JP2001320100A - 圧電/電歪デバイス及びその製造方法 - Google Patents
圧電/電歪デバイス及びその製造方法Info
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Abstract
れ、更に高共振周波数化を容易に達成させる。 【解決手段】相対向する一対の薄板部16a及び16b
と、可動部20と、これら薄板部16a及び16bと可
動部20を支持する固定部22とを具備し、一対の薄板
部16a及び16bに1以上の圧電/電歪素子24a及
び24bが配設され、一対の薄板部16a及び16bの
両内壁と可動部20の内壁20aと固定部22の内壁2
2aとにより孔部12が形成された圧電/電歪デバイス
10であって、一対の薄板部16aを予め互いに離間す
る方向に撓ませ、それぞれ外方に向かって凸形状に構成
する。
Description
変位動作に基づいて作動する可動部を備えた圧電/電歪
デバイス、もしくは可動部の変位を圧電/電歪素子によ
り検出できる圧電/電歪デバイス及びその製造方法に関
し、詳しくは、強度、耐衝撃性、耐湿性に優れ、効率よ
く可動部を大きく作動させることができる圧電/電歪デ
バイス及びその製造方法に関する。
野において、サブミクロンオーダーで光路長や位置を調
整可能な変位素子が必要とされており、圧電/電歪材料
(例えば強誘電体等)に電圧を印加したときに惹起され
る逆圧電効果や電歪効果による変位を利用した変位素子
の開発が進められている。
ば図32に示すように、圧電/電歪材料からなる板状体
200に孔部202を設けることにより、固定部204
と可動部206とこれらを支持する梁部208とを一体
に形成し、更に、梁部208に電極層210を設けた圧
電アクチュエータが開示されている(例えば特開平10
−136665号公報参照)。
層210に電圧を印加すると、逆圧電効果や電歪効果に
より、梁部208が固定部204と可動部206とを結
ぶ方向に伸縮するため、可動部206を板状体200の
面内において弧状変位又は回転変位させることが可能で
ある。
は、バイモルフを用いたアクチュエータに関して、その
バイモルフの電極を分割して設け、分割された電極を選
択して駆動することにより、高精度な位置決めを高速に
行う技術が開示され、この公報中、特に、その第4図に
は、例えば2枚のバイモルフを対向させて使用する構造
が示されている。
電アクチュエータにおいては、圧電/電歪材料の伸縮方
向(即ち、板状体の面内方向)の変位をそのまま可動部
に伝達していたため、可動部の作動量が小さいという問
題があった。
分を脆弱で比較的重い材料である圧電/電歪材料によっ
て構成しているため、機械的強度が低く、ハンドリング
性、耐衝撃性、耐湿性に劣ることに加え、圧電アクチュ
エータ自体が重く、動作上、有害な振動(例えば、高速
作動時の残留振動やノイズ振動)の影響を受けやすいと
いう問題点があった。
性を有する充填材を充填することが提案されているが、
単に充填材を使用しただけでは、逆圧電効果や電歪効果
による変位の量が低下することは明らかである。
4図が示すものは、中継部材とバイモルフ並びにヘッド
とバイモルフとの接合形態において、共に歪みを発生す
るいわゆる圧電作動部位がそれぞれの接合部位を跨ぐ構
造、即ち、中継部材とヘッドにわたってバイモルフが連
続的に構成されている。
継部材とバイモルフとの接合部を支点とした変位動作
と、ヘッドとバイモルフとの接合点を支点とした変位動
作が互いに干渉し合い、変位の発現を阻害し、ヘッドを
外空間に対して大きく変位させるような作用が得られな
い構造であった。
は、外力に対して弱い構造のものが多く、高共振周波数
化を図ることが困難であるという問題がある。
たものであり、外力に対する強度を高めることができる
と共に、高共振周波数化を容易に達成することができ、
かつ、可動部の変位量が大きくでき、しかも、作動上、
有害な振動の影響を受け難く、高速応答が可能で、機械
的強度が高く、ハンドリング性、耐衝撃性、耐湿性に優
れた変位素子、並びに可動部の振動を精度よく検出する
ことが可能なセンサ素子を得ることができる圧電/電歪
デバイス及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
対の薄板部と、可動部と、これら薄板部と可動部を支持
する固定部とを具備し、前記一対の薄板部のうち、少な
くとも1つの薄板部に1以上の圧電/電歪素子が配設さ
れ、前記一対の薄板部の両内壁と前記可動部の内壁と前
記固定部の内壁とにより孔部が形成された圧電/電歪デ
バイスであって、前記一対の薄板部のうち、少なくとも
一方の薄板部の少なくとも一部が予め互いに離間する方
向に撓んでいることを特徴とする。
において、前記一対の薄板部の少なくとも一部が予め互
いに離間する方向に撓んでいることを特徴とする。この
場合、前記一対の薄板部のうち、少なくとも一方の薄板
部の少なくとも一部、又は前記一対の薄板部の少なくと
も一部は、外方に向かって予め凸形状に撓んでいるよう
にしてもよい。
歪素子への電圧印加に伴う薄板部の屈曲変位動作)の共
振周波数を越えて動作させることができず、可動部の変
位動作の高速化を図るためには、薄板部の剛性を高く
し、薄板部の振動自体の共振周波数を高くすることが有
効である。
ち、少なくとも一方の薄板部の少なくとも一部、又は前
記一対の薄板部の少なくとも一部が予め互いに離間する
方向に撓んで、外方に向かって凸形状とされていること
から、薄板部の振動(屈曲変位)に対しては高い剛性を
示し、その結果、薄板部の振動自体の共振周波数を高く
することができる。また、このような薄板部が予め互い
に離間する方向に撓んだ構造は、圧電/電歪素子の変位
を可動部の外空間に向かう方向の変位に変換する上で効
率のよい構造であることから、可動部を大きく変位させ
ることができる。つまり、本発明では、薄板部の剛性を
高めつつ、この増大した剛性から予想される可動部の変
位低下を、薄板部を外方に突出させる構造とし、変位の
変換効率を上げることで抑制し、結果として、可動部を
高速に、そして、大きく変位させることが可能な構造と
したものである。更に、上述の構造により、外部から薄
板部にかかる力(外力)に対しても大きな耐性を示すた
め、強度的にも高いものとなる。
いる量)をδ、該薄板部の長さ(可動部及び固定部の内
壁間の距離)をLとしたとき、0<δ≦0.15Lを満
足することが好ましい。前記撓み量をこの範囲に設定す
ることにより、圧電/電歪素子の変位をより効率的に可
動部の変位として利用することができる。
ラミックスもしくは金属を用いて構成されていてもよ
く、また、各部をセラミック材料同士で構成することも
できるし、あるいは金属材料同士で構成することもでき
る。更には、セラミックスと金属の材料とから製造され
たものを組み合わせたハイブリッド構造として構成する
こともできる。
部と前記固定部は、セラミックグリーン積層体を同時焼
成することによって一体化し、更に不要な部分を切除し
てなるセラミック基体で構成するようにしてもよい。ま
た、前記圧電/電歪素子を膜状とし、少なくとも一対の
電極のいずれか一方及び/又は圧電/電歪層を焼成によ
って前記セラミック基体に一体化するようにしてもよ
い。
電歪層と、該圧電/電歪層に形成された一対の電極とを
有して構成することができる。また、前記圧電/電歪素
子は、圧電/電歪層と、該圧電/電歪層の両側に形成さ
れた一対の電極とを有し、該一対の電極のうち、一方の
電極を少なくとも前記薄板部に形成するようにしてもよ
い。この場合、圧電/電歪素子による振動を薄板部を通
じて効率よく可動部又は固定部に伝達することができ、
応答性の向上を図ることができる。特に、前記圧電/電
歪素子は、前記圧電/電歪層と前記一対の電極が複数積
層形態で構成されていることが好ましい。
電歪素子の発生力が増大し、もって大変位が図られると
共に、デバイス自体の剛性が増すことで、高共振周波数
化が図られ、変位動作の高速化を容易に達成できるとい
う特徴がある。なお、前記孔部にゲル状の材料を充填す
るようにしてもよい。
製造方法は、相対向する一対の薄板部と、可動部と、こ
れら薄板部と可動部を支持する固定部とを具備し、前記
一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に1以上
の圧電/電歪素子が配設され、前記一対の薄板部の両内
壁と前記可動部の内壁と前記固定部の内壁とにより孔部
が形成された圧電/電歪デバイスの製造方法であって、
少なくとも前記薄板部上に前記圧電/電歪素子を作製し
た後に、所定部位を切除して、前記一対の薄板部のう
ち、少なくとも一方の薄板部の少なくとも一部が互いに
離間する方向に撓んだ圧電/電歪デバイスを製造するこ
とを特徴とする。
少なくとも前記薄板部上に前記圧電/電歪素子を作製し
た後に、所定部位を切除して、前記一対の薄板部の少な
くとも一部が互いに離間する方向に撓んだ圧電/電歪デ
バイスを製造することを特徴とする。
は、少なくとも圧電/電歪層が形成された状態を示し、
圧電/電歪層の形成後に形成される電極に対しては、切
除を行った後に形成するようにしてもよい。
とも後に少なくとも前記孔部を形成するための窓部を有
する第1のセラミックグリーンシートと、後に前記薄板
部となる第2のセラミックグリーンシートとを含むセラ
ミックグリーン積層体を一体焼成して、後に薄板部とな
る部分が外方に突出したセラミック積層体を作製する工
程と、前記セラミック積層体のうち、少なくとも前記薄
板部となる部分の外表面に前記圧電/電歪素子を形成す
る工程と、前記圧電/電歪素子が形成されたセラミック
積層体に対する少なくとも1回の切除処理によって、前
記一対の薄板部が互いに離間する方向に撓んだ少なくと
も圧電/電歪素子が形成されたセラミック基体を作製す
る工程とを有するようにしてもよい。この場合、前記第
1及び第2のセラミックグリーンシートとして、それぞ
れ焼成収縮速度及び/又は焼成収縮量に差を有するもの
を使用することが好ましい。
形成法に従うものであって、少なくとも一対の電極のい
