JP2001318236A - 光ファイバ把持装置及び光ファイバ被覆除去装置並びに光ファイバ被覆除去方法。 - Google Patents

光ファイバ把持装置及び光ファイバ被覆除去装置並びに光ファイバ被覆除去方法。

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JP2001318236A
JP2001318236A JP2000135839A JP2000135839A JP2001318236A JP 2001318236 A JP2001318236 A JP 2001318236A JP 2000135839 A JP2000135839 A JP 2000135839A JP 2000135839 A JP2000135839 A JP 2000135839A JP 2001318236 A JP2001318236 A JP 2001318236A
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coating
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gripping
laminate
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JP2000135839A
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English (en)
Inventor
Tomomi Moriya
知巳 守屋
Susumu Inoue
享 井上
Takeshi Hashimoto
健 橋本
Maki Omura
真樹 大村
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数本それぞれの光ファイバの長手方向の中
間部において、被覆除去を同時に行い、かつそれぞれの
被覆除去長の長さの精度を高める。 【解決手段】 2本の光ファイバ挿入溝2aを有する複
数個の板状の光ファイバ把持部材1を積み重ねてなる把
持部材積層体と、複数本の平行した円弧状の光ファイバ
挿入溝5aを側面に有する柱状の湾曲部保持部材5とを
備えた光ファイバ把持装置を使って、複数本の光ファイ
バ6を把持部材積層体と湾曲部保持部材5との間に掛け
渡して各光ファイバ6をU字状に保持し併せて光ファイ
バ把持部材1の押圧部2bの上下の面に貼り付けた比較
的硬いゴム状体3と比較的柔らかいゴム状体4とで光フ
ァイバ6を挟んで押圧把持して、その後光ファイバ把持
装置から取り外した光ファイバ6を把持した把持部材積
層体を搬送装置に固定して光ファイバ6のU字状部分の
一部を被覆除去液に浸漬させて被覆を溶融除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数本の被覆を有
する光ファイバを把持する光ファイバ把持装置及び、こ
の光ファイバ把持装置を備えて光ファイバの中間部にお
いて被覆を除去する光ファイバ被覆除去装置並びに被覆
除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】石英ガラスを主成分とするガラスファイ
バ上に紫外線硬化型樹脂からなる被覆を設けた光ファイ
バが光伝送用として広く使用されている。また、その光
ファイバ中のガラスファイバの一部分に伝送光のうちあ
る波長の光を選択して反射させるファイバグレーテイン
グを形成したり、光ファイバ中のガラスファイバの一部
分を他の光ファイバ中のガラスファイバの一部分と融着
させて光カプラに加工したりすることが行われている。
このような場合、光ファイバの長手方向の中間部におい
て予め定めた20mm〜40mm程度の長さ部分の被覆
を除去してガラスファイバを露出させる作業が必要であ
る。
【0003】光ファイバの中間部において被覆を除去す
る方法として、刃物で被覆を剥ぎ取る方法、被覆に粘着
性基材等を付着させて粘着性基材を引張ることによって
被覆を剥ぎ取る方法、薬品によって被覆を溶解させて除
去する方法等があるが、前2者の方法は被覆除去作業中
