JP2001324025A - ロータリーベーン式舵取機のリングシール構造 - Google Patents

ロータリーベーン式舵取機のリングシール構造

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JP2001324025A
JP2001324025A JP2000144213A JP2000144213A JP2001324025A JP 2001324025 A JP2001324025 A JP 2001324025A JP 2000144213 A JP2000144213 A JP 2000144213A JP 2000144213 A JP2000144213 A JP 2000144213A JP 2001324025 A JP2001324025 A JP 2001324025A
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annular
rotor
outer peripheral
ring
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喬之 若林
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孝 森本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 背面に圧油をかけることなくシール機能を果
たし、定期入渠まで交換しなくても済む信頼性の高いロ
ータリーベーン式舵取機のリングシール構造を提供す
る。 【解決手段】 環状スリット11に一対の環状溝12、
13を形成し、外周側のリングシール材15を外周端の
環状溝12に嵌入する円筒部15aと径方向内側に突出
するリング状リップ部15cとで構成し、ローター端面
2eに摺接するシール面15hに環状の油溝15fを形
成し、内周側のリングシール材16を内周端の環状溝1
3に嵌入する円筒部16aと径方向外側に突出するリン
グ状リップ部16cとで構成し、ローター端面2eに摺
接するシール面に環状の油溝16fを形成し、装着状態
で外周側のリングシール材15の外周縁部がベーンの横
シール材(図示省略)およびセグメント6の縦シール材
6aの内周側縁部と重なり、リング状リップ部15c、
16cの先端間に適当な間隙を有し、両リングシール材
15、16と環状スリット11の底部との間に漏油空間
17を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船舶の舵取機の技
術に係り、ロータリーベーン式舵取機のリングシール構
造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のロータリーベーン式舵取機は、例
えば図14〜図17に示すようなものであり、ハウジン
グ1と、その内部に収納するローター2とを有してい
る。ローター2は、その下部軸部2aをハウジング1の
底部に設けたボス部1aにて、またローター2の上部軸
部2bをハウジング1の上部開口に配置する環状のカバ
ー3にて、それぞれ支持されている。下部軸部2aには
ラジアル軸受部材4aとスラスト軸受部材4bを、また
上部軸部2bにはラジアル軸受部材4cをそれぞれ介在
せしめることにより、ローター2は、半径方向、軸方向
に荷重のかかった状態で、船体に固定されたハウジング
1の内部で回動自在とされている。
【0003】舵軸(図示省略)内部貫通孔2cに嵌合固
定したローター2は、外周面の周方向に沿った等間隔の
位置に複数のベーン5を突設している。他方、ハウジン
グ1は、内周面の周方向に沿った等間隔の位置に、上記
ベーンと同数のセグメント6を突設している。ローター
の上記ベーン5には、上下の端面にそれぞれ横シール材
5aを、また、半径方向の先端の縁部に縦シール材5b
をそれぞれスリット5c、5d内に保持せしめている。
ハウジングの上記セグメント6には、半径方向の先端の
縁部に縦シール材6aをスリット6b内に保持せしめて
いる。
【0004】ローター2がハウジング1内で回転すると
き、上下端面に横シール材5a、および半径方向の縁部
に縦シール材5bを装着したローターのベーン5と半径
方向の縁部に縦シール材6aを装着したハウジングのセ
グメント6との間に油室7a、7b、7c、7dが形成
される。
【0005】これら油室から圧油が、ローター2の上部
端面2dとカバー3との間の微小な間隙、およびロータ
ー2の下部端面2eとハウジング1との間の微小な間隙
を通って、隣接する油室に、および大気に通ずるロータ
ー軸部2a、2bにそれぞれ漏洩するのを防ぐために、
ローター2の上部端面2dに対向するカバー3の部位に
は、弾性材料の環状の上部リングシール材8aをスリッ
ト8b内に保持せしめており、上部リングシール材8a
の外側周縁部がローターのベーンの横シール材5aの内
周側下端縁5e、およびハウジングのセグメントの縦シ
ール材6aの内周側下端縁6cとそれぞれ接触してい
る。また、ローターの下部端面2eに対向するハウジン
グ1の底部の部位には、弾性材料の環状の下部リングシ
ール材8cをスリット8d内に保持せしめており、下部
リングシール材8cの外側周縁部がローターのベーンの
横シール材5aの端部、およびハウジングのセグメント
の縦シール材6aの端部と接触している。そして、上部
リングシール材8aのシール面8eがローターの上部端
面2dと、また、下部リングシール材8cのシール面8
fがローターの下部端面2eとそれぞれ接触して、シー
リング作用を行っている。
【0006】ローター2の回転軸を介して対称の位置に
