JP2001316793A - 表面防食が施された鋳鉄管およびその製造方法 - Google Patents

表面防食が施された鋳鉄管およびその製造方法

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JP2001316793A
JP2001316793A JP2000134066A JP2000134066A JP2001316793A JP 2001316793 A JP2001316793 A JP 2001316793A JP 2000134066 A JP2000134066 A JP 2000134066A JP 2000134066 A JP2000134066 A JP 2000134066A JP 2001316793 A JP2001316793 A JP 2001316793A
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Toshihiro Kubo
俊裕 久保
Mutsuo Uchida
睦雄 内田
Kahei Shimizu
嘉平 清水
Hiroaki Shimizu
宏明 清水
Shinichiro Tanaka
進一郎 田中
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Kubota Corp
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  • Protection Of Pipes Against Damage, Friction, And Corrosion (AREA)
  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳鉄管の表面に、耐食性にすぐれ、しかも水
密性能にもすぐれた防食皮膜を形成できるようにする。 【解決手段】 鋳鉄管の鉄素地1の表面に形成される防
食皮膜2が、マンガンを5質量%以上かつ25質量%以
下含みかつ残部がアルミニウムであって、アルミニウム
相にマンガンが過飽和に固溶されたアルミニウム合金に
て形成される。防食皮膜2の厚さは、50μm以上かつ
200μm以下である。また、マンガンをを5質量%以
上かつ25質量%以下含みかつ残部がアルミニウムであ
るとともに、アルミニウム相にマンガンが過飽和に固溶
された急冷アルミニウム合金を鋳鉄管の鉄素地1の表面
に溶射して、この鉄素地1の表面に、厚さが50μm以
上かつ200μm以下の防食皮膜2を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面防食が施された
鋳鉄管およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ダクタイル鋳鉄管などの鋳鉄管において
は、その表面の防食を図るために、防食皮膜が形成され
ることが多い。公知の防食皮膜としては、塗料を塗装す
ることにより形成される塗膜や、亜鉛合金などの金属を
管の表面にアーク溶射することにより形成される溶射皮
膜などがある。このうち、ワイヤー式アーク溶射装置な
どを用いた亜鉛溶射によって皮膜を形成する場合は、亜
鉛は、鉄より卑な電位を有するために、特に塩素イオン
環境下において犠牲陽極的に作用して、鉄素地を防食す
る働きが強い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、塗膜のみで
は、腐食性の強い環境中に管路を敷設したときには、腐
食の進行を止めることができない。また、管路を地中に
埋設する場合には、埋設作業中に塗膜がけずり取られた
り、塗膜が経年変化して膨れが発生したりするなどの欠
陥が生じることがあり、その欠陥の生じた部分で局部的
に腐食が進行しやすくなる。
【0004】亜鉛溶射によって防食皮膜を形成した場合
には、上述のように犠牲陽極的に作用するが、最終的に
は消耗されてしまうため、長期的な防食を図るうえで改
善の余地がある。また、皮膜硬度が高くないため、管の