に光ファイバ中のガラスファイバを損傷させる可能性が
高い。また、薬品で被覆を溶解させて除去する方法は、
光ファイバ中のガラスファイバを傷付けることが少ない
という利点はあるが、薬品として濃硫酸等の危険な液体
を使用するため、作業の安全性に十分な配慮が必要であ
る。
【0004】図7は、濃硫酸を用いて行なう光ファイバ
の被覆除去を説明する図であって、図7(A)は光ファ
イバの側面図、図7(B)は被覆除去の状況を示す概要
図である。図7において、31は光ファイバ、31aは
マーク、32は移動把持台、32aはチャック、33は
容器、33aは濃硫酸、34はヒータ、35は基台であ
る。
【0005】光ファイバの長手方向の中間部において被
覆を除去する場合は、まず図7(A)に示す通り光ファ
イバ31に被覆を除去する長さLに合わせて、2つのマ
ーク31aを付ける。そして、図7(B)に示す通り、
光ファイバ31の被覆を除去する部分を中心にして円弧
状に曲げて両側の直線部分をチャック32aにて把持す
る。なお、光ファイバ31に曲率半径が15mm未満程
度の曲げを与えると光ファイバ31の伝送特性が悪化す
るので、円弧状の曲げの曲率半径は15mm以上にす
る。そして、光ファイバ31の円弧状曲げ部がチャック
32aの下側になるようにして、チャック32aを基台
35上に設置した上下移動可能な移動把持台32に固定
する。
【0006】一方、チャック32aの下方の基台35上
にはヒータ34を介して容器33を載置し、容器32内
に濃硫酸33aを満たす。容器33内の濃硫酸33aを
ヒータ34にて95℃以上の一定温度に制御しながら加
熱しておいて、移動把持台32を下方矢印方向に移動さ
せ、光ファイバ31の一部分、即ち2つのマーク31a
の間の部分を濃硫酸33aに浸漬させる。約1分間光フ
ァイバ31を濃硫酸33aに浸漬させることによって、
光ファイバ31の被覆は溶解するので、その時間が経過
した後、移動把持台32を上方矢印方向に移動させて光
ファイバ31を濃硫酸33aから取出し、同部分を図示
しないアセトン等の洗浄液で洗浄し、付着した濃硫酸を
洗い流す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した図7に示す光
ファイバ被覆の除去方法は、光ファイバ1本毎に被覆除
去作業を行なう必要があるので、多数の光ファイバの被
覆除去を行なうには、手間がかかりすぎる。また、光フ
ァイバの2つのマークを水平に位置させて、そのマーク
箇所まで、正確に濃硫酸に浸漬させる必要があるが、目
視でその浸漬程度を確認するので、浸漬深度に誤差が生
じ易く、被覆除去長にバラツキが生じ易い。本発明は、
複数本の光ファイバの被覆除去を一括して行い得る方法
とそれに使用する光ファイバ把持装置及び光ファイバ被
覆除去装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の光ファイバ把持
装置は、複数個の板状の光ファイバ把持部材を積み重ね
てなる把持部材積層体と、側面の少なくとも一部が曲面
である柱状の湾曲部保持部材を備える。そして、各光フ
ァイバ把持部材はそれぞれ片方の面に平行に設けた2本
の光ファイバ挿入溝とその両端に押圧部を有し、該光フ
ァイバ挿入溝にそれぞれ光ファイバを挿入して把持部材
積層体を押圧することによって、光ファイバを押圧把持
する。また、湾曲部保持部材の曲面からなる側面には複
数本の平行な円弧状の光ファイバ挿入溝がそれぞれ柱の
長手方向と垂直な平面をなす位置に形成されている。更
に、把持部材積層体と湾曲部保持部材との間はスライド
して間隔変更が可能である。
【0009】また、本発明の光ファイバ被覆除去装置
は、搬送装置と被覆除去液槽と洗浄液槽とを備える。そ
して、搬送装置は前述した把持部材積層体を固定する試
料固定台を有し、それに固定された把持部材積層体を被
覆除去液槽及び洗浄液槽の位置に搬送する。また、被覆
除去液槽には浸漬した光ファイバの被覆を溶解除去する
被覆除去液を満たし、洗浄液槽には光ファイバに付着し
た被覆除去液を洗浄する洗浄液を満たす。
【0010】また、本発明の光ファイバ被覆除去方法