ある油室7aと7c,および油室7bと7dは、それぞ
れ連通しており、例えば油室7aに油圧ポンプから圧油
が供給されると、対称の位置にある油室7cにも同時に
圧油が供給され、一方、他の油室7bおよび7dからは
同時に油が排出され、油圧ポンプ側に戻される。かく
て、圧油によるローター2の回転が成立する。
【0007】上記の油室7a、7b、7c、7dにおい
て、油密を確保するために、接触摺動する箇所であるロ
ーターのベーン5の上下の横シール材5aと半径方向縁
部の縦シール材5b、およびハウジングのセグメント6
の半径方向縁部の縦シール材6a、および上下のリング
シール材8a、8cの各背面には、それぞれ、横および
縦シール材に関してはスリット5c、5d、6bを油路
として、また、上下部リングシール材に関してはそれら
油路に連通する油孔3a、1bを穿孔して、スリット8
b、8dの背面に至る油路となし、圧力側となっている
油室から圧油を導き、各シール材を摺動面に油圧で押し
付け、油密を維持している。これは、油室に作用する油
圧が高くなるほど、油室から漏洩する量が多くなろうと
するが、他方、シール材を背面から摺動面に押し付ける
力も大きくなるので、漏洩量は多くならずに済むという
ものである。
【0008】なお、ローター2には、上部リングシール
材8aの位置より内側のローター下面と下部リングシー
ル材8cの位置より内側のローター上面とを連通するバ
ランス孔2fを設けており、もし上下リングシール材8
a、8cから圧油が漏洩した場合、この漏洩油によるロ
ーター上下の面に作用する圧力が上下方向にバランスす
るようになっている。これにより、ローター2に軸方向
に差圧による不均等な力が発生するのを防いでいる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の構成に
おいては、上下リングシール材8a、8cは、それぞれ
背面に圧油が導かれ、シール面がそれぞれ対向する面
(ローターの上部端面および下部端面)に押し付けられ
て摺動するようになっており、その押し付け力は、作動
油圧が高くなるほど、それに比例して強くなる。
【0010】而して、リングシール材8a、8cのシー
ル面の外周側は常に油(高圧あるいは大気圧に近い低
圧)に曝されているものの、油とは対面するのは、例え
ば、0.2mmといった薄い幅の円環においてであり、
内周側においては、漏洩油が存在するときにのみ、油に
曝されることになる。
【0011】このような状態において、ローター2の作
動中、油室、例えば7aと7cの油圧が高くなれば、上
下のリングシール材8a、8cの背面に導かれた圧油に
より、各シール面はローターの上部端面2dおよび下部
端面2eにそれぞれ強く押し付けられて摺動することに
なる。例えば、油圧が120kgf/sq.cmになっ
たとすれば、シール面の摺動面圧も120kgf/s
q.cmという過大な面圧になってしまう。
【0012】そうすると、上下のリングシール材8a、
8cのシール面8e、8fは、ただでさえ油との接触が
少なくローターの上部および下部端面2d、2eとの間
に潤滑油膜が形成され難いのに、その上に、強い接触面
圧によって潤滑油膜が排除されるので、シール面8e、
8fは、潤滑の無い状態で、しかも過大な面圧でもっ
て、シール面8e、8fの上をローターの上部および下
部端面2d、2eが摺動することになる。このために、
不必要な摩擦損失を招くに止まらず、背面にかかる油圧
の強さによっては、リングシール材8a、8cがロータ
ー2と共に回転して、スリット8b、8dとの間で摺動
するという現象も生ずることになる。
【0013】更に、背面に圧油がかけられることで、リ
ングシール材8a、8cは、変形を生じ、その変形がロ
ーターベーン5の横シール材5aの内周側下端縁5e、
およびハウジングセグメント6の縦シール材6aの内周
側下端縁6cとの接触部に強い干渉を生ぜしめ、その摩
擦により、リングシール材8a、8c、横シール材5
a、縦シール材6aを破損に至らしめる可能性があっ
た。
【0014】これらの作用により、リングシール材8
a、8cの内部に不当な繰返し応力が生じ、遂には疲労
破断に至る可能性があった。リングシール材8a、8c
がこのように破断してしまうと、その背面に導かれてい
た油室の圧油がリングシール材破断部から抜けてしまう
ので、油室そのものが機能を失い、舵取機が作動不能に
なる危険性があった。
【0015】また、このように損傷したリングシール材
の交換において、ロータリーベーン式舵取機の構造上、
下部リングシール材8cについては、それがローター2
の下面に対向するので、点検または交換は、舵取機を分
解し、ローター2を取り外して行うことが必要となる。
従って、洋上での作業はできず、船をドックに入れて行
わねばならず、作業に多大の時間と手数と費用がかかる
という問題がある。
【0016】その他、上下リングシール材8a、8cの
背面に圧油を導くための油孔3a、1bの穿孔など、加
工コストが高くなるという問題があった。本発明は、上
記した諸問題に鑑み、リングシール材については背面に
圧油をかける構成にしなくても済むように、かつ、少な
くとも船の定期入渠まではそれを交換しなくても済むよ
うにするもので、リングシール材の損傷を防止した信頼
性の高いロータリーベーン式舵取機のリングシール構造
を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る本発明のロータリーベーン式舵取機
のリングシール構造は、舵軸に嵌合装着するローター
と、ローターを収納してローターの周囲に油室用空間を