ずれか一方及び/又は圧電/電歪層を焼成によって、少
なくとも前記薄板部となる部分の外表面に一体化するよ
うにしてもよい。
を高めることができ、高共振周波数化を容易に達成する
ことができる圧電/電歪デバイスを効率よく、かつ、確
実に、かつ、容易に製造することができ、高性能な圧電
/電歪デバイスの量産化を実現させることができる。
スの製造方法において、少なくとも後に少なくとも前記
孔部を形成するための窓部を有するセラミックグリーン
シートと、後に前記薄板部となるセラミックグリーンシ
ートとを含むセラミックグリーン積層体を作製する工程
と、前記セラミックグリーン積層体のうち、少なくとも
前記薄板部となる部分の外表面に前記圧電/電歪素子の
少なくとも一部を構成する前駆体を形成する工程と、前
記セラミックグリーン積層体と前記圧電/電歪素子の少
なくとも一部又は全部を構成する前駆体を同時焼成し
て、後に薄板部となる部分が外方に突出したセラミック
積層体を作製し、かつ、少なくとも前記薄板部となる部
分の外表面に前記圧電/電歪素子の少なくとも一部又は
全部を形成する工程と、前記セラミック積層体に対する
少なくとも1回の切除処理によって、前記一対の薄板部
が互いに離間する方向に撓んだセラミック基体を作製す
る工程とを有するようにしてもよい。
に前記圧電/電歪素子の少なくとも一部を構成する前駆
体を形成する際に、少なくとも薄板部となる部分の材料
と前記圧電/電歪素子の材料との熱膨張差を制御して形
成することが好ましい。これにより、前記セラミックグ
リーン積層体と前記圧電/電歪素子の少なくとも一部又
は全部を構成する前駆体を焼成したとき、少なくとも薄
板部となる部分の材料と前記圧電/電歪素子の少なくと
も一部を構成する前駆体の材料との熱膨張差によって、
セラミック積層体のうち、後に薄板部となる部分が突出
し、該薄板部となる部分に圧電/電歪素子が形成された
かたちとなる。
ック積層体に対する切除処理によって前記孔部を露出さ
せることを併せて行うようにしてもよい。
によれば、各種トランスデューサ、各種アクチュエー
タ、周波数領域機能部品(フィルタ)、トランス、通信
用や動力用の振動子や共振子、発振子、ディスクリミネ
ータ等の能動素子のほか、超音波センサや加速度セン
サ、角速度センサや衝撃センサ、質量センサ等の各種セ
ンサ用のセンサ素子として利用することができ、特に、
光学機器、精密機器等の各種精密部品等の変位や位置決
め調整、角度調整の機構に用いられる各種アクチュエー
タに好適に利用することができる。
バイス及びその製造方法の実施の形態例を図1〜図31
を参照しながら説明する。
歪素子により電気的エネルギと機械的エネルギとを相互
に変換する素子を包含する概念である。従って、各種ア
クチュエータや振動子等の能動素子、特に、逆圧電効果
や電歪効果による変位を利用した変位素子として最も好
適に用いられるほか、加速度センサ素子や衝撃センサ素
子等の受動素子としても好適に使用され得る。
0は、図1に示すように、全体として長尺の直方体の形
状を呈し、その長軸方向のほぼ中央部分に孔部12が設
けられた基体14を有する。
a及び16bと、可動部20と、前記一対の薄板部16
a及び16b並びに可動部20を支持する固定部22と
を具備し、少なくとも薄板部16a及び16bの各一部
にそれぞれ圧電/電歪素子24a及び24bが形成され
ている。
クスもしくは金属を用いて構成されたもののほか、セラ
ミックスと金属の材料で製造されたものを組み合わせた
ハイブリッド構造としてもよい。
ス等の接着剤で接着してなる構造、セラミックグリーン
積層体を焼成により一体化してなるセラミック一体構
造、ロウ付け、半田付け、共晶接合もしくは溶接等で一
体化した金属一体構造等の構成を採用することができ、
好ましくはセラミックグリーン積層体を焼成により一体
化したセラミック積層体で基体14を構成することが望
ましい。
部の接合部に接着剤が介在しないことから、経時的な状
態変化がほとんど生じないため、接合部位の信頼性が高
く、かつ、剛性確保に有利な構造であることに加え、後
述するセラミックグリーンシート積層法により、容易に
製造することが可能である。
は、後述のとおり別体として圧電/電歪素子24a及び
24bを準備して、基体14に有機樹脂、ガラス等の接
着剤や、ロウ付け、半田付け、共晶接合等で貼り付けら
れるほか、膜形成法を用いることにより、前記貼り付け
ではなく直接基体14に形成されることとなる。
対の薄板部16a及び16bの両内壁と可動部20の内
壁20aと固定部22の内壁22aにより例えば矩形状
の前記孔部12が形成され、前記圧電/電歪素子24a
及び/又は24bの駆動によって可動部20が変位し、
あるいは可動部20の変位を圧電/電歪素子24a及び
/又は24bにより検出する構成を有する。
/電歪層26と、該圧電/電歪層26の両側に形成され
た一対の電極28及び30とを有して構成され、該一対
の電極28及び30のうち、一方の電極28が少なくと
も一対の薄板部16a及び16bに形成されている。
24bを構成する一対の電極28及び30並びに圧電/
電歪層26の各先端面がほぼ揃っており、この圧電/電
歪素子24a及び24bの実質的駆動部分18(一対の
電極28及び30が圧電/電歪層26を間に挟んで重な
る部分)が固定部22の外表面の一部から薄板部16a
及び16bの外表面の一部にかけて連続的に形成されて
いる。特に、この例では、一対の電極28及び30の各
先端面が可動部20の内壁20aよりもわずかに後端寄
りに位置されている。もちろん、前記実質的駆動部分1
8が可動部20の一部から薄板部16a及び16bの一
部にかけて位置するように圧電/電歪素子24a及び2
4bを形成するようにしてもよい。
印加は、各電極28及び30のうち、それぞれ固定部2
2の両側面(素子形成面)上に形成された端子(パッ
ド)32及び34を通じて行われるようになっている。
各端子32及び34の位置は、一方の電極28に対応す
る端子32が固定部22の後端寄りに形成され、外部空
間側の他方の電極30に対応する端子34が固定部22
の内壁22a寄りに形成されている。
を、端子32及び34が配置された面とは別の面を利用
してそれぞれ別個に行うことができ、結果として、圧電
/電歪デバイス10の固定と、回路と端子32及び34
間の電気的接続の双方に高い信頼性を得ることができ
る。この構成においては、フレキシブルプリント回路
(FPCとも称される)、フレキシブルフラットケーブ
ル(FFCとも称される)、ワイヤボンディング等によ
って端子32及び34と回路との電気的接続が行われ
る。
しては、図1に示す構成のほか、図2に示す第1の変形
例に係る圧電/電歪デバイス10aのように、圧電/電
歪素子24a及び24bを構成する一対の電極28及び
30の各先端部を揃え、圧電/電歪層26の先端部のみ
を可動部20側に突出させるようにしてもよく、また、
図3に示す第2の変形例に係る圧電/電歪デバイス10
bのように、一方の電極28と圧電/電歪層26の各先
端部を揃え、他方の電極30の先端部のみを固定部22
寄りに位置させるようにしてもよい。
電/電歪デバイス10cのように、一方の電極28及び
圧電/電歪層26の各先端部を可動部20の側面にまで
延ばし、他方の電極30の先端部を薄板部16a及び1
6bの長さ方向(Z軸方向)のほぼ中央に位置させるよ
うにしてもよい。
24bを、1層構造の圧電/電歪層26と一対の電極2
8及び30で構成するようにしたが、その他、圧電/電
歪素子24a及び24bを、圧電/電歪層26と一対の
電極28及び30の複数を積層形態にして構成すること
も好ましい。
/電歪デバイス10dのように、圧電/電歪層26並び
に一対の電極28及び30をそれぞれ多層構造とし、一
方の電極28と他方の電極30をそれぞれ交互に積層し
て、これら一対の電極28と他方の電極30が圧電/電
歪層26を間に挟んで重なる部分(実質的駆動部分1
8)が多段構成とされた圧電/電歪素子24a及び24
bとしてもよい。この図5の例では、圧電/電歪層26
を3層構造とし、1層目の下面(薄板部16a及び16
bの側面)と2層目の上面に一方の電極28をそれぞれ
分離して形成し、1層目の上面と3層目の上面に他方の
電極30をそれぞれ分離して形成し、更に、一方の電極
28の各端部にそれぞれ端子32a及び32bを設け、
他方の電極30の各端部にそれぞれ端子34a及び34
bを設けた例を示している。
/電歪デバイス10eのように、圧電/電歪層26並び
に一対の電極28及び30をそれぞれ多層構造とし、一
方の電極28と他方の電極30を断面ほぼ櫛歯状となる
ようにそれぞれ互い違いに積層し、これら一対の電極2
8と他方の電極30が圧電/電歪層26を間に挟んで重
なる部分(実質的駆動部分18)が多段構成とされた圧
電/電歪素子24a及び24bとしてもよい。この図6
の例では、圧電/電歪層26を3層構造とし、一方の電
極28が1層目の下面(薄板部16a及び16bの側
面)と2層目の上面に位置するように櫛歯状に形成し、
他方の電極30が1層目の上面と3層目の上面に位置す
るように櫛歯状に形成した例を示している。この構成の
場合、一方の電極28同士並びに他方の電極30同士を
それぞれつないで共通化することで、図5に示す構成と
比べて端子32及び34の数を減らすことができるた
め、圧電/電歪素子24a及び24bの多層化に伴うサ
イズの大型化を抑えることができる。
/電歪デバイス10fのように、圧電/電歪素子24a
及び24bを、その先端部が薄板部16a及び16b上
にとどまるように形成するようにしてもよい。図7の例
では、一方の電極28の先端部を薄板部16a及び16
bの長さ方向のほぼ中央部に位置された例を示す。この
場合、可動部20を大きく変位させることができるとい
う利点がある。
/電歪デバイス10gのように、可動部20に互いに対
向する端面36a及び36bを形成するようにしてもよ
い。この場合、製造時に圧電/電歪素子24a及び24
b及び/又は薄板部16a及び16bに生じていた内部
残留応力を前記端面36a及び36bの移動によって解
放することができるため、可動部20の変位動作が前記
