインピーダンスとインピーダ
ンス整合したオフチップドライバ回路を設けると、受信
回路の出力を、例えば、50Ω同軸ケーブルに直接接続
しても、反射や減衰による波形の劣化は起こらない。こ
のような光受信回路を用いることにより、受信回路の出
力を、波形の劣化なく、チップ外に取り出すことができ
る。
【0029】[光受信回路の回路構成の第4実施形態]
アナログ受信回路を安定に動作させるためには、増幅さ
れた出力側の信号が入力側に回り込まないように設計す
る必要がある。これは、微少な信号を検出する高感度な
受信回路を実現するために、あるいは、利得の高い受信
回路における発振現象を回避するために、必須である。
出力側の信号の回り込みは、主として、電源供給線ある
いはグランド線を経由して起こるので、請求項6,7に
記載のように、入力側と出力側の電源供給線およびグラ
ンド線を共通化しないことが、アナログ受信回路の高感
度化と高利得化を達成する際に有効である。
【0030】このように電源系の分離を行うことによっ
て高感度で高利得な受信回路を安定に動作させることが
できる。
【0031】[光受信回路の回路構成の第5実施形態]
請求項8に記載のように、上記した図2,図6の光受信
回路をアレー状に複数並べると、多チャンネルの光受信
回路アレーを構成できる。この光受信回路アレーにおい
ては、電極パッドに付随する寄生容量を20fF程度以
下に小さくできるため、隣接チャンネルの電極パッド間
に存在する容量も小さく抑えることができる。その結
果、容量性結合に起因するチャンネル間クロストークを
著しく低減することができ、クロストークの小さい、多
チャンネルの受信回路アレーを実現することができる。
【0032】[光受信回路の回路構成の第6実施形態]
図8に、第6実施形態の光受信回路を示す。これは、N
=M=1とした図6の光受信回路において、並列帰還イ
ンピーダンスZf1として請求項4に記載のように純抵
抗Rf1を用い、更に、請求項5に記載のように並列帰
還インピーダンスを有しないインバータ回路の後段に5
0Ωオフチップドライバ回路を接続したものである。V
dd3、G3は、各々、オフチップドライバ回路に対する
電源供給線およびグランド線である。ここでは、前記請
求項6,7に記載したしたように、電源供給線Vdd1,
Vdd2,Vdd3はチップ内で絶縁分離し、また、グラン
ド線G1,G2,G3もチップ内で絶縁分離した。
【0033】電極パッドPAD1、PAD2のサイズ
は、ともに15μmの正方形(面積225μm2 )、
帰還抵抗Rf1は5KΩ、トランジスタのゲート幅は、
Trn(1)を15μm、Trp(1)を45μm、Trn(2)を2
0μm、Trp(2)を40μmとした。
【0034】オフチップドライバ回路は、並列帰還抵抗
を設けたインバータを2段直列接続した回路となってお
り、1段目は、帰還抵抗Rf2を1.2KΩ、n型MO
SトランジスタTrnD(1)のゲート幅を23μm、p型
MOSトランジスタTrpD(1)のゲート幅を108μm
とした。2段目は、帰還抵抗Rf3を0.25KΩ、n
型MOSトランジスタTrnD(2)のゲート幅を92μ
m、p型MOSトランジスタTrpD(2)のゲート幅を4
32μmとした。このように、トランジスタのサイズ
を、前段を小さく、後段を逆テーパー状に大きくするこ
とにより、遅延時間を小さく抑え、かつ、50Ωの負荷
をドライブする電流ドライブ能力を付与することができ
た。帰還抵抗Rf2とRf3の抵抗値は、オフチップドラ
イバ回路の利得がゼロとなるよう、上記のように設定し
た。回路は、電源電圧の標準値が3.3Vである0.5
μmのCMOSプロセスを用いて製造した。
【0035】図8の回路の動作点を、図7の(a)、(b)、
(c)に図解する。図7(a)は、初段の並列帰還抵抗Rf1
を設けたインバータのオープンループ直流伝達特性であ
る。ここに、横軸は入力電圧、縦軸は出力電圧であり、
L1が伝達特性である。Leqは入力電圧=出力電圧の直
線、VeqはL1とLeqの交点の電圧値であり、PDに光
が入力されない時は、この交点(図に示した黒丸)が動
作点となり、入力電圧、出力電圧ともに同じくVeqの値
を取る。
【0036】図7(b)は、同じく並列帰還抵抗Rf1を
設けた初段のインバータの入力電流対出力電圧V1の特
性である。光を入力しない時にVeqであった出力電圧V
1は、入力光強度が大きくなるに従って減少し、ゼロに
達し一定値を取る。
【0037】図7(c)は、並列帰還抵抗を設けない2段
目のインバータの直流伝達特性である。ここに、横軸は