形成するハウジングと、ハウジングの上部開口に配置す
る環状のカバーとを有し、ローターの外周面の周方向に
沿った等間隔の位置に複数のベーンを配置し、ハウジン
グの内周面の周方向に沿った等間隔の位置に複数のセグ
メントを配置し、ベーンとセグメントによって前記油室
用空間を複数の油室に区画するロータリーベーン式舵取
機において、ハウジングの底面およびカバーの下面に環
状スリットをローターの外周部に対向して形成し、環状
スリットの底部に一対の環状溝を外周端および内周端の
位置に形成し、環状スリットに外周側と内周側とで一対
をなす弾性材料からなるリングシール材を配置し、外周
側のリングシール材は、基部が外周端の環状溝に嵌入す
る円筒部と円筒部の一方端部から径方向内側に突出する
リング状リップ部とからなり、ローター端面に摺接する
シール面に環状の油溝を有し、内周側のリングシール材
は、基部が内周端の環状溝に嵌入する円筒部と円筒部の
一方端部から径方向外側に突出するリング状リップ部と
からなり、ローター端面に摺接するシール面に環状の油
溝を有し、外周側と内周側のリングシール材を環状スリ
ット内に配置した状態において、外周側のリングシール
材の円筒部の外周縁部がベーンに配置した横シール材お
よびセグメントに配置した縦シール材のそれぞれの内周
側縁部と重なり、両リングシール材のリング状リップ部
の先端間に適当な間隙を有し、かつ両リングシール材と
環状スリットの底部との間に漏油空間が形成される構成
としたものである。
【0018】上記した構成により、外周側のリングシー
ル材は外周面側から内周面側に向けて各油室の作動油圧
の変化に伴って反復的に押圧され、高圧状態の油室に対
応する部位においては高圧作動油がローターに摺接する
外周側リングシール材の円筒部とリング状リップ部のシ
ール面を通って前記漏油空間に漏洩する。しかし、この
漏油が溜まると漏油空間の圧力が高まることになり、こ
の圧力が内周側のリングシール材のリング状リップ部お
よび外周側のリングシール材のリング状リップ部をそれ
ぞれ全周にわたってローターの端面に向かって押し付け
るように作用する。従って、漏油が内周側のリングシー
ル材とローターの端面との間から軸側に漏洩することを
防げるとともに、低圧状態の油室に対応する部位におい
ては、高圧状態の油室から漏油空間内に漏洩した油が低
圧状態の油室内へ漏洩することを防げる。
【0019】また、外周側のリングシール材の外周縁部
がベーンの横シール材およびセグメントの縦シール材と
重ねて配置されることにより、この縁部において高圧油
室の作動油が低圧油室へ漏洩することを防げる。
【0020】外周側および内周側のリングシール材の円
筒部のシール面およびリング状リップ部のシール面はそ
れぞれ油室、漏油空間、あるいは油溝に接して常に油雰
囲気の中にあるので、これらシール面のローターとの摺
接に対する潤滑が確保できる。
【0021】請求項2に係る本発明のロータリーベーン
式舵取機のリングシール構造は、舵軸に嵌合装着するロ
ーターと、ローターを収納してローターの周囲に油室用
空間を形成するハウジングと、ハウジングの上部開口に
配置する環状のカバーとを有し、ローターの外周面の周
方向に沿った等間隔の位置に複数のベーンを配置し、ハ
ウジングの内周面の周方向に沿った等間隔の位置に複数
のセグメントを配置し、ベーンとセグメントによって前
記油室用空間を複数の油室に区画するロータリーベーン
式舵取機において、ハウジングの底面およびカバーの下
面に環状スリットをローターの外周部に対向して形成
し、環状スリットの底部に環状溝を外周端の位置に形成
し、環状スリットの底部に環状リセスを内周端の位置に
形成し、環状スリットに外周側と内周側とで一対をなす
弾性材料からなるリングシール材を配置し、外周側のリ
ングシール材は、基部が外周端の環状溝に嵌入する円筒
部と円筒部の一方端部から径方向内側に突出するリング
状リップ部とからなり、ローター端面に摺接するシール
面に環状の油溝を有し、環状リセスに配置する内周側の
リングシール材は断面が円形をなし、外周側と内周側の
リングシール材を環状スリット内に配置した状態におい
て、外周側のリングシール材の円筒部の外周縁部がベー
ンに配置した横シール材およびセグメントに配置した縦
シール材のそれぞれの内周側縁部と重なり、外周側のリ
ングシール材におけるリング状リップ部の先端と内周側
のリングシール材との間に適当な間隙を有し、かつ両リ
ングシール材と環状スリットの底部との間に漏油空間が
形成される構成としたものである。
【0022】この構成により、外周側のリングシール材
のうちで高圧状態の油室に対応する部位において漏油空
間に漏洩した高圧作動油は、軸側に対しては全周にわた
って内周側リングシール材によって漏洩が妨げられてい
るので、漏油空間内の圧力を高めることになる。この圧
力は、外周側リングシール材のリング状リップ部を全周
にわたって漏油空間の側からローター端面に向かって押
し付けるように作用する。従って、高圧状態の油室から
漏油空間内に漏洩した高圧作動油が低圧状態の油室に対
応する部位において低圧状態の油室に漏洩することを防
げる。
【0023】内周側リングシール材も常に漏油空間に接
しており、外周側リングシール材の場合と同じく常に油
雰囲気の中にあるので、ローターとの摺接に対する潤滑
が確保できる。
【0024】請求項3に係る本発明のロータリーベーン
式舵取機のリングシール構造は、舵軸に嵌合するロータ
ーと、ローターを収納してローターの周囲に油室用空間
を形成するハウジングと、ハウジングの上部開口に配置
する環状のカバーとを有し、ローターの外周面の周方向
に沿った等間隔の位置に複数のベーンを配置し、ハウジ