は、上記の光ファイバ把持装置を用いて、複数個の光フ
ァイバ把持部材を積重ねながら、一段ずつ光ファイバ把
持部材の一方の光ファイバ挿入溝、湾曲部保持部材の円
弧状の光ファイバ挿入溝、光ファイバ把持部材の他方の
光ファイバ挿入溝に順次光ファイバを通して、積重ねら
れた光ファイバ把持部材からなる把持部材積層体と湾曲
部保持部材との間に複数本の光ファイバを平行にしてU
字状に掛け渡たす。そして、把持部材積層体と湾曲部保
持部材との間の間隔を広げてその間の光ファイバを直線
状になる程度に引張った状態で把持部材積層体を押圧し
て光ファイバを押圧把持する。その後把持部材積層体と
湾曲部保持部材との間の間隔を狭めて、U字状になった
光ファイバ部分から湾曲部保持部材を抜き去りながら複
数本の光ファイバをU字状に湾曲させて把持部材積層体
で押圧把持したものを前記光ファイバ把持装置の他の部
材から取外す。それを搬送装置の試料固定台に固定して
搬送し、前記U字状に湾曲した光ファイバの一部分を被
覆除去液に浸漬させて光ファイバの被覆を溶解して除去
するものである。
【0011】以上の本発明によれば、複数個の光ファイ
バ把持部材からなる把持部材積層体によって複数本の光
ファイバを同時に押圧把持し、搬送装置に把持部材積層
体を固定して搬送し、各光ファイバの一部分を同時に被
覆除去液に浸漬させて被覆除去を行なうので、光ファイ
バ把持部材の数だけ、同時に光ファイバの被覆除去を行
なうことが出来る。また、各光ファイバを平行にして把
持部材積層体と湾曲保持部材との間に掛け渡して押圧把
持するので、それぞれの長さが均一に光ファイバの湾曲
部を形成することが可能で、光ファイバの被覆除去長を
精度良く揃えることが出来る。また、光ファイバに捻じ
れが生じている場合は、複数本の光ファイバを把持部材
積層体で押圧把持した段階で、光ファイバの平行性が崩
れて捻じれが生じているものを見分けることが出来るの
で、光ファイバに捻じれが生じたものを被覆除去前に見
つけることが出来る。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明にかかる光ファイ
バ把持装置の概要を示す斜視図である。また、図2は、
本発明にかかる光ファイバ把持装置の実施形態の各部材
を示す図であって、図2(A)(B)は光ファイバ把持
部材にかかる部分の正面図と側面図、図2(C)(D)
は光ファイバ把持部材を除く部分の正面図と側面図であ
る。また、図3は、光ファイバ把持部材を重ね合わせて
光ファイバを押圧把持したところを説明する図であっ
て、図3(A)(B)は重ね合わす前の正面図と一部側
面図、図3(C)(D)は重ね合せた後の正面図と一部
側面図である。また、図4は、本発明にかかる光ファイ
バ把持装置を使って光ファイバを押圧把持したところを
示す図であって、図4(A)は平面図、図4(B)は側
面図である。
【0013】図1、図2、図3、図4において、1は光
ファイバ把持部材、1’は最下部の光ファイバ把持部
材、1”は蓋部材、2は板材、2aは光ファイバ挿入
溝、2bは押圧部、3は比較的硬いゴム状体、4は比較
的柔らかいゴム状体、5は湾曲部保持部材、5aは円弧
状の光ファイバ挿入溝、6は光ファイバ、7は基台、8
は位置微調整装置、9は固定部材、10は搬送装置固定
用部材、11は締付けボルト、12は光ファイバ把持装
置、13は把持部材積層体である。
【0014】光ファイバ把持部材1は複数個あって、そ
れらを積み重ねて把持部材積層体13とする。図2に示
す実施形態の場合は、光ファイバ把持部材1、1’は全
部で7個あるが、7個以外のものも製作が可能である。
光ファイバ把持部材1は、積重ねが可能なようにほぼ矩
形の板形状をしており、積重ねた時最下部になる光ファ
イバ把持部材1’を除き同一形状である。各光ファイバ
把持部材1は、主体をアルミニウム等の金属あるいは硬
質プラスチック等からなる板材2で構成し、板材2の両
端部はその厚さを薄くして押圧部2bを設ける。
【0015】また、板材2の両端の押圧部2bを除く厚
さの厚い部分の片面には平行して2つの光ファイバ挿入
溝2aを設ける。この光ファイバ挿入溝2aの幅は光フ
