JP2001326004A - 異方導電性シート - Google Patents

異方導電性シート

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JP2001326004A JP2000144833A JP2000144833A JP2001326004A JP 2001326004 A JP2001326004 A JP 2001326004A JP 2000144833 A JP2000144833 A JP 2000144833A JP 2000144833 A JP2000144833 A JP 2000144833A JP 2001326004 A JP2001326004 A JP 2001326004A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接続すべき回路装置の電極のピッチが小さい
ものである場合にも、所要の電気的接続を確実に達成す
ることができ、しかも、温度変化による熱履歴を受けた
場合にも、良好な電気的接続状態が維持される異方導電
性シートを提供すること。 【解決手段】 絶縁性の弾性高分子物質中に導電性粒子
が厚み方向に並ぶよう配向した状態で含有されてなる異
方導電性シート本体と、この異方導電性シート本体の周
縁部を保持する保持部材とよりなり、前記異方導電性シ
ート本体は、その面方向に伸張された状態で保持部材に
保持されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電子部品な
どの回路装置相互間の電気的接続や、プリント回路基
板、半導体集積回路などの回路装置の検査装置における
コネクターとして好ましく用いられる異方導電性シート
に関する。
【0002】
【従来の技術】異方導電性シートは、厚み方向にのみ導
電性を示すもの、または厚み方向に加圧されたときに厚
み方向にのみ導電性を示す加圧導電性導電部を有するも
のであり、ハンダ付けあるいは機械的嵌合などの手段を
用いずにコンパクトな電気的接続を達成することが可能
であること、機械的な衝撃やひずみを吸収してソフトな
接続が可能であることなどの特長を有するため、このよ
うな特長を利用して、例えば電子計算機、電子式デジタ
ル時計、電子カメラ、コンピューターキーボードなどの
分野において、回路装置、例えばプリント回路基板とリ
ードレスチップキャリアー、液晶パネルなどとの相互間
の電気的な接続を達成するためのコネクターとして広く
用いられている。
【0003】また、プリント回路基板や半導体集積回路
などの回路装置の電気的検査においては、検査対象であ
る回路装置の一面に形成された被検査電極と、検査用回
路基板の表面に形成された検査用電極との電気的な接続
を達成するために、回路装置の被検査電極領域と検査用
回路基板の検査用電極領域との間に異方導電性シートを
介在させることが行われている。
【0004】従来、このような異方導電性シートとして
は、種々の構造のものが知られており、例えば特開昭5
1−93393号公報等には、金属粒子をエラストマー
中に均一に分散して得られる異方導電性シート(以下、
これを「分散型異方導電性シート」ともいう。)が開示
され、また、特開昭53−147772号公報等には、
導電性磁性体粒子をエラストマー中に不均一に分布させ
ることにより、厚み方向に伸びる多数の導電路形成部
と、これらを相互に絶縁する絶縁部とが形成されてなる
異方導電性シート(以下、これを「偏在型異方導電性シ
ート」ともいう。)が開示され、更に、特開昭61−2
50906号公報等には、導電路形成部の表面と絶縁部
との間に段差が形成された偏在型異方導電性シートが開
示されている。これらの異方導電性シートにおいては、
弾性高分子物質よりなる基材中に導電性粒子が厚み方向
に並ぶよう配向した状態で含有されており、多数の導電
性粒子の連鎖によって導電路が形成される。
【0005】そして、分散型異方導電性シートにおいて
は、導電性粒子が面方向に分散した状態で含有されてお
り、接続すべき回路装置の電極によって適宜の個所が厚
み方向に加圧されたときに、当該加圧された個所におい
て厚み方向の抵抗値が減少して導電路が形成されるた
め、当該異方導電性シートと回路装置との位置合わせが
不要であり、従って、電気的接続作業を容易に行うこと
ができる利点がある。然るに、分散型異方導電性シート
は、厚み方向に押圧されることにより、厚み方向に圧縮
されて面方向に伸びるよう変形するため、接続すべき回
路装置の電極のピッチが小さいものである場合には、形
成される導電路間の絶縁性が十分に確保されず、その結
果、所要の電気的接続を達成することが困難である、と
いう問題がある。以上において、形成される導電路間の
絶縁性を確保するためには、異方導電性シート中の導電
性粒子の含有割合を小さくする手段や、異方導電性シー
トに作用される加圧力を小さくする手段が考えられる
が、このような手段では、当該異方導電性シートの厚み
方向に良好な導電性が得られない。
【0006】一方、偏在型異方導電性シートにおいて
は、例えば接続すべき回路装置の電極に対応するパター
ンに従って厚み方向に伸びる多数の導電路形成部が形成
されており、これらの導電路形成部は絶縁部によって相
互に絶縁されているため、電極のピッチが小さい回路装
置に対しても所要の電気的接続を達成することができる
利点がある。然るに、偏在型異方導電性シートと回路装
置との電気的接続作業においては、偏在型異方導電性シ
ートを回路装置に対して特定の位置関係をもって保持固
定することが必要であり、回路装置の電極のピッチが小
さくなるに従って偏在型異方導電性シートの位置合わせ
および保持固定が困難となる、という問題がある。
【0007】更に、従来の異方導電性シートにおいて
は、以下のような問題がある。半導体集積回路などの回
路装置の電気的検査においては、回路装置の潜在的欠陥
を発現させるため、バーンイン試験やヒートサイクル試
験が行われているが、このような試験においては、一旦
は異方導電性シートと回路装置との良好な電気的接続状
