JP2001324887A - 画像形成装置の定着器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多数枚の用紙を連続して定着する際に、ヒー
タの配置位置を変更し、用紙をニップする直前の位置で
ヒートローラに対する加熱作用を付与するようにして、
ヒートローラの温度低下による悪影響の発生を防止す
る。 【解決手段】 定着器２６のヒートローラ２７には、加
圧ローラ２９とのニップ部の上流側で加熱作用を行い得
るように、ヒータ２８を偏心させた位置に配置する。そ
して、トナー画像を担持する用紙をニップする直前の位
置でローラを加熱することにより、ニップ部ての加熱温
度を一定に維持できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置の定
着器に設けるヒータに関し、特に、ヒートローラに設け
るヒータを、加圧ローラと接する部分の上流部で偏心さ
せた位置に設け、定着性を向上させる装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ファクシミリ装置や電子写真複写機また
は、複数の機能を有する複合機として構成される画像形
成装置では、電子写真方式を用いた画像形成手段を設け
て、感光体に形成したトナー画像を用紙に転写し、用紙
に画像を形成している。そして、前記トナー画像を担持
する用紙を定着器を通して熱と圧力とを加えて定着し、
記録紙として排出させるようにしている。前記定着器に
おいては、ヒータを有するヒートローラに対して、加圧
ローラを所定の圧力で押圧するように設け、前記ヒート
ローラの熱で溶融させたトナーを用紙に対して押圧し
て、用紙上に画像を形成する。また、前記定着器におい
ては、一般に、ヒートローラの軸心に位置させるように
ヒータを配置し、前記ヒートローラの外面の温度を検知
する検知器を設けて、前記検知器の検知した温度情報に
対応させて、ヒータに対する加熱の制御を行っている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、多数枚の用
紙を連続して定着する際に、用紙や加圧ローラによりヒ
ートローラの熱が奪われることにより、定着温度が次第
に低下することがある。そして、定着温度が低下するこ
とによってり、用紙上へのトナー画像の定着不良が生じ
たりして、用紙上に形成された画像の品質が低下すると
いう問題が発生する。

【０００４】本発明は、前述したような定着部での温度
低下を防止しようとするもので、加圧ローラと接するニ
ップ部の上流部にヒータを偏心させて配置し、ヒータに
よる加熱作用を良好に付与できる定着器を提供すること
を目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、ヒートローラ
と、このヒートローラ中に設けられたヒータと、前記ヒ
ートローラに接触する加圧ローラとからなる画像形成装
置の定着器に関し、前記ヒータをヒートローラに対して
偏心して配置し、かつ、ヒートローラと加圧ローラが接
触する側の上流側に配置することを特徴とする。そし
て、前記構成により、ヒートローラと加圧ローラとが接
する用紙のニップ部での温度を、必要な定着温度に維持
することができ、記録紙に定着不良が発生することを防
止できる。

【０００６】

【発明の実施の形態】図示される例にしたがって、本発
明の装置の構成を説明する。図１に示す例は、本発明の
定着器を装備可能な一般的な画像形成装置の構成を示す
もので、図１に示す画像形成装置１の下部に給紙トレイ
２からの給紙部を設け、上部に電子写真方式を用いた画
像形成部を配置している。前記給紙部においては、給紙
トレイ２に対して配置する給紙ローラ３により用紙を１
枚ずつ送り出し、用紙搬送路４内を搬送ローラ装置５、
６により搬送して、トナー画像転写部に向けて送り出す
ようにしている。前記画像形成装置１の上部に配置する
画像形成部においては、現像装置１０と感光体ユニット
２０とを組み合わせて設けている。

【０００７】前記感光体ユニット２０に組み合わせて配
置する現像装置１０においては、トナー収容部１１に収
容されているトナーを、アジテータ１２により攪拌しな
がら供給ローラ１３に向けて送り出し、前記供給ローラ
１３とこすられるように、ともに同方向に回転する現像
ローラ１４との間で、トナーに帯電を付与しながら、現
像ローラ１４の表面に薄層として付着させる。そして、
前記現像ローラ１４の表面に付着されたトナーは、ブレ
ード部材により一定の厚さを有する薄層として形成さ
れ、感光体２１と接触する部分で、トナーが感光体の静
電潜像に付着され、トナー画像として可視像化される。

【０００８】前記現像装置１０と組み合わせて配置され
る感光体ユニット２０には、感光体２１に形成したトナ
ー画像を用紙に転写するための転写ローラ２５を配置し
ている。また、前記感光体２１の周囲には、その感光体
２１の回転方向にしたがって、転写ローラ２５と回転ブ
ラシとして構成されるメモリ除去部材２４とブラシロー
ラとして構成される帯電ローラ２３および書込み装置２
２が配置される。そして、前記感光体２１に対して帯電
手段２３により一様な帯電を行い、書込み手段２２から
画像情報の光を照射して静電潜像を形成し、現像装置１
０の現像ローラ１４からトナーが供給されて静電潜像が
トナー画像として可視像化される。前記感光体に形成し
たトナー画像は、用紙が感光体２１と転写部材２５の間
を通る際に、前記転写部材２５に所定の電圧を印加する
ことにより転写される。前記トナー画像を担持する用紙
は、定着器２６に向けて搬送され、熱ローラ２７と加圧
ローラ２９の間を通って定着されて、排出ローラ装置８
により排出トレイに向けて記録紙が排出される。