ァイバ6の外径よりも少し大きい程度とする。また、2
つの光ファイバ挿入溝2aの間隔は、一般的な外径12
5μmのガラスファイバを有する光ファイバ6に適用す
る場合は、30mmよりも大きくすることが望ましい。
【0016】板材2の両端の押圧部2bの上面には非発
泡ウレタンゴム等からなる厚さ1mm程度の比較的硬い
ゴム状体3を貼付ける。また、その押圧部2bの裏面に
は発泡ウレタンゴム等からなる厚さ3mm程度の比較的
柔らかいゴム状体4を貼付ける。但し、積重ねた時最下
部となる光ファイバ把持部材1’には、ゴム状体4は不
要である。また、最上部となる光ファイバ把持部材1に
は光ファイバを把持させないで蓋部材1”の代わりとし
て使用することも可能であるが、最上部となる光ファイ
バ把持部材1にも光ファイバを把持させる場合には、そ
の上に蓋部材1”を配置する。その場合、蓋部材1”の
形状は光ファイバ把持部材とほぼ同形状とし、光ファイ
バ挿入溝2a及びゴム状体3を設けないものとすれば良
い。なお、その蓋部材1”にも裏面のゴム状体4は必要
である。また、ゴム状体3及び4のそれぞれの厚さは、
上述した厚さに限られるものではなく、光ファイバ把持
部材1の寸法に合わせて変えることも可能である。
【0017】また、板材2の押圧部2bの表裏に貼り付
ける比較的硬いゴム状体3と比較的柔らかいゴム状体4
の位置は逆にすることも可能である。しかし、2種類の
ゴム状体3、4で光ファイバ6を押圧把持した時には光
ファイバ6は柔らかいゴム状体4側に食い込むので、そ
の食い込みが起こっても光ファイバ挿入溝2aに通した
箇所の光ファイバ6と2種類のゴム状体3、4で押圧把
持した箇所の光ファイバ6とが直線状になるように、板
材2の光ファイバ挿入溝2aを設けた面側には比較的硬
いゴム状体3を貼付け、その裏面側には比較的柔らかい
ゴム状体4を貼り付けることが望ましい。
【0018】湾曲部保持部材5は、アルミニウム等の金
属あるいは硬質プラスチック等からなる側面の少なくと
も一部が曲面である柱状物体で形成し、曲面からなる側
面のほぼ半周部分に複数本の平行した円弧状の光ファイ
バ挿入溝5aを、それぞれ柱の長手方向に垂直な平面を
形成する位置に設ける。また、湾曲部保持部材5の形状
は、縦割りした半円柱又は半楕円柱でも良いし、縦割り
した半円柱又は半楕円柱と角柱の組み合わせ体でも良
い。光ファイバ挿入溝5aの幅は光ファイバ6の外径よ
りも少し大きくする。また、光ファイバ挿入溝5aの間
隔は、光ファイバ把持部材1の厚さとほぼ同じとし、光
ファイバ挿入溝5aの数も光ファイバ把持部材1の数に
合わせる。また、光ファイバ挿入溝5aの円弧の曲率半
径は、15mm以上とすることが望ましい。
【0019】また、湾曲部保持部材5は、図2に示す通
り基台7上に矢印方向にスライド移動が可能なように取
付け、位置微調整装置8によってスライドして数mmの
移動が可能なようにする。また、固定部材9によって、
基台7上の所定に位置に湾曲部保持部材5を固定するこ
とが出来るようにする。一方、光ファイバ把持部材1、
1’及び蓋部材1”を積重ねながら、それら把持部材積
層体13を基台7の所定位置に載置出来るようにする。
また、位置微調整装置8を操作することで、湾曲部保持
部材5と把持部材積層体13との間の距離を変えること
が出来るようにする。
【0020】図1に示す通り、光ファイバ6を、光ファ
イバ把持部材1の一方の光ファイバ挿入溝2a、湾曲部
保持部材5の光ファイバ挿入溝5a、光ファイバ把持部
材1の他方の光ファイバ挿入溝2aに順次通して、光フ
ァイバ把持部材1と湾曲部保持部材5との間に光ファイ
バ6をU字状にして掛け渡す。光ファイバ把持部材1を
一段ずつ積重ねながら順次光ファイバ6の掛け渡しを行
なうことによって、図4に示す通り複数本の光ファイバ
6をU字状にして把持部材積層体13と湾曲部保持部材
5との間に掛け渡す。
【0021】また、図3、図4に示す通り、光ファイバ
把持部材1を積重ねて把持部材積層体13としそれを積
み重ねた向きに押圧することによって、板材2の押圧部
2bにおいて下側の光ファイバ把持部材1のゴム状体3