ングの内周面の周方向に沿った等間隔の位置に複数のセ
グメントを配置し、ベーンとセグメントによって前記油
室用空間を複数の油室に区画するロータリーベーン式舵
取機において、ハウジングの底面およびカバーの下面に
環状スリットをローターの外周部に対向して形成し、環
状スリットの底部の外周端の位置に環状溝を形成し、環
状スリットに弾性材料からなる外周側リングシール材を
配置し、外周側リングシール材は基部が環状溝に嵌入す
る円筒部と円筒部の一方端部から径方向内側に突出する
リング状リップ部とからなり、ローター端面に摺接する
シール面に環状の油溝を有し、外周側リングシール材を
環状スリット内に配置した状態において、外周側リング
シール材の円筒部の外周縁部がベーンに配置した横シー
ル材およびセグメントに配置した縦シール材のそれぞれ
の内周側縁部と重なり、外周側リングシール材と環状ス
リットの底部との間に漏油空間が形成されるようにし、
かつ上下のラジアル軸受部材の大気に通じる側において
ローターの下部軸部および上部軸部とハウジングのボス
部およびカバーとの間の環状間隙の部位にそれぞれOリ
ング軸封装置を設けた構成としたものである。
【0025】この構成により、リングシール材のうち
で、高圧状態の油室に対応する部位においてリングシー
ル材から漏洩した高圧作動油は、軸側に対しては、全周
にわたってOリング軸封装置によって漏洩が妨げられて
いるので、リングシール材のリング状リップ部を全周に
わたって漏油空間の側からローター端面に向かって押し
付けるように作用する。
【0026】従って、高圧状態の油室から漏油空間内に
漏洩した高圧作動油が低圧状態の油室に対応する部位に
おいて低圧状態の油室に漏洩することを防げる。リング
シール材は漏油空間に接して常に油雰囲気の中にあるの
で、ローターとの摺接に対する潤滑が確保できる。
【0027】請求項4に係る本発明のロータリーベーン
式舵取機のリングシール構造は、環状スリットの底部
に、外周側リングシール材を配置する環状溝の内周側に
位置して環状リセスを形成し、環状リセスに外周側リン
グシール材の円筒部の内周側の側面を径方向外側に向か
って押し付けるように環状コイルスプリングを配置する
構成としたものである。
【0028】この構成により、高圧状態の油室に対応す
る部位において、外周側リングシール材の円筒部の外周
縁部に油圧力が作用して円筒部が径方向内周側に変位す
る量を環状コイルスプリングによって抑制することがで
き、これにより、円筒部の外周縁部とベーンに配置した
横シール材あるいはセグメントに配置した縦シール材の
それぞれの内周側縁部との重なりをより確実に維持でき
る。
【0029】これらの構成により、リングシール材は、
背面に油室の高圧油を導くのを廃し得ながら作動油の漏
洩を十分に抑制して、ローターの作動に支障を来たさな
い適切なシール性を確保できる。また、リングシール材
への潤滑も十分に確保できるため、従来のように、背面
に油室の高圧油を導くことに起因するリングシール材の
損傷という問題がなくなり、長期間にわたって損傷のな
い、信頼性の高い作動が可能になる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。本実施の形態において、先に図1
4〜図17において説明した従来の技術と基本的に同様
の作用を行う部材については、同一番号を付して、説明
を省略する。
【0031】まず、ローター2の下部に配置する下部リ
ングシール材について説明する。図1〜図7において、
ハウジング1のボス部1aの表面に環状スリット11を
形成し、この環状スリット11の底部に一対の環状溝1
2、13をそれぞれ外周端および内周端に位置して形成
する。
【0032】この環状スリット11に配置する下部リン
グシール材14は、弾性材料からなる一対の外周側リン
グシール材15と内周側リングシール材16とで構成す
る。外周側リングシール材15は、円筒部15aと、円
筒部15aの一方端部における円筒部頂面15bから径
方向内側に伸びたリング状リップ部15cとからなり、
円筒部15aの基部15dを環状スリット11内の外周
端の環状溝12に嵌入せしめている。
【0033】円筒部15aの外周側の頂縁部15eにお
ける形状・寸法は、ローター2を組み立てた状態で、ベ
ーン5の横シール材5aおよびセグメント6の縦シール
材6aのそれぞれの内周側の底縁部と適切な接触面圧を
もって重なり合うように定める。
【0034】他方、内周側リングシール材16は、円筒
部16aと、円筒部16aの一方端部における円筒部頂
面16bから径方向外側に伸びたリング状リップ部16
cとからなり、円筒部16aの基部16dを環状スリッ
ト11内の内周端の環状溝13に嵌入せしめている。
【0035】リングシール材の円筒部15a、16aの
高さ方向の寸法は、これらを溝12、13にそれぞれ嵌
入した状態において、円筒部15a、16aの円筒部頂
面15b、16bがスラスト軸受部材4bの頂面よりも
適当量だけ僅かに突出しているように定める。
【0036】各リング状リップ部15c、16cは、自
由形状においては、その頂面がリングシール材の円筒部
15a、16aの円筒部頂面15b、16bに対して上
方に適当な角度αをもっており、かつ、各円筒部15
a、16aの頂端面15b、16bと各リング状リップ
部15c、16cとの境界には、リング状の油溝15
f、16fをそれぞれ設ける。
【0037】各リング状リップ部15c、16cには、
その先端部にリング状接触面15g、16gをそれぞれ
形成し、リング状接触面15g、16gをローター2の