内部残留応力によって阻害されることがなくなり、ほぼ
設計通りの可動部20の変位動作を得ることができる。
加えて、この応力の解放によって、圧電/電歪デバイス
10gの機械強度の向上も図ることができる。
8に示すように、空隙(空気)38を介在させるように
してもよいし、前記可動部20の構成部材とは異なる部
材、例えば樹脂等からなる部材を介在させるようにして
もよい。上述の例では、互いに対向する端面36a及び
36bを可動部20に設けた例を示したが、その他、固
定部22に設けるようにしてもよい。
/電歪デバイス10hのように、2つの多段構成の圧電
/電歪素子24a1及び24b1をそれぞれ固定部22
と薄板部16a及び16bとを跨るように形成し、他の
2つの多段構成の圧電/電歪素子24a2及び24b2
をそれぞれ可動部20と薄板部16a及び16bとを跨
るように形成するようにしてもよい。この場合、圧電/
電歪素子24a及び24bを多段構造にする効果と、可
動部20を変位させるための作用点が増えるという効果
により、可動部20をきわめて大きく変位させることが
でき、加えて剛性が上がり、高速応答性にも優れたもの
になり、好ましい。
電/電歪デバイス10iのように、圧電/電歪層26を
2層構造とし、一方の電極28が1層目の下面(薄板部
16a及び16bの側面)と2層目の上面に位置するよ
うに櫛歯状に形成し、他方の電極30が1層目の上面に
位置するように形成した多段構成の圧電/電歪素子24
a及び24bとしてもよい。
bを多段構造とすることにより、圧電/電歪素子24a
及び24bの発生力が増大し、もって大変位が図られる
と共に、圧電/電歪デバイス10自体の剛性が増すこと
で、高共振周波数化が図られ、変位動作の高速化が容易
に達成できる。
図られるが、それに伴い消費電力も増えるため、実際に
実施する場合には、用途、使用状態に応じて適宜段数等
を決めればよい。また、この実施の形態に係る圧電/電
歪デバイス10では、圧電/電歪素子24a及び24b
を多段構造にして駆動力を上げても、基本的に薄板部1
6a及び16bの幅(Y軸方向の距離)は不変であるた
め、例えば非常に狭い間隙において使用されるハードデ
ィスク用磁気ヘッドの位置決め、リンギング制御等のア
クチュエータに適用する上で非常に好ましいデバイスと
なる。
おいては、一対の電極28及び30間に圧電/電歪層2
6を介在させたいわゆるサンドイッチ構造で構成した場
合を示したが、その他、図11に示すように、少なくと
も薄板部16a及び16bの側面に形成された圧電/電
歪層26の一主面に櫛型構造の一対の電極28及び30
を形成するようにしてもよいし、図12に示すように、
少なくとも薄板部16a及び16bの側面に形成された
圧電/電歪層26に櫛型構造の一対の電極28及び30
を埋め込んで形成するようにしてもよい。
抑えることができるという利点があり、図12に示す構
造は、歪み、発生力の大きな電界方向の逆圧電効果を効
果的に利用できる構造であることから、大変位の発生に
有利になる。
24a及び24bは、圧電/電歪層26の一主面に櫛型
構造の一対の電極28及び30が形成されてなり、一方
の電極28及び他方の電極30が互い違いに一定の幅の
間隙29をもって相互に対向する構造を有する。図11
の例では、一対の電極28及び30を圧電/電歪層26
の一主面に形成した例を示したが、その他、薄板部16
a及び16bと圧電/電歪層26との間に一対の電極2
8及び30を形成するようにしてもよいし、圧電/電歪
層26の一主面並びに薄板部16a及び16bと圧電/
電歪層26との間にそれぞれ櫛型構造の一対の電極28
及び30を形成するようにしてもよい。
及び24bは、圧電/電歪層26に埋め込まれるよう
に、櫛型構造の一対の電極28及び30が形成され、一
方の電極28及び他方の電極30が互い違いに一定の幅
の間隙29をもって相互に対向する構造を有する。
圧電/電歪素子24a及び24bも本実施の形態に係る
圧電/電歪デバイス10に好適に用いることができる。
図11及び図12に示す圧電/電歪素子24a及び24
bのように、櫛型構造の一対の電極28及び30を用い
る場合は、各電極28及び30の櫛歯のピッチDを小さ
くすることで、圧電/電歪素子24a及び24bの変位
を大きくすることが可能である。
デバイス10においては、図1に示すように、一対の薄
板部16a及び16bが予め互いに離間する方向に撓ん
でおり、それぞれ外方に向かって凸形状に撓んだ構造を
有する。この場合、図13に示すように、各薄板部16
a及び16bの撓み量(予め撓んでいる量)をδ、該薄
板部16a及び16bの長さ(可動部20及び固定部2
2の内壁20a及び22a間の距離)をLとしたとき、
0<δ≦0.15Lを満足するように設定されている。
撓み量δが0.15Lを越えるようになると、薄板部1
6a及び16bの剛性が更に増すことから、高共振周波
数化には有利であるが、圧電/電歪素子24a及び24
bの変位を可動部20への変位に変換する効率が低下
し、その結果、低電圧で可動部20を外空間に向けて大
きく変位させることが困難になる。なお、ここで、「予
め」とは、圧電/電歪素子24a及び24bに電圧が印
加されていない状態、もしくは圧電/電歪デバイス10
に外力が加わっていない状態、即ち、非作動状態を示
す。
バイス10の動作について説明する。まず、例えば2つ
の圧電/電歪素子24a及び24bが自然状態、即ち、
圧電/電歪素子24a及び24bが共に変位動作を行っ
ていない場合は、図13に示すように、圧電/電歪デバ
イス10の長軸(固定部の長軸)mと可動部20の中心
軸nとがほぼ一致している。
示すように、一方の圧電/電歪素子24aにおける一対
の電極28及び30に所定のバイアス電位Vbを有する
サイン波Waをかけ、図14Bに示すように、他方の圧
電/電歪素子24bにおける一対の電極28及び30に
前記サイン波Waとはほぼ180°位相の異なるサイン
波Wbをかける。
ける一対の電極28及び30に対して例えば最大値の電
圧が印加された段階においては、一方の圧電/電歪素子
24aにおける圧電/電歪層26はその主面方向に収縮
変位する。これにより、例えば図15に示すように、一
方の薄板部16aに対し、矢印Aに示すように、該薄板
部16aを例えば右方向に撓ませる方向の応力が発生す
ることから、該一方の薄板部16aは、右方向に撓み、
このとき、他方の圧電/電歪素子24bにおける一対の
電極28及び30には、電圧は印加されていない状態と
なるため、他方の薄板部16bは一方の薄板部16aの
撓みに追従して右方向に撓む。その結果、可動部20
は、圧電/電歪デバイス10の長軸mに対して例えば右
方向に変位する。なお、変位量は、各圧電/電歪素子2
4a及び24bに印加される電圧の最大値に応じて変化
し、例えば最大値が大きくなるほど変位量も大きくな
る。
て、抗電界を有する圧電/電歪材料を適用した場合に
は、図14A及び図14Bの一点鎖線の波形に示すよう
に、最小値のレベルが僅かに負のレベルとなるように、
前記バイアス電位を調整するようにしてもよい。この場
合、該負のレベルが印加されている圧電/電歪素子(例
えば他方の圧電/電歪素子24b)の駆動によって、例
えば他方の薄板部16bに一方の薄板部16aの撓み方
向と同じ方向の応力が発生し、可動部20の変位量をよ
り大きくすることが可能となる。つまり、図14A及び
図14Bにおける一点鎖線に示すような波形を使用する
ことで、負のレベルが印加されている圧電/電歪素子2
4b又は24aが、変位動作の主体となっている圧電/
電歪素子24a又は24bをサポートとするという機能
を持たせることができる。
/電歪デバイス10hの例では、対角線上に配置された
例えば圧電/電歪素子24a1と圧電/電歪素子24b
2に、図14Aに示す電圧(サイン波Wa参照)が印加
され、他の圧電/電歪素子24a2と圧電/電歪素子2
4b1に、図14Bに示す電圧(サイン波Wb参照)が
印加される。
歪デバイス10においては、圧電/電歪素子24a及び
24bの微小な変位が薄板部16a及び16bの撓みを
利用して大きな変位動作に増幅されて、可動部20に伝
達することになるため、可動部20は、圧電/電歪デバ
イス10の長軸mに対して大きく変位させることが可能
となる。
(圧電/電歪素子への電圧印加に伴う薄板部の屈曲変位
動作)の共振周波数を越えて動作させることができず、
可動部の変位動作の高速化を図るためには、薄板部の剛
性を高くし、薄板部の振動自体の共振周波数を高くする
ことが有効である。
いに離間する方向に撓んで、外方に向かって凸形状とさ
れていることから、薄板部の振動(屈曲変位)に対して
は高い剛性を示し、その結果、薄板部の振動自体の共振
周波数を高くすることができる。また、このような薄板
部16a及び16bが予め互いに離間する方向、つま
り、外空間に向かって撓んだ構造は、圧電/電歪素子2
4a及び24bの変位を可動部20の外空間に向かう方
向の変位に変換する上で効率のよい構造であることか
ら、可動部20を大きく変位させることができる。つま
り、本実施の形態では、薄板部16a及び16bの剛性
を高めつつ、この増大した剛性から予想される可動部2
0の変位低下を、薄板部16a及び16bを外方に突出
させる構造とし、変位の変換効率を上げることで抑制
し、結果として、可動部20を高速に、そして、大きく
変位させることが可能な構造としたものである。更に、
上述の構造により、外部から薄板部にかかる力(外力)
に対しても大きな耐性を示すため、強度的にも高いもの
となる。
30に印加する電圧を交番的に切り換えて、可動部20
を左右に変位させたときの電圧波形の周波数を示し、共
振周波数とは、可動部20の変位動作が所定の振動モー
ドで追従できる最大の周波数を示す。
バイス10においては、可動部20、薄板部16a及び
16b並びに固定部22が一体化されており、すべての
部分を脆弱で比較的重い材料である圧電/電歪材料によ
って構成する必要がないため、機械的強度が高く、ハン
ドリング性、耐衝撃性、耐湿性に優れ、動作上、有害な
振動(例えば、高速作動時の残留振動やノイズ振動)の