運搬時に管のつば部に衝撃が加わったりワイヤ掛け部に
こすれが生じた場合などには、鉄素地に至る傷が発生し
やすい。そして、そのような傷が発生すると、そこを起
点として孔食が発生するおそれがある。
【0005】亜鉛溶射による防食皮膜において、消耗の
時間を延ばし、孔食を防ぐためには、亜鉛溶射皮膜を厚
くしたうえで、さらに合成樹脂皮膜などで被覆すること
が考えられる。しかし、亜鉛皮膜はきわめてポーラスな
ため、皮膜を厚くすると、管継手を構成する部分などに
おいて要求される管表面の水密性能を保つことが難しく
なる。
【0006】そこで本発明は、鋳鉄管の表面に、耐食性
にすぐれ、しかも水密性能にもすぐれた防食皮膜を形成
できるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は、鋳鉄管の表面に防食皮膜が形成され、前記防
食皮膜が、マンガンを5質量%以上かつ25質量%以下
含みかつ残部がアルミニウムであって、アルミニウム相
にマンガンが過飽和に固溶されたアルミニウム合金にて
形成され、前記防食皮膜の厚さが50μm以上かつ20
0μm以下であるようにしたものである。
【0008】また本発明は、マンガンをを5質量%以上
かつ25質量%以下含みかつ残部がアルミニウムである
とともに、アルミニウム相にマンガンが過飽和に固溶さ
れた急冷アルミニウム合金を鋳鉄管の表面に溶射して、
この鋳鉄管の表面に、厚さが50μm以上かつ200μ
m以下の防食皮膜を形成するものである。
【0009】すなわち、通常、アルミニウムにマンガン
が入ると耐食性や強度に悪影響を及ぼすと考えられてい
る。しかし、マンガンが添加されたアルミニウム合金で
あってたとえば急冷凝固されたものは、マンガンがアル
ミニウム中に過飽和に固溶され、また、緻密な金属間化
合物がアルミニウム合金の基地中に均一に分布し、これ
によって、このアルミニウム合金は優れた耐食性を備え
る。
【0010】そして、このようなアルミニウム合金を用
いて、溶射により鋳鉄管の表面に皮膜を形成すること
で、組織中に金属間化合物が満遍なく均一に分散したア
ルミニウム合金皮膜が得られ、管の鉄素地に対する良好
な防食効果を発揮する。この場合は、皮膜の形成後に拡
散や焼純などの熱処理によって耐食性を上げるような後
処理を格別行う必要はなく、したがって、被覆処理の工
程が簡略化され、製造コストを低減することができる。
【0011】そして、このように防食皮膜の厚さを50
μm以上かつ200μm以下とすることで、耐食性にす
ぐれ、しかも皮膜におけるクラックの発生を防止して水
密性能にすぐれた防食皮膜を実現することができる。
【0012】本発明によると、防食皮膜を形成するアル
ミニウム合金において、Mnに加えて、さらにSiまた
はMgまたは両者の合計を0質量%を超えかつ20質量
%以下含むとともに、アルミニウム相に、マンガンと、
シリコンおよび/またはマグネシウムとが過飽和に固溶
した構成とすることができる。
【0013】このような構成であると、シリコンおよび
/またはマグネシウムが含まれることにより防食皮膜の
硬度が向上されて、皮膜が傷つくことによる防食性の低
下が抑制される。なお、マグネシウムを含ませることに
よって、水道水中において防食皮膜の表面にまれに点状
の白色酸化物が生じることを確実に防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1において、1はダクタイル鋳
鉄管の鉄素地であり、この鉄素地1の表面に防食皮膜2
が形成されている。防食皮膜2は、アルミニウム合金よ
りなる急冷凝固粉末が鉄素地1の表面に超高速でたとえ
ばフレーム溶射されることにより形成されたものであ
る。
【0015】図2はフレーム溶射の方法を示す図であ
る。図示のように、鋳鉄管3が水平方向に支持された状
態で軸心回りに回転され、超高速溶射ガン4が鋳鉄管3
の軸心方向に移動しながら、この鋳鉄管3の表面に溶射
を行う。
【0016】アルミニウム合金よりなる急冷凝固粉末
は、純アルミニウムにマンガンが含有されるとともに、