組み立て後においてローター下部端面2eとの間のシー
ル面15i、16iとし、各円筒部15a、16aの円
筒部頂面15b、16bをシール面15h、16hとす
る。
【0038】これら外周側リングシール材15と内周側
リングシール材16は、これらを環状スリット11内の
環状溝12、13にそれぞれ装着した状態において、各
リングシール材15、16のリング状リップ部15c、
16cの先端間に適当な間隙があるように配置し、かつ
外周側リングシール材15と内周側リングシール材16
と環状スリット11との間に漏油空間17を設ける。
【0039】以下、上記した構成における作用を説明す
る。外周側と内周側の各リングシール材15、16を環
状スリット11内の外周端と内周端の各環状溝12、1
3に先ず初期装着し、それからローター2をスラスト軸
受部材4bの上に載せて組み立てる。この状態で、外周
側と内周側のリングシール材15、16の各円筒部15
a、16aにおいてスラスト軸受部材4bの頂面より適
当量だけ僅かに突出していた部分がローター下部端面2
eに当接して弾性圧縮されることで、その円筒部頂面1
5b、16bが適当な摺接面圧をもってシール面15
h、16hを形成する。
【0040】同時に、外周側リングシール材15の円筒
部15aの外周頂縁部15eは、ベーン5の横シール材
5aおよびセグメント6の縦シール材6aのそれぞれの
内周側の底縁部と適正な接触面圧をもって重なり合い、
外周頂縁部15eのシール面15jを形成する。
【0041】各リング状リップ部15c、16cにおい
て角度αもってスラスト軸受部材4bの頂面より突出し
ていた部分も、ローター下部端面2eに当接して弾性圧
縮されて角度を減じ、リング状リップ部15c、16c
のリング状接触面15g、16gがローター下部端面2
eと適当な面圧をもって摺接し、シール面15i、16
iをそれぞれ形成する。
【0042】上述の装着状態において、外周側リングシ
ール材15は、その外周頂縁部15eが外周面側から内
周面側に向けて各油室の作動油圧の変化に伴って反復的
に押圧されることになり、高圧状態の油室、例えば7a
と7c(あるいは7bと7d)に対応する部位において
は、高圧の作動油がローター2に摺接する外周側リング
シール材15の円筒部15aによるシール面15hとリ
ング状リップ部15cによるシール面15iにおいて漏
油空間17に漏洩する。
【0043】しかし、この漏油が漏油空間17に溜まる
と漏油空間17の圧力が高まることになり、この圧力が
内周側リングシール材16のリング状リップ部16cお
よび外周側リングシール材15のリング状リップ部15
cをそれぞれ全周にわたってローター下部端面2eに向
って押し付けるように作用するので、この高圧油室から
の漏油が内周側リングシール材16のシール面16i、
16hにおいて軸側に漏洩することを防ぐことができる
とともに、他方、低圧状態の油室、例えば7bと7d
(あるいは7aと7c)に対応する部位においては、高
圧状態の油室から漏油空間17内に漏洩した油が低圧状
態の油室内に漏洩することを防げる。
【0044】また、外周側リングシール材15の円筒部
15aの外周頂縁部15eがベーン5の横シール材5a
およびセグメント6の縦シール材6aと重ねて配置され
ていることにより、この縁部を通って高圧油室の作動油
が低圧油室へ漏洩することを防げる。
【0045】外周側および内周側リングシール材15、
16の円筒部シール面15h、16hおよびリング状リ
ップ部シール面15i、16iは、それぞれ油室7a、
7b、7c、7d、漏油空間17、あるいは油溝15
f、16fに接して常に油雰囲気の中にあるので、これ
らシール面15h、16h、15i、16iにおけるロ
ーター下部端面2eとの摺接に対する潤滑が確保され
る。
【0046】次に、ローター2の上部に配置する上部リ
ングシール材18については、上記の下部リングシール
材14の実施の形態において説明したものと同様であ
り、相違する点は、環状スリット11をカバー3の下面
に設けること、上部リングシール材18を環状スリット
11に初期装着したときにおける上部リングシール材1
8の突出部分が、カバー3をローター2の上に組み立て
る際にカバー3とローター上部端面2dとの間で弾性圧
縮されることにあり、他の構成的および作用的なものは
下部リングシール材14の場合と全く同様であるので説
明を省略する。
【0047】図8〜図11は、本発明の他の実施の形態
を示すものである。ハウジング1のボス部1aの表面に
環状スリット21を形成し、環状スリット21内の外周
端に環状溝12を形成し、内周端に環状リセス22を形
成する。環状スリット21内に配置する下部リングシー
ル材23は、弾性材料からなる外周側リングシール材1
5と内周側リングシール材24とで構成する。
【0048】外周側リングシール材15の構成は、先の
実施の形態において説明したものと全く同じであるた
め、同一番号を付して、説明を省略する。内周側リング
シール材24は、断面が円形をなす環状のシール材で、
環状スリット21内の内周端の環状リセス22に配置す
る。内周側リングシール材24の直径の大きさは、これ
を環状リセス22内に自由装着したとき、頂点がスラス
ト軸受部材4bの頂面よりも適当量だけ僅かに突出する
ように定める。
【0049】なお、内周側リングシール材24が外周側
から圧力を受けて、ローター下部端面2eとハウジング
ボス部1aとの間の間隙に食い込むことを防止するため
に、内周側リングシール材24と環状スリット21の内
周端側面との間に必要に応じてバックアップリング25
を介在せしめる。
【0050】外周側リングシール材15と内周側リング