影響を受け難いという利点を有する。
電歪素子24a及び24bを、圧電/電歪層26と、該
圧電/電歪層26の両側に形成された一対の電極28及
び30とを有して構成し、一対の電極28及び30のう
ち、一方の電極28を少なくとも薄板部16a及び16
bの外表面に形成するようにしたので、圧電/電歪素子
24a及び24bによる振動を薄板部16a及び16b
を通じて効率よく可動部20に伝達することができ、応
答性の向上を図ることができる。
電極28及び30が圧電/電歪層26を間に挟んで重な
る部分(実質的駆動部分18)を固定部22の一部から
薄板部16a及び16bの一部にかけて連続的に形成す
るようにしている。実質的駆動部分18を更に可動部2
0の一部にかけて形成した場合、可動部20の変位動作
が前記実質的駆動部分18によって制限され、大きな変
位を得ることができなくなるおそれがあるが、この実施
の形態では、前記実質的駆動部分18を可動部20と固
定部22の両方にかけないように形成しているため、可
動部20の変位動作が制限されるという不都合が回避さ
れ、上述した薄板部16a及び16bが予め互いに離間
する方向に撓んでいる効果との相乗効果により、可動部
20の変位量を大きくすることができる。
24a及び24bを形成する場合は、前記実質的駆動部
分18が可動部20の一部から薄板部16a及び16b
の一部にかけて位置させるように形成することが好まし
い。これは、実質的駆動部分18が固定部22の一部に
までわたって形成されると、上述したように、可動部2
0の変位動作が制限されるからである。
イス10の好ましい構成例について説明する。
位動作を確実なものとするために、圧電/電歪素子24
a及び24bの実質的駆動部分18が固定部22もしく
は可動部20にかかる距離gを薄板部16a及び16b
の厚みdの1/2以上とすることが好ましい。
16a及び16bとの接合部分の間におけるX軸方向の
距離、もしくは固定部22の内壁22aと薄板部16a
及び16bとの接合部分の間におけるX軸方向の距離の
うち、大きい方の距離aと薄板部16a及び16bの幅
(Y軸方向の距離)bとの比a/bが0.5〜20とな
るように構成する。前記比a/bは、好ましくは1〜1
0とされ、更に好ましくは2〜8とされる。この比a/
bの規定値は、可動部20の変位量を大きくし、X−Z
平面内での変位を支配的に得られることの発見に基づく
規定である。
軸方向の距離)Lと上述した距離aとの比L/aにおい
ては、好ましくは0.5〜10とされ、更に好ましくは
0.7〜5とすることが望ましい。この比L/aの規定
値は、可動部20の変位量を大きくでき、かつ、高い共
振周波数で変位動作を行うことができる(高い応答速度
を達成できる)という発見に基づく規定である。
デバイス10をY軸方向への煽り変位、あるいは振動を
抑制し、かつ、高速応答性に優れ、相対的に低電圧で大
きな変位を併せ持つ構造とするには、比a/bを0.5
〜20とし、かつ、比L/aを0.5〜10にすること
が好ましく、更に好ましくは比a/bを1〜10とし、
かつ、比L/aを0.7〜5にすることである。
リコンゲルを充填することが好ましい。通常は、充填材
の存在によって、可動部20の変位動作が制限を受ける
ことになるが、この実施の形態では、可動部20への切
欠き(互いに対向する端面36a及び36b)の形成に
伴う軽量化や可動部20の変位量の増大化を図るように
しているため、前記充填材による可動部20の変位動作
の制限が打ち消され、充填材の存在による効果、即ち、
高共振周波数化や剛性の確保を実現させることができ
る。
離)fは、短いことが好ましい。短くすることで軽量化
と共振周波数の増大が図られるからである。しかしなが
ら、可動部20のX軸方向の剛性を確保し、その変位を
確実なものとするためには、薄板部16a及び16bの
厚みdとの比f/dを3以上、好ましくは10以上とす
ることが望ましい。
品の取り付けのための接合面積、固定部22を他の部材
に取り付けるための接合面積、電極用端子などの取り付
けのための接合面積、圧電/電歪デバイス10全体の強
度、耐久度、必要な変位量並びに共振周波数、そして、
駆動電圧等を考慮して定められることになる。
板部16a及び16bとの接合部分の間におけるX軸方
向の距離、もしくは固定部22の内壁22aと薄板部1
6a及び16bとの接合部分の間におけるX軸方向の距
離のうち、大きい方の距離aは、100μm〜2000
μmが好ましく、更に好ましくは200μm〜1000
μmである。薄板部16a及び16bの幅bは、50μ
m〜2000μmが好ましく、更に好ましくは100μ
m〜500μmである。薄板部16a及び16bの厚み
dは、Y軸方向への変位成分である煽り変位が効果的に
抑制できるように、薄板部16a及び16bの幅bとの
関係においてb>dとされ、かつ、2μm〜100μm
が好ましく、更に好ましくは4μm〜50μmである。
0μm〜3000μmが好ましく、更に好ましくは30
0μm〜2000μmである。可動部20の長さfは、
50μm〜2000μmが好ましく、更に好ましくは1
00μm〜1000μmである。
向の変位に対してY軸方向の変位が10%を越えない
が、上述の寸法比率と実寸法の範囲で適宜調整を行うこ
とで低電圧駆動が可能で、Y軸方向への変位成分を5%
以下に抑制できるというきわめて優れた効果を示す。つ
まり、可動部20は、実質的にX軸方向という1軸方向
に変位することになり、しかも、高速応答性に優れ、相
対的に低電圧で大きな変位を得ることができる。
ては、デバイスの形状が従来のような板状ではなく、可
動部20と固定部22が直方体の形状を呈しており、可
動部20と固定部22の側面が連続するように一対の薄
板部16a及び16bが設けられていることに加え、一
対の薄板部16a及び16bが予め互いに離間する方向
に撓んでいるため、圧電/電歪デバイス10のY軸方向
の剛性を選択的に高くすることができる。
平面内(XZ平面内)における可動部20の動作のみを
選択的に発生させることができ、可動部20のYZ面内
の動作(いわゆる煽り方向の動作)を抑制することがで
きる。
バイス10の各構成要素について説明する。
6a及び16bの駆動量に基づいて作動する部分であ
り、圧電/電歪デバイス10の使用目的に応じて種々の
部材が取り付けられる。例えば、圧電/電歪デバイス1
0を変位素子として使用する場合であれば、光シャッタ
の遮蔽板等が取り付けられ、特に、ハードディスクドラ
イブの磁気ヘッドの位置決めやリンギング抑制機構に使
用するのであれば、磁気ヘッド、磁気ヘッドを有するス
ライダ、スライダを有するサスペンション等の位置決め
を必要とする部材が取り付けられる。
6a及び16b並びに可動部20を支持する部分であ
り、固定部22を例えば前記ハードディスクドライブの
磁気ヘッドの位置決めに利用する場合には、VCM(ボ
イスコイルモータ)に取り付けられキャリッジアーム、
該キャリッジアームに取り付けられた固定プレート又は
サスペンション等に支持固定することにより、圧電/電
歪デバイス10の全体が固定される。また、この固定部
22には、図1に示すように、圧電/電歪素子24a及
び24bを駆動するための端子32及び34、その他の
部材が配置される場合もある。
としては、剛性を有する限りにおいて特に限定されない
が、後述するセラミックグリーンシート積層法を適用で
きるセラミックスを好適に用いることができる。具体的
には、安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニアをはじ
めとするジルコニア、アルミナ、マグネシア、窒化珪
素、窒化アルミニウム、酸化チタンを主成分とする材料
等が挙げられるほか、これらの混合物を主成分とした材
料が挙げられるが、機械的強度や靱性が高い点におい
て、ジルコニア、特に安定化ジルコニアを主成分とする
材料と部分安定化ジルコニアを主成分とする材料が好ま
しい。また、金属材料においては、剛性を有する限り、
限定されないが、ステンレス鋼、ニッケル等が挙げられ
る。
に、圧電/電歪素子24a及び24bの変位により駆動
する部分である。薄板部16a及び16bは、可撓性を
有する薄板状の部材であって、表面に配設された圧電/
電歪素子24a及び24bの伸縮変位を屈曲変位として
増幅して、可動部20に伝達する機能を有する。従っ
て、薄板部16a及び16bの形状や材質は、可撓性を
有し、屈曲変形によって破損しない程度の機械的強度を
有するものであれば足り、可動部20の応答性、操作性
を考慮して適宜選択することができる。
m〜100μm程度とすることが好ましく、薄板部16
a及び16bと圧電/電歪素子24a及び24bとを合
わせた厚みは7μm〜500μmとすることが好まし
い。電極28及び30の厚みは0.1〜50μm、圧電
/電歪層26の厚みは3〜300μmとすることが好ま
しい。また、薄板部16a及び16bの幅bとしては、
50μm〜2000μmが好適である。
しては、可動部20や固定部22と同様のセラミックス
を好適に用いることができ、ジルコニア、中でも安定化
ジルコニアを主成分とする材料と部分安定化ジルコニア
を主成分とする材料は、薄肉であっても機械的強度が大
きいこと、靱性が高いこと、圧電/電歪層や電極材との
反応性が小さいことから最も好適に用いられる。
のとおり、可撓性を有し、屈曲変形が可能な金属材料で
あればよいが、好ましくは、鉄系材料としては、各種ス
テンレス鋼、各種バネ鋼鋼材で構成することが望まし
く、非鉄系材料としては、ベリリウム銅、リン青銅、ニ
ッケル、ニッケル鉄合金で構成することが望ましい。
ルコニアにおいては、次のように安定化並びに部分安定
化されたものが好ましい。即ち、ジルコニアを安定化並
びに部分安定化させる化合物としては、酸化イットリウ
ム、酸化イッテルビウム、酸化セリウム、酸化カルシウ
ム、及び酸化マグネシウムがあり、少なくともそのうち
の1つの化合物を添加、含有させることにより、ジルコ
ニアは部分的にあるいは完全に安定することになるが、
その安定化は、1種類の化合物の添加のみならず、それ
ら化合物を組み合わせて添加することによっても、目的