必要に応じて後述のいくらかの元素が含有されたアルミ
ニウム原料が、その融点より50〜200℃程度高い温
度に加熱されて溶解され、これから、例えば回転水流法
によって製造される。
【0017】この回転水流法は、冷却用筒体の内周面に
旋回しながら流下する冷却液層を形成し、この冷却液層
にアルミニウム合金溶湯の噴流を供給することによって
粉末を製造する方法である。この方法によれば、アルミ
ニウム合金溶湯は、旋回する冷却液層によって分断さ
れ、かつ冷却液層中で急冷凝固される。この際、極めて
高い冷却速度が得られ、非晶質化した金属粉末を容易に
得ることが可能である。また、この製造方法では、冷却
速度などの急冷凝固条件の調整が容易であり、その条件
に応じて、後述する金属間化合物が所望の分散状態とな
った粉末を製造することができる。
【0018】このような粉末の製造方法により、例えば
冷却速度を104 ℃/sec程度以上とした急冷凝固
が行われ、アルミニウム基地中にマンガンが過飽和に固
溶された急冷アルミニウム合金粉末が得られる。さらに
基地中には、マンガンとアルミニウムとからなる金属間
化合物が分散して形成され、その化合物の大きさは数μ
m程度の微細なものになる。
【0019】この急冷アルミニウム合金粉末は、上記の
ようにα−アルミニウム相にマンガンが過飽和に固溶さ
れており、これによって固溶体による基地の強化が図ら
れ、さらに、微細で緻密な金属間化合物が基地中に均一
に分散していることによって、優れた防食性を奏するも
のとなる。
【0020】このような急冷アルミニウム合金粉末を溶
射原料として、図2に示されるフレーム溶射法により吹
き付けが行われて、図1に示されるように鉄素地1の表
面にアルミニウム合金からなる防食皮膜2が形成され
る。こうして得られる防食皮膜2は、鉄素地1の表面に
均一な膜厚で形成され、そして、その組織中に前記した
金属間化合物が満遍なく均一に分散していることによっ
て、この金属間化合物に起因する優れた耐食性を備え、
この結果、鉄素地1に対して良好な防食効果を発揮す
る。これにより、腐食環境下においても腐食が進行し難
く、優れた防食効果が維持される。
【0021】鉄素地1の表面にアルミニウム合金による
防食皮膜2が形成された後には、公知の技術においては
必要とされた防食性向上のための後処理を必要としな
い。詳細には、拡散や焼純などの熱処理を後処理として
施すことなく、鉄素地1の腐食を防止し得る。したがっ
て、表面防食のための処理の工程が簡略化され、製造コ
ストが抑えられる。
【0022】アルミニウム中におけるマンガンの含有量
は、5質量%以上かつ25質量%以下であることが必要
である。これが5質量%未満であると、金属間化合物の
量が少なくなって、防食性に優れた防食皮膜2が得られ
なくなる。また25質量%を超えると、金属間化合物の
量が過多となり、材質が脆くなると共に、粗大な結晶粒
が析出して、防食効果が薄れる。このため、マンガンの
含有量は、10質量%以上かつ20質量%以下であるこ
とがさらに好ましい。
【0023】溶射により形成される防食皮膜2の厚さ
は、鋳鉄管3の肉厚や口径にかかわらず、50μm以上
かつ200μm以下であることが必要である。この防食
皮膜2の厚さは、耐食性と水密性能とに影響を与える。
【0024】耐食面では、厚さが50μm未満である
と、溶射皮膜の性質上、皮膜表面の気孔すなわちオープ
ンポアが鉄素地1まで達する場合があるために、十分な
防食効果を発揮し得ない場合がある。反対に200μm
を超えると、そのような厚い皮膜を鉄素地1の表面に形
成するためには、溶射ガン4からの粉末吐出量に上限が
ある関係で、溶射のパス数すなわち塗り重ね回数を増や
すことが必要になって、管3への溶射のための時間が長
くなる。すると、形成される皮膜の温度がそれにつれて
上昇し、この皮膜を形成するアルミニウム合金の表面層
が溶融して、上述の急冷凝固されたことにもとづく耐食
性能が低下する。
【0025】水密面では、防食皮膜2の厚さが200μ
mを超えると、溶射時の加熱およびその後の冷却プロセ
