JP4093782B2 - 鉄系基材の防食皮膜および防食方法 - Google Patents

鉄系基材の防食皮膜および防食方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は鉄系基材の構造物やダクタイル鋳鉄管などの防食に係る。
【0002】
【従来の技術】
材料の腐食は大きな経済損失を誘発する重要課題であるが、とりわけ上水道管のように地下へ一旦埋設して使用する場合は、使用中の腐食の進行によって不適正な飲料水を提供して市民の健康障害の原因となる恐れがある一方、簡単に取り替えることのできない地中という本来的に不利な条件を強いられ、腐食の進行を如何に食い止めるかという命題の解決は、社会的に大きな責務であるとまで言える。
【0003】
従来、鉄系基材の防食方法には、あらゆる分野からの研究開発が進んでいるが、対象を前記ダクタイル鋳鉄管に絞って従来技術を検討してみると、防食塗料の塗膜によるものと、Zn、またはZn合金などの金属を管外周面に溶射して金属皮膜を形成する方法が代表的に挙げられる。塗料についてもZn皮膜の上へさらに防食塗料を重ね塗りするなど防食に対する改良も進められている。
【0004】
金属溶射によって防食を図る方法は、金属の溶融、電気、化学メッキなどに比べても、より小型の溶射ガンから金属線や粉末を溶融噴射して基材の表面に付着させる手軽さが利点である。噴射される金属は溶融して溶滴となり、空気中を飛んで基材表面に衝突して潰れ、同時に急冷されて凝固し扁平小粒子が堆積して溶射皮膜が形成される。したがって粒子と基材との間に化学的結合ができる融着までには至らず、基材表面の凹凸に食い込んだ物理的付着に留まるから、皮膜の接着力が強力とまでは言えないし、溶射した金属粒子間に小さな間隙が無数にできた多孔質であるという性質も避け難い。
【0005】
Znが溶射材としてダクタイル鋳鉄管をはじめ多くの鉄鋼構造物に多用される理由は、ZnがFeに対して電気化学的に卑の金属であり、Feより低電位だから防食に必要なだけの分極を与えることができ、Fe−Zn間に電池が形成され、腐食性雰囲気下にあっては、Feよりも自ら優先的に消耗していく犠牲陽極の原理を利用するからである。式で示せば
Zn→Zn+++2e
2+2H2O+4e→4(OH)-
の反応が、Feのイオン化よりも優先する原理を利用して有効な防食構造を形成するからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術で主に適用されてきた鉄系基材の表面防食方法のうち、塗料の塗膜だけに依存する方法は、土壌中に埋設されて長い年月使用される間に、土壌の雰囲気次第では塗膜が経年変化を遂げて膨れが発生し、この部分に土壌中の湿分が侵入して鉄系基材に接触すると、直ちにこの部分から集中的な腐食の起点となる。経時変化でなくともダクタイル鋳鉄管などは、地中に敷設されるまでに貯蔵、搬送、継合の各段階に亘って垂直に吊り上げたり、水平に押し込んだりしなければならないから、ワイヤや吊り金具などと接触して擦過傷を受け、塗膜が剥れる懸念がある。
【0007】
このことは素材強度の低い塗膜だけでなく、硬度が低いZnの溶射皮膜についても当てはまる。Zn自体の硬度は低いから、塗装を施しただけでは擦過に対する耐久力が小さい。従って、Znの犠牲陽極作用は自らの消耗を前提としたものであるから、傷を受けた箇所からZnが溶出し、腐食性雰囲気下ではFeを守る代わりに自らの消耗が続き、最終的には消耗し切ってその役割を終える時機を迎える。取換えの容易な設置条件であればメンテナンスを予定した管理体制を運用すればよいが、地中の管路では並大抵の費用と労力では済まない負担となる。
【0008】