と上側の光ファイバ把持部材1のゴム状体4とで光ファ
イバ6を押圧把持する。従って、光ファイバ把持部材1
を積重ねて把持部材積層体13としそれを押圧すれば、
光ファイバ6に長手方向の力が多少加わっても光ファイ
バ6は移動することはない。
【0022】また、光ファイバ6を比較的硬いゴム状体
3と比較的柔らかいゴム状体4とで押圧把持するので、
図3に示す通り光ファイバ6は比較的柔らかいゴム状体
4に食い込んだ状態で押圧把持され、光ファイバ6に大
きな側圧が加わることがない。従って、光ファイバ6の
品質を維持しつつ、押圧把持することが可能である。
【0023】実際の光ファイバの掛け渡し作業に当たっ
ては、まず、光ファイバ把持装置の湾曲部保持部材5を
位置微調整装置8の操作によって固定部材9による固定
位置から数mm光ファイバ把持部材1の載置側方向に移
動させておいて、基台7上の所定位置に最下部の光ファ
イバ把持部材1’を載置して1本目の光ファイバ6をU
字状に掛け渡す。続いて、光ファイバ把持部材1を重ね
合わせて、2本目の光ファイバ6をU字状に掛け渡す。
その後順次同様に光ファイバ把持部材1の重ね合わせと
光ファイバ6の掛け渡しを繰り返して、最後に蓋部材
1”を重ね合わせて、把持部材積層体13とする。
【0024】そして、位置微調整装置8の操作によっ
て、湾曲部保持部材5と把持部材積層体13との距離を
広げて、その相互間隔が予め定めた間隔になったところ
で、湾曲部保持部材5の位置を固定部材9で固定する。
その間、光ファイバ6は光ファイバ把持部材1のゴム状
体3とゴム状体4とで挟まれて光ファイバ把持部材1の
自重でもって押えられており、光ファイバ6は溝2a内
を滑るが、ゴム状体3及びゴム状体4との摩擦力でもっ
て光ファイバ6の移動が抑制されているので、湾曲部保
持部材5と把持部材積層体13の各光ファイバ把持部材
1との間の光ファイバ6は直線状に固定された状態にな
る。そして、その間隔は予め定められた一定値の位置で
固定されるので、U字状になった光ファイバ6の長さは
全て同じ長さで予め定められた長さとすることが出来
る。
【0025】次いで、図4に示す通り、締付けボルト1
1を積重ねた把持部材積層体13に貫通させて締付け押
圧する。これによって、光ファイバ6は隣接する2つの
光ファイバ把持部材1のゴム状体3とゴム状体4とで挟
まれて押圧把持された状態になり、光ファイバ6の長手
方向に多少の力が加わっても光ファイバ6は移動しない
ようになる。
【0026】その後、位置微調整装置8を操作して湾曲
部保持部材5を把持部材積層体13側に数mm移動させ
る。そうすると、U字状になった光ファイバ6は、湾曲
部保持部材5の光ファイバ挿入溝5aから脱出するの
で、光ファイバ6を押圧把持した把持部材積層体13を
光ファイバ把持装置12から取り外して、最下部の光フ
ァイバ把持部材1’の裏面に固定した搬送装置固定用部
材10を使って、後述する光ファイバ被覆除去装置の搬
送装置の試料固定台に固定する。
【0027】図5(A)(B)は、光ファイバ把持装置
から取り外した把持部材積層体の平面図と縦側面図であ
る。この時、複数本の光ファイバ6のU字状になった部
分は、通常ならば平行でかつU字状の大きさが全く同じ
ものとなるが、光ファイバをリール等に巻付けた時に長
さ方向に捻じれ等が生じていると、その光ファイバだけ
平行状態が崩れて隣接した光ファイバとの間隔が一定で
なくなることがある。このようなものが見つかった場合
は、その光ファイバを除外して光ファイバの押圧把持作
業を再度行なう。
【0028】図6は、光ファイバ被覆除去装置の主要部
分を説明する概要図である。図6において、20は光フ
ァイバ被覆除去装置、21は搬送装置、21aは鉛直方
向移動レール、21bは水平方向移動レール、21cは
試料固定台、22は距離測定装置、23は被覆除去液
槽、23aは被覆除去液、24はヒータ、25、26は
洗浄液槽、25a、26aは洗浄液、27は装置台であ
る。
【0029】光ファイバ被覆除去装置20は、その主要
部を搬送装置21と被覆除去液槽23と洗浄液槽25、
26とで構成する。搬送装置21は、鉛直方向移動レー
ル21a、水平方向移動レール21b、試料固定台21