スにおける金属の膨張収縮により、皮膜にクラックが生
じる可能性があり、このクラックの存在が水密性能の低
下につながることになる。
【0026】急冷アルミニウム合金粉末が、上記した範
囲のマンガンに加え、さらに、シリコンまたはマグネシ
ウムまたは両者の合計を0質量%を超えかつ20質量%
以下含有すると、前記した防食性に加え、防食皮膜2の
硬度の向上が図られる。なぜなら、基地中に固溶された
シリコンおよび/またはマグネシウムによって高硬度な
組織が得られるためである。また、この場合のアルミニ
ウム合金からなる防食皮膜2は、同様に金属間化合物に
起因する防食性を具備し、しかも、上記のような高硬度
な組織を有することで、皮膜が傷つくことによる防食性
の低下が抑制される。このように、高防食性と高硬度と
を兼備する皮膜が形成されることにより、鉄素地1の防
食効果がさらに向上する。
【0027】シリコンおよび/またはマグネシウムは、
上記のように防食性を低下させることなく硬度を向上さ
せる作用を有するが、20質量%を超えて存在するとア
ルミニウム合金の材質が脆くなる。このため、15質量
%以下の含有量であることがさらに好ましい。
【0028】特に、マグネシウムを含まない場合は、水
道水中において防食皮膜の表面にまれに点状の白色酸化
物が生じることがあるが、マグネシウムを含ませること
によってこのような白色酸化物の発生を防止することが
できる。また、マグネシウムを含有することで、防食皮
膜2の自然電位が鉄素地1の自然電位よりも低くなり、
したがって、さらに犠牲陽極としての防食効果も備える
ことになる。この結果、仮に皮膜2に傷などが生じたと
しても、この箇所から鉄素地1が腐食するということが
ない。このため、長期にわたる安定した防食効果を維持
することができる。
【0029】また、マグネシウムを含有することで、鉄
素地1への防食皮膜2の被着性が向上する。つまり、シ
リコンの含有量が一定量以上となると合金が脆くなり、
溶射のときに剥離を起こし易い傾向があるが、マグネシ
ウムを含有することでこの傾向が抑制される。さらに、
溶射後に常温で例えば72時間保持することで時効硬化
が起こり、アルミニウム合金からなる防食皮膜2の組織
中に微細な析出物が形成される。この析出物により、防
食皮膜2の硬度が確保される。このため、シリコンの含
有量を抑えても高硬度が維持され、しかも、材料の脆化
が抑制されるので溶射時などにおける皮膜2の剥離が防
止される。
【0030】上記では、急冷アルミニウム合金粉末の製
造法として回転水流法が例として説明されているが、こ
の方法に代え、水アトマイズ法あるいはガスアトマイズ
法などの、適宜の粉末製造法を採用することができる。
さらに、溶射原料として急冷凝固合金材を粉末状態で用
いたものが説明されているが、これに限らず、例えば、
急冷アルミニウム合金粉末を熱間押出や熱間鍛造等の熱
間塑性加工により棒状又はワイヤー状の成形体としたも
のを用いることも可能である。さらに、アルミニウム溶
湯から適宜の急冷凝固法により直接に棒状又はワイヤー
状にとされた急冷凝固合金材料を用いることも可能であ
る。
【0031】フレーム溶射法は、詳細には、燃料ガスと
酸素とによる炎の中に、急冷アルミニウム合金材料を供
給してその表面を溶融させ、これを圧縮ガスにより鉄素
地1の表面に吹き付けて皮膜2を形成するものである。
この方法を採用してアルミニウム合金からなる防食皮膜
2を形成する場合には、急冷アルミニウム合金材料の表
面のみを溶融させた半溶融状態とし、これを音速を越え
る高速度で鉄素地1の表面に吹き付ける。このとき、吹
き付けによる衝撃エネルギーを加味したうえで、鉄素地
1の表面に付着させるための条件設定が行われる。これ
により、鉄素地1への付着強度に優れ、しかも急冷アル
ミニウム合金材料の組織が殆ど変化しない状態の防食皮
膜2が形成される。したがって、急冷アルミニウム合金
材料の防食性をより確実に防食皮膜2に具備させること
ができる。
【0032】また、アルミニウム合金からなる防食皮膜
