JP2001321905A - 連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造方法

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JP2001321905A JP2000145083A JP2000145083A JP2001321905A JP 2001321905 A JP2001321905 A JP 2001321905A JP 2000145083 A JP2000145083 A JP 2000145083A JP 2000145083 A JP2000145083 A JP 2000145083A JP 2001321905 A JP2001321905 A JP 2001321905A
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 鋳片の中心部に粒径1mm以下の微細な等軸
晶を生成して中心偏析を防止することによって、耐水素
誘起割れ性や低温靱性に優れた鋳片を製造する連続鋳造
方法を提供する。 【解決手段】 Mgを0.0005〜0.005 質量%含有し、かつ
Ca含有量(質量%)とO含有量(質量%)との比Ca/O
が 0.3〜2.5 の範囲を満足する溶鋼を鋳型に注入し、鋳
型内の溶鋼を水平に旋回させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳片の中心部に微
細な等軸晶を形成して、中心偏析を防止できる連続鋳造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に連続鋳造によって鋳片を製造する
場合、まず鋳型内に注入された溶鋼が鋳型と接触して冷
却され、薄い凝固層(以下、凝固シェルという)を形成
する。こうして溶鋼を鋳型内に注入しながら凝固シェル
を下方へ引き抜くことによって鋳片を製造する。
【0003】連続鋳造において溶鋼の凝固は、鋳片の凝
固シェル側から中心方向へ進行する。そのため鋳片の中
心部にはポロシティの多い最終凝固部が形成され、その
最終凝固部の周囲に粒径1mm以上の粗大な等軸晶と、そ
の粗大な等軸晶を取り囲む柱状晶が形成される。また溶
鋼中のC,Mn,P,S等の成分が鋳片の中心部に濃化す
る中心偏析が起こる。
【0004】このような中心部に形成される粗大な等軸
晶や中心偏析は、耐水素誘起割れ性や低温靱性を低下さ
せる原因になることが知られている。そこで耐水素誘起
割れ性や低温靱性を改善するために、鋳片の中心部に微
細な等軸晶を形成させ、中心偏析を抑制する技術が提案
されている。たとえば特公昭54-24373号公報には、連続
鋳造法が開示されている。この方法は、低温鋳込におい
て鋳型の下方に設けた電磁攪拌装置によって鋳片の未凝
固溶鋼に回転流を付与することにより鋳型外周部の低温
溶鋼と中央部の高温溶鋼を攪拌して均一に低下せしめ介
在物の浮上および鋳片中央部の偏析や柱状晶の発達を防
止しようとするものである。しかしこの方法では、C<
0.10質量%,C>0.48質量%の範囲では包晶反応が起こ
らないので、等軸晶があまり発達しないという問題があ
った。
【0005】また特開昭63-157749 号公報には、連続鋳
造鋳片の中心偏析防止方法が開示されている。この方法
は、複数の電磁攪拌装置を用いて未凝固溶鋼を水平方向
あるいは上下方向に攪拌することによって、粗大なデン
ドライトを微細化して中心偏析を防止しようとするもの
である。しかしこの方法では、凝固シェルがかなり成長
した位置に電磁攪拌装置を配設するため、残溶鋼中に固
相が析出しており、鋳片の中心部に結晶粒径1mm以上の
粗大な等軸晶が形成されるのを回避できないという問題
があった。
【0006】特公昭59-23902号公報には、連続鋳造にお
ける電磁攪拌方法が開示されている。この方法は、水平
方向の電磁攪拌装置と鋳片引抜方向の電磁攪拌装置を用
いて鋳片内溶鋼を攪拌することによって等軸晶を得よう
とするものである。しかしこの方法においても特開昭63