出力電圧V2、縦軸は入力電圧V1であり、L2が伝達
特性である。光がOFF状態からON状態に変化する
と、入力電圧V1は、図7(b)で説明したように、Veq
を起点として減少する方向に変化する。L2の電圧しき
い値は、L1のそれと同じか小さくなるように設定して
いるため、L2の動作点は、図中のPiからPfに変化
する。従って、出力電圧V2はゼロからVddに変化し、
正常な状態遷移が得られる。
【0038】[光受信回路の製造方法の実施形態]図9
に、実施したウェーハボンディング法を示す。この方法
は、既知のものであり、例えば、「T.Nakahara,et.al.,
Electron Lett.,vol.34,No.13,pp.1352-1353(1998)」に
記載されている。201はシリコン回路基板である。2
02はPD搭載部の真下に配置した第1CMOS回路領
域、203はPDを搭載しない領域に配置した第2CM
OS回路領域である。204は第1アルミ配線層、20
5は第2アルミ配線層、207は保護膜である。電極パ
ッドはアルミ配線層上の保護膜207を除去して形成さ
れる。PAD1はPDのカソード専用電極パッド、PA
D2はPDのアノード専用電極パッド、206はボンデ
ィングワイヤ用電極パッドである。
【0039】本実施形態では、図8に示した構成の回路
を、第1CMOS回路領域202あるいは第2CMOS
回路領域203に搭載するよう2種のレイアウトを実施
した。なお、CMOS回路領域202および203は、
保護膜を除き、アルミ配線層を含むすべての回路部品を
含んでいる。
【0040】一方、211は化合物半導体基板であり、
ここではGaAs(ガリウムひ素)基板を用いた。21
2〜217は、基板211上にエピタキシャル成長した
PD用の層である。212はInGaP(インジウムガ
リウムリン)選択エッチング層、213はp−GaAs
コンタクト層、214はp−Al0.15Ga0.85As(ア
ルミニウムガリウムひ素)層、215はi−GaAs光
吸収層、216はn−Al0.3Ga0.7As選択エッチン
グ層、217はn−GaAsコンタクト層である。各層
の厚さは212〜217の順に、50nm、50nm、
150nm、3000nm、200nm、500nmと
した。
【0041】基板の直径はシリコン基板201、GaA
s基板211共に2インチである。CMOS回路基板2
01の表面は、ウェーハボンディングする前に、平坦化
用ポリイミドの埋め込みと埋め込んだポリイミドの機械
研摩を行い、表面の凸凹を平坦化した。GaAs基板2
11のエピタキシャル成長膜の側に、ウェーハボンディ
ング用ポリイミド218をスピンコートした後、CMO
S基板201の回路側と貼り合わせ、ウェーハボンディ
ングした。このとき、ポリイミド218の厚さは1μm
とした。
【0042】摂氏200度の加熱によってポリイミド2
18を半硬化させた後、GaAs基板211を機械研摩
と化学エッチングで除去した。この際、エッチング液は
硫酸系のエッチング液を用い、選択エッチング層212
でエッチングを停止させた。引き続き、塩酸系のエッチ
ング液を用いて選択エッチング層212を除去した。
【0043】この状態において、シリコンCMOS基板
201の裏から基板越しに赤外光を当てると、CMOS
基板201上の位置合わせマーカを検出することができ
るので、位置合わせ精度5μm程度のフォトリソグラフ
ィーは可能である。この赤外光を用いたフォトリソグラ
フィーにより、CMOS基板201上の位置合わせマー
カを露出させるためのPD層212〜217の除去のエ
ッチングを行った。その後、摂氏350度に加熱し、ウ
ェーハボンディング用ポリイミド218を完全硬化させ
た後、露出した位置合わせマーカを用いて、ステッパー
によるメサ型PDのプロセスを行った。
【0044】前記した図1は完成した光受信回路の断面
図を示したものである。ウェーハボンディング用ポリイ
ミド218はPD搭載部の真下のみに残し、それ以外の
領域は酸素RIE(リアクティブイオンエッチング)で
除去した。221はpn分離用ポリイミド、222はA
uGe/Ni/Au、223はZn/Ni/Au、22
4は金メッキである。PDのメサ径は30μmである。
【0045】以上のようにして製造した光受信回路を、
NRZ(ノンリターンゼロ)フォーマットの疑似ランダ
ム光信号を用いたBER(ビットエラーレート)測定に
より評価した。電源供給線はVdd1、Vdd2、Vdd3共
に3.3Vとし、グランド線はG1、G2、G3供に0
Vとした。回路は1.3Gb/sの高速帯域まで動作