態が実現された場合であっても、温度変化による熱履歴
を受けると、熱膨張の程度が回路装置を構成する材料と
異方導電性シートを構成する材料との間で大きく異なる
ため、電気的接続状態が変化して安定な接続状態が維持
されない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基づいてなされたものであって、その目的は、
接続すべき回路装置の電極のピッチが小さいものである
場合にも、所要の電気的接続を確実に達成することがで
き、しかも、温度変化による熱履歴を受けた場合にも、
良好な電気的接続状態が維持される異方導電性シートを
提供することにある。本発明の他の目的は、接続すべき
回路装置に対する位置合わせ作業が不要で、接続すべき
回路装置の電極のピッチが小さいものである場合にも、
所要の電気的接続を確実に達成することができ、しか
も、温度変化による熱履歴を受けた場合にも、良好な電
気的接続状態が維持される異方導電性シートを提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の異方導電性シー
トは、絶縁性の弾性高分子物質中に導電性粒子が厚み方
向に並ぶよう配向した状態で含有されてなる異方導電性
シート本体と、この異方導電性シート本体の周縁部を保
持する保持部材とよりなり、前記異方導電性シート本体
は、その面方向に伸張された状態で保持部材に保持され
ていることを特徴とする。
【0010】本発明の異方導電性シートにおいては、前
記異方導電性シート本体が互いに交差する複数の方向に
伸張されていることが好ましい。また、前記異方導電性
シート本体の伸張率が5〜100%であることが好まし
い。また、前記異方導電性シート本体の厚みが、伸張さ
れていない状態において0.03〜0.5mmであるこ
とが好ましい。また、前記異方導電性シート本体におけ
る導電性粒子の厚み方向に並ぶ数が3〜20個であるこ
とが好ましい。また、前記異方導電性シート本体を構成
する弾性高分子物質は、150℃における圧縮永久歪み
が35%以下の液状シリコーンゴム硬化物であることが
好ましい。また、前記異方導電性シート本体を構成する
弾性高分子物質は、引き裂き強度が7kN/m以上の液
状シリコーンゴム硬化物であることが好ましい。
【0011】また、本発明の異方導電性シートにおいて
は、前記異方導電性シート本体における導電性粒子は、
面方向に分散された状態で含有されていることが好まし
い。このような異方導電性シートにおいては、前記異方
導電性シート本体における導電性粒子の割合が、体積分
率で5〜30%であることが好ましい。
【0012】
【作用】(1)異方導電性シート本体がその面方向に伸
張されることにより、厚み方向に並ぶ導電性粒子による
連鎖間の離間距離が長くなると共に、当該異方導電性シ
ート本体にはその厚み方向に縮むよう応力が作用するた
め、一の連鎖を形成する導電性粒子同士が接近して当該
導電性粒子間の電気的接続性が高くなる。従って、形成
される導電路間の絶縁性が高く、しかも、小さい加圧力
で良好な導電性が得られるので、接続すべき回路装置の
電極のピッチが小さいものである場合にも、所要の電気
的接続が確実に達成される。 (2)異方導電性シート本体がその面方向に伸張されて
いるため、温度変化による熱履歴を受けた場合には、異
方導電性シート本体の面方向においては、当該異方導電
性シート本体に作用する伸張力が変化するだけで寸法変
化が生じることが少ない。従って、温度変化による熱履
歴を受けた場合であっても、良好な電気的接続状態が確
実に維持される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の異方導電性シート
について詳細に説明する。図1は、本発明の異方導電性
シートの一例における構成を示す説明用断面図である。
この異方導電性シート1は、絶縁性の弾性高分子物質中
に導電性粒子が含有されてなる異方導電性シート本体1
0と、この異方導電性シート本体10の周縁部を保持す
る保持部材20とにより構成され、保持部材20は、矩
形の枠状のフレーム板21と、異方導電性シート本体1
0の周縁部を挟持するチャック22とにより構成されて
おり、チャック22は、フレーム板21の内縁部に固定
されている。
【0014】異方導電性シート本体10においては、図
2に示すように、絶縁性の弾性高分子物質E中に導電性
粒子Pが当該異方導電性シート本体10の厚み方向に並
ぶよう配向しており、これにより、導電性粒子Pの連鎖
Cが厚み方向に伸びるよう形成されている。また、導電
性粒子Pは、異方導電性シート本体10の面方向に分散
された状態で含有されている。このような異方導電性シ
ート本体10は、その横方向(図1において左右方向)
および縦方向(図1において紙面に垂直な方向)の2方
向に伸張された状態で、保持部材20のチャック22に
挟持されている。そして、伸張された状態の異方導電性
シート本体10は、図3に示すように、伸張されていな
い状態と比較して、当該異方導電性シート本体10中の
導電性粒子Pの連鎖Cの各々の離間距離が長くなってお
り、また、当該連鎖Cの各々においては、隣接する導電
性粒子P同士が互いに接近した状態である。
【0015】異方導電性シート本体10の伸張率は、伸
張方向の各々において、5〜100%であることが好ま
しく、より好ましくは10〜50%である。ここで、
「伸張率」とは、常温において、伸張されていない状態
の長さをL0 とし、伸張された状態の長さをLとしたと
き、式:〔(L−L0 )/L0 〕×100(%)により
算出される値をいう。この伸張率が5%以上であれば、
異方導電性シート本体10の熱膨張による寸法変化の影
響が小さいので好ましい。一方、この伸張率が100%
以下であれば、異方導電性シート本体10における導電
性粒子の連鎖による導電路が不安定になることが少な
く、抵抗値も小さくなり好ましい。
【0016】また、異方導電性シート本体10の厚み
は、伸張されていない状態(図2に示す状態)において
0.03〜0.5mmであることが好ましく、より好ま
しくは0.05〜0.3mmである。この厚みが0.0