-157749 号公報に開示された方法と同様に、凝固シェル
がかなり成長した位置に電磁攪拌装置を配設するため、
残溶鋼中に固相が析出しており、鋳片の中心部に結晶粒
径1mm以上の粗大な等軸晶が形成されるのを回避できな
いという問題があった。
【0007】特開平11-320050 号公報には、連続鋳造方
法が開示されている。この方法は、取鍋,タンディッシ
ュあるいは鋳型でMgを 0.002〜0.01%となるように含有
せしめた溶鋼に、鋳型内メニスカスから鋳型下10mの間
に配設された誘導電磁攪拌を用いて水平面内の旋回流を
発生させることによって、微細な等軸晶を形成させよう
とするものである。しかしこの方法では、AlあるいはSi
で脱酸処理を行なった溶鋼にMgを単独で添加しても、溶
鋼中に存在する Al23 系酸化物やSi−Mn系酸化物の還
元にMgが費やされるため、凝固末期における等軸晶の結
晶核となるMgO等の微細な酸化物が十分に形成されない
ので、鋳片の中心部に結晶粒径1mm以上の粗大な等軸晶
が形成されるのを回避できないという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
問題を解消し、鋳片の中心部に粒径1mm以下の微細な等
軸晶を形成して、中心偏析を防止することによって、耐
水素誘起割れ性や低温靱性に優れた鋳片を製造する連続
鋳造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、Mgを0.0005〜
0.005 質量%含有し、かつCaとOとをその含有量の比Ca
(質量%)/O(質量%)が 0.3〜2.5 の範囲を満足す
るように含有した溶鋼を鋳型に注入し、鋳型内の溶鋼を
水平に旋回させる連続鋳造方法である。前記した発明に
おいては、第1の好適態様として、溶鋼が REMまたは/
およびZrを含有し、 REMまたはZrを 0.001〜0.01質量
%、あるいは REMおよびZrを合計0.001〜0.01質量%含
有することが好ましい。
【0010】また第2の好適態様として、鋳型内の溶鋼
を速度20〜40cm/秒で旋回させることが好ましい。また
第3の好適態様として、鋳片の厚さの80%〜 100%未満
が凝固シェルとなる位置で凝固シェル内の溶鋼を旋回さ
せることが好ましい。たは3に記載の連続鋳造方法。
【0011】また第4の好適態様として、凝固シェル内
の前記溶鋼を速度5〜60cm/秒で旋回させることが好ま
しい。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に用いる連続鋳造
設備の例を示す配置図である。図中の矢印は鋳片の引き
抜き方向を示す。本発明の連続鋳造方法では、Mgを0.00
05〜0.005 質量%含有し、かつCaとOとをその含有量の
比Ca(質量%)/O(質量%)が 0.3〜2.5 の範囲を満
足するように含有する溶鋼7を鋳型4に注入する。
【0013】溶鋼7の凝固初期、すなわち鋳型4に注入
された溶鋼7が冷却される際には、鋳片の外周部から中
心方向へ柱状晶が成長して、凝固シェル6を形成する。
溶鋼7中のMgは、溶鋼7中のOと反応してMgOを形成
し、このMgOが溶鋼7中を沈降し、凝固末期すなわちク
レーターエンド10近傍で鋳片の中心部に形成される等軸
晶の結晶核となる。Mgの含有量が0.0005質量%未満の場
合は、結晶核となるMgOが十分に形成されないので、鋳
片が完全に凝固したときに、中心部には粗大な等軸晶が
形成される。
【0014】一方、AlあるいはSiで脱酸処理を行なった
溶鋼7に 0.005質量%を超える量のMgを単独で添加して
も、溶鋼7中に存在する Al23 系酸化物やSi−Mn系酸
化物の還元にMgが費やされる。そのため凝固末期、すな
わちクレーターエンド10近傍における等軸晶の結晶核と
なるMgOが十分に形成されないので、鋳片が完全に凝固
したときに、中心部には粗大な等軸晶が生成される。よ
って溶鋼7のMg含有量の上限は 0.005質量%とする。
【0015】したがって溶鋼7のMg含有量は0.0005〜0.