とするジルコニアの安定化は可能である。
は、酸化イットリウムや酸化イッテルビウムの場合にあ
っては、1〜30モル%、好ましくは1.5〜10モル
%、酸化セリウムの場合にあっては、6〜50モル%、
好ましくは8〜20モル%、酸化カルシウムや酸化マグ
ネシウムの場合にあっては、5〜40モル%、好ましく
は5〜20モル%とすることが望ましいが、その中でも
特に酸化イットリウムを安定化剤として用いることが好
ましく、その場合においては、1.5〜10モル%、更
に好ましくは2〜4モル%とすることが望ましい。ま
た、焼結助剤等の添加物としてアルミナ、シリカ、遷移
金属酸化物等を0.05〜20wt%の範囲で添加する
ことが可能であるが、圧電/電歪素子24a及び24b
の形成手法として、膜形成法による焼成一体化を採用す
る場合は、アルミナ、マグネシア、遷移金属酸化物等を
添加物として添加することも好ましい。
れるように、ジルコニアの平均結晶粒子径を0.05〜
3μm、好ましくは0.05〜1μmとすることが望ま
しい。また、上述のように、薄板部16a及び16bに
ついては、可動部20並びに固定部22と同様のセラミ
ックスを用いることができるが、好ましくは、実質的に
同一の材料を用いて構成することが、接合部分の信頼
性、圧電/電歪デバイス10の強度、製造の煩雑さの低
減を図る上で有利である。
くとも圧電/電歪層26と、該圧電/電歪層26に電界
をかけるための一対の電極28及び30を有するもので
あり、ユニモルフ型、バイモルフ型等の圧電/電歪素子
を用いることができるが、ユニモルフ型の方が、発生す
る変位量の安定性に優れ、軽量化に有利であるため、こ
のような圧電/電歪デバイス10に適している。
8、圧電/電歪層26及び他方の電極30が層状に積層
された圧電/電歪素子等を好適に用いることができるほ
か、図5〜図10に示すように、多段構成にしてもよ
い。
図1に示すように、圧電/電歪デバイス10の外面側に
形成する方が薄板部16a及び16bをより大きく駆動
させることができる点で好ましいが、使用形態などに応
じて、圧電/電歪デバイス10の内面側、即ち、孔部1
2の内壁面に形成してもよく、圧電/電歪デバイス10
の外面側、内面側の双方に形成してもよい。
が好適に用いられるが、電歪セラミックスや強誘電体セ
ラミックス、あるいは反強誘電体セラミックスを用いる
ことも可能である。但し、この圧電/電歪デバイス10
をハードディスクドライブの磁気ヘッドの位置決め等に
用いる場合は、可動部20の変位量と駆動電圧又は出力
電圧とのリニアリティが重要とされるため、歪み履歴の
小さい材料を用いることが好ましく、抗電界が10kV
/mm以下の材料を用いることが好ましい。
タン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッケルニオブ酸
鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸鉛、アンチモン
スズ酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、コバルトニオブ
酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸ナトリウムビスマ
ス、ニオブ酸カリウムナトリウム、タンタル酸ストロン
チウムビスマス等を単独で、あるいは混合物として含有
するセラミックスが挙げられる。
有し、圧電/電歪層26の焼結時における薄板部16a
及び16b(セラミックス)との反応性が小さく、安定
した組成のものが得られる点において、ジルコン酸鉛、
チタン酸鉛、及びマグネシウムニオブ酸鉛を主成分とす
る材料、もしくはチタン酸ナトリウムビスマスを主成分
とする材料が好適に用いられる。
ム、ストロンチウム、モリブデン、タングステン、バリ
ウム、ニオブ、亜鉛、ニッケル、マンガン、セリウム、
カドミウム、クロム、コバルト、アンチモン、鉄、イッ
トリウム、タンタル、リチウム、ビスマス、スズ等の酸
化物等を単独で、もしくは混合したセラミックスを用い
てもよい。
ン酸鉛及びマグネシウムニオブ酸鉛に、ランタンやスト
ロンチウムを含有させることにより、抗電界や圧電特性
を調整可能となる等の利点を得られる場合がある。
加は避けることが望ましい。なぜならば、シリカ等の材
料は、圧電/電歪層の熱処理時に、圧電/電歪材料と反
応し易く、その組成を変動させ、圧電特性を劣化させる
からである。
一対の電極28及び30は、室温において固体であり、
導電性に優れた金属で構成されていることが好ましく、
例えばアルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、
ニッケル、銅、亜鉛、ニオブ、モリブデン、ルテニウ
ム、パラジウム、ロジウム、銀、スズ、タンタル、タン
グステン、イリジウム、白金、金、鉛等の金属単体、も
しくはこれらの合金が用いられ、更に、これらに圧電/
電歪層26あるいは薄板部16a及び16bと同じ材料
を分散させたサーメット材料を用いてもよい。
電極28及び30の材料選定は、圧電/電歪層26の形
成方法に依存して決定される。例えば薄板部16a及び
16b上に一方の電極28を形成した後、該一方の電極
28上に圧電/電歪層26を焼成により形成する場合
は、一方の電極28には、圧電/電歪層26の焼成温度
においても変化しない白金、パラジウム、白金−パラジ
ウム合金、銀−パラジウム合金等の高融点金属を使用す
る必要があるが、圧電/電歪層26を形成した後に、該
圧電/電歪層26上に形成される他方の電極30は、低
温で電極形成を行うことができるため、アルミニウム、
金、銀等の低融点金属を使用することができる。
らず圧電/電歪素子24a及び24bの変位を低下させ
る要因ともなるため、特に圧電/電歪層26の焼成後に
形成される電極には、焼成後に緻密でより薄い膜が得ら
れる有機金属ペースト、例えば金レジネートペースト、
白金レジネートペースト、銀レジネートペースト等の材
料を用いることが好ましい。
バイス10の製造方法を図16A〜図26を参照しなが
ら説明する。
10は、各部材の構成材料をセラミックスとし、圧電/
電歪デバイス10の構成要素として、圧電/電歪素子2
4a及び24bを除く基体14、即ち、薄板部16a及
び16b、固定部22及び可動部20についてはセラミ
ックグリーンシート積層法を用いて製造することが好ま
しく、一方、圧電/電歪素子24a及び24bをはじめ
として、各端子32及び34については、薄膜や厚膜等
の膜形成手法を用いて製造することが好ましい。
る各部材を一体的に成形することが可能なセラミックグ
リーンシート積層法によれば、各部材の接合部の経時的
な状態変化がほとんど生じないため、接合部位の信頼性
が高く、かつ、剛性確保に有利な方法である。
10では、薄板部16a及び16bと固定部22との境
界部分(接合部分)並びに薄板部16a及び16bと可
動部20との境界部分(接合部分)は、変位発現の支点
となるため、接合部分の信頼性は圧電/電歪デバイス1
0の特性を左右する重要なポイントである。
形性に優れるため、所定形状の圧電/電歪デバイス10
を短時間に、かつ、再現性よく得ることができる。
電歪デバイス10の第1の製造方法について説明する。
ここで、定義付けをしておく。セラミックグリーンシー
トを積層して得られた積層体をセラミックグリーン積層
体58(例えば図16B参照)と定義し、このセラミッ
クグリーン積層体58を焼成して一体化したものをセラ
ミック積層体60(例えば図17参照)と定義し、この
セラミック積層体60から不要な部分を切除して可動部
20、薄板部16a及び16b並びに固定部22が一体
化されたものをセラミック基体14C(図18参照)と
定義する。
終的にセラミック積層体60をチップ単位に切断して、
圧電/電歪デバイス10を多数個取りするものである
が、説明を簡単にするために、圧電/電歪デバイス10
の1個取りを主体にして説明する。
インダ、溶剤、分散剤、可塑剤等を添加混合してスラリ
ーを作製し、これを脱泡処理後、リバースロールコータ
ー法、ドクターブレード法等の方法により、所定の厚み
を有するセラミックグリーンシートを作製する。
等の方法により、セラミックグリーンシートを図16A
のような種々の形状に加工して、複数枚の基体形成用の
セラミックグリーンシート50A〜50D、52A及び
52Bを得る。
50D、52A及び52Bは、少なくとも後に孔部12
を形成する窓部54が形成された複数枚(例えば4枚)
のセラミックグリーンシート50A〜50Dと、後に薄
板部16a及び16bとなる複数枚(例えば2枚)のセ
ラミックグリーンシート52A及び52Bとを有する。
ここで、セラミックグリーンシート50A〜50Dとセ
ラミックグリーンシート52A及び52Bは、それぞれ
焼成収縮速度及び/又は焼成収縮量に差を有するものが
使用される。具体的には、これらセラミックグリーンシ
ートの焼成時において、セラミックグリーンシート50
A〜50Dがセラミックグリーンシート52A及び52
Bよりも遅いタイミングで焼結するものが使用された
り、セラミックグリーンシート50A〜50Dの焼成収
縮量をセラミックグリーンシート52A及び52Bより
も大きなものとすることなどが挙げられる。なお、セラ
ミックグリーンシートの枚数は、あくまでも一例であ
る。
差及び/又は焼成収縮量の差の大きさにより、焼成後の
薄板部の突出量が異なるため、所定の突出量が得られる
焼成収縮速度の差及び/又は焼成収縮量の差となるよう
に、セラミックグリーンシート50A〜50Dとセラミ
ックグリーンシート52A、52Bが選択される。
のみを予め外方へ突出したものとする場合には、前述の
セラミックグリーンシートに対する関係は、セラミック
グリーンシート52Aもしくは52Bのいずれかに当て
はめればよい。
クグリーンシート52A及び52Bでセラミックグリー
ンシート50A〜50Dを挟み込むようにして、これら
セラミックグリーンシート50A〜50D、52A及び
52Bを積層・圧着して、セラミックグリーン積層体5
8とする。
ミックグリーン積層体58を焼成してセラミック積層体