c、及び図示しない駆動装置、位置制御装置、自動搬送
制御装置等でもって構成されており、試料固定台21c
が鉛直方向移動レール21a及び水平方向移動レール2
1bに沿って上下左右に自動搬送制御装置からの指令に
よって駆動装置が作動し自動的に移動出来るようになっ
ている。その試料固定台21cには把持部材積層体13
をそれに把持された光ファイバ6のU字状部分が下方に
なるように配置して固定する。この固定には図2(A)
(B)に示す搬送装置固定部材10を使用すると、常に
光ファイバ6のU字状部分と試料固定台21cのそれぞ
れの配置の相対関係を一定にすることが出来る。
【0030】また、試料固定台21cには距離測定装置
22を固定しておき、被覆除去液23a又は洗浄液25
a、26aの液面との距離を測定する。そして、試料固
定台21cを降下させた時の液面との距離が予め定めた
値になるように、距離測定装置22の測定結果に基づい
て図示しない位置制御装置によって試料固定台21cの
降下位置を制御すれば、被覆除去液23a等が蒸発して
その液面位置が変動しても、把持部材積層体13に把持
された光ファイバ6のU字状部分を常に一定の長さだ
け、被覆除去液又は洗浄液に浸漬させることが出来る。
【0031】被覆除去液槽23には、濃硫酸等の被覆除
去液23aを満たす。被覆除去液槽23の下にはヒータ
24を配置して被覆除去液23aを95℃以上の一定温
度に制御しながら加熱する。また、洗浄液槽25、26
にはアセトン等の洗浄液25a、26aを満たす。洗浄
液25aは光ファイバ6に付着した濃硫酸を洗い流すも
のであって、洗浄液26aはそれを濯ぐものである。な
お、洗浄液25a、26aは通常アセトンを使用してい
るが、濃硫酸を洗浄除去する効果があって、光ファイバ
6に被覆を膨潤させ難いものなら他の溶液も使用するこ
とが出来る。また、洗浄液26aは濯ぎ用であるので、
アセトンの代わりに純水を使用することも可能である。
また、図示しない超音波付与装置を付加して、洗浄液2
5a及び洗浄液26aに超音波振動を与えることとすれ
ば、更に洗浄効果を上げることが出来る。
【0032】光ファイバの被覆除去に当たっては、搬送
装置21を駆動して光ファイバ6のU字状部分の予め定
めた長さ部分を被覆除去液23aに浸漬させる。被覆除
去液23aが熱濃硫酸の場合は、その浸漬時間は1分程
度である。それによって、被覆除去液に浸漬した部分の
被覆は被覆除去液にて溶解される。その後、光ファイバ
6を被覆除去液23aから取出して、洗浄液25aに浸
漬し光ファイバ6に付着した被覆除去液を洗い流す。更
に光ファイバ6を洗浄液槽26に移して洗浄液26aに
て濯ぎを行なう。
【0033】また、被覆除去液23a、洗浄液25a、
26aが蒸発し難いように、被覆除去液槽23、洗浄液
槽25、26には図示しない蓋を設けて、搬送装置21
の試料固定台21cが近づいた時には自動的にその蓋が
開放されるようにすることも出来る。
【0034】
【発明の効果】本発明の光ファイバ把持装置は、複数個
の光ファイバ把持部材からなる把持部材積層体と柱状の
湾曲部保持部材とを備え、各光ファイバ把持部材と湾曲
保持部材との間で光ファイバをU字状に掛け渡して、複
数個の光ファイバ把持部材を積重ねて押圧することによ
って光ファイバを押圧把持するものであるので、複数本
の光ファイバを平行させて同じ長さのU字状部分を有す
るように押圧把持することが出来る。従って、この光フ
ァイバ把持装置を使えば、複数本の光ファイバの被覆除
去を同時に行なうことが出来る。また、被覆除去長を精
度良く揃えることが出来る。
【0035】また、複数本の光ファイバのU字状部分を
平行して押圧把持するので、光ファイバに捻じれ等の異
常のあるものは、押圧把持した段階で見分けて除去する
ことが可能である。また、光ファイバ把持部材の押圧部
に比較的硬いゴム状体と比較的柔らかいゴム状体を貼り
付け、その2種類のゴム状体で光ファイバを押圧把持す
るようにしたものは、光ファイバに大きな側圧を与える
ことなく確実に光ファイバを押圧把持することが出来る
ので、光ファイバのU字状部分の長さは被覆除去作業の