シール材24を環状スリット21内にそれぞれ装着した
状態において、両リングシール材15、24と環状スリ
ット21との間に漏油空間26が形成されるようにす
る。
【0051】以下、上記した構成における作用を説明す
る。外周側リングシール材15と内周側リングシール材
24を環状スリット21内に先ず初期装着し、ローター
2をスラスト軸受部材4bの上に乗せて組み立てる。こ
の状態で、外周側リングシール材15については先の実
施の形態において説明した状態を生じ、内周側リングシ
ール材24においては、スラスト軸受部材4bの頂面よ
り適当量だけ僅かに突出していた部分がローター下部端
面2eに当接して弾性圧縮され、その頂端面24aが適
当な摺接面圧をもってシール面24bを形成する。
【0052】上述の構成により、外周側リングシール材
15は、その外周頂縁部15eが外周面側から内周面側
に向けて各油室の作動油圧の変化に伴って反復的に押圧
されることになり、高圧状態の油室、例えば7aと7c
(あるいは7bと7d)に対応する部位においては、高
圧の作動油がローター2に摺接する外周側リングシール
材15の円筒部シール面15hとリング状リップ部シー
ル面15iにおいて漏油空間26に漏洩する。この場
合、漏油空間26は内周側リングシール材24によって
全周にわたって軸側に対する漏洩が妨げられているの
で、高圧油室からの漏油が漏油空間26に溜まると漏油
空間26の圧力が高まることになる。
【0053】この圧力が、外周側リングシール材15の
リング状リップ部15cを全周にわたってローター下部
端面2eに向かって裏から押し付けるように作用するた
め、高圧油室から漏油空間26内に漏洩した漏油が低圧
状態の油室、例えば7bと7d(あるいは7aと7c)
に対応する部位において、低圧状態の油室に漏洩するこ
とを防げる。
【0054】内周側リングシール材24も常に漏油空間
26に接しており、外周側リングシール材15の場合と
同じく常に油雰囲気の中にあるので、ローター下部端面
2eとの摺接に対する潤滑が確保できる。
【0055】ローター2の上部に配置する上部リングシ
ール材も構成的、作用的に同様であり、その説明は省略
する。図12〜図13は、本発明のさらに他の実施の形
態を示すものである。図12〜図13において、ハウジ
ング1はボス部1aの表面に環状スリット31を形成し
ており、環状スリット31の底部外周端に位置して環状
溝12を形成する。この環状スリット31に弾性材料か
らなる外周側リングシール材15を装着する。
【0056】外周側リングシール材15の構成は、先の
実施の形態において説明したものと同じであるので、同
一番号を付して説明を省略する。外周側リングシール材
15を環状スリット31の内部に装着した状態におい
て、外周側リングシール材15と環状スリット31との
間に漏油空間32が形成される。ラジアル軸受部材4a
の大気に通じる側において、ローター2の下部軸部2a
とハウジング1のボス部1aとの間の環状間隙の部位に
Oリング軸封装置33を設ける。
【0057】以下、上記した構成における作用を説明す
る。外周側リングシール材15を環状スリット31内に
先ず初期装着し、ローター2をスラスト軸受部材4bの
上に乗せて組み立てる。この状態で、外周側リングシー
ル材15については先の第1の実施の形態において説明
した状態を生じる。
【0058】上述の構成により、外周側リングシール材
15は、その外周頂縁部15eが外周面側から内周面側
に向けて各油室7a(7b、7c、7d)の作動油圧の
変化に伴って反復的に押圧されることになり、高圧状態
の油室、例えば7aと7c(あるいは7bと7d)に対
応する部位においては、高圧の作動油がローター2に摺
接する外周側リングシール材15の円筒部シール面15
hとリング状リップ部シール面15iにおいて漏油空間
32に漏洩する。
【0059】この場合、漏油空間32は、ローター2の
下部軸部2aの大気に通じる部位に設けたOリング軸封
装置33によって、全周にわたって漏洩が妨げられるの
で、高圧油室からの漏油が漏油空間32に溜まると、漏
油は漏油空間32の圧力を高めることになる。この圧力
は外周側リングシール材15のリング状リップ部15c
を全周にわたってローター下部端面2eに向かって裏か
ら押し付けるように作用するため、高圧油室から漏油空
間32内に漏洩した漏油が低圧状態の油室、例えば7b
と7d(あるいは7aと7c)に対応する部位において
低圧状態の油室に漏洩するのを防げる。リングシール材
15は漏油空間32に接して常に油雰囲気の中にあるの
で、ローター下部端面2eとの摺接に対する潤滑が確保
できる。
【0060】ローター2の上部に配置する上部リングシ
ール材については、図示を省略するがOリング軸封装置
33を上部のラジアル軸受部材4cの大気に通じる側に
おいて、ローター2の上部軸部2bとカバー3との間の
環状間隙の部位に設けることで、構成的、作用的に同様
であり、その説明は省略する。
【0061】図14は、本発明のさらに他の実施の形態
を示すものである。図14において、ハウジング1のボ
ス部1aの表面に環状スリット41を形成し、この環状
スリット41の底部に、外周側リングシール材15を配
置する環状溝12の内周側に位置して環状リセス42を
形成する。
【0062】この環状スリット41の環状溝12に弾性
材料からなる外周側リングシール材15を装着するとと
もに、環状リセス42に環状コイルスプリング43を外
周側リングシール材15の円筒部15aの内周側の側面
を径方向外側に向かって押し付けるように装着する。外
周側リングシール材15の構成および作用は、先の実施