し、10-10のBERを得るのに必要な最小受光感度
は、622Mb/sのとき−29.7dBm、1Gb/
sのとき−27.1dBm、1.3Gb/sのとき−1
8.3dBmであった。これにより、図5の見積もりに
ほぼ等しい高速動作と高感度を同時に達成することがで
きた。
【0046】このような高性能な特性を実現できたの
は、帰還インピーダンスZf1としてトランジスタを用
いた抵抗や容量などを用いずに、純抵抗を用いたことに
より、帰還インピーダンスZf1で発生する雑音を低く
抑えられたことが一因である。また、電源供給線をチッ
プ上で絶縁分離したことも一因である。また、50Ωオ
フチップドライバ回路を付与したことにより、チップ外
への接続がスムーズに行えたことも一因である。帰還抵
抗値が5KΩと大きい上に、2段目のインバータで更に
増幅しているため、25KΩ(88dBΩ)の高いイン
ピーダンス変換利得を得ることができた。
【0047】本実施形態においてはPDには無反射コー
ティングを施しておらず、PDの光電変換効率は0.4
A/Wであったので、光−電圧変換効率は10000V
/Wとなる。PDに無反射コーティングを施せば、変換
効率は更に30%程度向上すると予想される。
【0048】なお、本実施形態では、化合物半導体のP
Dとして波長帯850nmのGaAs系の材料を用いた
例を説明したが、波長帯1550nmのInGaAs系
の材料やその他の波長帯の材料を用いても、同様に、光
受信回路の特性向上効果が得られることは言うまでもな
い。また、TIA回路としてシリコンCMOS回路を用
いた例を説明したが、シリコンバイポーラ回路と化合物
半導体PDを組み合わせた光受信回路においても、同様
に、受信回路の特性向上効果が期待される。更に、化合
物半導体のTIA回路を用いる場合においても、材料系
の異なるPDと組み合わせる場合には、本発明の光受信
回路は有効であると期待される。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明の光受信回路を用
いることにより、化合物半導体のPDと電子回路のTI
A回路をハイブリツドに集積する光受信回路において、
動作速度が速く、受光感度が高く、インピーダンス変換
利得が大きく、かつ、多チャンネル化した際のチャンネ
ル間クロストークの小さい、小型の回路を提供すること
が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光受信回路の構造の断面図である。
【図2】 並列帰還型CMOS光受信回路の実施形態の
回路図である。
【図3】 厚さ3μmの吸収層を持つPDの容量と、シ
リコンCMOSプロセスにおける電極パッドの容量の各
々のサイズ依存特性を示す図である。
【図4】 並列帰還型CMOS光受信回路における−3
dB帯域と帰還抵抗との関係を見積もった特性図であ
る。
【図5】 並列帰還型CMOS光受信回路における最小
受光感度と初段のn型MOSトランジスタのゲート幅と
の関係を見積もった特性図である。
【図6】 並列帰還型CMOS光受信回路の実施形態の
回路図である。
【図7】 (a)は光受信回路における並列帰還抵抗を設
けた初段のインバータのオープンループ直流伝達特性
図、(b)は光受信回路における並列帰還抵抗を設けた初
段のインバータの入力電流対出力電圧V1の特性図、
(c)は光受信回路における並列帰還抵抗を設けない2段
目のインバータの直流伝達特性図である。
【図8】 並列帰還型CMOS光受信回路の実施形態の
回路図である。
【図9】 ウェーハボンディング法による光受信回路の
製造方法の説明図である。
【符号の説明】
PD:フォトダイオード PAD1:PDのカソード専用電極パッド PAD2:PDのアノード専用電極パッド 201:シリコン回路基板 202:第1CMOS回路領域 203:第2CMOS回路領域 204:第1アルミ配線層 205:第2アルミ配線層 206:ボンディングワイヤ用電極パッド 207:保護膜 211:化合物半導体基板 212:選択エッチング層 213:p−コンタクト層 214:p層 215:i−光吸収層 216:n−選択エッチング層 217:n−コンタクト層 218:ウェーハボンディング用ポリイミド 221:pn分離用ポリイミド 222:AuGe/Ni/Au 223:Zn/Ni/Au 224:金メッキ配線