3mm以上であれば、異方導電性シート本体10の機械
的強度が低下することが少なく、耐久性か良好となるの
で好ましい。一方、この厚みが0.5mm以下であれ
ば、伸張した異方導電性シート本体10の歪みが、当該
当該異方導電性シート本体10全体に均一なものとなり
やすく好ましい。
【0017】異方導電性シート本体10を構成する弾性
高分子物質Eとしては、架橋構造を有する高分子物質が
好ましい。架橋高分子物質を得るために用いることので
きる硬化性の高分子物質用材料としては、種々のものを
用いることができ、その具体例としては、ポリブタジエ
ンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブ
タジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン
共重合体ゴムなどの共役ジエン系ゴムおよびこれらの水
素添加物、スチレン−ブタジエン−ジエンブロック共重
合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体など
のブロック共重合体ゴムおよびこれらの水素添加物、ク
ロロプレン、ウレタンゴム、ポリエステル系ゴム、エピ
クロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、エチレン−プロ
ピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共
重合体ゴムなどが挙げられる。以上において、得られる
異方導電性シート本体10に耐候性が要求される場合に
は、共役ジエン系ゴム以外のものを用いることが好まし
く、特に、成形加工性および電気特性の観点から、シリ
コーンゴムを用いることが好ましい。
【0018】シリコーンゴムとしては、液状シリコーン
ゴムを架橋または縮合したものが好ましい。液状シリコ
ーンゴムは、その粘度が歪速度10-1secで105
アズ以下のものが好ましく、縮合型のもの、付加型のも
の、ビニル基やヒドロキシル基を含有するものなどのい
ずれであってもよい。具体的には、ジメチルシリコーン
生ゴム、メチルビニルシリコーン生ゴム、メチルフェニ
ルビニルシリコーン生ゴムなどを挙げることができる。
【0019】これらの中で、ビニル基を含有する液状シ
リコーンゴム(ビニル基含有ポリジメチルシロキサン)
は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチルジア
ルコキシシランを、ジメチルビニルクロロシランまたは
ジメチルビニルアルコキシシランの存在下において、加
水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−沈殿の
繰り返しによる分別を行うことにより得られる。また、
ビニル基を両末端に含有する液状シリコーンゴムは、オ
クタメチルシクロテトラシロキサンのような環状シロキ
サンを触媒の存在下においてアニオン重合し、重合停止
剤として例えばジメチルジビニルシロキサンを用い、そ
の他の反応条件(例えば、環状シロキサンの量および重
合停止剤の量)を適宜選択することにより得られる。こ
こで、アニオン重合の触媒としては、水酸化テトラメチ
ルアンモニウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムな
どのアルカリまたはこれらのシラノレート溶液などを用
いることができ、反応温度は、例えば80〜130℃で
ある。
【0020】一方、ヒドロキシル基を含有する液状シリ
コーンゴム(ヒドロキシル基含有ポリジメチルシロキサ
ン)は、通常、ジメチルジクロロシランまたはジメチル
ジアルコキシシランを、ジメチルヒドロクロロシランま
たはジメチルヒドロアルコキシシランの存在下におい
て、加水分解および縮合反応させ、例えば引続き溶解−
沈殿の繰り返しによる分別を行うことにより得られる。
また、環状シロキサンを触媒の存在下においてアニオン
重合し、重合停止剤として、例えばジメチルヒドロクロ
ロシラン、メチルジヒドロクロロシランまたはジメチル
ヒドロアルコキシシランなどを用い、その他の反応条件
(例えば、環状シロキサンの量および重合停止剤の量)
を適宜選択することによっても得られる。ここで、アニ
オン重合の触媒としては、水酸化テトラメチルアンモニ
ウムおよび水酸化n−ブチルホスホニウムなどのアルカ
リまたはこれらのシラノレート溶液などを用いることが
でき、反応温度は、例えば80〜130℃である。
【0021】液状シリコーンゴムとしては、その硬化物
の150℃における圧縮永久歪みが35%以下のものを
用いることが好ましく、より好ましくは20%以下であ
る。この圧縮永久歪みが35%以下である場合には、異
方導電性シート本体10はその厚み方向に繰り返して圧
縮させたときの耐久性が良好なものとなり好ましい。ま
た、液状シリコーンゴムとしては、その硬化物の23℃
における引き裂き強度が7kN/m以上のものを用いる
ことが好ましく、より好ましくは10kN/m以上であ
る。この引き裂き強度が7kN/m以上である場合に
は、異方導電性シート本体10はその厚み方向に繰り返
して圧縮させたときの耐久性が良好なものとなり好まし
い。ここで、液状シリコーンゴム硬化物の圧縮永久歪み
および引き裂き強度は、JIS K 6249に準拠し
た方法によって測定することができる。
【0022】このような弾性高分子物質は、その分子量
Mw(標準ポリスチレン換算重量平均分子量をいう。)
が10000〜40000のものであることが好まし
い。また、得られる異方導電性シート本体10の耐熱性
の観点から、分子量分布指数(標準ポリスチレン換算重
量平均分子量Mwと標準ポリスチレン換算数平均分子量
Mnとの比Mw/Mnの値をいう。)が2.0以下のも
のが好ましい。
【0023】以上において、異方導電性シート本体10
を得るためのシート成形材料中には、高分子物質用材料
を硬化させるための硬化触媒を含有させることができ
る。このような硬化触媒としては、有機過酸化物、脂肪
酸アゾ化合物、ヒドロシリル化触媒などを用いることが