の形態において説明したものと同じであるので、同一番
号を付して説明を省略する。
【0063】上述の構成により、高圧状態の油室に対応
する部位において、外周側リングシール材15の円筒部
15aの外周側頂縁部15eに油圧力が作用して円筒部
15aが径方向内周側に変位する量を環状コイルスプリ
ング43によって抑制することができ、これによって円
筒部15aの外周側頂縁部15eとベーン5に配置した
横シール材5aあるいはセグメント6に配置した縦シー
ル材6aのそれぞれの内周側下端縁5e(あるいは6
c)との重なり、すなわち両者間のシーリングをより確
実に維持できる。ローター2の上部に配置する上部リン
グシール材も構成的、作用的に同様であり、その説明は
省略する。
【0064】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、下部
および上部リングシール材は、背面に油室の高圧油を導
くのを廃し得ながら作動油の漏洩を十分に抑制し、ロー
ターの作動に支障を来たさない適切なシール性を確保で
きる。また、リングシール材への潤滑も十分に確保でき
るので、従来のように、背面に油室の高圧油を導くこと
に起因するリングシール材の損傷という問題がなくな
り、長期間にわたって損傷のない、信頼性の高い作動が
可能なリングシール材を提供できるという卓越した効果
を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるロータリーベーン
式舵取機を示す全体縦断面図である。
【図2】同ロータリーベーン式舵取機の全体鳥瞰図であ
る。
【図3】同ロータリーベーン式舵取機の全体水平断面図
である。
【図4】同ロータリーベーン式舵取機における下部リン
グシール材の装着状態を示す図で、ハウジングのセグメ
ントを含む半径方向縦断面である。
【図5】同下部リングシール材の装着状態を示す図で、
ローターのベーンを含む半径方向縦断面である。
【図6】同下部リングシール材の装着状態を示す図で、
油室を含む半径方向縦断面である。
【図7】同下部リングシール材の初期装着状態を示す図
で、半径方向縦断面(拡大)である。
【図8】本発明の他の実施の形態における下部リングシ
ール材の装着状態を示す図で、ハウジングのセグメント
を含む半径方向縦断面である。
【図9】同下部リングシール材の装着状態を示す図で、
ローターのベーンを含む半径方向縦断面である。
【図10】同下部リングシール材の装着状態を示す図
で、油室を含む半径方向縦断面である。
【図11】同下部リングシール材の初期装着状態を示す
図で、半径方向縦断面(拡大)である。
【図12】本発明のさらに他の実施の形態における下部
リングシール材の装着状態を示す図で、油室を含む半径
方向縦断面である。
【図13】同下部リングシール材の初期装着状態を示す
図で、半径方向縦断面(拡大)である。
【図14】本発明のさらに他の実施の形態における下部
リングシール材の初期装着状態を示す図で、半径方向縦
断面(拡大)である。
【図15】従来のロータリーベーン式舵取機を示す全体
縦断面図である。
【図16】同全体鳥瞰図である。
【図17】同全体水平断面図である。
【図18】同下部リングシール材部分の構成を示す拡大
縦断面である。
【符号の説明】
1 ハウジング 1a ボス部 1b 油孔 2 ローター 2a 下部軸部 2b 上部軸部 2c 内部貫通孔 2d 上部端面 2e 下部端面 2f バランス孔 3 カバー 3a 上部リングシール用油孔 4a ラジアル軸受部材(下) 4b スラスト軸受部材 4c ラジアル軸受部材(上) 5 ベーン 5a 横シール材 5b 縦シール材 5c 横スリット 5d 縦スリット 5e 横シール材内周側下端縁 6 セグメント 6a 縦シール材 6b 縦スリット 6c 縦シール材内周側下端縁 7a,7b,7c,7d 油室 8a 上部リングシール材 8b 上部リングシール材用スリット 8c 下部リングシール材 8d 下部リングシール材用スリット 8e 上部リングシール材シール面 8f 下部リングシール材シール面 9a 下部軸封装置 9b 上部軸封装置 11 環状スリット 12、13 環状溝 14 下部リングシール材 15 外周側リングシール材 15a 円筒部 15b 円筒部頂面 15c リング状リップ部 15d 円筒部基部 15e 外周側頂縁部 15f 油溝 15g リング状接触面 15h 円筒部シール面 15i リング状リップ部シール面 15j 縁部シール面 16 内周側リングシール材 16a 円筒部 16b 円筒部頂面 16c リング状リップ部 16d 円筒部基部 16f 油溝 16g リング状接触面 16h 円筒部シール面 16i リング状リップ部シール面 17 漏油空間 18 上部リングシール材 21 環状スリット 22 環状リセス 23 下部リングシール材 24 内周側リングシール材 24a 頂端面 24b シール面 25 バックアップリング 26 漏油空間 31 環状スリット 32 漏油空間 33 Oリング軸封装置 41 環状スリット 42 環状リセス 43 環状コイルスプリング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 舵軸に嵌合装着するローターと、ロータ
    ーを収納してローターの周囲に油室用空間を形成するハ
    ウジングと、ハウジングの上部開口に配置する環状のカ
    バーとを有し、ローターの外周面の周方向に沿った等間
    隔の位置に複数のベーンを配置し、ハウジングの内周面
    の周方向に沿った等間隔の位置に複数のセグメントを配
    置し、ベーンとセグメントによって前記油室用空間を複