005 質量%とし、かつ以下に述べる理由によってCaを添
加する。AlあるいはSiで脱酸処理を行なった溶鋼7にCa
を添加すると、CaO− Al23系酸化物やCaO−SiO2
系酸化物となる。これらの酸化物は、MgOとともに溶鋼
7中を沈降し、凝固末期すなわちクレーターエンド10近
傍で鋳片の中心部に形成される等軸晶の結晶核となる。
したがって鋳片が完全に凝固したときに、中心部に微細
な等軸晶が形成される。
【0016】溶鋼7のCa含有量は、O含有量(すなわち
溶鋼7中のトータル酸素量)に対する比Ca(質量%)/
O(質量%)に換算して 0.3〜2.5 の範囲とする必要が
ある。Ca(質量%)/O(質量%)が 0.3未満の場合は
等軸晶の結晶核となる酸化物が十分に形成されず、 2.5
を超える場合はCaSが多量に生成されるため鋳片の品質
が劣化するからである。
【0017】鋳型4には電磁攪拌装置(以下、鋳型電磁
攪拌装置5という)が配設されており、凝固シェル6内
の溶鋼7を水平に旋回させる。溶鋼7を旋回させること
によって、凝固シェル6を形成する柱状晶のデンドライ
トが分断されて微細な粒子として溶鋼7中を沈降し、ク
レーターエンド10近傍で等軸晶の結晶核となる。C含有
量が0.17〜0.48質量%の溶鋼7の連続鋳造においては包
晶反応が起きるため比較的容易に等軸晶が形成される
が、C含有量がこの範囲を外れる溶鋼7の場合は包晶反
応が起きないので等軸晶は形成されにくい。そこで包晶
反応が起きない成分の溶鋼7を連続鋳造する際に、鋳型
電磁攪拌装置5で鋳型4内の溶鋼7を旋回させて、等軸
晶の形成を促進する。
【0018】溶鋼7は、Ce等の希土類金属(以下、REM
という)または/およびZrを含有することが望ましい。
通常の連続鋳造では凝固シェル6中のデンドライト2次
アームの間隔は 400μm程度であるのに対して、 REMま
たは/およびZrを添加するとデンドライト2次アームの
間隔が 100μm程度に減少し、微細な柱状晶が得られる
からである。したがって鋳型4内の溶鋼7の旋回によっ
て分断されるデンドライトの大きさも微細化され、その
微細な粒子が溶鋼7中を沈降してクレーターエンド10近
傍で等軸晶の結晶核となる。こうして鋳片の中心部に微
細な等軸晶が形成される。
【0019】REMやZrの含有量は、 REMまたはZrを 0.00
1〜0.01質量%、あるいは REMおよびZrを合計 0.001〜
0.01質量%であることが望ましい。含有量が 0.001質量
%未満では柱状晶の微細化の効果が現われず、0.01質量
%を超えると溶鋼7中の他の酸化物と反応してクラスタ
ーを形成するからである。鋳型4内の溶鋼7の旋回速度
は、20〜40cm/秒であることが望ましい。旋回速度が20
cm/秒未満ではデンドライトが分断されず、40cm/秒を
超えるとモールドパウダーを巻き込んで鋳片の品質が低
下するからである。
【0020】鋳型4内の溶鋼7の旋回によって分断され
た微細なデンドライト,あるいはMgやCaの酸化物が、ク
レーターエンド10近傍へ沈降して等軸晶の結晶核とな
る。しかしこれらの粒子が沈降の途中で凝集すると、結
晶核が減少するので形成される等軸晶は粗大になる。そ
のため結晶核となる粒子の凝集を抑制し、微細な等軸晶
を生成させるために、クレーターエンド10近傍に電磁攪
拌装置(以下、凝固末期電磁攪拌装置9という)を配設
して、凝固シェル6内の溶鋼7を旋回させることが望ま
しい。
【0021】凝固末期電磁攪拌装置9による凝固シェル
6内の溶鋼7の旋回は、水平に旋回させても良いが、凝
固末期電磁攪拌装置9を小型化するために、鋳片の横断
面方向に旋回させるのが望ましい。凝固末期電磁攪拌装
置9を配設する位置が、鋳片の厚さに対して凝固シェル
6の厚さが80%未満の位置である場合は、凝固シェル6
内の溶鋼7を旋回した後で粒子が凝集するため、鋳片の
中心部に粗大な等軸晶が形成される。また凝固シェル6
の厚さが鋳片の厚さの 100%となる位置では凝固が完了
している。したがって凝固末期電磁攪拌装置9を配設す
る位置は、鋳片の厚さの80%〜 100%未満が凝固シェル
6となる位置であることが望ましい。
【0022】なお、凝固シェル6の厚さが鋳片の厚さの
80%〜 100%未満となる領域全体で凝固シェル6内の溶
鋼7を旋回しても良いし、その領域の一部で凝固シェル
6内の溶鋼7を旋回しても良い。凝固末期電磁攪拌装置
9による凝固シェル6内の溶鋼7の旋回速度は、5〜60
cm/秒であることが望ましい。旋回流の速度が5cm/秒
未満では結晶核となる粒子が凝集し、60cm/秒を超える