2の形成方法としての溶射は、上述のフレーム溶射法に
限らず、例えばプラズマ溶射法を採用することもでき、
その熱源として電気を使用することもできる。このよう
な溶射方法によると、鉄素地1の表面に広範囲にわたっ
て良好な防食性を有する金属間化合物を一様に分布させ
ることができ、したがって鉄素地1の表面において防食
効果の均一性が損なわれることがない。
【0033】急冷アルミニウム合金を鋳鉄管の表面に溶
射する際には、燃料ガスと酸素との流量比を燃料ガス:
酸素=1:2.0〜2.5とするのが好ましい。このよ
うにすると、フレーム溶射時のフレーム中における粉末
の飛行速度がマッハ5以上と最大になり、最適な皮膜2
を形成するための最良の条件となる。燃料ガスとしては
天然ガスを用いるのが好適である。
【0034】燃料ガスと酸素との流量比が燃料ガス:酸
素=1:(2.0未満)であると、フレーム溶射を行っ
た場合に溶射フレーム中の粉末飛行速度が低下して、最
終的にはマッハ1以下になってしまうか、あるいはフレ
ームの点火自体が難しくなって、緻密で良好な皮膜2の
形成が困難になる。反対に流量比を燃料ガス:酸素=
1:(2.5を超えた範囲)とすると、鉄素地1の表面
に安定して粉末を供給することが困難になる。なぜな
ら、溶射ガンノズルの断面積が一定であることから、ガ
ン流量と粉末供給量との和が一定であるために、ガス流
量が増えると、相対的に粉末の供給量が少なくなるため
である。すなわち、燃料ガスに対して酸素が多過ぎた場
合と少な過ぎた場合とのいずれも、良好な皮膜2の形成
が困難となって、水密性能が低下することになる。
【0035】
【実施例】表1は、組成の異なる各種の素材を用いたフ
レーム溶射によりダクタイル鋳鉄管の鉄素地の表面に防
食皮膜を形成したとき、あるいは防食皮膜を形成しなか
ったときの結果を示す。ここで比較例1は防食皮膜を形
成せずに鉄素地を露出させた場合を示す。比較例2〜5
および実施例1〜9においては、実際に防食皮膜を形成
したが、その皮膜厚さは70μmとした。また、フレー
ム溶射の際の天然ガスと酸素との流量比は、天然ガス:
酸素=1:2.2とした。塩水噴霧試験における赤錆発
生時間で、「10000時間」とあるのは、10000
時間を経過しても赤錆の発生がなかったことを意味す
る。また、自然電位の測定には銀塩化銀電極を用いた。
【0036】
【表1】 以下、表1の比較例1〜5、実施例1〜9について詳細
に説明する。 (比較例1)溶射皮膜を形成すべきダクタイル鋳鉄管の
表面硬度を測定したところ、Hv200〜220の範囲
であった。このダクタイル鋳鉄管の表面に塩水を噴霧す
る試験を行ったところ、24時間経過以前に赤錆が発生
した。また、このダクタイル鋳鉄管の自然電位を銀塩化
銀電極を用いて測定したところ、水道水に対しては−6
73mV、3%食塩水に対しては−666mVであっ
た。 (比較例2)亜鉛のみを材料として超高速のフレーム溶
射ガンを用いて鋳鉄管の表面に溶射し、防食皮膜を形成
した。この場合は、表1に示されるように自然電位を大
きく低下させることが可能であったが、皮膜硬度が極端
に低く、塩水噴霧試験の結果336時間で赤錆が発生
し、十分な防食性は得られなかった。 (比較例3)アルミニウムのみを材料として鋳鉄管の表
面に溶射し、防食皮膜を形成した。この場合も、自然電
位を低下させることは可能であったが、皮膜硬度が極端
に低く、塩水噴霧試験の結果216時間で赤錆が発生
し、十分な防食性は得られなかった。 (比較例4)アルミニウム97.5質量%−マンガン
2.5質量%の組成からなる急冷アルミニウム合金粉末
を製造し、これを同様に鋳鉄管の表面に溶射して防食皮
膜を形成した。この場合は、マンガンの含有量が本発明
の範囲よりも少ないために皮膜硬度が低く、塩水噴霧試
験の結果240時間で赤錆が発生し、十分な防食性は得
られなかった。 (比較例5)アルミニウム50質量%−マンガン30質
量%−シリコン20質量%の組成からなる急冷アルミニ
ウム合金粉末を製造し、これを同様に鋳鉄管の表面に溶
射して、防食皮膜を形成した。この場合は、マンガンお