60を得る。このとき、セラミックグリーンシート50
A〜50Dが、セラミックグリーンシート52A及び5
2Bよりも遅いタイミングで焼結する及び/又はセラミ
ックグリーンシート50A〜50Dの焼成収縮量がセラ
ミックグリーンシート52A及び52Bよりも大きなも
のとされているため、セラミック積層体60の両主面の
うち、後に薄板部となる部分が外方に突出(膨出を含
む)する。
は限定されない。構造に応じて、例えば窓部54の形
状、セラミックグリーンシートの枚数等により所望の構
造を得るように適宜決めることができる。
はなく、所望の機能に応じて決定することができる。ま
た、セラミックグリーンシートの枚数、各セラミックグ
リーンシートの厚みも特に限定されない。
向上させることができる。また、セラミック粉末(セラ
ミックグリーンシートに使用されたセラミックスと同一
又は類似した組成であると、信頼性確保の点で好まし
い)、バインダを主体としたペースト、スラリー等をセ
ラミックグリーンシート上に塗布、印刷して、接合補助
層とすることで、セラミックグリーンシート界面の積層
性を向上させることができる。なお、セラミックグリー
ンシート52A及び52Bが薄い場合には、プラスチッ
クフィルム、中でも表面にシリコーン系の離型剤をコー
ティングしたポリエチレンテレフタレートフィルムを用
いて取り扱うことが好ましい。
ク積層体60の両表面、即ち、セラミックグリーンシー
ト52A及び52Bが積層された表面に相当する表面に
それぞれ圧電/電歪素子24a及び24bを形成する。
圧電/電歪素子24a及び24bの形成法としては、ス
クリーン印刷法、ディッピング法、塗布法、電気泳動法
等の厚膜形成法や、イオンビーム法、スパッタリング
法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、化学気相成
長法(CVD)、めっき等の薄膜形成法を用いることが
できる。
子24a及び24bを形成することにより、接着剤を用
いることなく、圧電/電歪素子24a及び24bと薄板
部16a及び16bとを一体的に接合、配設することが
でき、信頼性、再現性を確保できると共に、集積化を容
易にすることができる。
子24a及び24bを形成することが好ましい。特に、
圧電/電歪層26の形成において厚膜形成法を用いれ
ば、平均粒径0.01〜5μm、好ましくは0.05〜
3μmの圧電セラミックスの粒子、粉末を主成分とする
ペーストやスラリー、又はサスペンションやエマルジョ
ン、ゾル等を用いて膜化することができ、それを焼成す
ることによって良好な圧電/電歪特性を得ることができ
るからである。
つ、高い形状精度で形成できるという利点がある。ま
た、スクリーン印刷法は、膜形成とパターン形成とを同
時にできるため、製造工程の簡略化に有利である。
bの形成について説明する。まず、セラミックグリーン
積層体58を1200℃〜1600℃の温度で焼成、一
体化してセラミック積層体60を得た後、該セラミック
積層体60の両表面の所定位置に一方の電極28を印
刷、焼成し、次いで、圧電/電歪層26を印刷、焼成
し、更に、他方の電極30を印刷、焼成して圧電/電歪
素子24a及び24bを形成する。その後、各電極28
及び30を駆動回路に電気的に接続するための端子32
及び34を印刷、焼成する。
t)、圧電/電歪層26としてジルコン酸チタン酸鉛
(PZT)、他方の電極30として金(Au)、更に、
端子32及び34として銀(Ag)というように、各部
材の焼成温度が積層順に従って低くなるように材料を選
定すると、ある焼成段階において、それより以前に焼成
された材料の再焼結が起こらず、電極材等の剥離や凝集
といった不具合の発生を回避することができる。
圧電/電歪素子24a及び24bの各部材と端子32及
び34を逐次印刷して、1回で一体焼成することも可能
であり、圧電/電歪層26を形成した後に低温で各電極
30等を設けることもできる。
の焼成温度は、これを構成する材料によって適宜決定さ
れるが、一般には、500℃〜1500℃であり、圧電
/電歪層26に対しては、好ましくは1000℃〜14
00℃である。この場合、圧電/電歪層26の組成を制
御するためには、圧電/電歪層26の材料の蒸発源の存
在下に焼結することが好ましい。
各部材と端子32及び34は、スパッタ法や蒸着法等の
薄膜形成法によって形成してもよく、この場合には、必
ずしも熱処理を必要としない。
24a及び24bが形成されたセラミック積層体60の
うち、不要な部分を切除する。切除する位置は、セラミ
ック積層体60の側部、特に、該切除によってセラミッ
ク積層体60の側面に窓部54による孔部12が形成さ
れる箇所(切断線C1及びC2参照)である。この切除
によって、図18に示すように、一対の薄板部16a及
び16bが互いに離間する方向に撓み、外方に向かって
凸形状とされたセラミック基体14Cに圧電/電歪素子
24a及び24bが形成された本実施の形態に係る圧電
/電歪デバイス10が完成する。
イヤソー加工等の機械加工のほか、YAGレーザ、エキ
シマレーザ等のレーザ加工や電子ビーム加工を適用する
ことが可能である。切除に当たっては、切除後、300
〜800℃で加熱処理することが好ましい。これは、加
工によりデバイス内にマイクロクラック等の欠陥が生じ
やすいが、前記熱処理によって前記欠陥を取り除くこと
ができ、信頼性が向上するからである。更に、前記熱処
理後に80℃程度の温度で少なくとも10時間程度放置
し、エージング処理を施すことが好ましい。このエージ
ング処理で、製造過程の中で受けた種々の応力等を緩和
でき、特性の向上に寄与するからである。
び図19Bを参照しながら説明する。この第2の製造方
法は、図19Aに示すように、セラミックグリーン積層
体58の両表面、即ち、セラミックグリーンシート52
A及び52Bの各表面に圧電/電歪素子24a及び24
bの前駆体124a及び124bを形成する。
6bとなる部分の材料と圧電/電歪素子24a及び24
bの前駆体124a及び124bの材料との熱膨張差を
薄板部16a及び16bの方が大きくなるように制御し
て形成されるが、好ましくは、これら材料間の熱膨張率
の比(薄板部16a及び16bの構成材料の熱膨張率/
圧電/電歪素子24a及び24bの前駆体124a及び
124bの熱膨張率)を1〜10の範囲となるように調
整、制御することが望ましい。
8と圧電/電歪素子24a及び24bの前駆体124a
及び124bを同時焼成して、図19Bに示すように、
前記セラミックグリーン積層体をセラミック積層体とし
たとき、少なくとも薄板部16a及び16bとなる部分
の材料と圧電/電歪素子24a及び24bの前駆体12
4a及び124bの材料との熱膨張差によって、セラミ
ック積層体のうち、後に薄板部16a及び16bとなる
部分が突出し、該薄板部16a及び16bとなる部分に
圧電/電歪素子24a及び24bが形成されたかたちと
なる。
グリーン積層体58と圧電/電歪素子24a及び24b
のすべての構成膜に対して焼成を行うようにしてもよ
く、一方の電極28とセラミックグリーン積層体58と
を同時焼成したり、他方の電極30を除く他の構成膜と
セラミックグリーン積層体58とを同時焼成する方法等
が挙げられる。
の前駆体124a及び124bとは、焼成前における圧
電/電歪素子24a及び24bのすべての構成膜、ある
いは焼成前における圧電/電歪素子24a及び24bの
他方の電極30を除く他の構成膜を示す。
ックグリーン積層体58とを同時焼成する方法として
は、スラリー原料を用いたテープ成形法等によって圧電
/電歪層26の前駆体を成形し、この焼成前の圧電/電
歪層26の前駆体をセラミックグリーン積層体58の表
面上に熱圧着等で積層し、同時に焼成して可動部20、
薄板部16a及び16b、圧電/電歪層26、固定部2
2とを同時に作製する方法が挙げられる。但し、この方
法では、上述した膜形成法を用いて、セラミックグリー
ン積層体58の表面及び/又は圧電/電歪層26に予め
電極28を形成しておく必要がある。
ン積層体58の少なくとも最終的に薄板部16a及び1
6bとなる部分にスクリーン印刷により圧電/電歪素子
24a及び24bの各構成層である電極28及び30、
圧電/電歪層26を形成し、同時に焼成することが挙げ
られる。
ーン積層体58を同時焼成する場合には、両者の焼成条
件を合わせることが必要である。圧電/電歪素子24a
及び24bは、必ずしもセラミック積層体60もしくは
セラミックグリーン積層体58の両面に形成されるもの
ではなく、片面のみでももちろんよい。
歪素子24a及び24bが形成されたセラミック積層体
60のうち、切断線C1及びC2に沿って切断すること
により、セラミック積層体60の側部を切除する。この
切除によって、図18に示すように、本実施の形態に係
る圧電/電歪デバイス10が完成する。
記可動部20、固定部22、薄板部16a及び16bを
セラミック基体14Cにて構成した例を示したが、その
他、各部を金属材料同士で構成することもできる。更に
は、セラミックスと金属の材料とから製造されたものを
組み合わせたハイブリッド構造として構成することもで
きる。この場合、金属材料間の接合、セラミックスと金
属材料間の接合においては、有機樹脂、ガラス等での接
着、ロウ付け、半田付け、共晶接合、溶接等を用いるこ
とができる。
ックスとし、薄板部16a及び16bを金属としたハイ
ブリッド構造の圧電/電歪デバイス(第8及び第9の変
形例に係る圧電/電歪デバイス10h及び10i)の製
造方法(第3及び第4の製造方法)について図20A〜
図26を参照しながら説明する。この第3及び第4の製
造方法で形成される金属とセラミックスを含む基体を基
体14Dと記す。
ように、少なくとも後に孔部12を形成する窓部54が
形成された複数枚(例えば4枚)の枠状のグリーンシー
ト50A〜50Dを用意する。
クグリーンシート50A〜50Dを積層・圧着して、薄
板のないセラミックグリーン積層体(後に薄板部16a
及び16bとなる部分がないもの)158とする。その
後、薄板のないセラミックグリーン積層体158を焼成