取扱い中に変化することはない。また、複数個の把持部
材積層体を貫通する締付けボルトで締め付けて押圧する
ことにすれば、簡単に光ファイバの押圧把持を行なうこ
とが出来る。
【0036】また、本発明の光ファイバ被覆除去装置
は、搬送装置と被覆除去液槽及び洗浄液槽とを備え、搬
送装置にて把持部材積層体を固定して被覆除去液槽及び
洗浄液槽の位置まで搬送するので、光ファイバの一部分
の被覆を溶解除去して洗浄する一連の操作を自動的に行
なうことが可能である。また、試料固定台と液面との距
離を測定する距離測定装置を備えたものは、光ファイバ
の被覆除去液等への浸漬深度を正確に制御することが出
来るので、被覆除去長を予め定めた値に精度良く合わせ
ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる光ファイバ把持装置の概要を示
す斜視図である。
【図2】本発明にかかる光ファイバ把持装置の実施形態
の各部材を示す図であって、(A)(B)は光ファイバ
把持部材にかかる部分の正面図と側面図、(C)(D)
は光ファイバ把持部材を除く部分の正面図と側面図であ
る。
【図3】光ファイバ把持部材を重ね合わせて光ファイバ
を押圧把持したところを説明する図であって、(A)
(B)は重ね合わす前の正面図と一部側面図、(C)
(D)は重ね合せた後の正面図と一部側面図である。
【図4】本発明にかかる光ファイバ把持装置を使って光
ファイバを押圧把持したところを示す図であって、
(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図5】(A)(B)は、光ファイバ把持装置から取り
外した把持部材積層体の平面図と側面図である。
【図6】光ファイバ被覆除去装置の主要部分を説明する
概要図である。
【図7】従来技術による光ファイバの被覆除去を説明す
る図であって、(A)は光ファイバの側面図、(B)は
被覆除去の状況を示す概要図である。
【符号の説明】
1:光ファイバ把持部材 1’:最下部の光ファイバ把持部材 1”:蓋部材 2:板材 2a:光ファイバ挿入溝 2b:押圧部 3:比較的硬いゴム状体 4:比較的柔らかいゴム状体 5:湾曲部保持部材 5a:光ファイバ挿入溝 6:光ファイバ 7:基台 8:位置微調整装置 9:固定部材 10:搬送装置固定用部材 11:締付けボルト 12:光ファイバ把持装置 13:把持部材積層体 20:光ファイバ被覆除去装置 21:搬送装置 21a:鉛直方向移動レール 21b:水平方向移動レール 21c:試料固定台 22:距離測定装置 23:被覆除去液槽 23a:被覆除去液 24:ヒータ 25、26:洗浄液槽 25a、26a:洗浄液 27:装置台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 健 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 大村 真樹 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 Fターム(参考) 2H036 KA02 2H038 CA05

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個の板状の光ファイバ把持部材を積
    み重ねてなる把持部材積層体と、側面の少なくとも一部
    が曲面である柱状の湾曲部保持部材とを備え、前記各光
    ファイバ把持部材はそれぞれ片方の面に平行に設けた2
    本の光ファイバ挿入溝と該溝の両端に押圧部を有し、該
    光ファイバ挿入溝にそれぞれ光ファイバを挿入して前記
    把持部材積層体を押圧することによって光ファイバを押
    圧把持し得るものであって、前記湾曲部保持部材の曲面
    からなる側面には複数本の平行な円弧状の光ファイバ挿
    入溝がそれぞれ柱の長手方向と垂直な平面をなす位置に
    形成されており、前記把持部材積層体と前記湾曲部保持
    部材との間はスライドして間隔変更が可能であることを
    特徴とする光ファイバ把持装置。