よびシリコンの含有量がいずれも本発明の範囲よりも多
過ぎたため、防食皮膜が脆くなって却って防食効果がう
すれ、塩水噴霧試験の結果3600時間で赤錆が発生し
た。また溶射歩留りが22%まで低下した。 (実施例1)アルミニウム90質量%−マンガン10質
量%の組成からなる急冷アルミニウム合金粉末を製造
し、同様に超高速のフレーム溶射ガンを用いてこの合金
粉末を鋳鉄管の表面に溶射し、防食皮膜を形成した。こ
のときの溶射歩留りは45%、形成された皮膜の硬度は
Hv175であった。また塩水噴霧試験を行ったとこ
ろ、10000時間経過後も赤錆の発生は認められなか
った。自然電位は、水道水に対しては−691mV、3
%食塩水に対しては−817mVであった。したがっ
て、比較例1のダクタイル鋳鉄よりも自然電位が低く、
犠牲陽極としての防食効果を有することが確認された。 (実施例2、3)アルミニウム、マンガンにさらにシリ
コンを加え、表1に示された組成からなる急冷アルミニ
ウム合金粉末を製造した。そして、これを同様に鋳鉄管
の表面に溶射して、防食皮膜を形成した。シリコンが加
えられたことによって、実施例1よりも皮膜硬度が上昇
し、この点にもとづく防食性能の向上を期待可能であっ
た。 (実施例4、5)アルミニウム、マンガンにさらにマグ
ネシウムを加え、表1に示された組成からなる急冷アル
ミニウム合金粉末を製造した。そして、これを同様に鋳
鉄管の表面に溶射して、防食皮膜を形成した。マグネシ
ウムが加えられたことによって、実施例1〜3よりも自
然電位が低下し、この点にもとづく防食性能の向上を期
待可能であった。 (実施例6〜9)アルミニウム、マンガンにさらにシリ
コンとマグネシウムとの両者を加え、表1に示された組
成からなる急冷アルミニウ合金粉末を製造した。そし
て、これを同様に鋳鉄管の表面に溶射して、防食皮膜を
形成した。この場合は、シリコンが加えられることによ
る皮膜硬度の上昇と、マグネシウムが加えられることに
よる自然電位の低下とがともに確認され、両者にもとづ
く防食性能の向上を期待可能であった。 (比較例6〜7、実施例10〜13)アルミニウム81
質量%−マンガン15質量%−シリコン4質量%の組成
からなる急冷アルミニウム合金粉末を製造し、これを同
様にダクタイル鋳鉄管の表面にフレーム溶射して、防食
皮膜を形成した。フレーム溶射の際の天然ガスと酸素と
の流量比は、天然ガス:酸素=1:2.2とした。防食
皮膜の厚さを30μm〜300μmまで変化させたとき
の水密性能および耐食性能の測定結果を表2に示す。
【0037】表2における水圧試験は、供試管にこの供
試管よりも大径の筒状体を外ばめしたうえでこの筒状体
の両端をゴムパッキンでシールし、筒状体と供試管との
間の空間に加圧水を供給して1.47MPaの初期水圧
を負荷し、この負荷状態で加圧水の供給路を閉じて、そ
の時点と2時間経過後とにおける水圧を測定することに
より行った。またゴムパッキンからの漏水の有無を目視
によって検査した。なお、この水圧試験は、20℃の恒
温室にて実施した。
【0038】耐食性能は、淡水環境中と、塩水噴霧環境
中と、pH3硫酸環境中とに供試管を設置して、ダクタ
イル鋳鉄素地から赤錆が発生するまでの時間で示した。
なお、表2において、「8000時間以上」とあるの
は、8000時間を経過しても赤錆の発生がなかったこ
とを示す。
【0039】
【表2】 表2に示すように、実施例10〜13のように防食皮膜
の厚さが50〜200μmの範囲である場合に、2時間
経過後の水圧の低下がなく、また漏水は確認されず、し
たがって良好な水密性能を示した。また、防食皮膜の厚
さが50μmの場合でも淡水環境中で3000時間経過
しなければ赤錆が発生せず、良好な耐食性能を示した。
【0040】これに対し、比較例6では、防食皮膜の厚
さが300μmと過大であったため、耐食性能には優れ
ていたものの、2時間経過後に水圧が大幅に低下し、漏
水も確認されるなど、水密性能が低下した。これは、防
食皮膜の厚さが過大であったため、上述のように皮膜に