して、図21Aに示すように、薄板のないセラミック積
層体160を得る。このとき、薄板のないセラミック積
層体(後に薄板部16a及び16bとなる部分がないも
の)160には、窓部54により孔部130が形成され
たかたちとなる。
構成した圧電/電歪素子24a及び24bをそれぞれ薄
板部となる金属板152A及び152Bの表面にエポキ
シ系接着剤で接着する。この場合、金属板152A及び
152Bは、後に薄板部16a及び16bとなる部分を
プレス加工等によって予め一方向に突出させて凸部15
4が形成されたものが使用される。図21Bの例では金
属板152A及び152Bの一部をそれぞれ円柱の一部
の形状やカマボコ形状に突出させた例を示す。別体の圧
電/電歪素子24a及び24bは、例えばセラミックグ
リーンシート積層法により形成することができる。な
お、このとき、圧電/電歪素子24a及び24bの前駆
体124a及び124bに対して型押し等により、上述
の金属板152A及び152Bと同様に突出させてもよ
い。
ミック積層体160を挟み込むように、かつ、孔部13
0を塞ぐようにして、これら金属板152A及び152
Bをセラミック積層体160にエポキシ系接着剤で接着
し、ハイブリッド積層体162(図22参照)とする。
子24a及び24bが形成されたハイブリッド積層体1
62のうち、切断線C1及びC2に沿って切断すること
により、ハイブリッド積層体162の側部を切除する。
この切除によって、図23に示すように、金属板152
A及び152Bで構成された薄板部16a及び16bが
互いに離間する方向に撓み、外方に向かって凸形状とさ
れた基体14Dに圧電/電歪素子24a及び24bが形
成された第10の変形例に係る圧電/電歪デバイス10
jが完成する。
3の製造方法と同様に、少なくとも後に孔部12を形成
する窓部54が形成された複数枚(例えば4枚)の枠状
のセラミックグリーンシート50A〜50Dを用意し、
これらセラミックグリーンシート50A〜50Dを積層
・圧着して、薄板のないセラミックグリーン積層体15
8とする(図20A及び図20B参照)。
体158を焼成して、図24Aに示すように、セラミッ
ク積層体160を得る。このとき、薄板のないセラミッ
ク積層体160には、窓部54により孔部130が形成
されたかたちとなる。
2A及び152Bで薄板のないセラミック積層体160
を挟み込むように、かつ、孔部130を塞ぐようにし
て、これら金属板152A及び152Bを薄板のないセ
ラミック積層体160にエポキシ系接着剤で接着し、ハ
イブリッド積層体162とする。この場合も、金属板1
52A及び152Bは、後に薄板部16a及び16bと
なる部分をプレス加工等によって予め一方向に突出させ
て凸部154が形成されたものが使用される。このと
き、ハイブリッド積層体162に対して充填材を注入し
て、後述する圧電/電歪素子24a及び24bを接着す
る際に、金属板152A及び152Bの凸部154がつ
ぶれないようにすることが好ましい。
あるため、溶剤等に溶解しやすく、また、硬い材料であ
ることが好ましく、例えば有機樹脂やワックス、ロウな
どが挙げられる。また、アクリル等の有機樹脂にセラミ
ック粉末をフィラーとして混合した材料を採用すること
もできる。
積層体162における金属板152A及び152Bの表
面に、別体として形成した圧電/電歪素子24a及び2
4bをエポキシ系接着剤で接着する。別体の圧電/電歪
素子24a及び24bは、例えばセラミックグリーンシ
ート積層法により形成することができる。
形成されたハイブリッド積層体162のうち、切断線C
1及びC2に沿って切断することにより、ハイブリッド
積層体162の側部を切除する。この切除によって、図
26に示すように、金属板152A及び152Bで構成
された薄板部16a及び16bが互いに離間する方向に
撓み、外方に向かって凸形状とされた基体14Dに圧電
/電歪素子24a及び24bが形成された第11の変形
例に係る圧電/電歪デバイス10kを得る。
は、例えば図21Aにおける薄板のないセラミック積層
体160に相当する部位を鋳造により形成するほか、薄
状の金属を積層し、クラッディング法により形成すれば
よい。
状態は、図11で示す形態のほか、図27の第12の変
形例に係る圧電/電歪デバイス10mのように、薄板部
16a及び16bの一部が孔部12側に撓んでいてもよ
い。即ち、薄板部16a及び16bと可動部20の内壁
20aとの接合部分と薄板部16a及び16bと固定部
22の内壁22aとの接合部分を結ぶ線分Mを定義した
とき、薄板部16a及び16bの一部がこの線分Mより
も外方に突出していれば、薄板部16a及び16bの他
の一部が前記線分Mよりも孔部12側に撓んでいてもよ
い。
は、薄板部16a及び16bの中央部分が外方に突出し
た例を示したが、図28に示す第13の変形例に係る圧
電/電歪デバイス10nのように、薄板部16a及び1
6bの中央部分以外の部分が外方に突出していてもよ
い。この構造は、薄板部16a及び16bが金属製であ
れば、例えばプレス加工などにより、容易に形成するこ
とができる。あるいは薄板部16a及び16bを予め平
坦状に形成しておいて、その後に、孔部12側から外方
につまんで引っ張ることにより、同様に形成することが
できる。
及び16bを共に外方に撓ませ、かつ、両薄板部16a
及び16bに圧電/電歪素子24a及び24bを形成し
た例を示したが、その他、図29に示す第14の変形例
に係る圧電/電歪デバイス10pのように、例えば一方
の薄板部16aのみを外方に撓ませ、両薄板部16a及
び16bにそれぞれ圧電/電歪素子24a及び24bを
形成するようにしてもよいし、図30に示す第15の変
形例に係る圧電/電歪デバイス10qのように、一方の
薄板部16aのみを外方に撓ませ、かつ、該一方の薄板
部16aに圧電/電歪素子24aを形成するようにして
もよい。また、図31に示す第16の変形例に係る圧電
/電歪デバイス10rのように、一対の薄板部16a及
び16bを共に外方に撓ませ、そのうち、一方の薄板部
16aに圧電/電歪素子24aを形成するようにしても
よい。
a及び16bの片側の薄板部16aのみに圧電/電歪素
子24aを形成した圧電/電歪デバイス10qや10r
は、圧電/電歪素子24bが形成されていない薄板部1
6bの剛性を小さくすることができる。
び24bが形成されている圧電/電歪デバイス(例えば
圧電/電歪デバイス10)と、片側のみに圧電/電歪素
子24aが形成された圧電/電歪デバイス(10qや1
0r)とを、1つの圧電/電歪素子24aを駆動して得
られる変位の大きさで比較すると、片側のみに圧電/電
歪素子24aが形成された圧電/電歪デバイス(10q
や10r)の方が、対向する側の薄板部16bの剛性が
低いという効果から、より大きな変位が得られるという
特徴がある。
種トランスデューサ、各種アクチュエータ、周波数領域
機能部品(フィルタ)、トランス、通信用や動力用の振
動子や共振子、発振子、ディスクリミネータ等の能動素
子のほか、超音波センサや加速度センサ、角速度センサ
や衝撃センサ、質量センサ等の各種センサ用のセンサ素
子として利用することができ、特に、光学機器、精密機
器等の各種精密部品等の変位や位置決め調整、角度調整
の機構に用いられる各種アクチュエータに好適に利用す
ることができる。
及びその製造方法は、上述の実施の形態に限らず、この
発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る
ことはもちろんである。
/電歪デバイス及びその製造方法によれば、外力に対す
る強度を高めることができると共に、高共振周波数化を
容易に達成することができ、かつ、変位効率を高めるこ
とにより、大きな変位を発生することができ、しかも、
作動上、有害な振動の影響を受け難く、高速応答が可能
で、機械的強度が高く、ハンドリング性、耐衝撃性、耐
湿性に優れた変位素子、並びに可動部の振動を精度よく
検出することができるセンサ素子を得ることができる。
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
成を示す斜視図である。
斜視図である。
示す斜視図である。
いて、圧電/電歪素子が共に変位動作を行っていない場
合を示す説明図である。
る電圧波形を示す波形図であり、図14Bは他方の圧電
/電歪素子に印加される電圧波形を示す波形図である。
いて、圧電/電歪素子が変位動作を行った場合を示す説
明図である。
バイスを第1の製造方法に沿って作製する場合に必要な
セラミックグリーンシートの積層過程を示す説明図であ
り、図16Bはセラミックグリーン積層体とした状態を
示す説明図であり、図16Cはセラミックグリーン積層
体を焼成してセラミック積層体とした状態を示す説明図
である。
ック積層体とした後、該セラミック積層体に圧電/電歪
素子を形成した状態を示す説明図である。
断して本実施の形態に係る圧電/電歪デバイスとした状
態を示す説明図である。
ックグリーン積層体に圧電/電歪素子の前駆体を形成し
た状態を示す説明図であり、図19Bはセラミックグリ
ーンシート積層体と圧電/電歪素子の前駆体を同時焼成
して、セラミック積層体に圧電/電歪素子を形成した状
態を示す説明図である。
バイスを第3の製造方法に沿って作製する場合に必要な
セラミックグリーンシートの積層過程を示す説明図であ
り、図20Bはセラミックグリーン積層体とした状態を
示す説明図である。
してセラミック積層体とした状態を示す説明図であり、
図21Bは別体として構成した圧電/電歪素子をそれぞ
れ薄板部となる金属板の表面に接着した状態を示す説明
図である。
ク積層体に接着してハイブリッド積層体とした状態を示
す説明図である。
体を所定の切断線に沿って切断して、第10の変形例に
係る圧電/電歪デバイスを作製した状態を示す説明図で
ある。
ックグリーン積層体を焼成してセラミック積層体とした
状態を示す説明図であり、図24Bは別体として構成し
た圧電/電歪素子をそれぞれ薄板部となる金属板の表面
に接着した状態を示す説明図である。
ク積層体に接着してハイブリッド積層体とした状態を示