特開2000−316793号公報に係る従来技術は、このような課題の解決を目指した提案である。鋳鉄管表面の鉄基地上へ形成される防食皮膜は、Mn5〜25質量%を含むAl合金よりなり、Al相にMnが過飽和に固溶された急冷Al合金は、緻密な金属間化合物がAl基地中に均一に分布して優れた耐食性を奏することができる。また、防食皮膜の硬度が向上されて皮膜が傷つくことによる耐食性の低下を抑制する作用も呼ぶ。
【0009】
塩水噴霧試験(赤錆発生時間)や自然電位測定による実施例、比較例の効果確認テストの結果、Znのみ、またはAlのみの比較例の溶射では自然電位を大きく低下はさせるが、皮膜硬度が極端に低く、また、噴霧試験では200〜300時間という短時間で赤錆が発生し、10,000時間も発生のなかった実施例との差を証明できたと謳っている。
【0010】
Alの耐食性が優れているのは表面に形成される酸化皮膜の保護作用による。厚さ25〜100Åのきわめて薄い皮膜中の導電率は極端に低く、この皮膜が表面を完全に覆えば、陰極反応が阻止されて腐食が進行できない不動態を形成する。前記従来技術は、このAlの不動態化による耐食性をベースとしつつも、過飽和に固溶するMn,Siによって外傷のつき難い硬い皮膜に強化することが主旨と解される。
【0011】
しかし、たとえば土壌中に埋設された使用環境にあっては、近来、地下水の汚染や有害排水の漏洩など従来以上に複雑で厳しい腐食性雰囲気も想定しておかなければならない。たとえば塩化物イオンなど不動態を破壊しうるイオンによって局部的に不動態が破られると、この部分が陽極となり周囲が有力な陰極となって大きな起電力をもつ電池を形成し、急速な孔食が生じる恐れがある。鋳鉄管の場合にはAl系皮膜に孔食が始まると、Feと土壌が直接対向するから、露呈したFeの腐食が短時間で進行する懸念がある。
【0012】
Al系不動態が破壊され陽極酸化されて生成する酸化物は、微細晶のγ−Al23系のものである。この酸化物に土壌中の湿分(H2O)が作用すると結晶性のγ−Al23・H2Oに変化し、水との反応によって容積が膨張して自然に封孔されるから、耐食性の不動態が再生されるという他に見られない自己修復機能がある。しかし、この反応のためには自然環境下で水と反応するという人為的に制御できない条件に委ねざるを得ないから、それなりの時間の経過が必要となる。自然環境下では、たとえば高温水蒸気で封孔を瞬間的に終える陽極酸化法(商品;アルマイトなど)のようには都合よく進まないから、孔食部が自己修復して封孔が終わるまでの間、Feから外部へ向かって溶出する腐食を阻止することはできない。AlにはZnのような犠牲陽極の働きが少ないからである。かくて孔食によるFeの腐食進行と、封孔によるAlの不動態再生の競争が続けられ、その間にFeが蝕まれる条件の続くことは否定できない。
【0013】
本発明は以上の課題を解決するため、Al系皮膜の利点を十分活用しつつも、不動態の破壊などに伴う腐食が基地のFeに及ぶことを阻止すると共に、強度と密着性を一段と向上した防食皮膜の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る鉄系基材の防食皮膜は、鉄基材表面の上に溶射して形成した、硬度の低い電気的にAlより卑で犠牲陽極機能が高いZn、Zn−Al擬合金、またはZn−Al合金よりなる防食第1層と、該防食第1層上へAl23を混合したAl、またはAl系合金を溶射してなり、湿分と反応して封孔再生する硬度の高い緻密な不動態を最表面に形成する防食第2層を緊着して一体的な複合皮膜としたことによって前記の課題を解決した。
【0015】