できる。硬化触媒として用いられる有機過酸化物の具体
例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ビスジシクロベ
ンゾイル、過酸化ジクミル、過酸化ジターシャリーブチ
ルなどが挙げられる。硬化触媒として用いられる脂肪酸
アゾ化合物の具体例としては、アゾビスイソブチロニト
リルなどが挙げられる。ヒドロシリル化反応の触媒とし
て使用し得るものの具体例としては、塩化白金酸および
その塩、白金−不飽和基含有シロキサンコンプレック
ス、ビニルシロキサンと白金とのコンプレックス、白金
と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンとのコン
プレックス、トリオルガノホスフィンあるいはホスファ
イトと白金とのコンプレックス、アセチルアセテート白
金キレート、環状ジエンと白金とのコンプレックスなど
の公知のものが挙げられる。硬化触媒の使用量は、高分
子物質用材料の種類、硬化触媒の種類、その他の硬化処
理条件を考慮して適宜選択されるが、通常、高分子物質
用材料100重量部に対して3〜15重量部である。
【0024】また、シート成形材料中には、必要に応じ
て、通常のシリカ粉、コロイダルシリカ、エアロゲルシ
リカ、アルミナなどの無機充填材を含有させることがで
きる。このような無機充填材を含有させることにより、
当該シート成形材料のチクソトロピー性が確保され、そ
の粘度が高くなり、しかも、導電性粒子の分散安定性が
向上すると共に、得られる異方導電性シート本体10の
強度が高くなる。このような無機充填材の使用量は、特
に限定されるものではないが、多量に使用すると、磁場
による導電性粒子の配向を十分に達成することができな
くなるため、好ましくない。また、シート成形材料の粘
度は、温度25℃において100000〜100000
0cpの範囲内であることが好ましい。
【0025】基材中に含有される導電性粒子としては、
磁場を作用させることによって容易に異方導電性シート
本体10の厚み方向に並ぶよう配向させることができる
観点から、磁性を示す導電性粒子を用いることが好まし
い。このような導電性粒子の具体例としては、ニッケ
ル、鉄、コバルトなどの磁性を示す金属の粒子若しくは
これらの合金の粒子またはこれらの金属を含有する粒
子、またはこれらの粒子を芯粒子とし、当該芯粒子の表
面に金、銀、パラジウム、ロジウムなどの導電性の良好
な金属のメッキを施したもの、あるいは非磁性金属粒子
若しくはガラスビーズなどの無機物質粒子またはポリマ
ー粒子を芯粒子とし、当該芯粒子の表面に、ニッケル、
コバルトなどの導電性磁性体のメッキを施したもの、あ
るいは芯粒子に、導電性磁性体および導電性の良好な金
属の両方を被覆したものなどが挙げられる。これらの中
では、強磁性体よりなる粒子例えばニッケル粒子を芯粒
子とし、その表面に導電性の良好な金属、特に金のメッ
キを施したものを用いることが好ましい。芯粒子の表面
に導電性金属を被覆する手段としては、特に限定される
ものではないが、例えば化学メッキまたは電解メッキに
より行うことができる。
【0026】導電性粒子として、芯粒子の表面に導電性
金属が被覆されてなるものを用いる場合には、良好な導
電性が得られる観点から、粒子表面における導電性金属
の被覆率(芯粒子の表面積に対する導電性金属の被覆面
積の割合)が40%以上であることが好ましく、さらに
好ましくは45%以上、特に好ましくは47〜95%で
ある。また、導電性金属の被覆量は、芯粒子の0.5〜
50重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜
30重量%、さらに好ましくは3〜25重量%、特に好
ましくは4〜20重量%である。被覆される導電性金属
が金である場合には、その被覆量は、芯粒子の2.5〜
30重量%であることが好ましく、より好ましくは3〜
20重量%、さらに好ましくは3.5〜17重量%であ
る。
【0027】また、導電性粒子の粒子径は、1〜100
0μmであることが好ましく、より好ましくは2〜50
0μm、さらに好ましくは5〜300μm、特に好まし
くは10〜200μmである。また、導電性粒子の粒子
径分布(Dw/Dn)は、1〜10であることが好まし
く、より好ましくは1.01〜7、さらに好ましくは
1.05〜5、特に好ましくは1.1〜4である。この
ような条件を満足する導電性粒子を用いることにより、
当該導電性粒子間には十分な電気的接触が得られる。ま
た、導電性粒子の形状は、特に限定されるものではない
が、高分子物質形成材料中に容易に分散させることがで
きる点で、球状のもの、星形状のものあるいはこれらが
凝集した2次粒子による塊状のものであることが好まし
い。
【0028】また、導電性粒子の含水率は、5%以下で
あることが好ましく、より好ましくは3%以下、さらに
好ましくは2%以下、とくに好ましくは1%以下であ
る。このような条件を満足する導電性粒子を用いること
により、高分子物質用材料を硬化処理する際に気泡が生
ずることが防止または抑制される。
【0029】また、導電性粒子として、その表面がシラ
ンカップリング剤などのカップリング剤で処理されたも
のを適宜用いることができる。導電性粒子の表面がカッ
プリング剤で処理されることにより、当該導電性粒子と
弾性高分子物質との接着性が高くなり、その結果、得ら
れる異方導電性シート本体10は、繰り返しの使用にお
ける耐久性が高いものとなる。カップリング剤の使用量
は、導電性粒子の導電性に影響を与えない範囲で適宜選
択されるが、導電性粒子表面におけるカップリング剤の
被覆率(導電性芯粒子の表面積に対するカップリング剤
の被覆面積の割合)が5%以上となる量であることが好
ましく、より好ましくは上記被覆率が7〜100%、さ
らに好ましくは10〜100%、特に好ましくは20〜
100%となる量である。
【0030】異方導電性シート本体10には、導電性粒
子が体積分率で5〜30%、好ましくは7〜27%、特
に好ましくは10〜25%となる割合で含有されている