速度を付与するためには大規模な設備が必要となるから
である。
【0023】なお本発明で製造する鋳片は、特定の形状
や寸法に限定されない。すなわち本発明をスラブ,ブル
ームあるいはビレット等の連続鋳造に適用すれば、微細
な等軸晶が中心部に形成され、中心偏析のない耐水素誘
起割れ性や低温靱性に優れた鋳片を製造できる。
【0024】
【実施例】Ar雰囲気に調整した30kg高周波溶解炉を用い
て、C含有量が0.08〜0.10質量%の溶鋼を溶製し、さら
にFeを被覆したFe−Mg合金ワイヤーおよびFe−Ca合金ワ
イヤーを添加して、Mg含有量およびCa含有量を種々の組
合せに変化させた。得られた溶鋼のO含有量は0.0020質
量%、温度は1600℃とした。
【0025】この溶鋼を水冷鋳型( 150×50×200 mm)
内に注入し、鋳型内の溶鋼が旋回速度30cm/秒で水平に
旋回するように磁場を印加した。凝固シェルが厚さ 2.5
mmに成長したときに溶鋼7の旋回を停止し、さらに鋳型
内で冷却して鋳片を製造した。各鋳片の中心部に形成さ
れる等軸晶の粒径を調査した。なおCa含有量は、O含有
量に対する比Ca(質量%)/O(質量%)に換算して評
価した。
【0026】その結果を表1に示す。表1中のMg含有量
が0と記載されているのはFe−Mg合金ワイヤーを添加し
なかった例であり、Ca/Oが0と記載されているのはFe
−Ca合金ワイヤーを添加しなかった例である。
【0027】
【表1】
【0028】表1から明らかなように、Mg含有量が0.00
05〜0.005 質量%で、かつCa(質量%)/O(質量%)
が 0.3〜2.5 を満足する鋳片の中心部に、粒径1mm以下
の微細な等軸晶が形成された。次に、同様にAr雰囲気に
調整した30kg高周波溶解炉を用いて、C含有量が0.08〜
0.10質量%の溶鋼を溶製し、さらにZrおよび REMとして
Ceを添加して、ZrおよびCeの合計含有量を0〜0.014 の
範囲で種々に変更した。この溶鋼を水冷鋳型(150×50
×200mm )内に注入し、鋳型内の溶鋼が旋回速度30cm/
秒で水平に旋回するように磁場を印加した。凝固シェル
が厚さ 2.5mmに成長したときに溶鋼7の旋回を停止し、
さらに鋳型内で冷却して鋳片を製造した。
【0029】各鋳片の断面をピクリン酸を用いてエッチ
ングして、鋳片表面から厚さ 2.5mmまでのデンドライト
2次アームの間隔を調査した。ZrおよびCeの合計含有量
(質量%)とデンドライト2次アーム間隔の平均値(μ
m)との関係を図2に示す。図2から明らかなように、
ZrおよびCeの合計含有量が 0.001〜0.01質量%の範囲
で、デンドライト2次アームの間隔が 100μm程度の微
細な柱状晶が形成された。
【0030】次に、同様にAr雰囲気に調整した30kg高周
波溶解炉を用いて、C含有量が0.10質量%、Mg含有量が
0.0020質量%、Ca含有量が0.0015質量%、O含有量が0.
0020質量%(すなわちCa/O:0.75)、ZrおよびCeの合
計含有量が 0.005質量%の溶鋼を溶製して、水冷鋳型
( 150×50×200mm )内に注入した。凝固シェルの厚さ
が片側 2.5mm,10mm,17.5mm,20mmまたは22.5mmに成長
したときに、鋳型内の溶鋼が旋回速度30cm/秒で水平に
旋回するように磁場を印加して、そのまま鋳型内で冷却
して鋳片を製造した。この鋳片の厚さは50mmであるか
ら、鋳片の厚さに対する凝固シェルの厚さ(片側 2.5m
m,10mm,17.5mm,20mm,22.5mm)の割合は、各々10
%,40%,70%,80%,90%である。
【0031】各鋳片の断面をピクリン酸を用いてエッチ
ングして、等軸晶が形成された領域の面積を調査し、等
軸晶率を算出した。鋳片の厚さに対する凝固シェルの厚
さの割合(%)と等軸晶率(%)との関係を図3に示
す。なお等軸晶率は、下記の式で算出される値である。 等軸晶率(%)= 100×等軸晶が形成された領域の面積
/鋼塊の断面積 図3から明らかなように、鋳片の厚さに対する凝固シェ
ルの厚さの割合が80%以上の範囲で等軸晶率が向上し
た。
【0032】次いで、図1に示すような連続鋳造設備を
用いて、C含有量が0.08〜0.10質量%の溶鋼7の連続鋳
造を行なった。鋳型4の断面サイズは 260×2000mm,鋳
造速度は0.60m/分とした。その連続鋳造において、C
a,Mg,CeおよびZrの添加の有無、凝固初期の鋳型4内
あるいは凝固末期の凝固シェル6内の溶鋼7の旋回の有
無を種々の組合せで実施し、鋳片の中心部に形成される