より具体的には防食第1層のAl含有量が重量比で0〜40%であり、厚さが20〜200μm、防食第2層を形成するAlとAl23またはAl系合金とAl23の混合比率が、体積比で1.0:0.5〜2.0の範囲であり、厚さが50〜150μmで形成することが望ましい実施形態である。ここでのAl系合金はAl-Si系、Al-Mn-Si系などがあげられる。
【0016】
鉄系基材の防食方法として、清浄に保たれた鉄系基材の表面上へアーク溶射法などによってZn、Zn−Al擬合金、Zn−Al合金よりなる防食第1層を形成し、該防食第1層の上へAlとAl23を混合した粉末、またはAl系合金とAl23を混合した粉末をフレーム溶射法などによって防食第2層を形成し、高硬度のAl23粉末の打撃作用によって両皮膜が緊密に圧着する手順を特徴とする。なお、溶射にはアーク溶射、フレーム溶射、高速フレーム溶射などがあげられる。
【0017】
代表的な実施例としては、遠心力鋳造によって成型したダクタイル鋳鉄管の表面上へ、Zn、Zn−Al擬合金、またはZn−Al合金を溶射して形成する防食第1層で覆い、該防食第1層上へ溶射して密着したAl+Al23、またはAl系合金+Al23よりなる防食第2層を被覆して、管外周面上に不動態化と犠牲陽極機能を相乗させた管が挙げられる。
【0018】
本発明の前記構成によって得られる特定の作用については、前記課題の裏返しであるから多言は要しないと考えるので、簡単に触れる程度に留める。図1は本発明の原理を示す断面図である。鉄基材1の表面上にZn、Zn−Al擬合金、またはZn−Al合金からなる防食第1層2が形成される。この層は溶射による皮膜であるから、Feの界面に化合物を形成せず、形成直後は溶滴の衝突が累積した多孔質に過ぎないが、この上からきわめて高硬度(Hv:1800)のAl23粉末を含む溶解Alを叩き付ける防食第2層3が溶射されると、下地である防食第1層はショットピーニング作用を受けたのと同様に、微細な空洞はすべて圧潰し、上層である防食第2層とも緊着して一体的に強固な複合皮膜を形成する。したがって、たとえばダクタイル鋳鉄管の場合、製品置き場−現地搬送−管路敷設工事の全期を通じて、いわゆる玉掛け作業時のワイヤや吊り金具などと接触しても表面に擦り傷の発生することが少なく、この擦り傷が起点となって腐食が発生する機会も激減する。
【0019】
土壌中へ埋設して使用中に外部の環境と直接触れるのはAl系合金の防食第2層であり、最表面には緻密なAl23皮膜によって不動態が形成され、以後の腐食の進行を遮断し強い耐食性を発現する。何かの原因によってこの不動態が破れたときは、腐食性雰囲気が下層である防食第1層と直面することになる。防食第1層はZn、Zn−Al擬合金またはZn−Al合金で形成されており、皮膜としての硬度は小さいが、電気化学的に卑であり、犠牲陽極として自らが溶出して下層に当るFeの溶出を阻止する。Znの消耗によってFeの酸化を防ぎ、時間を稼いでいる間に、上層の防食第2層では土壌中の湿分と反応し、破壊箇所の容量を膨張する封孔作用が完了し、不動態が再生されてZnの防食第1層の上を外部と再び遮断してしまうので、Znの溶出が停止し、その消耗も断絶する。もちろんその間、基地であるFeに腐食の及ぶ余地はなく、再び完全な耐食性が自己修復される。このように犠牲陽極の形成と不動態の自己修復という二大機能を組合わせて完璧な耐食性を守り続けることが、本発明の大きな技術的特徴である。
【0020】
【発明の実施の形態】
鉄系基材として150×70×2mmの鋼板表面に、アーク式溶射法により厚さ約30μmの防食第1層を形成する。Zn系の溶射材としてはZn線材を溶射ガンに供給して施工するが、別の実施例としてZn−Al擬合金でもよく、Zn線材とAl線材とを同じ溶射ガンへ同時に供給し、それぞれの金属溶滴が混和して基材面上に付着するものである。