ことが好ましい。この割合が5%以上である場合には、
厚み方向に十分に電気抵抗値の小さい導電路が形成され
るので好ましい。一方、この割合が30%以下である場
合には、得られる異方導電性シート本体10は必要な弾
性を有するものとなるので好ましい。
【0031】また、異方導電性シート本体10において
は、その厚み方向に並ぶ導電性粒子Pの数(厚み方向に
導電路を形成するための導電性粒子Pの数。以下、「導
電路形成粒子数」ともいう。)が3〜20個であること
が好ましく、より好ましくは5〜15個である。この導
電路形成粒子数が3個以上である場合には、異方導電性
シート本体10の抵抗値のばらつきが小さくなり好まし
い。一方、導電路形成粒子数が20個以下である場合に
は、異方導電性シート本体10の伸張時または圧縮時
に、導電性粒子の連鎖による導電路の変形が大きくなら
ず、抵抗値の上昇を招くことが少なく好ましい。
【0032】また、異方導電性シート本体10には、弾
性高分子物質の絶縁性を損なわない範囲で帯電防止剤を
含有させることができる。かかる帯電防止剤としては、
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミ
ン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエ
チレンアルキルアミンの脂肪酸エステル、グリセリン脂
肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオシキ
エチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ン脂肪アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エ
ステル等の非イオン系帯電防止剤;アルキルスルホン酸
塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルサルフェ
ート、アルキルホスフェート等のアニオン系帯電防止
剤;テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベン
ジルアンモニウム塩等のカチオン系帯電防止剤;アルキ
ルペタイン、イミダゾリン型両性化合物等の両性帯電防
止剤などを用いることができる。
【0033】このような帯電防止剤を異方導電性シート
本体10中に含有させることにより、当該異方導電性シ
ート本体10の表面に電荷が蓄積されることが防止また
は抑制されるので、例えば異方導電性シートを回路装置
の電気的検査に使用する場合において、検査時に異方導
電性シート本体10から電荷が放電されることによる不
具合を防止することができると共に、一層小さい加圧力
で良好な導電性を得ることができる。以上のような効果
を確実に発揮させるためには、異方導電性シート本体1
0を形成する弾性高分子物質よりなる基材の体積固有抵
抗が1×109 〜1×1013Ω・cmとなるよう、帯電
防止剤を含有させることが好ましい。
【0034】上記のような異方導電性シート本体10
は、例えば以下のようにして製造することができる。先
ず、硬化されて弾性高分子物質となる液状の高分子物質
用材料中に、磁性を示す導電性粒子が分散されてなる流
動性のシート成形材料を調製し、図4に示すように、こ
のシート成形材料を金型50のキャビティ内に注入して
シート成形材料層10Aを形成する。ここで、金型は、
それぞれ矩形の強磁性体板よりなる上型51および下型
52が、矩形の枠状のスペーサー53を介して互いに対
向するよう配置されて構成され、上型51の下面と下型
52の上面との間にキャビティが形成されている。
【0035】次いで、上型51の上面および下型52の
下面に、例えば一対の電磁石を配置し、当該電磁石を作
動させることにより、シート成形材料層10Aの厚み方
向に平行磁場を作用させる。その結果、シート成形材料
層10Aにおいては、当該シート成形材料層10A中に
分散されている導電性粒子Pが、図5に示すように、面
方向に分散された状態を維持しながら厚み方向に並ぶよ
う配向する。そして、この状態において、シート成形材
料層10Aを硬化処理することにより、弾性高分子物質
中に導電性粒子Pが、厚み方向に並ぶよう配向した状態
でかつ面方向に分散された状態で含有されてなる異方導
電性シート本体10が製造される。
【0036】以上において、シート成形材料層10Aの
硬化処理は、平行磁場を作用させたままの状態で行うこ
ともできるが、平行磁場の作用を停止させた後に行うこ
ともできる。シート成形材料10Aに作用される平行磁
場の強度は、平均で200〜15000ガウスとなる大
きさが好ましい。また、シート成形材料層10Aに平行
磁場を作用させる手段としては、電磁石の代わりに永久
磁石を用いることもできる。永久磁石としては、上記の
範囲の平行磁場の強度が得られる点で、アルニコ(Fe
−Al−Ni−Co系合金)、フェライトなどよりなる
ものが好ましい。シート成形材料層10Aの硬化処理
は、使用される材料によって適宜選定されるが、通常、
加熱処理によって行われる。具体的な加熱温度および加
熱時間は、シート成形材料層10Aを構成する高分子物
質用材料などの種類、導電性粒子Pの移動に要する時間
などを考慮して適宜選定される。
【0037】本発明の異方導電性シートは、半導体集積
回路などの回路装置の電気的検査に好適に用いることが
できる。以下、本発明の異方導電性シートを使用して回
路装置の電気的検査を行う場合について説明する。回路
装置の電気的検査においては、図6に示すように、被検
査回路装置5の被検査電極6と対掌なパターンに従って
配置された検査用電極31を表面に有する検査用回路基
板30が用意される。そして、この検査用回路基板30
の表面上に、異方導電性シート1が配置され、この異方
導電性シート1上に、被検査回路装置5が、その被検査
電極6が検査用回路基板30の検査用電極31の上方に
位置されるよう配置される。ここで、被検査回路装置5
としては、プリント回路基板、半導体集積回路装置(I
C、LSI)、表面に多数の集積回路が形成されたウエ