    数の油室に区画するロータリーベーン式舵取機におい
    て、 ハウジングの底面およびカバーの下面に環状スリットを
    ローターの外周部に対向して形成し、環状スリットの底
    部に一対の環状溝を外周端および内周端の位置に形成
    し、環状スリットに外周側と内周側とで一対をなす弾性
    材料からなるリングシール材を配置し、外周側のリング
    シール材は、基部が外周端の環状溝に嵌入する円筒部と
    円筒部の一方端部から径方向内側に突出するリング状リ
    ップ部とからなり、ローター端面に摺接するシール面に
    環状の油溝を有し、内周側のリングシール材は、基部が
    内周端の環状溝に嵌入する円筒部と円筒部の一方端部か
    ら径方向外側に突出するリング状リップ部とからなり、
    ローター端面に摺接するシール面に環状の油溝を有し、
    外周側と内周側のリングシール材を環状スリット内に配
    置した状態において、外周側のリングシール材の円筒部
    の外周縁部がベーンに配置した横シール材およびセグメ
    ントに配置した縦シール材のそれぞれの内周側縁部と重
    なり、両リングシール材のリング状リップ部の先端間に
    適当な間隙を有し、かつ両リングシール材と環状スリッ
    トの底部との間に漏油空間が形成されることを特徴とす
    るロータリーベーン式舵取機のリングシール構造。
  2. 【請求項2】 舵軸に嵌合装着するローターと、ロータ
    ーを収納してローターの周囲に油室用空間を形成するハ
    ウジングと、ハウジングの上部開口に配置する環状のカ
    バーとを有し、ローターの外周面の周方向に沿った等間
    隔の位置に複数のベーンを配置し、ハウジングの内周面
    の周方向に沿った等間隔の位置に複数のセグメントを配
    置し、ベーンとセグメントによって前記油室用空間を複
    数の油室に区画するロータリーベーン式舵取機におい
    て、 ハウジングの底面およびカバーの下面に環状スリットを
    ローターの外周部に対向して形成し、環状スリットの底
    部に環状溝を外周端の位置に形成し、環状スリットの底
    部に環状リセスを内周端の位置に形成し、環状スリット
    に外周側と内周側とで一対をなす弾性材料からなるリン
    グシール材を配置し、外周側のリングシール材は、基部
    が外周端の環状溝に嵌入する円筒部と円筒部の一方端部
    から径方向内側に突出するリング状リップ部とからな
    り、ローター端面に摺接するシール面に環状の油溝を有
    し、環状リセスに配置する内周側のリングシール材は断
    面が円形をなし、外周側と内周側のリングシール材を環
    状スリット内に配置した状態において、外周側のリング
    シール材の円筒部の外周縁部がベーンに配置した横シー
    ル材およびセグメントに配置した縦シール材のそれぞれ
    の内周側縁部と重なり、外周側のリングシール材におけ
    るリング状リップ部の先端と内周側のリングシール材と
    の間に適当な間隙を有し、かつ両リングシール材と環状
    スリットの底部との間に漏油空間が形成されることを特
    徴とするロータリーベーン式舵取機のリングシール構
    造。
  3. 【請求項3】 舵軸に嵌合するローターと、ローターを
    収納してローターの周囲に油室用空間を形成するハウジ
    ングと、ハウジングの上部開口に配置する環状のカバー
    とを有し、ローターの外周面の周方向に沿った等間隔の
    位置に複数のベーンを配置し、ハウジングの内周面の周
    方向に沿った等間隔の位置に複数のセグメントを配置
    し、ベーンとセグメントによって前記油室用空間を複数
    の油室に区画するロータリーベーン式舵取機において、 ハウジングの底面およびカバーの下面に環状スリットを
    ローターの外周部に対向して形成し、環状スリットの底
    部の外周端の位置に環状溝を形成し、環状スリットに弾
    性材料からなる外周側リングシール材を配置し、外周側
    リングシール材は基部が環状溝に嵌入する円筒部と円筒
    部の一方端部から径方向内側に突出するリング状リップ
    部とからなり、ローター端面に摺接するシール面に環状
    の油溝を有し、外周側リングシール材を環状スリット内
    に配置した状態において、外周側リングシール材の円筒
    部の外周縁部がベーンに配置した横シール材およびセグ
    メントに配置した縦シール材のそれぞれの内周側縁部と
    重なり、外周側リングシール材と環状スリットの底部と
    の間に漏油空間が形成されるようにし、かつ上下のラジ
    アル軸受部材の大気に通じる側においてローターの下部
    軸部および上部軸部とハウジングのボス部およびカバー
    との間の環状間隙の部位にそれぞれOリング軸封装置を
    設けたことを特徴とするロータリーベーン式舵取機のリ
    ングシール構造。
  4. 【請求項4】 環状スリットの底部に、外周側リングシ
    ール材を配置する環状溝の内周側に位置して環状リセス
    を形成し、環状リセスに外周側リングシール材の円筒部
    の内周側の側面を径方向外側に向かって押し付けるよう
    に環状コイルスプリングを配置することを特徴とする請
    求項1〜3の何れか1項に記載のロータリーベーン式舵
    取機のリングシール構造。
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