等軸晶の粒径を調査した。その結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】なおCa,Mg,CeおよびZrの添加は、Feを被
覆した合金ワイヤーを添加して行なった。ただし本発明
においては、Ca,Mg,CeおよびZrの添加方法は特定の方
法に限定せず、粉末や塊状の合金をインジェクションす
る方法を用いても良い。また凝固初期の鋳型4内の溶鋼
7の旋回は、鋳型電磁攪拌装置5に 750Aの電流(周波
数3Hz)を流して、速度30cm/秒で旋回させた。凝固
末期の凝固シェル6内の溶鋼7の旋回は、凝固末期電磁
攪拌装置9に1000Aの電流(周波数 0.5Hz)を流し
て、速度15cm/秒で旋回させた。凝固末期電磁攪拌装置
9は、鋳片の厚さの80%が凝固シェルとなるメニスカス
下方15mの位置に配設した。
【0035】比較例1は、Ca,Mg,CeおよびZrを添加せ
ず、しかも凝固初期の鋳型4内,凝固末期の凝固シェル
6内の溶鋼7を旋回しない例であり、等軸晶率が最も低
く、等軸晶の粒径が最も大きい。発明例1と比較例2を
比べると、鋳型4内の溶鋼7を水平に旋回した発明例1
の方が、等軸晶率が高くなり、中心偏析は軽減された。
しかも等軸晶の粒径は、比較例2が2mmであったのに対
して、発明例1は1mmであった。
【0036】発明例2は、さらにCeおよびZrを添加した
例であり、等軸晶率が発明例1よりさらに高く、しかも
等軸晶の粒径は 0.5mmであった。発明例3は、さらに凝
固末期で溶鋼7を旋回した例であり、等軸晶率が発明例
2よりさらに高く、しかも等軸晶の粒径がさらに小さく
なった。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、連続鋳造の鋳片の中心
部に粒径1mm以下の微細な等軸晶を形成させ、中心偏析
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する連続鋳造設備の例を示す配置
図である。
【図2】ZrおよびCeの合計含有量とデンドライト2次ア
ーム間隔の平均値との関係を示すグラフである。
【図3】鋳片の厚さに対する凝固シェルの厚さの割合と
等軸晶率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 取鍋 2 タンディッシュ 3 浸漬ノズル 4 鋳型 5 鋳型電磁攪拌装置 6 凝固シェル 7 溶鋼 8 ガイドロール 9 凝固末期電磁攪拌装置 10 クレーターエンド 11 駆動ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 11/04 311 B22D 11/04 311J 11/108 11/108 C P 11/11 11/11 D 27/02 27/02 W (72)発明者 竹内 秀次 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4E004 AA09 GA05 GA06 GB03 MB12 MB13 MB14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mgを0.0005〜0.005 質量%含有し、かつ
    CaとOとをその含有量の比Ca(質量%)/O(質量%)
    が 0.3〜2.5 の範囲を満足するように含有する溶鋼を鋳
    型に注入し、前記鋳型内の前記溶鋼を水平に旋回させる
    ことを特徴とする連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】 前記溶鋼が REMまたは/およびZrを含有
    し、 REMまたはZrを0.001〜0.01質量%あるいは REMお
    よびZrを合計 0.001〜0.01質量%含有することを特徴と
    する請求項1に記載の連続鋳造方法。
  3. 【請求項3】 前記鋳型内の前記溶鋼を速度20〜40cm/
    秒で旋回させることを特徴とする請求項1または2に記
    載の連続鋳造方法。
  4. 【請求項4】 鋳片の厚さの80%〜 100%未満が凝固シ
    ェルとなる位置で前記凝固シェル内の前記溶鋼を旋回さ
    せることを特徴とする請求項1、2または3に記載の連
    続鋳造方法。
  5. 【請求項5】 前記凝固シェル内の前記溶鋼を速度5〜
    60cm/秒で旋回させることを特徴とする請求項4に記載
    の連続鋳造方法。
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