  2. 【請求項2】 前記各光ファイバ把持部材の前記押圧部
    の片方の面には比較的硬いゴム状体が固定され、他方の
    面には比較的柔らかいゴム状体が固定されていることを
    特徴とする請求項1に記載の光ファイバ把持装置。
  3. 【請求項3】 前記把持部材積層体と前記湾曲部保持部
    材との間隔を所定間隔で固定するための固定部材を備え
    たことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ把持装
    置。
  4. 【請求項4】 前記把持部材積層体に締付けボルトを貫
    通させて締付け押圧することを特徴とする請求項1又は
    請求項2に記載の光ファイバ把持装置。
  5. 【請求項5】 前記把持部材積層体は、前記光ファイバ
    把持装置の前記湾曲部保持部材を構成する他の部材から
    取り外して搬送することが可能であることを特徴とする
    請求項1又は請求項4に記載の光ファイバ把持装置。
  6. 【請求項6】 搬送装置と被覆除去液槽と洗浄液槽とを
    備え、前記搬送装置はその試料固定台に請求項5に記載
    された把持部材積層体を固定して該把持部材積層体を前
    記被覆除去液槽及び前記洗浄液槽の位置に搬送するもの
    であって、前記被覆除去液槽は浸漬した光ファイバの被
    覆を溶解除去する被覆除去液を満たし、前記洗浄液槽は
    光ファイバに付着した前記被覆除去液を洗浄する洗浄液
    を満たしたことを特徴とする光ファイバ被覆除去装置。
  7. 【請求項7】 前記搬送装置は試料固定台に固定された
    把持部材積層体と前記被覆除去液槽内及び洗浄液槽内の
    液面との距離を測定する距離測定装置を備え、その距離
    測定装置の測定結果に基づいて前記把持部材積層体で把
    持された光ファイバの前記被覆除去液又は洗浄液への浸
    漬深度を予め定めた値となるように制御する位置制御装
    置を備えたことを特徴とする請求項6に記載の光ファイ
    バ被覆除去装置。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載された光ファイバ把持装
    置を用いて、複数個の光ファイバ把持部材を積重ねなが
    ら、一段ずつ光ファイバ把持部材の一方の光ファイバ挿
    入溝、湾曲部保持部材の円弧状の光ファイバ挿入溝、光
    ファイバ把持部材の他方の光ファイバ挿入溝に順次光フ
    ァイバを通して、把持部材積層体と湾曲部保持部材との
    間に複数本の光ファイバを平行にしてU字状に掛け渡
    し、しかる後把持部材積層体と湾曲部保持部材との間の
    間隔を広げてその間の光ファイバを直線状になる程度に
    引張った状態で把持部材積層体を押圧して光ファイバを
    押圧把持し、その後把持部材積層体と湾曲部保持部材と
    の間の間隔を狭めて、U字状になった光ファイバ部分か
    ら湾曲部保持部材を抜き去りながら複数本の光ファイバ
    をU字状に湾曲させて把持部材積層体で押圧把持した光
    ファイバを前記光ファイバ把持装置の他の部材から取外
    し、該把持部材積層体を搬送装置の試料固定台に固定し
    て搬送し、前記U字状に湾曲した光ファイバの一部分を
    被覆除去液に浸漬させて光ファイバの被覆を溶解して除
    去することを特徴とする光ファイバ被覆除去方法。
  9. 【請求項9】 前記光ファイバの一部分を被覆除去液に
    浸漬させて被覆を除去した後、把持部材積層体を被覆除
    去液槽から洗浄液槽へ搬送して、光ファイバの同部分を
    洗浄液に浸漬して洗浄することを特徴とする請求項8に
    記載の光ファイバ被覆除去方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104359586A (zh) * 2014-10-11 2015-02-18 扬州市润特光电科技有限公司 一种光纤温度传感器

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