【0021】
防食第1層の上へAl+Al23をフレーム溶射法によって約70μmの防食第2層を形成する。溶射条件としてフレームはアセチレン0.5kgf/cm2+酸素2.5kgf/cm2で形成し、溶射距離は200mm、ガン冷却用と粉末供給用に圧縮空気を使用し、レシプロケータは上下方向に500mm/s、左右方向に1.9mm/sに統一した。
【0022】
【表1】
Figure 0004093782
【0023】
表1は本発明の実施例、比較例の構成を示したもので、実施例1は防食第1層がZn、実施例2はZn−Al擬合金の例であり、ここでのAl含有量は重量比で27%である。防食第2層として実施例1、2はAl+Al23で、その混合比率は体積比でAl:1.0に対してAl23は0.5〜2.0の範囲に限定する。体積比率が1.0:0.5未満になると、防食第1層に対する打撃力が不十分でアンカー効果が不足し、また高硬度に基づく擦過傷などに対する耐性も劣化する。一方Al23の体積比率がAlの2倍を超えると、ショットブラストのように機械的剥脱作用が強く働き、防食第1層を毀損したり、ときには失う原因となる。
【0024】
ここで使用した粉末の粒径はAlが50μm以下、Al23が20〜50μm、その他のAl系合金は50〜150μmである。
【0025】
比較例の溶射条件も実施例と同じで、比較例1はアーク溶射によって従来技術の慣用手段であるZn単層皮膜、比較例2はフレーム溶射によるAl単層皮膜、比較例3、4はフレーム溶射によるAl系合金の単層皮膜で、何れも膜厚は約100μmである。このうち、比較例4は前記従来技術の実施例と類似した成分の単層皮膜とも受け取れるが、特にMnやSiを意識的に過飽和に固溶された急冷Al系合金であるとは言えず、該従来技術の要件を満たしたものではない。溶射条件もこの比較例4は酸素ガスと燃料ガスの流量比を特定した高速フレーム溶射には当らず、本比較例と該従来技術の実施例とは別例とみるべきである。
【0026】
比較例5〜7は防食第1層としてAl、またはAl系合金のフレーム溶射、防食第2層としてZnのアーク溶射を施した本発明と反転した構成で比較に供したものである。
【0027】
実施例、比較例について、塩水噴霧試験、および塩水浸漬試験を行い、溶射皮膜の耐食性を確認した結果をまとめたものである。なお、塩水噴霧試験はJIS K5600-7-1に準拠し、塩水浸漬試験の塩水の濃度はNaCl:3%の溶液を使用した。また、各試験片について電気化学的腐食特性をみるため、自然電位を前記溶液中に150日間浸漬して測定した数値も列記した。なお、自然電位の測定には飽和カロメル電極を用いた。
【0028】
表の結果から、本発明の実施例1、2は何れも150日の塩水噴霧試験において赤錆の発生がなかったのに対し、Zn単層皮膜の比較例1は20日目、Al単層皮膜の比較例2は60日目に少量の赤錆発生が認められ、また、Al系合金の単層皮膜である比較例3、4でもほぼ同様であった。また本発明と防食第1層、防食第2層の構成を反転した比較例5〜7にしても前記単層皮膜とほとんど変わらず、複合防食皮膜の利点は全く認められなかった。犠牲陽極となるZn層で最表面が形成されている限り、不動態化は顕れず、無抵抗に曝されるから従来技術と変わるところがないと理解される。このことは同表の右隣欄に示す塩水浸漬試験についても同様である。また、3%NaCl液に150日浸漬してから測定した自然電位を見ると、実施例は何れも鉄基地の自然電位(−660mV)よりも電位として十分に卑であり、強い耐食性能のあることを窺わせている。
【0029】
【表2】
Figure 0004093782
【0030】