ハなどが挙げられる。
【0038】次いで、例えば検査用回路基板30を被検
査回路装置5に接近する方向に移動させることにより、
異方導電性シート1が被検査回路装置5と検査用回路基
板30とにより加圧された状態となり、その結果、異方
導電性シート1の異方導電性シート本体10において
は、被検査回路装置5の被検査電極6と検査用回路基板
30の検査用電極31との間に導電性粒子の連鎖による
導電路が形成され、これにより、被検査回路装置5の被
検査電極6と検査用回路基板30の検査用電極31との
電気的接続が達成される。そして、被検査回路装置5に
おける潜在的欠陥を発現させるため、環境温度を所定の
温度例えば150℃に上昇させ、この状態で、当該被検
査回路装置5について所要の電気的検査が行われる。
【0039】このような異方導電性シート1によれば、
異方導電性シート本体10がその面方向に伸張されるこ
とにより、厚み方向に並ぶ導電性粒子Pによる連鎖C間
の離間距離が長くなると共に、当該異方導電性シート本
体10にはその厚み方向に縮むよう応力が作用するた
め、一の連鎖Cを形成する導電性粒子P同士が接近して
当該導電性粒子P間の電気的接続性が高くなる。従っ
て、形成される導電路間の絶縁性が高く、しかも、小さ
い加圧力で良好な導電性が得られるので、接続すべき回
路装置の電極のピッチが小さいものである場合にも、所
要の電気的接続を確実に達成することができる。また、
異方導電性シート本体10がその面方向に伸張されてい
るため、温度変化による熱履歴を受けた場合には、異方
導電性シート本体10の面方向においては、当該異方導
電性シート本体10に作用する伸張力が変化するだけで
熱膨張が生じることがない。従って、温度変化による熱
履歴を受けた場合であっても、良好な電気的接続状態が
確実に維持される。また、異方導電性シート本体10に
おいては、導電性粒子Pが当該異方導電性シート本体1
0の面方向に分散された状態で含有されており、加圧さ
れた個所において厚み方向の抵抗値が減少して導電路が
形成されるため、接続すべき回路装置との位置合わせが
不要であり、従って、電気的接続作業を容易に行うこと
ができる。
【0040】以上のような異方導電性シート1は、電子
計算機、電子式デジタル時計、電子カメラ、コンピュー
ターキーボードなどの分野において、例えばプリント回
路基板とリードレスチップキャリアー、液晶パネルなど
との相互間の電気的な接続を達成するためのコネクター
として好適なものであり、また、プリント回路基板、半
導体集積回路装置、表面に多数の集積回路が形成された
ウエハなどの回路装置の電気的検査において、検査対象
である回路装置の一面に形成された被検査電極と、検査
用回路基板の表面に形成された検査用電極との電気的な
接続を達成するためコネクターとして好適なものであ
る。
【0041】本発明の異方導電性シートは、上記の実施
の形態に限定されず、種々の変更を加えることが可能で
ある。 (1)異方導電性シート本体は、いわゆる分散型のもの
に限られず、導電性粒子が密に充填された、厚み方向に
伸びる多数の導電路形成部と、これらを相互に絶縁す
る、導電性粒子が全く或いは殆ど存在しない絶縁部とが
形成されてなる偏在型のものであってもよい。 (2)保持部材は、異方導電性シート本体を面方向に伸
張した状態で保持し得るものであれば、図1に示すもの
に限定されず、種々の構成を採用することができる。 (3)異方導電性シート本体の伸張方向は2方向(二
軸)に限定されず、1方向であってもよい。また、例え
ば異方導電性シート本体の平面形状が円形である場合に
は、その半径方向における3方向以上に伸張されていて
もよい。
【0042】(4)図7に示すように、本発明の異方導
電性シート1は、その保持部材25が、検査用回路基板
30に一体的に設けられた構成であってもよい。具体的
に説明すると、この異方導電性シート10は枠状のフレ
ーム板からなり、その内縁部には、異方導電性シート本
体10の周縁部を挟持するチャック部26が形成され、
その外縁部には、検査用回路基板30に固定される固定
部27が形成されている。そして、異方導電性シート本
体10が、横方向(図7において左右方向)および縦方
向(図7において紙面に垂直な方向)の2方向に伸張さ
れた状態で、保持部材25のチャック部26に挟持さ
れ、この状態で、保持部材25の固定部27が検査用回
路基板30に固定されている。このような構成によれ
ば、異方導電性シート10の保持部材25が検査用回路
基板30に一体的に設けられているため、回路装置の電
気的検査において、高い取扱い性が得られる。
【0043】
【実施例】以下、本発明の異方導電性シートの具体的な
実施例について説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。
【0044】〈実施例1〉 〔シート成形材料の調製〕二液型の付加型液状シリコー
ンゴムのA液とB液とを等量となる割合で混合した。こ
の混合物100重量部に平均粒子径が30μmの導電性
粒子200重量部を添加して混合した後、減圧による脱
泡処理を行うことにより、シート成形材料を調製した。
以上において、付加型液状シリコーンゴムとしては、A
液およびB液の粘度がそれぞれ5000Pで、その硬化
物の150℃における圧縮永久歪(JIS K6249
に準拠した測定方法)が7%、23℃における引き裂き
強度(JISK 6249に準拠した測定方法)が30
kN/mのものを用いた。また、導電性粒子としては、
ニッケル粒子を芯粒子とし、この芯粒子に無電解金メッ
キが施されてなるもの(平均被覆量:芯粒子の重量の8
重量%となる量)を用いた。
【0045】〔異方導電性シート本体の製造〕それぞれ
厚みが10mmの矩形の鉄板よりなる上型および下型
と、厚みが0.1mmの矩形の枠状のスペーサーとより
なる金型を用い、以下のようにして異方導電性シート本
体を製造した。金型のキャビティ内に、調製したシート
成形材料を注入し、減圧による脱泡処理を行うことによ
り、当該金型内にシート成形材料層を形成した。そし
て、シート成形材料層に対して、電磁石によって厚み方