クラックが発生したことが原因したものであると考える
ことができる。比較例7では、防食皮膜の厚さが30μ
mと過小であったため、水密性能は良好であったもの
の、十分な耐食性能が得られなかった。 (比較例8〜9、実施例14〜17)アルミニウム76
質量%−マンガン15質量%−シリコン4質量%−マグ
ネシウム5質量%の組成からなる急冷アルミニウム合金
粉末を製造し、これを同様にダクタイル鋳鉄管の表面に
フレーム溶射して、防食皮膜を形成した。そして、それ
以外は比較例6〜7および実施例10〜13と同様にし
て、水密性能と耐食性能とを測定した。その結果を同様
に表2に示す。
【0041】この場合は、先の比較例6〜7および実施
例10〜13と同様の傾向を示し、実施例14〜17の
ように防食皮膜の厚さが50〜200μmであるとき
に、水密性能、防食性能とも良好であった。しかも、こ
の場合は、防食皮膜の厚さが50μm、70μmのとき
にも(実施例17、実施例16)、淡水環境中およびp
H3硫酸環境中において、8000時間を経過した時点
で赤錆の発生がみられず、したがって先の実施例10〜
13よりも防食性能が優れていた。 (比較例10〜17、実施例18〜20)次に、鋳鉄管
の表面に急冷アルミニウム合金をフレーム溶射する際の
溶射条件と水密性能との関係について説明する。ここで
は、アルミニウム76質量%−マンガン15質量%−シ
リコン4質量%−マグネシウム5質量%の組成からなる
急冷アルミニウム合金粉末を使用し、防食皮膜の厚さが
70μmになるようにフレーム溶射を行った。フレーム
溶射の際には天然ガスと酸素とを使用し、天然ガスの流
量に対する酸素の流量を変化させた。そして、フレーム
中の粉末速度と溶射歩留りと水密性能とについて測定し
た。なお、フレーム中の粉末速度は、フレーム中に認め
られる衝撃波の個数により推定した。測定結果を表3に
示す。
【0042】
【表3】 表3において、実施例18〜20のように、燃料ガスで
ある天然ガスと酸素との流量比が、天然ガス:酸素=
1:2.0〜2.5の場合には、フレーム溶射時のフレ
ーム中における粉末の飛行速度がマッハ5ないしマッハ
5以上となり、最適な皮膜を形成できて、良好な水密性
能を発揮させることが可能であった。この場合は、溶射
歩留りも45%以上と高い値を示した。
【0043】比較例12〜14では、天然ガスと酸素と
の流量比が、天然ガス:酸素=1:(2.0未満)であ
ったため、フレーム中の粉末速度が低く、このため良好
な皮膜を形成できず、したがって水密性能は不良であ
り、また溶射歩留りも低いものであった。
【0044】比較例15〜16では、天然ガスと酸素と
の流量比が、天然ガス:酸素=1:(2.5を超えた範
囲)であったため、鉄素地の表面に安定して粉末を供給
することが困難になり、したがって同様に水密性能は不
良であった。
【0045】比較例10〜11では天然ガスに対する酸
素の流量比が低過ぎたため、また比較例17では天然ガ
スに対する酸素の流量比が高過ぎたため、いずれもフレ
ーム点火することさえできなかった。
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明によると、鋳鉄管の
表面に防食皮膜が形成され、前記防食皮膜が、マンガン
を5質量%以上かつ25質量%以下含みかつ残部がアル
ミニウムであって、アルミニウム相にマンガンが過飽和
に固溶されたアルミニウム合金にて形成され、前記防食
皮膜の厚さが50μm以上かつ200μm以下であるよ
うにしたため、また、マンガンを5質量%以上かつ25
質量%以下含みかつ残部がアルミニウムであるととも
に、アルミニウム相にマンガンが過飽和に固溶された急
冷アルミニウム合金を鋳鉄管の表面に溶射して、この鋳
鉄管の表面に、厚さが50μm以上かつ200μm以下
の防食皮膜を形成するため、耐食性にすぐれ、しかも皮
膜におけるクラックの発生を防止して水密性能にすぐれ
た防食皮膜を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の表面防食が施された鋳鉄