す説明図である。
体を所定の切断線に沿って切断して、第11の変形例に
係る圧電/電歪デバイスを作製した状態を示す説明図で
ある。
構成を示す正面図である。
構成を示す正面図である。
構成を示す正面図である。
構成を示す正面図である。
構成を示す正面図である。
図である。
r…圧電/電歪デバイス 12…孔部 14、14D…
基体 14C…セラミック基体 16a、16b
…薄板部 18…実質的駆動部分 20…可動部 22…固定部 24a、24b
…圧電/電歪素子 26…圧電/電歪層 28、30…一
対の電極 50A〜50D、52A、52B…セラミックグリーン
シート 54…窓部 58…セラミッ
クグリーン積層体 60…セラミック積層体 124a、12
4b…前駆体 158…薄板のないセラミックグリーン積層体 160…薄板のないセラミック積層体 162…ハイブ
リッド積層体
Claims (18)
- 【請求項1】相対向する一対の薄板部と、可動部と、こ
れら薄板部と可動部を支持する固定部とを具備し、 前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に1
以上の圧電/電歪素子が配設され、 前記一対の薄板部の両内壁と前記可動部の内壁と前記固
定部の内壁とにより孔部が形成された圧電/電歪デバイ
スであって、 前記一対の薄板部のうち、少なくとも一方の薄板部の少
なくとも一部が予め互いに離間する方向に撓んでいるこ
とを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 【請求項2】相対向する一対の薄板部と、可動部と、こ
れら薄板部と可動部を支持する固定部とを具備し、 前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に1
以上の圧電/電歪素子が配設され、 前記一対の薄板部の両内壁と前記可動部の内壁と前記固
定部の内壁とにより孔部が形成された圧電/電歪デバイ
スであって、 前記一対の薄板部の少なくとも一部が予め互いに離間す
る方向に撓んでいることを特徴とする圧電/電歪デバイ
ス。 - 【請求項3】請求項1又は2記載の圧電/電歪デバイス
において、 前記一対の薄板部は、それぞれ外方に向かって予め凸形
状に撓んでいることを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧電
/電歪デバイスにおいて、 前記薄板部の撓み量をδ、該薄板部の長さ(可動部及び
固定部の内壁間の距離)をLとしたとき、0<δ≦0.
15Lを満足することを特徴とする圧電/電歪デバイ
ス。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧電
/電歪デバイスにおいて、 前記薄板部と前記可動部と前記固定部は、セラミックグ
リーン積層体を同時焼成することによって一体化し、更
に不要な部分を切除してなるセラミック基体で構成され
ていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 【請求項6】請求項5記載の圧電/電歪デバイスにおい
て、 前記圧電/電歪素子は膜状であって、少なくとも一対の
電極のいずれか一方及び/又は圧電/電歪層が焼成によ
って前記セラミック基体に一体化されていることを特徴
とする圧電/電歪デバイス。 - 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項に記載の圧電
/電歪デバイスにおいて、 前記圧電/電歪素子は、 圧電/電歪層と、該圧電/電歪層に形成された一対の電
極とを有することを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 【請求項8】請求項1〜7のいずれか1項に記載の圧電
/電歪デバイスにおいて、 前記圧電/電歪素子は、圧電/電歪層と、該圧電/電歪
層の両側に形成された一対の電極とを有し、該一対の電
極のうち、一方の電極が少なくとも前記薄板部に形成さ
れていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 【請求項9】請求項7又は8記載の圧電/電歪デバイス
において、 前記圧電/電歪素子は、 前記圧電/電歪層と前記一対の電極の複数が積層形態で
構成されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。 - 【請求項10】請求項1〜9のいずれか1項に記載の圧
電/電歪デバイスにおいて、 前記孔部にゲル状の材料が充填されていることを特徴と
する圧電/電歪デバイス。 - 【請求項11】相対向する一対の薄板部と、可動部と、
これら薄板部と可動部を支持する固定部とを具備し、 前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に1
以上の圧電/電歪素子が配設され、 前記一対の薄板部の両内壁と前記可動部の内壁と前記固
定部の内壁とにより孔部が形成された圧電/電歪デバイ
スの製造方法であって、 少なくとも前記薄板部上に前記圧電/電歪素子を作製し
た後に、所定部位を切除して、前記一対の薄板部のう
ち、少なくとも一方の薄板部の少なくとも一部が互いに
離間する方向に撓んだ圧電/電歪デバイスを製造するこ
とを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。 - 【請求項12】相対向する一対の薄板部と、可動部と、
これら薄板部と可動部を支持する固定部とを具備し、 前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に1
以上の圧電/電歪素子が配設され、 前記一対の薄板部の両内壁と前記可動部の内壁と前記固
定部の内壁とにより孔部が形成された圧電/電歪デバイ
スの製造方法であって、 少なくとも前記薄板部上に前記圧電/電歪素子を作製し
た後に、所定部位を切除して、前記一対の薄板部の少な
くとも一部が互いに離間する方向に撓んだ圧電/電歪デ
バイスを製造することを特徴とする圧電/電歪デバイス
の製造方法。 - 【請求項13】相対向する一対の薄板部と、可動部と、
これら薄板部と可動部を支持する固定部とを具備し、 前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に1
以上の圧電/電歪素子が配設され、 前記一対の薄板部の両内壁と前記可動部の内壁と前記固
定部の内壁とにより孔部が形成された圧電/電歪デバイ
スの製造方法であって、 少なくとも後に少なくとも前記孔部を形成するための窓
部を有する第1のセラミックグリーンシートと、後に前
記薄板部となる第2のセラミックグリーンシートとを含
むセラミックグリーン積層体を一体焼成して、後に薄板
部となる部分が外方に突出したセラミック積層体を作製
する工程と、 前記セラミック積層体のうち、少なくとも前記薄板部と
なる部分の外表面に前記圧電/電歪素子を形成する工程
と、 前記圧電/電歪素子が形成されたセラミック積層体に対
する少なくとも1回の切除処理によって、前記一対の薄
板部が互いに離間する方向に撓んだ少なくとも圧電/電
歪素子が形成されたセラミック基体を作製する工程とを
有することを特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方
法。 - 【請求項14】請求項13記載の圧電/電歪デバイスの
製造方法において、 前記第1及び第2のセラミックグリーンシートとして、
それぞれ焼成収縮速度及び/又は焼成収縮量に差を有す
るものを使用することを特徴とする圧電/電歪デバイス
の製造方法。 - 【請求項15】請求項13又は14記載の圧電/電歪デ
バイスの製造方法において、 前記圧電/電歪素子を形成する工程が、膜形成法に従う
ものであって、 少なくとも一対の電極のいずれか一方及び/又は圧電/
電歪層が焼成によって、少なくとも前記薄板部となる部
分の外表面に一体化するものであることを特徴とする圧
電/電歪デバイスの製造方法。 - 【請求項16】相対向する一対の薄板部と、可動部と、
これら薄板部と可動部を支持する固定部とを具備し、 前記一対の薄板部のうち、少なくとも1つの薄板部に1
以上の圧電/電歪素子が配設され、 前記一対の薄板部の両内壁と前記可動部の内壁と前記固
定部の内壁とにより孔部が形成された圧電/電歪デバイ
スの製造方法であって、 少なくとも後に少なくとも前記孔部を形成するための窓
部を有するセラミックグリーンシートと、後に前記薄板
部となるセラミックグリーンシートとを含むセラミック
グリーン積層体を作製する工程と、 前記セラミックグリーン積層体のうち、少なくとも前記
薄板部となる部分の外表面に前記圧電/電歪素子の少な
くとも一部を構成する前駆体を形成する工程と、 前記セラミックグリーン積層体と前記圧電/電歪素子の
少なくとも一部又は全部を構成する前駆体を同時焼成し
て、後に薄板部となる部分が外方に突出したセラミック
積層体を作製し、かつ、少なくとも前記薄板部となる部
分の外表面に前記圧電/電歪素子の少なくとも一部又は
全部を形成する工程と、 前記セラミック積層体に対する少なくとも1回の切除処
理によって、前記一対の薄板部が互いに離間する方向に
撓んだセラミック基体を作製する工程とを有することを
特徴とする圧電/電歪デバイスの製造方法。 - 【請求項17】請求項16記載の圧電/電歪デバイスの
製造方法において、 前記セラミックグリーン積層体に前記圧電/電歪素子の
少なくとも一部を構成する前駆体を形成する際に、少な
くとも薄板部となる部分の材料と前記圧電/電歪素子の
材料との熱膨張差を制御して形成することを特徴とする
圧電/電歪デバイスの製造方法。 - 【請求項18】請求項13〜17のいずれか1項に記載
の圧電/電歪デバイスの製造方法において、 前記セラミック積層体に対する切除処理によって、前記
孔部を露出させることを含むことを特徴とする圧電/電
歪デバイスの製造方法。
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