【０００９】図２に示す例において、前記定着器２６は
ヒートローラ２７と加圧ローラ２９とを対向させて配置
しており、一般的な定着器の場合と同様に、ヒートロー
ラ２７はアルミ等の金属の中空なパイプ状のものとして
構成し、その表面にトナーの付着を防止する表面加工を
施したもので構成する。また、前記ヒートローラ２７に
対向して配置される加圧ローラ２９は、金属性の中空な
パイプ状のローラ部材、もしくは金属製の中空なパイプ
状のローラ部の表面にゴム等の弾性体の層を所定の厚さ
で形成したものを用い、前記ヒートローラ２７に対して
図示を省略した加圧手段を介して配置される。そして、
前記ヒートローラ２７に対して加圧ローラ２９を一定の
ニップ圧力を維持させるように配置し、トナー画像を担
持する用紙を両ローラの間に挟持しながら、加熱と加圧
の作用を付与して定着を行う。

【００１０】前記定着器２６のヒートローラ２７に配置
するヒータ２８は、給電手段に接続されて、定着作用を
行う際にはその表面温度が一定となるような給電制御が
行われる。また、前記ヒートローラ２７には、その所定
の位置に温度検知センサ３０を配置して、ヒートローラ
２７の表面温度を常時検知し、検知した温度の情報を複
写機の制御装置に向けて出力し、制御装置においては、
そのセンサ３０からの温度検知情報にもとづいてヒータ
２８に対する給電の制御を行う。

【００１１】前述したように構成された定着器２６にお
いて、ヒートローラ２７に設けるヒータ２８は、図示さ
れるように、ヒートローラ２７の軸心から外れた位置に
偏心させて配置しており、用紙のニップ部分の上流側
で、前記ニップ部に近接する位置に設けられる。前記ヒ
ートローラ２７の内部で、ローラの軸心に対して垂直線
と水平線で区画されるニップ部の上流側で、ヒートロー
ラ２７に対する加熱作用を強く付与できるようにするこ
とで、用紙をニップする際のヒートローラ２７の表面の
温度を維持できるようにする。そして、前記ヒートロー
ラ２７の回転方向の上流部に、ヒータ２８を偏心させて
設けたことにより、トナー画像を担持する用紙Ｐをニッ
プする直前に、ヒータ２８により加熱し、定着器２６に
よる定着の作用を良好な状態に維持することができる。

【００１２】前記定着器２６においては、多数枚の用紙
を連続して定着する状態でも、従来の軸心にヒータを配
置した場合には、加圧ローラの熱が用紙に奪われ加圧ロ
ーラの温度が徐々に低下し、実際のニップ部での熱が不
足し、定着不良が発生していたが、この発明の場合に
は、加圧ローラ２６の温度の低下が防止され、用紙をニ
ップする定着部での温度の低下を阻止することが可能と
なる。また、前記定着器２６のヒートローラ２７におい
ては、制御装置に設定している加熱制御プログラムによ
り、温度検知センサ３０の温度検知情報に応じて、ヒー
タ２８に対する加熱制御を行う等の制御手段を用いるこ
とによって、用紙をニップする部分でのヒートローラ２
７の表面温度の管理を容易に行うことが可能となる。な
お、前記ヒートローラ２７に設けるヒータとしては、従
来より定着器に用いられているハロゲンランプ等を使用
することができ、そのヒータに対する給電制御を行う制
御装置においても、センサ３０の情報にもとづいた加熱
制御のプログラムを設定しておくことにより、従来の一
般的な定着器の制御と同様にして温度管理を行うことが
できる。

【００１３】

【発明の効果】本発明の定着器は、前述したように構成
しているものであるから、定着器の構成を大幅に変更す
る必要がなく、ヒータの配置位置を変更するのみで容易
に対応が可能になる。そして、ヒートローラと加圧ロー
ラとが接する用紙のニップ部での温度を、必要な定着温
度に維持することができ、記録紙に定着不良が発生する
ことを防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の定着器を装備可能な画像形成装置の
構成を示す説明図である。

【図２】 定着器の構成を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 画像形成装置、 ５ 用紙搬送路、 ８ 排
出ローラ装置、１０ 現像器、 １３ 供給ロー
ラ、 １４ 現像ローラ、２０ 感光体ユニット、
２１ 感光体ドラム、 ２２ 書込み部材、２３
メモリ除去部材、 ２４ 帯電部材、 ２５
転写ローラ、２６ 定着器、 ２７ ヒートロー
ラ、 ２８ ヒータ、２９ 加圧ローラ、 ３０
温度検知センサ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ヒートローラと、このヒートローラ中に
   設けられたヒータと、前記ヒートローラに接触する加圧
   ローラとからなる画像形成装置の定着器において、 前記ヒータをヒートローラに対して偏心して配置し、か
   つ、ヒートローラと加圧ローラが接触する側の上流側に
   配置することを特徴とする画像形成装置の定着器。