フロントページの続き (72)発明者 津田 裕之 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 5F049 MA04 MB07 NA01 NA03 NA04 NA08 NA09 NB01 PA20 RA02 RA06 UA01 UA07 UA11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光−電流変換機能を持つフォトダイオード
    と電流−電圧変換機能を持つトランスインピーダンス型
    のアンプ回路とをハイブリッドに結合して構成した光受
    信回路において、 前記フォトダイオードが、ウェーハボンディングを用い
    たハイブリッド集積法によって前記アンプ回路基板上に
    直接貼り合わされ、かつ、前記フォトダイオードと前記
    アンプ回路とを電気的に結合するために、前記アンプ回
    路基板上に専用の電極パッドを設けたことを特徴とする
    光受信回路。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記トランスインピーダンス型のアンプ回路が、シリコ
    ンCMOSのインバータ回路をN段(Nは奇数)直列に
    接続した回路の入出力間に並列帰還インピーダンスを接
    続した回路であることを特徴とする光受信回路。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の光受信回路の後段に、並
    列帰還インピーダンスを設けないM段(Mは自然数)の
    CMOSインバータ回路を直列に接続したことを特徴と
    する光受信回路。
  4. 【請求項4】請求項2又は請求項3において、 前記並列帰還インピーダンスとして純抵抗を用いたこと
    を特徴とする光受信回路。
  5. 【請求項5】請求項2,3又は4に記載の光受信回路の
    後段に、チップ外のインピーダンスとインピーダンス整
    合したオフチップドライバ回路を設けたことを特徴とす
    る光受信回路。
  6. 【請求項6】請求項3又は4において、 前記並列帰還インピーダンスを設けたN段のインバータ
    回路部分に対する電源供給線とグランド線の対と、前記
    並列帰還インピーダンスを設けないM段のインバータ回
    路部分に対する電源供給線とグランド線の対を、回路チ
    ップ上において電気的に絶縁分離し、回路チップ外に前
    記各対を個別に取り出したことを特徴とする光受信回
    路。
  7. 【請求項7】請求項5において、 前記並列帰還インピーダンスを設けたN段のインバータ
    回路部分に対する電源供給線とグランド線の対、前記並
    列帰還インピーダンスを設けないM段のインバータ回路
    部分に対する電源供給線とグランド線の対、前記オフチ
    ップドライバ回路に対する電源供給線とグランド線の対
    のうち、少なくとも2対を回路チップ上において電気的
    に絶縁分離し、回路チップ外に取り出す前記対の数を少
    なくとも2対としたことを特徴とする光受信回路。
  8. 【請求項8】請求項1,2,3,4,5,6又は7に記
    載の光受信回路をアレー状に複数並べて多チャンネル化
    したことを特徴とする光受信回路アレー。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1976012A3 (en) * 2007-03-30 2011-04-20 Kabushiki Kaisha Toshiba Optical CMOS receiver for a clock signal distribution
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JP2015053607A (ja) * 2013-09-06 2015-03-19 ソニー株式会社 電流電圧変換回路、光受信装置、および、光伝送システム
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US10715090B2 (en) 2017-07-21 2020-07-14 Fujitsu Limited Bias circuit with a replica circuit for an amplifier circuit and a generation circuit supplying bias voltage to the replica and amplifier circuits and optical receiver

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