表2は実施例、比較例の物理的な試験結果をまとめたもので、各試験片の溶射皮膜をビッカース硬さ試験機で測定した数値を示す。比較例1のHv:65、比較例2の同60に比べ、実施例は格段に高硬度で、均一にAl金属基地上に分散したAl23の超高硬度の介在によって表面の見かけ上の硬度は飛躍的に跳ね上がる。
【0031】
また、この表の右欄は各試験片における基材と防食第1層、防食第1層と防食第2層間の密着性を確認するために行なったデュポン式衝撃試験の結果を示したもので、先端が球面からなる2.3kgの重りを皮膜表面の高さ2m上から落下させ、衝突したときの衝撃で皮膜に割れ剥がれがないか調べたものである。比較例2〜4は何れも割れ、剥がれの異常が認められ、皆無であった実施例との差を明白に表わしている。
【0032】
【発明の効果】
本発明に係る複合防食皮膜は、以上述べたように犠牲陽極機能を具えた防食第1層と、不動態化機能を具えた防食第2層とが緊着して複合皮膜を形成し、かつ、第2層の硬度が極めて高く、複合皮膜全体として耐衝撃性も抜群であるから、貯蔵、搬送、施工の全期間を通じて外的要因によって外傷を受けることが極めて稀であり、ここから派生して耐食性を劣化させる起点となる可能性が激減する。
【0033】
仮に外傷を受けたときや、使用中に何かの理由で表面の不動態が破れた場合でも、内層の犠牲陽極作用が働いて腐食が鉄基材にまで及ぶことなく、その間に不導体の破壊部分が自己修復して再び不動態が復活し、犠牲陽極の腐食自体も阻止するから、両機能が相乗的に相携えて完璧で半永久的な耐食能力を担保し続ける効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 鉄基材
2 防食第1層
3 防食第2層
4 不動態

Claims (4)

  1. 鉄系材料を基材とし、その表面上に溶射して形成した、硬度の低い電気的にAlより卑で犠牲陽極機能が高いZn、Zn−Al擬合金、またはZn−Al合金よりなる防食第1層と、該防食第1層上へ、Al23を混合したAl、またはAl系合金を溶射してなり、湿分と反応して封孔再生する硬度の高い緻密な不動態を最表面に形成する防食第2層を緊着して一体的な複合皮膜とし、かつ、前記防食第2層を形成するAlとAl23またはAl系合金とAl23の混合比率が、体積比で1.0:0.5〜2.0の範囲であることを特徴とする鉄系基材の防食皮膜。
  2. 請求項において、防食第1層の厚さが20〜200μm、防食第2層の厚さが50〜150μmで形成することを特徴とする鉄系基材の防食皮膜。
  3. 鉄系基材の防食方法において、清浄に保たれた鉄系基材の表面上へ溶射によってZn、Zn−Al擬合金、Zn−Al合金よりなる多孔質の防食第1層を形成し、該防食第1層の上へ、AlとAl23またはAl系合金とAl23の粉末を混合するとともに、そのAlとAl 2 3 またはAl系合金とAl 2 3 の混合比率を体積比で1.0:0.5〜2.0の範囲とした混合粉末を溶射して防食第2層を形成し、高硬度のAl23粉末の打撃作用によって両皮膜が緊密に圧着して一体的な複合皮膜を形成することを特徴とする鉄系基材の防食方法。
  4. 遠心力鋳造によって成型したダクタイル鋳鉄管の表面上へ、電気的にAlより卑で犠牲陽極機能が高いZn、Zn−Al擬合金、またはZn−Al合金を溶射して形成する防食第1層で覆い、該防食第1層上へ溶射して密着したAl+Al23、またはAl系合金+Al23よりなり、湿分と反応して封孔再生する緻密な不動態を最表面に形成する防食第2層を被覆したことを特徴とするダクタイル鋳鉄管。
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