管の要部の横断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の表面防食が施された鋳鉄
管の製造方法を示す概略図である。
フロントページの続き (72)発明者 清水 嘉平 兵庫県尼崎市大浜町2丁目26番地 株式会 社クボタ武庫川製造所内 (72)発明者 清水 宏明 兵庫県尼崎市大浜町2丁目26番地 株式会 社クボタ武庫川製造所内 (72)発明者 田中 進一郎 兵庫県尼崎市大浜町2丁目26番地 株式会 社クボタ武庫川製造所内 Fターム(参考) 3H024 EA02 EB09 EC02 ED08 EE03 3H111 AA01 BA02 BA34 CB08 CB29 DA08 DB17 EA16 4K031 AA01 AA05 AB02 AB09 CB01 CB12 CB37 DA01 DA04 EA10 4K044 AA04 AB03 BA04 BA10 BB01 BC02 CA11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳鉄管の表面に防食皮膜が形成され、前
    記防食皮膜が、マンガンを5質量%以上かつ25質量%
    以下含みかつ残部がアルミニウムであって、アルミニウ
    ム相にマンガンが過飽和に固溶されたアルミニウム合金
    にて形成され、前記防食皮膜の厚さが50μm以上かつ
    200μm以下であることを特徴とする表面防食が施さ
    れた鋳鉄管。
  2. 【請求項2】 防食皮膜は、マンガンに加えてさらにシ
    リコンまたはマグネシウムまたは両者の合計を0質量%
    を超えかつ20質量%以下含みかつ残部がアルミニウム
    であるとともに、アルミニウム相に、マンガンと、シリ
    コンおよび/またはマグネシウムとが過飽和に固溶され
    たアルミニウム合金にて形成されていることを特徴とす
    る請求項1記載の表面防食が施された鋳鉄管。
  3. 【請求項3】 マンガンを5質量%以上かつ25質量%
    以下含みかつ残部がアルミニウムであるとともに、アル
    ミニウム相にマンガンが過飽和に固溶された急冷アルミ
    ニウム合金を鋳鉄管の表面に溶射して、この鋳鉄管の表
    面に、厚さが50μm以上かつ200μm以下の防食皮
    膜を形成することを特徴とする表面防食が施された鋳鉄
    管の製造方法。
  4. 【請求項4】 急冷アルミニウム合金は、マンガンに加
    えてさらにシリコンまたはマグネシウムまたは両者の合
    計を0質量%を超えかつ20質量%以下含みかつ残部が
    アルミニウムであるとともに、アルミニウム相に、マン
    ガンと、シリコンおよび/またはマグネシウムとが過飽
    和に固溶されたアルミニウム合金にて形成されているこ
    とを特徴とする請求項3記載の表面防食が施された鋳鉄
    管の製造方法。
  5. 【請求項5】 急冷アルミニウム合金を鋳鉄管の表面に
    溶射する際に、燃料ガスと酸素との流量比を、燃料ガ
    ス:酸素=1:2.0〜2.5とすることを特徴とする
    請求項3または4記載の表面防食が施された鋳鉄管の製
    造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014025551A (ja) * 2012-07-27 2014-02-06 Nippon Chutetsukan Kk 外面耐食塗装を施した管路構成部材およびその製造方法
JP2017095736A (ja) * 2015-11-18 2017-06-01 株式会社栗本鐵工所 擬合金被覆部材、擬合金被覆用アルミニウム合金及び擬合金被覆用アルミニウム合金線
JP2018162476A (ja) * 2017-03-24 2018-10-18 株式会社栗本鐵工所 防食材料、それを用いた耐食部材および鋳鉄管

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