向に5000ガウスの平行磁場を作用させながら、10
0℃、1.5時間の条件で当該シート成形材料層の硬化
処理を行い、更に、金型から離型した後に、200℃、
4時間の条件でポストキュアを行うことにより、厚みが
0.12mmの矩形の異方導電性シート本体を製造し
た。得られた異方導電性シート本体における導電性粒子
の割合は、体積分率で20%であった。
【0046】上記の異方導電性シート本体をその縦方向
および横方向の2方向に伸張し、この状態で、当該異方
導電性シート本体の周辺部を保持部材に保持させること
により、本発明の異方導電性シートを製造した。異方導
電性シート本体の伸張率は、縦方向が15%、横方向が
15%で、伸張された状態における厚みが0.09mm
であった。
【0047】〈実施例2〉二液型の付加型液状シリコー
ンゴムのA液とB液とを混合する前に、これらのA液お
よびB液の各々に、当該A液および当該B液の各々の1
00重量部に対して5重量部のナトリウムアルカンスル
ホネート〔Cn 2n+1SO3 Na(n=12〜20)〕
が溶解されたエタノール溶液を添加して混合した後、こ
れらの各々に対して真空脱気処理を行ってエタノールを
除去したこと以外は、実施例1と同様にしてシート成形
材料を調製し、厚みが0.12mmの矩形の異方導電性
シート本体を製造し、この異方導電性シート本体が、縦
方向および横方向にそれぞれ伸張率が15%で伸張さ
れ、伸張された状態における厚みが0.09mmである
本発明の異方導電性シートを製造した。
【0048】〈比較例1〉実施例1と同様にして調製し
たシート成形材料を、実施例1で使用した金型内に注入
し、減圧による脱泡処理を行うことにより、当該金型内
にシート成形材料層を形成した。そして、シート成形材
料層に対して、電磁石によって厚み方向に5000ガウ
スの平行磁場を作用させながら、100℃、1.5時間
の条件で当該シート成形材料層の硬化処理を行い、更
に、金型から離型した後に、200℃、4時間の条件で
ポストキュアを行うことにより、厚みが0.12mmの
矩形の分散型異方導電性シートを製造した。得られた分
散型異方導電性シートにおける導電性粒子の割合は、体
積分率で20%であった。
【0049】〈比較例2〉図8に示す構成の異方導電性
シート製造用金型を作製した。この金型60は、上型6
1、下型66および枠状のスペーサー65により構成さ
れ、上型61および下型66の各々においては、それぞ
れ厚みが5mmの鉄製の基板62,67上に、厚みが
0.2mmで径が0.25mmの円板状の複数の強磁性
体部63,68が、0.5mmのピッチで並ぶよう形成
され、この強磁性体部63,68が形成された個所以外
の個所には、厚みが0.25mmの感放射線性樹脂より
なる非磁性体部64,69が形成されている。また、ス
ペーサー65の厚みは0.2mmである。そして、この
金型内に、実施例1と同様にして調製したシート成形材
料を注入し、減圧による脱泡処理を行うことにより、当
該金型内にシート成形材料層を形成した。そして、シー
ト成形材料層に対して、電磁石によって厚み方向に50
00ガウスの平行磁場を作用させながら、120℃、
1.5時間の条件で当該シート成形材料層の硬化処理を
行い、更に、金型から離型した後に、200℃、4時間
の条件でポストキュアを行うことにより、それぞれ厚み
方向に伸びる複数の導電路形成部と、これらの導電路形
成部を相互に絶縁する絶縁部とよりなる偏在型異方導電
性シートを製造した。この偏在型異方導電性シートは、
径が0.25mmの円形の導電路形成部が、0.5mm
のピッチで配列されてなるものであって、絶縁部の厚み
が0.25mm、導電路形成部の厚みが0.35mmで
あり、導電路形成部が絶縁部の両面の各々から突出した
状態(それぞれの突出高さが0.05mm)に形成され
てなるものであった。また、導電路形成部における導電
性粒子の割合は、体積分率で25%であった。
【0050】〔異方導電性シートの評価〕実施例1〜2
および比較例1〜2で得られた異方導電性シートについ
て、以下のようにして、その電気的特性の評価を行っ
た。 (1)厚み方向の電気抵抗(初期導電性)の評価:電極
径が0.25mmである真鍮に金メッキを施した円柱状
電極を、上下に精密移動が可能なZ軸テーブルにロード
セルと接続した状態で取り付けると共に、このZ軸テー
ブルの下方に設けられたXYテーブル上に設置された、
真鍮に金メッキを施した平板電極上に、実施例1〜2お
よび比較例1〜2に係る異方導電性シートの各々を載置
し、次いで、Z軸テーブルを下方に移動させることによ
り、異方導電性シートに円柱状電極によって加圧し、当
該異方導電性シートに3g、5g、10g、15gの定
荷重を加えて測定状態とした。そして、室温で、円柱状
電極と平板電極との間の電気抵抗の測定を4端子法によ
り行った。電気抵抗の測定は、XYテーブルを移動させ
て合計で20個所について行い、その平均値を求めた。
【0051】(2)形成される導電路間の電気抵抗(初
期絶縁性)の評価:L−S(100μm−100μm、
電極サイズが2mm長のものが20個)の櫛形基板をX
Yテーブル上に設置し、この櫛形基板上に実施例1〜2
および比較例1に係る異方導電性シートの各々を配置
し、更にこの異方導電性シート上に厚みが50μmの絶
縁性PETフィルムを配置した後、Z軸テーブルにロー
ドセルと接続した状態で取り付けられた断面が5mm角
の真鍮製の角柱状押圧子によって、絶縁性PETフィル
ムを加圧し、2.5kg、5kg、10kgの荷重を加
えて測定状態とした。そして、室温で、100Vの印加
電圧により櫛形基板における隣接する電極間の電気抵抗
の測定を行った。電気抵抗の測定は、XYテーブルを移
動させて合計で20個所について行い、電気抵抗の値が
100MΩ未満のものの個数を求めた。
【0052】(3)温度上昇させたときの電気抵抗の変
化:XYテーブル上に、熱絶縁板、アルミ板埋め込みヒ
ーター、平板電極(櫛型基板)および異方導電性シート
をこの順で配置して測定状態を達成し、アルミ板埋め込
みヒーターにより異方導電性シートの表面温度が150
℃になるまで加熱した後、電気抵抗の測定を行ったこと
以外は、上記(1)および(2)の方法と同様にして、
厚み方向の電気抵抗および形成される導電路間の電気抵
抗の評価を行った。以上、結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明の異方導電性シートによれば、異
方導電性シート本体がその面方向に伸張されることによ
り、厚み方向に並ぶ導電性粒子による連鎖間の離間距離
が長くなると共に、当該異方導電性シート本体にはその
厚み方向に縮むよう応力が作用するため、一の連鎖を形
成する導電性粒子同士が接近して当該導電性粒子間の電
気的接続性が高くなる。従って、形成される導電路間の
絶縁性が高く、しかも、小さい加圧力で良好な導電性が
得られるので、接続すべき回路装置の電極のピッチが小
さいものである場合にも、所要の電気的接続を確実に達
成することができる。また、異方導電性シート本体がそ
の面方向に伸張されているため、温度変化による熱履歴
を受けた場合には、異方導電性シート本体の面方向にお
いては、当該異方導電性シート本体に作用する伸張力が
変化するだけで寸法変化が生じることが少ない。従っ
て、温度変化による熱履歴を受けた場合であっても、良
好な電気的接続状態が確実に維持される。また、導電性
粒子が異方導電性シート本体の面方向に分散された状態
で含有されることにより、当該異方導電性シート本体に
おいては、加圧された個所において厚み方向の抵抗値が
減少して導電路が形成されるため、接続すべき回路装置
との位置合わせが不要であり、従って、電気的接続作業
を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の異方導電性シートの一例における構成
を示す説明用断面図である。
【図2】伸張されていない状態の異方導電性シート本体
を示す説明用断面図である。
【図3】伸張された状態の異方導電性シート本体を示す
説明用断面図である。
【図4】金型内にシート成形材料層が形成された状態を
示す説明用断面図である。
【図5】シート成形材料層中の導電性粒子が厚み方向に
並ぶよう配向した状態を示す説明用断面図である。
【図6】本発明の異方導電性シートが、検査対象である
回路装置と検査用回路基板との間に介在された状態を示
す説明用断面図である。
【図7】本発明の異方導電性シートが検査用回路基板に
一体的に設けられた構成を示す説明用断面図である。
【図8】比較例2で使用した異方導電性シート製造用金
型の構成を示す説明用断面図である。
【符号の説明】
1 異方導電性シート 5 被検査回路装置 6 被検査電極 10 異方導電性シート本体 10A シート成形材料層 20 保持部材 21 フレーム板 22 チャック 25 保持部材 26 チャック部 27 固定部 30 検査用回路基板 31 検査用電極 50 金型 51 上型 52 下型 53 スペーサー 60 金型 61 上型 62 基板 63 強磁性体部 64 非磁性体部 65 スペーサー 66 下型 67 基板 68 強磁性体部 69 非磁性体部 E 弾性高分子物質 P 導電性粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G01R 31/26 G01R 31/26 J

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性の弾性高分子物質中に導電性粒子
    が厚み方向に並ぶよう配向した状態で含有されてなる異
    方導電性シート本体と、 この異方導電性シート本体の周縁部を保持する保持部材
    とよりなり、 前記異方導電性シート本体は、その面方向に伸張された
    状態で保持部材に保持されていることを特徴とする異方
    導電性シート。
  2. 【請求項2】 異方導電性シート本体が互いに交差する
    複数の方向に伸張されていることを特徴とする請求項1
    に記載の異方導電性シート。
  3. 【請求項3】 異方導電性シート本体の伸張率が5〜1
    00%であることを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の異方導電性シート。
  4. 【請求項4】 異方導電性シート本体の厚みが、伸張さ
    れていない状態において0.03〜0.5mmであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の異方導電性シート。
  5. 【請求項5】 異方導電性シート本体における導電性粒
    子の厚み方向に並ぶ数が3〜20個であることを特徴と
    する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の異方導電
    性シート。
  6. 【請求項6】 異方導電性シート本体を構成する弾性高
    分子物質は、150℃における圧縮永久歪みが35%以
    下の液状シリコーンゴム硬化物であることを特徴とする
    請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の異方導電性シ
    ート。
  7. 【請求項7】 異方導電性シート本体を構成する弾性高
    分子物質は、引き裂き強度が7kN/m以上の液状シリ
    コーンゴム硬化物であることを特徴とする請求項1乃至
    請求項6のいずれかに記載の異方導電性シート。
  8. 【請求項8】 異方導電性シート本体における導電性粒
    子は、面方向に分散された状態で含有されていることを
    特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の異
    方導電性シート。
  9. 【請求項9】 異方導電性シート本体における導電性粒
    子の割合が、体積分率で5〜30%であることを特徴と
    する請求項8に記載の異方導電性シート。
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